光ファイバコネクタの製造方法
【課題】組み立てが容易で、かつ通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を有する光ファイバコネクタの製造方法を提供すること。
【解決手段】フェルールと、フェルールを把持するフランジと、フランジの後端に連結された光ファイバ保持部とを備え、フランジはその内部に光ファイバがたわむ空間を備え、光ファイバ保持部は光ファイバの被覆付部分を弾性保持する構造を備えた光ファイバコネクタに対して、被覆が除去されて劈開され、テーパ加工された光ファイバ59を光ファイバ保持部の後端から挿入し、その先端がフェルールの先端に装着した突き出し調整治具に突き当たり、当該突き出し調整治具に設けられた窪みの深さに対応する量だけ突き出した状態となり、かつたわむ空間の内部でのたわみ長さより長いたわみ長さをもって光ファイバ59を光ファイバ保持部の後方でたわませた状態にして光ファイバの被覆付部分を光ファイバ保持部に弾性保持させる。
【選択図】図16
【解決手段】フェルールと、フェルールを把持するフランジと、フランジの後端に連結された光ファイバ保持部とを備え、フランジはその内部に光ファイバがたわむ空間を備え、光ファイバ保持部は光ファイバの被覆付部分を弾性保持する構造を備えた光ファイバコネクタに対して、被覆が除去されて劈開され、テーパ加工された光ファイバ59を光ファイバ保持部の後端から挿入し、その先端がフェルールの先端に装着した突き出し調整治具に突き当たり、当該突き出し調整治具に設けられた窪みの深さに対応する量だけ突き出した状態となり、かつたわむ空間の内部でのたわみ長さより長いたわみ長さをもって光ファイバ59を光ファイバ保持部の後方でたわませた状態にして光ファイバの被覆付部分を光ファイバ保持部に弾性保持させる。
【選択図】図16
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信用の光ファイバコネクタ、特に組み立てが容易で、かつ通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を有する光ファイバコネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来の光ファイバコネクタの一例(第1の従来例)の基本構造を示すもので、本コネクタはフェルール11と、フェルール11の周囲に配置された各種の光ファイバコネクタに対応するハウジング12と、フェルール11の後端に連結された光ファイバ固定部13とからなる(非特許文献1参照)。
【0003】
本コネクタは、その先端の被覆が所定量除去されて劈開された光ファイバ14が光ファイバ固定部13の後端から挿入され、該光ファイバ14の先端とフェルール11の先端が合致した状態で、光ファイバ14の被覆付部分を光ファイバ固定部13に保持させることで完成する。ここで、光ファイバ14の先端とフェルール11の先端との位置合わせは、図2に示すように、平坦な突き当て板15をフェルール11の先端に突き当てておくことによって行われる。また、光ファイバ固定部13はベース13a及び蓋13bからなり、ベース13aには、図3に示すように光ファイバの被覆付部分の外径が多少飛び出る深さのV溝が設けられており、このV溝内に光ファイバ14の被覆付部分を収容した状態で蓋13bをベース13aに磁石などで固定することにより光ファイバ14を保持する。
【0004】
本コネクタは、図4に示すように、接続相手となる同様の光ファイバコネクタとアダプタ20を介して接続される。光ファイバコネクタの種類によって嵌合機構は異なるが、基本的にはハウジング12に形成された突起がアダプタ20の爪でロックされ、ハウジング12からスプリングを介して常に前方に向かって押されているフェルール11の端面が、接続相手の光ファイバコネクタのフェルールの端面に押し付けられる。これにより光ファイバ14の先端面が接続相手の光ファイバコネクタの光ファイバの先端面と接触し、光接続が完了する。
【0005】
本コネクタによれば、光ファイバの被覆除去、劈開といった簡易な光ファイバの先端処理作業と、光ファイバの挿入、蓋閉じといった簡易な組み立て作業で光ファイバコネクタが完成する。
【0006】
しかし、光ファイバの劈開面には軸方向に対する垂直面からの角度ずれが存在し、また、完全に平坦ではないので、本コネクタでは、光ファイバの先端面同士が密着せず、接続損失、反射損失が大きいという問題があった。
【0007】
図5は従来の光ファイバコネクタの他の例(第2の従来例)の基本構造を示すもので、本コネクタはフェルール31とともに、第1の従来例の場合と同様のハウジング及び光ファイバ固定部からなり(但し、ハウジング及び光ファイバ固定部については図示せず。)、フェルール31の内部に光ファイバがたわむ空間31aが存在する(特許文献1参照)。
【0008】
本コネクタは、その先端の被覆が所定量除去されて劈開された光ファイバ32が光ファイバ固定部の後端から挿入され、該光ファイバ32の先端がフェルール31の先端から所定量突き出した状態で、光ファイバ32の被覆付部分を光ファイバ固定部に保持(ここでは接着固定)させることで完成する。ここで、光ファイバ32のフェルール31の先端からの突き出し量の調整は、図6に示すような突き出し量の分だけ窪んだ引き込み部を備えた突き当て板33をフェルール31の先端に突き当てておくことによって行われる。
【0009】
本コネクタは、第1の従来例の場合と同様に、接続相手となる同様の光ファイバコネクタとアダプタを介して接続される。即ち、ハウジングがアダプタにロックされ、ハウジングからスプリングを介して常に前方に向かって押されているフェルール31の端面が、接続相手の光ファイバコネクタのフェルールの端面に押し付けられる。これにより光ファイバ32の先端面が接続相手の光ファイバコネクタの光ファイバの先端面と接触し、光接続が完了する。
【0010】
接続状態ではフェルール31の先端から突き出している光ファイバ32の先端が後退し、フェルール31内部の空間31aでたわむことになるが、このたわみに起因して発生する光ファイバ32を前方に押し出す力によって、第1の従来例で実現されていない光ファイバ同士の密着を狙ったものである。
【0011】
しかし、本コネクタでも、光ファイバの劈開面の軸方向に対する垂直面からの角度ずれや、劈開面が完全に平坦ではないという問題を解消して光ファイバ同士を密着させるまでには至っておらず、依然として接続損失、反射損失が大きいという問題があった。
【0012】
図7は従来の光ファイバコネクタのさらに他の例(第3の従来例)の基本構造を示すもので、本コネクタは2つの光ファイバを片持ち梁状に把持する光ファイバ固定部材41と、マイクロホール42とからなる(特許文献2参照)。
【0013】
本コネクタは、それぞれその先端の被覆が所定量除去されて劈開され、さらにテーパ加工が施された2つの光ファイバ43,44がマイクロホール42に挿入され、その先端同士が突き当たり、先端から見て後方がたわんだ状態で、各光ファイバ43,44の被覆付部分を光ファイバ固定部材41に固定させることで完成する。フェルールを用いない点が特徴である。
【0014】
図8に示すように、光ファイバの劈開面は完全に平坦でなく、円周部にリップルが生じている。テーパ加工を施すことにより、このリップルを除去するとともに、光信号が通過するコア付近を残してその面積を小さくできるので、光ファイバ同士が密着した、いわゆるPC(Physical Contact)接続状態を実現し易くなり、低損失、低反射な光接続を実現できる。
【0015】
なお、図9に示すように、光ファイバ固定部材41を、2つの光ファイバをそれぞれ把持する2つの光コネクタプラグ45,46に分割することにより、着脱可能な光コネクタを実現することもできる。
【0016】
しかし、本コネクタでは、フェルールを用いない特殊な構造であり、従来の光ファイバコネクタと互換性がないということと、マイクロホールは被覆を除去した光ファイバの外径より若干大きい程度の穴であるため、非常に小さく、清掃が困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第2566590号公報(発明の名称:光コネクタ)
【特許文献2】特許第3210540号公報(発明の名称:光ファイバの接続方法)
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】”簡易型コネクター”、[online]、株式会社雄島試作研究所、[平成20年1月17日検索]、インターネット<URL:http://www.iijnet.or.jp/oshima/Jhome/optical/05.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
このように、従来は、組み立てが容易で、かつ通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を有し、さらに、従来の光ファイバコネクタと互換性があり、清掃が容易な光ファイバコネクタはなかった。
【0020】
そこで、本発明は、組み立てが容易で、かつ通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を有し、さらに、従来の光ファイバコネクタと互換性があり、清掃が容易な光ファイバコネクタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、このような目的を達成するために、フェルールと、フェルールを把持するフランジと、フランジの後端に連結された光ファイバ保持部とを備え、フランジはその内部に光ファイバがたわむ空間を備え、光ファイバ保持部は光ファイバの被覆付部分を弾性保持する構造を備えた光ファイバコネクタの製造方法であって、被覆が除去されて劈開され、テーパ加工された光ファイバを光ファイバ保持部の後端から挿入する工程と、前記光ファイバの先端がフェルールの先端に装着した突き出し調整治具に突き当たり、当該突き出し調整治具に設けられた窪みの深さに対応する量だけフェルールの先端より突き出した状態となり、かつ前記たわむ空間の内部でのたわみ長さより長いたわみ長さをもって前記光ファイバを光ファイバ保持部の後方でたわませた状態にする工程と、前記光ファイバの被覆付部分を光ファイバ保持部に弾性保持させる工程とを含む、ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法を提案する。
【発明の効果】
【0022】
本発明方法によれば、従来の光ファイバコネクタの後端に光ファイバ保持構造を備え、また、内部に光ファイバのたわみ空間を有し、光ファイバを劈開、テーパ加工した上で、フェルール先端からの突き出しを設定して固定する形態であることにより、組み立てが容易で、かつ劈開面のPC接続を実現できるので良好な光学特性を有する光ファイバコネクタを低コストで実現でき、さらに、従来の光ファイバコネクタと互換性があり、清掃が容易な光ファイバコネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】光ファイバコネクタの第1の従来例を示す構造図
【図2】第1の従来例の組み立て時の状態を示す説明図
【図3】第1の従来例の光ファイバ固定部の構造図
【図4】第1の従来例の接続時の状態を示す説明図
【図5】光ファイバコネクタの第2の従来例を示す構造図
【図6】第2の従来例で使用する突き当て治具の説明図
【図7】光ファイバコネクタの第3の従来例を示す構造図
【図8】光ファイバの劈開面の説明図
【図9】第3の従来例の別の例を示す構造図
【図10】本発明方法による光ファイバコネクタの一例を示す外観斜視図
【図11】本発明方法による光ファイバコネクタの一例を示す断面構造図
【図12】光ファイバ先端のテーパ加工方法の一例を示す説明図
【図13】本発明方法による光ファイバコネクタの接続時の状態を示す説明図
【図14】本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す説明図
【図15】本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す説明図
【図16】本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す説明図
【図17】本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す説明図
【図18】たわみ長さと座屈力の関係を示す説明図
【図19】光ファイバ突き出し量とたわみ量の関係を示す説明図
【図20】たわみ長に対して損失0.1dBを発生する突き出し量を示す説明図
【図21】光ファイバの端面径とPC荷重の関係を示す説明図
【図22】本発明方法による光ファイバコネクタの光学特性を示す説明図
【図23】本発明方法による光ファイバコネクタの温度サイクル試験時の挿入損失の変化を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図10(a)(b)は本発明方法による光ファイバコネクタの一例、ここでは光ファイバコネクタの中でも市場で最もシェアの高いSCコネクタと互換性のある例の外観を示すもので、通常の光ファイバコネクタと異なる点は、後端にベース及び蓋からなる光ファイバ保持部を有し、これにコの字の開口側をやや幅狭にしたような断面を有するクランパが装着され、光ファイバを弾性保持している点である。また、図11は本発明方法による光ファイバコネクタの断面構造を示すものである。
【0025】
図10、図11において、51はフェルール、52はフランジ、53aは光ファイバ保持部ベース、53bは光ファイバ保持部蓋、54はクランパ、55はフレーム、56はフレームのつまみ、57はストップリング、58はスプリング、59は光ファイバである。
【0026】
フェルール51はジルコニアなどからなり、被覆が除去された光ファイバ59の外径とほぼ等しい内径の貫通孔をその中心部に有し、フランジ52に把持・固定されている。フランジ52は後方に伸び、光ファイバ保持部ベース53aと連結している。フランジ52はその内部にフェルール51の貫通孔と連通した、光ファイバ59がたわむ空間52aを備える。フレーム55とストップリング57とは留め部57aにより互いに固定されており、ストップリング57によって位置が規制されたスプリング58によりフランジ52を介してフェルール51が前方に向かって押されている。但し、フレーム55の鍔55aにより一定以上前進しないようになっている。つまみ56は手で持つ部分であり、本光ファイバコネクタをアダプタに対して挿抜する操作を補助する。
【0027】
光ファイバ59はガラス光ファイバを前提とし、光ファイバの被覆を除去したガラス部分の外径が125μm、被覆付部分の外径が250〜500μm程度の一般的な光ファイバ素線を適用する前提で以下説明する。光ファイバ59は図11に示すように、フェルール51の貫通孔の長さより若干長く被覆が除去(ここでは約10mm)され、その先端が劈開され、さらにテーパ加工されている。そして、フェルール51の端面より所定量突き出した状態で、光ファイバ保持部53に保持されている。
【0028】
光ファイバ保持部ベース53aはV溝を有し、このV溝内に光ファイバ59の被覆付部分を収容した状態で蓋53bをクランパ54によってベース53aに押し付け、光ファイバ59を弾性保持する。光ファイバの被覆を除去したガラス部分を保持するのではないので、光ファイバを傷つけて断線させることがない。
【0029】
なお、光ファイバの劈開は市販の光ファイバ劈開器で加工可能である。テーパ加工は図12に示すように、光ファイバ59の先端を研磨シート60などにたわませて押し付け、円軌道を描かせることにより、加工が可能である。非常に簡易な方法でテーパ加工が可能である。
【0030】
図13は本発明方法による光ファイバコネクタの接続時の状態を示すもので、同図(a)は光ファイバコネクタの断面、同図(b)は接続部分の要部を示す。
【0031】
接続は、同図(b)に示すように、2つの光ファイバコネクタのフェルール51がアダプタ20の整列部材(一般的にはスリーブと呼ばれている)21によって位置合わせされて対向し、フレーム55に形成された突起55bがアダプタ20の爪22でロックされ、フレーム55からストップリング57を介してスプリング58によりフランジ52とともに前方に向かって押されているフェルール51の端面が、接続相手の光ファイバコネクタのフェルールの端面に押し付けられることによって行われる。さらに、接続前にフェルール51の端面より突き出していた光ファイバ59が引き込み、フランジ52内部のたわみ空間52aで光ファイバ59がたわむ。この時のたわみに起因して発生する弾性復元力によって光ファイバ59が接続相手の光ファイバコネクタの光ファイバに押し付けられる。劈開面であっても、テーパ加工によって光ファイバ円周部のリップルが除去され、光信号が通過するコア付近を残して面積が小さくなっているので、光ファイバ同士がPC(Physical Contact)接続し、低損失、低反射な光接続を実現できる。
【0032】
図14乃至図17に本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す。図14(a)(b)及び図15は光ファイバ挿入前の状態である。
【0033】
図14(a)はクランパ取り付け前の状態を示すもので、図14(b)に示すようにクランパ54は光ファイバ保持部ベース53aの溝53a’に装着される。クランパ54のコの字の内側の幅に対してベース53aの厚みが溝53a’では小さく、それ以外では大きくなっており、簡単に可動するが、外には外れないようになっている。また、光ファイバ保持部蓋53bは、ベース53aによって前後方向の移動が所定のクリアランス以内で制限され、つまみ56によって左右方向と上方への移動が所定のクリアランス以内で制限されている。本構造によれば、蓋がクランプされる前の初期状態でも光ファイバコネクタ本体から脱落しないように、ベースのみで蓋の移動を制限する構造とするよりも簡易な構造で実現できる。なお、光ファイバ保持部蓋53bも前記同様の溝53b’を備えている。
【0034】
これらの部品に対して図15に示すように、先端を劈開し、テーパ加工した光ファイバ59を後端から挿入すると、フェルール51の先端に装着した突き出し調整治具61に設けられた窪み61aの深さでフェルール51の端面からのファイバ突き出し量が設定される。その際、図16に示すように後端で光ファイバ59をたわませた状態にする。たわみが発生することにより、確実に光ファイバ59が突き出し調整治具61に突き当たっていることが確認できる。
【0035】
なお、このたわみ長さは、光ファイバコネクタ内部でのたわみ長さより長く設定されている。これにより光ファイバコネクタ内部でたわむことがない。内部でたわんだ状態で光ファイバを固定すると、突き出し調整治具61を外した後に所定量より多く光ファイバが突き出してしまう。後端のたわみを長くすることで、この現象を無くすことが可能となる。
【0036】
光ファイバの固定は図17に示すように、クランパ54を前進させることにより完了する。蓋53bとベース53a下部の厚みの和がクランパ54のコの字の内側の幅よりも大きくなっており、クランパ54のばね力が働き、蓋53bがベース53aに押し付けられ、固定が完了する。
【0037】
なお、クランパ54は後端にむかって舌状に伸びた形状をしており、前進させるときにはこの部分を押す。この部分を押し切り、光ファイバ保持部ベース53aの後端と一致した時に、クランパ54が蓋を最適に押す位置に到達するようになっている。これにより操作が容易でかつ正確となる。
【0038】
以上説明したように、本発明方法による光ファイバコネクタによれば、まず、構造的には、既存の光コネクタと互換性がある構造であり、また、これが、既存の光コネクタの部品を流用しつつ、光ファイバ保持部のみを新規に構成することにより低コストで構成可能である。
【0039】
また、光ファイバの切断方法としては、劈開の外に炭酸ガスレーザやエキシマレーザによる方法もある。これらのレーザは現在のところ大規模な装置であり、簡易な作業に適したものではないが、ガラスの溶融により滑らかな端面が短時間で形成可能であり、研磨と同様に適用可能である。
【0040】
また、ここでは光ファイバ劈開面のリップル除去のために、現在のところ最適な形成方法としてテーパ加工を採用しているが、円周部を除去できれば良く、レーザなどにより加工できれば採用可能である。
【0041】
また、光ファイバの先端の加工も従来と同じ劈開作業に加え、テーパ加工作業が増えるものの、その加工作業は非常に簡易であり、従来の光コネクタの研磨作業と比較すると十分簡易な作業を実現している。
【0042】
さらに、組み立てにおいても光ファイバを光ファイバコネクタに挿入し、突き出し調整治具によって、突き出し量を調整し、これをクランパの前進によって固定することができ、一連の作業が簡易である。加えて、光ファイバの劈開面を利用してPCを実現しているので、良好で従来の光ファイバコネクタと同等な光学特性が実現できる。
【0043】
また、クランパは前進すると、つまみ内部と光ファイバ保持部に沿って収納されるようになっており、本光コネクタの小型化を実現している。
【0044】
なお、フェルール、フレーム、つまみ等の部品を変更すれば、基本的には同じような構造で他の光コネクタ、例えばMU形光コネクタ、LC形光コネクタにも適用可能である。また、光ファイバの先端面がフェルールの端面から若干飛び出している程度なので、一般的に使用される光コネクタクリーナなどで、簡易に清掃することが可能である。
【0045】
次に、PC接続を確実に実現する特異な設計値について説明する。
【0046】
座屈力Pbは、たわみの長さLの二乗に反比例し、次式で表される(S. Timoshenko, "Strength of Materials, Part II, Advanced Theory and Problems, Third Edition," New York: D. Van Nostrand Company, Inc., 1956. 参照)。
【0047】
Pb=4π2EI/L2 (1)
ここで、Eは光ファイバの弾性定数、Iは断面二次モーメントであり、次式で表される。
【0048】
I=πd4/64 (2)
ここで、dは光ファイバの外径である。図18に、たわみ長さと座屈力の関係を図示する。例えば、たわみ長L=7mmの場合は座屈力Pb=0.7N、たわみ長L=8mmの場合は座屈力Pb=0.5Nとなる。
【0049】
突き出し量ΔLは座屈力に影響を与えず、たわみ量δを決定する。両者の関係は次式で表される(M. Kobayashi, T. Yoshida, S. Asakawa, S. Iwano, R. Nagase S. Sumida, S. Mitachi, "Injection-molded sigle-mode multiple optical fiber connector using buckling force of bare fiber," IEEE, J. Selected Topics in Quantum Electronics, Vol. 5, No. 5, pp. 1271-1277, 1999. 参照)。
【0050】
【数1】
ここで、「Elliptic()」は第2種完全楕円積分である。
【0051】
図19に光ファイバ突き出し量とたわみ量の関係を図示する。たわみ長L=7mmの場合、突き出し量ΔL=0.05mmのとき、たわみδ=0.3mm程度である。たわみ長L=8mmの場合、突き出し量ΔL=0.1mmのとき、たわみδ=0.5mm程度である。
【0052】
図20は曲げ損失が0.1dBとなる突き出し量ΔLをたわみ長Lに対して計算した結果である。たわみ長Lを小さくすると座屈力Pbを増やせるが、小さな突き出し量ΔLでも損失が大きく発生する。突き出し量ΔLの設定も小さいと困難になるので、その下限を0.04mmと設定すると、たわみ長Lの下限は約6mmとなる。
【0053】
一方、劈開面をPCさせるために必要な応力を実験的に測定した結果を図21に示す。端面垂直度(光ファイバの軸方向に対する垂直面からの端面(劈開面)のずれの角度)の異なる光ファイバ劈開面についてテーパ加工により端面径を変えた場合のPCに必要な荷重を測定した結果である。
【0054】
端面垂直度が小さいほど、端面径が小さいほど必要な荷重が少なくて済むが、通常の光ファイバ劈開器による光ファイバの劈開面の端面垂直度は最大1.5度程度となり、この劈開面においても確実にPCを実現するためには図中のハッチングの領域に端面径とPC荷重を設定する必要があることを見出した。
【0055】
端面径の下限は30μmであり、これはこの値より小さいとコアを伝播する通信光に影響を与える。この時、図より最小0.5Nの押圧力が必要であることを見出した。これはたわみ長L=8mmで達成できる。
【0056】
一方、最大の荷重は上述の曲げ損失が大きくならないためのたわみ長L=6mmによって決まる。従って、本例ではたわみ長L=8mmで端面径30μm,L=7mmで端面径30〜40μm、L=6mmで端面径30〜45μmに設定することにより一般的な光ファイバ劈開器で形成される光ファイバの劈開面の端面垂直度があれば、必ずPC接続を実現することができる。
【0057】
なお、ここまでは光ファイバ端面の形成作業を簡易に済ませるために光ファイバの劈開面を利用する形態で説明したが、光ファイバ端面を研磨した場合も適用可能である。この場合、テーパ加工と併用しても良いが、一般的に研磨面は球面をしており、コア部が突出しているので、テーパ面が無くてもPC接続を実現できる。この時の必要な押圧力は0.5N以下で劈開面と比較すると小さくて済む。
【0058】
本発明方法により作製した光コネクタを、SC光コネクタアダプタを介して通常のSC光コネクタプラグと接続した場合の光学特性を図22に示す。挿入損失と反射減衰量のヒストグラムである。挿入損失平均0.1dB、反射減衰量50dBであり、通常のSC光コネクタ並みの低損失、低反射を実現している。
【0059】
また、温度サイクル試験時の挿入損失の変化特性を調べた結果を図23に示す。広い温度範囲で安定した特性を示している。これは、光ファイバをたわませて光接続を実現していることにより、温度変化による光コネクタ部材の伸縮があっても、たわみ部分がこれを吸収する効果があるためである。
【0060】
以上説明したように、本発明方法によれば、組み立てが容易で、かつ、通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を実現し、また、従来の光コネクタと互換性があり、清掃が容易な光ファイバコネクタを提供することができる。
【0061】
なお、第1の従来例と比較すると、光ファイバ先端のテーパ加工と、コネクタ内部へのたわみ空間の設置と、光ファイバ先端をフェルールから突き出して固定することにより、相手コネクタとの接続時にPC接続が実現でき、良好な光学特性を実現している。また、光ファイバ保持部は、クランプの前後方向の移動で把持を実現することにより、小型が構造を実現している。
【0062】
第2の従来例と比較すると、光ファイバ先端のテーパ加工によりPC接続を実現している。また、第2の従来例ではフェルール内部にたわみ空間を構成しているが、本発明ではフェルールを把持するフランジに設けることにより、既成のジルコニアフェルールを使用することが可能で、より低コストで部材を構成できる。また、第2の従来例では光ファイバを接着固定しているのに対して、クランプで固定することが可能で、組み立てが容易である。また、第2の従来例では光ファイバの被覆を除去したガラス部分をたわませるのに対して、本発明では光ファイバの被覆付部分をたわませるため、破断し難い。
【0063】
第3の従来例と比較すると、従来の光コネクタとの互換性があり、また、第3の従来例ではマイクロホールで光ファイバを直接調心しているため、マイクロホールの内径が小さく、清掃が容易でないのに対して、本発明では光ファイバの先端がフェルール先端から出ているので、清掃が容易である利点がある。
【符号の説明】
【0064】
51:フェルール、52:フランジ、52a:たわみ空間、53:光ファイバ保持部、53a:光ファイバ保持部ベース、53b:光ファイバ保持部蓋、54:クランパ、55:フレーム、56:フレームのつまみ、57:ストップリング、58:スプリング、59:光ファイバ、60:研磨シート、61:突き出し調整治具。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信用の光ファイバコネクタ、特に組み立てが容易で、かつ通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を有する光ファイバコネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来の光ファイバコネクタの一例(第1の従来例)の基本構造を示すもので、本コネクタはフェルール11と、フェルール11の周囲に配置された各種の光ファイバコネクタに対応するハウジング12と、フェルール11の後端に連結された光ファイバ固定部13とからなる(非特許文献1参照)。
【0003】
本コネクタは、その先端の被覆が所定量除去されて劈開された光ファイバ14が光ファイバ固定部13の後端から挿入され、該光ファイバ14の先端とフェルール11の先端が合致した状態で、光ファイバ14の被覆付部分を光ファイバ固定部13に保持させることで完成する。ここで、光ファイバ14の先端とフェルール11の先端との位置合わせは、図2に示すように、平坦な突き当て板15をフェルール11の先端に突き当てておくことによって行われる。また、光ファイバ固定部13はベース13a及び蓋13bからなり、ベース13aには、図3に示すように光ファイバの被覆付部分の外径が多少飛び出る深さのV溝が設けられており、このV溝内に光ファイバ14の被覆付部分を収容した状態で蓋13bをベース13aに磁石などで固定することにより光ファイバ14を保持する。
【0004】
本コネクタは、図4に示すように、接続相手となる同様の光ファイバコネクタとアダプタ20を介して接続される。光ファイバコネクタの種類によって嵌合機構は異なるが、基本的にはハウジング12に形成された突起がアダプタ20の爪でロックされ、ハウジング12からスプリングを介して常に前方に向かって押されているフェルール11の端面が、接続相手の光ファイバコネクタのフェルールの端面に押し付けられる。これにより光ファイバ14の先端面が接続相手の光ファイバコネクタの光ファイバの先端面と接触し、光接続が完了する。
【0005】
本コネクタによれば、光ファイバの被覆除去、劈開といった簡易な光ファイバの先端処理作業と、光ファイバの挿入、蓋閉じといった簡易な組み立て作業で光ファイバコネクタが完成する。
【0006】
しかし、光ファイバの劈開面には軸方向に対する垂直面からの角度ずれが存在し、また、完全に平坦ではないので、本コネクタでは、光ファイバの先端面同士が密着せず、接続損失、反射損失が大きいという問題があった。
【0007】
図5は従来の光ファイバコネクタの他の例(第2の従来例)の基本構造を示すもので、本コネクタはフェルール31とともに、第1の従来例の場合と同様のハウジング及び光ファイバ固定部からなり(但し、ハウジング及び光ファイバ固定部については図示せず。)、フェルール31の内部に光ファイバがたわむ空間31aが存在する(特許文献1参照)。
【0008】
本コネクタは、その先端の被覆が所定量除去されて劈開された光ファイバ32が光ファイバ固定部の後端から挿入され、該光ファイバ32の先端がフェルール31の先端から所定量突き出した状態で、光ファイバ32の被覆付部分を光ファイバ固定部に保持(ここでは接着固定)させることで完成する。ここで、光ファイバ32のフェルール31の先端からの突き出し量の調整は、図6に示すような突き出し量の分だけ窪んだ引き込み部を備えた突き当て板33をフェルール31の先端に突き当てておくことによって行われる。
【0009】
本コネクタは、第1の従来例の場合と同様に、接続相手となる同様の光ファイバコネクタとアダプタを介して接続される。即ち、ハウジングがアダプタにロックされ、ハウジングからスプリングを介して常に前方に向かって押されているフェルール31の端面が、接続相手の光ファイバコネクタのフェルールの端面に押し付けられる。これにより光ファイバ32の先端面が接続相手の光ファイバコネクタの光ファイバの先端面と接触し、光接続が完了する。
【0010】
接続状態ではフェルール31の先端から突き出している光ファイバ32の先端が後退し、フェルール31内部の空間31aでたわむことになるが、このたわみに起因して発生する光ファイバ32を前方に押し出す力によって、第1の従来例で実現されていない光ファイバ同士の密着を狙ったものである。
【0011】
しかし、本コネクタでも、光ファイバの劈開面の軸方向に対する垂直面からの角度ずれや、劈開面が完全に平坦ではないという問題を解消して光ファイバ同士を密着させるまでには至っておらず、依然として接続損失、反射損失が大きいという問題があった。
【0012】
図7は従来の光ファイバコネクタのさらに他の例(第3の従来例)の基本構造を示すもので、本コネクタは2つの光ファイバを片持ち梁状に把持する光ファイバ固定部材41と、マイクロホール42とからなる(特許文献2参照)。
【0013】
本コネクタは、それぞれその先端の被覆が所定量除去されて劈開され、さらにテーパ加工が施された2つの光ファイバ43,44がマイクロホール42に挿入され、その先端同士が突き当たり、先端から見て後方がたわんだ状態で、各光ファイバ43,44の被覆付部分を光ファイバ固定部材41に固定させることで完成する。フェルールを用いない点が特徴である。
【0014】
図8に示すように、光ファイバの劈開面は完全に平坦でなく、円周部にリップルが生じている。テーパ加工を施すことにより、このリップルを除去するとともに、光信号が通過するコア付近を残してその面積を小さくできるので、光ファイバ同士が密着した、いわゆるPC(Physical Contact)接続状態を実現し易くなり、低損失、低反射な光接続を実現できる。
【0015】
なお、図9に示すように、光ファイバ固定部材41を、2つの光ファイバをそれぞれ把持する2つの光コネクタプラグ45,46に分割することにより、着脱可能な光コネクタを実現することもできる。
【0016】
しかし、本コネクタでは、フェルールを用いない特殊な構造であり、従来の光ファイバコネクタと互換性がないということと、マイクロホールは被覆を除去した光ファイバの外径より若干大きい程度の穴であるため、非常に小さく、清掃が困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特許第2566590号公報(発明の名称:光コネクタ)
【特許文献2】特許第3210540号公報(発明の名称:光ファイバの接続方法)
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】”簡易型コネクター”、[online]、株式会社雄島試作研究所、[平成20年1月17日検索]、インターネット<URL:http://www.iijnet.or.jp/oshima/Jhome/optical/05.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
このように、従来は、組み立てが容易で、かつ通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を有し、さらに、従来の光ファイバコネクタと互換性があり、清掃が容易な光ファイバコネクタはなかった。
【0020】
そこで、本発明は、組み立てが容易で、かつ通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を有し、さらに、従来の光ファイバコネクタと互換性があり、清掃が容易な光ファイバコネクタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、このような目的を達成するために、フェルールと、フェルールを把持するフランジと、フランジの後端に連結された光ファイバ保持部とを備え、フランジはその内部に光ファイバがたわむ空間を備え、光ファイバ保持部は光ファイバの被覆付部分を弾性保持する構造を備えた光ファイバコネクタの製造方法であって、被覆が除去されて劈開され、テーパ加工された光ファイバを光ファイバ保持部の後端から挿入する工程と、前記光ファイバの先端がフェルールの先端に装着した突き出し調整治具に突き当たり、当該突き出し調整治具に設けられた窪みの深さに対応する量だけフェルールの先端より突き出した状態となり、かつ前記たわむ空間の内部でのたわみ長さより長いたわみ長さをもって前記光ファイバを光ファイバ保持部の後方でたわませた状態にする工程と、前記光ファイバの被覆付部分を光ファイバ保持部に弾性保持させる工程とを含む、ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法を提案する。
【発明の効果】
【0022】
本発明方法によれば、従来の光ファイバコネクタの後端に光ファイバ保持構造を備え、また、内部に光ファイバのたわみ空間を有し、光ファイバを劈開、テーパ加工した上で、フェルール先端からの突き出しを設定して固定する形態であることにより、組み立てが容易で、かつ劈開面のPC接続を実現できるので良好な光学特性を有する光ファイバコネクタを低コストで実現でき、さらに、従来の光ファイバコネクタと互換性があり、清掃が容易な光ファイバコネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】光ファイバコネクタの第1の従来例を示す構造図
【図2】第1の従来例の組み立て時の状態を示す説明図
【図3】第1の従来例の光ファイバ固定部の構造図
【図4】第1の従来例の接続時の状態を示す説明図
【図5】光ファイバコネクタの第2の従来例を示す構造図
【図6】第2の従来例で使用する突き当て治具の説明図
【図7】光ファイバコネクタの第3の従来例を示す構造図
【図8】光ファイバの劈開面の説明図
【図9】第3の従来例の別の例を示す構造図
【図10】本発明方法による光ファイバコネクタの一例を示す外観斜視図
【図11】本発明方法による光ファイバコネクタの一例を示す断面構造図
【図12】光ファイバ先端のテーパ加工方法の一例を示す説明図
【図13】本発明方法による光ファイバコネクタの接続時の状態を示す説明図
【図14】本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す説明図
【図15】本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す説明図
【図16】本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す説明図
【図17】本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す説明図
【図18】たわみ長さと座屈力の関係を示す説明図
【図19】光ファイバ突き出し量とたわみ量の関係を示す説明図
【図20】たわみ長に対して損失0.1dBを発生する突き出し量を示す説明図
【図21】光ファイバの端面径とPC荷重の関係を示す説明図
【図22】本発明方法による光ファイバコネクタの光学特性を示す説明図
【図23】本発明方法による光ファイバコネクタの温度サイクル試験時の挿入損失の変化を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
図10(a)(b)は本発明方法による光ファイバコネクタの一例、ここでは光ファイバコネクタの中でも市場で最もシェアの高いSCコネクタと互換性のある例の外観を示すもので、通常の光ファイバコネクタと異なる点は、後端にベース及び蓋からなる光ファイバ保持部を有し、これにコの字の開口側をやや幅狭にしたような断面を有するクランパが装着され、光ファイバを弾性保持している点である。また、図11は本発明方法による光ファイバコネクタの断面構造を示すものである。
【0025】
図10、図11において、51はフェルール、52はフランジ、53aは光ファイバ保持部ベース、53bは光ファイバ保持部蓋、54はクランパ、55はフレーム、56はフレームのつまみ、57はストップリング、58はスプリング、59は光ファイバである。
【0026】
フェルール51はジルコニアなどからなり、被覆が除去された光ファイバ59の外径とほぼ等しい内径の貫通孔をその中心部に有し、フランジ52に把持・固定されている。フランジ52は後方に伸び、光ファイバ保持部ベース53aと連結している。フランジ52はその内部にフェルール51の貫通孔と連通した、光ファイバ59がたわむ空間52aを備える。フレーム55とストップリング57とは留め部57aにより互いに固定されており、ストップリング57によって位置が規制されたスプリング58によりフランジ52を介してフェルール51が前方に向かって押されている。但し、フレーム55の鍔55aにより一定以上前進しないようになっている。つまみ56は手で持つ部分であり、本光ファイバコネクタをアダプタに対して挿抜する操作を補助する。
【0027】
光ファイバ59はガラス光ファイバを前提とし、光ファイバの被覆を除去したガラス部分の外径が125μm、被覆付部分の外径が250〜500μm程度の一般的な光ファイバ素線を適用する前提で以下説明する。光ファイバ59は図11に示すように、フェルール51の貫通孔の長さより若干長く被覆が除去(ここでは約10mm)され、その先端が劈開され、さらにテーパ加工されている。そして、フェルール51の端面より所定量突き出した状態で、光ファイバ保持部53に保持されている。
【0028】
光ファイバ保持部ベース53aはV溝を有し、このV溝内に光ファイバ59の被覆付部分を収容した状態で蓋53bをクランパ54によってベース53aに押し付け、光ファイバ59を弾性保持する。光ファイバの被覆を除去したガラス部分を保持するのではないので、光ファイバを傷つけて断線させることがない。
【0029】
なお、光ファイバの劈開は市販の光ファイバ劈開器で加工可能である。テーパ加工は図12に示すように、光ファイバ59の先端を研磨シート60などにたわませて押し付け、円軌道を描かせることにより、加工が可能である。非常に簡易な方法でテーパ加工が可能である。
【0030】
図13は本発明方法による光ファイバコネクタの接続時の状態を示すもので、同図(a)は光ファイバコネクタの断面、同図(b)は接続部分の要部を示す。
【0031】
接続は、同図(b)に示すように、2つの光ファイバコネクタのフェルール51がアダプタ20の整列部材(一般的にはスリーブと呼ばれている)21によって位置合わせされて対向し、フレーム55に形成された突起55bがアダプタ20の爪22でロックされ、フレーム55からストップリング57を介してスプリング58によりフランジ52とともに前方に向かって押されているフェルール51の端面が、接続相手の光ファイバコネクタのフェルールの端面に押し付けられることによって行われる。さらに、接続前にフェルール51の端面より突き出していた光ファイバ59が引き込み、フランジ52内部のたわみ空間52aで光ファイバ59がたわむ。この時のたわみに起因して発生する弾性復元力によって光ファイバ59が接続相手の光ファイバコネクタの光ファイバに押し付けられる。劈開面であっても、テーパ加工によって光ファイバ円周部のリップルが除去され、光信号が通過するコア付近を残して面積が小さくなっているので、光ファイバ同士がPC(Physical Contact)接続し、低損失、低反射な光接続を実現できる。
【0032】
図14乃至図17に本発明の光ファイバコネクタの製造方法に係る組み立て工程を示す。図14(a)(b)及び図15は光ファイバ挿入前の状態である。
【0033】
図14(a)はクランパ取り付け前の状態を示すもので、図14(b)に示すようにクランパ54は光ファイバ保持部ベース53aの溝53a’に装着される。クランパ54のコの字の内側の幅に対してベース53aの厚みが溝53a’では小さく、それ以外では大きくなっており、簡単に可動するが、外には外れないようになっている。また、光ファイバ保持部蓋53bは、ベース53aによって前後方向の移動が所定のクリアランス以内で制限され、つまみ56によって左右方向と上方への移動が所定のクリアランス以内で制限されている。本構造によれば、蓋がクランプされる前の初期状態でも光ファイバコネクタ本体から脱落しないように、ベースのみで蓋の移動を制限する構造とするよりも簡易な構造で実現できる。なお、光ファイバ保持部蓋53bも前記同様の溝53b’を備えている。
【0034】
これらの部品に対して図15に示すように、先端を劈開し、テーパ加工した光ファイバ59を後端から挿入すると、フェルール51の先端に装着した突き出し調整治具61に設けられた窪み61aの深さでフェルール51の端面からのファイバ突き出し量が設定される。その際、図16に示すように後端で光ファイバ59をたわませた状態にする。たわみが発生することにより、確実に光ファイバ59が突き出し調整治具61に突き当たっていることが確認できる。
【0035】
なお、このたわみ長さは、光ファイバコネクタ内部でのたわみ長さより長く設定されている。これにより光ファイバコネクタ内部でたわむことがない。内部でたわんだ状態で光ファイバを固定すると、突き出し調整治具61を外した後に所定量より多く光ファイバが突き出してしまう。後端のたわみを長くすることで、この現象を無くすことが可能となる。
【0036】
光ファイバの固定は図17に示すように、クランパ54を前進させることにより完了する。蓋53bとベース53a下部の厚みの和がクランパ54のコの字の内側の幅よりも大きくなっており、クランパ54のばね力が働き、蓋53bがベース53aに押し付けられ、固定が完了する。
【0037】
なお、クランパ54は後端にむかって舌状に伸びた形状をしており、前進させるときにはこの部分を押す。この部分を押し切り、光ファイバ保持部ベース53aの後端と一致した時に、クランパ54が蓋を最適に押す位置に到達するようになっている。これにより操作が容易でかつ正確となる。
【0038】
以上説明したように、本発明方法による光ファイバコネクタによれば、まず、構造的には、既存の光コネクタと互換性がある構造であり、また、これが、既存の光コネクタの部品を流用しつつ、光ファイバ保持部のみを新規に構成することにより低コストで構成可能である。
【0039】
また、光ファイバの切断方法としては、劈開の外に炭酸ガスレーザやエキシマレーザによる方法もある。これらのレーザは現在のところ大規模な装置であり、簡易な作業に適したものではないが、ガラスの溶融により滑らかな端面が短時間で形成可能であり、研磨と同様に適用可能である。
【0040】
また、ここでは光ファイバ劈開面のリップル除去のために、現在のところ最適な形成方法としてテーパ加工を採用しているが、円周部を除去できれば良く、レーザなどにより加工できれば採用可能である。
【0041】
また、光ファイバの先端の加工も従来と同じ劈開作業に加え、テーパ加工作業が増えるものの、その加工作業は非常に簡易であり、従来の光コネクタの研磨作業と比較すると十分簡易な作業を実現している。
【0042】
さらに、組み立てにおいても光ファイバを光ファイバコネクタに挿入し、突き出し調整治具によって、突き出し量を調整し、これをクランパの前進によって固定することができ、一連の作業が簡易である。加えて、光ファイバの劈開面を利用してPCを実現しているので、良好で従来の光ファイバコネクタと同等な光学特性が実現できる。
【0043】
また、クランパは前進すると、つまみ内部と光ファイバ保持部に沿って収納されるようになっており、本光コネクタの小型化を実現している。
【0044】
なお、フェルール、フレーム、つまみ等の部品を変更すれば、基本的には同じような構造で他の光コネクタ、例えばMU形光コネクタ、LC形光コネクタにも適用可能である。また、光ファイバの先端面がフェルールの端面から若干飛び出している程度なので、一般的に使用される光コネクタクリーナなどで、簡易に清掃することが可能である。
【0045】
次に、PC接続を確実に実現する特異な設計値について説明する。
【0046】
座屈力Pbは、たわみの長さLの二乗に反比例し、次式で表される(S. Timoshenko, "Strength of Materials, Part II, Advanced Theory and Problems, Third Edition," New York: D. Van Nostrand Company, Inc., 1956. 参照)。
【0047】
Pb=4π2EI/L2 (1)
ここで、Eは光ファイバの弾性定数、Iは断面二次モーメントであり、次式で表される。
【0048】
I=πd4/64 (2)
ここで、dは光ファイバの外径である。図18に、たわみ長さと座屈力の関係を図示する。例えば、たわみ長L=7mmの場合は座屈力Pb=0.7N、たわみ長L=8mmの場合は座屈力Pb=0.5Nとなる。
【0049】
突き出し量ΔLは座屈力に影響を与えず、たわみ量δを決定する。両者の関係は次式で表される(M. Kobayashi, T. Yoshida, S. Asakawa, S. Iwano, R. Nagase S. Sumida, S. Mitachi, "Injection-molded sigle-mode multiple optical fiber connector using buckling force of bare fiber," IEEE, J. Selected Topics in Quantum Electronics, Vol. 5, No. 5, pp. 1271-1277, 1999. 参照)。
【0050】
【数1】
ここで、「Elliptic()」は第2種完全楕円積分である。
【0051】
図19に光ファイバ突き出し量とたわみ量の関係を図示する。たわみ長L=7mmの場合、突き出し量ΔL=0.05mmのとき、たわみδ=0.3mm程度である。たわみ長L=8mmの場合、突き出し量ΔL=0.1mmのとき、たわみδ=0.5mm程度である。
【0052】
図20は曲げ損失が0.1dBとなる突き出し量ΔLをたわみ長Lに対して計算した結果である。たわみ長Lを小さくすると座屈力Pbを増やせるが、小さな突き出し量ΔLでも損失が大きく発生する。突き出し量ΔLの設定も小さいと困難になるので、その下限を0.04mmと設定すると、たわみ長Lの下限は約6mmとなる。
【0053】
一方、劈開面をPCさせるために必要な応力を実験的に測定した結果を図21に示す。端面垂直度(光ファイバの軸方向に対する垂直面からの端面(劈開面)のずれの角度)の異なる光ファイバ劈開面についてテーパ加工により端面径を変えた場合のPCに必要な荷重を測定した結果である。
【0054】
端面垂直度が小さいほど、端面径が小さいほど必要な荷重が少なくて済むが、通常の光ファイバ劈開器による光ファイバの劈開面の端面垂直度は最大1.5度程度となり、この劈開面においても確実にPCを実現するためには図中のハッチングの領域に端面径とPC荷重を設定する必要があることを見出した。
【0055】
端面径の下限は30μmであり、これはこの値より小さいとコアを伝播する通信光に影響を与える。この時、図より最小0.5Nの押圧力が必要であることを見出した。これはたわみ長L=8mmで達成できる。
【0056】
一方、最大の荷重は上述の曲げ損失が大きくならないためのたわみ長L=6mmによって決まる。従って、本例ではたわみ長L=8mmで端面径30μm,L=7mmで端面径30〜40μm、L=6mmで端面径30〜45μmに設定することにより一般的な光ファイバ劈開器で形成される光ファイバの劈開面の端面垂直度があれば、必ずPC接続を実現することができる。
【0057】
なお、ここまでは光ファイバ端面の形成作業を簡易に済ませるために光ファイバの劈開面を利用する形態で説明したが、光ファイバ端面を研磨した場合も適用可能である。この場合、テーパ加工と併用しても良いが、一般的に研磨面は球面をしており、コア部が突出しているので、テーパ面が無くてもPC接続を実現できる。この時の必要な押圧力は0.5N以下で劈開面と比較すると小さくて済む。
【0058】
本発明方法により作製した光コネクタを、SC光コネクタアダプタを介して通常のSC光コネクタプラグと接続した場合の光学特性を図22に示す。挿入損失と反射減衰量のヒストグラムである。挿入損失平均0.1dB、反射減衰量50dBであり、通常のSC光コネクタ並みの低損失、低反射を実現している。
【0059】
また、温度サイクル試験時の挿入損失の変化特性を調べた結果を図23に示す。広い温度範囲で安定した特性を示している。これは、光ファイバをたわませて光接続を実現していることにより、温度変化による光コネクタ部材の伸縮があっても、たわみ部分がこれを吸収する効果があるためである。
【0060】
以上説明したように、本発明方法によれば、組み立てが容易で、かつ、通常の光ファイバコネクタ並みの光学特性を実現し、また、従来の光コネクタと互換性があり、清掃が容易な光ファイバコネクタを提供することができる。
【0061】
なお、第1の従来例と比較すると、光ファイバ先端のテーパ加工と、コネクタ内部へのたわみ空間の設置と、光ファイバ先端をフェルールから突き出して固定することにより、相手コネクタとの接続時にPC接続が実現でき、良好な光学特性を実現している。また、光ファイバ保持部は、クランプの前後方向の移動で把持を実現することにより、小型が構造を実現している。
【0062】
第2の従来例と比較すると、光ファイバ先端のテーパ加工によりPC接続を実現している。また、第2の従来例ではフェルール内部にたわみ空間を構成しているが、本発明ではフェルールを把持するフランジに設けることにより、既成のジルコニアフェルールを使用することが可能で、より低コストで部材を構成できる。また、第2の従来例では光ファイバを接着固定しているのに対して、クランプで固定することが可能で、組み立てが容易である。また、第2の従来例では光ファイバの被覆を除去したガラス部分をたわませるのに対して、本発明では光ファイバの被覆付部分をたわませるため、破断し難い。
【0063】
第3の従来例と比較すると、従来の光コネクタとの互換性があり、また、第3の従来例ではマイクロホールで光ファイバを直接調心しているため、マイクロホールの内径が小さく、清掃が容易でないのに対して、本発明では光ファイバの先端がフェルール先端から出ているので、清掃が容易である利点がある。
【符号の説明】
【0064】
51:フェルール、52:フランジ、52a:たわみ空間、53:光ファイバ保持部、53a:光ファイバ保持部ベース、53b:光ファイバ保持部蓋、54:クランパ、55:フレーム、56:フレームのつまみ、57:ストップリング、58:スプリング、59:光ファイバ、60:研磨シート、61:突き出し調整治具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェルールと、フェルールを把持するフランジと、フランジの後端に連結された光ファイバ保持部と、被覆が除去されて劈開され、テーパ加工された光ファイバとを備え、フランジはその内部に光ファイバがたわむ空間を備え、光ファイバ保持部は光ファイバの被覆付部分を弾性保持する構造を備えた光ファイバコネクタの製造方法であって、
前記光ファイバを光ファイバ保持部の後端から挿入する工程と、
前記光ファイバの先端がフェルールの先端に装着した突き出し調整治具に突き当たり、当該突き出し調整治具に設けられた窪みの深さに対応する量だけフェルールの先端より突き出した状態となり、かつ前記たわむ空間の内部でのたわみ長さより長いたわみ長さをもって前記光ファイバを光ファイバ保持部の後方でたわませた状態にする工程と、
前記光ファイバの被覆付部分を光ファイバ保持部に弾性保持させる工程とを含む、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバコネクタの製造方法において、
光ファイバがたわむ部位では被覆が除去されていない、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光ファイバコネクタの製造方法において、
光ファイバ保持部はV溝を有するベース及び蓋からなり、
蓋はベースと当該光ファイバ保持部の一部を覆う如く形成されたフレームのつまみとの間に配置され、その移動をベースとフレームのつまみによって制限する、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバコネクタの製造方法において、
光ファイバ保持部はV溝を有するベース及び蓋からなり、
断面略コの字形のクランパを前後に移動することにより蓋をベースに固定する構造を有する、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の光ファイバコネクタの製造方法において、
光ファイバが、その弾性定数が71.2GPa、外径が0.125mm、コア径が30μm以下の通信用シングルモード光ファイバである場合、
たわみ長さが8mmでテーパ加工された前記光ファイバの先端の端面径が30μmである、
あるいは、
たわみ長さが7mmでテーパ加工された前記光ファイバの先端の端面径が30μm〜40μmである、
あるいは、
たわみ長さが6mmでテーパ加工された前記光ファイバの先端の端面径が30μm〜45μmである、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項1】
フェルールと、フェルールを把持するフランジと、フランジの後端に連結された光ファイバ保持部と、被覆が除去されて劈開され、テーパ加工された光ファイバとを備え、フランジはその内部に光ファイバがたわむ空間を備え、光ファイバ保持部は光ファイバの被覆付部分を弾性保持する構造を備えた光ファイバコネクタの製造方法であって、
前記光ファイバを光ファイバ保持部の後端から挿入する工程と、
前記光ファイバの先端がフェルールの先端に装着した突き出し調整治具に突き当たり、当該突き出し調整治具に設けられた窪みの深さに対応する量だけフェルールの先端より突き出した状態となり、かつ前記たわむ空間の内部でのたわみ長さより長いたわみ長さをもって前記光ファイバを光ファイバ保持部の後方でたわませた状態にする工程と、
前記光ファイバの被覆付部分を光ファイバ保持部に弾性保持させる工程とを含む、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバコネクタの製造方法において、
光ファイバがたわむ部位では被覆が除去されていない、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光ファイバコネクタの製造方法において、
光ファイバ保持部はV溝を有するベース及び蓋からなり、
蓋はベースと当該光ファイバ保持部の一部を覆う如く形成されたフレームのつまみとの間に配置され、その移動をベースとフレームのつまみによって制限する、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバコネクタの製造方法において、
光ファイバ保持部はV溝を有するベース及び蓋からなり、
断面略コの字形のクランパを前後に移動することにより蓋をベースに固定する構造を有する、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の光ファイバコネクタの製造方法において、
光ファイバが、その弾性定数が71.2GPa、外径が0.125mm、コア径が30μm以下の通信用シングルモード光ファイバである場合、
たわみ長さが8mmでテーパ加工された前記光ファイバの先端の端面径が30μmである、
あるいは、
たわみ長さが7mmでテーパ加工された前記光ファイバの先端の端面径が30μm〜40μmである、
あるいは、
たわみ長さが6mmでテーパ加工された前記光ファイバの先端の端面径が30μm〜45μmである、
ことを特徴とする光ファイバコネクタの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−145966(P2012−145966A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105813(P2012−105813)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2008−34517(P2008−34517)の分割
【原出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000102739)エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 (265)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2008−34517(P2008−34517)の分割
【原出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000102739)エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 (265)
【Fターム(参考)】
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