説明

光ヘッド装置

【課題】光ヘッド装置の薄型化を妨げることなく、振動を抑制することにより光学系を安定化させ、サーボの破綻が発生することがない光ヘッド装置を提供すること。
【解決手段】本形態の光ヘッド装置1において、下面カバー8には、立ち上げミラー59の下面593が露出する露出穴84を有し、下面593が、この露出穴84から露出した一対の延設部220とともに露出穴84の周縁部に接着固定されている。故に、光ヘッド装置1の薄型化を妨げることなく、振動を抑制することにより光学系を安定化できるため、サーボの破綻が発生しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVDなどの光記録ディスクの再生等に用いられる光ヘッド装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDやDVDなどの光記録ディスクの再生、記録等に用いられる光ヘッド装置では、発光素子、信号検出用受光素子、発光素子から光記録ディスクに向かう光路および光記録ディスクから信号検出用受光素子に向かう光路を構成する光学系が装置フレームに搭載されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−011396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような光ヘッド装置においては、小型化・薄型化の要請に対応するため、装置フレームが、ほとんど、発光素子、信号検出用受光素子、および光学系を構成する光学素子の外形付近まで薄型化されている。装置フレームには、対物レンズ駆動機構および光学要素の一方または両方を覆う少なくとも2つ以上の上下カバー、および対物レンズ駆動機構を保護するアクチュエータカバーが装着されており、これら各種カバーによってある程度は、薄型化された装置フレームの剛性を向上させることができる。
【0004】
しかしながら、光ピックアップ装置の薄型化・軽量化がより一層要請されると、上述した上下カバーおよびアクチュエータカバーだけでは装置フレームの剛性が確保しにくくなり、トラッキング動作時に光学系が不安定になる結果、サーボが破綻するという問題が発生した。そこで、本願発明者は、サーボが破綻する原因の究明を行った結果、4キロヘルツ乃至10キロヘルツの間に、フレームのねじれに起因した共振が発生することを突き止めた。ここに本願発明者は、サーボが破綻することのない構成を提案するものである。但し、上下カバー、またはアクチュエータカバーの厚みを単純に厚くすると、フレームの厚さ方向にスペースを占めてしまい、光ヘッド装置の薄型化を妨げるという問題がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、光ヘッド装置の薄型化を妨げることなく、振動を抑制することにより光学系を安定化させ、サーボの破綻が発生することがない光ヘッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、発光素子と、信号検出用受光素子と、前記発光素子から光記録ディスクに向かう光路および前記光記録ディスクから前記信号検出用受光素子に向かう光路を構成する光学系とが装置フレームに搭載された光ヘッド装置において、前記装置フレームは、少なくとも、前記発光素子、前記信号検出用受光素子、前記光学系を構成する複数の光学素子、および該光学素子としての対物レンズを保持し該対物レンズを駆動する対物レンズ駆動機構の一部を覆うカバーを有し、前記光路を前記光記録ディスク側に立ち上げる前記光学素子としての立ち上げミラーが、前記装置フレームに搭載されるとともに前記カバーに固定されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明では、発光素子と、信号検出用受光素子と、前記発光素子から前記光記録ディスクに向かう光路および光記録ディスクから前記信号検出用受光素子に向かう光路を構成する光学系と、前記光学系内に配設される対物レンズを保持し該対物レンズを駆動する対物レンズ駆動機構とが装置フレームに搭載された光ヘッド装置において、前記光学系には、前記光路を前記光記録ディスク側に立ち上げる立ち上げミラーを有し、該立ち上げミラーが、前記装置フレームに搭載されるとともに前記対物レンズ駆動機構に固定されていることを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記装置フレームは、両端部に軸受けが形成された枠体部品からなるメインフレームと、前記信号検出用発光素子、前記受光素子、および前記光学系を構成する複数の光学素子の少なくとも一部が搭載された金属製のサブフレームとを備え、該サブフレームは、メインフレームの内側に配置されていることが好ましい。また、前記メインフレームは、前記対物レンズ駆動機構が内側に配設された枠体部品であることが好ましい。
【0009】
ここで、本願発明者は、加振源である対物レンズ駆動機構をカバーに固定して共振の抑制を試みてみたが、上記共振を充分に抑制することができなかった。本願発明者は、このような、メインフレームとサブフレームとからなる装置フレームにおいては、加振源である対物レンズ駆動機構の振動が、トラッキング動作時にフレームのねじれに起因した共振となって立ち上げミラーを振動させるというメカニズムを突き止めた。そこで、立ち上げミラーとカバーまたは対物レンズ駆動機構とカバーとの固定を行ったところ、上記共振を満足できるレベルに抑制することができた。
【0010】
このように構成すると、光ヘッド装置の薄型化を妨げることなく、トラッキング動作時にフレームのねじれに起因した共振を抑制することができ、サーボの破綻が発生しない。しかも、サブフレームは熱伝達性および成形精度が高い。また、サブフレームを、発光素子、受光素子、および光学系を構成する複数の光学素子が搭載された1つの光学モジュールとして扱うことができるので、対物レンズ駆動機構とともに、それぞれ光学調整を行った後、メインフレームに搭載すればよく、光ヘッド装置を組み立てる際の光学調整が容易になる。
【0011】
本発明において、前記メインフレームは、樹脂製であることが好ましい。このように構成すると、メインフレームは安価であるため、装置フレームの低コスト化および軽量化を図ることができる。
【0012】
本発明において、前記立ち上げミラーは、前記カバーまたは前記対物レンズ駆動機構に接着固定してもよい。特に、前記カバーには、前記立ち上げミラーが露出する露出穴を有し、該露出穴の周縁部および前記露出穴から露出した前記立ち上げミラーとに跨って接着剤を塗布してもよいし、前記露出穴から前記メインフレームが露出され、前記露出穴の周縁部と、該露出穴から露出した前記立ち上げミラーおよび前記メインフレームとの全てに跨って接着剤を塗布してもよい。
【0013】
本発明において、前記対物レンズ駆動機構は、前記立ち上げミラーに近接配置され、該立ち上げミラーの裏面が、前記対物レンズ駆動機構のヨークに接着固定されていることが好ましい。このように構成すると、立ち上げミラーの表面側へは影響がないので、光記録ディスク側に立ち上げる光路を確保することができ、しかも、立ち上げミラーをヨークに接着することにより、トラッキング動作時に発生するフレームのねじれに起因した共振を確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明において、立ち上げミラーが、前記発光素子、前記信号検出用受光素子、前記光学系を構成する複数の光学素子、および対物レンズ駆動機構の少なくとも一部を覆うカバーまたは対物レンズ駆動機構に固定されているため、光ヘッド装置の薄型化を妨げることなく、振動を抑制することにより光学系を安定化できるため、サーボの破綻が発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図面を参照して、本発明を適用した光ヘッド装置の一例を説明する。なお、以下の説明では、対物レンズが見える側を上面とし、その反対側を下面としてある。
【0016】
[全体構成]
図1は、本発明を適用した光ヘッド装置の平面図である。図2(a)〜(e)は各々、図1に示す光ヘッド装置において、フレキシブル基板の一部を除去してその本体部分を拡大した平面図、底面図、左側面図、右側面図、およびO−O断面図である。図3(a)、(b)は各々、図1に示す光ヘッド装置の本体部分から上面カバー、下面カバーおよびアクチュエータカバーを取り外した状態の平面図および底面図である。図4(a)〜(e)は各々、図3に示す状態からフレキシブル基板および対物レンズ駆動機構を取り外した状態の平面図、底面図、左側面図、右側面図、およびN−N断面図である。図5(a)〜(c)は各々、図4に示す状態からサブフレームを抜き出して示す平面図、底面図、およびJ−J断面図である。
【0017】
図1および図2に示すように、本発明を適用した光ヘッド装置1は、装置フレーム2の両端の各々に、ディスク駆動装置の送りねじ軸やガイド軸が係合する第1の軸受部211および第2の軸受部212が形成されており、光記録ディスクの半径方向に駆動されるようになっている。装置フレーム2の一方側の側面は、ディスク駆動機構のスピンドルモータ(図示せず)に接近した際の干渉を防止するために円弧状に湾曲している。
【0018】
装置フレーム2の上面側では略中央に対物レンズ91が位置し、対物レンズ91に対して第1の軸受部211が位置する側には、薄い金属板からなる上面カバー6が被せられている。上面カバー6は、装置フレーム2の上面を覆う上板部61と、この上板部61の一方の側端縁から下方に屈曲して装置フレーム2の側面に形成されている突起に係合する第1の側板部62と、上板部61の他方の側端縁から下方に屈曲して装置フレーム2の側面に形成されている突起に係合する第2の側板部63とを備えている。
【0019】
装置フレーム2の底面側には、薄い金属板からなる下面カバー8が被せられており、この下面カバー8は、装置フレーム2の下面を覆う下板部81と、この下板部81の一方の側端縁から上方に屈曲して装置フレーム2の側面に形成されている突起に係合する第1の側板部82と、他方の側端縁から上方に屈曲して装置フレーム2のスリット内に嵌って下面カバー8を装置フレーム2に搭載された状態を保持する弾性力を発揮する第2の側板部83とを備えている。
【0020】
装置フレーム2において、対物レンズ91に対して第2の軸受部212が位置する側から左側領域にかけては、薄い金属板からなるアクチュエータカバー7が被せられている。
【0021】
図1および図2に示すフレキシブル基板3の本体部分は、図3に示すように、アクチュエータカバー7および上面カバー6の下側において装置フレーム2の上面を覆うように配置されており、このフレキシブル基板3の下面には、後述するツインレーザ光源4などに対する駆動や対物レンズ駆動機構9などに対する制御を行うための駆動用IC30が実装されている。また、フレキシブル基板3では、上面カバー6から第1の軸受部211の側に向けて2本の端部31、32が延びており、これらの端部31、32に形成された配線パターンは、後述する信号検出用受光素子55に電気的に接続している。さらに、フレキシブル基板3は、後述するツインレーザ光源4およびモニター用の受光素子に配線パターンが電気的に接続された端部33、34も備えている。
【0022】
ここで、装置フレーム2は、図6および図7を参照して後述するメインフレーム21と、図8および図9を参照して後述する金属製のサブフレーム22とを備えており、サブフレーム22は、メインフレーム21の内側に配置された状態でメインフレーム21に保持されている
【0023】
図3、図4および図5に示すように、光ヘッド装置1は、波長が650nm帯の第1のレーザ光(赤外光)、および波長が780nm帯の第2のレーザ光(外赤外光)を用いてDVD系ディスクおよびCD系ディスクに対する情報の記録、再生が可能な2波長光ヘッド装置1であり、装置フレーム2上には、第1のレーザ光を出射するAlGaInP系のレーザダイオードと、第2のレーザ光を出射するAlGaAs系のレーザダイオードとを一体に備えたツインレーザ光源4が搭載されている。ここで、第1のレーザ光および第2のレーザ光は、ツインレーザ光源4から光記録ディスクに向かう光路に配置された複数の光学素子からなる共通の光学系を介して光記録ディスクであるDVD系ディスクあるいはCD系ディスクに導かれ、この光学系を構成する光学素子も装置フレーム2上に搭載されている。また、光記録ディスクからの戻り光も、共通の光学系を介して共通の信号検出用受光素子55に導かれ、かかる戻り光に対する光路を規定する光学素子、および信号検出用受光素子55も装置フレーム2に搭載されている。
【0024】
本形態の光ヘッド装置1において、共通の光学系には、ツインレーザ光源4から出射された第1および第2のレーザ光をトラッキング検出用に3ビームに回折する回折素子51と、回折素子51により3ビームに分離したレーザ光を部分反射するハーフミラー52と、ハーフミラー52からのレーザ光を平行光にするコリメートレンズ53と、この平行光を光記録ディスクに向けて立ち上げる立ち上げミラー59と、立ち上げミラー59からのレーザ光を光記録ディスクの記録面に収束させる対物レンズ91とが含まれている。また、共通の光学系には、光記録ディスクの記録面で反射された後に、コリメートレンズ53およびハーフミラー52を通過した第1および第2のレーザ光の戻り光に非点収差を付与するためのセンサーレンズ54も含まれている。なお、ハーフミラー52に対して回折素子51とは反対側にはフロントモニター用受光素子56が配置されている。
【0025】
ここで、図10(a)、(b)は各々、図2に示す光ヘッド装置を斜め下方から見たときの斜視図、およびP−P断面図である。
【0026】
対物レンズ91は、対物レンズ駆動機構9によってトラッキング方向およびフォーカシング方向の位置がサーボ制御されるようになっており、このような対物レンズ駆動機構9も装置フレーム2に搭載されている。本形態では、対物レンズ駆動機構9としてワイヤサスペンション方式のものを用いており、かかる対物レンズ駆動機構9としては周知のものを用いることができるので、詳細な説明を省略するが、対物レンズ91を保持しているレンズホルダ96と、このレンズホルダ96を複数本のワイヤでトラッキング方向およびフォーカシング方向に移動可能に支持しているホルダ支持部98と、装置フレーム2に固定されたヨーク92とを備えている。
【0027】
このヨーク92には、底面から上方側に向かって直角に折曲した一対の折曲部94、94が延設され、この折曲部94、94の先端側には、双方に跨るようにしてL型のヨークカバー95が固定されている。なお、このヨークカバー95は、図1に示すように、3箇所で接着剤によりアクチュエータカバー7に接着固定されている。さらに、折曲部94、94の対向面には駆動マグネット93が固定されている。また、対物レンズ駆動機構9は、レンズホルダ96に取り付けられた駆動コイル97と、ヨーク92に取り付けられた駆動マグネット93とにより構成される磁気駆動回路を備えており、駆動コイル97に対する通電を制御することにより、レンズホルダ96に保持された対物レンズ91を光記録ディスクに対してトラッキング方向およびフォーカシング方向に駆動する。なお、対物レンズ駆動機構9は、対物レンズ91のジッタ方向の傾きを調整するチルト制御も可能である。
【0028】
このように構成した光ヘッド装置1において、ツインレーザ光源4から出射された第1および第2のレーザ光は、回折素子51を透過した後、一部がハーフミラー52の部分反射面によって反射され、その光軸が90度折り曲げられてコリメートレンズ53に向かう。そして、コリメートレンズ53で平行光化されたレーザ光は、立ち上げミラー59でその光軸が90度折り曲げられて対物レンズ91に向かう。その際、ツインレーザ光源4から出射された第1および第2のレーザ光の一部は、ハーフミラー52の部分反射面を透過して、モニター光としてフロントモニター用受光素子56に導かれる。このフロントモニター用受光素子56でのモニター結果は、駆動用ICを介してツインレーザ光源4にフィードバックされ、ツインレーザ光源4から出射されるレーザ光の強度が制御される。
【0029】
一方、光記録ディスクからの戻り光は、対物レンズ91、立ち上げミラー59を逆に戻り、コリメートレンズ53、ハーフミラー52を介してセンサーレンズ54に向けて出射され、このセンサーレンズ54によって非点収差が付与された後、信号検出用受光素子55に入射し、信号検出用受光素子55で検出される。この信号検出用受光素子55で検出される戻り光には、第1および第2のレーザ光が回折素子51で回折された3ビームが含まれており、例えば、3ビームのうち、0次光からなるメインビームよって信号の再生が行われるとともに、0次光や±1次回折光からなるサブビームの検出結果を用いて対物レンズ91のフォーカシングエラー信号やトラッキングエラー信号の検出が行われる。このようにして検出されたフォーカシングエラー信号やトラッキングエラー信号の検出結果に基づいて、駆動用ICは対物レンズ駆動機構9を制御する。
【0030】
このように本形態では、共通の対物レンズ91により第1のレーザ光および第2のレーザ光による記録、再生を行うため、対物レンズ91については、同心円状の溝や段差により回折格子が形成された2波長レンズが用いられている。このため、本形態によれば、対物レンズ91を共用しても、第1のレーザ光および第2のレーザ光の双方について、表面保護層の厚さが異なる記録層を備えた光記録ディスクに対応することができる。
【0031】
[各部材の詳細説明]
図6(a)、(b)は、本発明を適用した光ヘッド装置に用いたメインフレームを斜め上方から見たときの斜視図、およびメインフレームを斜め下方から見たときの斜視図である。図7(a)〜(e)は各々、図6に示すメインフレームの平面図、底面図、左側面図、右側面図、およびM−M断面図である。図8(a)、(b)は各々、本発明を適用した光ヘッド装置に用いたサブフレームを斜め上方からみたときの斜視図、および斜め下方からみたときの斜視図である。図9(a)〜(e)は各々、図8に示すサブフレームの平面図、底面図、正面図、左側面図および右側面図である。
【0032】
(装置フレーム2の構成)
本形態の光ヘッド装置1において、装置フレーム2は、図6および図7に示す樹脂製の枠状部品からなるメインフレーム21と、図8および図9に示す金属製のサブフレーム22とから構成されており、サブフレーム22は、図2〜図4に示すように、メインフレーム21の内側のサブフレーム搭載領域210に配置された状態でメインフレーム21に保持されている。図6および図7に示すように、メインフレーム21の方には第1の軸受部211および第2の軸受部212などが形成されている。装置フレーム2の内部は、図3に示すように、サブフレーム22が配置されたサブフレーム搭載領域210と、対物レンズ駆動機構9が配置された対物レンズ駆動機構搭載領域230とに区画されている。なお、サブフレーム22は、例えば、亜鉛合金ダイカスト品である。
【0033】
本形態では、ツインレーザ光源4、回折素子51、ハーフミラー52、コリメートレンズ53、センサーレンズ54、信号検出用受光素子55、およびモニター用受光素子56は、サブフレーム22に搭載された状態でメインフレーム21に搭載されている。これに対して、立ち上げミラー59は、メインフレーム21に対して直接、搭載されている。
【0034】
すなわち、図6に示すように、メインフレーム21の内壁には、サブフレーム搭載領域210と、対物レンズ駆動機構9搭載領域230との境界領域において、図示しない主軸と副軸の長尺方向に、互いに対向するようにして延設された一対の延設部220、220が形成されている。この延設部220、220の互いに対向する対抗面の間に、立ち上げミラー59の反射面と裏面591を繋ぐ側壁部592、592の下部側が配設され、接着剤85を用いて固定されている。このようにして、一対の延設部220、220に固定された立ち上げミラー59は、反射面と裏面591を繋ぐ下面539が、下面カバー8の露出穴84から露出している。また、この露出穴84からは、一対の延設部220、220の一部も露出しており、図10(a)に示すように、一対の延設部220、220の一部、立ち上げミラー59の下面539、および露出穴84の周縁部の全てに跨るように接着剤85が塗布されている。なお、対物レンズ91を駆動するための対物レンズ駆動機構9は、ヨーク92がメインフレーム21に固定されることにより、メインフレーム21上に搭載されている。
【0035】
以下、光ヘッド装置1に用いた各部品の構造を詳述する。まず、図6および図7に示すメインフレーム21は、両端部に第1の軸受部211および第2の軸受部212を備えているとともに、メインフレーム21の内側には、上述したサブフレーム搭載領域210と対物レンズ駆動機構搭載領域230とが配設されている。サブフレーム搭載領域210と対物レンズ駆動機構搭載領域230とは、その長さ方向の中心から第1の軸受部211の方に偏った位置にサブフレーム搭載領域210が形成され、第2の軸受部212の方に偏った位置に対物レンズ駆動機構搭載領域230が形成されている。
【0036】
メインフレーム21において、サブフレーム搭載領域210を両側で挟む2箇所は、サブフレーム22に対する位置決め突起218、219を各々備えた第1のサブフレーム連結領域213と第2のサブフレーム連結領域214になっており、第1のサブフレーム連結領域213は、第1の軸受部211が位置する側で隣接する端部領域215の斜辺部の端部から屈曲して延びる部分として形成されている。一方、第2のサブフレーム連結領域214は、端部領域215の端部から円弧状の湾曲部分への切り換わる部分に形成されている。
【0037】
ここで、第1のサブフレーム連結領域213および第2のサブフレーム連結領域214はいずれも、端部領域215より厚さ寸法が薄く、端部領域215より低くなっている。従って、メインフレーム21において、第1のサブフレーム連結領域213と端部領域215との境界領域216、217の上面、および第2のサブフレーム連結領域214と端部領域215との境界領域216、217の上面にはそれらの厚さの差に相当する段差が形成されているが、本形態では、2つの境界領域216、217の上面はいずれも、端部領域215側から第1のサブフレーム連結領域213側および第2のサブフレーム連結領域214側に向かって厚さ寸法が漸減するテーパ面になっている。
【0038】
また、第1のサブフレーム連結領域213は端部領域215と比較して幅寸法が全体に大きく幅広になっている。また、第2のサブフレーム連結領域214において端部領域215に近い領域は、第1のサブフレーム連結領域213と同等な幅広になっている。
【0039】
図8および図9に示すように、サブフレーム22は略矩形の平面形状を備えており、上面は全体として平坦に形成されている一方、下面側には各光学素子を位置決めするリブや凹凸などが形成されている。また、サブフレーム22では、上面側から左右両側に向けて薄板状の第1の連結板部221と第2の連結板部222が延びている。ここで、第1の連結板部221には、メインフレーム21の位置決め突起218が嵌る長穴223が貫通穴として形成され、第2の連結板部222には、メインフレーム21の位置決め突起219が嵌る丸穴224が貫通穴として形成されている。
【0040】
従って、サブフレーム22を、図1〜図4に示すように、メインフレーム21に搭載するにあたっては、サブフレーム22をメインフレーム21のサブフレーム搭載領域210に配置した状態で、第1の連結板部221をメインフレーム21の第1のサブフレーム連結領域213に重ね、第2の連結板部222をメインフレーム21の第2のサブフレーム連結領域214に重ねる。その結果、メインフレーム21の位置決め突起218、219は各々、第1の連結板部221の長穴213および第2の連結板部222の丸穴214に嵌り、サブフレーム22の位置決めが行われる。この状態で、第1のサブフレーム連結領域213の外側端部、および第2のサブフレーム連結領域214の外側端部は、第1の連結板部221の端縁および第2の連結板部222位の端縁よりも外側にはみ出しており、第1のサブフレーム連結領域213および第2のサブフレーム連結領域214では、第1の連結板部221の端縁および第2の連結板部222の端縁より段部228、229(図4(a)参照)が形成される。
【0041】
従って、この段部228、229にUV硬化型の接着剤を塗布した後、UV照射により接着剤を固化させれば、第1のサブフレーム連結領域213および第2のサブフレーム連結領域214に第1の連結板部221および第2の連結板部222が接着固定される。その際、接着剤は、第1のサブフレーム連結領域213と第1の連結板部221との隙間、および第2のサブフレーム連結領域214と第2の連結板部222との隙間にも入り込んでいるので、第1のサブフレーム連結領域213および第2のサブフレーム連結領域214と、第1の連結板部221および第2の連結板部222とは面接着状態なる。
【0042】
(サブフレーム22への各種光学素子の実装構造)
再び、図3〜図5において、サブフレーム22には、中央領域にハーフミラー52が接着固定され、ハーフミラー52の搭載位置の側方には回折素子51が実装されている。ここで、回折素子51は板バネ510により付勢された状態で接着固定されている。
【0043】
また、サブフレーム22において、回折素子51の搭載位置の側方にはツインレーザ光源4が配置されている。ここで、ツインレーザ光源4は、筒状のケースにレーザチップ41が収納されたキャンタイプではなく、レーザチップ41が実装されたサブマウント43が放熱フィン44の上面に搭載されたフレームタイプのレーザ光源であり、放熱フィン44の両端部は、サブフレーム22に接着剤で固定されている。なお、フレームタイプのレーザ光源では、放熱フィン44に対してレーザチップ41が実装されたサブマウント43を囲むように樹脂部分45がモールドされている。
【0044】
ここで、ツインレーザ光源4は、レーザチップ41が実装された上面を光ヘッド装置1の上面に向けて配置され、放熱フィン44の上面がサブフレーム22の段部226に当接し、上下方向の位置決めが行われている。すなわち、ツインレーザ光源4において、樹脂部分45の上面にはバリが発生している可能性があるが、本形態では、放熱フィン44の上面をサブフレーム22の段部226に当接させているため、かかるバリが発生していても、放熱フィン44を精度よく所定の位置に所定の姿勢で配置することができる。
【0045】
また、図5に示すように、サブフレーム22において、ツインレーザ光源4の前方位置には平面E型の金属部品12が接着固定されており、この金属部品12の3つの突起121、122、123のうちの中央の突起122は、放熱フィン44の下面のうち、レーザチップ41およびサブマウント43が搭載されている部分の裏面側に相当する位置に当接している。
【0046】
このようにしてサブフレーム22に搭載されたツインレーザ光源4は、後方に延びたリードピン42が光源実装基板40に実装されており、この光源実装基板40からは3本のリード線11が延びている。また、光源実装基板40のグランドパターンにはグランド配線111の一方端がハンダにより接続され、このグランド配線111の他方端はサブフレーム22にネジにより固定されている。
【0047】
ここで、3本のリード線11は、一方端が光源実装基板40にハンダにより接続されている一方、他方端はフレキシブル基板3の端部33にハンダにより接続されている。
【0048】
なお、サブフレーム22において、ツインレーザ光源4が実装されている領域の上面には放熱シート17が貼られている。
【0049】
また、サブフレーム22において、メインフレーム21の第1の軸受部211が位置する側の端部には、開口が形成された突部226が形成されており、この突部226には、信号検出用受光素子55を支持する支持基板57が接着固定されている。ここで、支持基板57は、長さ方向の中央に信号検出用受光素子55が支持されている。また、支持基板57の左右両側の端部571、572は、突部556を両側から挟むように屈曲し、接着剤85により突部226に固定されている。このような構成を採用したため、本形態では、信号検出用受光素子55を配置するスペースが狭い場合でも、支持基板57としてサイズの大きなものを用いることができる。従って、支持基板57は、放熱性が高く、かつ、熱容量が大きいので、ツインレーザ光源4の発熱などに起因する信号検出用受光素子55の温度上昇を防止することができる。また、支持基板57を接着した後、環境温度が変化した際に、左右両側の接着剤85の間で収縮あるいは膨張の度合いにアンバランスが発生したときでも信号検出用受光素子55の位置や姿勢が大きく変動することがない。なお、突部226の内側には外形が円筒状のセンサーレンズ54が配置されている。
【0050】
さらに、サブフレーム22の他方の端部には略U字溝状の開口が形成されており、この開口にコリメートレンズ53が固定されている。
【0051】
さらにまた、サブフレーム22において、ハーフミラー52の背後には、フレキシブル基板3の端部が接続されたモニター用受光素子56が実装されている。
【0052】
[光ヘッド装置1の製造方法]
このように構成した光ヘッド装置1を組み立てる際には、まず、図5に示すように、サブフレーム22に対して、ツインレーザ光源4、回折素子51、ハーフミラー52、センサーレンズ54、コリメートレンズ53を搭載する。この段階では、信号検出用受光素子55やモニター用受光素子56はサブフレーム22に搭載しない。また、回折素子51およびセンサーレンズ54は各々、板バネ510、540で仮固定されているだけである。
【0053】
また、この段階では、フレキシブル基板3も接続されていないが、本形態では、ツインレーザ光源4に対してはリード線11が接続されている。このため、リード線11から電源供給を行って、例えば、ツインレーザ光源4のうち、DVD用の第1のレーザチップを点灯させ、コリメートレンズ53から出射される第1のレーザ光を観察する。そして、コリメートレンズ53から出射された光がコリメート光となるように、ツインレーザ光源4の光軸上の位置を調整する。その際、ツインレーザ光源4については光軸に直交する位置も調節する。次に、CD用の第2のレーザチップを点灯させて、コリメートレンズ53から出射される第1のレーザ光を観察し、ツインレーザ光源4の角度位置や回折素子51の位置を調節する。その後、ツインレーザ光源4を接着剤で固定する。
【0054】
さらに、信号生成用受光素子をロボットなどで保持した状態で、ツインレーザ光源4から第1のレーザ光および第2のレーザ光を出射させるとともに、コリメートレンズ53から出射された光を、光記録ディスクに代わる検査用ミラーで反射させ、その反射光が信号検出用受光素子55の所定位置にスポットを形成するように、信号生成用受光素子55およびセンサーレンズ54の位置調整を行う。このような位置調整を行った後、信号検出用受光素子55およびセンサーレンズ54をサブフレーム22に接着固定する。
【0055】
このような調整をサブフレーム22上で行った後、図4に示すように、立ち上げミラー59が搭載されたメインフレーム21にサブフレーム22を搭載する。この段階では、対物レンズ駆動機構9はメインフレーム21に搭載されていない。
【0056】
サブフレーム22のメインフレーム21への搭載作業を行う際には、サブフレーム22の第1の連結板部221および第2の連結板部222を各々、メインフレーム21の第1のサブフレーム連結部213および第2のサブフレーム連結部214に重ね、第1の連結板部221および第2の連結板部222に形成されている長穴223および丸穴224にメインフレーム21の位置決め突起218、219が嵌るように位置合わせを行う。また、ツインレーザ光源4の第1のレーザチップ41を点灯させ、立ち上げミラー59からの出射光を観察し、サブフレーム22の傾きなどを調整する。
【0057】
このような調整作業を行った後、第1のサブフレーム連結領域213および第2のサブフレーム連結領域214において、第1の連結板部221の端縁および第2の連結板部222の端縁より形成された段部228、229にUV硬化型の接着剤を塗布した後、UV照射により接着剤を固化させ、第1のサブフレーム連結領域213および第2のサブフレーム連結領域214に第1の連結板部221および第2の連結板部222を接着固定する。その際、接着剤は、第1のサブフレーム連結領域213と第1の連結板部221との隙間、および第2のサブフレーム連結領域214と第2の連結板部222との隙間にも入り込んでいるので、第1のサブフレーム連結領域213および第2のサブフレーム連結領域214と、第1の連結板部221および第2の連結板部222とは面接着状態なる。
【0058】
次に、図3に示すように、メインフレーム21に対物レンズ駆動機構9を搭載する。また、駆動用IC30が実装されたフレキシブル基板3を搭載する。そして、フレキシブル基板3の端部31、32、33、34を信号検出用受光素子55が実装された配線基板550、ツインレーザ光源4が実装された光源実装基板40、およびモニター用受光素子56に接続する。
【0059】
次に、フレキシブル基板3との間に放熱シート18を介在させた状態でアクチュエータカバー7を装置フレーム2に取り付ける。また、装置フレーム2の上面には上面カバー6を取り付け、装置フレーム2の底面に下面カバー8を取り付ける。ここで、装置フレーム2の底面に下面カバー8を取り付けると、下面カバー8の露出穴84から上げミラー59の下面593およびメインフレーム21の一対の延設部220が露出しており、最後に、この下面593および一対の延設部220を露出穴84の周縁部に接着固定させることにより、光ヘッド装置1が完成する。
【0060】
[本形態の主な効果]
以上説明したように、本形態の光ヘッド装置1において、下面カバー8には、立ち上げミラー59の下面593が露出する露出穴84を有し、下面593が、この露出穴84から露出した一対の延設部220とともに露出穴84の周縁部に接着固定されている。故に、光ヘッド装置1の薄型化を妨げることなく、振動を抑制することにより光学系を安定化できるため、光ヘッド装置1において、サーボの破綻が発生しない。
【0061】
また、本形態において、装置フレーム2は、樹脂製の枠状部品からなるメインフレーム21に対して亜鉛ダイカスト品からなるサブフレーム22が接着固定された構造を備えている。故に、サブフレーム22は熱伝達性が高く、メインフレーム21は安価であるため、本形態によれば、装置フレーム2の低コスト化および軽量化とともに、ツインレーザ光源4で発生した熱をサブフレーム22を介して上面カバー6および下面カバー8に伝達し、放熱することができる。しかも、トラッキング動作時に4キロヘルツ乃至10キロヘルツの間のフレームのねじれに起因した共振を抑制することができ、光ヘッド装置1において、サーボの破綻が発生することがない。また、サブフレーム22を、ツインレーザ光源4、信号検出用受光素子55、および光学系を構成する複数の光学素子が搭載された1つの光学モジュールとして扱うことができるので、対物レンズ駆動機構9とともに、それぞれ光学調整を行った後、メインフレーム21に搭載すればよく、光ヘッド装置1を組み立てる際の光学調整が容易になる。
【0062】
[その他の実施の形態]
なお、上記形態では、立ち上げミラー59の下面593が、一対の延設部220および露出穴84の周縁部に接着固定させているが、この構成に替えて、立ち上げミラー59に近接配置された対物レンズ駆動機構9に固定するようにしてもよい。
【0063】
すなわち、立ち上げミラー59は、図6(b)に示すように、反射面と裏面591を繋ぐ側壁部592、592の下部側が、延設部220、220の互いに対向する対抗面の間に配設され、接着剤85を用いて固定されるとともに、立ち上げミラー59の上端側は、対物レンズ駆動機構9のヨーク92の底面から上方側に直角に折曲した折曲部94に対向するようにして対抗面594が形成されている。この対抗面594と折曲部94との隙間に接着剤を塗布し、立ち上げミラー59を対物レンズ駆動機構9に固定するようにしてもよい。なお、この立ち上げミラー59を対物レンズ駆動機構9に接着固定させる構成と、立ち上げミラー59の下面593を一対の延設部220および露出穴84の周縁部に接着固定させる構成とを併用させてもよい。
【0064】
この場合、立ち上げミラー59の表面側へは影響がないので、光記録ディスク側に立ち上げる光路を確保することができ、しかも、立ち上げミラー59をヨーク92に接着することにより、トラッキング動作時に発生する4キロヘルツ乃至10キロヘルツの間の共振を確実に抑制することができる。
【0065】
また、上記形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において変形実施可能である。例えば、上記形態では、一対の延設部220、220の一部、立ち上げミラー59の下面539、および露出穴84の周縁部の全てに跨るように接着剤85が塗布されているが、一対の延設部220、220の一部は露出穴84の周縁部に接着しなくてもよい。すなわち、立ち上げミラー59の下面539と露出穴84の周縁部のみに跨るように接着剤85を塗布してもよい。
【0066】
さらに、上記形態では、立ち上げミラー59が、対物レンズ駆動機構9または露出穴84の周縁部に接着剤を用いて固定されているが、他の固定手段により固定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明を適用した光ヘッド装置の平面図である。
【図2】(a)〜(e)は各々、図1に示す光ヘッド装置において、フレキシブル基板の一部を除去してその本体部分を拡大した平面図、底面図、左側面図、右側面図、およびO−O断面図である。
【図3】(a)、(b)は各々、図1に示す光ヘッド装置の本体部分から上面カバー、底面カバーおよびアクチュエータカバーを取り外した状態の平面図および底面図である。
【図4】(a)〜(e)は各々、図3に示す状態からフレキシブル基板および対物レンズ駆動機構を取り外した状態の平面図、底面図、左側面図、右側面図、およびN−N断面図である。
【図5】(a)〜(c)は各々、図4に示す状態からサブフレームを抜き出して示す平面図、底面図およびJ−J断面図である。
【図6】(a)、(b)は、本発明を適用した光ヘッド装置に用いたメインフレームを斜め上方から見たときの斜視図、およびメインフレームを斜め下方から見たときの斜視図である。
【図7】(a)〜(e)は各々、図6に示すメインフレームの平面図、底面図、左側面図、右側面図、およびM−M断面図である。
【図8】(a)、(b)は各々、図1に示す光ヘッド装置に用いたサブフレームを斜め上方からみたときの斜視図、および斜め下方からみたときの斜視図である。
【図9】(a)〜(e)は各々、図8に示すサブフレームの平面図、底面図、正面図、左側面図および右側面図である。
【図10】(a)、(b)は各々、図2に示す光ヘッド装置を斜め下方から見たときの斜視図、およびP−P断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1 光ヘッド装置
2 装置フレーム
4 ツインレーザ光源(発光素子)
6 上面カバー
7 アクチュエータカバー
8 下面カバー
9 対物レンズ駆動機構
21 メインフレーム
22 サブフレーム
55 信号検出用受光素子
59 立ち上げミラー
84 露出穴
85 接着剤
91 対物レンズ
92 ヨーク
211 第1の軸受け部
212 第2の軸受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、信号検出用受光素子と、前記発光素子から光記録ディスクに向かう光路および前記光記録ディスクから前記信号検出用受光素子に向かう光路を構成する光学系とが装置フレームに搭載された光ヘッド装置において、
前記装置フレームは、少なくとも、前記発光素子、前記信号検出用受光素子、前記光学系を構成する複数の光学素子、および該光学素子としての対物レンズを保持し該対物レンズを駆動する対物レンズ駆動機構の一部を覆うカバーを有し、
前記光路を前記光記録ディスク側に立ち上げる前記光学素子としての立ち上げミラーが、前記装置フレームに搭載されるとともに前記カバーに固定されていることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項2】
発光素子と、信号検出用受光素子と、前記発光素子から光記録ディスクに向かう光路および前記光記録ディスクから前記信号検出用受光素子に向かう光路を構成する光学系と、前記光学系内に配設される対物レンズを保持し該対物レンズを駆動する対物レンズ駆動機構とが装置フレームに搭載された光ヘッド装置において、
前記光学系には、前記光路を前記光記録ディスク側に立ち上げる立ち上げミラーを有し、該立ち上げミラーが、前記装置フレームに搭載されるとともに前記対物レンズ駆動機構に固定されていることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記装置フレームは、両端部に軸受けが形成された枠体部品からなるメインフレームと、前記信号検出用発光素子、前記受光素子、および前記光学系を構成する複数の光学素子の少なくとも一部が搭載された金属製のサブフレームとを備え、該サブフレームは、メインフレームの内側に配置されていることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項4】
請求項3において、前記メインフレームは、前記対物レンズ駆動機構が内側に配設された枠体部品であることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項5】
請求項3ないし4のいずれかにおいて、前記メインフレームは、樹脂製であることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記立ち上げミラーは、前記カバーまたは前記対物レンズ駆動機構に接着固定されていることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項7】
請求項6において、前記カバーには、前記立ち上げミラーが露出する露出穴を有し、該露出穴の周縁部および前記露出穴から露出した前記立ち上げミラーとに跨って接着剤が塗布されていることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項8】
請求項7において、前記露出穴から前記メインフレームが露出され、前記露出穴の周縁部と、該露出穴から露出した前記立ち上げミラーおよび前記メインフレームとの全てに跨って接着剤が塗布されていることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項9】
請求項6において、前記対物レンズ駆動機構は、前記立ち上げミラーに近接配置され、該立ち上げミラーの裏面が、前記対物レンズ駆動機構のヨークに接着固定されていることを特徴とする光ヘッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−157232(P2007−157232A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350385(P2005−350385)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】