説明

信号動作確認支援装置及び信号動作確認支援方法

【課題】交通信号制御機のG−G異常検出確認処理を支援する技術を提供する。
【解決手段】G−G異常検出支援装置30は、模擬灯器60を用いて点灯確認試験がなされるときに、模擬灯器60から操作指示の内容を取得して、信号配置図上にその操作指示内容に対応させた表示を行う。上記処理の為に、G−G異常検出支援装置30は、主制御部32と、通信インタフェイス部34と、表示出力部36と、現示データ記憶部38と、指示取得部40と、シミュレート制御部42とを備える。シミュレート制御部42は、模擬灯器60から取得した制御信号、つまり信号を模擬的に表示させる操作信号に対応した信号配置図上の信号機アイコンを点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号動作確認支援装置及び信号動作確認支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交通信号制御機のフェールセーフ機能として、最も重要なものはG−G異常検出機能である。この機能は、交差点ごとに設定されている交通信号制御機の現示(灯器出力)について、事故や故障などの何らかの原因によって、同じ交差点内の別々の方向の信号灯器に関して同時に青信号が表示されてしまった場合に、即座に閃光動作(赤や黄の交互点滅)に移行させる。この移行処理によって、ドライバーおよび歩行者の安全側に対し動作させるようにしている。G−G異常検出に関する様々な技術が提案され採用されている。例えば、G−G異常検出がなされたときであっても、渋滞等の発生を回避し円滑で安全な交通を実現する為に待機系制御システムに切り替える技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−139459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、交通信号制御機が果たしている役割を考えると、このG−G異常検出は欠かすことのできない機能であり、出荷検査時および現場設置時においても重要視される確認内容となっている。上述のような待機系制御システムを設ける場合であっても、その前提としてG−G異常検出を適切に行うことができるように慎重な設定作業が必要となる。
【0005】
交通信号制御機の現示は、それぞれ設置される交差点環境にあわせた設計になっているため、T字路、三差路、五差路などの交差点形状の違いや、時差式、矢印式などの制御方式が絡むと更に複雑化する。G−G異常検出機能はそれぞれの現示において交錯するすべての交通流の組み合わせに対して動作する必要があるため、現示の複雑化にともなってG−G異常検出機能の確認も複雑化してしまう。
【0006】
図1に、試験用に用いられる模擬灯器を示す。従来のG−G異常検出の確認方法は、交通信号制御機に試験用の模擬灯器を接続し、灯色の点灯確認ができるようにした状態で、交通信号制御機の現示階梯図からG−G異常検出が必要な組み合わせを読み取って確認している。具体的には試験用模擬灯器で同時に点灯してはいけない青表示を所定のスイッチ動作によって、強制的に同時点灯させることで擬似的な障害を発生させ、フェールセーフ機能により閃光動作になることを確認している。
【0007】
上述したように、G−G異常検出は交通の安全確保にとって、最重要事項と言っても過言でない。したがって、出荷検査時および現場設置時においても非常に慎重に行われている。一方で、現場の人材不足が深刻になっているという現状がある。つまり、現場設置の作業員が作業に熟達している場合は、動作確認作業を効率的に行うことできるが、作業者が熟達していない場合、作業工程表をいちいち確認しなければならず、安全性の観点から、一般的な作業と比べより慎重な確認が必要となり、作業効率が著しく低下するおそれがあった。試験用の模擬灯器は、信号制御機それぞれに対応したものが作られるのであれば、上記のような課題は低減できる可能性もあるが、一般には、汎用タイプの装置が用いられることから、ランプの位置等も決まった配置となっており、上述の課題が顕在化してしまっていた。現場への設置作業に十分時間的余裕があればそれほど問題にならないが、現実には円滑な交通の観点から、早急な設置が求められる場合も多く、作業性を向上させることのできる技術が求められていた。
【0008】
本発明は、以上のような状況に鑑みなされたものであって、交通信号制御機のG−G異常検出確認処理を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る装置は、交通信号制御機の動作確認作業を支援する信号動作確認支援装置であって、検査対象の信号機が設置されている配置図を表示手段に表示出力する配置表示手段と、前記信号機において点灯すべき信号灯器として選択された信号灯器を特定する特定手段と、前記特定された信号灯器を選択された旨を示した状態で前記表示手段に表示出力する信号表示手段と、前記選択された信号灯器の表示の組み合わせにG−G異常があるか否かを判断し、G−G異常があると判断したときにその旨を前記表示手段に表示出力する異常判断手段と、を備える。
また、前記配置表示手段は、G−G異常組み合わせ表とともに前記信号機の前記配置図を表示出力し、前記G−G異常であることが確認された信号の組み合わせについて、前記G−G異常組み合わせ表の中において所定のマークを付してもよい。
また、前記特定手段は、外部に設けられた模擬灯器の出力を取得して、前記選択された信号灯器を特定してもよい。
また、ユーザから点灯させるべき信号灯器の指定を受け付ける灯器指定手段と、前記指定された信号灯器を点灯させるための制御信号を前記交通信号制御機に出力するとともに、前記指定された信号灯器を前記特定手段に通知する制御信号出力手段と、を備えてもよい。
本発明に係る方法は、交通信号制御機の動作確認作業を支援する信号動作確認支援方法であって、検査対象の信号機が設置されている配置図を表示手段に表示出力する配置表示工程と、前記信号機において点灯すべき信号灯器として選択された信号灯器を特定する特定工程と、前記特定された信号灯器を選択された旨を示した状態で前記表示手段に表示出力する信号表示工程と、前記選択された信号灯器の表示の組み合わせにG−G異常があるか否かを判断し、G−G異常があると判断したときにその旨を前記表示手段に表示出力する異常判断工程と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
以上、本発明によると、交通信号制御機のG−G異常検出確認処理を支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来技術に係る、信号制御機に取り付けられ試験用に用いられる模擬灯器を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、一般的な十字路の交差点に設置される信号の現示階梯図及びG−G確認組み合わせ表である。
【図3】本発明の実施形態に係る、五差路の交差点に設置される信号の現示階梯図及びG−G確認組み合わせ表である。
【図4】本発明の実施形態に係る、交通信号制御機、G−G異常検出支援装置及び現示データ設定装置の接続概要を模式的に示した図である。
【図5】本発明の実施形態に係る、交通信号制御機と模擬灯器の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る、G−G異常検出支援装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る、G−G異常検出支援装置が稼働中に表示パネルに表示される画面の例を示した図である。
【図8】本発明の実施形態に係る、模擬灯器を用いた確認試験のプロセスを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の変形例に係る、G−G異常検出支援装置が稼働中に表示パネルに表示される画面の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。まず実施形態の概要を説明する。図2及び図3に現示階梯図及びG−G確認組み合わせ表について示す。図2は、一般的な十字路の交差点に設置される信号を想定したもので、図2(a)が現示階梯図、図2(b)がG−G確認組み合わせ表である。また、図3は、五差路の交差点に設置される信号を想定したもので、図3(a)が現示階梯図、図3(b)がG−G確認組み合わせ表である。図2に示すように、一般的な十字路の交差点であればG−G異常検出の組み合わせは4通りとなり容易に確認が可能である。しかし、複雑な交差点形状の場合にはそれぞれの灯色がどの方向に対応しているのかが分かりにくくなり、図3に示すように、確認すべき組み合わせの数も増大してしまう。図3の例では、組み合わせの数は20通りとなる。上述の通り、試験用の模擬灯器は様々な現示に対応させるため、各灯色が順番に整然と並べられた配置になっており、実際の信号機との対応確認作業が必ずしも効率的に行えるわけではない。
【0013】
そこで、G−G異常検出試験を実施する際に、模擬灯器による確認に加えて、PC(Personal Computer)のモニター上などで交差点形状と組み合せた方法にすることで、選択した組み合わせが正しいかどうかを全体配置等とともに目視で確認できるようにする。これによって、組み合わせの確認ミスや漏れの撲滅を行う。詳細は次に説明するが、具体的な方法としてはPCに様々なパターンの交差点形状や制御方式のデータを登録しておき、交通信号制御機に設定した現示データをPC側にも入力する。PC側ではあらかじめ登録された交差点形状などのリストから該当するパターンを選択し、入力された現示データを選択したパターンにあてはめて、PC上に擬似的な交差点イメージを作り出す。このPCと模擬灯器とを連動できるようにして、G−G異常検出の確認を模擬灯器だけでなく、G−G異常検出支援装置として機能するPCにおいてでも、確認作業を行えるようにする。以下、具体的に説明する。
【0014】
図4は、本実施形態に係る交通信号制御機50、G−G異常検出支援装置30及び現示データ設定装置20の接続概要を模式的に示した図である。現示データ設定装置20で生成された現示データ及びG−G確認組み合わせ表(図中で「G−Gデータ」)は、交通信号制御機50に設定されるとともに、G−G異常検出支援装置30に対しても提供される。なお、現示データ設定装置20は、一般的には、PCで稼働する所定のアプリケーションプログラムであるが、専用の装置であってもよい。また、G−G異常検出支援装置30も、同様にPCで稼働する所定のアプリケーションプログラムが搭載された装置であり、そのアプリケーションがノートPCやPDA等のモバイル端末に搭載されることで、ユーザの作業性を向上させることができる。
【0015】
図5は、交通信号制御機50と模擬灯器60の構成を示す機能ブロック図である。交通信号制御機50は、一般的な構成及び機能を有する装置であって、主制御部51と、灯器出力部52と、現示データ記憶部53と、G−G検出部54と、通信インタフェイス部55とを備えている。これら各構成要素は、CPU(中央演算装置)等のLSI(大規模集積回路)やメモリ、そのメモリに記憶されてそれぞれの機能を実行するプログラム、各種回路によって実現される。これらがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、また、ハードウェア及びソフトウェアの協働のいずれの態様で実現されてもよい。なお、後述する模擬灯器60やG−G異常検出支援装置30についても同様である。
【0016】
主制御部51は、交通信号制御機50の各構成要素を統括的に制御する。灯器出力部52は、信号機の灯器の点灯を指示する信号を出力する。現示データ記憶部53は、点灯パターンを指定する現示データ(現示階梯図)を現示データ設定装置20から取得して記録する。G−G検出部54は、現示データ設定装置20から取得したG−G確認組み合わせ表(G−Gデータ)を保持するとともに、そのG−G確認組み合わせ表を参照して灯器出力部52による灯器の駆動状態を監視する。そして、G−G検出部54は、異常な組み合わせの点灯状態、つまりG−G異常を検知すると、即座に、灯器の点灯を閃光状態に移行する。通信インタフェイス部55は、模擬灯器60や、現示データ設定装置20と通信可能に接続して、それら装置等と各種データの授受や制御信号の入出力を行う。また、交通信号制御機50は、現場に設置する際に、模擬灯器60を接続して、模擬灯器60からの制御信号に応じた点灯出力を行う。
【0017】
模擬灯器60は、信号機の点灯確認の試験用に用いられる装置であって、模擬灯操作部61と、模擬灯62と、模擬灯制御部63と、通信インタフェイス部64とを備え、所定のバスで接続されている。模擬灯操作部61は、ユーザの操作を受け付けるボタンやスイッチ及びそれらの制御回路から構成される。模擬灯62は、信号機の灯器に対応して複数のランプが設けられており、模擬灯操作部61の操作によって点灯指示されたランプが点灯する。模擬灯制御部63は、模擬灯器60の各構成要素を統括的に制御する。また、通信インタフェイス部64は交通信号制御機50や現示データ設定装置20、G−G異常検出支援装置30と通信可能に接続する。したがって、模擬灯制御部63は、模擬灯操作部61に対する操作指示の内容を、通信インタフェイス部64を介してG−G異常検出支援装置30に通知することができる。
【0018】
次に、図6及び図7をもとにG−G異常検出支援装置30について説明する。図6は、G−G異常検出支援装置30の概略構成を示す機能ブロック図であり、このG−G異常検出支援装置30は、現示データの交通信号制御機50への設定が適切になされているかの確認試験を支援する装置である。また、図7は、G−G異常検出支援装置30が稼働中に表示パネルに表示される画面A10の例を示した図である。表示パネルに表示される項目は、主に、信号配置図A11、現示データ表(現示階梯図)A12、G−G確認組み合わせ表(G−Gデータ)A13である。
【0019】
G−G異常検出支援装置30は、模擬灯器60を用いて点灯確認試験がなされるときに、模擬灯器60から操作指示の内容を取得して、信号配置図A11上にその操作指示内容に対応させた表示を行う。つまり、模擬灯器60の操作内容に対応した信号機アイコンの所定の信号灯を点灯させた状態を示す表示にする。
【0020】
上記処理を行うために、G−G異常検出支援装置30は、主制御部32と、通信インタフェイス部34と、表示出力部36と、現示データ記憶部38と、指示取得部40と、シミュレート制御部42とを備え、所定のバス48で接続されている。
【0021】
主制御部32は、G−G異常検出支援装置30の各構成要素を統括的に制御する。通信インタフェイス部34は、現示データ設定装置20や交通信号制御機50と通信可能に接続する。表示出力部36は、G−G異常検出支援装置30における処理結果等を、G−G異常検出支援装置30が搭載されるノートPCの表示パネルに出力する。現示データ記憶部38は、現示データ設定装置20で生成された現示データ及びG−G確認組み合わせ表を保持する。指示取得部40は、模擬灯器60でなされたユーザの操作指示の内容を、通信インタフェイス部34を介して取得する。
【0022】
シミュレート制御部42は、図7に示した画面A10を表示制御するとともに、模擬灯器60から取得した制御信号、つまり信号を模擬的に表示させる操作信号に対応した信号配置図A11上の信号機アイコンを点灯させる。なお、信号機アイコンを点灯するだけに限らず、現示データ表A12やG−G確認組み合わせ表A13に表記されている対応する信号機を点滅させる等して明示してもよい。例えば、番号「2A」の灯器と番号「3G」の灯器を青点灯させる処理がなされていれば、G−G確認組み合わせ表A13上の、それら番号のクロスする位置C11を、点滅させたり色を変更させたりする処理を行う。
【0023】
また、シミュレート制御部42は、信号配置図A11の信号機のアイコンと現示データ表A12の信号機とを関連づけることができる。つまり、ユーザがPCのマウスを操作して、現示データ表A12の信号機の項目(表で最左列に表記)から所定の信号機を選択し、信号配置図A11の所望の場所にドラッグすると、信号配置図A11の信号機のアイコンと現示データ表A12の信号機とが関連づけられる。なお、この関連づけの操作手順は、上記以外の手順であってもよい。
【0024】
以上の構成による、模擬灯器60を用いた確認試験のプロセスを、図8のフローチャートを参照して簡単に説明する。
【0025】
信号機の設置作業者等のユーザが、所望の組み合わせの灯器点灯状態とするために、模擬灯器60の模擬灯操作部61を操作すると(S10)、模擬灯制御部63は、その操作に対応した模擬灯62のランプを点灯させる(S12)。さらに、模擬灯制御部63は、通信インタフェイス部64を介して、交通信号制御機50にその操作によって指示された信号の灯器を点灯させる制御信号を出力する(S14)。このとき、交通信号制御機50では、G−G検出部54が、G−G異常として閃光動作に移行すべき点灯組み合わせであるか否かを判断する(S16)。G−G異常でない正常状態であると判断すると(S16のN)、灯器出力部52はユーザ指示にしたがった点灯をさせる(S18)。G−G異常であると判断すると(S16のY)、G−G検出部54は、即座に閃光動作で点灯させるように灯器出力部52に指示し、灯器出力部52はG−G検出部54からの指示に従って閃光動作させる出力制御を行う(S20)。
【0026】
模擬灯制御部63は、交通信号制御機50への出力と同時に、通信インタフェイス部64を介して、G−G異常検出支援装置30に対し、ユーザの操作内容を出力する(S30)。G−G異常検出支援装置30では、指示取得部40が通信インタフェイス部34を介して模擬灯器60からユーザの操作内容、つまり、どの灯器を点灯するかを指示するデータを取得する(S32)。次に、シミュレート制御部42が、指示取得部40が模擬灯器60から取得したデータ(指示内容)をもとに、信号配置図A11のどの信号機アイコンを点灯させるかを決定する(S34)。このとき、シミュレート制御部42は、現示データ記憶部38に記録されているG−G組み合わせ表を参照して、点灯する信号アイコンの組み合わせがG−G異常であるか否かを判断する(S36)。そして、正常であると判断した場合(S36のN)、シミュレート制御部42はユーザの点灯指示操作に対応した信号アイコンを点灯させる表示出力を行うよう表示出力部36へ指示する(S38)。G−G異常であると判断すると(S36のY)、シミュレート制御部42は、所望の閃光動作で点灯する表示出力を行うように、表示出力部36に対して指示する(S40)。
【0027】
G−G異常検出支援装置30を用いて上述の処理を行うことで、信号機の点灯を実際に目視して確認するとともに、G−G異常検出支援装置30が搭載されるPC上においても同様に確認する。これによって、熟達していない作業者であっても、どの信号機がどのように点灯すべきであるかを容易に把握することができ、確認作業を漏れのない適切なものにできる。また、複数の作業員でG−G異常の確認作業を行う場合であっても、作業分担を適切に行うことができ、効率のよい作業を行うことができる。
【0028】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素や処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。その様な変形例について次に説明する。
【0029】
上述の実施形態では、G−G異常検出支援装置30は、あくまでも模擬灯器60における操作を取得してその内容を表示させた。しかし、G−G異常検出支援装置30に模擬灯器60の機能を取りこませてもよい。つまり、G−G異常検出支援装置30が、設置作業の灯器点灯確認のための模擬点灯制御装置として機能する。以下、交通信号制御機50には、模擬灯器60が接続されずG−G異常検出支援装置30のみが接続されるものとして説明する。
【0030】
まず、図7の画面において、信号配置図A11の上方に「出力モード」と記されたアイコンボタン(出力モードアイコンB21)が配置されており、この出力モードアイコンB21が押下されると、画面表示が図9の画面A20に遷移する。
【0031】
図9の画面A20では、模擬灯器60の模擬灯62に相当する模擬灯アイコン群B25と、模擬灯操作部61に相当する操作部アイコン群B26が表示される。操作部アイコン群B26は選択可能に表示されるアイコンが複数備わるものであり、模擬灯器60の動作がシミュレートされて表示される。さらに、そのシミュレートされた動作に対応する制御信号が通信インタフェイス部34を介して交通信号制御機50に出力される。交通信号制御機50では、模擬灯器60から制御信号を受けたときと同様に、信号灯器の出力動作を行い、G−G異常であると判断すると、灯器出力部52は、閃光動作を行う。このとき、G−G異常検出支援装置30では、G−G異常である旨が閃光動作の表示とともに所定の警告音や警告表記でなされる。正しい動作であるか否かを確認する所定のウィンドウB27等がポップアップして、そのウィンドウB27中に設けられた「正」または「誤」のいずれかのボタンを押下することで、その押下内容が、G−G確認組み合わせ表A13に反映される。例えば、「正」ボタンが押下された場合は、G−G確認組み合わせ表A13において、「正」の表記が追記され(例えば図示のクロスする位置C12)、「誤」ボタンが押下された場合は、「誤」の表記が追記される。これによって、確認すべき灯器点灯の組み合わせを正確に全て漏れなく実行することができる。
【符号の説明】
【0032】
30 G−G異常検出支援装置
32 主制御部
34、64 通信インタフェイス部
38 現示データ記憶部
40 指示取得部
42 シミュレート制御部
50 交通信号制御機
60 模擬灯器
61 模擬灯操作部
62 模擬灯
63 模擬灯制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通信号制御機の動作確認作業を支援する信号動作確認支援装置であって、
検査対象の信号機が設置されている配置図を表示画面に表示出力する配置表示手段と、
前記信号機において点灯すべき信号灯器として選択された信号灯器を特定する特定手段と、
前記特定された信号灯器の信号灯が点灯した状態を前記表示画面に表示出力する信号表示手段と、
前記選択された信号灯器の表示の組み合わせにG−G異常があるか否かを判断し、G−G異常があると判断したときにその旨を前記表示画面に表示出力する異常判断手段と、
を備えることを特徴とする信号動作確認支援装置。
【請求項2】
前記配置表示手段は、G−G異常組み合わせ表とともに前記信号機の前記配置図を表示出力し、前記G−G異常であることが確認された信号の組み合わせについて、前記G−G異常組み合わせ表の中において所定のマークを付すことを特徴とする請求項1に記載の信号動作確認支援装置。
【請求項3】
前記特定手段は、外部に設けられた模擬灯器の出力を取得して、前記選択された信号灯器を特定することを特徴とする請求項1に信号動作確認支援装置。
【請求項4】
ユーザから点灯させるべき信号灯器の指定を受け付ける灯器指定手段と、
前記指定された信号灯器を点灯させるための制御信号を前記交通信号制御機に出力するとともに、前記指定された信号灯器を前記特定手段に通知する制御信号出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の信号動作確認支援装置。
【請求項5】
交通信号制御機の動作確認作業を支援する信号動作確認支援方法であって、
検査対象の信号機が設置されている配置図を表示画面に表示出力する配置表示工程と、
前記信号機において点灯すべき信号灯器として選択された信号灯器を特定する特定工程と、
前記特定された信号灯器の信号灯が点灯した状態を前記表示画面に表示出力する信号表示工程と、
前記選択された信号灯器の表示の組み合わせにG−G異常があるか否かを判断し、G−G異常があると判断したときにその旨を前記表示画面に表示出力する異常判断工程と、
を備えることを特徴とする信号動作確認支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−118715(P2011−118715A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276059(P2009−276059)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【Fターム(参考)】