光ファイバ位置合わせ装置及び方法
(i)光参照ビーム(10)が光ファイバ(12)の第1の端部から出力されるように光ファイバ(12)の第2の端部に光を結合するステップと、(ii)第1の光ビーム(18)の少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビーム(10)の対応するビームパラメータに整合させるステップとを含む、第1の光ビーム(18)を光ファイバ(12)の第1の端部に結合する方法が記載される。ステップ(ii)は、波面センサ(2)を用いて実施することができる。対応する装置も付加的に記載される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビーム操作システムに関し、より具体的には、光ファイバを高出力レーザに対して位置合わせする装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高出力レーザシステムの開発は、フォトニック結晶ファイバなどの小型コア光ファイバに高出力レーザ光を結合する(couple high power laser light into small core optical fibers)ことができる要件をもたらした。高出力レーザ光が光ファイバの中心コアを外れてファイバのクラッドに入射するようになる場合、対処できない損傷の原因となる恐れがある。通常、公知の結合システムは、高出力レーザビームに対してファイバの位置合わせを最適化するための手動マイクロメータ調整手段を有する集束光学系を含む。カメラを用いて光ビームが注入されるファイバの端部を見る技法も知られており、例えば欧州特許EP432912号を参照されたい。しかしながら、かかる従来技術は、時間がかかり、熟練の専門家を必要とすることが多く、極めて信頼性が低い可能性がある。
【0003】
全く無関係な技術領域においても波面センサは公知である。かかるセンサはこれまで、光学面の形状を特徴付けるのに用いられてきた。以下の出版物により、種々の波面センサの詳細が得られる。
(a)Woods,S.,Greenaway,A.H.の「Wave−front sensing by use of a Green’s function solution to the intensity transport equation(強度輸送方程式に対してグリーン関数の解を用いることによる波面感知)」J.Opt.Soc.Am.A,20(3)508−512(2003年)。
(b)Burnett,J.G.,Woods,S.,Turner,A.,Scott,A.M.の「Wavefront measurement over an extended horizontal path using a wavefront curvature sensor(波面曲率センサを用いる延長水平路にわたる波面計測)」2003年10月ドイツ、ミュエンスターにおける第4回工業及び医薬のための適応光学に関する国際ワークショップの会報に掲載。
(c)Scott,A.M.,Woods,S.の「Single shot measurement of the laser beam quality parameter M2 using IMP gratings(IMP格子を用いてレーザビーム品質パラメータM2の単発計測)」2002年1月22から23日サンホセにおけるSPIE議事録4629レーザ共鳴装置及びビーム制御V、Alexis V.Kudryashov(編集)。
(d)Blanchard,P.M.,Fisher,D.J.,Woods,S.,Greenaway,A.H.の「Phase−diversity wave−front sensing with a distorted diffraction grating(歪んだ回折格子を用いる位相ダイバーシティ波面感知)」応用光学39(35)6649−6655(2000年)。
(e)Blanchard P.M.,Greenaway A.H.の「Broadband simultaneous multiplane imaging(広帯域同時多面イメージング)」光学通信183、29−36(2000年)。
(f)Blanchard,P.M.,Greenaway,A.H.の「Simultaneous multiplane imaging with a distorted diffraction grating(歪んだ回折格子を用いる同時多面イメージング)」応用光学38(32)6692−6699(1999年)。
(g)Blanchard P.M.,Burnett J.G.,Erry G.R.,Fisher D.J.,Greenaway A.H.,Harrison P.,Woods S.の「Measurements of low−level atmospheric turbulence(低レベル大気乱流の計測)」1999年SPIE3866議事録135−142の大気伝搬における光学系及び適応システムIII、A Kohnle、J D Gonglewski(編集)。
(h)Blanchard P.M.,Burnett J.G.,Erry G.R.G.,Greenaway A.H.,Harrison P.,Harvey A.,Woods S.の「Optical propagation through low−level turbulence(低レベル乱流を通る光伝播)」1998年SPIE3494議事録104−110の大気伝搬、適応システム及び遠隔感知のためのライダー法II、A D Devir、A Kohle、U Schreiber、C Werner(編集)。
(i)国際特許出願番号WO99/46768号。
【0004】
【特許文献1】国際特許出願番号WO99/46768号公報
【特許文献2】欧州特許EP432912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、レーザビームを光ファイバに結合する装置及び方法の改善を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合する方法は、(i)光参照ビームが光ファイバの第1の端部から出力されるように光ファイバの第2の端部に光を結合するステップと、(ii)第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップとを含む。
【0007】
従って本発明は、参照光源(例えば低出力レーザ)から光ファイバに沿って反対方向に第1の光ビームに向かって光を通すこと含む。光ファイバを通過後、光ファイバの第1の端部から出力される参照ビームは、第1の光ビームの最適形状に共役のビーム形状を有する。すなわち、光ファイバの第1の端部から出力される光参照ビームの特性は、第1の光ビームの理想特性の指標をもたらし、すなわち、第1の光ビームの光ファイバへの結合効率を最大にするのに必要とされる特性である。従って、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを参照ビームの対応するビームパラメータに整合させることは、レーザビームを光ファイバに結合することができる光学的効率を増大させる好都合な方法を提供することが分かる。
【0008】
光が光ファイバの第2の端部に結合される効率は、ファイバへの結合にわずかな低出力レーザしか必要としないので、重要でない点に留意されたい。しかしながら、光参照ビームを形成する光の大部分は、光ファイバのコアに沿って伝播し、ファイバコアに結合していないあらゆる光は、ファイバの第1の端部に到達する前に損失することが好ましい。ファイバクラッド内での光伝播に関連する損失は、例えば光ファイバの湾曲によって場合によっては増大する可能性がある。
【0009】
有利には、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、ビーム特性センサを用いて光参照ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測するステップを含む。
【0010】
好ましくは、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、ビーム特性センサを用いて第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測するステップを含む。
好都合には、共通のビーム特性センサが用いられ、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータと光参照ビームの少なくとも1つビームパラメータとが計測される。
【0011】
ビーム特性センサを用いるステップは、波面センサを用いるステップを含むことができる。波面センサは、傾斜角度、位置ずれ及びビーム曲率などの多くの波面特性に関する正確な情報をもたらすことができるので有利である。波面センサはまた、ビームウェスト情報をもたらすのに用いることができる。或いは、光ファイバに対する第1の光ビームの正確ではない位置合わせが求められる場合、センサは標準的な2次元イメージングアレイを含むことができる。幾つかの好適な波面センサを上記で説明し、こうしたセンサを記載する出版物への種々の参照を上記で掲載した。上述の参考文献の内容は、本引用により本明細書に組み込まれる。良く知られたシャック・ハルトマン波面センサなどの他の波面センサも用いることができる。
【0012】
第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームの先端/傾斜を光参照ビームの先端/傾斜に整合させるステップを含むことができる。ビームの先端/傾斜とは、当業者にはよく知られた用語である。簡単に言えば、第1の光ビームは、参照ビームが光ファイバの第1の端部から離れる方向に伝播するのと同じ角度から光ファイバの第1の端部に入射するように配置される。
【0013】
第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームを参照ビームに対して横方向に位置合わせするステップを含むことができる。従って、第1の光ビームは、参照ビームと同じ位置で光ファイバの第1の端部を含む平面と交差するように配置される。
【0014】
第1の光ビームを参照ビームに対して横方向に位置合わせするステップは、有利には、第1の光ビームに対して光ファイバの第1の端部を横方向に変位させることを含む。光ファイバの第1の端部を第1の光ビームに対して移動させることは、光ファイバの第1の端部に対する第1の光ビームの横方向変位を変更する好都合な方法を提供する。或いは、第1の光ビームをもたらすレーザ源は、光ファイバの第1の端部に対して調整することができる。
【0015】
有利には、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームの焦点を参照ビームの焦点に整合させるステップを含む。すなわち、第1の光ビームは、参照ビームと実質的に同一面内に焦点を有するように配置される。
【0016】
更に、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームのビーム曲率を参照ビームのビーム曲率に整合させるステップを含むことができる。「ビーム曲率」は、レーザの当業者にはよく知られた用語である。この場合、光ファイバの第1の端部上への第1の光ビームの集束角度は、光ファイバを出る参照ビームの発散角度に整合することになる。
【0017】
好都合には、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームのビームウェストを光参照ビームのビームウェストに整合させるステップを含む。ビームウェスト、すなわち2ω0は、レーザビームのよく知られた特性である。通常、必要とされるビームウェストは、光ファイバコアの直径の70%程度となる。
【0018】
本発明の方法は、第1の光ビームの先端/傾斜、横方向位置合わせ、焦点、ビーム曲率、又はビームウェストのいずれか1つ又はそれ以上を光参照ビームに整合させることを含むことができる。しかしながら、特定の光学系における特定のビームパラメータを正確に整合させることがどのように重大であるかに対しては、様々な要因(例えばファイバコア直径)が影響を及ぼすことになる。従って当業者であれば、第1の光ビームの1つ又は複数のビームパラメータのどれを光学装置の精密設計に基づいて光参照ビームのパラメータに整合させる必要があるかを選択する。
【0019】
波面センサから収集されるデータを分析するためにコンピュータプログラムも設けられる。更に、コンピュータプログラムは、光学系の様々な構成要素を制御するように配置することができ、これによって第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップを実装することができる。例えば、コンピュータプログラムは、波面センサによってもたらされるデータを分析することができ、データは光参照ビーム及び第1の光ビームのビーム特性に関連する。次いで、光ファイバの第1の端部の位置は、第1の光ビームと相対的に移動され、参照ビーム及び第1の光ビームの横方向の位置ずれを最小限にすることができる。
【0020】
位置合わせ方法を用いることができると同時に、第1の光ビームは光ファイバを通って送信され、及び/又は本方法は、第1の光ビームの起動前に用いることができる。すなわち、位置合わせ方法は、装置の較正中(例えば光学構成要素の初期位置合わせ中)、定期的(例えばシステム起動時)、及び/又は連続的(例えば使用中の結合効率を連続的に最大にするように)に用いることができる。
【0021】
ステップ(ii)は2つの段階、例えば光参照ビームのビームパラメータを計測するステップ(a)と、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを調整するステップ(b)とで実行することができる。特定の状況では、ステップ(a)と(b)を実施する間に遅延が存在することもある。例えば、光参照ビームのビームパラメータは、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータの最適化における次に使用するために計測し記憶することができる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合する光学装置が提供され、本装置は、光ファイバの第1の端部から光参照ビームが出力されるように光ファイバの第2の端部に光を結合する手段を含み、ビーム第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるために整合手段が設けられることを特徴とする。
【0023】
好ましくは、ビーム整合手段は、波面センサなどのビーム特性センサを含む。波面センサは、歪み格子、レンズ及び検出器アレイの少なくとも1つを含むことができる。加えて、装置は更に、参照ビーム及びある割合の第1の光ビームをビーム特性センサに配向するように配置されたリレー光学系を含むことができる。有利には、リレー光学系は、ビームスプリッタ及び逆反射体を含むことができる。この構成によって、わずかな割合の第1の光ビームをセンサに配向することができると共に、ビーム出力の大部分は、光ファイバの第1の端部に配向される。
【0024】
好都合には、光ファイバはフォトニック結晶ファイバとすることができる。しかしながら本発明は、あらゆるタイプの光ファイバを位置合わせするのに用いることができる点に留意されたい。
本発明の別の態様によれば、光学装置は、第1の光ビームを生成する1次レーザ源と光ファイバの第1の端部を第1の光ビームに位置合わせする位置合わせ手段とを含み、位置合わせ手段は少なくとも1つの波面センサを含むことを特徴とする。
【0025】
従って、位置合わせ手段が波面センサを用いて第1の光ビームを光ファイバに位置合わせするように配置された光学装置が提供される。波面センサは、第1の光ビームの波面形状の計測値をもたらし、かかるビーム形状データは、レーザ源によって生成される第1の光ビームへの光ファイバのコアの位置合わせを助けるのに用いることができる。すなわち、第1の光ビームの固有性は、第1の光ビームを光ファイバに位置合わせするときに計測され用いられる。このタイプの装置によって、従来技術の手動による調整手法よりも遙かに高精度で光ファイバのコアに光ビームを位置合わせすることができる。
【0026】
好都合には、装置は更に光ファイバを含み、位置合わせ手段は前記光ファイバの第1の端部を光ビームに対して位置合わせするように配置される。
好ましくは、位置合わせ手段は更に、光参照ビームを出力するための第2のレーザ源を含み、使用中、前記参照ビームは、光ファイバの第2の端部に光学的に結合される。かかる場合において、参照ビームが光ファイバの第1の端部から出力されるときに波面センサが参照ビームを受信するように配置されるよう装置を配置することができる。
【0027】
このようにして、光ファイバの第1の端部から出力される参照ビームの形状及び/又は1次光ビームの形状は、必要に応じて波面センサによって計測することができる。すなわち、装置によって、第1の光ビーム及び参照ビームの一方又は双方を波面センサに送ることができる。上述のように、第1の光ビーム及び参照ビームは、ビームスプリッタ装置を介して波面センサを通ることができる。これによって参照ビーム及び第1の光ビームは、同一の波面感知手段上にあることができる。第1の光ビーム及び参照ビームの粗位置合わせは、ゼロ次モードの重複を確保することによってもたらすことができる。
【0028】
第1の光ビーム及び光参照ビームを別個に検出するためには、単一の波面センサが好ましいが、別個の波面センサを備えてもよい点に留意されたい。
有利には、位置合わせ手段は、第1の光ビームに対する光ファイバの第1の端部の位置を変更して参照ビームと第1の光ビームとを重ね合わせるように配置される。例えば位置合わせ手段は、光ファイバの第1の端部の位置を第1の光ビームに対して平行移動するための平行移動ステージを含むことができる。
【0029】
位置合わせ手段はまた、第1の光ビームの光軸に対する光ファイバの第1の端部の角度合わせを変更する(例えば先端/傾斜を整合させるように)可動ステージを含むことができる。可動ステージはまた、第1の光ビームに対する光ファイバの第1の端部の位置を平行移動するように配置することができる。
【0030】
加えて、ビーム形成手段(例えばビーム形成光学系)は更に、第1の光ビームのビーム形状を変更するために付加的に設けることができる。すなわち、第1の光ビームの形状を変更するための手段が設けられる。第1の光ビームの形状の変更(例えばビームウェスト又は曲率の変化)は更に、光が第1の光ファイバに結合することができる効率を改善する。
好都合には、第1のレーザ源は高出力レーザ源である。かかる高出力源の位置ずれを防ぐことにより、光ファイバに対する損傷が阻止される。
【0031】
レーザ源、レーザ源によって出力される第1の光ビームを受信するように配置された第1の端部を有する光ファイバ、及び前記第1の光ビームの波面の形状を光ファイバの第1の端部の位置で変更するビーム調整手段を含む光学装置であって、装置が更に、第1の光ビームの波面の形状を計測する少なくとも1つの波面センサを含むことを特徴とする装置が記載される。
【0032】
第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合するように配置された1次レーザ源を含む光学系を位置合わせするための装置も記載される。装置は、前記光学系に取り付けられたときに、第1の光ビームのビーム特性を計測することができる波面センサを備える。
【0033】
すなわち、前記光学系に取り付けられ1次レーザ源のビーム特性を計測する波面センサを含む装置を用いて位置合わせされた光学系を提供することができる。位置合わせ後、装置は光学系から取り外すことができる。
【0034】
好都合には、光学系は、光参照ビームが光ファイバの第2の端部から出力されるように放射線を光ファイバの第2の端部に供給するように配置され、ここで波面センサは、前記光学系に取り付けられると、光参照ビームのビーム特性を計測することができる。このようにして、光参照ビームのビームパラメータは、上述の方法で第1の光ビームのビームパラメータと比較することができる。
【0035】
更に、波面センサ、ビームスプリッタ、及び逆反射体を備えた波面感知装置が記載され、ここで装置は、2つの光ビームを同時に波面センサに配向することができるように配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
ここで例証として添付図面を参照しながら本発明を説明する。
【0037】
図1を参照すると、本発明の光学装置が示されている。本装置は、上記の種々の出版物において既述されたタイプの波面曲率センサ又はカメラ2を含む。
波面カメラ2は、検出器アレイ4、従来のレンズ6及び軸外フレネルレンズとして作用する歪んだ位相格子8を含む。或いは、焦点距離の異なる2つの直交格子をレンズ6及び格子8の代わりに用いることができる。
【0038】
波面カメラ2は、入射ビームの直径及び曲率を計測することができる。前述の形式の処理を用いると、波面センサ2は、9つの面でビームの直径を同時に計測することが可能であり、これによって入射ビームのガウスビームパラメータを即座に求めることができる。
【0039】
カメラ2へ入射する光は、最初に軸外フレネル帯プレート(すなわち歪み格子8)によって回折される。格子8は、位相格子の深さに応じた効率で光を−1、0、及び+1の次数に回折する。0次光は変更されずに通過するが、+1及び−1次はそれぞれの焦点距離+fg及び−fgに対応した集束を生じる。回折光は更に、カメラの従来レンズ6によって集束され、従来レンズ6の焦点面で検出器アレイ4上に配光される。
【0040】
コリメートビームがカメラ2上に配向されると、3つの回折次数は各々、異なる焦点距離に対応した画像を生成し、カメラの焦点面上の画像は0次のウェストの画像に対応し、焦点外れの画像はそれぞれ+1及び−1次に相当する。3つの画像の直径を計測することによって、ビームウェストの位置及び直径の推定並びにビーム発散度の推定を導出することが可能である。
【0041】
異なる有効焦点距離の2つの格子を従来レンズの前で互いに直交して配置することによって、別の概念を取り入れることができる。この場合、9つの異なる面でビームの画像に対応した3×3のアレイの画像を生成することができる。これらの9つの画像を用いて、焦点直径、位置、及びビーム発散度を正確に計測することができ、M2の計測値が得られる。当業者には公知であるように、M2はビームの品質の尺度をもたらす。
【0042】
代替的に歪み格子と従来型カメラの組合せは、波面曲率センサとして用いることができることを留意されたい。これは、記録されたデータを処理する異なる方法を含む。2つの異なる次数を2つの別個の面で入射ビームの画像に関連付けることができ、これら2つの画像を処理して波面曲率を求めることができることが示されている。このようなデータを処理し、グリーン関数アルゴリズムを用いて2つの画像を記録することができ、この2つの画像から40×40空間アレイ全体の波面の形状を求めることができることは上記で示された(例えば上記に記載されたWoods及びGreenawayの出版物を参照)。次いで、波面をゼルニケ(Zernike)モードに関して分析し、歪み度を求め、非点収差、球面収差、及びコマ収差などの特徴を識別することができる。
【0043】
上記の波面曲率センサは、これまでは光学面の形状を計測するのに用いられていた。これは、計測されることになる反射面上にコリメートビームを照らし、反射光の波面の形状を計測することによって実施された。
【0044】
使用中、本発明の装置は、低出力参照ビーム10がビームスプリッタ14及びレンズ16を介して光ファイバ12の出力端部に配向されるようにする。参照ビーム10の光ファイバ12に対する位置合わせは、高出力入力端部における波面センサからの計測ができる程十分な出力がファイバに結合されている限り、重要とされる必要はない。
【0045】
レーザ源20は、レンズ22及びアパーチャ24を通って第2のビームスプリッタ26に通る高出力レーザビーム18を提供する。第2のビームスプリッタ26は、高出力レーザビームのほとんどをレンズ28を介してファイバ12の入力端部に向けて配向する。光ファイバ12の入力端部は、X−Y−Zエンコーダフィードバックステージ30上に取り付けられる。
【0046】
わずかな比率の高出力ビーム18は、第2のビームスプリッタ26を用いて取り出され、レンズ27及びミラー29を介して反射され波面センサ2まで戻される。リレー光学系(すなわちレンズ22、29など)は、高出力レーザビームのアパーチャ(瞳孔面)が歪んだ回折格子上に確実にリレー結像されるようにする。高出力レーザビーム18及び参照ビーム10の波面特性(先端、傾斜、焦点外れ)は、波面センサ2によって計測され、この2つが比較される。X−Y−Zエンコーダフィードバックステージ30を調整することによる光ファイバ12の入力端部の移動は、波面センサ2における参照ビームの特性を変更するのに用いられる。X−Y−Zエンコーダフィードバックステージ30は、参照ビーム及び高出力ビームが位置合わせされるまで、すなわち高出力ビームが参照ビームと整合するまで移動される。このような調整を行う方法を以下でより詳細に説明する。
【0047】
すなわち、本発明の装置は、参照ビームが最適には位置合わせされてないが、「入力」端部から出現するときに分析するのには十分な電力を有した状態で、該参照ビームを「出力」端部からファイバに配向する概念を利用する。光は、ファイバに結合されることになるビーム上に生成することを意図する正確なガウスビームパラメータを具備して入力端部から出現することになる。波面センサを用いると、出現ビームの位置(横方向及び長手方向の双方)及び直径を求めることができる。ビームスプリッタ及び別個の光学経路を用いて、波面センサが光学的位置合わせを変更することなく実際の入力ビームのパラメータを求めることができる。従って、入力ビームが出現する参照ビームのパラメータに整合するまで入力ビームを調整するようにセンサを用いることができ、この点において入力ビームはファイバによく整合する。
【0048】
本明細書で説明される特定のシステムは、波面センサを用いて出現する波面の曲率及び先端傾斜のみを計測する点に留意されたい。これによってファイバの長手方向及び横方向位置を調整し、目的の入力ビームを確実に最大効率で結合することができる。詳細には、ビームウェストの直径は求められていないので、記載のシステムは完全なモード整合は提供しない。しかしながら、波面センサはかかる計測を実施するように容易に構成することができ、目的の入力ビームの集束光学系を修正することによっても完全なモード整合が得られるシステムを提供することができる。
【0049】
コンピュータ32は、波面センサ2によって収集される計測値に応じてX−Y−Zエンコーダフィードバックステージ30を制御するために設けられている。コンピュータは、幾つかのステップで位置合わせ処理を行う制御ソフトウェアを実行する。
【0050】
最初に、粗位置合わせステップを行う。このステップによって2つのビーム(すなわち高出力ビームと参照ビーム)の様々な特性を、波面を比較する前に計測することができる。このステップは、参照及び高出力ビームの0次の位置を求めることを含む。次いで、単純平行移動を実行し、参照ビームと高出力ビームを重ね合わせる。すなわち、ステージ30は、0次の高出力及び参照ビームを波面センサの同一場所に配置するよう調整される。
【0051】
第2に、参照ビームは遮断され、高出力レーザビームから波面計測が算出される。この計測からの先端及び傾斜結果を用いて、他のあらゆる計測が高出力波面に対するものであるようにシステムをゼロ調整する。このステップの焦点外れ計測は、発散高出力ビームが集束参照ビームに等しいので、反対の方向で整合させる必要がある点に留意されたい。
【0052】
第3に、高出力ビームが遮断され、参照ビームが有効にされる。高出力レーザビームの特性とは異なる参照波面から計測される。波面特性先端及び傾斜の計測は、ファイバ端部のX−Y軸における正確な平行移動が得られることを意味する。同様に、焦点外れ計測は、ファイバ端部をZ軸で平行移動させて、必要とされる(すなわち反対の)焦点を与えることができる。
【0053】
ここで図2から図5を参照すると、典型的な位置合わせ処理が示されている。上述のように、位置合わせ処理は、粗位置合わせと、その後の波面計測及び補正とからなる。
【0054】
図2は、本発明の装置の制御ソフトウェアからキャプチャされたフレームを示す。参照ビーム及び高出力ビームの0次ビームが特定され、2つのビームの位置の差が算出される。参照ビームの角度のずれは、+/−1次の軸外強度を引き起こす点に留意されたい。次いで、算出された差分値は空間差分に変換され、平行移動ステージが始動され、2つのビームは重なり合うように光ファイバの端部を移動させる。
【0055】
図3は、2つの次数の粗位置合わせを示す。この実施例で用いられる2つのビームは同一のHeNeレーザ源から結合されたので、粗位置合わせは次数の干渉を生じている点に留意されたい。いずれの場合でも、2つのビームは同時には分析されないので、干渉の影響はいずれの計測値にも影響することはない。
【0056】
次いで、参照ビームが遮断され、波面計測が高出力レーザビームだけについて行われる。図4は、ビームの先端/傾斜及び焦点外れ特性が算出される高出力ビームの画像を示している。先端又は傾斜として現れることができるコマ収差などの他のモードも計測され、同時に全体ビーム品質計測を得ることができる。次いでソフトウェがリセットされ、高出力ビームに関連する先端/傾斜値がゼロにされる。
【0057】
最後に、高出力ビームが遮断される。次いで、参照ビーム特性が計測されると同時に、フィードバックループが光ファイバの端部の位置合わせを変化させ、該位置合わせが高出力の位置合わせに整合するようにする。高出力ビームの先端/傾斜値はゼロにされたので、フィードバックループはゼロ系として動作する。すなわち、参照ビームの波面特性は、光ファイバの端部を移動させることによって変更され、高出力レーザビームの特性に整合するようにする。焦点外れの場合には、集束高出力ビームは発散参照ビームとなる必要がある点に留意されたい。
【0058】
図5は、整合した参照ビームを示し、これは、先端/傾斜が最小(すなわち高出力ビームの先端/傾斜に等しい)で、焦点外れ(この場合ゼロ)が反対方向であるように位置合わせされている。
図6及び図7を参照すると、図1から図5を参照して上述された位置合わせ技法の有効性を評価する方法が概略的に述べられている。
【0059】
本方法は、光ファイバの入力端部が組みレンズの焦点の周囲で3次元スキャンされるときに、高出力ビームがどのように効率的に光ファイバに結合されるかに関する計測を含む。入力端部が高出力ビームのウェストを通ってスキャンされるときに、ファイバの出力端部の強度は変化する。最良の結合は最大の出力強度をもたらすものとする。最も高い強度の座標及びWFS位置合わせを比較することによって、システムの有効性を確認することができる。
【0060】
図6は、迅速な高分解能強度分布を得るように小さなボリューム(0.16mm寸法)にわたる例示的なスキャンを示している。スキャンの各点に位置する光ダイオードを用いてファイバの出力端部における強度を計測した。スキャンは、波面センサ技法によって予め位置合わせされているファイバ端部を中心とした。(0,0)の位置は、波面センサを用いてファイバを位置合わせさせることから出力端部における強度に対応する。得られた最高強度は、原点から+0.0130mm、+0.0270mmに配置される4095AU(任意単位)であった。相対的に、位置(0,0)における強度は2832AUであった。
【0061】
図7は、Z=0において図6に示されるデータのX−Y面を通る強度の断面図を示す。最高強度(4095AU)は、クロス70で示され、(0,0)位置(2832AU)からわずかにオフセットしているのが分かる。
【0062】
ファイバ自体の結合効率は、該結合効率に影響を及ぼす多くの要因が設計に存在するので、調査していない点に留意されたい。入射ビームのプロファイルはファイバに整合したモードではなく、処理は、ファイバ端部が示す方向を考慮するように最適化されていなかった。参照ビームの方向の位置ずれは、波面センサシステムのフィードバックシステムに用いられる非線形補正係数を生じさせることになる。現在のソフトウェアでは、観測される様々なモード(先端、傾斜、焦点外れ)のどのようなクロストーク作用又はどのような非線形性も考慮していない。
【0063】
種々の近似があるにも拘わらず、波面センサは、ファイバから入来する参照ビームの焦点ウェストの位置を計測するのに用いることができ、これを用いて参照ビームをファイバと位置合わせさせることができる。このような技法によって、約30ミクロン以下の精度で位置合わせを行うことが可能となる。かかる位置合わせ技法は、ファイバを入力ビームと半自動的に位置合わせすることが可能な単純な制御システムへの統合に好適となる。
【0064】
図8を参照すると、光ファイバ端部の角度合わせの効果が示されている。図8aは、ファイバの軸外指示における1次の強度分布を示す。図8bは、ファイバの軸上指示を与えるように中心強度が中央に向かってどのようにシフトされたかを示している。
【0065】
格子カメラシステムが波面センサとして用いられる(すなわちグリーン関数手法を利用する)場合、波面センサは、波面の曲率及び撮像面におけるファイバの角度も計測することができる。効率的な結合を得るようにファイバを位置合わせするために、ビームがファイバに入る角度が重要である。劈開が平坦であれば、結合レーザはファイバの軸に沿ってファイバに出入りすることになる。歪み格子の2次作用を利用すると、参照ビームのファイバからの方向を推測することができる。
【0066】
波面センサにおいて焦点外れした1次のビームは、ファイバの角度が変化するときに周囲の強度のシフトを示す。参照ビームが位置合わせされたので、最高強度は+/−1次の中央にあった。
図1を参照しながら例示的な光学配置を説明したが、当業者であれば、本発明を実施するのに用いることができる多くのタイプの異なる光学構成を理解するであろう。
図9を参照すると、別の光学配置が示されている。図1に示される構成要素と同等の図9に示される構成要素は、同じ参照符号が割り当てられている。
【0067】
図9に示される構成は、ビームスプリッタ26、波面センサ2及び高出力レーザ20を含む。集束光学系91は、光ファイバ12に高出力ビームを結合し、光ファイバ12から低出力参照ビームを受信するために設けられる。図1のシステムにおいて、高出力レーザビームが、波面センサに達する前に2度ビームスプリッタを通過する(すなわちレンズ27及びミラー29を含むリレー光学系を介して送られる)と同時に、図9に示されるシステムは、2度ビームスプリッタを通って低出力参照ビームを送る点も留意されたい。リレー光学系90は、低出力ビームが横断する追加区間が、波面センサに対する低出力ビームのあらゆる位置ずれも引き起こさないことを確保するために設けられる。
【0068】
図10を参照すると、本発明の別のシステムが示される。図9に示されるリレー光学系90の代わりに、逆反射体92(例えばコーナーキューブ)が設けられる。逆反射体は、逆反射体に入射する参照ビームの光軸が、逆反射体から反射される参照ビームの光軸と確実に一致するようにする。このようにして、位置合わせが維持される。
【0069】
別の好適な光学構成は、本明細書に含まれる教示の観点から当業者であればすぐに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の光学系の配置を示す図である。
【図2】0次の参照及び高出力ビームの画像を示す図である。
【図3】粗位置合わせ後の参照及び高出力ビームの画像を示す図である。
【図4】高出力ビーム波面計測を示す図である。
【図5】波面特性が高出力ビームに整合したときの参照ビームを示す図である。
【図6】スキャンされたファイバ端部の3次元プロットを示す図である。
【図7】図6に示されるデータのz=0におけるx−y面を通る断面画像を示す。
【図8】図8aと8bは、ファイバ軸合わせの効果を示す図である。
【図9】本発明の第1の別の光学配置を示す図である。
【図10】本発明の第2の別の光学配置を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビーム操作システムに関し、より具体的には、光ファイバを高出力レーザに対して位置合わせする装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高出力レーザシステムの開発は、フォトニック結晶ファイバなどの小型コア光ファイバに高出力レーザ光を結合する(couple high power laser light into small core optical fibers)ことができる要件をもたらした。高出力レーザ光が光ファイバの中心コアを外れてファイバのクラッドに入射するようになる場合、対処できない損傷の原因となる恐れがある。通常、公知の結合システムは、高出力レーザビームに対してファイバの位置合わせを最適化するための手動マイクロメータ調整手段を有する集束光学系を含む。カメラを用いて光ビームが注入されるファイバの端部を見る技法も知られており、例えば欧州特許EP432912号を参照されたい。しかしながら、かかる従来技術は、時間がかかり、熟練の専門家を必要とすることが多く、極めて信頼性が低い可能性がある。
【0003】
全く無関係な技術領域においても波面センサは公知である。かかるセンサはこれまで、光学面の形状を特徴付けるのに用いられてきた。以下の出版物により、種々の波面センサの詳細が得られる。
(a)Woods,S.,Greenaway,A.H.の「Wave−front sensing by use of a Green’s function solution to the intensity transport equation(強度輸送方程式に対してグリーン関数の解を用いることによる波面感知)」J.Opt.Soc.Am.A,20(3)508−512(2003年)。
(b)Burnett,J.G.,Woods,S.,Turner,A.,Scott,A.M.の「Wavefront measurement over an extended horizontal path using a wavefront curvature sensor(波面曲率センサを用いる延長水平路にわたる波面計測)」2003年10月ドイツ、ミュエンスターにおける第4回工業及び医薬のための適応光学に関する国際ワークショップの会報に掲載。
(c)Scott,A.M.,Woods,S.の「Single shot measurement of the laser beam quality parameter M2 using IMP gratings(IMP格子を用いてレーザビーム品質パラメータM2の単発計測)」2002年1月22から23日サンホセにおけるSPIE議事録4629レーザ共鳴装置及びビーム制御V、Alexis V.Kudryashov(編集)。
(d)Blanchard,P.M.,Fisher,D.J.,Woods,S.,Greenaway,A.H.の「Phase−diversity wave−front sensing with a distorted diffraction grating(歪んだ回折格子を用いる位相ダイバーシティ波面感知)」応用光学39(35)6649−6655(2000年)。
(e)Blanchard P.M.,Greenaway A.H.の「Broadband simultaneous multiplane imaging(広帯域同時多面イメージング)」光学通信183、29−36(2000年)。
(f)Blanchard,P.M.,Greenaway,A.H.の「Simultaneous multiplane imaging with a distorted diffraction grating(歪んだ回折格子を用いる同時多面イメージング)」応用光学38(32)6692−6699(1999年)。
(g)Blanchard P.M.,Burnett J.G.,Erry G.R.,Fisher D.J.,Greenaway A.H.,Harrison P.,Woods S.の「Measurements of low−level atmospheric turbulence(低レベル大気乱流の計測)」1999年SPIE3866議事録135−142の大気伝搬における光学系及び適応システムIII、A Kohnle、J D Gonglewski(編集)。
(h)Blanchard P.M.,Burnett J.G.,Erry G.R.G.,Greenaway A.H.,Harrison P.,Harvey A.,Woods S.の「Optical propagation through low−level turbulence(低レベル乱流を通る光伝播)」1998年SPIE3494議事録104−110の大気伝搬、適応システム及び遠隔感知のためのライダー法II、A D Devir、A Kohle、U Schreiber、C Werner(編集)。
(i)国際特許出願番号WO99/46768号。
【0004】
【特許文献1】国際特許出願番号WO99/46768号公報
【特許文献2】欧州特許EP432912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、レーザビームを光ファイバに結合する装置及び方法の改善を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合する方法は、(i)光参照ビームが光ファイバの第1の端部から出力されるように光ファイバの第2の端部に光を結合するステップと、(ii)第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップとを含む。
【0007】
従って本発明は、参照光源(例えば低出力レーザ)から光ファイバに沿って反対方向に第1の光ビームに向かって光を通すこと含む。光ファイバを通過後、光ファイバの第1の端部から出力される参照ビームは、第1の光ビームの最適形状に共役のビーム形状を有する。すなわち、光ファイバの第1の端部から出力される光参照ビームの特性は、第1の光ビームの理想特性の指標をもたらし、すなわち、第1の光ビームの光ファイバへの結合効率を最大にするのに必要とされる特性である。従って、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを参照ビームの対応するビームパラメータに整合させることは、レーザビームを光ファイバに結合することができる光学的効率を増大させる好都合な方法を提供することが分かる。
【0008】
光が光ファイバの第2の端部に結合される効率は、ファイバへの結合にわずかな低出力レーザしか必要としないので、重要でない点に留意されたい。しかしながら、光参照ビームを形成する光の大部分は、光ファイバのコアに沿って伝播し、ファイバコアに結合していないあらゆる光は、ファイバの第1の端部に到達する前に損失することが好ましい。ファイバクラッド内での光伝播に関連する損失は、例えば光ファイバの湾曲によって場合によっては増大する可能性がある。
【0009】
有利には、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、ビーム特性センサを用いて光参照ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測するステップを含む。
【0010】
好ましくは、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、ビーム特性センサを用いて第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測するステップを含む。
好都合には、共通のビーム特性センサが用いられ、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータと光参照ビームの少なくとも1つビームパラメータとが計測される。
【0011】
ビーム特性センサを用いるステップは、波面センサを用いるステップを含むことができる。波面センサは、傾斜角度、位置ずれ及びビーム曲率などの多くの波面特性に関する正確な情報をもたらすことができるので有利である。波面センサはまた、ビームウェスト情報をもたらすのに用いることができる。或いは、光ファイバに対する第1の光ビームの正確ではない位置合わせが求められる場合、センサは標準的な2次元イメージングアレイを含むことができる。幾つかの好適な波面センサを上記で説明し、こうしたセンサを記載する出版物への種々の参照を上記で掲載した。上述の参考文献の内容は、本引用により本明細書に組み込まれる。良く知られたシャック・ハルトマン波面センサなどの他の波面センサも用いることができる。
【0012】
第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームの先端/傾斜を光参照ビームの先端/傾斜に整合させるステップを含むことができる。ビームの先端/傾斜とは、当業者にはよく知られた用語である。簡単に言えば、第1の光ビームは、参照ビームが光ファイバの第1の端部から離れる方向に伝播するのと同じ角度から光ファイバの第1の端部に入射するように配置される。
【0013】
第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームを参照ビームに対して横方向に位置合わせするステップを含むことができる。従って、第1の光ビームは、参照ビームと同じ位置で光ファイバの第1の端部を含む平面と交差するように配置される。
【0014】
第1の光ビームを参照ビームに対して横方向に位置合わせするステップは、有利には、第1の光ビームに対して光ファイバの第1の端部を横方向に変位させることを含む。光ファイバの第1の端部を第1の光ビームに対して移動させることは、光ファイバの第1の端部に対する第1の光ビームの横方向変位を変更する好都合な方法を提供する。或いは、第1の光ビームをもたらすレーザ源は、光ファイバの第1の端部に対して調整することができる。
【0015】
有利には、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームの焦点を参照ビームの焦点に整合させるステップを含む。すなわち、第1の光ビームは、参照ビームと実質的に同一面内に焦点を有するように配置される。
【0016】
更に、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームのビーム曲率を参照ビームのビーム曲率に整合させるステップを含むことができる。「ビーム曲率」は、レーザの当業者にはよく知られた用語である。この場合、光ファイバの第1の端部上への第1の光ビームの集束角度は、光ファイバを出る参照ビームの発散角度に整合することになる。
【0017】
好都合には、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップ(ii)は、第1の光ビームのビームウェストを光参照ビームのビームウェストに整合させるステップを含む。ビームウェスト、すなわち2ω0は、レーザビームのよく知られた特性である。通常、必要とされるビームウェストは、光ファイバコアの直径の70%程度となる。
【0018】
本発明の方法は、第1の光ビームの先端/傾斜、横方向位置合わせ、焦点、ビーム曲率、又はビームウェストのいずれか1つ又はそれ以上を光参照ビームに整合させることを含むことができる。しかしながら、特定の光学系における特定のビームパラメータを正確に整合させることがどのように重大であるかに対しては、様々な要因(例えばファイバコア直径)が影響を及ぼすことになる。従って当業者であれば、第1の光ビームの1つ又は複数のビームパラメータのどれを光学装置の精密設計に基づいて光参照ビームのパラメータに整合させる必要があるかを選択する。
【0019】
波面センサから収集されるデータを分析するためにコンピュータプログラムも設けられる。更に、コンピュータプログラムは、光学系の様々な構成要素を制御するように配置することができ、これによって第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップを実装することができる。例えば、コンピュータプログラムは、波面センサによってもたらされるデータを分析することができ、データは光参照ビーム及び第1の光ビームのビーム特性に関連する。次いで、光ファイバの第1の端部の位置は、第1の光ビームと相対的に移動され、参照ビーム及び第1の光ビームの横方向の位置ずれを最小限にすることができる。
【0020】
位置合わせ方法を用いることができると同時に、第1の光ビームは光ファイバを通って送信され、及び/又は本方法は、第1の光ビームの起動前に用いることができる。すなわち、位置合わせ方法は、装置の較正中(例えば光学構成要素の初期位置合わせ中)、定期的(例えばシステム起動時)、及び/又は連続的(例えば使用中の結合効率を連続的に最大にするように)に用いることができる。
【0021】
ステップ(ii)は2つの段階、例えば光参照ビームのビームパラメータを計測するステップ(a)と、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを調整するステップ(b)とで実行することができる。特定の状況では、ステップ(a)と(b)を実施する間に遅延が存在することもある。例えば、光参照ビームのビームパラメータは、第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータの最適化における次に使用するために計測し記憶することができる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合する光学装置が提供され、本装置は、光ファイバの第1の端部から光参照ビームが出力されるように光ファイバの第2の端部に光を結合する手段を含み、ビーム第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるために整合手段が設けられることを特徴とする。
【0023】
好ましくは、ビーム整合手段は、波面センサなどのビーム特性センサを含む。波面センサは、歪み格子、レンズ及び検出器アレイの少なくとも1つを含むことができる。加えて、装置は更に、参照ビーム及びある割合の第1の光ビームをビーム特性センサに配向するように配置されたリレー光学系を含むことができる。有利には、リレー光学系は、ビームスプリッタ及び逆反射体を含むことができる。この構成によって、わずかな割合の第1の光ビームをセンサに配向することができると共に、ビーム出力の大部分は、光ファイバの第1の端部に配向される。
【0024】
好都合には、光ファイバはフォトニック結晶ファイバとすることができる。しかしながら本発明は、あらゆるタイプの光ファイバを位置合わせするのに用いることができる点に留意されたい。
本発明の別の態様によれば、光学装置は、第1の光ビームを生成する1次レーザ源と光ファイバの第1の端部を第1の光ビームに位置合わせする位置合わせ手段とを含み、位置合わせ手段は少なくとも1つの波面センサを含むことを特徴とする。
【0025】
従って、位置合わせ手段が波面センサを用いて第1の光ビームを光ファイバに位置合わせするように配置された光学装置が提供される。波面センサは、第1の光ビームの波面形状の計測値をもたらし、かかるビーム形状データは、レーザ源によって生成される第1の光ビームへの光ファイバのコアの位置合わせを助けるのに用いることができる。すなわち、第1の光ビームの固有性は、第1の光ビームを光ファイバに位置合わせするときに計測され用いられる。このタイプの装置によって、従来技術の手動による調整手法よりも遙かに高精度で光ファイバのコアに光ビームを位置合わせすることができる。
【0026】
好都合には、装置は更に光ファイバを含み、位置合わせ手段は前記光ファイバの第1の端部を光ビームに対して位置合わせするように配置される。
好ましくは、位置合わせ手段は更に、光参照ビームを出力するための第2のレーザ源を含み、使用中、前記参照ビームは、光ファイバの第2の端部に光学的に結合される。かかる場合において、参照ビームが光ファイバの第1の端部から出力されるときに波面センサが参照ビームを受信するように配置されるよう装置を配置することができる。
【0027】
このようにして、光ファイバの第1の端部から出力される参照ビームの形状及び/又は1次光ビームの形状は、必要に応じて波面センサによって計測することができる。すなわち、装置によって、第1の光ビーム及び参照ビームの一方又は双方を波面センサに送ることができる。上述のように、第1の光ビーム及び参照ビームは、ビームスプリッタ装置を介して波面センサを通ることができる。これによって参照ビーム及び第1の光ビームは、同一の波面感知手段上にあることができる。第1の光ビーム及び参照ビームの粗位置合わせは、ゼロ次モードの重複を確保することによってもたらすことができる。
【0028】
第1の光ビーム及び光参照ビームを別個に検出するためには、単一の波面センサが好ましいが、別個の波面センサを備えてもよい点に留意されたい。
有利には、位置合わせ手段は、第1の光ビームに対する光ファイバの第1の端部の位置を変更して参照ビームと第1の光ビームとを重ね合わせるように配置される。例えば位置合わせ手段は、光ファイバの第1の端部の位置を第1の光ビームに対して平行移動するための平行移動ステージを含むことができる。
【0029】
位置合わせ手段はまた、第1の光ビームの光軸に対する光ファイバの第1の端部の角度合わせを変更する(例えば先端/傾斜を整合させるように)可動ステージを含むことができる。可動ステージはまた、第1の光ビームに対する光ファイバの第1の端部の位置を平行移動するように配置することができる。
【0030】
加えて、ビーム形成手段(例えばビーム形成光学系)は更に、第1の光ビームのビーム形状を変更するために付加的に設けることができる。すなわち、第1の光ビームの形状を変更するための手段が設けられる。第1の光ビームの形状の変更(例えばビームウェスト又は曲率の変化)は更に、光が第1の光ファイバに結合することができる効率を改善する。
好都合には、第1のレーザ源は高出力レーザ源である。かかる高出力源の位置ずれを防ぐことにより、光ファイバに対する損傷が阻止される。
【0031】
レーザ源、レーザ源によって出力される第1の光ビームを受信するように配置された第1の端部を有する光ファイバ、及び前記第1の光ビームの波面の形状を光ファイバの第1の端部の位置で変更するビーム調整手段を含む光学装置であって、装置が更に、第1の光ビームの波面の形状を計測する少なくとも1つの波面センサを含むことを特徴とする装置が記載される。
【0032】
第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合するように配置された1次レーザ源を含む光学系を位置合わせするための装置も記載される。装置は、前記光学系に取り付けられたときに、第1の光ビームのビーム特性を計測することができる波面センサを備える。
【0033】
すなわち、前記光学系に取り付けられ1次レーザ源のビーム特性を計測する波面センサを含む装置を用いて位置合わせされた光学系を提供することができる。位置合わせ後、装置は光学系から取り外すことができる。
【0034】
好都合には、光学系は、光参照ビームが光ファイバの第2の端部から出力されるように放射線を光ファイバの第2の端部に供給するように配置され、ここで波面センサは、前記光学系に取り付けられると、光参照ビームのビーム特性を計測することができる。このようにして、光参照ビームのビームパラメータは、上述の方法で第1の光ビームのビームパラメータと比較することができる。
【0035】
更に、波面センサ、ビームスプリッタ、及び逆反射体を備えた波面感知装置が記載され、ここで装置は、2つの光ビームを同時に波面センサに配向することができるように配置される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
ここで例証として添付図面を参照しながら本発明を説明する。
【0037】
図1を参照すると、本発明の光学装置が示されている。本装置は、上記の種々の出版物において既述されたタイプの波面曲率センサ又はカメラ2を含む。
波面カメラ2は、検出器アレイ4、従来のレンズ6及び軸外フレネルレンズとして作用する歪んだ位相格子8を含む。或いは、焦点距離の異なる2つの直交格子をレンズ6及び格子8の代わりに用いることができる。
【0038】
波面カメラ2は、入射ビームの直径及び曲率を計測することができる。前述の形式の処理を用いると、波面センサ2は、9つの面でビームの直径を同時に計測することが可能であり、これによって入射ビームのガウスビームパラメータを即座に求めることができる。
【0039】
カメラ2へ入射する光は、最初に軸外フレネル帯プレート(すなわち歪み格子8)によって回折される。格子8は、位相格子の深さに応じた効率で光を−1、0、及び+1の次数に回折する。0次光は変更されずに通過するが、+1及び−1次はそれぞれの焦点距離+fg及び−fgに対応した集束を生じる。回折光は更に、カメラの従来レンズ6によって集束され、従来レンズ6の焦点面で検出器アレイ4上に配光される。
【0040】
コリメートビームがカメラ2上に配向されると、3つの回折次数は各々、異なる焦点距離に対応した画像を生成し、カメラの焦点面上の画像は0次のウェストの画像に対応し、焦点外れの画像はそれぞれ+1及び−1次に相当する。3つの画像の直径を計測することによって、ビームウェストの位置及び直径の推定並びにビーム発散度の推定を導出することが可能である。
【0041】
異なる有効焦点距離の2つの格子を従来レンズの前で互いに直交して配置することによって、別の概念を取り入れることができる。この場合、9つの異なる面でビームの画像に対応した3×3のアレイの画像を生成することができる。これらの9つの画像を用いて、焦点直径、位置、及びビーム発散度を正確に計測することができ、M2の計測値が得られる。当業者には公知であるように、M2はビームの品質の尺度をもたらす。
【0042】
代替的に歪み格子と従来型カメラの組合せは、波面曲率センサとして用いることができることを留意されたい。これは、記録されたデータを処理する異なる方法を含む。2つの異なる次数を2つの別個の面で入射ビームの画像に関連付けることができ、これら2つの画像を処理して波面曲率を求めることができることが示されている。このようなデータを処理し、グリーン関数アルゴリズムを用いて2つの画像を記録することができ、この2つの画像から40×40空間アレイ全体の波面の形状を求めることができることは上記で示された(例えば上記に記載されたWoods及びGreenawayの出版物を参照)。次いで、波面をゼルニケ(Zernike)モードに関して分析し、歪み度を求め、非点収差、球面収差、及びコマ収差などの特徴を識別することができる。
【0043】
上記の波面曲率センサは、これまでは光学面の形状を計測するのに用いられていた。これは、計測されることになる反射面上にコリメートビームを照らし、反射光の波面の形状を計測することによって実施された。
【0044】
使用中、本発明の装置は、低出力参照ビーム10がビームスプリッタ14及びレンズ16を介して光ファイバ12の出力端部に配向されるようにする。参照ビーム10の光ファイバ12に対する位置合わせは、高出力入力端部における波面センサからの計測ができる程十分な出力がファイバに結合されている限り、重要とされる必要はない。
【0045】
レーザ源20は、レンズ22及びアパーチャ24を通って第2のビームスプリッタ26に通る高出力レーザビーム18を提供する。第2のビームスプリッタ26は、高出力レーザビームのほとんどをレンズ28を介してファイバ12の入力端部に向けて配向する。光ファイバ12の入力端部は、X−Y−Zエンコーダフィードバックステージ30上に取り付けられる。
【0046】
わずかな比率の高出力ビーム18は、第2のビームスプリッタ26を用いて取り出され、レンズ27及びミラー29を介して反射され波面センサ2まで戻される。リレー光学系(すなわちレンズ22、29など)は、高出力レーザビームのアパーチャ(瞳孔面)が歪んだ回折格子上に確実にリレー結像されるようにする。高出力レーザビーム18及び参照ビーム10の波面特性(先端、傾斜、焦点外れ)は、波面センサ2によって計測され、この2つが比較される。X−Y−Zエンコーダフィードバックステージ30を調整することによる光ファイバ12の入力端部の移動は、波面センサ2における参照ビームの特性を変更するのに用いられる。X−Y−Zエンコーダフィードバックステージ30は、参照ビーム及び高出力ビームが位置合わせされるまで、すなわち高出力ビームが参照ビームと整合するまで移動される。このような調整を行う方法を以下でより詳細に説明する。
【0047】
すなわち、本発明の装置は、参照ビームが最適には位置合わせされてないが、「入力」端部から出現するときに分析するのには十分な電力を有した状態で、該参照ビームを「出力」端部からファイバに配向する概念を利用する。光は、ファイバに結合されることになるビーム上に生成することを意図する正確なガウスビームパラメータを具備して入力端部から出現することになる。波面センサを用いると、出現ビームの位置(横方向及び長手方向の双方)及び直径を求めることができる。ビームスプリッタ及び別個の光学経路を用いて、波面センサが光学的位置合わせを変更することなく実際の入力ビームのパラメータを求めることができる。従って、入力ビームが出現する参照ビームのパラメータに整合するまで入力ビームを調整するようにセンサを用いることができ、この点において入力ビームはファイバによく整合する。
【0048】
本明細書で説明される特定のシステムは、波面センサを用いて出現する波面の曲率及び先端傾斜のみを計測する点に留意されたい。これによってファイバの長手方向及び横方向位置を調整し、目的の入力ビームを確実に最大効率で結合することができる。詳細には、ビームウェストの直径は求められていないので、記載のシステムは完全なモード整合は提供しない。しかしながら、波面センサはかかる計測を実施するように容易に構成することができ、目的の入力ビームの集束光学系を修正することによっても完全なモード整合が得られるシステムを提供することができる。
【0049】
コンピュータ32は、波面センサ2によって収集される計測値に応じてX−Y−Zエンコーダフィードバックステージ30を制御するために設けられている。コンピュータは、幾つかのステップで位置合わせ処理を行う制御ソフトウェアを実行する。
【0050】
最初に、粗位置合わせステップを行う。このステップによって2つのビーム(すなわち高出力ビームと参照ビーム)の様々な特性を、波面を比較する前に計測することができる。このステップは、参照及び高出力ビームの0次の位置を求めることを含む。次いで、単純平行移動を実行し、参照ビームと高出力ビームを重ね合わせる。すなわち、ステージ30は、0次の高出力及び参照ビームを波面センサの同一場所に配置するよう調整される。
【0051】
第2に、参照ビームは遮断され、高出力レーザビームから波面計測が算出される。この計測からの先端及び傾斜結果を用いて、他のあらゆる計測が高出力波面に対するものであるようにシステムをゼロ調整する。このステップの焦点外れ計測は、発散高出力ビームが集束参照ビームに等しいので、反対の方向で整合させる必要がある点に留意されたい。
【0052】
第3に、高出力ビームが遮断され、参照ビームが有効にされる。高出力レーザビームの特性とは異なる参照波面から計測される。波面特性先端及び傾斜の計測は、ファイバ端部のX−Y軸における正確な平行移動が得られることを意味する。同様に、焦点外れ計測は、ファイバ端部をZ軸で平行移動させて、必要とされる(すなわち反対の)焦点を与えることができる。
【0053】
ここで図2から図5を参照すると、典型的な位置合わせ処理が示されている。上述のように、位置合わせ処理は、粗位置合わせと、その後の波面計測及び補正とからなる。
【0054】
図2は、本発明の装置の制御ソフトウェアからキャプチャされたフレームを示す。参照ビーム及び高出力ビームの0次ビームが特定され、2つのビームの位置の差が算出される。参照ビームの角度のずれは、+/−1次の軸外強度を引き起こす点に留意されたい。次いで、算出された差分値は空間差分に変換され、平行移動ステージが始動され、2つのビームは重なり合うように光ファイバの端部を移動させる。
【0055】
図3は、2つの次数の粗位置合わせを示す。この実施例で用いられる2つのビームは同一のHeNeレーザ源から結合されたので、粗位置合わせは次数の干渉を生じている点に留意されたい。いずれの場合でも、2つのビームは同時には分析されないので、干渉の影響はいずれの計測値にも影響することはない。
【0056】
次いで、参照ビームが遮断され、波面計測が高出力レーザビームだけについて行われる。図4は、ビームの先端/傾斜及び焦点外れ特性が算出される高出力ビームの画像を示している。先端又は傾斜として現れることができるコマ収差などの他のモードも計測され、同時に全体ビーム品質計測を得ることができる。次いでソフトウェがリセットされ、高出力ビームに関連する先端/傾斜値がゼロにされる。
【0057】
最後に、高出力ビームが遮断される。次いで、参照ビーム特性が計測されると同時に、フィードバックループが光ファイバの端部の位置合わせを変化させ、該位置合わせが高出力の位置合わせに整合するようにする。高出力ビームの先端/傾斜値はゼロにされたので、フィードバックループはゼロ系として動作する。すなわち、参照ビームの波面特性は、光ファイバの端部を移動させることによって変更され、高出力レーザビームの特性に整合するようにする。焦点外れの場合には、集束高出力ビームは発散参照ビームとなる必要がある点に留意されたい。
【0058】
図5は、整合した参照ビームを示し、これは、先端/傾斜が最小(すなわち高出力ビームの先端/傾斜に等しい)で、焦点外れ(この場合ゼロ)が反対方向であるように位置合わせされている。
図6及び図7を参照すると、図1から図5を参照して上述された位置合わせ技法の有効性を評価する方法が概略的に述べられている。
【0059】
本方法は、光ファイバの入力端部が組みレンズの焦点の周囲で3次元スキャンされるときに、高出力ビームがどのように効率的に光ファイバに結合されるかに関する計測を含む。入力端部が高出力ビームのウェストを通ってスキャンされるときに、ファイバの出力端部の強度は変化する。最良の結合は最大の出力強度をもたらすものとする。最も高い強度の座標及びWFS位置合わせを比較することによって、システムの有効性を確認することができる。
【0060】
図6は、迅速な高分解能強度分布を得るように小さなボリューム(0.16mm寸法)にわたる例示的なスキャンを示している。スキャンの各点に位置する光ダイオードを用いてファイバの出力端部における強度を計測した。スキャンは、波面センサ技法によって予め位置合わせされているファイバ端部を中心とした。(0,0)の位置は、波面センサを用いてファイバを位置合わせさせることから出力端部における強度に対応する。得られた最高強度は、原点から+0.0130mm、+0.0270mmに配置される4095AU(任意単位)であった。相対的に、位置(0,0)における強度は2832AUであった。
【0061】
図7は、Z=0において図6に示されるデータのX−Y面を通る強度の断面図を示す。最高強度(4095AU)は、クロス70で示され、(0,0)位置(2832AU)からわずかにオフセットしているのが分かる。
【0062】
ファイバ自体の結合効率は、該結合効率に影響を及ぼす多くの要因が設計に存在するので、調査していない点に留意されたい。入射ビームのプロファイルはファイバに整合したモードではなく、処理は、ファイバ端部が示す方向を考慮するように最適化されていなかった。参照ビームの方向の位置ずれは、波面センサシステムのフィードバックシステムに用いられる非線形補正係数を生じさせることになる。現在のソフトウェアでは、観測される様々なモード(先端、傾斜、焦点外れ)のどのようなクロストーク作用又はどのような非線形性も考慮していない。
【0063】
種々の近似があるにも拘わらず、波面センサは、ファイバから入来する参照ビームの焦点ウェストの位置を計測するのに用いることができ、これを用いて参照ビームをファイバと位置合わせさせることができる。このような技法によって、約30ミクロン以下の精度で位置合わせを行うことが可能となる。かかる位置合わせ技法は、ファイバを入力ビームと半自動的に位置合わせすることが可能な単純な制御システムへの統合に好適となる。
【0064】
図8を参照すると、光ファイバ端部の角度合わせの効果が示されている。図8aは、ファイバの軸外指示における1次の強度分布を示す。図8bは、ファイバの軸上指示を与えるように中心強度が中央に向かってどのようにシフトされたかを示している。
【0065】
格子カメラシステムが波面センサとして用いられる(すなわちグリーン関数手法を利用する)場合、波面センサは、波面の曲率及び撮像面におけるファイバの角度も計測することができる。効率的な結合を得るようにファイバを位置合わせするために、ビームがファイバに入る角度が重要である。劈開が平坦であれば、結合レーザはファイバの軸に沿ってファイバに出入りすることになる。歪み格子の2次作用を利用すると、参照ビームのファイバからの方向を推測することができる。
【0066】
波面センサにおいて焦点外れした1次のビームは、ファイバの角度が変化するときに周囲の強度のシフトを示す。参照ビームが位置合わせされたので、最高強度は+/−1次の中央にあった。
図1を参照しながら例示的な光学配置を説明したが、当業者であれば、本発明を実施するのに用いることができる多くのタイプの異なる光学構成を理解するであろう。
図9を参照すると、別の光学配置が示されている。図1に示される構成要素と同等の図9に示される構成要素は、同じ参照符号が割り当てられている。
【0067】
図9に示される構成は、ビームスプリッタ26、波面センサ2及び高出力レーザ20を含む。集束光学系91は、光ファイバ12に高出力ビームを結合し、光ファイバ12から低出力参照ビームを受信するために設けられる。図1のシステムにおいて、高出力レーザビームが、波面センサに達する前に2度ビームスプリッタを通過する(すなわちレンズ27及びミラー29を含むリレー光学系を介して送られる)と同時に、図9に示されるシステムは、2度ビームスプリッタを通って低出力参照ビームを送る点も留意されたい。リレー光学系90は、低出力ビームが横断する追加区間が、波面センサに対する低出力ビームのあらゆる位置ずれも引き起こさないことを確保するために設けられる。
【0068】
図10を参照すると、本発明の別のシステムが示される。図9に示されるリレー光学系90の代わりに、逆反射体92(例えばコーナーキューブ)が設けられる。逆反射体は、逆反射体に入射する参照ビームの光軸が、逆反射体から反射される参照ビームの光軸と確実に一致するようにする。このようにして、位置合わせが維持される。
【0069】
別の好適な光学構成は、本明細書に含まれる教示の観点から当業者であればすぐに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の光学系の配置を示す図である。
【図2】0次の参照及び高出力ビームの画像を示す図である。
【図3】粗位置合わせ後の参照及び高出力ビームの画像を示す図である。
【図4】高出力ビーム波面計測を示す図である。
【図5】波面特性が高出力ビームに整合したときの参照ビームを示す図である。
【図6】スキャンされたファイバ端部の3次元プロットを示す図である。
【図7】図6に示されるデータのz=0におけるx−y面を通る断面画像を示す。
【図8】図8aと8bは、ファイバ軸合わせの効果を示す図である。
【図9】本発明の第1の別の光学配置を示す図である。
【図10】本発明の第2の別の光学配置を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの第1の端部に第1の光ビームを結合する方法であって、
(i)光参照ビームが前記光ファイバの第1の端部から出力されるように前記光ファイバの第2の端部に光を結合するステップと、
(ii)前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、ビーム特性センサを用いて前記光参照ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、ビーム特性センサを用いて前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測するステップを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
請求項2に従属する場合において、共通のビーム特性センサを用いて前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータ及び前記光参照ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ビーム特性センサを用いる前記ステップが、波面センサを用いるステップを含む請求項2から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームの先端/傾斜を前記参照ビームの先端/傾斜に整合させるステップを含む請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームを前記参照ビームと横方向に位置合わせするステップを含む請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の光ビームを前記参照ビームと横方向に位置合わせする前記ステップが、前記光ファイバの第1の端部を前記第1の光ビームに対して横方向に変位させることを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームの焦点を前記参照ビームの焦点に整合させるステップを含む請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームのビーム曲率を前記参照ビームのビーム曲率に整合させるステップを含む請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームのビームウェストを前記光参照ビームのビームウェストに整合させるステップを含む請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合する光学装置において、
前記光ファイバの第1の端部から光参照ビームが出力されるように前記光ファイバの第2の端部に光を結合する手段を含み、前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるためにビーム整合手段が設けられることを特徴とする光学装置。
【請求項13】
前記ビーム整合手段が、ビーム特性センサを含む請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ビーム特性センサが、波面センサを含む請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記波面センサが、歪み格子、レンズ及び検出器アレイのうちの少なくとも1つを含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記参照ビーム及び前記第1の光ビームのある割合を前記ビーム特性センサに配向するように配置されたリレー光学系を更に含む請求項13から15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記リレー光学系が、ビームスプリッタ及び逆反射体を含む請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記光ファイバが、フォトニック結晶ファイバである請求項12から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
第1の光ビームを生成する1次レーザ源と、光ファイバの第1の端部を前記第1の光ビームに位置合わせするための位置合わせ手段とを備えた光学装置であって、前記位置合わせ手段が少なくとも1つ波面センサを含むことを特徴とする光学装置。
【請求項20】
光ファイバを更に備え、前記位置合わせ手段が前記光ファイバの第1の端部を前記光ビームに対して位置合わせするように配置されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記位置合わせ手段が更に、光参照ビームを出力するための第2のレーザ源を備え、使用時には、前記参照ビームが前記光ファイバの第2の端部に光学的に結合されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置は、前記参照ビームが前記光ファイバの第1の端部から出力されるとき、前記波面センサが該参照ビームを受信するように配置されていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記位置合わせ手段は、前記第1の光ビームに対して前記光ファイバの第1の端部の位置を変更して前記参照ビーム及び前記1次光ビームを重ね合わせるように配置されることを特徴とする請求項19から22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記位置合わせ手段が、前記光ファイバの第1の端部の位置を前記第1の光ビームに対して平行移動させるための平行移動ステージを含む請求項19から23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
位置合わせ手段が、前記第1の光ビームの光軸に対する前記光ファイバの第1の端部の角度合わせを変更するための可動ステージを含む請求項19から24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
ビーム形成手段が、前記第1の光ビームのビーム形状を変更するために付加的に設けられることを特徴とする請求項19から25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記1次レーザ源が、高出力レーザ源である請求項19から26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
光学系を位置合わせする装置であって、前記光学系が第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合するように配置される1次レーザ源を備え、前記装置が、前記光学系に取り付けられたときに前記第1の光ビームのビーム特性を計測することができる波面センサを備えることを特徴とする装置。
【請求項29】
前記光学系が、前記光ファイバの第2の端部に放射線を供給して光参照ビームが前記光ファイバの第2の端部から出力されるように配置され、前記波面センサが、前記光学系に取り付けられたときに、前記光参照ビームのビーム特性を計測できることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項1】
光ファイバの第1の端部に第1の光ビームを結合する方法であって、
(i)光参照ビームが前記光ファイバの第1の端部から出力されるように前記光ファイバの第2の端部に光を結合するステップと、
(ii)前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、ビーム特性センサを用いて前記光参照ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、ビーム特性センサを用いて前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測するステップを含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
請求項2に従属する場合において、共通のビーム特性センサを用いて前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータ及び前記光参照ビームの少なくとも1つのビームパラメータを計測することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ビーム特性センサを用いる前記ステップが、波面センサを用いるステップを含む請求項2から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームの先端/傾斜を前記参照ビームの先端/傾斜に整合させるステップを含む請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームを前記参照ビームと横方向に位置合わせするステップを含む請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の光ビームを前記参照ビームと横方向に位置合わせする前記ステップが、前記光ファイバの第1の端部を前記第1の光ビームに対して横方向に変位させることを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームの焦点を前記参照ビームの焦点に整合させるステップを含む請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームのビーム曲率を前記参照ビームのビーム曲率に整合させるステップを含む請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させる前記ステップ(ii)が、前記第1の光ビームのビームウェストを前記光参照ビームのビームウェストに整合させるステップを含む請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合する光学装置において、
前記光ファイバの第1の端部から光参照ビームが出力されるように前記光ファイバの第2の端部に光を結合する手段を含み、前記第1の光ビームの少なくとも1つのビームパラメータを前記光参照ビームの対応するビームパラメータに整合させるためにビーム整合手段が設けられることを特徴とする光学装置。
【請求項13】
前記ビーム整合手段が、ビーム特性センサを含む請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ビーム特性センサが、波面センサを含む請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記波面センサが、歪み格子、レンズ及び検出器アレイのうちの少なくとも1つを含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記参照ビーム及び前記第1の光ビームのある割合を前記ビーム特性センサに配向するように配置されたリレー光学系を更に含む請求項13から15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記リレー光学系が、ビームスプリッタ及び逆反射体を含む請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記光ファイバが、フォトニック結晶ファイバである請求項12から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
第1の光ビームを生成する1次レーザ源と、光ファイバの第1の端部を前記第1の光ビームに位置合わせするための位置合わせ手段とを備えた光学装置であって、前記位置合わせ手段が少なくとも1つ波面センサを含むことを特徴とする光学装置。
【請求項20】
光ファイバを更に備え、前記位置合わせ手段が前記光ファイバの第1の端部を前記光ビームに対して位置合わせするように配置されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記位置合わせ手段が更に、光参照ビームを出力するための第2のレーザ源を備え、使用時には、前記参照ビームが前記光ファイバの第2の端部に光学的に結合されることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置は、前記参照ビームが前記光ファイバの第1の端部から出力されるとき、前記波面センサが該参照ビームを受信するように配置されていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記位置合わせ手段は、前記第1の光ビームに対して前記光ファイバの第1の端部の位置を変更して前記参照ビーム及び前記1次光ビームを重ね合わせるように配置されることを特徴とする請求項19から22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記位置合わせ手段が、前記光ファイバの第1の端部の位置を前記第1の光ビームに対して平行移動させるための平行移動ステージを含む請求項19から23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
位置合わせ手段が、前記第1の光ビームの光軸に対する前記光ファイバの第1の端部の角度合わせを変更するための可動ステージを含む請求項19から24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
ビーム形成手段が、前記第1の光ビームのビーム形状を変更するために付加的に設けられることを特徴とする請求項19から25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記1次レーザ源が、高出力レーザ源である請求項19から26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
光学系を位置合わせする装置であって、前記光学系が第1の光ビームを光ファイバの第1の端部に結合するように配置される1次レーザ源を備え、前記装置が、前記光学系に取り付けられたときに前記第1の光ビームのビーム特性を計測することができる波面センサを備えることを特徴とする装置。
【請求項29】
前記光学系が、前記光ファイバの第2の端部に放射線を供給して光参照ビームが前記光ファイバの第2の端部から出力されるように配置され、前記波面センサが、前記光学系に取り付けられたときに、前記光参照ビームのビーム特性を計測できることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−506146(P2008−506146A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519888(P2007−519888)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002701
【国際公開番号】WO2006/005928
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(501297550)キネティック リミテッド (57)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002701
【国際公開番号】WO2006/005928
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(501297550)キネティック リミテッド (57)
【Fターム(参考)】
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