説明

使い捨ておむつ

【課題】体液の吸収スピードが向上するとともに、一度吸収体に吸収された体液が液戻りし難い使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】本発明の使い捨ておむつ1Aは、表面シート2、裏面シート3、吸収体4を備え、腹側部A、背側部B、股下部Cに区分された吸収性本体5を有する。吸収体4は、高吸収性ポリマーを不織布411,412で挟んだ積層吸収体41を有し、積層吸収体41が腹側部Aから背側部Bに亘って配されている。吸収体4と表面シート2とは、背側部Bで固定されておらず、腹側部A及び股下部Cで固定されている。吸収性本体5は、背側部Bにおいて、吸収体4と表面シート2との間に吸収体4を横断する伸長状態の弾性部材9を有している。弾性部材9は、その両端部9sが表面シート2と裏面シート3との間で固定されており、使用時に弾性部材9の収縮により吸収体4と表面シート2とが離間するようになされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展開型の使い捨ておむつ等の使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
体液を吸収する吸収スピードを向上させるために、表面シートと吸収体とを密着固定した使い捨ておむつが種々提案されている。しかし、表面シートと吸収体とを密着固定すると、体液の吸収スピードが向上する一方で、一度吸収体に吸収された体液が表面シートに液戻りしてしまう場合がある。
【0003】
ところで、本出願人は先に、ウエスト開口部の周縁部にウエストギャザーが設けられており、該ウエストギャザーと平行に別個に存在する胴まわりギャザーが設けられている使い捨ておむつを提案した(特許文献1参照)。特許文献1に記載のおむつによれば、着用者の胴まわり部に対するフィット性に優れる。しかし、表面シートと吸収体とを密着固定しておらず、体液の吸収スピードの点で改善の余地があった。
【0004】
また、特許文献2には、ベース層と表面層との間に弾性部材を配した弾性バンドを備えた使い捨ておむつが記載されている。しかしながら、特許文献2には、体液を吸収する吸収スピードを向上させるために、表面シートと吸収体とを密着固定することに関し、何ら記載されていない。また、特許文献2には、前記弾性バンドを吸収体と表面シートとの間が離間するような位置に配することについて、何ら記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−71103号公報
【特許文献2】WO2009−145860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、液透過性の表面シート、液難透過性の裏面シート、及びこれらシート間に配された吸収体を備え、腹側部、背側部、及び股下部に区分された縦長の吸収性本体を有する使い捨ておむつであって、前記吸収体は、高吸収性ポリマーを2枚の不織布で挟んで形成された積層吸収体を有し、該積層吸収体が前記腹側部から前記背側部に亘って配されており、前記吸収体と前記表面シートとは、前記背側部で固定されておらず、前記腹側部及び前記股下部で固定されており、前記吸収性本体は、前記背側部において、前記吸収体と前記表面シートとの間に、前記吸収体を横断する伸長状態の複数本の弾性部材を有し、複数本の前記弾性部材それぞれは、縦方向に間隔を空けて配され、該弾性部材の両端部が前記表面シートと前記裏面シートとの間で固定されており、使用時に複数本の該弾性部材それぞれの収縮により、前記吸収体と前記表面シートとが離間するようになされている使い捨ておむつを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の使い捨ておむつによれば、体液の吸収スピードが向上するとともに、一度吸収体に吸収された体液が液戻りし難い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態である展開型の使い捨ておむつを伸長させて拡げた状態を一部破断して示す平面図である。
【図2】図2は、図1のY1−Y1線断面図である。
【図3】図3は、使用中における図1のX1−X1線断面図である。
【図4】図4は、図1に示す使い捨ておむつの有する弾性構成体の平面図である。
【図5】図5は、使用中における図1のY1−Y1線の一部断面図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態である展開型の使い捨ておむつを伸長させて拡げた状態を一部破断して示す平面図である。
【図7】図7は、使用中における図6のX2−X2線断面図である。
【図8】図8は、別形態の弾性構成体の平面図である。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態である展開型の使い捨ておむつを伸長させて拡げた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の使い捨ておむつを、その好ましい第1実施形態に基づき、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0011】
第1実施形態の使い捨ておむつ1A(以下、「おむつ1A」ともいう。)は、液透過性の表面シート2、液難透過性の裏面シート3、及びこれらシート2,3間に配された吸収体4を備え、図1に示すように、腹側部A、背側部B及び股下部Cに区分された縦長の吸収性本体5を有する、所謂、展開型の使い捨ておむつである。おむつ1Aは、図1に示すように、おむつ1Aの縦方向に延びる中心線CLに対して左右対称に形成されている。尚、各図に示す「Y方向」は、中心線CLに平行な方向であり、おむつの縦方向と同じ方向でもある。また各図に示す「X方向」は、中心線CLに直交する方向であり、おむつの幅方向と同じ方向でもある。
また、本明細書において、「肌対向面」とは、吸収性本体5などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に配される面であり、「非肌対向面」とは、吸収性本体5などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
【0012】
おむつ1Aについて、詳述すると、おむつ1Aは、図1に示すように、着用時に着用者の腹側に位置する腹側部A、背側に位置する背側部B、及び腹側部Aと背側部Bとの間に配置される股下部Cを有する吸収性本体5を備えている。吸収性本体5は、展開して伸長した状態において矩形状であり、展開して伸長した状態において、腹側部A、背側部B及び股下部Cは、図1に示すように、吸収性本体5の縦方向(Y方向)の全長を略3等分するように3領域に区分したときの各領域である。吸収性本体5は、図1に示すように、おむつ1Aの内面をなす表面シート2と、おむつ1Aの外面をなす裏面シート3と、これらのシート2,3間に介在された液保持性の吸収体4とを有している。表面シート2及び裏面シート3それぞれは、図1に示すように、吸収体4の肌対向面側の全面及び非肌対向面側の全面を覆っており、吸収体4の周縁から延出している。吸収体4の周縁から延出している表面シート2の部分と裏面シート3の部分とは、図1に示すように、固定されている。また、表面シート2は、図1に示すように、X方向の長さが裏面シート3のX方向の長さよりも短くなっている。
【0013】
おむつ1Aの吸収性本体5には、図1に示すように、Y方向の両側部5s,5sそれぞれに、表面シート2を介してサイドシート7が配されている。サイドシート7は、図1に示すように、表面シート2の肌対向面側であって、Y方向の側部全域に亘って配設固定されている。各サイドシート7のX方向の内方側(中心線CL寄り)の端部は、図1に示すように、自由端となっており、自由端近傍には立体ギャザー形成用の弾性部材71が縦方向(Y方向)に伸長状態で配設固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、自由端から所定幅の部分が表面シート2から離間して立体ギャザーを形成する。
【0014】
各サイドシート7のX方向の外方側の端部は、図1に示すように、裏面シート3と固定されており、各サイドシート7の外方側の端部と裏面シート3との間には、股下部Cにおいて、レッグギャザー形成用の弾性部材72が縦方向(Y方向)に伸長状態で配設固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、レッグギャザーが形成される。
【0015】
また、おむつ1Aは、図1に示すように、吸収性本体5の背側部Bの左右両外方に連設された左右一対の伸縮パネル6b,6bを有している。おむつ1Aの一対の伸縮パネル6b,6bは、背側部Bにおいて、その中心線CL寄りの端部が、裏面シート3の非肌対向面に固定されており、吸収性本体5の背側部Bの左右両外方に連設されている。尚、おむつ1Aにおいては、一対の伸縮パネル6b,6bは、裏面シート3の非肌対向面に固定されているが、表面シート2を介して配されたサイドシート7と裏面シート3との間で固定されていてもよい。各伸縮パネル6bには、機械的面ファスナーのオス部材からなる止着部81が取り付けられたファスニングテープ8がX方向外方に延出して取り付けられている。伸縮パネル6bは、接着剤や融着等の手段を用いて固定されている。
【0016】
また、おむつ1Aは、図1に示すように、吸収性本体5の腹側部Aの左右両外方に連設された左右一対のパネル材6a,6aを有している。おむつ1Aの一対のパネル材6a,6aは、腹側部Aにおいて、図1に示すように、その中心線CL寄りの端部が、表面シート2を介して配されたサイドシート7と裏面シート3との間で固定されており、吸収性本体5の腹側部Aの左右両外方に連設されている。尚、おむつ1Aにおいては、一対のパネル材6a,6aは、サイドシート7と裏面シート3との間で固定されているが、裏面シート3の非肌対向面に固定されていてもよい。パネル材6aは、接着剤や融着等の手段を用いて固定されている。
【0017】
吸収体4は、図2に示すように、高吸収性ポリマー(不図示)を2枚の不織布411,412で挟んで形成された積層吸収体41を有し、おむつ1Aにおいては、股下部Cに位置する積層吸収体41上に固定されたサブレイヤー42を有している。積層吸収体41は、図1に示すように、腹側部Aから背側部Bに亘って配されている。積層吸収体41は、図1に示すように、平面視して矩形状である。2枚の不織布411,412は、同形同大であり、図1,図2に示すように、積層吸収体41の輪郭と一致する輪郭を有している。
【0018】
積層吸収体41の坪量は、積層吸収体41が組み込まれている使い捨ておむつの用途等によって適宜設定される。例えば、おむつ1Aが乳幼児(低月齢児)用のおむつである場合には、積層吸収体41の坪量は、薄型化、可撓性及び液吸収性とのバランスの観点から80〜400g/m2であることが好ましい。積層吸収体41は、2枚の不織布411,412の間に高吸収性ポリマー(不図示)を挟持した状態で、2枚の不織布411,412をホットメルト型接着剤等の接合手段(接着剤)によって接合し一体化することにより形成されている。
【0019】
積層吸収体41の高吸収性ポリマー(不図示)の含有量は、積層吸収体41の全質量に対して95質量%以上であることが好ましい。高吸収性ポリマー(不図示)としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限無く用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。吸水性ポリマーとしては、粒子状のものでも、繊維状のものでもよい。
【0020】
積層吸収体41の2枚の不織布411,412は、その坪量が7〜30g/m2であることが好ましい。2枚の不織布411,412は、おむつ1Aにおいては、同形同大であり、坪量も同じであるが、異なっていてもよい。2枚の不織布411,412としては、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布等の不織布;あるいはこれらの2種以上が積層された複合シート等が挙げられ、おむつ1Aにおいては、2層のスパンボンド不織布の層の間に1層のメルトブローン不織布の層が配置された状態で一体化されたスパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布が用いられている。
【0021】
おむつ1Aの吸収体4の有するサブレイヤー42は、図1に示すように、平面視して矩形状であり、図2に示すように、幅方向(X方向)の長さが積層吸収体41の幅方向(X方向)の長さと同じであり、縦方向(Y方向)の長さが積層吸収体41の縦方向(Y方向)の長さよりも短く形成されている。股下部Cにおける体液吸収能を補強し、吸収された体液が表面シート2側に戻る現象(ウエットバック)を低減させる観点から、積層吸収体41の肌対向面の全面積の100%以下であることが好ましく、30〜50%であることが更に好ましい。サブレイヤー42は、図1に示すように、積層吸収体41の肌対向面上に配設固定され、おむつ1Aにおいては、股下部Cから腹側部Aに向かって延在している。
【0022】
サブレイヤー42は、その坪量が40〜300g/m2であることが好ましい。サブレイヤー42としては、親水性繊維を主体とするシート(親水性繊維の含有量が好ましくは90質量%以上のシート)を用いることができ、該シートとしては、例えば、紙、不織布、ウエブ等が挙げられる。親水性繊維としては、親水性表面を有する繊維であって、その湿潤状態において、繊維どうしが互いに高い自由度を有するシートを形成できるものであれば、特に制限なく用いることができる。そのような親水性繊維の例には、前述したセルロース繊維や親水性合成繊維や親水化処理した合成繊維の他、特表2010−526632号公報に記載の変性(セルロース)繊維、例えば、化学的に剛化された、撚り合わされた及び/又はカールされた(カーリー)(セルロース)繊維;化学的に剛化された、撚り合わされた及び/又はカールされた架橋セルロース又は合成ポリマー繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。尚、サブレイヤー42は、親水性繊維に加えて、他の成分、例えば吸水性ポリマー、消臭剤等を含有していても良い。
【0023】
本発明において、吸収体4と表面シート2とは、図1に示すように、背側部Bで固定されておらず、腹側部A及び股下部Cで固定されている。具体的には、吸収体4は、おむつ1Aにおいては、背側部Bから腹側部Aに亘る積層吸収体41と、積層吸収体41の肌対向面上に配設固定され股下部Cから腹側部Aに向かって延在するサブレイヤー42とから形成されているため、背側部Bに位置する積層吸収体41の肌対向面と表面シート2の非肌対向面とが固定されていない以外、他の領域においては固定されている。即ち、股下部Cに位置するサブレイヤー42の肌対向面と表面シート2の非肌対向面とは固定されており、腹側部Aに位置するサブレイヤー42及び積層吸収体41それぞれの肌対向面と表面シート2の非肌対向面とは固定されている。
【0024】
吸収体4と表面シート2とは、ホットメルト接着剤を用いて固定されている。ホットメルト接着剤としては、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等のブロックコポリマー系のホットメルト接着剤が挙げられる。ホットメルト接着剤の塗工方法としては、スパイラル状に塗工する方法、ビード状に塗工する方法等が挙げられ、おむつ1Aにおいては、ホットメルト接着剤をスパイラル状に塗工している。ホットメルト接着剤をスパイラル状に塗工する場合には、2〜20g/m2で塗工することが好ましく、3〜10g/m2で塗工することが更に好ましい。尚、上述した、吸収体4の周縁から延出している表面シート2の部分と裏面シート3の部分との固定も、吸収体4と表面シート2との固定と同様にして固定することができる。
【0025】
本発明の使い捨ておむつの有する吸収性本体5は、図1に示すように、背側部Bにおいて、吸収体4と表面シート2との間に、吸収体4を横断する伸長状態の複数本の弾性部材9を有しており、複数本の弾性部材9それぞれは、縦方向(Y方向)に間隔を空けて配されている。具体的に説明すると、弾性部材9は、背側部Bに3〜15本配されていることが好ましく、おむつ1Aにおいては5本配されている。各弾性部材9は、X方向に伸長されており、おむつ1Aにおいては、背側部Bに位置する吸収体4の積層吸収体41を横断するように配されている。また、各弾性部材9は、おむつ1Aにおいては、縦方向(Y方向)に略等間隔を空けて配されている。尚、おむつ1Aの各弾性部材9は、縦方向(Y方向)に略等間隔を空けて配されているが、等間隔でなくてもよい。
【0026】
弾性部材9としては、天然ゴム(又は合成ゴム)、ポリウレタンのスパンデックス弾性繊維等が挙げられる。弾性部材9として天然ゴム(合成ゴム)を用いる場合には、厚みが0.05〜3mm、幅が0.2〜5mmの弾性部材が用いられる。このような天然ゴム(合成ゴム)は、単糸での100%伸長時の応力が1〜70gfであることが好ましく、1〜30gfであることが好ましい。このような応力の天然ゴム(合成ゴム)の単糸を、100%以上、特に200%以上の伸長倍率となるように配することが好ましい。尚、伸長倍率は、自然長に対する、伸長されて増加した分の長さの割合であり、例えば、長さ10cmのものを20cmに伸長するとその伸長率は100%とされる。
【0027】
弾性部材9としてポリウレタンのスパンデックス弾性繊維を用いる場合には、単糸のサイズが10〜3360デニールのもの、特に70〜1120デニールのものを好ましく用いることができる。デニールは糸の太さを表す単位であり、9000mで1gある糸を1デニールと呼ぶ。このようなスパンデックス弾性繊維を、30%以上、特に100%以上の伸長倍率となるように配することが好ましい。
【0028】
本発明の使い捨ておむつの有する複数本の弾性部材9それぞれは、図1に示すように、弾性部材9の両端部9s,9sが表面シート2と裏面シート3との間で固定されており、使用時に複数本の弾性部材9それぞれの収縮により、吸収体4と表面シート2とが離間するようになされている。複数本の弾性部材9それぞれの両端部9s,9sは、図1に示すように、おむつ1Aにおいては、縦方向(Y方向)に延びる一対のパネル部材10、10で固定されており、一対のパネル部材10,10を介して、弾性部材9の両端部9sが表面シート2と裏面シート3との間で固定されている。具体的に説明すると、一対のパネル部材10,10それぞれは、図1に示すように、平面視してY方向に長い矩形状であり、図3に示すように、2枚の同形同大のシート片101,102から形成されている。図3に示すように、各弾性部材9の両端部9s,9sそれぞれを、2枚のシート片の間で挟持した状態で、2枚のシート片をホットメルト型接着剤等の接合手段(接着剤)によって接合することにより、図4に示すように、一対のパネル部材10,10間に、複数本の弾性部材9が縦方向(Y方向)に間隔を空けて配されている梯子状の弾性構成体11を形成している。弾性構成体11は、図1に示すように、厚み方向においては、吸収体4と表面シート2と間に配されている。弾性構成体11の構成について詳述すると、一対のパネル部材10,10は、図1,図3に示すように、表面シート2と裏面シート3との間で固定されており、各弾性部材9は吸収体4と固定されていない。即ち、各弾性部材9それぞれの両端部9s,9sは、それぞれ、図3に示すように、吸収体4の縦方向(Y方向)に沿う側縁よりX方向外側で固定されている。より具体的には、各弾性部材9の端部9sは、図3に示すように、吸収体4を構成する積層吸収体41の縦方向(Y方向)に沿う側縁よりX方向外側で固定されている。
【0029】
おむつ1Aにおいては、図1に示すように、一対の伸縮パネル6b,6bで挟まれた領域Tを越えて、複数本の弾性部材9の一部が縦方向(Y方向)に間隔を空けて配されている。具体的には、上述のようにして形成された梯子状の弾性構成体11は、一対の伸縮パネル6b,6bで挟まれた領域Tを越えて、図1に示すL部分だけ、股下部C側に延在しており、L部分に位置する複数本の弾性部材9が縦方向(Y方向)に間隔を空けて配されている。梯子状の弾性構成体11は、図2に示すように、背側部Bに位置する吸収体4の積層吸収体41の肌対向面上に配され、弾性構成体11の一対のパネル部材10,10それぞれが、表面シート2と裏面シート3との間に配され固定されている。従って、弾性部材9の両端部9s,9sそれぞれが、パネル部材10を介して、表面シート2と裏面シート3との間で固定されている。
【0030】
本発明の使い捨ておむつは、上述したように配された複数本の伸長状態の弾性部材9を有しているため、図3,図5に示すように、使用時に複数本の弾性部材9それぞれの収縮により、吸収体4と表面シート2とが離間するようになされている。詳述すると、背側部Bに位置する積層吸収体41の肌対向面と表面シート2の非肌対向面とが固定されておらず、X方向に伸長された複数本の伸長状態の弾性部材9が、使用時に収縮することにより、図3,図5に示すように、背側部Bに位置する積層吸収体41と表面シート2とが離間し、空間が形成される。
【0031】
本実施形態のおむつ1Aの形成材料について説明する。
表面シート2及び裏面シート3としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、親水性且つ液透過性の不織布等を用いることができ、裏面シート3としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、該樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。立体ギャザーやレッグギャザーを形成するサイドシート7としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、伸縮性のフィルム、不織布、織物またはそれらの積層シート等を用いることができる。立体ギャザー形成用の弾性部材71、レッグギャザー形成用の弾性部材72としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。
【0032】
弾性構成体11を形成するシート片101,102としては、紙、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、サーマルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布等の不織布を用いることができる。
【0033】
立体ギャザー形成用の弾性部材71、レッグギャザー形成用の弾性部材72としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。
【0034】
伸縮パネル6bとしては、例えば、(1)弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(2)ネット状の弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシート、(3)弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されているシートを用いることができる。パネル材6aは、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる、例えば、液不透過性の不織布等を用いることができる。ファスニングテープ8は、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、ファスニングテープ8の係合突起としては、「マジックテープ(登録商標)」(クラレ社製)、「クイックロン(登録商標)」(YKK社製)、「マジクロス(登録商標)」(カネボウベルタッチ社製)等におけるオス部材等を用いることができる。
【0035】
表面シート2、裏面シート3、サイドシート7、ファスニングテープ8の固定には、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるホットメルト型接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等の融着手段が用いられる。
【0036】
次に上述した本発明の第1実施形態の使い捨ておむつ1Aを使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1Aは、図1,図2に示すように、吸収体4と表面シート2とは、背側部Bで固定されておらず、腹側部A及び股下部Cで固定されており、背側部Bにおいて、吸収体4と表面シート2との間に、吸収体4を横断する伸長状態の複数本の弾性部材9を有し、複数本の弾性部材9それぞれは、両端部9s,9sが表面シート2と裏面シート3との間で固定されている。その為、図3,図5に示すように、使用時に複数本の弾性部材9それぞれの収縮により、吸収体4と表面シート2とが離間するようになされている。このように形成されているおむつ1Aは、特に股下部Cにおいて、吸収体4と表面シート2とが密着固定されているので、表面シート2から吸収体4まで連通しており、体液の吸収スピードが向上する。そして、吸収体4に吸収された体液が背側部B側に拡散したとしても、吸収体4と表面シート2とが離間しているため、一度吸収体に吸収された体液が液戻りし難い。また、おむつ1Aは、股下部Cに位置する積層吸収体41の肌対向面上に固定されたサブレイヤー42を有しているので、股下部Cにおける体液の吸収スピードが更に向上すると共に、股下部Cにおける体液の液戻りを低減することができる。
【0037】
また、おむつ1Aは、図1に示すように、複数本の弾性部材9それぞれの両端部9s,9sは、縦方向(Y方向)に延びる一対のパネル部材10,10で固定されて、梯子状の弾性構成体11(図4参照)を形成している。このような梯子状の弾性構成体11(図4参照)は、一対のパネル部材10,10間には、複数本の弾性部材9のみしか配されておらず、背側部B側に拡散してきた体液が、表面シート2と複数本の弾性部材9との間に保持され難く、蒸れを生じ難い。
【0038】
また、おむつ1Aは、図1に示すように、一対の伸縮パネル6b,6bで挟まれた領域Tを越えて、図1に示すL部分だけ、複数本の弾性部材9が股下部C側に延在している。その為、一対の伸縮パネル6b,6bをX方向外方に伸ばして使用する際に、一対の伸縮パネル6b,6bで挟まれた領域Tにある複数本の弾性部材9はX方向に伸ばされるが、図1に示すL部分にある複数本の弾性部材9はX方向に伸ばされ難い。従って、おむつ1Aを使用する際には、L部分の複数本の弾性部材9がそれぞれの収縮することにより、吸収体4と表面シート2とが離間し、背側部B側に拡散してきた体液が液戻りし難い。
【0039】
次に、本発明の第2実施形態の使い捨ておむつについて、図6,図7に基づいて説明する。
第2実施形態の使い捨ておむつ1B(以下、「おむつ1B」ともいう)については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aと同様であり、おむつ1Aの説明が適宜適用される。
【0040】
第2実施形態のおむつ1Bは、図6,図7に示すように、複数本の弾性部材9それぞれの中央領域は、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)に間欠的に配された接着剤12を介して表面シート2に固定されており、使用時に複数本の弾性部材9それぞれの収縮により、表面シート2にギャザーを形成する。このようにして表面シート2がギャザーによる凹凸形状を有している。吸収体4は、おむつ1Bにおいては、おむつ1Aと同様に、背側部Bから腹側部Aに亘る積層吸収体41と、積層吸収体41の肌対向面上に配設固定され股下部Cから腹側部Aに向かって延在するサブレイヤー42とから形成されており、背側部Bに位置する積層吸収体41の肌対向面と表面シート2の非肌対向面とが固定されておらず、股下部Cに位置するサブレイヤー42の肌対向面と表面シート2の非肌対向面とが固定されており、腹側部Aに位置するサブレイヤー42及び積層吸収体41それぞれの肌対向面と表面シート2の非肌対向面とが固定されている。
【0041】
おむつ1Bは、おむつ1Aと同様に、一対のパネル部材10,10間に、複数本の弾性部材9が縦方向(Y方向)に間隔を空けて配されている梯子状の弾性構成体11(図4参照)を有し、梯子状の弾性構成体11が、図6に示すように、背側部Bに位置する吸収体4の積層吸収体41の肌対向面上に配され、弾性構成体11の一対のパネル部材10,10それぞれが、表面シート2と裏面シート3との間に配され固定されている。従って、弾性部材9の両端部9s,9sそれぞれが、パネル部材10を介して、表面シート2と裏面シート3との間で固定されている。
【0042】
おむつ1Bは、図6,図7に示すように、一対のパネル部材10,10間の複数本の弾性部材9に、縦方向(Y方向)に間欠的に接着剤12を塗布し、各弾性部材9に、幅方向(X方向)に間欠的に接着剤12を塗布することにより、縦方向(Y方向)及び幅方向(X方向)にそれぞれ間欠的な列をなす接着剤12を有している。間欠的な接着剤12は、図7に示すように、表面シート2と各弾性部材9との間に塗布されている。具体的には、間欠的な接着剤12は、表面シート2の吸収体4側の面に塗布されており、表面シート2と各弾性部材9との間に塗布されている。おむつ1Bは、図6,図7に示すように、各弾性部材9の中央領域は、幅方向(X方向)に間欠的に配された縦方向(Y方向)に非連続的に延びる接着剤12を介して表面シート2に固定されている。言い換えれば、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)に間欠的に配された接着剤12を介して、一対のパネル部材10,10間に位置する複数本の弾性部材9それぞれの中央領域を表面シート2に固定している。従って、接着剤12の配されていない部分においては、複数本の弾性部材9それぞれの中央領域と表面シート2とは固定されていない。このように塗布された接着剤12を介して、一対のパネル部材10,10間に位置する複数本の弾性部材9それぞれの中央領域が表面シート2に固定されているので、使用時に複数本の弾性部材9それぞれが収縮することにより、図7に示すように、表面シート2にギャザーを形成する。接着剤12としては、吸収体4と表面シート2とを固定するホットメルト接着剤と同様のものを用いることができる。尚、接着剤12の塗工方法としては、弾性部材9に直接塗工するコームガンによる塗工方法を用いることが好ましい。
【0043】
第2実施形態の使い捨ておむつ1Bの形成材料について説明する。第2実施形態の使い捨ておむつ1Bについては、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの形成材料と同様である。
【0044】
上述した本発明の第2実施形態の使い捨ておむつ1Bを使用した際の作用効果について説明する。
第2実施形態の使い捨ておむつ1Bの効果については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と同様であり、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果の説明が適宜適用される。
【0045】
おむつ1Bは、図7に示すように、使用時に複数本の弾性部材9それぞれが収縮することにより表面シート2にギャザーを形成するので、見栄えがよく、肌触りがよい。
【0046】
おむつ1Bは、着用者が仰向けに寝るなどして表面シート2と積層吸収体41が接触したとしても、肌に直接あたる部分はギャザーの凸部分のみであることから、肌に付着する水分の量を少量に抑えることができる。
【0047】
次に、本発明の第3実施形態の使い捨ておむつについて、図9に基づいて説明する。
第3実施形態の使い捨ておむつ1C(以下、「おむつ1C」ともいう)については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aと異なる点について説明する。特に説明しない点は、おむつ1Aと同様であり、おむつ1Aの説明が適宜適用される。
【0048】
第3実施形態のおむつ1Cは、図9に示すように、吸収性本体5が、縦方向(Y方向)に長く、縦方向(Y方向)の両側縁が、縦方向(Y方向)の中央部において内方に括れた形状を有しており、縦方向(Y方向)の両端部それぞれの幅が、縦方向(Y方向)の中央部の幅よりも広くなっている。おむつ1Cの吸収性本体5の両側部5s,5sには、図9に示すように、腹側部A及び背側部Bそれぞれにおいて、幅方向(X方向)の外方に延出したサイドシート7と裏面シート3とが接合され、サイドフラップ部51が形成されている。おむつ1Cの吸収性本体5には、図9に示すように、股下部Cにおいて、幅方向(X方向)外方に延出したサイドシート7と裏面シート3とが接合され、レッグフラップ部52が形成されている。
【0049】
おむつ1Cの背側部Bは、図9示すように、吸収体4が配置されていない背部ウエスト領域B1と吸収体4が配置されている背部胴回り領域B2とからなり、背部ウエスト領域B1には弾性部材9である複数本の背部ウエスト伸縮部材91が、縦方向(Y方向)に間隔を持って周方向に平行に設けられている。また、おむつ1Cの背側部Bは、図9示すように、背部胴回り領域B2の40%以上の縦方向(Y方向)範囲にわたって、特に好ましくは、背部胴回り領域B2の縦方向(Y方向)の80〜100%の範囲にわたって、弾性部材9である複数本の胴回り伸縮部材92が、縦方向(Y方向)に間隔を持って周方向に平行に設けられている。
【0050】
上述したように、おむつ1Cの吸収性本体5の縦方向(Y方向)の両端部の両側縁部外方にはサイドフラップ部51が形成されている。おむつ1Cにおいては、背部胴回り領域B2のサイドフラップ部51において背部胴回り伸縮部材92がサイドフラップ部51を構成する裏面シート3と肌に当接するサイドシート7の間に接着されギャザーを形成している。具体的には、伸長状態の背部胴回り伸縮部材92の端部が、図9に示すように、背部胴回り領域B2のサイドフラップ部51にまで延在しており、サイドフラップ部51を構成する裏面シート3とサイドシート7との間で固定されているので、背部胴回り領域B2のサイドフラップ部51にはギャザーが形成されている。また、おむつ1Cにおいては、伸長状態の背部ウエスト伸縮部材91の端部が、図9に示すように、背部ウエスト領域B1のサイドフラップ部51にまで延在しており、サイドフラップ部51を構成する裏面シート3とサイドシート7との間で固定されているので、背部ウエスト領域B1のサイドフラップ部51にもギャザーが形成されている。背部胴回り領域B2におけるサイドフラップ部51のギャザー又は背部ウエスト領域B1におけるサイドフラップ部51のギャザーは、背部胴回り伸縮部材92又は背部ウエスト伸縮部材91を機械的に引き伸ばして形成されている。
【0051】
背部胴回り領域B2に配される背部胴回り伸縮部材92は、背部ウエスト領域B1に配される背部ウエスト伸縮部材91より伸張応力が低いことが好ましく、伸張応力に加えて断面外径も小さいことが更に好ましい。具体的には、背部胴回り伸縮部材92は、太さが620dtex以下の弾性部材であることが好ましく、特に100〜450dtexの範囲の弾性部材であることが好ましい。一方、背部ウエスト伸縮部材91は、太さが300〜950dtexの範囲の弾性部材であることが好ましい。
このような背部胴回り伸縮部材92を背部胴回り領域B2に配する際には、背部ウエスト領域B1に配する背部ウエスト伸縮部材91の縦方向(Y方向)の間隔より短いことが好ましく、具体的には、複数本の背部胴回り伸縮部材92は、縦方向(Y方向)に7mm以下の間隔を持って周方向に平行に設けられていることが好ましく、特に3〜6mmの範囲で設けられていることが好ましい。一方、複数本の背部ウエスト伸縮部材91は、縦方向(Y方向)に3〜6mmの範囲で設けられていることが好ましい。
【0052】
おむつ1Cの吸収性本体5の股下部Cの両側縁部外方には、図9に示すように、レッグフラップ部52が形成されており、レッグフラップ部52には伸縮材が縦方向に配されることでレッグギャザーが形成されるとともに、吸収性本体5の側縁部に固定端を有し立ち上がる立体ギャザーが形成されており、レッグギャザーおよび立体ギャザーが伸縮領域において実質的に伸縮を発現しないように形成されている。具体的には、レッグフラップ部52には、レッグギャザー形成用の弾性部材72が縦方向(Y方向)に伸長状態で接着剤により強固に固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、レッグギャザーが形成されており、レッグギャザーが伸縮領域において実質的に伸縮を発現しないように形成されている。また、各サイドシート7のX方向の内方側(中心線CL寄り)の端部の自由端近傍には立体ギャザー形成用の弾性部材71が縦方向(Y方向)に伸長状態で接着剤により強固に固定されており、着用時には、その弾性部材の収縮力により、自由端から所定幅の部分が表面シート2から離間して立体ギャザーが形成されており、立体ギャザーが伸縮領域において実質的に伸縮を発現しないように形成されている。
【0053】
第3実施形態の使い捨ておむつ1Cの形成材料について説明する。第3実施形態の使い捨ておむつ1Cについては、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの形成材料と同様である。
【0054】
上述した本発明の第3実施形態の使い捨ておむつ1Cを使用した際の作用効果について説明する。
第3実施形態の使い捨ておむつ1Cの効果については、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果と同様であり、第1実施形態の使い捨ておむつ1Aの効果の説明が適宜適用される。
【0055】
おむつ1Cは、図9に示すように、サイドシート7と裏面シート3と固定する両端部9s,9sを、幅方向(X方向)の外方に延出したサイドフラップ部51に、形成することができる。そのため、図3,図7に示される吸収体4と表面シート2とが離間する距離が広がり、一度吸収体に吸収された体液が液戻りし難い。
【0056】
本発明の使い捨ておむつは、上述の第1,第2,第3実施形態の使い捨ておむつ1A,1B,1Cに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の第1,第2,第3実施形態の使い捨ておむつ1A,1B,1Cにおける各構成要件は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。
【0057】
例えば、上述の第1,第2,第3実施形態の使い捨ておむつ1A,1B,1Cにおいては、一対のパネル部材10,10を介して、弾性部材9の両端部9s,9sそれぞれが表面シート2と裏面シート3との間で固定されているが、一対のパネル部材10,10を介さずに、直接、弾性部材9の両端部9s,9sそれぞれを表面シート2と裏面シート3との間で固定してもよい。また、上述の第1,第2実施形態の使い捨ておむつ1A,1Bにおいては、図1,図6に示すように、一対のパネル部材10,10間に、複数本の弾性部材9が縦方向(Y方向)に間隔を空けて配されている梯子状の弾性構成体11(図4参照)を、背側部Bに位置する積層吸収体41の肌対向面上に配しているが、梯子状の弾性構成体11の代わりに、図8に示すように、X方向に長い矩形状の2枚のシート103,104を用い、縦方向(Y方向)に間隔を空けて配されている複数本の弾性部材9を、2枚のシート103,104の間で挟持した状態で、2枚のシート103,104をホットメルト型接着剤等の接合手段(接着剤)によって接合して形成される矩形状の弾性構成体11’を、背側部Bに位置する積層吸収体41の肌対向面上に配してもよい。2枚のシート103,104としては、弾性構成体11を形成するシート片101,102と同じ形成材料を用いることができる。
【0058】
本発明の使い捨ておむつは、幼児又は成人用の使い捨ておむつであってもよい。前述した実施形態に関し、更に以下の付記(使い捨ておむつ)を開示する。
【0059】
[1]液透過性の表面シート、液難透過性の裏面シート、及びこれらシート間に配された吸収体を備え、腹側部、背側部、及び股下部に区分された縦長の吸収性本体を有する使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、高吸収性ポリマーを2枚の不織布で挟んで形成された積層吸収体を有し、該積層吸収体が前記腹側部から前記背側部に亘って配されており、
前記吸収体と前記表面シートとは、前記背側部で固定されておらず、前記腹側部及び前記股下部で固定されており、
前記吸収性本体は、前記背側部において、前記吸収体と前記表面シートとの間に、前記吸収体を横断する伸長状態の複数本の弾性部材を有し、
複数本の前記弾性部材それぞれは、縦方向に間隔を空けて配され、該弾性部材の両端部が前記表面シートと前記裏面シートとの間で固定されており、使用時に複数本の該弾性部材それぞれの収縮により、前記吸収体と前記表面シートとが離間するようになされている使い捨ておむつ。
【0060】
[2]複数本の前記弾性部材それぞれの両端部は、縦方向に延びる一対のパネル部材で固定されており、一対の該パネル部材を介して、該弾性部材の両端部が前記表面シートと前記裏面シートとの間で固定されている[1]に記載の使い捨ておむつ。
[3]前記吸収性本体の背側部の左右両外方に連設された左右一対の伸縮パネルを有し、
一対の前記伸縮パネルで挟まれた領域を越えて、複数本の前記弾性部材の一部が縦方向に間隔を空けて配されている[1]又は[2]に記載の使い捨ておむつ。
【0061】
[4]各前記弾性部材は、縦方向に等間隔を空けて配されている[1]〜[3]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[5]各前記弾性部材は、縦方向に等間隔に配されていない[1]〜[3]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[6]各前記弾性部材それぞれの両端部は、前記吸収体の側縁より外側で固定されている[1]〜[5]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[7]複数本の前記弾性部材それぞれの両端部は、縦方向に延びる一対のパネル部材で固定されて弾性構成体を形成し、該弾性構造体は、前記吸収体と前記表面シートとの間に配されている[1]〜[6]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[8]一対の前記パネル部材は、前記表面シートと前記裏面シートとの間で固定されており、前記弾性部材は前記吸収体と固定されていない[2]〜[7]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[9]前記表面シートの前記吸収体側の面に、前記表面シートと前記弾性部材とを固定するための接着剤が塗布されている[1]〜[8]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0062】
[10]各前記弾性部材に、縦方向に間欠的に前記接着剤を塗布し、各前記弾性部材に、幅方向に間欠的に前記接着剤を塗布することにより、前記接着剤は、縦方向及び幅方向にそれぞれ間欠的な列をなしている[9]に記載の使い捨ておむつ。
[11]前記接着剤は、前記表面シートと各前記弾性部材との間に塗布されている[9]又は[10]に記載の使い捨ておむつ。
[12]各前記弾性部材の中央領域は、幅方向に間欠的に配された縦方向に非連続的に延びる前記接着剤を介して前記表面シートに固定されており、使用時に各該弾性部材の収縮により、前記表面シートにギャザーを形成する[9]〜[11]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[13]前記表面シートは、凹凸形状を有する[1]〜[12]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0063】
[14]前記吸収体は、前記股下部に位置する前記積層吸収体上に固定されたサブレイヤーを有している[1]〜[13]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[15]前記サブレイヤーは、前記積層吸収体の肌対向面の全面積の100%以下である[14]に記載の使い捨ておむつ。
[16]前記サブレイヤーは、その坪量が40〜300g/m2である[14]又は[15]に記載の使い捨ておむつ。
[17]前記サブレイヤーとしては、親水性繊維を主体とするシートを用いる[14]〜[16]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[18]前記サブレイヤーとしては、親水性繊維の含有量が90質量%以上のシートを用いる[14]〜[17]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0064】
[19]前記背側部は、前記吸収体が配置されていない背部ウエスト領域と前記吸収体が配置されている背部胴回り領域とからなり、前記背部ウエスト領域には前記弾性部材である複数本の背部ウエスト伸縮部材が間隔を持って周方向に平行に設けられている[1]〜[18]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[20]前記背部胴回り領域の40%以上の縦方向範囲にわたって、前記背部ウエスト伸縮部材より伸張応力の低い、前記弾性部材である複数本の胴回り伸縮部材が間隔を持って周方向に平行に設けられている[19]に記載の使い捨ておむつ。
[21]前記吸収性本体の縦方向の両端部の両側縁部外方にはサイドフラップ部が形成されており、前記背部胴回り領域のサイドフラップ部において前記背部胴回り伸縮部材がサイドフラップ部を構成する裏面シートと肌に当接するシートの間に接着されギャザーを形成している[19]又は[20]に記載の使い捨ておむつ。
[22]前記背部胴回り領域には、前記背部ウエスト伸縮部材の伸張応力および断面外径より小さい複数の太さが620dtex以下の前記胴回り伸縮部材が、前記背部ウエスト伸縮部材の間隔より短い7mm以下の間隔を持って周方向に平行に設けられている[19]〜[21]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[23]前記吸収性本体の前記股下部の両側縁部外方にはレッグフラップ部が形成されており、該レッグフラップ部には伸縮材が縦方向に配されることでレッグギャザーが形成されるとともに、前記吸収性本体の側縁部に固定端を有し立ち上がる立体ギャザーが形成されており、該レッグギャザーおよび該立体ギャザーが伸縮領域において実質的に伸縮を発現しないように形成されている[19]〜[22]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[24]前記背部胴回り領域における前記サイドフラップ部の前記ギャザーが前記背部胴回り伸縮部材を機械的に引き伸ばして形成されている[21]〜[23]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
[25]前記使い捨てするおむつは、止着部が取り付けられたファスニングテープが取り付けられている[1]〜[23]の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【実施例】
【0065】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
【0066】
〔実施例1〕
ベビー用展開型使い捨ておむつ(プロクター アンド ギャンブル社製、Pampers(登録商標)Cruisers with Dry Max、サイズ4(以下、基本サンプルと称する。))を用い、基本サンプルの背側部において、表面材上からコールドスプレーを噴霧して接着剤を凝固させ、表面材を吸収体から剥がした。そこに、500dtexのウレタン性糸状弾性体を、幅方向に渡って、自然長の2倍に伸張させ、配設した。該弾性体は、一箇所に付き2本を、5mmの間隔を空けて配設した。具体的な配設箇所は、中間層の背側端部から10mmの位置と、さらにそこから背側方向へ40mm、80mm、120mmの間隔を空けて、計4箇所配設した。その後、剥がした表面材を再び吸収体及びギャザーの上に載せ、幅方向及び縦方向端部を接着し、実施例1のサンプルを得た。ここで、一旦凝固させた接着剤は、再び粘着性を発揮することはなく、糸ゴムの伸縮によって、表面材と吸収体が離間した。
【0067】
〔実施例2〕
実施例1と同様な方法で基本サンプルの表面材を吸収体から剥がした後、該表面材の代わりに親水性を有する目付け17g/m2のポリプロピレンスパンボンド不織布を用い、該不織布の四辺をそれぞれ基本サンプルの裏面シートと接着した。ここで、該不織布の吸収体と重なる部分には接着剤は全く付着されていない。それ以外は実施例1と同様に、ウレタン性糸状弾性体を配設し接着して展開型の使い捨ておむつを作製し、実施例2のサンプルとした。
【0068】
〔実施例3〕
実施例1と同様な方法で基本サンプルの表面材を吸収体から剥がした後、該表面材の代わりに親水性を有する目付け25g/m2のポリプロピレン/ポリエチレンの芯鞘繊維2dtexからなるエアスルー不織布を用いた。それ以外は実施例2と同様に、ウレタン性糸状弾性体を配設し接着して展開型の使い捨ておむつを作製し、実施例3のサンプルとした。
【0069】
〔実施例4〕
実施例1と同様な方法で基本サンプルの表面材を吸収体から剥がした後、該表面材の代わりに、表面と裏面の頂部間の厚みが約3.5mmの凹凸形状であり、ポリプロピレン/ポリエチレンの芯鞘繊維2dtexからなる親水性を有する目付け25g/m2のエアスルー不織布を用いた。それ以外は実施例2と同様に、ウレタン性糸状弾性体を配設し接着して展開型の使い捨ておむつを作製し、実施例4のサンプルとした。
【0070】
〔比較例1〕
基本サンプルを、比較例1のサンプルとした。なお、表面材はスパンボンド不織布である。
【0071】
〔評価〕
実施例及び比較例の各サンプル(使い捨ておむつ)について、下記方法により液戻り量を測定した。その結果を下記表1に示す。液戻り量の多少は、使い捨ておむつの吸収性能、特に、肌対向面(表面シート)のドライ感と密接に関係し、液戻り量が少ないほど、使い捨ておむつの吸収性能が高く、ドライ感に優れ、高評価となる。
【0072】
<液戻り量の測定方法>
ベビー用使い捨ておむつを表面シートが上を向くように水平に載置し、40gの人工尿を注入した。注入箇所は、サブレイヤーを有さない背側部の、吸収体の幅方向中央部とした。5分間放置した後、10cm四方のろ紙(Toyo Roshi Kaisha,Ltd.社製の硬質ろ紙ADVANTEC(登録商標)5C)を16枚重ねたものを注入箇所に載せ、荷重0.7kPa又は0.1kPaで2分間の加圧を行った。加圧によって液戻りした人工尿をろ紙に吸収させた。吸収によって増加したろ紙の重量を測定し、吸収前のろ紙の重量との差を液戻り量とした。
【0073】
【表1】

【0074】
表1に示す結果から明らかなように、実施例の使い捨ておむつ(本発明品)においては、液戻り量の測定時における荷重が0.7kPa及び0.1kPa未満の何れの場合にも、液戻り量が少ないことがわかる。荷重0.7kPaは、おむつを着用した低月齢児が仰向けに寝た状態において該おむつにかかる荷重相当であり、荷重0.7kPaにおいて液戻り量が2g未満であれば、着用者の肌と表面シートとの間に液が存在した場合に、肌を伝って液が移動しない。また、荷重0.1kPa未満は、実質的にはおむつをほとんど加圧せず、おむつの表面(肌対向面)を触ったときの感覚を反映している。荷重0.1kPa未満において液戻り量が0.2g未満であれば、着用者が濡れを感じることがほとんど無い。
【0075】
サブレイヤーを有さない背側部で、本発明の効果を検証することとした。多量の尿が排泄され、吸収体の全面に尿が分散した状態を想定しているが、排尿部から背側部まで人工尿を拡散させるとすると、多量の人工尿が必要であったり、サンプル毎の種々のばらつきの影響を受けざるを得なくなる。そこで、便宜的に、およそ幼児の排尿1回分である40gの人工尿を、背側部に注入することとした。
実施例1の表面材は、基本サンプル(Pampers(登録商標))由来の接着剤が付着した状態である。一方、実施例2から実施例4は接着剤が全く付着していない表面材である。一般的に使い捨ておむつに用いられる接着剤は疎水性であるため、表面材の吸収体側の面に接着剤が付着していると、吸収体中の尿がおむつ表面に戻りにくく、好ましいことが分かった。
表面材は、厚みが大きいものは吸収体と着用者の肌の距離を離間し、肌の濡れを防止する効果が高く、好ましいことが分かった。さらに、目付けが小さく、かつ厚みが大きいものは、吸収体から肌まで毛管現象によって尿が吸い上げられるおそれが小さく、好ましいことが分かった。特に、表面材が凹凸形状になっているものは、肌への接触面積が小さく、濡れ感を伝えにくいため、さらに好ましいことが分かった。
【符号の説明】
【0076】
1A,1B 使い捨ておむつ
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 積層吸収体
411,412 不織布
42 サブレイヤー
5 吸収性本体
5s 側部
6a パネル材
6b 伸縮パネル
7 サイドシート
71 立体ギャザー形成用の弾性部材
72 レッグギャザー形成用の弾性部材
8 ファスニングテープ
81 止着部
9 弾性部材
9s 弾性部材の端部
10 パネル部材
101,102 シート片
103,104 シート
11,11’ 弾性構成体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性の表面シート、液難透過性の裏面シート、及びこれらシート間に配された吸収体を備え、腹側部、背側部、及び股下部に区分された縦長の吸収性本体を有する使い捨ておむつであって、
前記吸収体は、高吸収性ポリマーを2枚の不織布で挟んで形成された積層吸収体を有し、該積層吸収体が前記腹側部から前記背側部に亘って配されており、
前記吸収体と前記表面シートとは、前記背側部で固定されておらず、前記腹側部及び前記股下部で固定されており、
前記吸収性本体は、前記背側部において、前記吸収体と前記表面シートとの間に、前記吸収体を横断する伸長状態の複数本の弾性部材を有し、
複数本の前記弾性部材それぞれは、縦方向に間隔を空けて配され、該弾性部材の両端部が前記表面シートと前記裏面シートとの間で固定されており、使用時に複数本の該弾性部材それぞれの収縮により、前記吸収体と前記表面シートとが離間するようになされている使い捨ておむつ。
【請求項2】
複数本の前記弾性部材それぞれの両端部は、縦方向に延びる一対のパネル部材で固定されており、一対の該パネル部材を介して、該弾性部材の両端部が前記表面シートと前記裏面シートとの間で固定されている請求項1に記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記吸収性本体の背側部の左右両外方に連設された左右一対の伸縮パネルを有し、
一対の前記伸縮パネルで挟まれた領域を越えて、複数本の前記弾性部材の一部が縦方向に間隔を空けて配されている請求項1又は2に記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記表面シートの吸収体側の面に、前記表面シートと前記弾性部材とを固定するための接着剤が塗布されている請求項1〜3の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記表面シートが凹凸形状を有する請求項1〜4の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項6】
複数本の前記弾性部材それぞれの中央領域は、幅方向に間欠的に配された縦方向に非連続的に延びる接着剤を介して前記表面シートに固定されており、使用時に複数本の該弾性部材それぞれの収縮により、前記表面シートにギャザーを形成する請求項1〜5の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項7】
前記吸収体は、前記股下部に位置する前記積層吸収体上に固定されたサブレイヤーを有している請求項1〜6の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項8】
前記背側部は、前記吸収体が配置されていない背部ウエスト領域と前記吸収体が配置されている背部胴回り領域とからなり、前記背部ウエスト領域には前記弾性部材である複数本の背部ウエスト伸縮部材が間隔を持って周方向に平行に設けられている請求項1〜7の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項9】
前記背部胴回り領域の40%以上の縦方向範囲にわたって、前記背部ウエスト伸縮部材より伸張応力の低い、前記弾性部材である複数本の胴回り伸縮部材が間隔を持って周方向に平行に設けられている請求項8に記載の使い捨ておむつ。
【請求項10】
前記吸収性本体の縦方向の両端部の両側縁部外方にはサイドフラップ部が形成されており、前記背部胴回り領域のサイドフラップ部において前記背部胴回り伸縮部材がサイドフラップ部を構成する裏面シートと肌に当接するシートの間に接着されギャザーを形成している請求項8又は9に記載の使い捨ておむつ。
【請求項11】
前記背部胴回り領域には、前記背部ウエスト伸縮部材の伸張応力および断面外径より小さい複数の太さが620dtex以下の前記胴回り伸縮部材が、前記背部ウエスト伸縮部材の間隔より短い7mm以下の間隔を持って周方向に平行に設けられている請求項8〜10の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項12】
前記吸収性本体の前記股下部の両側縁部外方にはレッグフラップ部が形成されており、該レッグフラップ部には伸縮材が縦方向に配されることでレッグギャザーが形成されるとともに、前記吸収性本体の側縁部に固定端を有し立ち上がる立体ギャザーが形成されており、該レッグギャザーおよび該立体ギャザーが伸縮領域において実質的に伸縮を発現しないように形成されている請求項8〜11の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項13】
前記背部胴回り領域における前記サイドフラップ部の前記ギャザーが前記背部胴回り伸縮部材を機械的に引き伸ばして形成されている請求項10〜12の何れか1項に記載の使い捨ておむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−110691(P2012−110691A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238979(P2011−238979)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】