信号灯
【目的】 LEDを構成する発光素子を用いて、グローブ全体が明るく発光しているように見え、かつあらゆる角度からも確認することができる信号灯を提供する。
【構成】 LEDユニット基板5に、複数個形成された発光素子9と、この複数の発光素子9の点滅動作を制御する回路網14と、複数の発光素子9を覆い、上記各発光素子9から出た光を内部において拡散し外部へ発散するほぼ均一な厚さを有するコーティング膜11とを備えている。
【構成】 LEDユニット基板5に、複数個形成された発光素子9と、この複数の発光素子9の点滅動作を制御する回路網14と、複数の発光素子9を覆い、上記各発光素子9から出た光を内部において拡散し外部へ発散するほぼ均一な厚さを有するコーティング膜11とを備えている。
【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、周囲の人々の注意を喚起するための信号灯に関し、特に、信号灯の内部に設けられた光源の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、信号灯は、広告灯の一部、工場などにおける工程の異常を報知する手段、会社や駐車場などの出入口や工事現場での注意を促す手段として広く用いられている。
【0003】
以下、図面を参照して、従来の信号灯の構造について説明する。
図12は、従来の信号灯21の概略を示す斜視図である。
【0004】
この信号灯21は、ボディ22と、このボディ22の上部に設けられたグローブ23と、このグローブ23の上端を塞ぐヘッドカバー24とを有している。
【0005】
また、グロープ23の内部には、光を発するための発光ダイオード(以下LEDと称す)25を取付けるためのLEDベース28が設けられている。
【0006】
図において、グローブ23と、ヘッドカバー24とは、内部の構造をわかりやすくするために、透明部材からなるように記載しているが、実際にはLEDベース25から発せられる光を発散させるようにダイヤカット等の加工が施されている。
【0007】
次に、図13を参照して、この信号灯21の内部構造について説明する。
図13は、信号灯21の縦断面を示す図である。まず、ポディ22の内部には、電源トランス26と、LEDベース28から発せられる光の点滅動作を制御するための制御基板27が配置されている。
【0008】
一方、グロープ23の内部には、円筒形状に形成されたLEDベース28と、このLEDベース28上に、光源としてのLED25が所定の箇所に複数個配置されている。
【0009】
上記構成よりなる信号灯21を用いて、LED25を発光させることにより、LED25から発せられた光は、グローブ23を透過し発散され、周囲の人々の注意を喚起し刺激する。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構造からなる信号灯においては、以下に示す問題点を有している。
【0011】
まず、図14を参照して、LED25の構造について説明する。
LED25は、反射ベース30と、発光素子9と、発光素子9を覆う保護レンズ29とから構成されている。
【0012】
発光素子9は、反射ベース30に設けられた反射部31の底部に配置されているため、発光素子9から発せられた光は、図に示すように、所定の一方向にのみ光が集められる。
【0013】
このLED25を、LEDベース28に配置した場合、光の進行方向は、図15に示すようにすべて水平方向となる。
【0014】
このため、図中点Aや点Bからは、LED25の発光を確認することができず、たとえば信号灯を上方または下方に配置した場合、周囲の人々の注意を喚起し、刺激することができない。
【0015】
また、信号灯を光の進行方向から見た場合であっても、図16に示すように、グローブ23により光は発散されるものの、LED25に対応した光のスポット32が形成されるために、スポット32の中心部は明るいが、全体としては暗く、所望の明るさが得られないという問題点があった。
【0016】
この考案は、上記問題点を解決するためになされたもので、光源としてLEDを構成する発光素子を用いて、グローブ全体が明るくなるように発光させ、かつあらゆる角度からも確認することができる信号灯を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の信号灯においては、光源と、上記光源を取囲むグローブとを備え、上記光源から発せられた光が、上記グローブを透過し発散する信号灯であって、上記光源は、基板と、上記基板の表面に、複数個形成された発光素子と、上記複数の発光素子の点滅動作を制御する回路網と上記基板の表面上に、上記発光素子を覆うように形成され、上記発光素子から出た光を内部において拡散し外部へ発散するコーティング膜とを含んでいる。
【0018】
次に、請求項2に記載の信号灯においては、請求項1に記載の信号灯であって、上記コーティング膜は、上記複数の発光素子のすべてを覆うように上記基板上に形成されている。
【0019】
次に、請求項3に記載の信号灯においては、請求項1に記載の信号灯であって、上記複数の発光素子は、第1グループと第2グループとに区分されており、上記コーティング膜は、上記第1グループの発光素子を覆う第1コーティング膜と、上記第2グループの発光素子を覆う第2コーティング膜とを含んでいる。
【0020】
【作用】
この考案に基づいた信号灯よれば、発光素子から発せられた光は、コーティング膜により、その内部において拡散し外部へ発散されるために、ベースプレート上に形成されたコーティング膜全面が実質的に発光しているように見える。このため、グローブ全体に光が照射されたと同じようになり、グローブ全体が明るく発光しているように見える。
【0021】
また、発光素子から発せられた光は、コーティング膜によりあらゆる方向に発散されるために、あらゆる方向から信号灯の発光を確認することが可能となる。
【0022】
【実施例】
以下、この考案に基づいた一実施例について図を参照して説明する。
【0023】
図1は、この考案に基づいた信号灯1の概略を示す斜視図である。
この信号灯1は、ボディ2と、このボディ2の上部に設けられたグローブ3と、このグローブ3の上端を塞ぐヘッドカバー4とを有している。
【0024】
また、グローブ3の内部には、光を発するためのLEDユニット基板5を表面と裏面に配置するためのベース8が設けられている。
【0025】
なお、図において、グローブ3とヘッドカバー4とは、内部の構造をわかりやすくするために、透明部材からなるように記載しているが、実際は、LEDユニット基板5から発せられる光を発散させるようにダイヤカット等の加工が施され、さらにLEDユニット基板5から発せられる光色に合わせて、緑、黄、赤などの色が着色されている。
【0026】
次に、図2(a),(b)を参照して、この信号灯1の内部構造について説明する。図2(a),(b)は、信号灯1の縦断面を角度を変えて示したものである。
【0027】
まず、ボディ2の内部には、電源トランス6とLEDユニット基板5から発せられる光の点滅等を制御するための制御基板7が配置されている。
【0028】
一方、グローブ3の内部においては、光の発するためのLEDユニット基板5と、このLEDユニット基板5を表面と裏面とに配置するためのベース8が設けられている。
【0029】
次に、図3および図4を参照して、LEDユニット基板5の構造について説明する。なお、図4は、図3中X−X線矢視断面図である。
【0030】
両図を参照して、このLEDユニット基板5は、基板10の上に、発光素子9が複数個所定の間隔で配置されている。また、基板5の表面部分には、発光素子9の点滅動作を制御するための回路網14が形成されている。
【0031】
また、この実施例において、発光素子9は、この発光素子9から出た光を内部において拡散し外部へ発散するほぼ均一な厚さを有するコーティング膜11によりその全面が覆われている。このコーティング膜11は、たとえば変形アクリレートなどのエポキシ樹脂からなり、内部を透過する光を拡散するために、所定の拡散材が含まれている。
【0032】
次に、このLEDユニット基板5から発せられる光の拡散について説明する。
図5(a),(b)を参照して、1つの発光素子9について説明する。(a)
の断面図に示すように、発光素子9から出た光は、図中の矢印に示すように、半球面状に光を発散する。このように発せられた光は、コーティング膜11内において拡散し、(b)に示す図のように、外部へ発散させることになる。
【0033】
このように発光素子9から発せられる光を、複数個配置させたLEDユニット基板5においては、図6に示すように、コーティング膜11全面が実質的に発光しているようになる。このため、グローブ3には、全面に光が照射されたと同じようになり、グローブ全体に光のスポット12が形成される。また、発光素子9から発せられる光はコーティング膜11によって、あらゆる方向に光が発散させるために、図6の点A,点Bからもグローブ3の発光を確認することが可能となる。
【0034】
以上、この実施例によれば、発光素子9から発せられた光は、コーティング膜11により、その内部において拡散し、外部へ発散するため、コーティング膜11全面が実質的に発光しているようになる。このため、グローブ3は全面に光が照射されたと同じようになり、グローブ3全体が明るく発光しているように見える。
【0035】
また、発光素子9から発せられた光は、コーティング膜11によりあらゆる方向に発散されるため、あらゆる方向からグローブ3の発光を確認することが可能となる。
【0036】
なお、上記実施例においては、グローブが1つしか形成されていない単層の信号灯について述べたが、これに限られることなく、図8に示すように、グローブが3段からなる積層信号灯13として、たとえば最下段を緑色、中段を黄色、最上段を赤色とし、工場における機械運転の場合に用いたりすることが可能である。
【0037】
また、基板10上に形成されるコーティング膜11は、上記実施例に示したように全面に形成されるものに限られず、たとえば図8に示すように発光素子9ひとつずつにコーティング膜11を設けてもよいし、また、図9に示すように列方向において共通するコーティング膜11としても構わない。また、図10に示すように、複数のグループに分けて、コーティング膜11を形成するようにしても同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
また、上記実施例においては、ベースの表面と裏面とにLEDユニット基板5を設けるようにし、またグローブ3の形状も円形としているが、以下図12〜図17に示すような構造を用いることもできる。
【0039】
まず、図12を参照して、ベース8が六角形の場合を示している。このベース8の各辺にLEDユニット基板5を取付けるようにしても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
次に、図13を参照して、ベース8の表面と裏面とにLEDユニット基板5を設けるようにしている点は同じであるが、グローブの外周面の形状を12面体としている。このようにしても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
次に、図14を参照して、グローブ3の形状を四角形とし、その対角線方向にベース8およびLEDユニット基板5を設けるように配置している。このようにしても上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
次に、図15を参照して、グローブ3の形状を四角形とし、またベース8の形状も四角形とすることにより、このベース8の各辺にLEDユニット基板5を設けるように配置している。このようにしても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
次に図16を参照して、グローブ3の形状を四角形とし、ベース8をグローブ3の対角線方向に一致する十字形状とし、このベースのすべての辺にLEDユニット基板5を取付けるようにしている。
【0044】
また、図17に示すように、ベース8の形状を略星型の形状にすることによっても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
【考案の効果】
以上述べたように、この考案に基づいた信号灯によれば、発光素子から発せられる光は、コーティング膜により、その内部において拡散し外部へ発散させるために、ベースプレート上に形成されたコーティング膜全面が実質的に発光しているようになる。このため、グローブ全体に光が照射されたと同じようになり、グローブ全体が明るく発光しているように見える。
【0046】
また、発光素子から発せられた光は、コーティング膜によりあらゆる方向に発散させるために、あらゆる方向から信号灯を確認することが可能となる。
【0047】
よって、より一層多くの人々の注意を喚起・刺激させることが可能となり、広告灯として用いた場合は、顧客吸引力の向上、工場や会社駐車場等の出入口に用いた場合は、未然に事故防止を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に基づいた一実施例における信号灯の斜視図である。
【図2】(a)は、この考案に基づいた一実施例における信号灯の一方向からみた縦断面図である。(b)は、この考案に基づいた一実施例における信号灯の他の方向からみた縦断面図である。
【図3】LEDユニット基板の正面図である。
【図4】図3中X−X線矢視断面図である。
【図5】(a)は、LEDユニット基板に形成された発光素子から発せられる光の状態を示す模式図である。(b)は、LEDユニット基板に形成された発光された光のコーティング膜表面での状態を示す模式図である。
【図6】LEDユニット基板上に形成されたコーティング膜表面から発せられる光の状態を示す模式図である。
【図7】この考案に基づいた信号灯のグローブにおける光の状態を示す模式図である。
【図8】この考案に基づいた積層信号灯を示す斜視図である。
【図9】LEDユニット基板に形成されるコーティング膜の他の形状を示す第1の図である。
【図10】LEDユニット基板に形成されるコーティング膜の他の形状を示す第2の図である。
【図11】LEDユニット基板に形成されるコーティング膜の他の形状を示す第3の図である。
【図12】他の実施例における信号灯の構造を示す第1の断面図である。
【図13】他の実施例における信号灯の構造を示す第2の断面図である。
【図14】他の実施例における信号灯の構造を示す第3の断面図である。
【図15】他の実施例における信号灯の構造を示す第4の断面図である。
【図16】他の実施例における信号灯の構造を示す第5の断面図である。
【図17】他の実施例における信号灯の構造を示す第6の断面図である。
【図18】従来技術における信号灯の斜視図である。
【図19】従来技術における信号灯の縦断面図である。
【図20】発光ダイオードの構造を示す断面図である。
【図21】従来技術における信号灯の光の状態を示す模式図である。
【図22】従来技術における信号灯のグローブにおける光の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 信号灯
2 ボディ
3 グローブ
4 ヘッドカバー
5 LEDユニット基板
6 電源トランス
7 制御基板
8 ベース
9 発光素子
10 基板
11 コーティング膜
なお、図中同一符号は、同一または相当部分を示す。
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、周囲の人々の注意を喚起するための信号灯に関し、特に、信号灯の内部に設けられた光源の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、信号灯は、広告灯の一部、工場などにおける工程の異常を報知する手段、会社や駐車場などの出入口や工事現場での注意を促す手段として広く用いられている。
【0003】
以下、図面を参照して、従来の信号灯の構造について説明する。
図12は、従来の信号灯21の概略を示す斜視図である。
【0004】
この信号灯21は、ボディ22と、このボディ22の上部に設けられたグローブ23と、このグローブ23の上端を塞ぐヘッドカバー24とを有している。
【0005】
また、グロープ23の内部には、光を発するための発光ダイオード(以下LEDと称す)25を取付けるためのLEDベース28が設けられている。
【0006】
図において、グローブ23と、ヘッドカバー24とは、内部の構造をわかりやすくするために、透明部材からなるように記載しているが、実際にはLEDベース25から発せられる光を発散させるようにダイヤカット等の加工が施されている。
【0007】
次に、図13を参照して、この信号灯21の内部構造について説明する。
図13は、信号灯21の縦断面を示す図である。まず、ポディ22の内部には、電源トランス26と、LEDベース28から発せられる光の点滅動作を制御するための制御基板27が配置されている。
【0008】
一方、グロープ23の内部には、円筒形状に形成されたLEDベース28と、このLEDベース28上に、光源としてのLED25が所定の箇所に複数個配置されている。
【0009】
上記構成よりなる信号灯21を用いて、LED25を発光させることにより、LED25から発せられた光は、グローブ23を透過し発散され、周囲の人々の注意を喚起し刺激する。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構造からなる信号灯においては、以下に示す問題点を有している。
【0011】
まず、図14を参照して、LED25の構造について説明する。
LED25は、反射ベース30と、発光素子9と、発光素子9を覆う保護レンズ29とから構成されている。
【0012】
発光素子9は、反射ベース30に設けられた反射部31の底部に配置されているため、発光素子9から発せられた光は、図に示すように、所定の一方向にのみ光が集められる。
【0013】
このLED25を、LEDベース28に配置した場合、光の進行方向は、図15に示すようにすべて水平方向となる。
【0014】
このため、図中点Aや点Bからは、LED25の発光を確認することができず、たとえば信号灯を上方または下方に配置した場合、周囲の人々の注意を喚起し、刺激することができない。
【0015】
また、信号灯を光の進行方向から見た場合であっても、図16に示すように、グローブ23により光は発散されるものの、LED25に対応した光のスポット32が形成されるために、スポット32の中心部は明るいが、全体としては暗く、所望の明るさが得られないという問題点があった。
【0016】
この考案は、上記問題点を解決するためになされたもので、光源としてLEDを構成する発光素子を用いて、グローブ全体が明るくなるように発光させ、かつあらゆる角度からも確認することができる信号灯を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の信号灯においては、光源と、上記光源を取囲むグローブとを備え、上記光源から発せられた光が、上記グローブを透過し発散する信号灯であって、上記光源は、基板と、上記基板の表面に、複数個形成された発光素子と、上記複数の発光素子の点滅動作を制御する回路網と上記基板の表面上に、上記発光素子を覆うように形成され、上記発光素子から出た光を内部において拡散し外部へ発散するコーティング膜とを含んでいる。
【0018】
次に、請求項2に記載の信号灯においては、請求項1に記載の信号灯であって、上記コーティング膜は、上記複数の発光素子のすべてを覆うように上記基板上に形成されている。
【0019】
次に、請求項3に記載の信号灯においては、請求項1に記載の信号灯であって、上記複数の発光素子は、第1グループと第2グループとに区分されており、上記コーティング膜は、上記第1グループの発光素子を覆う第1コーティング膜と、上記第2グループの発光素子を覆う第2コーティング膜とを含んでいる。
【0020】
【作用】
この考案に基づいた信号灯よれば、発光素子から発せられた光は、コーティング膜により、その内部において拡散し外部へ発散されるために、ベースプレート上に形成されたコーティング膜全面が実質的に発光しているように見える。このため、グローブ全体に光が照射されたと同じようになり、グローブ全体が明るく発光しているように見える。
【0021】
また、発光素子から発せられた光は、コーティング膜によりあらゆる方向に発散されるために、あらゆる方向から信号灯の発光を確認することが可能となる。
【0022】
【実施例】
以下、この考案に基づいた一実施例について図を参照して説明する。
【0023】
図1は、この考案に基づいた信号灯1の概略を示す斜視図である。
この信号灯1は、ボディ2と、このボディ2の上部に設けられたグローブ3と、このグローブ3の上端を塞ぐヘッドカバー4とを有している。
【0024】
また、グローブ3の内部には、光を発するためのLEDユニット基板5を表面と裏面に配置するためのベース8が設けられている。
【0025】
なお、図において、グローブ3とヘッドカバー4とは、内部の構造をわかりやすくするために、透明部材からなるように記載しているが、実際は、LEDユニット基板5から発せられる光を発散させるようにダイヤカット等の加工が施され、さらにLEDユニット基板5から発せられる光色に合わせて、緑、黄、赤などの色が着色されている。
【0026】
次に、図2(a),(b)を参照して、この信号灯1の内部構造について説明する。図2(a),(b)は、信号灯1の縦断面を角度を変えて示したものである。
【0027】
まず、ボディ2の内部には、電源トランス6とLEDユニット基板5から発せられる光の点滅等を制御するための制御基板7が配置されている。
【0028】
一方、グローブ3の内部においては、光の発するためのLEDユニット基板5と、このLEDユニット基板5を表面と裏面とに配置するためのベース8が設けられている。
【0029】
次に、図3および図4を参照して、LEDユニット基板5の構造について説明する。なお、図4は、図3中X−X線矢視断面図である。
【0030】
両図を参照して、このLEDユニット基板5は、基板10の上に、発光素子9が複数個所定の間隔で配置されている。また、基板5の表面部分には、発光素子9の点滅動作を制御するための回路網14が形成されている。
【0031】
また、この実施例において、発光素子9は、この発光素子9から出た光を内部において拡散し外部へ発散するほぼ均一な厚さを有するコーティング膜11によりその全面が覆われている。このコーティング膜11は、たとえば変形アクリレートなどのエポキシ樹脂からなり、内部を透過する光を拡散するために、所定の拡散材が含まれている。
【0032】
次に、このLEDユニット基板5から発せられる光の拡散について説明する。
図5(a),(b)を参照して、1つの発光素子9について説明する。(a)
の断面図に示すように、発光素子9から出た光は、図中の矢印に示すように、半球面状に光を発散する。このように発せられた光は、コーティング膜11内において拡散し、(b)に示す図のように、外部へ発散させることになる。
【0033】
このように発光素子9から発せられる光を、複数個配置させたLEDユニット基板5においては、図6に示すように、コーティング膜11全面が実質的に発光しているようになる。このため、グローブ3には、全面に光が照射されたと同じようになり、グローブ全体に光のスポット12が形成される。また、発光素子9から発せられる光はコーティング膜11によって、あらゆる方向に光が発散させるために、図6の点A,点Bからもグローブ3の発光を確認することが可能となる。
【0034】
以上、この実施例によれば、発光素子9から発せられた光は、コーティング膜11により、その内部において拡散し、外部へ発散するため、コーティング膜11全面が実質的に発光しているようになる。このため、グローブ3は全面に光が照射されたと同じようになり、グローブ3全体が明るく発光しているように見える。
【0035】
また、発光素子9から発せられた光は、コーティング膜11によりあらゆる方向に発散されるため、あらゆる方向からグローブ3の発光を確認することが可能となる。
【0036】
なお、上記実施例においては、グローブが1つしか形成されていない単層の信号灯について述べたが、これに限られることなく、図8に示すように、グローブが3段からなる積層信号灯13として、たとえば最下段を緑色、中段を黄色、最上段を赤色とし、工場における機械運転の場合に用いたりすることが可能である。
【0037】
また、基板10上に形成されるコーティング膜11は、上記実施例に示したように全面に形成されるものに限られず、たとえば図8に示すように発光素子9ひとつずつにコーティング膜11を設けてもよいし、また、図9に示すように列方向において共通するコーティング膜11としても構わない。また、図10に示すように、複数のグループに分けて、コーティング膜11を形成するようにしても同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
また、上記実施例においては、ベースの表面と裏面とにLEDユニット基板5を設けるようにし、またグローブ3の形状も円形としているが、以下図12〜図17に示すような構造を用いることもできる。
【0039】
まず、図12を参照して、ベース8が六角形の場合を示している。このベース8の各辺にLEDユニット基板5を取付けるようにしても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0040】
次に、図13を参照して、ベース8の表面と裏面とにLEDユニット基板5を設けるようにしている点は同じであるが、グローブの外周面の形状を12面体としている。このようにしても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
次に、図14を参照して、グローブ3の形状を四角形とし、その対角線方向にベース8およびLEDユニット基板5を設けるように配置している。このようにしても上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
次に、図15を参照して、グローブ3の形状を四角形とし、またベース8の形状も四角形とすることにより、このベース8の各辺にLEDユニット基板5を設けるように配置している。このようにしても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0043】
次に図16を参照して、グローブ3の形状を四角形とし、ベース8をグローブ3の対角線方向に一致する十字形状とし、このベースのすべての辺にLEDユニット基板5を取付けるようにしている。
【0044】
また、図17に示すように、ベース8の形状を略星型の形状にすることによっても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
【考案の効果】
以上述べたように、この考案に基づいた信号灯によれば、発光素子から発せられる光は、コーティング膜により、その内部において拡散し外部へ発散させるために、ベースプレート上に形成されたコーティング膜全面が実質的に発光しているようになる。このため、グローブ全体に光が照射されたと同じようになり、グローブ全体が明るく発光しているように見える。
【0046】
また、発光素子から発せられた光は、コーティング膜によりあらゆる方向に発散させるために、あらゆる方向から信号灯を確認することが可能となる。
【0047】
よって、より一層多くの人々の注意を喚起・刺激させることが可能となり、広告灯として用いた場合は、顧客吸引力の向上、工場や会社駐車場等の出入口に用いた場合は、未然に事故防止を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に基づいた一実施例における信号灯の斜視図である。
【図2】(a)は、この考案に基づいた一実施例における信号灯の一方向からみた縦断面図である。(b)は、この考案に基づいた一実施例における信号灯の他の方向からみた縦断面図である。
【図3】LEDユニット基板の正面図である。
【図4】図3中X−X線矢視断面図である。
【図5】(a)は、LEDユニット基板に形成された発光素子から発せられる光の状態を示す模式図である。(b)は、LEDユニット基板に形成された発光された光のコーティング膜表面での状態を示す模式図である。
【図6】LEDユニット基板上に形成されたコーティング膜表面から発せられる光の状態を示す模式図である。
【図7】この考案に基づいた信号灯のグローブにおける光の状態を示す模式図である。
【図8】この考案に基づいた積層信号灯を示す斜視図である。
【図9】LEDユニット基板に形成されるコーティング膜の他の形状を示す第1の図である。
【図10】LEDユニット基板に形成されるコーティング膜の他の形状を示す第2の図である。
【図11】LEDユニット基板に形成されるコーティング膜の他の形状を示す第3の図である。
【図12】他の実施例における信号灯の構造を示す第1の断面図である。
【図13】他の実施例における信号灯の構造を示す第2の断面図である。
【図14】他の実施例における信号灯の構造を示す第3の断面図である。
【図15】他の実施例における信号灯の構造を示す第4の断面図である。
【図16】他の実施例における信号灯の構造を示す第5の断面図である。
【図17】他の実施例における信号灯の構造を示す第6の断面図である。
【図18】従来技術における信号灯の斜視図である。
【図19】従来技術における信号灯の縦断面図である。
【図20】発光ダイオードの構造を示す断面図である。
【図21】従来技術における信号灯の光の状態を示す模式図である。
【図22】従来技術における信号灯のグローブにおける光の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 信号灯
2 ボディ
3 グローブ
4 ヘッドカバー
5 LEDユニット基板
6 電源トランス
7 制御基板
8 ベース
9 発光素子
10 基板
11 コーティング膜
なお、図中同一符号は、同一または相当部分を示す。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 光源と、前記光源を取囲むグローブとを備え、前記光源から発せられた光が、前記グローブを透過し発散する信号灯であって、前記光源は、基板と、前記基板の表面に、複数個形成された発光素子と、前記複数の発光素子の点滅動作を制御する回路網と、前記基板の表面上に、前記複数の発光素子を覆うように形成され、前記発光素子から出た光を内部において拡散し外部へ発散するコーティング膜と、を含む信号灯。
【請求項2】 前記コーティング膜は、前記複数の発光素子のすべてを覆うように前記基板上に形成された請求項1に記載の信号灯。
【請求項3】 前記複数の発光素子は、第1グループと第2グループとに区分されており、前記コーティング膜は、前記第1グループの発光素子を覆う第1コーティング膜と、前記第2グループの発光素子を覆う第2コーティング膜と、を含む請求項1に記載の信号灯。
【請求項1】 光源と、前記光源を取囲むグローブとを備え、前記光源から発せられた光が、前記グローブを透過し発散する信号灯であって、前記光源は、基板と、前記基板の表面に、複数個形成された発光素子と、前記複数の発光素子の点滅動作を制御する回路網と、前記基板の表面上に、前記複数の発光素子を覆うように形成され、前記発光素子から出た光を内部において拡散し外部へ発散するコーティング膜と、を含む信号灯。
【請求項2】 前記コーティング膜は、前記複数の発光素子のすべてを覆うように前記基板上に形成された請求項1に記載の信号灯。
【請求項3】 前記複数の発光素子は、第1グループと第2グループとに区分されており、前記コーティング膜は、前記第1グループの発光素子を覆う第1コーティング膜と、前記第2グループの発光素子を覆う第2コーティング膜と、を含む請求項1に記載の信号灯。
【図7】
【図12】
【図13】
【図20】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図8】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【図12】
【図13】
【図20】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図8】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図21】
【図22】
【公開番号】実開平6−77107
【公開日】平成6年(1994)10月28日
【考案の名称】信号灯
【国際特許分類】
【出願番号】実願平5−24823
【出願日】平成5年(1993)5月13日
【出願人】(000101204)アサヒ電機株式会社 (8)
【出願人】(593033832)株式会社ハイカー (1)
【公開日】平成6年(1994)10月28日
【考案の名称】信号灯
【国際特許分類】
【出願日】平成5年(1993)5月13日
【出願人】(000101204)アサヒ電機株式会社 (8)
【出願人】(593033832)株式会社ハイカー (1)
[ Back to top ]