光変調器
【課題】高周波電気信号のクロストークを小さくした光変調器を提供する。
【解決手段】電気光学効果を有する基板と、基板に形成された光を導波するためのマッハツェンダ光導波路を含んでなる光導波路と、基板の一方の面側に形成され、光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用として複数の中心導体及び複数の接地導体からなる進行波電極を具備する光変調器において、複数の中心導体のうちの隣接する中心導体に挟まれた接地導体の高さが等価的に高くなるように、前記接地導体の上面に導体が立設されている。
【解決手段】電気光学効果を有する基板と、基板に形成された光を導波するためのマッハツェンダ光導波路を含んでなる光導波路と、基板の一方の面側に形成され、光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用として複数の中心導体及び複数の接地導体からなる進行波電極を具備する光変調器において、複数の中心導体のうちの隣接する中心導体に挟まれた接地導体の高さが等価的に高くなるように、前記接地導体の上面に導体が立設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信などで数十GHzの高速で動作させ、高周波電気信号のクロストークを小さくした光変調器に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信で用いられる代表的な光デバイスとして誘電体材料を用いた光変調器がある。近年、高速、大容量の光通信システムが実用化されているが、このような高速、大容量の光通信システムに組込むための高速、小型、かつ低価格の光変調デバイスの開発が求められている。
【0003】
このような要望に応える光デバイスとして、リチウムナイオベート(LiNbO3)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(変調用基板であり、以下LN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)がある。このLN光変調器は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbps、10Gbpsの大容量光通信システムに適用されている。最近はさらに、複数のマッハツェンダ光導波路をネスト状に組み合わせた40Gbps、あるいは100Gbpsの超大容量光通信システムにも適用が検討されている。
【0004】
以下、従来技術としてのLN光変調器の概略について説明する。
【0005】
(従来技術)
特許文献1に開示されたゼロチャープを実現するための概念を、DQPSK型LN光変調器に適用した例を第1の従来技術の概略上面図として図15に示す。図16は、進行波電極を省略して光導波路構造のみ示している。DQPSK型の構造は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路が形成されたネスト型の構造となっている。
【0006】
ここで1はz−カットLN基板、2はSiO2バッファ層、3は光導波路、3a、3b、3c、3dは相互作用光導波路、4a、4bは高周波電気信号用進行波電極の中心導体、5a、5b、5cは電気信号用進行波電極の接地導体である。20a、20b、20c、20dはチャイルドマッハツェンダ光導波路用のバイアス電極、21a、21bはペアレントマッハツェンダ光導波路用のバイアス電極である。なお、温度ドリフト抑圧用として用いられるSi導電層の図示は省略した。そして、Iを分極非反転領域、IIを分極反転領域と構成している。
【0007】
この特許文献1の構成は、進行波電極において相互作用部をほぼまっすぐにすることにより、マイクロ波である電気信号の特性の劣化を極力抑えることができ、また、光導波路を位置的にシフトさせることにより、中心導体及び接地導体と2本の光導波路との相対位置を電気信号と光との複数の相互作用部において逆転させている。電気信号の劣化を抑えることにより広い光変調帯域を実現するとともに、進行波電極に対し2本の光導波路の相対位置を入れ替えることができ、光信号パルスのチャーピングを極力抑えることを可能としたものである。
【0008】
図17は図15のA−A´における断面図である。ここで、6a、6b、6c、6d、6eはリッジ部であり、7a、7b、7c、7dはリッジ部6a、6b、6c、6d、6eを形成するための凹部を表している。8aは中心導体4aからその最近接の接地導体5a、5bに飛ぶ電気力線であり、8bは中心導体4bからその最近接の接地導体5b、5cに飛ぶ電気力線である。
【0009】
この従来技術における問題について考える。中心導体4a、4bの中心間の距離Sが例えば50μm程度と小さい場合には、中心導体4aから中心導体4bに飛ぶ電気力線9が発生する。中心導体4a、4bには各々異なる電気信号が印加されており、電気力線9は中心導体4a、4bを伝搬する高周波電気信号間の電気的クロストークとなる。なお、中心導体4bから中心導体4aに飛ぶ電気力線も発生するが、ここでは図示を省略している。
【0010】
図18に中心導体4aと4bの中心間の距離Sを変数とした場合における高周波電気信号の電気的クロストークを示す。図からわかるように、電気的クロストークを改善するには中心導体4aと4bの中心間の距離Sを大きくする必要がある。例えば−25dBの電気的クロストークを得るには中心導体4a、4bの中心間の距離Sとして450μm必要であった。
【0011】
このように、電気的クロストークを抑圧するために中心導体4a、4bの中心間の距離Sを大きくすると、LN光変調器チップの横幅が広くなり、1枚のウェーハから採れるチップの数が少なくなる。そのため、結果的にLN光変調器チップ、ひいてはLN光変調器モジュールのコストが上昇するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−259686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のように、従来技術ではネスト型のLN光変調器における高周波電気信号の電気的クロストークを抑圧するためには、その複数個の中心導体の中心間距離を大きくする以外に方策がなく、1枚のウェーハから採れるチップの数が少なくなってしまっていた。そのため、LN光変調器チップ、ひいてはモジュールとしてのLN光変調器のコストが上昇するという問題があった。本発明は、複数個の中心導体の中心間距離が小さくても良好な電気的クロストークを実現できるLN光変調器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するためのマッハツェンダ光導波路を含んでなる光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用として複数の中心導体及び複数の接地導体からなる進行波電極を具備する光変調器において、前記複数の中心導体のうちの隣接する中心導体に挟まれた前記接地導体の高さが等価的に高くなるように、前記接地導体の上面に導体が立設されていることを特徴としている。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の請求項2に記載の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記導体が線状体でなり、前記光の導波方向に形成されていることを特徴としている。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の請求項3に記載の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記導体が線状体でなり、前記光の導波方向に交わる方向に形成されていることを特徴としている。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の請求項4に記載の光変調器は、請求項2または3に記載の光変調器において、前記導体が少なくとも2つでなり、前記接地導体の上面に積層されていることを特徴としている。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の請求項5に記載の光変調器は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光変調器において、前記導体の材料が金、銅、アルミの少なくとも一つからなるワイヤーであることを特徴としている。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の請求項6に記載の光変調器は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光変調器において、前記導体の材料が金、銅、アルミの少なくとも一つからなるリボンであることを特徴としている。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の請求項7に記載の光変調器は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光変調器において、前記光導波路は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路をそれぞれ有するネスト型光導波路であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、接地導体に例えば金属ワイヤーや金属リボンなどの線状の導体を張ることにより、接地電極の高さが等価的に高くなるようにし、電気力線が1つの中心導体から他の中心導体へ飛ぶのを防ぐ。これにより、優れた電気的クロストークを実現しつつ、LN光変調器のチップの幅を小さくすることができるので、1枚のウェーハから採れるチップの数を多くすることができ、結果LN光変調器のコストを低減することを可能とするという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図2】図1のB−B´における断面図であり、第1の実施形態の原理を説明する図
【図3】電気的クロストークについて本発明の原理を説明する図
【図4】本発明の第2の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図5】図4のC−C´における断面図であり、第2の実施形態の原理を説明する図
【図6】本発明の第3の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図7】図6のD−D´における断面図であり、第3の実施形態の原理を説明する図
【図8】本発明の第4の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図9】図8のE−E´における断面図であり、第4の実施形態の原理を説明する図
【図10】本発明の第5の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図11】図10のF−F´における断面図であり、第5の実施形態の原理を説明する図
【図12】本発明の第6の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図13】本発明の第7の実施形態に係わる光変調器の概略断面図
【図14】本発明の第7の実施形態の変形例に係わる光変調器の概略断面図
【図15】第1の従来技術に係わる光変調器の概略上面図
【図16】第1の従来技術に係わる光変調器に使用されている光導波路について説明する概略上面図
【図17】図14のA−A´における断面図であり、第1の従来技術の問題点を説明する図
【図18】電気的クロストークを説明する図であり、第1の従来技術の問題点を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、図15から図18に示した従来技術と同一の符号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一の符号を持つ機能部の説明を省略する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、10は金ワイヤーである。図からわかるように、本実施形態では金ワイヤー10を接地導体の長さ方向(光の進行方向)に張っている。図1のB−B´における断面図を図2に示す。
【0025】
図2からわかるように、従来技術では中心導体4aから中心導体4bに飛んでしまう電気力線11、および中心導体4bから中心導体4aに飛んでしまう電気力線12を、接地導体の電位(アース)を有する金ワイヤー10がトラップ(捕捉)している。その結果、中心導体4aから発せられた電気力線11は中心導体4bに達することはなく、電気的なクロストークを改善することができる。つまり本発明では、接地電極の高さが等価的に高くなるように構成しており、中心導体から発せられた電気力線を他の中心導体に届かないようにすることにより、電気的クロストークを改善している。このことは本発明の全ての実施形態について言うことができる。
【0026】
図3に中心導体4aと4bの中心間の距離Sを変数とした場合における高周波電気信号の電気的クロストークを、本実施形態と従来技術について示す。図からわかるように、本実施形態の構造を採用することにより電気的クロストークを大幅に改善できる。例えば、−25dBの電気的クロストークを得るには中心導体4a、4bの中心間の距離Sとして従来は450μm必要であったが、本実施形態を用いることにより150μmで良いことがわかった。
【0027】
なお、金ワイヤーを接地導体の上面に取り付ける工程は、ボンディング装置等の半導体組立装置により自動で簡易に行うことができ、製造工数の増加につながることもない。また、図1において金ワイヤー10は接地導体5bに対して山なりの形状として図示したが、高さが高くなることが重要であるので勿論山なりでなくても良いことはいうまでもない。そしてこのことは本発明の全ての実施形態について言える。
【0028】
このように、本実施形態を用いることにより中心導体4a、4bの中心間の距離Sが小さくなるので、LN光変調器チップの横幅が狭くなり、1枚のウェーハから採れるチップの数が多くなる。そのため、結果的にLN光変調器チップ、ひいてはモジュールとしてのLN光変調器のコストを低減できる。そして、このことはDP−QPSKのような、より複雑なネスト構造においてさらに顕著となる。
【0029】
(第2の実施形態)
図4に本発明の第2の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、13と14は金ワイヤーである。図4のC−C´における断面図を図5に示す。この図4と5からわかるように、本実施形態では、金ワイヤー13と14の高さを異ならしめて構成している。このように構成することにより、中心導体4aから中心導体4bに飛ぼうとする電気力線15と16、および中心導体4bから中心導体4aに飛ぼうとする電気力線17と18をより確実に金ワイヤー13と14にトラップすることができ、第1の実施形態よりも電気的クロストーク抑圧の効率が高い。
【0030】
(第3の実施形態)
図6に本発明の第3の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、19と20は金ワイヤーである。図6のD−D´における断面図を図7に示す。この図6と7からわかるように、本実施形態では、金ワイヤー19と20を、中心導体4aと中心導体4bの間にある接地導体5bのエッジ付近に、光の進行方向に沿って並んで張って構成しており、中心導体4aから発せられる電気力線21と中心導体4bから発せられる電気力線22を、いち早くかつ効率的に金ワイヤー19と20でトラップしている。そのため、本実施形態も第1の実施形態よりも電気的クロストーク抑圧の効果が高いと言うことができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図8に本発明の第4の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、30は金ワイヤーである。図8のE−E´における断面図を図9に示す。この図8と9からわかるように、本実施形態では、金ワイヤー30を光の進行方向と交わる方向に張り、それを光の進行方向に並べて構成している。これにより、中心導体4aから発せられる電気力線31と中心導体4bから発せられる電気力線32を効率よく金ワイヤー30にトラップしている。本実施形態では金ワイヤー30を光の進行方向に密に張る(密に並べる)ことができるので、より効果的に電気的クロストークを抑圧できる。なお、図8においては金ワイヤー30が光の進行方向に対して直交して構成しているが、直交でない角度で構成してもよいことは言うまでも無い。
【0032】
(第5の実施形態)
図10に本発明の第5の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、40は金リボンである。本実施形態では複数の金リボン40を接地導体5bの上に固定している。
【0033】
図10のF−F´における断面図を図11に示す。この図10と11からわかるように、本実施形態では金リボン40を光の進行方向に沿って複数個張っており、接地導体5bに密着、あるいはほぼ密着させて構成している。本実施形態では金リボン40と接地導体5bの間に隙間がほぼ無いため、電気力線41、42をより効率よくトラップできるので、電気的クロストークをより小さくすることが可能となる。なお、金リボン40を複数としているので接地導体5bへの応力が小さく、温度ドリフトに対して有利な構造と言える。
【0034】
(第6の実施形態)
図12に本発明の第6の実施形態に関する概略上面図を示す。本実施形態は1本の金リボン43を接地導体の上に固定した構造である。電気力線41と42の向きは第5の実施形態と同様である。複数の金リボン40を用いる第5の実施形態と比較すると、温度ドリフトの観点からやや不利ではあるが、1本の金リボン43を接地導体5bに固定すれば良いので、製作性の面で優れる構造であると言える。
【0035】
(第7の実施形態)
図13は本発明の第7の実施形態に関する概略断面図である。本実施形態では金リボン44、45を接地導体5bの上に積層して固定している。2枚の金リボン44、45を重ねて固定することにより、導体としての高さがより高くなるので、電気力線46、47をトラップする効率が極めて高くなる。
【0036】
図14に、第7の実施形態の変形例を示す。図13に示した態様に対し、凹部7c´と7d´を追加した態様となっている。6c´、6c´´、6e´、及び6e´´はリッジ部である。この態様は、本出願人の発明である特許第4170376号の構成を適用したものである。凹部7cの中心線に対して略対称な位置に凹部7dと7b、凹部7d´と7aが形成されているとともに、接地導体5bの中心線に対して略対称な位置に中心導体4bと4a、接地導体5cと5aが形成されている。このように構成することにより、温度ドリフトを抑制できるとともに、高周波電気信号の低損失な伝搬を可能とできる。なお、この変形態様は上記した第1〜6実施形態にも適用可能である。
【0037】
(各種実施形態)
以上の説明において、金ワイヤー、もしくは金リボンを使用するとして説明してきたが、複数の中心導体の間にある接地導体に導体を付加することによりその高さが等価的に高くなるように構成し、電気的クロストークを抑圧するのが本発明の思想であるので、金ワイヤーの代わりに金リボン、あるいは金リボンの代わりに金ワイヤーを用いても良い。そしてさらに、ブロック状の導体など、その他の形状の導体を用いても良いことはいうまでもない。接地導体の上に形成する導体の材料としてはアルミニウムや銅、鉄、タングステンなど、導体であれば何でも良い。
【0038】
なお、本明細書における説明においてワイヤー(あるいはリボンでも良い)がつながっている図面で説明してきたが、当該ワイヤー(例えば図1における金ワイヤー10)がつながっている必要はなく、断続的に切れていても良い。
【0039】
また、以上の説明においては、電気力線は空中を伝搬する線についてしか説明してこなかったが、基板内を通過する電気力線も当然に存在しており、説明の簡略化のために説明を省略している。
【0040】
進行波電極構成としては構造が対称なCPW電極を用いた構成について説明したが、構造が非対称なCPW電極でも良いし、非対称コプレーナストリップ(ACPS)あるいは対称コプレーナストリップ(CPS)など、その他の構成でも良い。また、半導体光変調器にも適用可能である。また、いわゆるバイアス分離型の構成を用いて説明してきたが、高周波電気信号用相互作用部にバイアスを印加するバイアス一体型の構成でも適用できることは言うまでもない。さらに、分極反転領域が1つの場合を用いて説明してきたが、2つ以上であっても良いし、またなくても良い。
【符号の説明】
【0041】
1:z−カットLN基板(LN基板)
2:SiO2バッファ層
3:マッハツェンダ光導波路(光導波路)
3a、3b、3c、3d:相互作用光導波路
4:進行波電極(電極)
4a、4b:高周波電気信号用進行波電極の中心導体
5a、5b、5c:高周波電気信号用進行波電極の接地導体
6a、6b、6c、6d、6e、6c´、6c´´、6e´、6e´´:リッジ部
7a、7b、7c、7d、7c´、7d´:凹部
8a、8b、9、11、12、15、16、17、18、21、22、31、32、41、42,46,47:電気力線
10、13、14、19,20、30:金ワイヤー
40、43、44、45:金リボン
20a、20b、20c、20d:チャイルドマッハツェンダ光導波路のバイアス電極
21a、21b:ペアレントマッハツェンダ光導波路のバイアス電極
I:非分極反転領域
II:分極反転領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信などで数十GHzの高速で動作させ、高周波電気信号のクロストークを小さくした光変調器に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信で用いられる代表的な光デバイスとして誘電体材料を用いた光変調器がある。近年、高速、大容量の光通信システムが実用化されているが、このような高速、大容量の光通信システムに組込むための高速、小型、かつ低価格の光変調デバイスの開発が求められている。
【0003】
このような要望に応える光デバイスとして、リチウムナイオベート(LiNbO3)のように電界を印加することにより屈折率が変化する、いわゆる電気光学効果を有する基板(変調用基板であり、以下LN基板と略す)に光導波路と進行波電極を形成した進行波電極型リチウムナイオベート光変調器(以下、LN光変調器と略す)がある。このLN光変調器は、その優れたチャーピング特性から2.5Gbps、10Gbpsの大容量光通信システムに適用されている。最近はさらに、複数のマッハツェンダ光導波路をネスト状に組み合わせた40Gbps、あるいは100Gbpsの超大容量光通信システムにも適用が検討されている。
【0004】
以下、従来技術としてのLN光変調器の概略について説明する。
【0005】
(従来技術)
特許文献1に開示されたゼロチャープを実現するための概念を、DQPSK型LN光変調器に適用した例を第1の従来技術の概略上面図として図15に示す。図16は、進行波電極を省略して光導波路構造のみ示している。DQPSK型の構造は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路が形成されたネスト型の構造となっている。
【0006】
ここで1はz−カットLN基板、2はSiO2バッファ層、3は光導波路、3a、3b、3c、3dは相互作用光導波路、4a、4bは高周波電気信号用進行波電極の中心導体、5a、5b、5cは電気信号用進行波電極の接地導体である。20a、20b、20c、20dはチャイルドマッハツェンダ光導波路用のバイアス電極、21a、21bはペアレントマッハツェンダ光導波路用のバイアス電極である。なお、温度ドリフト抑圧用として用いられるSi導電層の図示は省略した。そして、Iを分極非反転領域、IIを分極反転領域と構成している。
【0007】
この特許文献1の構成は、進行波電極において相互作用部をほぼまっすぐにすることにより、マイクロ波である電気信号の特性の劣化を極力抑えることができ、また、光導波路を位置的にシフトさせることにより、中心導体及び接地導体と2本の光導波路との相対位置を電気信号と光との複数の相互作用部において逆転させている。電気信号の劣化を抑えることにより広い光変調帯域を実現するとともに、進行波電極に対し2本の光導波路の相対位置を入れ替えることができ、光信号パルスのチャーピングを極力抑えることを可能としたものである。
【0008】
図17は図15のA−A´における断面図である。ここで、6a、6b、6c、6d、6eはリッジ部であり、7a、7b、7c、7dはリッジ部6a、6b、6c、6d、6eを形成するための凹部を表している。8aは中心導体4aからその最近接の接地導体5a、5bに飛ぶ電気力線であり、8bは中心導体4bからその最近接の接地導体5b、5cに飛ぶ電気力線である。
【0009】
この従来技術における問題について考える。中心導体4a、4bの中心間の距離Sが例えば50μm程度と小さい場合には、中心導体4aから中心導体4bに飛ぶ電気力線9が発生する。中心導体4a、4bには各々異なる電気信号が印加されており、電気力線9は中心導体4a、4bを伝搬する高周波電気信号間の電気的クロストークとなる。なお、中心導体4bから中心導体4aに飛ぶ電気力線も発生するが、ここでは図示を省略している。
【0010】
図18に中心導体4aと4bの中心間の距離Sを変数とした場合における高周波電気信号の電気的クロストークを示す。図からわかるように、電気的クロストークを改善するには中心導体4aと4bの中心間の距離Sを大きくする必要がある。例えば−25dBの電気的クロストークを得るには中心導体4a、4bの中心間の距離Sとして450μm必要であった。
【0011】
このように、電気的クロストークを抑圧するために中心導体4a、4bの中心間の距離Sを大きくすると、LN光変調器チップの横幅が広くなり、1枚のウェーハから採れるチップの数が少なくなる。そのため、結果的にLN光変調器チップ、ひいてはLN光変調器モジュールのコストが上昇するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−259686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のように、従来技術ではネスト型のLN光変調器における高周波電気信号の電気的クロストークを抑圧するためには、その複数個の中心導体の中心間距離を大きくする以外に方策がなく、1枚のウェーハから採れるチップの数が少なくなってしまっていた。そのため、LN光変調器チップ、ひいてはモジュールとしてのLN光変調器のコストが上昇するという問題があった。本発明は、複数個の中心導体の中心間距離が小さくても良好な電気的クロストークを実現できるLN光変調器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の光変調器は、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するためのマッハツェンダ光導波路を含んでなる光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用として複数の中心導体及び複数の接地導体からなる進行波電極を具備する光変調器において、前記複数の中心導体のうちの隣接する中心導体に挟まれた前記接地導体の高さが等価的に高くなるように、前記接地導体の上面に導体が立設されていることを特徴としている。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の請求項2に記載の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記導体が線状体でなり、前記光の導波方向に形成されていることを特徴としている。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の請求項3に記載の光変調器は、請求項1に記載の光変調器において、前記導体が線状体でなり、前記光の導波方向に交わる方向に形成されていることを特徴としている。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の請求項4に記載の光変調器は、請求項2または3に記載の光変調器において、前記導体が少なくとも2つでなり、前記接地導体の上面に積層されていることを特徴としている。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の請求項5に記載の光変調器は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光変調器において、前記導体の材料が金、銅、アルミの少なくとも一つからなるワイヤーであることを特徴としている。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の請求項6に記載の光変調器は、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光変調器において、前記導体の材料が金、銅、アルミの少なくとも一つからなるリボンであることを特徴としている。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の請求項7に記載の光変調器は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光変調器において、前記光導波路は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路をそれぞれ有するネスト型光導波路であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、接地導体に例えば金属ワイヤーや金属リボンなどの線状の導体を張ることにより、接地電極の高さが等価的に高くなるようにし、電気力線が1つの中心導体から他の中心導体へ飛ぶのを防ぐ。これにより、優れた電気的クロストークを実現しつつ、LN光変調器のチップの幅を小さくすることができるので、1枚のウェーハから採れるチップの数を多くすることができ、結果LN光変調器のコストを低減することを可能とするという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図2】図1のB−B´における断面図であり、第1の実施形態の原理を説明する図
【図3】電気的クロストークについて本発明の原理を説明する図
【図4】本発明の第2の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図5】図4のC−C´における断面図であり、第2の実施形態の原理を説明する図
【図6】本発明の第3の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図7】図6のD−D´における断面図であり、第3の実施形態の原理を説明する図
【図8】本発明の第4の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図9】図8のE−E´における断面図であり、第4の実施形態の原理を説明する図
【図10】本発明の第5の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図11】図10のF−F´における断面図であり、第5の実施形態の原理を説明する図
【図12】本発明の第6の実施形態に係わる光変調器の概略上面図
【図13】本発明の第7の実施形態に係わる光変調器の概略断面図
【図14】本発明の第7の実施形態の変形例に係わる光変調器の概略断面図
【図15】第1の従来技術に係わる光変調器の概略上面図
【図16】第1の従来技術に係わる光変調器に使用されている光導波路について説明する概略上面図
【図17】図14のA−A´における断面図であり、第1の従来技術の問題点を説明する図
【図18】電気的クロストークを説明する図であり、第1の従来技術の問題点を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、図15から図18に示した従来技術と同一の符号は同一機能部に対応しているため、ここでは同一の符号を持つ機能部の説明を省略する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1に本発明の第1の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、10は金ワイヤーである。図からわかるように、本実施形態では金ワイヤー10を接地導体の長さ方向(光の進行方向)に張っている。図1のB−B´における断面図を図2に示す。
【0025】
図2からわかるように、従来技術では中心導体4aから中心導体4bに飛んでしまう電気力線11、および中心導体4bから中心導体4aに飛んでしまう電気力線12を、接地導体の電位(アース)を有する金ワイヤー10がトラップ(捕捉)している。その結果、中心導体4aから発せられた電気力線11は中心導体4bに達することはなく、電気的なクロストークを改善することができる。つまり本発明では、接地電極の高さが等価的に高くなるように構成しており、中心導体から発せられた電気力線を他の中心導体に届かないようにすることにより、電気的クロストークを改善している。このことは本発明の全ての実施形態について言うことができる。
【0026】
図3に中心導体4aと4bの中心間の距離Sを変数とした場合における高周波電気信号の電気的クロストークを、本実施形態と従来技術について示す。図からわかるように、本実施形態の構造を採用することにより電気的クロストークを大幅に改善できる。例えば、−25dBの電気的クロストークを得るには中心導体4a、4bの中心間の距離Sとして従来は450μm必要であったが、本実施形態を用いることにより150μmで良いことがわかった。
【0027】
なお、金ワイヤーを接地導体の上面に取り付ける工程は、ボンディング装置等の半導体組立装置により自動で簡易に行うことができ、製造工数の増加につながることもない。また、図1において金ワイヤー10は接地導体5bに対して山なりの形状として図示したが、高さが高くなることが重要であるので勿論山なりでなくても良いことはいうまでもない。そしてこのことは本発明の全ての実施形態について言える。
【0028】
このように、本実施形態を用いることにより中心導体4a、4bの中心間の距離Sが小さくなるので、LN光変調器チップの横幅が狭くなり、1枚のウェーハから採れるチップの数が多くなる。そのため、結果的にLN光変調器チップ、ひいてはモジュールとしてのLN光変調器のコストを低減できる。そして、このことはDP−QPSKのような、より複雑なネスト構造においてさらに顕著となる。
【0029】
(第2の実施形態)
図4に本発明の第2の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、13と14は金ワイヤーである。図4のC−C´における断面図を図5に示す。この図4と5からわかるように、本実施形態では、金ワイヤー13と14の高さを異ならしめて構成している。このように構成することにより、中心導体4aから中心導体4bに飛ぼうとする電気力線15と16、および中心導体4bから中心導体4aに飛ぼうとする電気力線17と18をより確実に金ワイヤー13と14にトラップすることができ、第1の実施形態よりも電気的クロストーク抑圧の効率が高い。
【0030】
(第3の実施形態)
図6に本発明の第3の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、19と20は金ワイヤーである。図6のD−D´における断面図を図7に示す。この図6と7からわかるように、本実施形態では、金ワイヤー19と20を、中心導体4aと中心導体4bの間にある接地導体5bのエッジ付近に、光の進行方向に沿って並んで張って構成しており、中心導体4aから発せられる電気力線21と中心導体4bから発せられる電気力線22を、いち早くかつ効率的に金ワイヤー19と20でトラップしている。そのため、本実施形態も第1の実施形態よりも電気的クロストーク抑圧の効果が高いと言うことができる。
【0031】
(第4の実施形態)
図8に本発明の第4の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、30は金ワイヤーである。図8のE−E´における断面図を図9に示す。この図8と9からわかるように、本実施形態では、金ワイヤー30を光の進行方向と交わる方向に張り、それを光の進行方向に並べて構成している。これにより、中心導体4aから発せられる電気力線31と中心導体4bから発せられる電気力線32を効率よく金ワイヤー30にトラップしている。本実施形態では金ワイヤー30を光の進行方向に密に張る(密に並べる)ことができるので、より効果的に電気的クロストークを抑圧できる。なお、図8においては金ワイヤー30が光の進行方向に対して直交して構成しているが、直交でない角度で構成してもよいことは言うまでも無い。
【0032】
(第5の実施形態)
図10に本発明の第5の実施形態に関する概略上面図を示す。ここで、40は金リボンである。本実施形態では複数の金リボン40を接地導体5bの上に固定している。
【0033】
図10のF−F´における断面図を図11に示す。この図10と11からわかるように、本実施形態では金リボン40を光の進行方向に沿って複数個張っており、接地導体5bに密着、あるいはほぼ密着させて構成している。本実施形態では金リボン40と接地導体5bの間に隙間がほぼ無いため、電気力線41、42をより効率よくトラップできるので、電気的クロストークをより小さくすることが可能となる。なお、金リボン40を複数としているので接地導体5bへの応力が小さく、温度ドリフトに対して有利な構造と言える。
【0034】
(第6の実施形態)
図12に本発明の第6の実施形態に関する概略上面図を示す。本実施形態は1本の金リボン43を接地導体の上に固定した構造である。電気力線41と42の向きは第5の実施形態と同様である。複数の金リボン40を用いる第5の実施形態と比較すると、温度ドリフトの観点からやや不利ではあるが、1本の金リボン43を接地導体5bに固定すれば良いので、製作性の面で優れる構造であると言える。
【0035】
(第7の実施形態)
図13は本発明の第7の実施形態に関する概略断面図である。本実施形態では金リボン44、45を接地導体5bの上に積層して固定している。2枚の金リボン44、45を重ねて固定することにより、導体としての高さがより高くなるので、電気力線46、47をトラップする効率が極めて高くなる。
【0036】
図14に、第7の実施形態の変形例を示す。図13に示した態様に対し、凹部7c´と7d´を追加した態様となっている。6c´、6c´´、6e´、及び6e´´はリッジ部である。この態様は、本出願人の発明である特許第4170376号の構成を適用したものである。凹部7cの中心線に対して略対称な位置に凹部7dと7b、凹部7d´と7aが形成されているとともに、接地導体5bの中心線に対して略対称な位置に中心導体4bと4a、接地導体5cと5aが形成されている。このように構成することにより、温度ドリフトを抑制できるとともに、高周波電気信号の低損失な伝搬を可能とできる。なお、この変形態様は上記した第1〜6実施形態にも適用可能である。
【0037】
(各種実施形態)
以上の説明において、金ワイヤー、もしくは金リボンを使用するとして説明してきたが、複数の中心導体の間にある接地導体に導体を付加することによりその高さが等価的に高くなるように構成し、電気的クロストークを抑圧するのが本発明の思想であるので、金ワイヤーの代わりに金リボン、あるいは金リボンの代わりに金ワイヤーを用いても良い。そしてさらに、ブロック状の導体など、その他の形状の導体を用いても良いことはいうまでもない。接地導体の上に形成する導体の材料としてはアルミニウムや銅、鉄、タングステンなど、導体であれば何でも良い。
【0038】
なお、本明細書における説明においてワイヤー(あるいはリボンでも良い)がつながっている図面で説明してきたが、当該ワイヤー(例えば図1における金ワイヤー10)がつながっている必要はなく、断続的に切れていても良い。
【0039】
また、以上の説明においては、電気力線は空中を伝搬する線についてしか説明してこなかったが、基板内を通過する電気力線も当然に存在しており、説明の簡略化のために説明を省略している。
【0040】
進行波電極構成としては構造が対称なCPW電極を用いた構成について説明したが、構造が非対称なCPW電極でも良いし、非対称コプレーナストリップ(ACPS)あるいは対称コプレーナストリップ(CPS)など、その他の構成でも良い。また、半導体光変調器にも適用可能である。また、いわゆるバイアス分離型の構成を用いて説明してきたが、高周波電気信号用相互作用部にバイアスを印加するバイアス一体型の構成でも適用できることは言うまでもない。さらに、分極反転領域が1つの場合を用いて説明してきたが、2つ以上であっても良いし、またなくても良い。
【符号の説明】
【0041】
1:z−カットLN基板(LN基板)
2:SiO2バッファ層
3:マッハツェンダ光導波路(光導波路)
3a、3b、3c、3d:相互作用光導波路
4:進行波電極(電極)
4a、4b:高周波電気信号用進行波電極の中心導体
5a、5b、5c:高周波電気信号用進行波電極の接地導体
6a、6b、6c、6d、6e、6c´、6c´´、6e´、6e´´:リッジ部
7a、7b、7c、7d、7c´、7d´:凹部
8a、8b、9、11、12、15、16、17、18、21、22、31、32、41、42,46,47:電気力線
10、13、14、19,20、30:金ワイヤー
40、43、44、45:金リボン
20a、20b、20c、20d:チャイルドマッハツェンダ光導波路のバイアス電極
21a、21b:ペアレントマッハツェンダ光導波路のバイアス電極
I:非分極反転領域
II:分極反転領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するためのマッハツェンダ光導波路を含んでなる光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用として複数の中心導体及び複数の接地導体からなる進行波電極を具備する光変調器において、
前記複数の中心導体のうちの隣接する中心導体に挟まれた前記接地導体の高さが等価的に高くなるように、前記接地導体の上面に導体が立設されていることを特徴とする光変調器。
【請求項2】
前記導体が線状体でなり、前記光の導波方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項3】
前記導体が線状体でなり、前記光の導波方向に交わる方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項4】
前記導体が少なくとも2つでなり、前記接地導体の上面に積層されていることを特徴とする請求項2または3に記載の光変調器。
【請求項5】
前記導体の材料が金、銅、アルミの少なくとも一つからなるワイヤーであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項6】
前記導体の材料が金、銅、アルミの少なくとも一つからなるリボンであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項7】
前記光導波路は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路をそれぞれ有するネスト型光導波路であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項1】
電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光を導波するためのマッハツェンダ光導波路を含んでなる光導波路と、前記基板の一方の面側に形成され、前記光を変調する高周波電気信号を印加するための高周波電気信号用として複数の中心導体及び複数の接地導体からなる進行波電極を具備する光変調器において、
前記複数の中心導体のうちの隣接する中心導体に挟まれた前記接地導体の高さが等価的に高くなるように、前記接地導体の上面に導体が立設されていることを特徴とする光変調器。
【請求項2】
前記導体が線状体でなり、前記光の導波方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項3】
前記導体が線状体でなり、前記光の導波方向に交わる方向に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調器。
【請求項4】
前記導体が少なくとも2つでなり、前記接地導体の上面に積層されていることを特徴とする請求項2または3に記載の光変調器。
【請求項5】
前記導体の材料が金、銅、アルミの少なくとも一つからなるワイヤーであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項6】
前記導体の材料が金、銅、アルミの少なくとも一つからなるリボンであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の光変調器。
【請求項7】
前記光導波路は、ペアレントマッハツェンダ光導波路の分岐光導波路上にチャイルドマッハツェンダ光導波路をそれぞれ有するネスト型光導波路であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光変調器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−163840(P2012−163840A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25226(P2011−25226)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】
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