説明

作業車

【課題】ローダーレバーまたは主変速レバーを操作する際に、誤って他方のレバーが操作されることがない作業車を提供する。
【解決手段】上下方向に伸びる形状を有し、ステアリングハンドル20の右側方に設けられた、ローダー14を操作するためのローダーレバー30と、上下方向に伸びる形状を有し、運転座席21の右側方に位置する側方ダッシュボード22と運転座席との間に設けられた主変速レバー40とを備える。ローダーレバーおよび主変速レバーの先端部は、いずれも運転座席の座面よりも高い位置であり、ローダーレバーおよび主変速レバーが最も近くなる位置において、ローダーレバーおよび主変速レバーのいずれか一方のレバーを手で握ったとき、手と他方のレバーとの間には隙間がある。側方ダッシュボードに配置されている操作具は、作業機系の手段であり、側方ダッシュボードと運転座席との間に配置されている操作具は、走行系の手段である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用、建築用、運搬用等の、ローダーを備えた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、走行車両の前部にフロントローダー等の作業機が装着され、このフロントローダーを操作する作業機操作手段が、走行車両を運転する作業者の手の届く位置に配置されたトラクター等の作業車がある。
【0003】
そして、操作性の上で都合がよいステアリングハンドルの右側に配置し、作業者が乗降する際には、作業者の邪魔にならない位置に移動できるようにした作業機操作手段を備えた作業車が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図10に、特許文献1で提案されているローダー作業車の全体側面図を示す。また、図11(a)に、このローダー作業車のステアリングハンドル周りの背面図を示し、図11(b)に、キャビン内を後ろ上方側から見た斜視図を示す。
【0005】
ローダー作業車100の前方には、車体の左右に取付固定された一対のマスト109にフロントローダー104が取り付けられている。
【0006】
フロントローダー104は、左右の各マスト109に取り付けられた左右一対のサイドフレーム101と、サイドフレーム101の上部に枢支連結されていて上下揺動自在に支持された左右一対のブーム102と、左右のブーム102の先端側に枢支連結されていて上下揺動自在に支持されたバケット103を備えている。
【0007】
右側のマスト109の下部側には、ブーム102およびバケット103を揺動させるシリンダーを制御するコントロールバルブ107が配置されている。
【0008】
コントロールバルブ107は、ステアリングハンドル111の右側方に配置された作業機操作手段108にワイヤー等を有する連動手段110によって連動連結されており、作業者が運転席116に座った状態で、ブーム102およびバケット103の揺動制御を遠隔操作できるようになっている。
【0009】
ステアリングハンドル111は、ステアリングアームに連結しており、ステアリングアームの根元部分が、車体フレームに上下にチルト自在に固定されている。これにより、ステアリングハンドル111は、ステアリングアームを覆っているコラムカバー112と共に上下動(チルト)自在となっている。
【0010】
図11(a)に示すように、支持板113が、コラムカバー112上からネジ止めにより固定されており、作業機操作手段108は、支持板113に固定されたサポートアーム114およびサポートブラケット115を介してコラムカバー112に取り付けられている。
【0011】
作業機操作手段108は、コントロールボックス117と、このコントロールボックス117の上面側に設けられかつ連動手段110を介してコントロールバルブ107に連動連結されていてコントロールバルブ107を操作するローダーレバー118とを有している。
【0012】
運転席116の右側方のサイドコンソール120上面側の前後中間部には、ローダー作業車100に装備された各種の装置をオンオフ操作する各種スイッチ類や、車体の後部等に装着されるアクチュエータを制御する補助コントロールバルブを操作する補助コントロールレバー等が配置されている。
【0013】
また、サイドコンソール120の前部側には、副変速レバー121が配置され、この副変速レバー121の左側の斜め前方には主変速レバー122が配置されている。
【0014】
なお、図11(b)では、作業機操作手段108の図示を省略している。
【0015】
作業者が車体の右側へ乗降する際、サイドコンソール120とステアリングハンドル111との間が乗降通路となる。作業機操作手段108がステアリングハンドル111の右側方に配置されているので、そのままの状態では乗降の際に作業機操作手段108が邪魔になるが、作業機操作手段108を、ステアリングハンドル111と共にチルト自在の構成としているので、作業者が乗降する際には、ステアリングハンドル111を上方へチルトすることにより、作業機操作手段108が邪魔にならずに乗降することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2007−92284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上記特許文献1に記載のローダー作業車100では、ローダーレバーと主変速レバーが近い位置に配置されているため、作業者が一方のレバーを操作する際に、他方のレバーが誤って操作されてしまう場合があった。
【0018】
例えば、図10および図11に示した従来の構成のローダー作業車100において、作業者が運転席116に座っている状態で、フロントローダー104を制御しようとしてローダーレバー118を右手で握って操作する際に、右腕の肘が主変速レバー122の先端に当たり、主変速レバー122が誤って操作されてしまうおそれがあった。
【0019】
本発明は、上記従来の課題を考慮して、ローダーレバーまたは主変速レバーを操作する際に、誤って他方のレバーが操作されることがない作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
上下方向に伸びる形状を有し、ステアリングハンドルの右側方に設けられた、ローダーを操作するためのローダーレバーと、
上下方向に伸びる形状を有し、運転座席の右側方に位置する側方ダッシュボードと前記運転座席との間に設けられた主変速レバーとを備え、
前記ローダーレバーおよび前記主変速レバーの先端部は、いずれも前記運転座席の座面よりも高い位置であり、
前記ローダーレバーおよび前記主変速レバーが最も近くなる位置において、前記ローダーレバーおよび前記主変速レバーのいずれか一方のレバーを手で握ったとき、前記手と他方のレバーとの間には隙間があり、
前記側方ダッシュボードに配置されている操作具は、作業機系の手段であり、
前記側方ダッシュボードと前記運転座席との間に配置されている操作具は、走行系の手段である、作業車である。
【0021】
これにより、ローダーレバーまたは主変速レバーを操作する際に、誤って他方のレバーが操作されることを防止できる。
【0022】
また、操作系統毎に操作具を集中して配置しているので、作業者が操作し易くなる。
【0023】
また、第2の本発明は、
前記側方ダッシュボードの上面に、作業機昇降レバー、副変速スイッチ、PTO入り切りスイッチ、耕深ダイヤル、および外部油圧操作レバーが配置されている、第1の本発明の作業車である。
【0024】
これにより、作業機系の操作具と、走行系の操作具をそれぞれ集中して配置しているので、作業者は、各操作具の位置を理解し易くなり、スムーズに操作できるようになる。
【0025】
また、第3の本発明は、
前記側方ダッシュボードには段差が設けられており、上段面は後外側に配置され、下段面は前内側に配置され、
前記上段面には、前記外部油圧操作レバーが、配置され、
前記下段面には、前記作業機昇降レバーおよび前記耕深ダイヤルが配置されている、第2の本発明の作業車である。
【0026】
これにより、使用頻度の高い操作具が近くに配置されるので、作業者は、よりスムーズに操作できるようになる。
【0027】
また、第4の本発明は、
前記作業機昇降レバーは、前記下段面の前端に配置され、
前記耕深ダイヤルは、前記作業機昇降レバーの後方近傍に配置され、
前記副変速スイッチは、前記下段面の、前記作業機昇降レバーの内側の近傍に配置されている、第3の本発明の作業車である。
【0028】
これにより、副変速スイッチが同じ走行系の主変速レバーの近くに配置されるので、作業者は、走行系の操作をし易くなる。
【発明の効果】
【0029】
本発明により、ローダーレバーまたは主変速レバーを操作する際に、誤って他方のレバーが操作されることがない作業車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態の農用トラクターの左側面図
【図2】本発明の実施の形態の農用トラクターのキャビンの平面図
【図3】本発明の実施の形態の農用トラクターの右側方ダッシュボード部分の拡大平面図
【図4】本発明の実施の形態の農用トラクターのキャビン内を左前方から見た斜視図
【図5】本発明の実施の形態の農用トラクターのキャビンの後方から見た斜視図
【図6】本発明の実施の形態の農用トラクターのキャビンの前方から見た斜視図
【図7】(a)本発明の実施の形態の4WDレバー取り付け部分の模式断面図、(b)本発明の実施の形態の変形例の4WDレバー取り付け部分の模式断面図
【図8】(a)本発明の実施の形態のPTO変速レバー取り付け部分の模式断面図、(b)本発明の実施の形態の変形例のPTO変速レバー取り付け部分の模式断面図
【図9】本発明の実施の形態の変形例の農用トラクターのキャビンの平面図
【図10】従来のローダー作業車の全体側面図
【図11】(a)従来のローダー作業車のステアリングハンドル周りの背面図、(b)従来のローダー作業車のキャビン内を後ろ上方側から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施の形態について以下図面と共に説明する。なお、本明細書では作業車の前進方向に向かって左右をそれぞれ左、右といい、前後をそれぞれ前、後ということにする。そして、本発明の実施の形態によれば、作業車の一例である農業機械のトラクターを例として以下に説明する。
【0032】
図1は、本実施の形態の農用トラクターの左側面図である。図2は、本実施の形態の農用トラクターのキャビンの平面図を示し、図3は、右側方ダッシュボード部分の拡大平面図を示す。また、図4は、本実施の形態の農用トラクターのキャビン内を左前方から見た斜視図を、図5は、キャビンの後方から見た斜視図を、図6は、キャビンの前方から見た斜視図をそれぞれ示す。
【0033】
本実施の形態のトラクター10は、図1に示すように、車体の後部に左右一対の駆動用の後輪12を軸架し、前部にはステアリングハンドル20によって操舵される左右の前輪11を軸架して構成している。そして、トラクター10は、ステアリングハンドル20を装備した運転座席21を囲んだキャビンの前方側をボンネット13で覆い、その内部にエンジンや該エンジンの補器、すなわち、ラジエーター、オイルクーラー、空調用のコンデンサー、インタークーラー、エアクリーナー、バッテリー等を内装して搭載した構成としている。
【0034】
トラクター10は、図1に示すように、車体の前側にフロントローダー14を装備している。
【0035】
フロントローダー14は、トラクター10の車体の両側に取り付けられた左右一対のサイドフレーム19と、サイドフレーム19の上部に枢支連結されていて上下揺動自在に支持された主フレーム16と、主フレーム16の先端側に枢支連結されていて上下揺動自在に支持されたバケット15を備えている。また、サイドフレーム19の基部と主フレーム16の中央部との間には、伸縮自在に操作する主フレーム揺動用シリンダー18が連結され、主フレーム16の前部上側には、バケット15を揺動制御するバケット揺動用シリンダー17が連結されている。
【0036】
なお、トラクター10が、本発明の作業車の一例にあたり、フロントローダー14が、本発明のローダーの一例にあたる。
【0037】
また、本実施の形態のトラクター10は、ロータリー耕耘装置等の作業機(図示せず)を機体後部に構成している3点リンク機構により昇降可能に装着して対地作業を行うことができる。
【0038】
次に、本実施の形態のトラクター10のキャビン内の各操作具の配置について説明する。
【0039】
キャビンの中央に配置された運転座席21は、左側にアームレスト26を備えている。運転座席21の両側には、右側方ダッシュボード22および左側方ダッシュボード23が立設している。
【0040】
右側方ダッシュボード22の上部には段差が設けられており、上段面24および下段面25の、略水平な2つの面を有している。図4に示すように、上段面24は、右側方ダッシュボード22上部の後方外側に形成されており、下段面25は、右側方ダッシュボード22上部の前方内側に形成されている。
【0041】
これらの上段面24および下段面25には、作業機を操作するための操作具が集中して配置されている。
【0042】
上段面24には、3連の外部油圧レバー34が配置されている。
【0043】
下段面25の前端には、ポジションレバー31が配置され、ポジションレバー31の後端近傍に、Hi−Low切換スイッチ32および耕深調節ダイヤル33が配置されている。また、Hi−Low切換スイッチ32および耕深調節ダイヤル33のさらに後方に、PTO入り切りスイッチ35が配置されている。Hi−Low切換スイッチ32は、圃場以外の道路等を走行する際に切り換えるスイッチである。
【0044】
図3に示すように、ポジションレバー31の根元の前端部分には下げ位置調整ダイヤル37が設けられており、ポジションレバー31の根元の後端部分には上げ位置調整ダイヤル38が設けられている。
【0045】
ポジションレバー31は、作業機の上昇および下降を制御するレバーであり、後側が「上昇」、前側が「下降」で、機体旋回等の際に作業機を昇降する。下げ位置調整ダイヤル37および上げ位置調整ダイヤル38によってポジションレバー31の前後の可動範囲を調整し、作業機を上下動させる高さ範囲を規制する。
【0046】
なお、PTO入り切りスイッチ35は、ダイヤル式であり、作業者の体の一部が接触しても誤動作することが無く、また、耕深調節ダイヤル33の後方の運転座席21に最も近い位置に配置したことで、作業者が即座に操作することができるので、安全面において有効である。
【0047】
操作頻度の高い操作具を、運転座席21から近い下段面25に配置したことで、作業者は、スムーズに操作具を操作することができる。
【0048】
なお、ポジションレバー31が、本発明の作業機昇降レバーの一例にあたり、Hi−Low切換スイッチ32が、本発明の副変速スイッチの一例にあたり、耕深調節ダイヤル33が、本発明の耕深ダイヤルの一例にあたり、外部油圧レバー34が、本発明の外部油圧操作レバーの一例にあたる。
【0049】
また、右側方ダッシュボード22の前方の、運転座席21に座った作業者が右手で操作し易い位置に、JOYスティックレバー30が配置されている。
【0050】
一方、運転座席21と右側方ダッシュボード22の間には、走行系の操作具が集中して配置されている。
【0051】
運転座席21と右側方ダッシュボード22の間の、右手で操作し易い位置に、メインチェンジレバー40が配置されており、メインチェンジレバー40の後方に、サブチェンジレバー41およびクリープ速レバー42が、順に配置されている。サブチェンジレバー41は、任意の位置に固定することができ、そのレバーの位置に応じてトラクター10の走行速度を一定に維持することができる。
【0052】
なお、Hi−Low切換スイッチ32は、右側方ダッシュボード22の下段面25上の、メインチェンジレバー40に接近する位置に配置されている。
【0053】
このように、作業機を操作するための操作具を右側方ダッシュボード22上に集中して配置し、走行系の操作具を運転座席21と右側方ダッシュボード22の間に集中して配置したことにより、作業者にとって操作具の位置がわかり易く、スムーズに操作することができる。
【0054】
なお、JOYスティックレバー30が、本発明のローダーレバーの一例にあたり、メインチェンジレバー40が、本発明の主変速レバーの一例にあたる。また、右側方ダッシュボード22が、本発明の側方ダッシュボードの一例にあたる。
【0055】
図4に示すように、JOYスティックレバー30は、その先端部が運転座席21の座面よりも高い位置となるように配置されており、また、メインチェンジレバー40も、その先端部が運転座席21の座面よりも高い位置となるように配置されている。
【0056】
また、JOYスティックレバー30およびメインチェンジレバー40は、いずれも前後方向に操作するレバーであるが、JOYスティックレバー30とメインチェンジレバー40が最も近くなる位置において、作業者がいずれか一方のレバーの先端部を握ったときに、そのレバーを握った手と他方のレバーとの間に隙間ができるように、JOYスティックレバー30およびメインチェンジレバー40は配置されている。したがって、作業者が、JOYスティックレバー30またはメインチェンジレバー40を操作する際に、体の部分が誤って他方のレバーに接触して誤操作されることが無い。
【0057】
また、JOYスティックレバー30とメインチェンジレバー40を、機体の前後方向に並ぶように配置するのではなく、図2に示すように機体の左右方向においてずれた位置になるように配置しているので、これらのレバーを頻繁に操作する場合の操作性が向上する。
【0058】
運転座席21の右側前方のフロア上には、アクセルペダル49が配置されている。
【0059】
また、運転座席21の右側の下方に4WDレバー43が配置され、運転座席21の左側の下方にPTO変速レバー36が配置されている。また、運転座席21の右寄りの下方には、デフロックペダル44が配置されている。
【0060】
ステアリングハンドル20の左側前方には、ハザードスイッチ50が配置されている。
【0061】
図5に示すように、ステアリングハンドル20の中心部分には、センターホーン51が設けられている。運転座席21に座った作業者から見て、ステアリングハンドル20の左奥に前後進レバー45が配置されており、ステアリングハンドル20の右奥にウインカーレバー52が配置されている。ステアリングハンドル20の右前方には、スロットルレバー46が配置されており、ステアリングハンドル20の右寄りの下方には、キースイッチ53およびパーキングレバー54が配置されている。
【0062】
運転座席21の右寄り前方のフロアに近い位置に、左右のブレーキペダル48が配置され、運転座席21の左寄り前方のフロアに近い位置に、クラッチペダル47が配置されている。また、ステアリングハンドル20の左寄りの下方のフロアに近い位置に、チルトペダル55が配置されている。
【0063】
なお、上記では、4WDレバー43およびPTO変速レバー36を、運転座席21下方のフロア面から垂直に立ち上がった面に配置され、前方に伸びるレバー形状としたが、運転座席21側方の近い位置に、上方に伸びるレバー形状として配置するようにしてもよい。
【0064】
図7(a)に、上記で説明した本実施の形態の4WDレバー43の取り付け部分の模式断面図を示し、図7(b)に、運転座席21の側方に配置した構成の4WDレバー取り付け部分の模式断面図を示す。
【0065】
図8(a)に、上記で説明した本実施の形態のPTO変速レバー36の取り付け部分の模式断面図を示し、図8(b)に、運転座席21の側方に配置した構成のPTO変速レバー取り付け部分の模式断面図を示す。
【0066】
また、図9に、4WDレバーおよびPTO変速レバーを運転座席21の側方に配置した構成の農用トラクターのキャビンの平面図を示す。
【0067】
上記で説明した4WDレバー43は、図7(a)に示すように、運転座席21の座面よりも下方の、水平なフロア面62から垂直に立設した面に、レバー形状の先端部が機体の前方に伸びるように配置されている。4WDレバー43を上方に傾けることにより2WDに切り換わり、下方に傾けることにより4WDに切り換わる。
【0068】
図7(b)に示すように、垂直型4WDレバー60を、フロア面62に垂直な面ではなく、例えば、運転座席21の座面に近い水平な面に、先端部が上方に伸びるように取り付けてもよい。例えば、図9に示すように、メインチェンジレバー40と運転座席21との間の水平面に配置する。
【0069】
図7(b)に示す垂直型4WDレバー60は、上方に引き上げると2WDに切り換わり、下方へ押し下げると4WDに切り換わる。
【0070】
上記で説明したPTO変速レバー36は、図8(a)に示すように、運転座席21の座面よりも下方の、水平なフロア面62から垂直に立設した面に、レバー形状の先端部が機体の前方に伸びるように配置されている。PTO変速レバー36を上下に操作することにより、PTOの変速が切り換わる。
【0071】
図8(b)に示すように、垂直型PTO変速レバー61を、フロア面62に垂直な面ではなく、例えば、運転座席21の座面に近い水平な面に、先端部が上方に伸びるように取り付けてもよい。例えば、図9に示すように、運転座席21の左側の近い位置の水平な面に配置する。
【0072】
図8(b)に示す垂直型PTO変速レバー61は、上下方向ではなく、前後方向に操作することによりPTOの変速が切り換わる。
【0073】
図9に示すように、垂直型4WDレバー60や垂直型PTO変速レバー61を運転座席21側方の近い位置に配置することにより、従来のフロア面62に近い位置に配置されていた場合よりも、運転座席21に座ったままで作業者がこれらのレバーを操作し易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明の作業車は、ローダーレバーまたは主変速レバーを操作する際に、誤って他方のレバーが操作されるのを防止する効果を有し、農業用、建築用、運搬用等の、ローダーを備えた作業車として有用である。
【符号の説明】
【0075】
10 トラクター
11 前輪
12 後輪
13 ボンネット
14 フロントローダー
15 バケット
16 主フレーム
17 バケット揺動用シリンダー
18 主フレーム揺動用シリンダー
19 サイドフレーム
20 ステアリングハンドル
21 運転座席
22 右側方ダッシュボード
23 左側方ダッシュボード
24 上段面
25 下段面
26 アームレスト
30 JOYスティックレバー
31 ポジションレバー
32 Hi−Low切換スイッチ
33 耕深調節ダイヤル
34 外部油圧レバー
35 PTO入り切りスイッチ
36 PTO変速レバー
37 下げ位置調整ダイヤル
38 上げ位置調整ダイヤル
40 メインチェンジレバー
41 サブチェンジレバー
42 クリープ速レバー
43 4WDレバー
44 デフロックペダル
45 前後進レバー
46 スロットルレバー
47 クラッチペダル
48 ブレーキペダル
49 アクセルペダル
50 ハザードスイッチ
51 センターホーン
52 ウインカーレバー
53 キースイッチ
54 パーキングレバー
55 チルトペダル
60 垂直型4WDレバー
61 垂直型PTO変速レバー
62 フロア面
100 ローダー作業車
101 サイドフレーム
102 ブーム
103 バケット
104 フロントローダー
107 コントロールバルブ
108 作業機操作手段
109 マスト
110 連動手段
111 ステアリングハンドル
112 コラムカバー
113 支持板
114 サポートアーム
115 サポートブラケット
116 運転席
117 コントロールボックス
118 ローダーレバー
120 サイドコンソール
121 副変速レバー
122 主変速レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に伸びる形状を有し、ステアリングハンドルの右側方に設けられた、ローダーを操作するためのローダーレバーと、
上下方向に伸びる形状を有し、運転座席の右側方に位置する側方ダッシュボードと前記運転座席との間に設けられた主変速レバーとを備え、
前記ローダーレバーおよび前記主変速レバーの先端部は、いずれも前記運転座席の座面よりも高い位置であり、
前記ローダーレバーおよび前記主変速レバーが最も近くなる位置において、前記ローダーレバーおよび前記主変速レバーのいずれか一方のレバーを手で握ったとき、前記手と他方のレバーとの間には隙間があり、
前記側方ダッシュボードに配置されている操作具は、作業機系の手段であり、
前記側方ダッシュボードと前記運転座席との間に配置されている操作具は、走行系の手段である、作業車。
【請求項2】
前記側方ダッシュボードの上面に、作業機昇降レバー、副変速スイッチ、PTO入り切りスイッチ、耕深ダイヤル、および外部油圧操作レバーが配置されている、請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記側方ダッシュボードには段差が設けられており、上段面は後外側に配置され、下段面は前内側に配置され、
前記上段面には、前記外部油圧操作レバーが、配置され、
前記下段面には、前記作業機昇降レバーおよび前記耕深ダイヤルが配置されている、請求項2に記載の作業車。
【請求項4】
前記作業機昇降レバーは、前記下段面の前端に配置され、
前記耕深ダイヤルは、前記作業機昇降レバーの後方近傍に配置され、
前記副変速スイッチは、前記下段面の、前記作業機昇降レバーの内側の近傍に配置されている、請求項3に記載の作業車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−112104(P2013−112104A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258666(P2011−258666)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】