傾斜センサ
【課題】 誤検出を防止して検出精度も向上し、小型で安価な傾斜センサを提供する。
【解決手段】 発光素子2と受光素子3A、3Bとの間に配置される透過物質5(もしくは遮光物質8)の移動に伴う、前記受光素子3A、3Bの受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子2の発した光を複数の方向に分割する分割部7Cと、分割された光を複数の前記受光素子3A、3Bの方向へ導く案内部7A、7Bとを設け、複数の前記受光素子3A、3B間の出力差で傾斜を検知することにより、受光素子3A、3B間の間隔を広く採った場合でも、少しの光を確実に受光でき、出力変換効率の低い受光素子や光量の少ない発光素子または指向性の狭い発光素子および受光素子を使用することができ、小型で安価なものが採用できる。その上、誤検出防止、精度向上のために、透過物質5の量を少なくしても、発光素子2と受光素子3との間の間隔を大きく採る必要もないので、センサ自体をコンパクトで小型かつ安価にできる。
【解決手段】 発光素子2と受光素子3A、3Bとの間に配置される透過物質5(もしくは遮光物質8)の移動に伴う、前記受光素子3A、3Bの受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子2の発した光を複数の方向に分割する分割部7Cと、分割された光を複数の前記受光素子3A、3Bの方向へ導く案内部7A、7Bとを設け、複数の前記受光素子3A、3B間の出力差で傾斜を検知することにより、受光素子3A、3B間の間隔を広く採った場合でも、少しの光を確実に受光でき、出力変換効率の低い受光素子や光量の少ない発光素子または指向性の狭い発光素子および受光素子を使用することができ、小型で安価なものが採用できる。その上、誤検出防止、精度向上のために、透過物質5の量を少なくしても、発光素子2と受光素子3との間の間隔を大きく採る必要もないので、センサ自体をコンパクトで小型かつ安価にできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子と受光素子との間に配置される泡の移動に伴う前記受光素子の受光量の変動を電圧に変換して検出する傾斜センサに関するもので、例えば、輸送機器の車両状態を検出し制御する、ABS(アンチスキッド・ブレーキ・システム)や二輪車の転倒センサまたは種々装置の水準器として利用が可能である。
【背景技術】
【0002】
従来から、水平あるいは鉛直からの装置の傾斜を検知する傾斜センサとしては、装置の傾斜に伴って移動する水銀により電極を閉成する水銀スイッチを構成したものが多用されていたが、水銀の表面張力が大きいために振動に対してチャタリングが発生して精度が低下する虞れがあった。そのようなことから、被検知体の振動や揺動に拘らず、常に安定した傾斜検知が可能な傾斜センサとして、発光素子と受光素子との間に配置される泡の移動に伴う前記受光素子の受光量の変動を電圧に変換して検出する傾斜センサが提案された(例えば下記特許文献1および特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭60−123719号公報(請求項1〜3参照)
【特許文献2】実開昭59−74318号公報(請求項1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に開示された第1従来例を図7により、簡単に説明する。図7(A)に示すように、発光部101からの光が気泡管102における気泡103を通じて光電変換素子104に気泡の影105として投影される。光電変換素子104は、図7(B)に示すように、分離ライン106により4つの分割されており、気泡の影105の分割された各光電変換素子における受光量を検出して、傾斜を検出するものである。しかしながら、この第1従来例のものでは、4つの受光部同士が近接しているため、僅かな気泡の動きで出力が変化し易く、温度変化による気泡の収縮、膨張の影響、ガラス管の精度の影響等で傾斜角に誤差が発生し易い。
【0004】
また、特許文献2に開示された第2従来例を図8により、簡単に説明する。図8(B)に示すように投光器Lからの光を、水平器201を構成する環状パイプに気泡203を配した検知液体204を通過させて、4つの受光器Sx、Sy、Sx’、Sy’(図8(A))により受光するものである。これにより、図8(C)のように、水平器201の傾斜による気泡203の移動を、4つの受光器Sx、Sy、Sx’、Sy’の受光量の出力をコンパレータにより比較して傾斜を検出するものである。
【0005】
この第2従来例のものでは、前記4つの受光器Sx、Sy、Sx’、Sy’は、ある程度離れて配置されているため、温度変化による気泡の収縮、膨張の影響、ガラス管の精度の影響等を受けにくいものの、全ての受光部に光を当てるためには指向性の広い発光器が必要であるため、受光部以外にも光が届くことになって、実際に受光部に届く光の量は発光量に比べて少なくなる。したがって、出力変換効率の良い素子、光量が多い投光器を使用する必要があって、素子が高価なものとなった。
【0006】
このような複数の受光素子間の間隔の大きさに加えて、発光素子と受光素子との間の間隔についても傾斜の検出に影響を与えることが課題となっている。以下、図9〜図13を用いて、これらの受光素子間の間隔、および発光素子と受光素子との間の間隔についての分析を説明する。図9および図10に示したものは、2つの受光素子23Aおよび23B間の間隔Mを広く構成した場合で、発光素子22と受光素子23A(23B)との間隔lが短い場合である。この場合は、泡等の透過物質25を通じて受光部23Aに届く(実線)ためには、透過物質25の幅Wを広く採る必要がある。点線は受光部23Aに届かない光を示す。図9の傾斜センサを図10のように傾斜させると、密封容器24の頂点Tからの透過物質25の移動sが少ない位置ですでに受光部23Aが光を検出する。したがって、透過物質25の少ない移動sにて受光部23Aが光を検出し誤差が生じ易い。透過物質25の容量が大きいため、量のバラツキ、熱による膨張収縮による影響を受け易く、検出精度が低下する。
【0007】
図11および図12に示したものは、2つの受光素子23Aおよび23B間の間隔Mは前記図9のものと同じで、発光素子22と受光素子23A(23B)との間隔Lが長い場合である。この場合は、間隔Lが長いために泡等の透過物質5を通じて受光部23Aに届く(実線)には、透過物質25の幅wが狭くてもよい。点線は受光部23Aに届かない光である。図11の傾斜センサを図12のように傾斜させると、密封容器の頂点からの透過物質25の移動Sが大きい位置で受光部23Aが光を検出する。したがって、透過物質25の大きな移動Sにて受光部23Aが光を検出するので誤差は生じにくい。このように、発光素子22と受光素子23A(23B)との間隔Lを大きくすると、誤差動が防止され、検出精度も向上するが、サイズが大型化してしまう嫌いがあった。
【0008】
図13に示したものは、傾斜センサのコンパクト化を図って、2つの受光素子23Aおよび23B間の間隔mを狭くし、発光素子22と受光素子23A(23B)との間隔も短い場合である。この場合は、この間隔が短いために泡等の透過物質25を通じて受光部23Aに届く(実線)には、透過物質5の幅を広くする必要がある。点線は受光部23Aに届かない光である。したがって、この場合も、密封容器の頂点からの透過物質25の移動sが少ない位置で受光部23Aが光を検出する。したがって、この場合も、透過物質25の少ない移動sにて受光部23Aが光を検出し誤差が生じ易い。
【0009】
さらに、誤検出を低減する目的で各受光部の間隔を広くすると、受光部に光を届けるためには発光側および受光側の指向性を広くする必要があり、そのために、受光部に届く光以外に検出に影響のない光が混じり、受光側に届く光の量が少なくなる虞れが生じる。そこで、発光量の多い発光素子を使用しなければならず、発光素子自体が高価で大型化を伴った。
【0010】
そこで本発明は、前記従来の傾斜センサにおける諸課題を解決して、誤検出を防止して検出精度も向上し、小型で安価な傾斜センサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため本発明は、発光素子と受光素子との間に配置される透過物質もしくは遮光物質の移動に伴う、前記受光素子の受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子の発した光を複数の方向に分割する分割部と、分割された光を複数の前記受光素子の方向へ導く案内部とを設け、複数の前記受光素子間の出力差で傾斜を検知することを特徴とする。また本発明は、前記分割部は、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記案内部は、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記受光素子間の出力差は、前記受光素子の出力が入力された差動アンプにおける出力の差により判別されることを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発光素子と受光素子との間に配置される透過物質もしくは遮光物質の移動に伴う、前記受光素子の受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子の発した光を複数の方向に分割する分割部と、分割された光を複数の前記受光素子の方向へ導く案内部とを設け、複数の前記受光素子間の出力差で傾斜を検知することにより、誤検出防止のために複数の受光素子間の間隔を広く採った場合でも、受光部に届かない光を少なくでき、従来のものに比較して出力変換効率の低い受光素子や光量の少ない発光素子または指向性の狭い発光素子および受光素子を使用することができ、小型で安価なものが採用できる。その上、誤検出防止、精度向上のために、透過物質の量を少なくしても、発光素子と受光素子との間の間隔を大きく採る必要もないので、センサ自体をコンパクトで小型かつ安価にできる。
【0013】
また、前記分割部および案内部を、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことにより、1つの発光素子からの光を、鏡やプリズム等の採用の場合のように反射角度等の設定に拘泥することなく、透光性の高い樹脂あるいは光ファイバーからなる通路を用いて、比較的簡便に2つ以上に分割し、また案内することができる。
【0014】
さらに、前記受光素子間の出力差は、前記受光素子の出力が入力された差動アンプにおける出力の差により判別されることにより、差動アンプを使用したことによって、発光素子および受光素子それぞれのバラツキに影響されず、2つの受光素子の出力のS/N比(出力差分)が僅かでもあれば、正確に傾斜・転倒を判断することができる。また、発光素子および受光素子のバラツキに合わせて個々に抵抗等を調整する必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の傾斜センサの第1実施例を示すもので、図1(A)は全体断面図、図1(B)は図1(A)のA−A断面図である。図2は本発明の傾斜センサの第2実施例を示すもので、図2(A)は全体断面図、図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。図3は本発明の傾斜センサの第3実施例を示すもので、図3(A)は全体断面図、図3(B)は図3(A)のA−A断面図である。図4は前記第1実施例のものを例とした2つの受光素子の出力から差分を取り出す状態の回路図である。図5は差動アンプおよびマイコンにより差分を取り出す状態を示したブロック図である。図6は閾値と差分との関係を示す図である。
【実施例1】
【0016】
本発明の傾斜センサの第1実施例は、図1(A)に示すように、発光素子2と受光素子3との間に配置される透過物質5(もしくは遮光物質8)の移動に伴う、前記受光素子3の受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子2の発した光を複数の方向に分割する分割部7Cと、分割された光を複数の前記受光素子3A、3Bの方向へ導く案内部7A、7Bとを設け、複数の前記受光素子3A、3B間の出力差で傾斜を検知することを特徴とする。
【0017】
以下に詳述する。フォトダイオード等の発光素子2とフォトトランジスタ等の受光素子3との間に、密封容器4内に着色液体等の遮光物質6とともに泡等の透過物質5が封入された検出部とから傾斜センサ1が構成されており、正立時と傾斜時との間で前記透過物質5が密封容器4内にて移動する際の、受光素子3の受光量の変動を電圧に変換して検出するものである。本発明の最も特徴的な構成は、発光素子2からの光を、ほぼ中央の分光ミラー7Cにより2つに分割し、それぞれの光を上部の第1ミラー7Aおよび下部の第2ミラー7Bによりさらに反射させて、それぞれ密封容器4を経て第1受光素子3Aおよび第2受光素子3Bに照射するように構成されている点である。
【0018】
図1(B)は図1(A)のA−A断面図で、光が発光素子2から分割部を構成する分光ミラー7Cおよび案内部を構成する第1ミラー7Aを介して順次反射され、密封容器4内の透過物質5を経て、受光素子3Aに到達する様子が示されている。前記分光ミラー7C、第1ミラー7Aおよび同様に案内部を構成する第2ミラー7Bはそれぞれ45°の角度をもって正確に設置される。これらは、ミラー等の鏡に限定されることなく、プリズムやレンズにても代用ができるものである。このように、分光された光は反射を繰り返して受光素子3A、3B等にほぼ直進して届くため、発光素子2と受光素子3との間の間隔が小さく、透過物質5の幅が狭くても、最小の光で充分に受光素子に光が届き、余分な光が届く余地も殆どない。加えて、複数の受光素子3A、3B間の間隔も広くできるので、傾斜の検出誤差がなく、検出精度も向上する。
【実施例2】
【0019】
図2は本発明の傾斜センサの第2実施例で、1つの発光素子からの光を2つ以上に分割するために、前記実施例の、鏡、プリズム、レンズ等の曲点への設置に代えて、全面の鏡張り、あるいは光の通過する中央の部分と、その外側全面との屈折率の違いを利用して光を伝達する光ファイバー11からなる通路を用いたものである。このような構成により、1つの発光素子2からの光を、反射角度等の設定に拘泥することなく、比較的簡便に2つ以上に分割することができる。本実施例では、分光された光は、光ファイバー11等の光伝達ケーブル内を、殆ど外部等に漏れることなく反射を繰り返して受光素子3A、3B等にほぼ直進して届くため、前記実施例のものと同様に、発光素子2と受光素子3との間の間隔が小さく、透過物質5の幅が狭くても、最小の光で充分に受光素子に光が届き、余分な光が届く余地も殆どなく、加えて、複数の受光素子3A、3B間の間隔も広くできるので、傾斜の検出誤差がなく、検出精度も向上する。
【実施例3】
【0020】
図3は本発明の傾斜センサの第3実施例を示すもので、全体断面図およびそのA−A断面図である。本実施例のものは、前記第1実施例のものと同様に、分光および反射のためにミラー等の反射体7を配設したものであるが、これらの光を透過・遮断する媒体を異ならせた例である。本実施例では、、密封容器4内に封入されるものは、透過物質として透明液体9を採用し、遮光物質として泡8を採用したものである。したがって、透明液体9の一部に泡8を封入して、透明液体と泡の光の透過率の差で傾斜を検出するものである。本実施例のものでは、発光素子2と受光素子3との間の間隔が小さく、遮光物質8の幅が狭くても、最小の光で充分に受光素子に光が届いていたものを精度よく遮断して傾斜を検出することができ、余分な光が届く余地も殆どなく、加えて、複数の受光素子3A、3B間の間隔も広くできるので、傾斜の検出誤差がなく、検出精度も向上する。
【0021】
図4〜図6によって、環境変化や経年変化および素子のバラツキに左右されることなく発光素子や受光素子を使用するために、2つの受光素子の出力値の処理状態を説明する。図4に示したのものは、前記図1の第1実施例の分光および反射のためにミラー等の反射体7を配設したものを例としている。発光素子2であるフォトダイオードからの光は、分光ミラー7Cにより均等に分光されて、第1ミラー7Aにより反射された光が透過物質5を経て第1受光素子3Aであるフォトトランジスタに受光され、第2ミラー7Bにより反射された光が遮光物質6により遮光されてかすかに第2受光素子3Bであるフォトトランジスタに受光される。これら第1受光素子3Aおよび第2受光素子3Bにて検出された受光量は、電圧に変換されて出力され、差動アンプ12により比較された所定の値が出力値として出力され、これが閾値を越えた場合に傾斜・転倒が検出される。
【0022】
図5において、図5(A)に示したものは、受光量から電圧に変換された受光素子3Aからの受光部出力1と受光素子3Bからの受光部出力2とを、差動アンプ部に入力せしめてこれらを比較し、出力1と出力2との差からOutputを出力して、差分が所定値(閾値)を超えた場合に傾斜・転倒が検出される。図5(B)に示したものは、受光量から電圧に変換された受光素子3Aからの受光部出力1と受光素子3Bからの受光部出力2とを、マイクロコンピュータのA/D変換ポートあるいはI/Oポート(入出力ポート)に入力せしめ、各受光素子3A(トランジスタTr1)、3B(トランジスタTr2)で受ける受光量の変動を電圧に変換して検出する測定電圧が閾値電圧以下か否かが判断され、閾値以上と判定されると、装置の傾斜・転倒が検知される。
【0023】
図6は傾斜・転倒が検出される変換された電圧の出力値と時間との関係図である。受光部1(3A:Tr1)の出力<受光部2(3B:Tr2)の出力なら、OutputはLo電圧となり、受光部1(3A:Tr1)の出力>受光部2(3B:Tr2)の出力なら、OutputはHi電圧となる。したがって、図6(B)の時刻T1まではOutputはLo電圧で、時刻T1を過ぎた時点でOutputはHi電圧となる。この状態を表したのが図6(A)で、時刻T1を境に、Lo電圧からHi電圧に変わり、所定の閾値を超えたことにより。傾斜・転倒が検出される。このように、差動アンプを使用することで、フォトダイオードおよびフォトトランジスタそれぞれの性能上にバラツキがあっても、2つのフォトトランジスタの出力のS/N比が僅かでもあれば、傾斜・転倒が検出されるので、前記第1から第3の実施例の構成と相まって、検出精度が向上し、前記バラツキに合わせて個々に抵抗等を調整する必要もないので、安価に傾斜センサが得られる。
【0024】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、発光素子および受光素子の形状、形式および種類(発光素子としてはフォトダイオード、受光素子としてはフォトトランジスタが採用されるが、その他適宜のものが採用され得る)、検出部における密封容器の形状、形式および封入される透過物質(気泡や透明液体等)や遮光物質(着色液体や屈折率が液体と異なる気泡等)の種類、受光素子における受光量の変動の電圧への変換形態、反射体の形状、形式(鏡、プリズム、レンズ等)およびその設置形態、透光性の高い樹脂や光ファイバー通路の形状、形式およびその設置形態、閾値電圧の設定形態、差動アンプやマイクロコンピュータの形式およびそれらにおける差分検出形態等については適宜選定できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の傾斜センサの第1実施例を示すもので、図1(A)は全体断面図、図1(B)は図1(A)のA−A断面図である。
【図2】本発明の傾斜センサの第2実施例を示すもので、図2(A)は全体断面図、図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。
【図3】本発明の傾斜センサの第3実施例を示すもので、図3(A)は全体断面図、図3(B)は図3(A)のA−A断面図である。
【図4】前記第1実施例のものを例とした2つの受光素子の出力から差分を取り出す状態の回路図である。
【図5】同、差動アンプおよびマイコンにより差分を取り出す状態を示したブロック図である。
【図6】同、閾値と差分との関係を示す図である。
【図7】第1従来例の傾斜角検出装置の説明図である。
【図8】第2従来例の傾斜検知器の説明図である。
【図9】従来の傾斜センサの1例で、2つの受光素子の間隔を広く、発光素子と受光素子との間隔が短い場合の課題を説明する図である。
【図10】図9の傾斜時の説明図である。
【図11】従来の傾斜センサの1例で、2つの受光素子の間隔を広く、発光素子と受光素子との間隔が長い場合の課題を説明する図である。
【図12】図11の傾斜時の説明図である。
【図13】従来の傾斜センサの1例で、2つの受光素子間の間隔を狭く、発光素子と受光素子との間隔も短い場合の課題を説明する図である。
【符号の説明】
【0026】
1 傾斜センサ
2 発光素子(フォトダイオード等)
3 受光素子(フォトトランジスタ等)
3A 第1受光素子
3B 第2受光素子
4 密封容器
5 透過物質
6 遮光物質
7 反射体(鏡、プリズム、レンズ等)
7A 第1ミラー(案内部)
7B 第2ミラー(案内部)
7C 分光ミラー(分割部)
8 泡(遮光物質)
9 透明液体(透過物質)
10 レンズ
11 光ファイバー等(案内部)
12 差動アンプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子と受光素子との間に配置される泡の移動に伴う前記受光素子の受光量の変動を電圧に変換して検出する傾斜センサに関するもので、例えば、輸送機器の車両状態を検出し制御する、ABS(アンチスキッド・ブレーキ・システム)や二輪車の転倒センサまたは種々装置の水準器として利用が可能である。
【背景技術】
【0002】
従来から、水平あるいは鉛直からの装置の傾斜を検知する傾斜センサとしては、装置の傾斜に伴って移動する水銀により電極を閉成する水銀スイッチを構成したものが多用されていたが、水銀の表面張力が大きいために振動に対してチャタリングが発生して精度が低下する虞れがあった。そのようなことから、被検知体の振動や揺動に拘らず、常に安定した傾斜検知が可能な傾斜センサとして、発光素子と受光素子との間に配置される泡の移動に伴う前記受光素子の受光量の変動を電圧に変換して検出する傾斜センサが提案された(例えば下記特許文献1および特許文献2参照)。
【特許文献1】特開昭60−123719号公報(請求項1〜3参照)
【特許文献2】実開昭59−74318号公報(請求項1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に開示された第1従来例を図7により、簡単に説明する。図7(A)に示すように、発光部101からの光が気泡管102における気泡103を通じて光電変換素子104に気泡の影105として投影される。光電変換素子104は、図7(B)に示すように、分離ライン106により4つの分割されており、気泡の影105の分割された各光電変換素子における受光量を検出して、傾斜を検出するものである。しかしながら、この第1従来例のものでは、4つの受光部同士が近接しているため、僅かな気泡の動きで出力が変化し易く、温度変化による気泡の収縮、膨張の影響、ガラス管の精度の影響等で傾斜角に誤差が発生し易い。
【0004】
また、特許文献2に開示された第2従来例を図8により、簡単に説明する。図8(B)に示すように投光器Lからの光を、水平器201を構成する環状パイプに気泡203を配した検知液体204を通過させて、4つの受光器Sx、Sy、Sx’、Sy’(図8(A))により受光するものである。これにより、図8(C)のように、水平器201の傾斜による気泡203の移動を、4つの受光器Sx、Sy、Sx’、Sy’の受光量の出力をコンパレータにより比較して傾斜を検出するものである。
【0005】
この第2従来例のものでは、前記4つの受光器Sx、Sy、Sx’、Sy’は、ある程度離れて配置されているため、温度変化による気泡の収縮、膨張の影響、ガラス管の精度の影響等を受けにくいものの、全ての受光部に光を当てるためには指向性の広い発光器が必要であるため、受光部以外にも光が届くことになって、実際に受光部に届く光の量は発光量に比べて少なくなる。したがって、出力変換効率の良い素子、光量が多い投光器を使用する必要があって、素子が高価なものとなった。
【0006】
このような複数の受光素子間の間隔の大きさに加えて、発光素子と受光素子との間の間隔についても傾斜の検出に影響を与えることが課題となっている。以下、図9〜図13を用いて、これらの受光素子間の間隔、および発光素子と受光素子との間の間隔についての分析を説明する。図9および図10に示したものは、2つの受光素子23Aおよび23B間の間隔Mを広く構成した場合で、発光素子22と受光素子23A(23B)との間隔lが短い場合である。この場合は、泡等の透過物質25を通じて受光部23Aに届く(実線)ためには、透過物質25の幅Wを広く採る必要がある。点線は受光部23Aに届かない光を示す。図9の傾斜センサを図10のように傾斜させると、密封容器24の頂点Tからの透過物質25の移動sが少ない位置ですでに受光部23Aが光を検出する。したがって、透過物質25の少ない移動sにて受光部23Aが光を検出し誤差が生じ易い。透過物質25の容量が大きいため、量のバラツキ、熱による膨張収縮による影響を受け易く、検出精度が低下する。
【0007】
図11および図12に示したものは、2つの受光素子23Aおよび23B間の間隔Mは前記図9のものと同じで、発光素子22と受光素子23A(23B)との間隔Lが長い場合である。この場合は、間隔Lが長いために泡等の透過物質5を通じて受光部23Aに届く(実線)には、透過物質25の幅wが狭くてもよい。点線は受光部23Aに届かない光である。図11の傾斜センサを図12のように傾斜させると、密封容器の頂点からの透過物質25の移動Sが大きい位置で受光部23Aが光を検出する。したがって、透過物質25の大きな移動Sにて受光部23Aが光を検出するので誤差は生じにくい。このように、発光素子22と受光素子23A(23B)との間隔Lを大きくすると、誤差動が防止され、検出精度も向上するが、サイズが大型化してしまう嫌いがあった。
【0008】
図13に示したものは、傾斜センサのコンパクト化を図って、2つの受光素子23Aおよび23B間の間隔mを狭くし、発光素子22と受光素子23A(23B)との間隔も短い場合である。この場合は、この間隔が短いために泡等の透過物質25を通じて受光部23Aに届く(実線)には、透過物質5の幅を広くする必要がある。点線は受光部23Aに届かない光である。したがって、この場合も、密封容器の頂点からの透過物質25の移動sが少ない位置で受光部23Aが光を検出する。したがって、この場合も、透過物質25の少ない移動sにて受光部23Aが光を検出し誤差が生じ易い。
【0009】
さらに、誤検出を低減する目的で各受光部の間隔を広くすると、受光部に光を届けるためには発光側および受光側の指向性を広くする必要があり、そのために、受光部に届く光以外に検出に影響のない光が混じり、受光側に届く光の量が少なくなる虞れが生じる。そこで、発光量の多い発光素子を使用しなければならず、発光素子自体が高価で大型化を伴った。
【0010】
そこで本発明は、前記従来の傾斜センサにおける諸課題を解決して、誤検出を防止して検出精度も向上し、小型で安価な傾斜センサを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため本発明は、発光素子と受光素子との間に配置される透過物質もしくは遮光物質の移動に伴う、前記受光素子の受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子の発した光を複数の方向に分割する分割部と、分割された光を複数の前記受光素子の方向へ導く案内部とを設け、複数の前記受光素子間の出力差で傾斜を検知することを特徴とする。また本発明は、前記分割部は、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記案内部は、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことを特徴とする。また本発明は、前記受光素子間の出力差は、前記受光素子の出力が入力された差動アンプにおける出力の差により判別されることを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発光素子と受光素子との間に配置される透過物質もしくは遮光物質の移動に伴う、前記受光素子の受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子の発した光を複数の方向に分割する分割部と、分割された光を複数の前記受光素子の方向へ導く案内部とを設け、複数の前記受光素子間の出力差で傾斜を検知することにより、誤検出防止のために複数の受光素子間の間隔を広く採った場合でも、受光部に届かない光を少なくでき、従来のものに比較して出力変換効率の低い受光素子や光量の少ない発光素子または指向性の狭い発光素子および受光素子を使用することができ、小型で安価なものが採用できる。その上、誤検出防止、精度向上のために、透過物質の量を少なくしても、発光素子と受光素子との間の間隔を大きく採る必要もないので、センサ自体をコンパクトで小型かつ安価にできる。
【0013】
また、前記分割部および案内部を、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことにより、1つの発光素子からの光を、鏡やプリズム等の採用の場合のように反射角度等の設定に拘泥することなく、透光性の高い樹脂あるいは光ファイバーからなる通路を用いて、比較的簡便に2つ以上に分割し、また案内することができる。
【0014】
さらに、前記受光素子間の出力差は、前記受光素子の出力が入力された差動アンプにおける出力の差により判別されることにより、差動アンプを使用したことによって、発光素子および受光素子それぞれのバラツキに影響されず、2つの受光素子の出力のS/N比(出力差分)が僅かでもあれば、正確に傾斜・転倒を判断することができる。また、発光素子および受光素子のバラツキに合わせて個々に抵抗等を調整する必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の傾斜センサの第1実施例を示すもので、図1(A)は全体断面図、図1(B)は図1(A)のA−A断面図である。図2は本発明の傾斜センサの第2実施例を示すもので、図2(A)は全体断面図、図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。図3は本発明の傾斜センサの第3実施例を示すもので、図3(A)は全体断面図、図3(B)は図3(A)のA−A断面図である。図4は前記第1実施例のものを例とした2つの受光素子の出力から差分を取り出す状態の回路図である。図5は差動アンプおよびマイコンにより差分を取り出す状態を示したブロック図である。図6は閾値と差分との関係を示す図である。
【実施例1】
【0016】
本発明の傾斜センサの第1実施例は、図1(A)に示すように、発光素子2と受光素子3との間に配置される透過物質5(もしくは遮光物質8)の移動に伴う、前記受光素子3の受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子2の発した光を複数の方向に分割する分割部7Cと、分割された光を複数の前記受光素子3A、3Bの方向へ導く案内部7A、7Bとを設け、複数の前記受光素子3A、3B間の出力差で傾斜を検知することを特徴とする。
【0017】
以下に詳述する。フォトダイオード等の発光素子2とフォトトランジスタ等の受光素子3との間に、密封容器4内に着色液体等の遮光物質6とともに泡等の透過物質5が封入された検出部とから傾斜センサ1が構成されており、正立時と傾斜時との間で前記透過物質5が密封容器4内にて移動する際の、受光素子3の受光量の変動を電圧に変換して検出するものである。本発明の最も特徴的な構成は、発光素子2からの光を、ほぼ中央の分光ミラー7Cにより2つに分割し、それぞれの光を上部の第1ミラー7Aおよび下部の第2ミラー7Bによりさらに反射させて、それぞれ密封容器4を経て第1受光素子3Aおよび第2受光素子3Bに照射するように構成されている点である。
【0018】
図1(B)は図1(A)のA−A断面図で、光が発光素子2から分割部を構成する分光ミラー7Cおよび案内部を構成する第1ミラー7Aを介して順次反射され、密封容器4内の透過物質5を経て、受光素子3Aに到達する様子が示されている。前記分光ミラー7C、第1ミラー7Aおよび同様に案内部を構成する第2ミラー7Bはそれぞれ45°の角度をもって正確に設置される。これらは、ミラー等の鏡に限定されることなく、プリズムやレンズにても代用ができるものである。このように、分光された光は反射を繰り返して受光素子3A、3B等にほぼ直進して届くため、発光素子2と受光素子3との間の間隔が小さく、透過物質5の幅が狭くても、最小の光で充分に受光素子に光が届き、余分な光が届く余地も殆どない。加えて、複数の受光素子3A、3B間の間隔も広くできるので、傾斜の検出誤差がなく、検出精度も向上する。
【実施例2】
【0019】
図2は本発明の傾斜センサの第2実施例で、1つの発光素子からの光を2つ以上に分割するために、前記実施例の、鏡、プリズム、レンズ等の曲点への設置に代えて、全面の鏡張り、あるいは光の通過する中央の部分と、その外側全面との屈折率の違いを利用して光を伝達する光ファイバー11からなる通路を用いたものである。このような構成により、1つの発光素子2からの光を、反射角度等の設定に拘泥することなく、比較的簡便に2つ以上に分割することができる。本実施例では、分光された光は、光ファイバー11等の光伝達ケーブル内を、殆ど外部等に漏れることなく反射を繰り返して受光素子3A、3B等にほぼ直進して届くため、前記実施例のものと同様に、発光素子2と受光素子3との間の間隔が小さく、透過物質5の幅が狭くても、最小の光で充分に受光素子に光が届き、余分な光が届く余地も殆どなく、加えて、複数の受光素子3A、3B間の間隔も広くできるので、傾斜の検出誤差がなく、検出精度も向上する。
【実施例3】
【0020】
図3は本発明の傾斜センサの第3実施例を示すもので、全体断面図およびそのA−A断面図である。本実施例のものは、前記第1実施例のものと同様に、分光および反射のためにミラー等の反射体7を配設したものであるが、これらの光を透過・遮断する媒体を異ならせた例である。本実施例では、、密封容器4内に封入されるものは、透過物質として透明液体9を採用し、遮光物質として泡8を採用したものである。したがって、透明液体9の一部に泡8を封入して、透明液体と泡の光の透過率の差で傾斜を検出するものである。本実施例のものでは、発光素子2と受光素子3との間の間隔が小さく、遮光物質8の幅が狭くても、最小の光で充分に受光素子に光が届いていたものを精度よく遮断して傾斜を検出することができ、余分な光が届く余地も殆どなく、加えて、複数の受光素子3A、3B間の間隔も広くできるので、傾斜の検出誤差がなく、検出精度も向上する。
【0021】
図4〜図6によって、環境変化や経年変化および素子のバラツキに左右されることなく発光素子や受光素子を使用するために、2つの受光素子の出力値の処理状態を説明する。図4に示したのものは、前記図1の第1実施例の分光および反射のためにミラー等の反射体7を配設したものを例としている。発光素子2であるフォトダイオードからの光は、分光ミラー7Cにより均等に分光されて、第1ミラー7Aにより反射された光が透過物質5を経て第1受光素子3Aであるフォトトランジスタに受光され、第2ミラー7Bにより反射された光が遮光物質6により遮光されてかすかに第2受光素子3Bであるフォトトランジスタに受光される。これら第1受光素子3Aおよび第2受光素子3Bにて検出された受光量は、電圧に変換されて出力され、差動アンプ12により比較された所定の値が出力値として出力され、これが閾値を越えた場合に傾斜・転倒が検出される。
【0022】
図5において、図5(A)に示したものは、受光量から電圧に変換された受光素子3Aからの受光部出力1と受光素子3Bからの受光部出力2とを、差動アンプ部に入力せしめてこれらを比較し、出力1と出力2との差からOutputを出力して、差分が所定値(閾値)を超えた場合に傾斜・転倒が検出される。図5(B)に示したものは、受光量から電圧に変換された受光素子3Aからの受光部出力1と受光素子3Bからの受光部出力2とを、マイクロコンピュータのA/D変換ポートあるいはI/Oポート(入出力ポート)に入力せしめ、各受光素子3A(トランジスタTr1)、3B(トランジスタTr2)で受ける受光量の変動を電圧に変換して検出する測定電圧が閾値電圧以下か否かが判断され、閾値以上と判定されると、装置の傾斜・転倒が検知される。
【0023】
図6は傾斜・転倒が検出される変換された電圧の出力値と時間との関係図である。受光部1(3A:Tr1)の出力<受光部2(3B:Tr2)の出力なら、OutputはLo電圧となり、受光部1(3A:Tr1)の出力>受光部2(3B:Tr2)の出力なら、OutputはHi電圧となる。したがって、図6(B)の時刻T1まではOutputはLo電圧で、時刻T1を過ぎた時点でOutputはHi電圧となる。この状態を表したのが図6(A)で、時刻T1を境に、Lo電圧からHi電圧に変わり、所定の閾値を超えたことにより。傾斜・転倒が検出される。このように、差動アンプを使用することで、フォトダイオードおよびフォトトランジスタそれぞれの性能上にバラツキがあっても、2つのフォトトランジスタの出力のS/N比が僅かでもあれば、傾斜・転倒が検出されるので、前記第1から第3の実施例の構成と相まって、検出精度が向上し、前記バラツキに合わせて個々に抵抗等を調整する必要もないので、安価に傾斜センサが得られる。
【0024】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、発光素子および受光素子の形状、形式および種類(発光素子としてはフォトダイオード、受光素子としてはフォトトランジスタが採用されるが、その他適宜のものが採用され得る)、検出部における密封容器の形状、形式および封入される透過物質(気泡や透明液体等)や遮光物質(着色液体や屈折率が液体と異なる気泡等)の種類、受光素子における受光量の変動の電圧への変換形態、反射体の形状、形式(鏡、プリズム、レンズ等)およびその設置形態、透光性の高い樹脂や光ファイバー通路の形状、形式およびその設置形態、閾値電圧の設定形態、差動アンプやマイクロコンピュータの形式およびそれらにおける差分検出形態等については適宜選定できる。実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の傾斜センサの第1実施例を示すもので、図1(A)は全体断面図、図1(B)は図1(A)のA−A断面図である。
【図2】本発明の傾斜センサの第2実施例を示すもので、図2(A)は全体断面図、図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。
【図3】本発明の傾斜センサの第3実施例を示すもので、図3(A)は全体断面図、図3(B)は図3(A)のA−A断面図である。
【図4】前記第1実施例のものを例とした2つの受光素子の出力から差分を取り出す状態の回路図である。
【図5】同、差動アンプおよびマイコンにより差分を取り出す状態を示したブロック図である。
【図6】同、閾値と差分との関係を示す図である。
【図7】第1従来例の傾斜角検出装置の説明図である。
【図8】第2従来例の傾斜検知器の説明図である。
【図9】従来の傾斜センサの1例で、2つの受光素子の間隔を広く、発光素子と受光素子との間隔が短い場合の課題を説明する図である。
【図10】図9の傾斜時の説明図である。
【図11】従来の傾斜センサの1例で、2つの受光素子の間隔を広く、発光素子と受光素子との間隔が長い場合の課題を説明する図である。
【図12】図11の傾斜時の説明図である。
【図13】従来の傾斜センサの1例で、2つの受光素子間の間隔を狭く、発光素子と受光素子との間隔も短い場合の課題を説明する図である。
【符号の説明】
【0026】
1 傾斜センサ
2 発光素子(フォトダイオード等)
3 受光素子(フォトトランジスタ等)
3A 第1受光素子
3B 第2受光素子
4 密封容器
5 透過物質
6 遮光物質
7 反射体(鏡、プリズム、レンズ等)
7A 第1ミラー(案内部)
7B 第2ミラー(案内部)
7C 分光ミラー(分割部)
8 泡(遮光物質)
9 透明液体(透過物質)
10 レンズ
11 光ファイバー等(案内部)
12 差動アンプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と受光素子との間に配置される透過物質もしくは遮光物質の移動に伴う、前記受光素子の受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子の発した光を複数の方向に分割する分割部と、分割された光を複数の前記受光素子の方向へ導く案内部とを設け、複数の前記受光素子間の出力差で傾斜を検知することを特徴とする傾斜センサ。
【請求項2】
前記分割部は、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことを特徴とする請求項1に記載の傾斜センサ。
【請求項3】
前記案内部は、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の傾斜センサ。
【請求項4】
前記受光素子間の出力差は、前記受光素子の出力が入力された差動アンプにおける出力の差により判別されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の傾斜センサ。
【請求項1】
発光素子と受光素子との間に配置される透過物質もしくは遮光物質の移動に伴う、前記受光素子の受光量の変動を検出する傾斜センサにおいて、前記発光素子の発した光を複数の方向に分割する分割部と、分割された光を複数の前記受光素子の方向へ導く案内部とを設け、複数の前記受光素子間の出力差で傾斜を検知することを特徴とする傾斜センサ。
【請求項2】
前記分割部は、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことを特徴とする請求項1に記載の傾斜センサ。
【請求項3】
前記案内部は、鏡、プリズム、レンズ、または光ファイバーによって構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の傾斜センサ。
【請求項4】
前記受光素子間の出力差は、前記受光素子の出力が入力された差動アンプにおける出力の差により判別されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の傾斜センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−3299(P2006−3299A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182425(P2004−182425)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
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