説明

信号灯切替装置及び信号機

【課題】本発明は信号灯の切替え確認が確実に行うことができる信号灯切替装置及びこの信号灯切替装置を備えた信号機を提供することを目的とするものである。
【解決手段】信号機本体22と接続可能に構成されると共に、接続された信号機本体22が有する赤色信号灯21、あるいは青色信号灯21Aの状態を切替える信号灯切替え手段と、この信号灯切替え手段と接続された信号機本体22の赤色信号灯21、あるいは青色信号灯21Aの状態を発光して表示する信号灯状態表示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号灯切替装置及び信号機に関する。詳しくは、工事用信号機等の信号灯の信号切り替え操作を行う信号灯切替装置及びこの信号灯切替装置を備えた信号機に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路工事には工事用信号機が仮設置される。このような信号機として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
具体的には、図4に示すように、その底面にキャスター101が取付けられた台座102上に立設された支柱103に信号部104が取付けられた構成とされている。
【0003】
このような工事用信号機は、工事以外の時間では自動的に信号の切り替えが行われるものであるが、工事中にあっては交通誘導員が通行車両の誘導を行う際に、交通誘導員による信号切り替え操作が行われている。
【0004】
ここで、交通誘導員は、一方の手に旗や点滅棒を持ち、他方の手にはトランシバーを持って交通誘導を行うために両手が塞がった状態となり、信号切り替え操作はフットスイッチが使用されている。
【0005】
このフットスイッチは図5に示すように、スイッチ本体110の上面に信号灯の色、具体的には「赤色」及び「青色」の点灯色シール111が配置されている。また、この点灯色シール111として、反射機能を有する反射シールが貼られることもある。
【0006】
更に、点灯色シール111の近傍にシーソー式のスイッチ112が取付けられ、交通誘導員は「赤色」及び「青色」の点灯色シール111を視認しながら、足でスイッチ112の切り替えを行っている。
【0007】
このような構成のフットスイッチでは、青色の信号灯に切り替える場合にはスイッチ112を青色の点灯色シール111側に踏み込むことで青色の信号灯が点灯する。なお、同時に赤色の信号灯が消灯する。
【0008】
また、赤色の信号灯に切り替える場合にはスイッチ112を赤色の点灯色シール111側に踏み込むことで赤色の信号灯が点灯する。なお、同時に青色の信号灯が消灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−20887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、工事用信号機の前方に立つとドライバーから信号灯が見えにくく、また、信号無視の車両等からできるだけ身の安全を図るために、工事用信号機の後方に交通誘導員が立つことが多く、こうした立ち位置では信号機の点灯色を確認しにくい。
【0011】
また、青色、あるいは赤色への信号灯の切替えは、昼間であれば青色、あるいは赤色の点灯色シール111を容易に視認することができる。更に、反射機能を有する点灯色シール111の場合には、周囲が例え薄暗かったとしても、若干の光源があれば充分に視認することが可能である。
しかし、夜間の暗闇の中では青色、あるいは赤色の点灯色シール111を視認することが困難である。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、信号灯の切替え確認が確実に行うことができる信号灯切替装置及びこの信号灯切替装置を備えた信号機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明に係る信号灯切替装置は、信号機と接続可能に構成されると共に、接続された信号機が有する信号灯の状態を切替える信号灯切替え手段と、該信号灯切替え手段と接続された信号機の信号灯の状態を発光して表示する信号灯状態表示手段とを備える。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る信号機は、信号機本体と、該信号機本体と接続可能に構成されると共に、接続された信号機本体が有する信号灯の状態を切替える信号灯切替え手段と、該信号灯切替え手段と接続された信号機本体の信号灯の状態を発光して表示する信号灯状態表示手段とを有する信号灯切替装置とを備える。
【0015】
ここで、信号灯状態表示手段が信号灯の状態を発光して表示することによって、夜間の暗闇の中でも信号灯色を確認することができる。なお、信号灯切替え手段で信号灯の状態が切り替えられた場合(例えば、青色点灯から赤色点灯状態に切り替えられた場合)には、信号灯状態表示手段の表示も変化(例えば、青色発光状態から赤色発光状態に変化)することとなる。
【0016】
また、信号灯状態表示手段が、信号灯切替え手段で選択してONの状態とした信号灯と同一色を発光すべく構成された場合には、信号灯状態表示手段の表示を一見するのみで信号灯を確認し易い。
即ち、「赤色」や「青色」といった文字情報で信号灯の状態を表示し、信号灯の状態を知覚的に確認する場合よりも、信号灯状態表示手段が信号灯と同一色を発光すべく構成することで、信号灯の状態を視覚的に理解せしめた方が、より一層充分に信号灯の状態を確認し易くなる。
【0017】
更に、信号灯状態表示手段がLED素子を有して構成された場合には、小さな光源での確実な確認が行えると共に、バッテリーによる消費電力を極力抑えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の信号灯切替装置によれば、信号灯の色の確認を確実に行うことが可能となる。また、本発明の信号機によれば信号灯切替装置での信号灯の色の確認を確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用した信号灯切替装置の一例を説明するための立体模式図である。
【図2】本発明を適用した信号灯切替装置の一例を説明するための電気回路図を示す。
【図3】本発明を適用した信号機の一例を説明するための立体模式図である。
【図4】従来の工事用信号機の一例を説明するための模式図である。
【図5】従来の信号灯切替装置の一例を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0021】
<第1の実施の形態>
図1は本発明を適用した信号灯切替装置の一例を説明するための立体模式図、図2は本発明を適用した信号灯切替装置の一例を説明するための電気回路図を示す。
【0022】
ここで示す信号灯切替装置1は、ケース本体2と、このケース本体2に設けられたシーソー式のペダルスイッチ3と、信号機(図示せず。)に接続される信号機接続用コネクター4とから構成されている。また、信号機接続用コネクター4は、所定長さの電気コード14の先端に挿し込みプラグ15が取付けられている。
【0023】
ここで、ペダルスイッチ3は、図面左側を踏み込むと信号機の信号灯を青色に切り替え、図面右側を踏み込むと信号機の信号灯を赤色に切り替える様に構成されている。
【0024】
また、ケース本体2の上面には、シーソー式のペダルスイッチ3の青色信号灯への切替え側(図面左側)に青色の表示板5が配置されている。また、シーソー式のペダルスイッチ3の赤色信号灯への切替え側(図面右側)に赤色の表示板5が配置されている。
【0025】
更に、青色の表示板5には反射シール(図示せず。)が貼り付けられており、若干の光源があれば反射シールが照らされて青色が容易に確認できる構成とされている。同様に、赤色の表示板5にも反射シール(図示せず)が貼り付けられており、若干の光源があれば反射シールが照らされて赤色が容易に確認できる構成とされている。
【0026】
このように、青色信号灯への切替え側に青色の表示板5を配置すると共に、赤色信号灯への切替え側に赤色の表示板5を配置することで、ペダルスイッチ3を踏み込んだ際に、青色信号若しくは赤色信号のいずれに切替えがなされるかを容易に把握することができる。
即ち、左側に表示板(青色)が配置されているために、ペダルスイッチ3の左側を踏み込んだ際に信号灯が青色に切り替わることが理解でき、同様に、右側に表示板(赤色)が配置されているために、ペダルスイッチ3の右側を踏み込んだ際に信号灯が赤色に切り替わることが理解できる。
【0027】
また、ケース本体2の上面には点灯確認用表示部6が配置されている。この点灯確認用表示部6は透明状の表示窓7内に赤色LED及び青色LED(図示せず。)が収納されている。
【0028】
ここで、青色信号の点灯時には青色LEDが発光し、赤色信号の点灯時には赤色のLEDが発光する様に構成されている。
即ち、ペダルスイッチ3の左側を踏み込んで、信号表示を赤色から青色に変化させた際には、赤色LEDが消えると共に青色LEDが発光することとなる。一方、ペダルスイッチ3の右側を踏み込んで、信号表示を青色から赤色に変化させた際には、青色LEDが消えると共に赤色LEDが発光することとなる。
【0029】
ところで、青色LEDの点灯及び消灯、赤色LEDの点灯及び消灯は、信号灯切替装置1が有する図2に示す回路で実現している。
具体的な回路構成は、図2に示すように、その一端が12Vの電源に接続された抵抗R1及び抵抗R2を有し、抵抗R1の他端には赤色用スイッチ10が接続され、抵抗R2の他端には青色用スイッチ10Aが接続されている。
【0030】
また、抵抗R1の他端には、赤色用スイッチ10のみならず、抵抗R3が接続されている。更に、抵抗R3の抵抗R1とは逆側に青色LED11が接続され、青色LED11の他端は電源と接続されている。
【0031】
また、抵抗R2の他端には、青色用スイッチ10Aのみならず、抵抗R4が接続されている。更に、抵抗R4の抵抗R2とは逆側に赤色LED12が接続され、赤色LED12の他端は電源と接続されている。
【0032】
このような構成の電気回路において、赤色用スイッチ10がONの状態で、青色用スイッチ10AがOFFの状態の場合(図2に示す状態の場合)、図中A矢印方向に流れた電流は、赤色用スイッチ10側へ流れることとなる。なお、抵抗R3の抵抗値に起因して青色LED11には電流が流れず、青色LED11は点灯しない。
【0033】
また、図中B矢印方向に流れた電流(微弱電流)は、青色用スイッチ10Aが遮断されていることに起因して、赤色LED12側に流れることとなり、赤色LED12が点灯することとなる。
【0034】
一方で、青色用スイッチ10AがONの状態で、赤色用スイッチ10がOFFの状態の場合(図示せず。)、電流は青色スイッチ10A側へ流れることとなる。なお、抵抗R4の抵抗値に起因して赤色LED12には電流が流れず、赤色LED12は点灯しない。
【0035】
また、赤色用スイッチ10が遮断されていることに起因して、微弱電流が青色LED11側に流れることとなり、青色LED11が点灯することとなる。
【0036】
本実施例の信号灯切替装置1では、シーソー式のペダルスイッチ3を青色の表示板5側(本実施例では左側)へ踏み込んだ瞬間に、信号機の青色信号灯(図示せず。)が点灯するのであるが、同時に、青色用スイッチ10AをONの状態とすると共に赤色用スイッチ10をOFFの状態とすべく構成されている。
【0037】
即ち、信号機の青色信号灯が点灯すると同時に、青色LED11を発光させることによって、青色信号灯の点灯を視認可能としているのである。
【0038】
一方で、シーソー式のペダルスイッチ3を赤色の表示板5側(本実施例では右側)へ踏み込んだ瞬間に、信号機の赤色信号灯(図示せず。)が点灯するのであるが、同時に、赤色用スイッチ10をONの状態とすると共に青色用スイッチ10AをOFFの状態とすべく構成されている。
【0039】
即ち、信号機の赤色信号灯が点灯すると同時に、赤色LED12を発光させることによって、赤色信号灯の点灯を視認可能としているのである。
【0040】
なお、本実施例では、青色LEDの点灯及び消灯、赤色LEDの点灯及び消灯を実現する回路構成として、図2に示す電気回路を例に挙げて説明を行っているが、必ずしも図2に示す電気回路に限定されるものではなく、信号機の信号灯を切り替えるタイミングで青色LED及び赤色LEDの点灯と消灯が制御できれば充分であり、こうした制御が実現できるのであれば、いかなる電気回路であっても良い。
【0041】
また、本実施例では、信号灯色の表示手段としてLEDを使用する場合を例に挙げて説明を行っているが、必ずしもLEDを使用する必要性はない。例えば、赤色、あるいは青色に着色された電球であっても構わないが、小さな光源で視認性に優れ、かつ耐用年数が長く、消費電力の少ないLEDを使用することが望ましい。
【0042】
また、本実施例では、スイッチ本体の上面に、赤色及び青色の表示板を配置する場合を例に挙げて説明を行っているが、必ずしも表示板を設ける必要性はない。例えば、ペダルスイッチ自体に着色しても良く、ペダルスイッチの踏み込み方向と信号灯の色との対応関係が理解できるのであれば、いかなる構成であっても良い。
【0043】
以上の構成よりなる本発明の信号灯切替装置では、シーソー式のペダルスイッチで青色信号灯を点灯させると同時に青色LEDが発光し、赤色信号灯を点灯させると同時に赤色LEDが発光するため、LEDの発光色を確認することで、信号灯の点灯色を確実に把握することが可能となる。
【0044】
<第2の実施の形態>
図3は本発明を適用した信号機の一例を説明するための立体模式図である。
【0045】
ここで示す信号機は、赤色信号灯21、青色信号灯21Aが配置された信号機本体22と、この信号機本体22に接続された信号灯切替装置1で構成されている。
【0046】
ここで、信号機本体22は、道路上に設置される台座23上に支柱24が立設され、この支柱24上に赤色信号灯21、青色信号灯21Aが配置された信号機本体22が取付けられている。
【0047】
また、信号機本体22内には12V用のバッテリー(図示せず。)及び信号回路(図示せず。)が収納されると共に、信号灯器の背面側下部には接続用端子26が配置されている。
【0048】
なお、信号灯切替装置1は、上記した第1の実施の形態と同様に構成されており、挿し込みプラグ15を接続用端子26に挿し込むことで、信号切替装置1からの操作で信号灯の切替えを行うことができる様に構成されている。
【0049】
以上の構成よりなる本発明の信号機では、シーソー式切替えペダルで青色信号灯を点灯させると同時に青色LEDが発光し、赤色信号灯を点灯させると同時に赤色LEDが発光するため、LEDの発光色を確認することで、信号灯の点灯色を確実に把握することが可能となる。
【符号の説明】
【0050】
1 信号灯切替装置
2 ケース本体
3 ペダルスイッチ
4 信号機接続用コネクター
5 表示板
6 点灯確認用表示部
7 表示窓
10 赤色用スイッチ
10A 青色用スイッチ
11 青色LED
12 赤色LED
14 電気コード
15 プラグ
21 赤色信号灯
21A 青色信号灯
22 信号機本体
23 台座
24 支柱
26 接続用端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号機と接続可能に構成されると共に、接続された信号機が有する信号灯の状態を切替える信号灯切替え手段と、
該信号灯切替え手段と接続された信号機の信号灯の状態を発光して表示する信号灯状態表示手段とを備える
信号灯切替装置。
【請求項2】
前記信号灯切替え手段は、赤色用の信号灯若しくは青色用の信号灯のいずれか一方を選択的にONの状態とすべく構成され、
前記信号灯状態表示手段は、前記信号灯切替え手段で選択してONの状態とした信号灯と同一色を発光すべく構成された
請求項1に記載の信号灯切替装置。
【請求項3】
前記信号灯状態表示手段は、赤色に発光するLED素子を有して構成される赤色発光部と、青色に発光するLED素子を有して構成される青色発光部を備える
請求項1または請求項2に記載の信号灯切替装置。
【請求項4】
信号機本体と、
該信号機本体と接続可能に構成されると共に、接続された信号機本体が有する信号灯の状態を切替える信号灯切替え手段と、該信号灯切替え手段と接続された信号機本体の信号灯の状態を発光して表示する信号灯状態表示手段とを有する信号灯切替装置とを備える
信号機。
【請求項5】
前記信号灯切替え手段は、赤色用の信号灯若しくは青色用の信号灯のいずれか一方を選択的にONの状態とすべく構成され、
前記信号灯状態表示手段は、前記信号灯切替え手段で選択してONの状態とした信号灯と同一色を発光すべく構成された
請求項4に記載の信号機。
【請求項6】
前記信号灯状態表示手段は、赤色に発光するLED素子を有して構成される赤色発光部と、青色に発光するLED素子を有して構成される青色発光部を備える
請求項4または請求項5に記載の信号機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−54484(P2013−54484A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191350(P2011−191350)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(508075373)太陽建機レンタル株式会社 (4)
【Fターム(参考)】