保温性パンティーストッキング
【課題】 保温性の高いパンティーストッキングを提供する。
【解決手段】 パンティーストッキングを編成しているカバーリング糸の構造空隙にアクリル樹脂膜によって拘束した状態で遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を分散させる。このようなパンティーストッキングは、セラミックス微粒子と水溶性アクリル樹脂を含むスラリにパンティーストッキングを浸漬し、水洗処理によって表面部分のセラミックスを除去し、脱水処理および熱風乾燥処理を経ることによって、編み機を損傷することの多いセラミックス微粒子練り込み糸を用いることなく大量生産することができる。
【解決手段】 パンティーストッキングを編成しているカバーリング糸の構造空隙にアクリル樹脂膜によって拘束した状態で遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を分散させる。このようなパンティーストッキングは、セラミックス微粒子と水溶性アクリル樹脂を含むスラリにパンティーストッキングを浸漬し、水洗処理によって表面部分のセラミックスを除去し、脱水処理および熱風乾燥処理を経ることによって、編み機を損傷することの多いセラミックス微粒子練り込み糸を用いることなく大量生産することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、素材糸に遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を含ませることによって、能動的な保温機能を発揮するようにした保温性パンティーストッキングに関する。
【背景技術】
【０００２】
衣類に求められる基本的な機能は、体温保持機能である。衣類を構成する素材糸に遠赤外線放射能の有するセラミックスを含ませる手段によって、衣類の体温保持機能を飛躍的に高めようとする提案がなされてから既に久しい。セラミックスを含む衣類は、着用すると即座に「暖かい」と感じさせる特有の効果を発揮する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、セラミックス含有繊維を用いた衣類は、意外に普及していないのが現状である。その主たる原因としては、次の２点を挙げることができる。一つの問題は、衣類の製造段階で生じる。従来のセラミックス含有衣類は、素材糸に予めセラミックスを練り込んだ糸を用い、これを衣類の種類に従って織製または編製することによって製造される。衣類に用いられるセラミックスは、硬質の鉱物質からなり、素材糸がこのような研磨剤に等しい鉱物質を含むことによって、製造段階において高価な織機または編機が甚大な被害を蒙ることとなる。
【０００４】
他の問題は、着用感について生じる。従来のセラミックス含有衣類は、極めて高密度で織製または編製される。これは、繰り返しての使用や洗濯によって、素材糸に練り込んだセラミックスが脱落するのを防止するためであり、織製または編製密度が低い場合には、伸縮や屈曲等の素材糸の自由運動が大きく、素材糸のフィラメント間に挟み込まれているセラミックス粒子が簡単に脱落するからである。そして、高密度製織等の結果としての着用感は、重い、通気性がない、ゴワゴワ等の異物感を伴なうという好ましくない評価となるのである。また、素材糸に対する従来のセラミックス含有手段は、セラミックス粒子脱落問題との関係によって、パンティーストッキング等のネット状であって、かつ、大きな伸縮性を要求される衣類には到底適用することができなかった。
【０００５】
昨今、女性のパンツルックが流行しているが、流行は、いつの世にも一過性のものであるとともに、儀礼上または職業上スカートを着用しなければならない場合を含め、全体としてのスカートの着用頻度は少なくはない。今日、スカートの着用時にはパンティーストッキングは必需的である。このパンティーストッキングには、他の衣類と異なり、脚を美しく見せるための美的要請が強く、衣類の基本機能である体温保持機能は犠牲にされている。しかし、冬場等においては、足腰の冷えに悩む女性は少なくはないようである。
【０００６】
本発明は、パンティーストッキングに使用されているカバーリング糸と称する特殊な構造を有する素材糸に着目し、従来、不可能とされていたパンティーストッキングに遠赤外線放射能を有するセラミックスを適用することによって、美的要請を犠牲にすることなく体温保持機能を格段に高めた保温性パンティーストッキング、および、その製造方法を提供することを目的とする。カバーリング糸は、芯糸に巻き糸を密着巻きのコイル状に巻き付け撚糸してなる特殊構造を有し、その内部には構造必然的な構造空隙が存在する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この目的を達成するための手段として、本発明は、次のような構成を採用する。
【０００８】
本発明の請求項１に記載の保温性パンティーストッキングは、カバーリング糸をゾッキ編みしてなるパンティーストッキングまたはカバーリング糸とナイロン糸を交編編みしてなるパンティーストッキングにおいて、パンティーストッキングを編成しているカバーリング糸の構造空隙にアクリル樹脂膜によって拘束した遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を脱出不能に分散させてなることを特徴とする。
【０００９】
上記構成に係る保温性パンティーストッキングは、素材糸であるカバーリング糸の構造空隙内にセラミックス微粒子を含んでいる。このセラミックス微粒子は、パンティーストッキングが着用された際に、体温に刺激されて活性化される。活性化したセラミックス微粒子は遠赤外線を放射し、この結果、パンティーストッキングとしての美的外観や通気性を阻害することなく極めて高い保温性を発揮することができる。なお、カバーリング糸の構造空隙内に分散されているセラミックス微粒子は、アクリル樹脂膜によって拘束されているため、パンティーストッキングが伸縮動作しても脱落することなく維持される。
【００１０】
本発明の請求項２に記載の保温性パンティーストッキングは、カバーリング糸の構造空隙内に分散させるアクリル樹脂膜とセラミックス微粒子との少なくともいずれか一方が塩化銀を含むことを特徴とする。
【００１１】
上記構成を有する保温性パンティーストッキングは、塩化銀の殺菌作用によって、細菌の繁殖に起因する足のむれ臭や体臭の発生を抑制することができる。
【００１２】
本発明の請求項３に記載の保温性パンティーストッキングの製造方法は、珪素系のセラミックス微粒子を適度の粘度のスラリ状に水練りし、これに２重量％ないし５重量％の水溶性アクリル樹脂を添加して付着液とし、販売形態に整然と折り畳み重ねた所定枚数のパンティーストッキングをネット包装したものを付着液に断続加圧下に浸漬処理し、浸漬処理したパンティーストッキングをネット包装ごと水洗処理し、水洗処理したパンティーストッキングをネット包装ごと遠心脱水処理し、遠心脱水したパンティーストッキングをネット包装ごと熱風乾燥処理することを特徴とする。
【００１３】
上記構成に係る保温性パンティーストッキングの製造方法では、ネット包装した多数枚のパンティーストッキングを効率よくバッジ処理することができる。ネット包装手段は、また、過度の柔軟性により取扱いが難しいパンティーストッキングを各処理工程間に手際よく移動させることができる。ネット包装ごと付着液に浸漬されたパンティーストッキングは、断続的に加圧される。加圧することによって、芯糸に巻き糸をコイル状に巻き付けてなるカバーリング糸の構造空隙内部に短時間でセラミックス微粒子および水溶性アクリル樹脂を浸潤させることができる。カバーリング糸が加圧されることによって、カバーリング糸は変形しコイル状の巻き糸間にカバーリング糸の構造空隙に連通する隙間が生じるためである。
【００１４】
カバーリング糸に水溶性アクリル樹脂およびセラミックス微粒子を浸潤させたパンティーストッキングは、ネット包装ごと水洗処理されるよって、カバーリング糸の表面およびカバーリング糸以外の素材糸に付着した不用の水溶性アクリル樹脂及びセラミックス微粒子が除去される。次いで、パンティーストッキングは、ネット包装ごと遠心脱水処理される。この際、カバーリング糸内の液相成分である水分や水溶性アクリル樹脂のほとんどは、遠心力によって強制的に除去されることとなるが、固相であるセラミックス微粒子は、カバーリング糸内に残留する。これは、カバーリング糸を構成する巻き糸のフィラメントが微細なフィルタとして機能するためである。また、遠心力によって振り切ることができない最小限の水分および水溶性アクリル樹脂も残留する。
【００１５】
遠心脱水処理を経たパンティーストッキングは、次いで、ネット包装ごと熱風乾燥処理される。パンティーストッキングに含まれる水分が失われると極端に希釈されていた水溶性アクリル樹脂の濃度が高まり、水溶性アクリル樹脂は、セラミックス微粒子を取り込んだ薄膜状の固相として凝固する。この際、水溶性アクリル樹脂の薄膜は、単純な塊として存在するのではなく、カバーリング糸を構成する芯糸および巻き糸、これらを構成するフィラメントの表面にコーティングされた状態で存在する。したがって、カバーリング糸全体としては、その機能を失うことなく、自由に屈曲伸縮することができるのであるが、セラミックス微粒子は、脱落しないのである。
【００１６】
処理対象となるパンティーストッキングは、販売形態に折り畳んだ上、多数枚を折り重ねてネット包装した状態で各処理工程を経る。したがって、最終的に処理完了した状態のパンティーストッキングは、ネット包装から取り出して販売用の包装を施すのみの最少手数で流通過程に移行させることができる。
【００１７】
本発明の請求項４に記載の保温性パンティーストッキングの製造方法は、請求項３に記載の３に記載の製造方法に用いる付着液に０．２重量％ないし０．３重量％の塩化銀溶液を添加することを特徴とする。
【００１８】
上記構成を採用する結果、遠心脱水処理を経たパンティーストッキングのカバーリング糸内には、塩化銀を含む水溶性アクリル樹脂とセラミックス微粒子が残留し、この段階で残留する塩化銀は、全行程終了後にも残存する。したがって、製品としてのパンティーストッキングは、セラミックス微粒子の遠赤外線による保温機能に加えて抗菌機能ないし消臭機能を発揮することができる。塩化銀を選択した趣旨は、一般的に抗菌消臭剤として利用される酸化銀のように紫外線によって黄ばみや色調変化が生じないことにある。
【発明の効果】
【００１９】
本発明の保温性パンティーストッキングは、パンティーストッキングを編成しているカバーリング糸の構造空隙にアクリル樹脂膜によって拘束した状態で遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を分散させているので、パンティーストッキングの伸縮機能や美的外観を全く害することなく、しかも、保温性にすぐれたパンティーストッキングが実現された。
【００２０】
本発明の保温性パンティーストッキングの製造方法は、セラミックス微粒子を練り込んだ素材糸用いることなく、編み上げ完了したパンティーストッキングを出発材料として、その構成糸であるカバーリング糸の構造空隙内にセラミックス微粒子を脱出不能に分散させることができるので、セラミックス微粒子による設備機械の損傷を全く懸念することなく、セラミックス微粒子を練り込んだ素材糸を用いる場合と同等の保温性に優れたパンティーストッキングを大量にバッジ処理することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下、図面を引用しながら本発明の保温性パンティーストッキングとその製造方法の実施の形態を併せて説明する。
【００２２】
本発明の保温性パンティーストッキングは、既製品状態のパンティーストッキングを事実上の出発物質として製造する。ただし、既製品状態のパンティーストッキングを用いるということの技術上の意義は、パンティーストッキングに編成する工程において、セラミックスを練り込んだ素材糸を用いないということを意味し、本発明の保温性パンティーストッキングの製造方法に、素材糸からパンティーストッキングを編成するに至るまでの工程が含まれないとする趣旨ではない。
【００２３】
通常、パンティーストッキング１０は、カバーリング糸といわれる特殊な素材糸１１Ｓを用いて編成されている（図２，図３）。この素材糸１１Ｓの存在は、本発明を成立させる要件である。カバーリング糸には、ポリエステルの芯糸ａにナイロンの巻き糸ｂを１層にの巻き付けてなるシングルカバーリング糸Ｓ１（図２（Ａ））と、ポリエステルの芯糸ａにナイロンの巻き糸ｂ，ｂを異なる巻き付け方向に２層に巻き付けてなるダブルカバーリング糸Ｓ２とがあるが（図２（Ｂ））、本発明は、いずれの素材糸１１Ｓを用いているパンティーストッキング１０についても適用される。これらのカバーリング糸は、その立体構造に基づき、内部に構造空隙を有することが特徴である。
【００２４】
また、素材糸１１Ｓの編成の様式については、全ての素材糸１１Ｓに同一種類のカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２を使用するゾッキ編みと、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２と非カバーリング糸とを交互に編み混ぜる交編編みとがあるが、本発明は、いずれの編成様式を採用するパンティーストッキングについても適用される。
【００２５】
パンティーストッキング１０は、パンティー部１１と一対のストッキング１２，１２とからなる（図３）。パンティー部１１と一対のストッキング１２，１２とは、別仕立てのものを一体化した外観であるが、実際には、同一編成のベース編み地に必要に応じて、腰の強い素材糸や伸縮性に富む素材糸を編み込んだ構成となっている。具体的には、腰バンド部１１Ａ、股上部１１Ｂ、足先部１２Ａがこのような構成に該当する。したがって、パンティーストッキング１０は、いずれの部分においても、シングルカバーリング糸Ｓ１またはダブルカバーリング糸Ｓ２のいずれかを含んでいる。なお、同図の拡大表示部は、全ての素材糸１１Ｓにシングルカバーリング糸Ｓ１…を使用したゾッキ編みの編成様式を示している。
【００２６】
保温性パンティーストッキングの製造は、事前準備として、必要量の付着液を調製するとともに、処理対象であるパンティーストッキング１０…を保護するためにパンティーストッキング１０…をネット包装する。
【００２７】
基本的な付着液は、例えば、マイクログラインドした珪素系のセラミックス微粒子１０Ｋｇに１０Ｋｇの水を加えて攪拌し、これに０．３Ｋｇの水溶性アクリル樹脂を加えて混練することにより取扱いに適した量の付着液が得られる（図１）。また、この付着液にさらに０．５％の塩化銀水溶液を０．０４Ｋｇ程度添加することもできる。一方、パンティーストッキング１０…は、５０足ないし１００足を好ましくは販売形態の折り畳んで、整然と重ね合せ、これを軟質樹脂製のネット２０に装填する（図４）。ネット２０のネット本体の２１の開口部２２には、面状ファスナが取り付けられ、これを閉じることにより装填したパンティーストッキング１０…を重なった状態で液疎通可能に拘束することができる。
【００２８】
保温性パンティーストッキングの製造工程は、顕著な工程として、浸漬処理（Ｓ１）と、水洗処理（Ｓ２）と、遠心脱水処理（Ｓ３）と、熱風乾燥処理（Ｓ４）とを含んでなる（図１）。
【００２９】
浸漬処理（Ｓ１）は、パンティーストッキング１０…の素材糸１１Ｓの内部に付着液を含浸させる工程である。この工程における作業要領は、適当な容器に準備した付着液内にネット包装したパンティーストッキング１０…を漬け込み、手作業または機械作業によってパンティーストッキング１０…をネット包装ごと断続的に加圧する要領である。パンティーストッキング１０…を編成しているカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２は、圧力Ｆ１を受けて歪に断面変形することによって、巻き糸ｂの間隙が開き、この結果、付着液がカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２の構造空隙内に侵入するのである（図２）。
【００３０】
水洗処理（Ｓ２）は、パンティーストッキング１０…におけるカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２の内部空隙以外の部分に付着した不用の付着液を除去するとともに、付着液に含まれるセラミックス微粒子を回収する工程である。この工程における作業要領は、例えば、底栓を設けた貯水容器内において、パンティーストッキング１０…をネット包装ごと粗洗浄し、次いで、十分に流水洗浄する要領で実施する。このように水洗処理（Ｓ２）は、ネット包装ごと実施するのであるが、図３の拡大表示によって示すように、処理対象であるパンティーストッキング１０…自体が粗目のネット構造であるため、５０足〜１００足を畳み重ねた状態においても十分な通水性を示す。また、ここで、重要なことは、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内に侵入したセラミックス微粒子は、堅緻に巻かれた巻き糸ｂに阻止されてカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内に残留するということである。なお、洗い落とされたセラミックス微粒子は、貯水容器内のセラミックス微粒子の沈殿を待って、底栓部から簡単に回収することができる。
【００３１】
遠心脱水処理（Ｓ３）は、水洗処理（Ｓ２）を経たパンティーストッキング１０…をネット包装ごと脱水する工程である。この工程は、専ら、処理終了に至るまでの所要時間を短縮する目的で実施される。この工程においては、適当な詰め物を用いてネット包装が歪まないように脱水槽内にパンティーストッキング１０…をセットして実施する。適度な遠心力によって短時間の脱水を行なうことによって、殆どの水分を除去することができる。なお、脱水に際しては、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２の巻き糸ｂはフィルタとして作用することにより、内部のセラミックス微粒子が維持される。
【００３２】
熱風乾燥処理（Ｓ４）は、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内に僅かに残留する水分に含まれる水溶性アクリル樹脂を凝固させることを目的とする工程である。熱風の温度は、５０度ないし６０度程度に設定し、通風状態にセットした多数のネット包装を同時に処理することによって、素材糸１１Ｓを変質、変形させることなく短時間で乾燥完了することができる。この工程において、水溶性アクリル樹脂は、いわば溶剤として存在する水分を失うことにより、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２の構造空隙内において、セラミックス微粒子を核として取り込むように凝固する。このときの水溶性アクリル樹脂の凝固態様は、周囲の固形物である芯糸ａと巻き糸ｂに付着した不規則に破断した薄膜状である。したがって、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内のセラミックス微粒子は、パンティーストッキング１０が着用されて素材糸１１Ｓが伸縮ないし変形する場合においても、容易にはカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内から脱出することができないのである。
【００３３】
なお、付着液における水溶性アクリル樹脂の割合を増加させると、パンティーストッキング１０…の着用感が損なわれるので、不用意に水溶性アクリル樹脂の割合を増加させないことが要点である。また、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内に残留するセラミックス微粒子および凝固した水溶性アクリル樹脂には、微量添加成分である塩化銀が含まれ、抗菌等の所定の機能を奏する。
【００３４】
熱風乾燥処理（Ｓ４）を経たパンティーストッキング１０…は、初期の折り畳み状態を維持しているので、新たに折り畳み作業を要することなく、変形防止用の芯紙や使用説明書を同梱して販売用の包装を施すことによって、最少限の手数によって流通過程に置くことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の保温性パンティーストッキングの製造工程を示すフロー図である。
【図２】本発明の保温性パンティーストッキングにおけるカバーリング糸の構造説明図である。
【図３】本発明の保温性パンティーストッキングの実施の形態における要部拡大図である。
【図４】本発明の保温性パンティーストッキングの製造方法におけるネット包装を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００３６】
Ｓ１，Ｓ２ カバーリング糸
１０ パンティーストッキング
２０ ネット
【技術分野】
【０００１】
本発明は、素材糸に遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を含ませることによって、能動的な保温機能を発揮するようにした保温性パンティーストッキングに関する。
【背景技術】
【０００２】
衣類に求められる基本的な機能は、体温保持機能である。衣類を構成する素材糸に遠赤外線放射能の有するセラミックスを含ませる手段によって、衣類の体温保持機能を飛躍的に高めようとする提案がなされてから既に久しい。セラミックスを含む衣類は、着用すると即座に「暖かい」と感じさせる特有の効果を発揮する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、セラミックス含有繊維を用いた衣類は、意外に普及していないのが現状である。その主たる原因としては、次の２点を挙げることができる。一つの問題は、衣類の製造段階で生じる。従来のセラミックス含有衣類は、素材糸に予めセラミックスを練り込んだ糸を用い、これを衣類の種類に従って織製または編製することによって製造される。衣類に用いられるセラミックスは、硬質の鉱物質からなり、素材糸がこのような研磨剤に等しい鉱物質を含むことによって、製造段階において高価な織機または編機が甚大な被害を蒙ることとなる。
【０００４】
他の問題は、着用感について生じる。従来のセラミックス含有衣類は、極めて高密度で織製または編製される。これは、繰り返しての使用や洗濯によって、素材糸に練り込んだセラミックスが脱落するのを防止するためであり、織製または編製密度が低い場合には、伸縮や屈曲等の素材糸の自由運動が大きく、素材糸のフィラメント間に挟み込まれているセラミックス粒子が簡単に脱落するからである。そして、高密度製織等の結果としての着用感は、重い、通気性がない、ゴワゴワ等の異物感を伴なうという好ましくない評価となるのである。また、素材糸に対する従来のセラミックス含有手段は、セラミックス粒子脱落問題との関係によって、パンティーストッキング等のネット状であって、かつ、大きな伸縮性を要求される衣類には到底適用することができなかった。
【０００５】
昨今、女性のパンツルックが流行しているが、流行は、いつの世にも一過性のものであるとともに、儀礼上または職業上スカートを着用しなければならない場合を含め、全体としてのスカートの着用頻度は少なくはない。今日、スカートの着用時にはパンティーストッキングは必需的である。このパンティーストッキングには、他の衣類と異なり、脚を美しく見せるための美的要請が強く、衣類の基本機能である体温保持機能は犠牲にされている。しかし、冬場等においては、足腰の冷えに悩む女性は少なくはないようである。
【０００６】
本発明は、パンティーストッキングに使用されているカバーリング糸と称する特殊な構造を有する素材糸に着目し、従来、不可能とされていたパンティーストッキングに遠赤外線放射能を有するセラミックスを適用することによって、美的要請を犠牲にすることなく体温保持機能を格段に高めた保温性パンティーストッキング、および、その製造方法を提供することを目的とする。カバーリング糸は、芯糸に巻き糸を密着巻きのコイル状に巻き付け撚糸してなる特殊構造を有し、その内部には構造必然的な構造空隙が存在する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この目的を達成するための手段として、本発明は、次のような構成を採用する。
【０００８】
本発明の請求項１に記載の保温性パンティーストッキングは、カバーリング糸をゾッキ編みしてなるパンティーストッキングまたはカバーリング糸とナイロン糸を交編編みしてなるパンティーストッキングにおいて、パンティーストッキングを編成しているカバーリング糸の構造空隙にアクリル樹脂膜によって拘束した遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を脱出不能に分散させてなることを特徴とする。
【０００９】
上記構成に係る保温性パンティーストッキングは、素材糸であるカバーリング糸の構造空隙内にセラミックス微粒子を含んでいる。このセラミックス微粒子は、パンティーストッキングが着用された際に、体温に刺激されて活性化される。活性化したセラミックス微粒子は遠赤外線を放射し、この結果、パンティーストッキングとしての美的外観や通気性を阻害することなく極めて高い保温性を発揮することができる。なお、カバーリング糸の構造空隙内に分散されているセラミックス微粒子は、アクリル樹脂膜によって拘束されているため、パンティーストッキングが伸縮動作しても脱落することなく維持される。
【００１０】
本発明の請求項２に記載の保温性パンティーストッキングは、カバーリング糸の構造空隙内に分散させるアクリル樹脂膜とセラミックス微粒子との少なくともいずれか一方が塩化銀を含むことを特徴とする。
【００１１】
上記構成を有する保温性パンティーストッキングは、塩化銀の殺菌作用によって、細菌の繁殖に起因する足のむれ臭や体臭の発生を抑制することができる。
【００１２】
本発明の請求項３に記載の保温性パンティーストッキングの製造方法は、珪素系のセラミックス微粒子を適度の粘度のスラリ状に水練りし、これに２重量％ないし５重量％の水溶性アクリル樹脂を添加して付着液とし、販売形態に整然と折り畳み重ねた所定枚数のパンティーストッキングをネット包装したものを付着液に断続加圧下に浸漬処理し、浸漬処理したパンティーストッキングをネット包装ごと水洗処理し、水洗処理したパンティーストッキングをネット包装ごと遠心脱水処理し、遠心脱水したパンティーストッキングをネット包装ごと熱風乾燥処理することを特徴とする。
【００１３】
上記構成に係る保温性パンティーストッキングの製造方法では、ネット包装した多数枚のパンティーストッキングを効率よくバッジ処理することができる。ネット包装手段は、また、過度の柔軟性により取扱いが難しいパンティーストッキングを各処理工程間に手際よく移動させることができる。ネット包装ごと付着液に浸漬されたパンティーストッキングは、断続的に加圧される。加圧することによって、芯糸に巻き糸をコイル状に巻き付けてなるカバーリング糸の構造空隙内部に短時間でセラミックス微粒子および水溶性アクリル樹脂を浸潤させることができる。カバーリング糸が加圧されることによって、カバーリング糸は変形しコイル状の巻き糸間にカバーリング糸の構造空隙に連通する隙間が生じるためである。
【００１４】
カバーリング糸に水溶性アクリル樹脂およびセラミックス微粒子を浸潤させたパンティーストッキングは、ネット包装ごと水洗処理されるよって、カバーリング糸の表面およびカバーリング糸以外の素材糸に付着した不用の水溶性アクリル樹脂及びセラミックス微粒子が除去される。次いで、パンティーストッキングは、ネット包装ごと遠心脱水処理される。この際、カバーリング糸内の液相成分である水分や水溶性アクリル樹脂のほとんどは、遠心力によって強制的に除去されることとなるが、固相であるセラミックス微粒子は、カバーリング糸内に残留する。これは、カバーリング糸を構成する巻き糸のフィラメントが微細なフィルタとして機能するためである。また、遠心力によって振り切ることができない最小限の水分および水溶性アクリル樹脂も残留する。
【００１５】
遠心脱水処理を経たパンティーストッキングは、次いで、ネット包装ごと熱風乾燥処理される。パンティーストッキングに含まれる水分が失われると極端に希釈されていた水溶性アクリル樹脂の濃度が高まり、水溶性アクリル樹脂は、セラミックス微粒子を取り込んだ薄膜状の固相として凝固する。この際、水溶性アクリル樹脂の薄膜は、単純な塊として存在するのではなく、カバーリング糸を構成する芯糸および巻き糸、これらを構成するフィラメントの表面にコーティングされた状態で存在する。したがって、カバーリング糸全体としては、その機能を失うことなく、自由に屈曲伸縮することができるのであるが、セラミックス微粒子は、脱落しないのである。
【００１６】
処理対象となるパンティーストッキングは、販売形態に折り畳んだ上、多数枚を折り重ねてネット包装した状態で各処理工程を経る。したがって、最終的に処理完了した状態のパンティーストッキングは、ネット包装から取り出して販売用の包装を施すのみの最少手数で流通過程に移行させることができる。
【００１７】
本発明の請求項４に記載の保温性パンティーストッキングの製造方法は、請求項３に記載の３に記載の製造方法に用いる付着液に０．２重量％ないし０．３重量％の塩化銀溶液を添加することを特徴とする。
【００１８】
上記構成を採用する結果、遠心脱水処理を経たパンティーストッキングのカバーリング糸内には、塩化銀を含む水溶性アクリル樹脂とセラミックス微粒子が残留し、この段階で残留する塩化銀は、全行程終了後にも残存する。したがって、製品としてのパンティーストッキングは、セラミックス微粒子の遠赤外線による保温機能に加えて抗菌機能ないし消臭機能を発揮することができる。塩化銀を選択した趣旨は、一般的に抗菌消臭剤として利用される酸化銀のように紫外線によって黄ばみや色調変化が生じないことにある。
【発明の効果】
【００１９】
本発明の保温性パンティーストッキングは、パンティーストッキングを編成しているカバーリング糸の構造空隙にアクリル樹脂膜によって拘束した状態で遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を分散させているので、パンティーストッキングの伸縮機能や美的外観を全く害することなく、しかも、保温性にすぐれたパンティーストッキングが実現された。
【００２０】
本発明の保温性パンティーストッキングの製造方法は、セラミックス微粒子を練り込んだ素材糸用いることなく、編み上げ完了したパンティーストッキングを出発材料として、その構成糸であるカバーリング糸の構造空隙内にセラミックス微粒子を脱出不能に分散させることができるので、セラミックス微粒子による設備機械の損傷を全く懸念することなく、セラミックス微粒子を練り込んだ素材糸を用いる場合と同等の保温性に優れたパンティーストッキングを大量にバッジ処理することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下、図面を引用しながら本発明の保温性パンティーストッキングとその製造方法の実施の形態を併せて説明する。
【００２２】
本発明の保温性パンティーストッキングは、既製品状態のパンティーストッキングを事実上の出発物質として製造する。ただし、既製品状態のパンティーストッキングを用いるということの技術上の意義は、パンティーストッキングに編成する工程において、セラミックスを練り込んだ素材糸を用いないということを意味し、本発明の保温性パンティーストッキングの製造方法に、素材糸からパンティーストッキングを編成するに至るまでの工程が含まれないとする趣旨ではない。
【００２３】
通常、パンティーストッキング１０は、カバーリング糸といわれる特殊な素材糸１１Ｓを用いて編成されている（図２，図３）。この素材糸１１Ｓの存在は、本発明を成立させる要件である。カバーリング糸には、ポリエステルの芯糸ａにナイロンの巻き糸ｂを１層にの巻き付けてなるシングルカバーリング糸Ｓ１（図２（Ａ））と、ポリエステルの芯糸ａにナイロンの巻き糸ｂ，ｂを異なる巻き付け方向に２層に巻き付けてなるダブルカバーリング糸Ｓ２とがあるが（図２（Ｂ））、本発明は、いずれの素材糸１１Ｓを用いているパンティーストッキング１０についても適用される。これらのカバーリング糸は、その立体構造に基づき、内部に構造空隙を有することが特徴である。
【００２４】
また、素材糸１１Ｓの編成の様式については、全ての素材糸１１Ｓに同一種類のカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２を使用するゾッキ編みと、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２と非カバーリング糸とを交互に編み混ぜる交編編みとがあるが、本発明は、いずれの編成様式を採用するパンティーストッキングについても適用される。
【００２５】
パンティーストッキング１０は、パンティー部１１と一対のストッキング１２，１２とからなる（図３）。パンティー部１１と一対のストッキング１２，１２とは、別仕立てのものを一体化した外観であるが、実際には、同一編成のベース編み地に必要に応じて、腰の強い素材糸や伸縮性に富む素材糸を編み込んだ構成となっている。具体的には、腰バンド部１１Ａ、股上部１１Ｂ、足先部１２Ａがこのような構成に該当する。したがって、パンティーストッキング１０は、いずれの部分においても、シングルカバーリング糸Ｓ１またはダブルカバーリング糸Ｓ２のいずれかを含んでいる。なお、同図の拡大表示部は、全ての素材糸１１Ｓにシングルカバーリング糸Ｓ１…を使用したゾッキ編みの編成様式を示している。
【００２６】
保温性パンティーストッキングの製造は、事前準備として、必要量の付着液を調製するとともに、処理対象であるパンティーストッキング１０…を保護するためにパンティーストッキング１０…をネット包装する。
【００２７】
基本的な付着液は、例えば、マイクログラインドした珪素系のセラミックス微粒子１０Ｋｇに１０Ｋｇの水を加えて攪拌し、これに０．３Ｋｇの水溶性アクリル樹脂を加えて混練することにより取扱いに適した量の付着液が得られる（図１）。また、この付着液にさらに０．５％の塩化銀水溶液を０．０４Ｋｇ程度添加することもできる。一方、パンティーストッキング１０…は、５０足ないし１００足を好ましくは販売形態の折り畳んで、整然と重ね合せ、これを軟質樹脂製のネット２０に装填する（図４）。ネット２０のネット本体の２１の開口部２２には、面状ファスナが取り付けられ、これを閉じることにより装填したパンティーストッキング１０…を重なった状態で液疎通可能に拘束することができる。
【００２８】
保温性パンティーストッキングの製造工程は、顕著な工程として、浸漬処理（Ｓ１）と、水洗処理（Ｓ２）と、遠心脱水処理（Ｓ３）と、熱風乾燥処理（Ｓ４）とを含んでなる（図１）。
【００２９】
浸漬処理（Ｓ１）は、パンティーストッキング１０…の素材糸１１Ｓの内部に付着液を含浸させる工程である。この工程における作業要領は、適当な容器に準備した付着液内にネット包装したパンティーストッキング１０…を漬け込み、手作業または機械作業によってパンティーストッキング１０…をネット包装ごと断続的に加圧する要領である。パンティーストッキング１０…を編成しているカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２は、圧力Ｆ１を受けて歪に断面変形することによって、巻き糸ｂの間隙が開き、この結果、付着液がカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２の構造空隙内に侵入するのである（図２）。
【００３０】
水洗処理（Ｓ２）は、パンティーストッキング１０…におけるカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２の内部空隙以外の部分に付着した不用の付着液を除去するとともに、付着液に含まれるセラミックス微粒子を回収する工程である。この工程における作業要領は、例えば、底栓を設けた貯水容器内において、パンティーストッキング１０…をネット包装ごと粗洗浄し、次いで、十分に流水洗浄する要領で実施する。このように水洗処理（Ｓ２）は、ネット包装ごと実施するのであるが、図３の拡大表示によって示すように、処理対象であるパンティーストッキング１０…自体が粗目のネット構造であるため、５０足〜１００足を畳み重ねた状態においても十分な通水性を示す。また、ここで、重要なことは、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内に侵入したセラミックス微粒子は、堅緻に巻かれた巻き糸ｂに阻止されてカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内に残留するということである。なお、洗い落とされたセラミックス微粒子は、貯水容器内のセラミックス微粒子の沈殿を待って、底栓部から簡単に回収することができる。
【００３１】
遠心脱水処理（Ｓ３）は、水洗処理（Ｓ２）を経たパンティーストッキング１０…をネット包装ごと脱水する工程である。この工程は、専ら、処理終了に至るまでの所要時間を短縮する目的で実施される。この工程においては、適当な詰め物を用いてネット包装が歪まないように脱水槽内にパンティーストッキング１０…をセットして実施する。適度な遠心力によって短時間の脱水を行なうことによって、殆どの水分を除去することができる。なお、脱水に際しては、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２の巻き糸ｂはフィルタとして作用することにより、内部のセラミックス微粒子が維持される。
【００３２】
熱風乾燥処理（Ｓ４）は、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内に僅かに残留する水分に含まれる水溶性アクリル樹脂を凝固させることを目的とする工程である。熱風の温度は、５０度ないし６０度程度に設定し、通風状態にセットした多数のネット包装を同時に処理することによって、素材糸１１Ｓを変質、変形させることなく短時間で乾燥完了することができる。この工程において、水溶性アクリル樹脂は、いわば溶剤として存在する水分を失うことにより、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２の構造空隙内において、セラミックス微粒子を核として取り込むように凝固する。このときの水溶性アクリル樹脂の凝固態様は、周囲の固形物である芯糸ａと巻き糸ｂに付着した不規則に破断した薄膜状である。したがって、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内のセラミックス微粒子は、パンティーストッキング１０が着用されて素材糸１１Ｓが伸縮ないし変形する場合においても、容易にはカバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内から脱出することができないのである。
【００３３】
なお、付着液における水溶性アクリル樹脂の割合を増加させると、パンティーストッキング１０…の着用感が損なわれるので、不用意に水溶性アクリル樹脂の割合を増加させないことが要点である。また、カバーリング糸Ｓ１，Ｓ２内に残留するセラミックス微粒子および凝固した水溶性アクリル樹脂には、微量添加成分である塩化銀が含まれ、抗菌等の所定の機能を奏する。
【００３４】
熱風乾燥処理（Ｓ４）を経たパンティーストッキング１０…は、初期の折り畳み状態を維持しているので、新たに折り畳み作業を要することなく、変形防止用の芯紙や使用説明書を同梱して販売用の包装を施すことによって、最少限の手数によって流通過程に置くことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の保温性パンティーストッキングの製造工程を示すフロー図である。
【図２】本発明の保温性パンティーストッキングにおけるカバーリング糸の構造説明図である。
【図３】本発明の保温性パンティーストッキングの実施の形態における要部拡大図である。
【図４】本発明の保温性パンティーストッキングの製造方法におけるネット包装を示す斜視図である。
【符号の説明】
【００３６】
Ｓ１，Ｓ２ カバーリング糸
１０ パンティーストッキング
２０ ネット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
カバーリング糸をゾッキ編みしてなるパンティーストッキングまたはカバーリング糸とナイロン糸を交編編みしてなるパンティーストッキングにおいて、
パンティーストッキングを編成しているカバーリング糸の構造空隙にアクリル樹脂膜によって拘束した遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を脱出不能に分散させてなることを特徴とする保温性パンティーストッキング。
【請求項２】
前記アクリル樹脂とセラミックス微粒子との少なくともいずれか一方が塩化銀を含むことを特徴とする請求項１に記載の保温性パンティーストッキング。
【請求項３】
珪素系のセラミックス微粒子を適度の粘度のスラリ状に水練りし、これに２重量％ないし５重量％の水溶性アクリル樹脂を添加して付着液とし、販売形態に整然と折り畳み重ねた所定枚数のパンティーストッキングをネット包装したものを前記付着液に断続加圧下に浸漬処理し、浸漬処理したパンティーストッキングをネット包装ごと水洗処理し、水洗処理したパンティーストッキングをネット包装ごと遠心脱水処理し、遠心脱水したパンティーストッキングをネット包装ごと熱風乾燥処理することを特徴とする請求項１に記載の保温性パンティーストッキングの製造方法。
【請求項４】
請求項３に記載の付着液に０．２重量％ないし０．３重量％の塩化銀溶液を添加することを特徴とする請求項２に記載の保温性パンティーストッキングの製造方法。
【請求項１】
カバーリング糸をゾッキ編みしてなるパンティーストッキングまたはカバーリング糸とナイロン糸を交編編みしてなるパンティーストッキングにおいて、
パンティーストッキングを編成しているカバーリング糸の構造空隙にアクリル樹脂膜によって拘束した遠赤外線放射能を有するセラミックス微粒子を脱出不能に分散させてなることを特徴とする保温性パンティーストッキング。
【請求項２】
前記アクリル樹脂とセラミックス微粒子との少なくともいずれか一方が塩化銀を含むことを特徴とする請求項１に記載の保温性パンティーストッキング。
【請求項３】
珪素系のセラミックス微粒子を適度の粘度のスラリ状に水練りし、これに２重量％ないし５重量％の水溶性アクリル樹脂を添加して付着液とし、販売形態に整然と折り畳み重ねた所定枚数のパンティーストッキングをネット包装したものを前記付着液に断続加圧下に浸漬処理し、浸漬処理したパンティーストッキングをネット包装ごと水洗処理し、水洗処理したパンティーストッキングをネット包装ごと遠心脱水処理し、遠心脱水したパンティーストッキングをネット包装ごと熱風乾燥処理することを特徴とする請求項１に記載の保温性パンティーストッキングの製造方法。
【請求項４】
請求項３に記載の付着液に０．２重量％ないし０．３重量％の塩化銀溶液を添加することを特徴とする請求項２に記載の保温性パンティーストッキングの製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００７−８４９５５（Ｐ２００７−８４９５５Ａ）
【公開日】平成１９年４月５日（２００７．４．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−２７５４８０（Ｐ２００５−２７５４８０）
【出願日】平成１７年９月２２日（２００５．９．２２）
【出願人】（５９４０７９３４９）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年４月５日（２００７．４．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年９月２２日（２００５．９．２２）
【出願人】（５９４０７９３４９）
【Ｆターム（参考）】
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