光コネクタ用アダプタのガタ止め機構
【課題】パネルのアダプタ取付孔にアダプタ本体を挿入した際に、アダプタ取付孔の開口縁内側とアダプタ本体の側面との間に発生した隙間に起因するガタの発生を効果的に防止する。
【解決手段】光コネクタ用のアダプタ本体10に取り付けたコ字枠状のガタ止め具1を、コ字枠の両端側面部3がパネルPのアダプタ取付孔Qの開口縁内側に圧接するよう斜め外方向に折曲してなる第1係止片部3a、3bと、アダプタ本体10の各側面部に形成した係止突部11a、11bに対向すべくコ字枠の両端側面部3中央から斜め外方向に切り起こしてなる第2係止片部4a、4bとによって構成する。
【解決手段】光コネクタ用のアダプタ本体10に取り付けたコ字枠状のガタ止め具1を、コ字枠の両端側面部3がパネルPのアダプタ取付孔Qの開口縁内側に圧接するよう斜め外方向に折曲してなる第1係止片部3a、3bと、アダプタ本体10の各側面部に形成した係止突部11a、11bに対向すべくコ字枠の両端側面部3中央から斜め外方向に切り起こしてなる第2係止片部4a、4bとによって構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタプラグの高密度実装における光コネクタ用アダプタのガタ止め機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光コネクタプラグの高密度実装に使用する光コネクタ用アダプタのガタ止め機構としては、図7に示すように、光コネクタ用のアダプタ本体100の側面に形成された係止突部101a、101bと、該係止突部101a、101bに対向して形成されたパネルP固定用のバネ性係止片102a、102bとを備え、該バネ性係止片102a、102bを押圧しながらパネルPのアダプタ取付孔Qに挿入され、前記係止突部101a、101bとバネ性係止片102a、102bとの間にアダプタ取付孔Qの開口縁部を挟んで固定するという所謂スナップイン方式を採っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特に無し
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、パネルPのアダプタ取付孔Qに光コネクタ用のアダプタ本体100が挿入された際には、係止突部101a、101bとバネ性係止片102a、102bとによって挟まれたアダプタ取付孔Qの開口縁内側とアダプタ本体100との間に隙間が生じ、これによりアダプタ本体100には上下左右方向にガタが発生する問題があった。
【0005】
さらに、パネルPを震動させるとこのようなアダプタ本体100のガタ付きによりガタガタと音を出してしまうという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、パネルのアダプタ取付孔に光コネクタ用のアダプタ本体が挿入された際に、アダプタ取付孔の開口縁内側とアダプタ本体の側面との間に生じた隙間に起因するガタの発生を効果的に防止することができる光コネクタ用アダプタのガタ止め機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、光コネクタ用のアダプタ本体に取り付けられるコ字枠状のガタ止め具を備え、該ガタ止め具は、コ字枠の両端側面部がパネルのアダプタ取付孔の開口縁内側に押接するよう斜め外方向に折曲してなる第1係止片部と、アダプタ本体の両側面部に形成された係止突部に対向すべくコ字枠の両端側面部中央から斜め外方向に切り起こしてなる第2係止片部とを備え、アダプタ本体は、前記ガタ止め具の第2係止片部を押圧しながらアダプタ取付孔に挿入され、前記係止突部と第2係止片部との間にアダプタ取付孔の開口縁部を挟んで固定すると共に、ガタ止め具の第1係止片部は圧潰されてアダプタ取付孔の開口縁内側に圧接するよう形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パネルのアダプタ取付孔に光コネクタ用のアダプタ本体が挿入された際に、アダプタ取付孔の開口縁内側とアダプタ本体の側面との間に生じた隙間に起因するガタ付きを効果的に防止することができる。
【0009】
すなわち、本発明のガタ止め具は、コ字枠の両端側面部がパネルのアダプタ取付孔の開口縁内側に圧接するよう斜め外方向に折曲してなる第1係止片部と、アダプタ本体の両側面部に形成された係止突部に対向すべくコ字枠の両端側面部中央から斜め外方向に切り起こしてなる第2係止片部とを備えているので、アダプタ本体がパネルのアダプタ取付孔に挿入された際に、ガタ止め具の第2係止片部を押圧しながらアダプタ取付孔に挿入され、前記係止突部と第2係止片部との間にアダプタ取付孔の開口縁部を挟んで固定可能にすると同時に、第1係止片部は圧潰されてアダプタ取付孔の開口縁内側に圧接するものとなり、これによりアダプタ取付孔の開口縁内側とアダプタ本体の側面との間の隙間に起因するガタの発生を確実に防止することができる。
【0010】
さらに、パネルに震動を与えてもガタガタ音の発生を防ぐことができ、しかも光コネクタ用のアダプタ本体への光コネクタプラグの挿入が支障なく行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を実施するための一形態におけるガタ止め具のアダプタ本体への使用例を示すもので、(a)は取り付け前の斜視図、(b)は取り付け後の斜視図である。
【図2】同じくガタ止め具をアダプタ本体へ取り付けた状態の平面図である。
【図3】同じくガタ止め具の構成の一例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図4】同じくガタ止め具を取り付けたアダプタ本体をパネルのアダプタ取付孔に取り付ける工程を示すもので、(a)はアダプタ取付孔に取り付ける前の状態を示す一部切欠平面図、(b)はアダプタ取付孔に取り付ける途中の状態を示す一部切欠平面図、(c)はアダプタ取付孔に取り付けた後の状態を示す一部切欠平面図である。
【図5】同じくガタ止め具の構成の第2例を示す側面図である。
【図6】同じくガタ止め具の構成の第3例を示す側面図である。
【図7】従来例における光コネクタ用のアダプタ本体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明すると、図示例で示す本発明に係る光コネクタ用アダプタは、1心コネクタ用のアダプタ本体10によって構成され、高密度実装可能としたパネルPの矩形開口状のアダプタ取付孔Qに嵌着固定されるものである。尚、光コネクタ用アダプタは、2心あるいは3心以上の光コネクタ用のアダプタ本体10でも良いことは勿論である。
【0013】
アダプタ本体10は、図1(a)、図1(b)、図2、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、二つの光コネクタプラグ相互を接続できるように、合成樹脂の成型品によって角筒状に形成されており、該アダプタ本体10の両端に、光学軸が一致するように光コネクタプラグを挿入する一方のプラグ嵌合部Aと、光コネクタプラグその他の光学部品のプラグを挿入する他方のプラグ嵌合部Bとをそれぞれ備えている。そして、アダプタ本体10の中央に略コ字枠状となった左右一対の接合端壁が配置され、一方のプラグ嵌合部Aにおける嵌合端、および他方のプラグ嵌合部Bにおける接続端がそれぞれ水平方向に開口している。
【0014】
また、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、アダプタ本体10の中央部に配される左右一対の接合端壁の一方には、一方の円筒が嵌合端に向かって突設してあると共に、他方の接合端壁には、他方の円筒が接続端に向かって突設してあり、両円筒が光学軸上で中心軸を一致させて接合端壁同士を係合固定することによってスリーブホルダー13が形成される。このとき、スリーブホルダー13内側に円筒状の割りスリーブが装着され保持されている。
【0015】
アダプタ本体10には、図1(a)、図1(b)、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、その左右両側面の各中央に一体形成された縦長突起状の係止突部11a、11bと、該係止突部11a、11b位置から例えば一方のプラグ嵌合部A側に向けてアダプタ本体10の両側面が抉られて薄肉厚となることでガタ止め具1の係合部12が形成されている。
【0016】
ガタ止め具1の係合部12は、当該ガタ止め具1の両端側面部3と同形・同大の嵌合凹部12aとガタ止め具1の細長板状の中央支持面部2と同幅の嵌合溝部12bとからなる。嵌合凹部12aはアダプタ本体10の両側面の略中央の係止突部11a、11b寄りに矩形状に形成され、一方嵌合溝部12bは嵌合凹部12aの下部中央に連通して細溝状に形成されている。
【0017】
而して、ガタ止め具1は、図1(a)、図1(b)、図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)に示すように、弾性を有するコ字枠状、すなわち細長板状の中央支持面部2の左右両端から起立連設された横幅広の矩形板状となった両端側面部3の後端側に第1係止片部3a、3bが延設されている。
【0018】
また、ガタ止め具1の両端側面部3後端側の第1係止片部3a、3bは若干斜め外方向に折曲してなり、アダプタ本体10の係止突部11a、11bの手前で係止された状態となって配置される。このとき、図2に示すように、第1係止片部3a、3bはアダプタ本体10の側面から外方に向けて若干突出されており、アダプタ本体10がパネルPのアダプタ取付孔Qに挿入された際には、図4(c)に示すように、ガタ止め具1の第1係止片部3a、3bが圧潰されながらアダプタ取付孔Qの開口縁内側を圧接してアダプタ本体10自体がパネルPにガタ無く保持されるようになっている。
【0019】
さらに、ガタ止め具1の両端側面部3の中央には、図1(a)、図1(b)、図3(a)、図3(d)に示すように、コ字形スリット状となった横長の切込部5a、5bが形成され、この切込部5a、5bの根元から若干斜め外方向に切り起こすことで横長矩形板状の第2係止片部4a、4bが形成されている。このとき、第2係止片部4a、4bは、前側の根元位置から後方の第1係止片部3a、3bの位置する側に向けて弾性を付与した状態で略への字状に折曲して形成されており、アダプタ本体10の係合部12に装着されたときには、第2係止片部4a、4b先端は、アダプタ本体10の両側面部に形成された係止突部11a、11bに対向すべくなしてある。
【0020】
尚、係止突部11a、11bから第2係止片部4a、4b先端までの間隔は、パネルPのアダプタ取付孔Q部分の厚みと略同じ大きさとなるように設定してある。
【0021】
かくして、アダプタ本体10がパネルPのアダプタ取付孔Qに挿入された際には、アダプタ本体10に装着されたガタ止め具1の第2係止片部4a、4bが押圧されながらアダプタ取付孔Qに挿入され、前記係止突部11a、11bと第2係止片部4a、4bとの間にアダプタ取付孔Qの開口縁部を挟んで固定されるものとなる。
【0022】
ところで、図1乃至図4に示すガタ止め具1は、両端側面部3の後端側の全体に第1係止片部3a、3bが延設されているが、この構造に限定されるものではない。
例えば、図5に示すように、後端側の上端角部に第1係止片部3a、3bを形成してもよい。
また、図6に示すように、両端側面部3の上端全体に第1係止片部3a、3bを形成してもよい。
【0023】
次に、以上のように構成された形態についての使用の一例について説明する。
先ず、図1(a)に示すように、アダプタ本体10の左右側面に設けられた係合部12にガタ止め具1を下方側より押し込み、当該ガタ止め具1の両端側面部3を、係合部12における嵌合凹部12aに、中央支持面部2を嵌合溝部12bにそれぞれ嵌合させる。
【0024】
これによって弾性を有するコ字枠状のガタ止め具1は、その両端側面部3の両側下端が、アダプタ本体10の嵌合凹部12aの両側下端に設けられた段差部によって下方への抜けが規制されると同時に、アダプタ本体10の側面および下面に圧接固定される。
【0025】
次いで、図4(a)に示すように、パネルPのアダプタ取付孔Qに、アダプタ本体10のプラグ嵌合部A側を挿入する。
【0026】
図4(b)に示すように、挿入の途中では、先ず、ガタ止め具1の第2係止片部4a、4bが押圧されながらアダプタ取付孔Qに挿入されて行く。
【0027】
図4(c)に示すように、アダプタ本体10の係止突部11a、11bがアダプタ取付孔Qに当接した際には、第2係止片部4a、4bが弾性復帰して外方に拡がり、当該係止突部11a、11bと第2係止片部4a、4b先端との間にアダプタ取付孔Qの開口縁部を挟んで固定される。
【0028】
これと同時に第1係止片部3a、3bは圧潰しながらアダプタ取付孔Qの開口縁内側に圧接してアダプタ本体10自体が保持され、アダプタ取付孔Qの開口縁内側とアダプタ本体10の側面との間の隙間に起因するガタの発生が確実に防止される。
【符号の説明】
【0029】
P パネル
Q アダプタ取付孔
A、B プラグ嵌合部
1 ガタ止め具
2 中央支持面部
3 両端側面部
3a、3b 第1係止片部
4a、4b 第2係止片部
5a、5b 切込部
10 アダプタ本体
11a、11b 係止突部
12 係合部
12a 嵌合凹部
12b 嵌合溝部
13 スリーブホルダー
100 アダプタ本体
101a、101b 係止突部
102a、102b バネ性係止片
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタプラグの高密度実装における光コネクタ用アダプタのガタ止め機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光コネクタプラグの高密度実装に使用する光コネクタ用アダプタのガタ止め機構としては、図7に示すように、光コネクタ用のアダプタ本体100の側面に形成された係止突部101a、101bと、該係止突部101a、101bに対向して形成されたパネルP固定用のバネ性係止片102a、102bとを備え、該バネ性係止片102a、102bを押圧しながらパネルPのアダプタ取付孔Qに挿入され、前記係止突部101a、101bとバネ性係止片102a、102bとの間にアダプタ取付孔Qの開口縁部を挟んで固定するという所謂スナップイン方式を採っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特に無し
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、パネルPのアダプタ取付孔Qに光コネクタ用のアダプタ本体100が挿入された際には、係止突部101a、101bとバネ性係止片102a、102bとによって挟まれたアダプタ取付孔Qの開口縁内側とアダプタ本体100との間に隙間が生じ、これによりアダプタ本体100には上下左右方向にガタが発生する問題があった。
【0005】
さらに、パネルPを震動させるとこのようなアダプタ本体100のガタ付きによりガタガタと音を出してしまうという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、パネルのアダプタ取付孔に光コネクタ用のアダプタ本体が挿入された際に、アダプタ取付孔の開口縁内側とアダプタ本体の側面との間に生じた隙間に起因するガタの発生を効果的に防止することができる光コネクタ用アダプタのガタ止め機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、光コネクタ用のアダプタ本体に取り付けられるコ字枠状のガタ止め具を備え、該ガタ止め具は、コ字枠の両端側面部がパネルのアダプタ取付孔の開口縁内側に押接するよう斜め外方向に折曲してなる第1係止片部と、アダプタ本体の両側面部に形成された係止突部に対向すべくコ字枠の両端側面部中央から斜め外方向に切り起こしてなる第2係止片部とを備え、アダプタ本体は、前記ガタ止め具の第2係止片部を押圧しながらアダプタ取付孔に挿入され、前記係止突部と第2係止片部との間にアダプタ取付孔の開口縁部を挟んで固定すると共に、ガタ止め具の第1係止片部は圧潰されてアダプタ取付孔の開口縁内側に圧接するよう形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パネルのアダプタ取付孔に光コネクタ用のアダプタ本体が挿入された際に、アダプタ取付孔の開口縁内側とアダプタ本体の側面との間に生じた隙間に起因するガタ付きを効果的に防止することができる。
【0009】
すなわち、本発明のガタ止め具は、コ字枠の両端側面部がパネルのアダプタ取付孔の開口縁内側に圧接するよう斜め外方向に折曲してなる第1係止片部と、アダプタ本体の両側面部に形成された係止突部に対向すべくコ字枠の両端側面部中央から斜め外方向に切り起こしてなる第2係止片部とを備えているので、アダプタ本体がパネルのアダプタ取付孔に挿入された際に、ガタ止め具の第2係止片部を押圧しながらアダプタ取付孔に挿入され、前記係止突部と第2係止片部との間にアダプタ取付孔の開口縁部を挟んで固定可能にすると同時に、第1係止片部は圧潰されてアダプタ取付孔の開口縁内側に圧接するものとなり、これによりアダプタ取付孔の開口縁内側とアダプタ本体の側面との間の隙間に起因するガタの発生を確実に防止することができる。
【0010】
さらに、パネルに震動を与えてもガタガタ音の発生を防ぐことができ、しかも光コネクタ用のアダプタ本体への光コネクタプラグの挿入が支障なく行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を実施するための一形態におけるガタ止め具のアダプタ本体への使用例を示すもので、(a)は取り付け前の斜視図、(b)は取り付け後の斜視図である。
【図2】同じくガタ止め具をアダプタ本体へ取り付けた状態の平面図である。
【図3】同じくガタ止め具の構成の一例を示すもので、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は側面図である。
【図4】同じくガタ止め具を取り付けたアダプタ本体をパネルのアダプタ取付孔に取り付ける工程を示すもので、(a)はアダプタ取付孔に取り付ける前の状態を示す一部切欠平面図、(b)はアダプタ取付孔に取り付ける途中の状態を示す一部切欠平面図、(c)はアダプタ取付孔に取り付けた後の状態を示す一部切欠平面図である。
【図5】同じくガタ止め具の構成の第2例を示す側面図である。
【図6】同じくガタ止め具の構成の第3例を示す側面図である。
【図7】従来例における光コネクタ用のアダプタ本体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の一形態を詳細に説明すると、図示例で示す本発明に係る光コネクタ用アダプタは、1心コネクタ用のアダプタ本体10によって構成され、高密度実装可能としたパネルPの矩形開口状のアダプタ取付孔Qに嵌着固定されるものである。尚、光コネクタ用アダプタは、2心あるいは3心以上の光コネクタ用のアダプタ本体10でも良いことは勿論である。
【0013】
アダプタ本体10は、図1(a)、図1(b)、図2、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、二つの光コネクタプラグ相互を接続できるように、合成樹脂の成型品によって角筒状に形成されており、該アダプタ本体10の両端に、光学軸が一致するように光コネクタプラグを挿入する一方のプラグ嵌合部Aと、光コネクタプラグその他の光学部品のプラグを挿入する他方のプラグ嵌合部Bとをそれぞれ備えている。そして、アダプタ本体10の中央に略コ字枠状となった左右一対の接合端壁が配置され、一方のプラグ嵌合部Aにおける嵌合端、および他方のプラグ嵌合部Bにおける接続端がそれぞれ水平方向に開口している。
【0014】
また、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、アダプタ本体10の中央部に配される左右一対の接合端壁の一方には、一方の円筒が嵌合端に向かって突設してあると共に、他方の接合端壁には、他方の円筒が接続端に向かって突設してあり、両円筒が光学軸上で中心軸を一致させて接合端壁同士を係合固定することによってスリーブホルダー13が形成される。このとき、スリーブホルダー13内側に円筒状の割りスリーブが装着され保持されている。
【0015】
アダプタ本体10には、図1(a)、図1(b)、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示すように、その左右両側面の各中央に一体形成された縦長突起状の係止突部11a、11bと、該係止突部11a、11b位置から例えば一方のプラグ嵌合部A側に向けてアダプタ本体10の両側面が抉られて薄肉厚となることでガタ止め具1の係合部12が形成されている。
【0016】
ガタ止め具1の係合部12は、当該ガタ止め具1の両端側面部3と同形・同大の嵌合凹部12aとガタ止め具1の細長板状の中央支持面部2と同幅の嵌合溝部12bとからなる。嵌合凹部12aはアダプタ本体10の両側面の略中央の係止突部11a、11b寄りに矩形状に形成され、一方嵌合溝部12bは嵌合凹部12aの下部中央に連通して細溝状に形成されている。
【0017】
而して、ガタ止め具1は、図1(a)、図1(b)、図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)に示すように、弾性を有するコ字枠状、すなわち細長板状の中央支持面部2の左右両端から起立連設された横幅広の矩形板状となった両端側面部3の後端側に第1係止片部3a、3bが延設されている。
【0018】
また、ガタ止め具1の両端側面部3後端側の第1係止片部3a、3bは若干斜め外方向に折曲してなり、アダプタ本体10の係止突部11a、11bの手前で係止された状態となって配置される。このとき、図2に示すように、第1係止片部3a、3bはアダプタ本体10の側面から外方に向けて若干突出されており、アダプタ本体10がパネルPのアダプタ取付孔Qに挿入された際には、図4(c)に示すように、ガタ止め具1の第1係止片部3a、3bが圧潰されながらアダプタ取付孔Qの開口縁内側を圧接してアダプタ本体10自体がパネルPにガタ無く保持されるようになっている。
【0019】
さらに、ガタ止め具1の両端側面部3の中央には、図1(a)、図1(b)、図3(a)、図3(d)に示すように、コ字形スリット状となった横長の切込部5a、5bが形成され、この切込部5a、5bの根元から若干斜め外方向に切り起こすことで横長矩形板状の第2係止片部4a、4bが形成されている。このとき、第2係止片部4a、4bは、前側の根元位置から後方の第1係止片部3a、3bの位置する側に向けて弾性を付与した状態で略への字状に折曲して形成されており、アダプタ本体10の係合部12に装着されたときには、第2係止片部4a、4b先端は、アダプタ本体10の両側面部に形成された係止突部11a、11bに対向すべくなしてある。
【0020】
尚、係止突部11a、11bから第2係止片部4a、4b先端までの間隔は、パネルPのアダプタ取付孔Q部分の厚みと略同じ大きさとなるように設定してある。
【0021】
かくして、アダプタ本体10がパネルPのアダプタ取付孔Qに挿入された際には、アダプタ本体10に装着されたガタ止め具1の第2係止片部4a、4bが押圧されながらアダプタ取付孔Qに挿入され、前記係止突部11a、11bと第2係止片部4a、4bとの間にアダプタ取付孔Qの開口縁部を挟んで固定されるものとなる。
【0022】
ところで、図1乃至図4に示すガタ止め具1は、両端側面部3の後端側の全体に第1係止片部3a、3bが延設されているが、この構造に限定されるものではない。
例えば、図5に示すように、後端側の上端角部に第1係止片部3a、3bを形成してもよい。
また、図6に示すように、両端側面部3の上端全体に第1係止片部3a、3bを形成してもよい。
【0023】
次に、以上のように構成された形態についての使用の一例について説明する。
先ず、図1(a)に示すように、アダプタ本体10の左右側面に設けられた係合部12にガタ止め具1を下方側より押し込み、当該ガタ止め具1の両端側面部3を、係合部12における嵌合凹部12aに、中央支持面部2を嵌合溝部12bにそれぞれ嵌合させる。
【0024】
これによって弾性を有するコ字枠状のガタ止め具1は、その両端側面部3の両側下端が、アダプタ本体10の嵌合凹部12aの両側下端に設けられた段差部によって下方への抜けが規制されると同時に、アダプタ本体10の側面および下面に圧接固定される。
【0025】
次いで、図4(a)に示すように、パネルPのアダプタ取付孔Qに、アダプタ本体10のプラグ嵌合部A側を挿入する。
【0026】
図4(b)に示すように、挿入の途中では、先ず、ガタ止め具1の第2係止片部4a、4bが押圧されながらアダプタ取付孔Qに挿入されて行く。
【0027】
図4(c)に示すように、アダプタ本体10の係止突部11a、11bがアダプタ取付孔Qに当接した際には、第2係止片部4a、4bが弾性復帰して外方に拡がり、当該係止突部11a、11bと第2係止片部4a、4b先端との間にアダプタ取付孔Qの開口縁部を挟んで固定される。
【0028】
これと同時に第1係止片部3a、3bは圧潰しながらアダプタ取付孔Qの開口縁内側に圧接してアダプタ本体10自体が保持され、アダプタ取付孔Qの開口縁内側とアダプタ本体10の側面との間の隙間に起因するガタの発生が確実に防止される。
【符号の説明】
【0029】
P パネル
Q アダプタ取付孔
A、B プラグ嵌合部
1 ガタ止め具
2 中央支持面部
3 両端側面部
3a、3b 第1係止片部
4a、4b 第2係止片部
5a、5b 切込部
10 アダプタ本体
11a、11b 係止突部
12 係合部
12a 嵌合凹部
12b 嵌合溝部
13 スリーブホルダー
100 アダプタ本体
101a、101b 係止突部
102a、102b バネ性係止片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光コネクタ用のアダプタ本体に取り付けられるコ字枠状のガタ止め具を備え、該ガタ止め具は、コ字枠の両端側面部がパネルのアダプタ取付孔の開口縁内側に押接するよう斜め外方向に折曲してなる第1係止片部と、アダプタ本体の両側面部に形成された係止突部に対向すべくコ字枠の両端側面部中央から斜め外方向に切り起こしてなる第2係止片部とを備え、アダプタ本体は、前記ガタ止め具の第2係止片部を押圧しながらアダプタ取付孔に挿入され、前記係止突部と第2係止片部との間にアダプタ取付孔の開口縁部を挟んで固定すると共に、ガタ止め具の第1係止片部は圧潰されてアダプタ取付孔の開口縁内側に圧接するよう形成したことを特徴とする光コネクタ用アダプタのガタ止め機構。
【請求項1】
光コネクタ用のアダプタ本体に取り付けられるコ字枠状のガタ止め具を備え、該ガタ止め具は、コ字枠の両端側面部がパネルのアダプタ取付孔の開口縁内側に押接するよう斜め外方向に折曲してなる第1係止片部と、アダプタ本体の両側面部に形成された係止突部に対向すべくコ字枠の両端側面部中央から斜め外方向に切り起こしてなる第2係止片部とを備え、アダプタ本体は、前記ガタ止め具の第2係止片部を押圧しながらアダプタ取付孔に挿入され、前記係止突部と第2係止片部との間にアダプタ取付孔の開口縁部を挟んで固定すると共に、ガタ止め具の第1係止片部は圧潰されてアダプタ取付孔の開口縁内側に圧接するよう形成したことを特徴とする光コネクタ用アダプタのガタ止め機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2011−133611(P2011−133611A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291968(P2009−291968)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(391005581)三和電気工業株式会社 (66)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(391005581)三和電気工業株式会社 (66)
【Fターム(参考)】
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