光学式センサ
【課題】複数の検出用導光部材に光を好適に分配し得る光学式センサを提供する。
【解決手段】光学式センサは、光源10と、光源10に光学的に結合された光ファイバー20と、光ファイバー束40と、光ファイバー20から光ファイバー束40に光を分配する光分配部30と、光ファイバー束40によって導光された光を分離して検出する光分離検出器50を有している。光ファイバー束40は、複数の光ファイバー41A,41B,41C,41D,41E,41Fを有している。光ファイバー41A〜41Fは、それぞれ、物理化学状態に応じて光学特性が変化する特性検出部42A,42B,42C,42D,42E,42Fを有している。
【解決手段】光学式センサは、光源10と、光源10に光学的に結合された光ファイバー20と、光ファイバー束40と、光ファイバー20から光ファイバー束40に光を分配する光分配部30と、光ファイバー束40によって導光された光を分離して検出する光分離検出器50を有している。光ファイバー束40は、複数の光ファイバー41A,41B,41C,41D,41E,41Fを有している。光ファイバー41A〜41Fは、それぞれ、物理化学状態に応じて光学特性が変化する特性検出部42A,42B,42C,42D,42E,42Fを有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光部材を用いた光学式センサに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、光ファイバーを用いた湾曲センサを開示している。この湾曲センサでは、光ファイバーの一部に湾曲検出部が設けられている。光ファイバーはコアとクラッドで構成されており、湾曲検出部はクラッドの一部に傷をつけることにより形成されている。光ファイバーによって導光される光のうち、湾曲検出部に到達した光は湾曲検出部で散乱されて、その一部が光ファイバーの外に放射される。この外に放射される光の量は、光ファイバーの湾曲の量と方向に応じて変化する。したがって、光ファイバーの導光損失を測定することにより、光ファイバーの湾曲量を求めることができる。
【0003】
特許文献1は、複数の個所において湾曲を検出し得る湾曲センサを開示している。この湾曲センサは、一本の光供給用ファイバーと複数本の検出用ファイバーを有している。複数本の検出用ファイバーは、一本の光供給用ファイバーの周囲に配置されている。光供給用ファイバーの一端と検出用ファイバーの一端は共に単一のミラーによって覆われており、光供給用ファイバーから出射した光はミラーによって反射されて検出用ファイバーに入射するようになっている。
【0004】
各検出用ファイバーには、一つの湾曲検出部が形成されている。検出用ファイバーは二本で一組を形成している。検出用ファイバーには、組ごとに長手方向の異なる位置に湾曲検出部が設けられている。同じ組の二本の検出用ファイバーの湾曲検出部は、長手方向の同じ位置にあるが、中心軸周りの位置は互いに異なっている。したがって、この湾曲センサでは、各検出用光ファイバーの導光損失を測定することにより、複数の個所における湾曲量と湾曲方向を求めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−44412号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Lee A. Danisch, "Bend-enhanced fiber optic sensor", SPIE vol. 1795 Fiber Optic and Laser Sensors X (1992) pp. 204-214
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の湾曲センサでは、一本の光供給用ファイバーから出射した光は複数本の検出用ファイバーに好適に分配される必要があるが、光の好適の分配について特許文献1はまったく触れていない。具体的には、光供給用ファイバーから出射した光はミラーによって反射されて検出用ファイバーに入射すると説明するだけである。前述したように光供給用ファイバーの一端と検出用ファイバーの一端が共に単一のミラーによって覆われた構成では光の好適な分配は望めない。
【0008】
本発明は、このような実状を考慮してなされたものであり、その目的は、複数の検出用導光部材に光を好適に分配し得る光学式センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による光学式センサは、光源と、前記光源に光学的に結合された光供給用導光部材と、物理化学状態に応じて光学特性が変化する特性検出部をおのおの有する複数の検出用導光部材と、前記光供給用導光部材から前記複数の検出用導光部材に光を分配する光分配部と、前記複数の検出用導光部材によって導光された光を分離して検出する光分離検出器を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の検出用導光部材に光を好適に分配し得る光学式センサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の光学式センサの全体構成を示している。
【図2】図1に示された光分配部の配光変換部の一構成例を模式的に示している。
【図3】図2に示された光分配部における光供給用の光ファイバーと一本の光検出用の光ファイバーを示している。
【図4】図1に示された光分配部の配光変換部の別の構成例を模式的に示している。
【図5】図4に示された光分配部における光供給用の光ファイバーと透明部材と一本の光検出用の光ファイバーを示している。
【図6】第2の実施形態の光学式センサの全体構成を示している。
【図7】図6に示された光供給用の光ファイバーと複数の光検出用の光ファイバーの光軸に垂直な断面での位置関係を示している。
【図8】図6に示された光分配部の配光変換部の一構成例を模式的に示している。
【図9】図8に示された光分配部における光供給用の光ファイバーと一本の光検出用の光ファイバーを示している。
【図10】図6に示された光分配部の配光変換部の別の構成例を模式的に示している。
【図11】図10に示された光分配部における光供給用の光ファイバーと透明部材と一本の光検出用の光ファイバーを示している。
【図12】図6に示された光折り返し部の一構成例を示している。
【図13】図6に示された光折り返し部の別の構成例を示している。
【図14】図6に示された光分配部の別の構成例を示している。
【図15】図6に示された光分配部のまた別の構成例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下に、本発明に係る第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。この実施形態の光学式センサの全体構成を図1に示す。
【0013】
図1に示すように、光学式センサは、光源10と、光源10に光学的に結合された光ファイバー20と、光ファイバー束40と、光ファイバー20から光ファイバー束40に光を分配する光分配部30と、光ファイバー束40によって導光された光を分離して検出する光分離検出器50を有している。
【0014】
光源10は、光を発する発光素子11と、発光素子11から発せられる光を光ファイバー20に結合する結合レンズ12を有している。
【0015】
光ファイバー20は、光供給用導光部材として機能する。
【0016】
光ファイバー束40は、複数の光ファイバー41A,41B,41C,41D,41E,41Fを有している。光ファイバー41A〜41Fは、それぞれ、物理化学状態に応じて光学特性が変化する特性検出部42A,42B,42C,42D,42E,42Fを有している。光ファイバー41A〜41Fは、複数の検出用導光部材として機能する。光ファイバー41A〜41Fは、長手方向に間隔を置いた複数の個所において結束バンド43によって束ねられている。
【0017】
特性検出部42A〜42Fは、光分配部30から光分離検出器50に至る光路上において光ファイバー41A〜41Fに形成されている。特性検出部42A〜42Fは、たとえば、光ファイバー41A〜41Fのクラッドに部分的に形成された傷によって構成され得る。特性検出部42A〜42Fは、それぞれ、光ファイバー41A〜41Fの長手方向の異なる位置に設けられている。しかし、特性検出部42A〜42Fは、光ファイバー41A〜41Fの長手方向の同じ位置に設けられたものを含んでいてもよい。
【0018】
特性検出部42A〜42Fは、たとえば湾曲検出機能を有している。この場合、特性検出部42A〜42Fは、それぞれ、光ファイバー41A〜41Fの湾曲にともなって湾曲し、その湾曲形状に依存して光学特性(典型的には導光損失)が変化し、光ファイバー41A〜41Fによって導光される光の特性(典型的には光量)に変化を与える。
【0019】
光分離検出器50は、ファイバーコネクタ53によって光ファイバー41A〜41Fにそれぞれ接続された光ファイバー52A,52B,52C,52D,52E,52Fと、光ファイバー52A〜52Fにそれぞれ光学的に結合された複数の受光素子51A,51B,51C,51D,51E,51Fを有している。受光素子51A〜51Fのおのおのは、受光した光量を反映した電気信号を出力する。
【0020】
光分配部30は、光ファイバー20から出射した光の配光特性を変換して、光ファイバー41A〜41Fに光を結合する配光変換部31を有している。配光変換部31は、屈折率が1以上の透明物質で構成されている。この透明物質は、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。
【0021】
光ファイバー20は、先端ループ部21において180度曲げられている。光ファイバー20の光出射端面と光ファイバー41A〜41Fの光入射端面は配光変換部31を介して互いに対向するように配置されている。光ファイバー20から出射した光は、配光変換部31を経て、光ファイバー41A〜41Fに光学的に結合する。
【0022】
発光素子11から発せられた光は、結合レンズ12によって集光されて光ファイバー20に入射し、光ファイバー20によって導光される。光ファイバー20の光出射端面から出射した光は、配光変換部31によって光の拡がりが抑えられ、複数の光ファイバー41A〜41Fに分配される。複数の光ファイバー41A〜41Fに分配された光は、それぞれ、複数の光ファイバー41A〜41Fによって光分離検出器50に導光される。この光分離検出器50は、光ファイバー41A〜41Fによって導光された光を、光ファイバー41A〜41Fにそれぞれ接続された受光素子51A〜51Fによって空間的に分離して検出する。
【0023】
光ファイバー41A〜41Fが湾曲したことに起因して特性検出部42A〜42Fが湾曲すると、その湾曲の大きさと方向に依存して光学特性が変化するため、光ファイバー41A〜41Fから出力される光の光学特性が変化する。本実施形態では、この変化する光学特性が光量である場合を例として示す。この場合は、受光素子51A〜51Fによって光ファイバー41A〜41Fから出力される光量を独立して測定することにより、特性検出部42A〜42Fの湾曲が求められる。
【0024】
図2は、光分配部30の配光変換部31の一構成例を模式的に示している。この例では、配光変換部31は、光ファイバー20と光ファイバー束40の間の空間で構成されている。言い換えれば、配光変換部31は、光ファイバー20の光出射端面と光ファイバー束40の光入射端面の間に存在する気体たとえば空気で構成されている。
【0025】
図2では、光ファイバー束40の三本の光ファイバー41A〜41Cが代表的に描かれている。光ファイバー20と光ファイバー41A〜41Cは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸と光ファイバー41A〜41Cの光入射端面における光ファイバー41A〜41Cの光軸が互いに平行になるように配置されている。
【0026】
図2において、曲線22は、光ファイバー20の出射した光ビームのA−A’断面における強度分布を示している。配光変換部31を構成する気体は、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。このため、光ファイバー20から出射した光を光ファイバー41A〜41Cに効率良く分配し得る。光ファイバー20から出射した光成分L1,L2,L3のうち、光成分L1,L2はそれぞれ光ファイバー41B,41Aに分配されるが、光成分L3は光ファイバー41A〜41Cのいずれにも分配されずに損失となる。
【0027】
図2の構成の配光変換部31における好適な条件について図3を参照して考察する。図3は、光ファイバー20と、光ファイバー束40中の一本の光ファイバー41Aを示している。ここで、光ファイバー41Aは、光ファイバー束40の中心から最も遠い光ファイバーを代表的に表している。
【0028】
光ファイバー20から出射する光の最大出射角θmax,prjは、次式(1)に示されるように、光ファイバー20の開口数NAprjと、光ファイバー20の光出射端面の前方に存在する透明物質の屈折率nによって制限される。ここで、光の出射角は、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に対する光の出射方向の角度を意図している。
【数1】
【0029】
同様に、光ファイバー41Aに入射して光ファイバー41A中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detは、次式(2)に示されるように、光ファイバー41Aの開口数NAdetと、光ファイバー41Aの光入射端面の手前に存在する透明物質の屈折率nによって制限される。ここで、光の入射角は、光ファイバー41Aの光入射端面における光ファイバー41Aの光軸に対する光の入射方向の角度を意図している。
【数2】
【0030】
最大入射角θmax,detよりも大きい入射角で光ファイバー41Aに入射する光は、光ファイバー41A中を伝搬し得ない、言い換えれば、光ファイバー41Aによって導光され得ない。
【0031】
図3の幾何学的な関係により、屈折率nの透明物質中を光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達するための条件は次式(3)で表される。
【数3】
【0032】
ここで、dは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に垂直な方向に関する光ファイバー20の光出射端面の中心から光ファイバー41Aの光入射端面の中心までの距離であり、lは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に平行な方向に関する光ファイバー20の光出射端面から光ファイバー41Aの光入射端面までの距離である。
【0033】
また、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬する条件は次式(4)で表される。
【数4】
【0034】
したがって、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達し、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬するためには、式(3)と式(4)を同時に満足していればよい。
【0035】
図4は、光分配部30の配光変換部31の別の構成例を模式的に示している。この例では、配光変換部31は、互いに平行な二つの対向面を有する透明部材31Aで構成されている。透明部材31Aは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に対して対向面が略垂直になるように配置されている。透明部材31Aはたとえば円柱形状を有している。光ファイバー20の光出射端面は、透明部材31Aの一方の対向面に対向するように配置されており、光ファイバー20の光入射端面は、透明部材31Aの他方の対向面に対向するように配置されている。
【0036】
図4では、図2と同様、光ファイバー束40の三本の光ファイバー41A〜41Cが代表的に描かれている。光ファイバー20と光ファイバー41A〜41Cは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸と光ファイバー41A〜41Cの光入射端面における光ファイバー41A〜41Cの光軸は互いに平行になるように配置されている。
【0037】
図4において、曲線23は、光ファイバー20の出射した光ビームのA−A’断面における強度分布を示している。配光変換部31を構成する透明部材31Aは、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。透明部材31Aはさらに、側面によって光を反射する機能を有しており、外へ向かう光を内に向けて偏向する働きをする。このため、光ファイバー20から出射した光を光ファイバー41A〜41Cに非常に高効良く分配し得る。光成分L1,L2は、それぞれ、光ファイバー41B,41Aに直接的に到達して光ファイバー41B,41Aに分配される。また光成分L3は、図2の構成においては光ファイバー41A〜41Cのいずれにも分配されずに損失となるが、図4の構成においては透明部材31Aの側面によって反射されて、たとえば光ファイバー41Aに分配され得る。
【0038】
図4の構成の配光変換部31における好適な条件について図5を参照して考察する。図5は、光ファイバー20と、透明部材31Aと、光ファイバー束40中の一本の光ファイバー41Aを示している。ここで、光ファイバー41Aは、図3と同様、光ファイバー束40の中心から最も遠い光ファイバーを代表的に表している。
【0039】
図3の構成における議論は図5の構成に対してもそのまま適用できる。したがって、光ファイバー20から出射する光の最大出射角θmax,prjは前述の式(1)によって表され、また光ファイバー41Aに入射して光ファイバー41A中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detは前述の式(2)によって表される。さらに、図5の幾何学的な関係により、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに直接的に到達するための条件は前述の(3)式によって表され、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬するための条件は前述の式(4)によって表される。
【0040】
図5の構成においては、光ファイバー20から出射した光は、光ファイバー41Aに直接的に到達する成分だけでなく、透明部材31Aの側面によって反射された成分も光ファイバー41Aに分配され得る。したがって、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達するための条件は、前述の式(3)を満足する代わりに、次式(5)を満足してればよい。
【数5】
【0041】
配光変換部31は、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー束40に結合されるように配光を調整する機能を有していればよい。このため、配光変換部31は、光の拡がりを抑制する機能を有しているとよい。ここでは、屈折率が1以上の円柱形状の透明部材31Aつまり透明円柱ロッドで配光変換部31が構成される例を示したが、そのほかにも、配光変換部31は、屈折率が1以上の透明円錐ロッドや、レンズ(ロッド上の屈折率分布レンズなども含む)、配光を制御する回折格子やホログラムなどで構成されてもよい。また、円柱ロッドや円錐ロッドの側面で反射された光が側面を透過して外部に散逸しないために、円柱ロッドや円錐ロッドの側面に反射膜を形成することが望ましい。また、これと類似する効果を得るために、供給用光ファイバーのNAで規定される光線をすべて全反射するようにロッドの屈折率や形状を設定することが望ましい。
【0042】
この実施形態の光学式センサによれば、光ファイバー20から出射した光が複数の光ファイバー41A〜41Fに好適に分配され得る。
【0043】
この実施形態はさまざまな変更や変形が適用されてもよい。
【0044】
先の説明では、特性検出部42A〜42Fがそれぞれ光ファイバー41A〜41Fの長手方向の異なる位置に設けられる例を示したが、たとえば、互いに直交する方向の湾曲成分を検出するために、特性検出部42A〜42Fの二つずつが、光ファイバー41A〜41Fの長手方向の同じ位置であるが、光ファイバー41A〜41Fの中心軸周りの位置がたとえば90度異なるように設けられてもよい。
【0045】
特性検出部42A〜42Fの湾曲状態を光ファイバー41A〜41Fの導光損失に基づいて検出する例を示したが、他の特性たとえば光波長や光位相などに基づいて検出してもよい。
【0046】
特性検出部42A〜42Fが湾曲検出機能を有する例を示した、特性検出部42A〜42Fが他の検出機能を有していてもよい。たとえば、特性検出部42A〜42Fは、応力や温度や電場や磁場や熱を検出する機能を有していてもよい。つまり、特性検出部42A〜42Fは、特性検出部42A〜42Fの湾曲形状に限らず、特性検出部42A〜42Fの応力状態や温度、特性検出部42A〜42Fに作用する電場や磁場や熱に依存して光学特性が変化してもよい。このほか、特性検出部42A〜42Fは、化学物質を検出する機能を有していてもよい。つまり、特性検出部42A〜42Fは、特性検出部42A〜42Fに接する化学物質に依存して光学特性が変化してもよい。
【0047】
光源10と光分離検出器50が光分配部30に対して同じ側に配置された例を示したが、光源10と光分離検出器50は光分配部30に対して反対側に配置されてもよい。
【0048】
<第2の実施形態>
以下に、本発明に係る第2の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。この実施形態の光学式センサの全体構成を図6に示す。図6において、図1に示した部材と同一の参照符号を付した部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。以下、相違部分に重点をおいて説明する。つまり、以下の説明で触れない部分は、第1の実施形態と同様である。
【0049】
図6に示すように、光学式センサは、光源10と、光源10に光学的に結合された光ファイバー20と、光ファイバー束40と、光ファイバー20から光ファイバー束40に光を分配する光分配部30と、光ファイバー束40によって導光された光を分離して検出する光分離検出器50を有している。
【0050】
光ファイバー束40は、複数の光ファイバー41A,41B,41C,41D,41E,41Fを有している。光ファイバー41A〜41Fは、光ファイバー20と一緒に、長手方向に間隔を置いた複数の個所において結束バンド43によって束ねられている。図7に示すように、光ファイバー41A〜41Fは、光ファイバー20の周囲に均等に配置されている。
【0051】
光分配部30は、光ファイバー20から出射した光の配光特性を変換して、光ファイバー41A〜41Fに光を結合する配光変換部31を有している。配光変換部31は、屈折率が1以上の透明物質を有している。この透明物質は、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。
【0052】
光分配部30は、光の伝搬方向を折り返す光折り返し部32をさらに有している。光ファイバー20の光出射端面と光ファイバー41A〜41Fの光入射端面は共に配光変換部31を介して光折り返し部32に対向するように配置されている。光ファイバー20から出射した光は、配光変換部31と光折り返し部32を経て、光ファイバー41A〜41Fに光学的に結合する。
【0053】
光源10で生成された光は、光ファイバー20によって導光される。光ファイバー2の光出射端面から出射した光は、配光変換部31を伝搬して光折り返し部32に到達し、光折り返し部32によって光の伝搬方向が折り返され、配光変換部31を再び伝搬して複数の光ファイバー41A〜41Fに分配される。光ファイバー20の光出射端面から出射した光は、複数の光ファイバー41A〜41Fに到達するまでの間、配光変換部31によって光の拡がりが抑えられる。複数の光ファイバー41A〜41Fに分配された光は、それぞれ、複数の光ファイバー41A〜41Fによって光分離検出器50に導光される。この光分離検出器50は、光ファイバー41A〜41Fによって導光された光を分離して検出する。
【0054】
光ファイバー41A〜41Fが湾曲したことに起因して特性検出部42A〜42Fが湾曲すると、その湾曲の大きさと方向に依存して光学特性が変化するため、光ファイバー41A〜41Fから出力される光量が変化する。光分離検出器50によって光ファイバー41A〜41Fから出力される光量を独立して測定することにより、特性検出部42A〜42Fの湾曲が求められる。
【0055】
図8は、光分配部30の配光変換部31の一構成例を模式的に示している。この例では、配光変換部31は、光ファイバー20から光折り返し部32を介して光ファイバー束40へ至る空間で構成されている。言い換えれば、配光変換部31は、光ファイバー20の光出射端面および光ファイバー束40の光入射端面と、光折り返し部32との間に存在する気体たとえば空気で構成されている。
【0056】
図8では、光ファイバー束40の二本の光ファイバー41A,41Dが代表的に描かれている。光ファイバー20と光ファイバー41A,41Dは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸と光ファイバー41A,41Dの光入射端面における光ファイバー41A,41Dの光軸が互いに平行になるように配置されている。
【0057】
図8において、曲線24は、光ファイバー20の出射した光ビームのB−B’断面における強度分布を示している。配光変換部31を構成する気体は、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。このため、光ファイバー20から出射した光を光ファイバー41A,41Dに効率良く分配し得る。光ファイバー20から出射した光成分L1,L2,L3のうち、光成分L1,L2はいずれも光ファイバー41Aに分配されるが、光成分L3は光ファイバー41A,41Dのいずれにも分配されずに損失となる。
【0058】
図8の構成の配光変換部31における好適な条件について図9を参照して考察する。図9は、光ファイバー20と、光ファイバー束40中の一本の光ファイバー41Aを示している。ここで、光ファイバー41Aは、光ファイバー束40の中心から最も遠い光ファイバーを代表的に表している。
【0059】
光ファイバー20から出射する光の最大出射角θmax,prjは、再掲の式(1)に示されるように、光ファイバー20の開口数NAprjと、光ファイバー41Aの光入射端面の手前に存在する透明物質の屈折率nで制限される。
【数6】
【0060】
同様に、光ファイバー41Aに入射して光ファイバー41A中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detは、再掲の式(2)に示されるように、光ファイバー41Aの開口数NAdetと、光ファイバー41Aの光入射端面の手前に存在する透明物質の屈折率nで制限される。
【数7】
【0061】
図9の幾何学的な関係により、屈折率nの透明物質中を光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達するための条件は次式(6)で表される。
【数8】
【0062】
ここで、dは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に垂直な方向に関する光ファイバー20の光出射端面の中心から光ファイバー41Aの光入射端面の中心までの距離であり、l1は、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に平行な方向に関する光ファイバー20の光出射端面から光折り返し部32までの距離、l2は、光ファイバー41Aの光入射端面における光ファイバー41Aの光軸に平行な方向に関する光折り返し部32から光ファイバー41Aの光入射端面までの距離である。
【0063】
また、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬する条件は次式(7)で表される。
【数9】
【0064】
したがって、光ファイバー20から出射した光が光折り返し部32を経て光ファイバー41Aに到達し、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬するためには、式(6)と式(7)を同時に満足していればよい。
【0065】
図10は、光分配部30の配光変換部31の別の構成例を模式的に示している。この例では、配光変換部31は、互いに平行な二つの対向面を有する透明部材31Aで構成されている。透明部材31Aは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に対して対向面が略垂直になるように配置されている。透明部材31Aはたとえば円柱形状を有している。光ファイバー20の光出射端面と光ファイバー41A,41Bの光入射端面は共に透明部材31Aの一方の対向面に対向するように配置されており、透明部材31Aの他方の対向面には光折り返し部32が対向するように配置されている。たとえば、光折り返し部32は、透明部材31Aとは別の部材として構成され、透明部材31Aの平面に接して配置されてよい。別の例では、光折り返し部32は、透明部材31Aの平面に形成され、透明部材31Aと一体の部材として構成されてよい。
【0066】
図10では、図8と同様、光ファイバー束40の二本の光ファイバー41A,41Dが代表的に描かれている。光ファイバー20と光ファイバー41A,41Dは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸と光ファイバー41A,41Dの光入射端面における光ファイバー41A,41Dの光軸は互いに平行になるように配置されている。
【0067】
図10において、曲線25は、光ファイバー20の出射した光ビームのB−B’断面における強度分布を示している。配光変換部31を構成する透明部材31Aは、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。透明部材31Aはさらに、側面によって光を反射する機能を有しており、外へ向かう光を内に向けて偏向する働きをする。このため、光ファイバー20から出射した光を光ファイバー41A,41Dに非常に効率良く分配し得る。光成分L1,L2は、それぞれ、光ファイバー41Aに到達して光ファイバー41Aに分配される。また光成分L3は、図8の構成においては光ファイバー41A,41Dのいずれにも分配されずに損失となるが、図10の構成においては透明部材31Aの側面によって反射されて、たとえば光ファイバー41Aに分配され得る。
【0068】
図10の構成の配光変換部31における好適な条件について図11を参照して考察する。図11は、光ファイバー20と、透明部材31Aと、光ファイバー束40中の一本の光ファイバー41Aを示している。ここで、光ファイバー41Aは、図9と同様、光ファイバー束40の中心から最も遠い光ファイバーを代表的に表している。
【0069】
図9の構成における議論は図11の構成に対してもそのまま適用できる。したがって、光ファイバー20から出射する光の最大出射角θmax,prjは前述の式(1)によって表され、また光ファイバー41Aに入射して光ファイバー41A中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detは前述の式(2)によって表される。さらに、図11の幾何学的な関係により、光ファイバー20から出射した光が光折り返し部32を経て光ファイバー41Aに到達するための条件は前述の(6)式によって表され、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬するための条件は前述の式(7)によって表される。
【0070】
図11の構成においては、光ファイバー20から出射した光は、光折り返し部32を経た後に光ファイバー41Aに直接的に到達する成分だけでなく、透明部材31Aの側面によって反射された成分も光ファイバー41Aに分配され得る。したがって、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達するための条件は、前述の式(6)を満足する代わりに、次式(8)を満足してればよい。
【数10】
【0071】
この実施形態の光学式センサによれば、光ファイバー20から出射した光が複数の光ファイバー41A〜41Fに好適に分配され得る。
【0072】
光分配部30の光折り返し部32は、さまざまな光学素子によって構成されて得る。たとえば、光折り返し部32は、図12に示すように、ミラー32Aで構成されてよい。別の構成例として、光折り返し部32は、図13に示すように、反射型回折格子32Bで構成されてもよい。さらに反射型回折格子32Bが、光ファイバー20から出射した光の配光を調整する機能を有していてもよい。この構成例では、光ファイバー20から出射した光の配光を、透明部材31Aに加えて反射型回折格子32Bも調整し得るので、光ファイバー20からから出射した光を光ファイバー41A,41Dにさらに効率良く分配し得る。さらに別の構成例として、光折り返し部32は、散乱部材で構成されてもよく、また、光ファイバー20や光ファイバー41A,41Dの端面に対向する透明部材31Aの平面の反対側の平面自体で構成されてもよい。
【0073】
この実施形態はさまざまな変更や変形が適用されてもよい。たとえば、第1の実施形態の説明で述べた変更や変形がそのまま適用されてもよい。
【0074】
そのほか、たとえば、光分配部30は、図14に示すように、光ファイバー20が、配光変換部31を構成する透明部材31Bの中央に光学的に結合された構成であってよい。この構成例では、光ファイバー20,41A,41Dは、それぞれ、コア20a,41Aa,41Daとクラッド20b,41Ab,41Dbを有しており、光ファイバー20のコア20aは、透明部材31Bの内部を全長にわたって延びている。光ファイバー20によって導光された光は、透明部材31B内に位置するコア20aの側面から透明部材31B中に出射し、光折り返し部32を経て、光ファイバー41A,41Dに分配される。
【0075】
また、光分配部30は、図15に示すように、光ファイバー20が、配光変換部31を構成する透明部材31Cの中央に光学的に結合され、光ファイバー41A,41Dが透明部材31Cの側面に光学的に結合されている構成であってもよい。この構成例では、光ファイバー20,41A,41Dは、それぞれ、コア20a,41Aa,41Daとクラッド20b,41Ab,41Dbを有しており、光ファイバー20のコア20aは、透明部材31Cの内部に延出し、透明部材31Cの内部で終端している。光ファイバー41A,41Dのコア41Aa,41Daの側面は透明部材31Cの側面に接しており、これにより、光ファイバー41A,41Dが透明部材31Cの側面に光学的に結合されている。光ファイバー20によって導光された光は、透明部材31C内に位置するコア20aの端面や側面から透明部材31C中に出射し、光折り返し部32を経て、透明部材31Cの側面を介して光ファイバー41A,41Dのコア41Aa,41Daに結合する。
【0076】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。ここにいう様々な変形や変更は、上述した実施形態を適当に組み合わせた実施も含む。
【符号の説明】
【0077】
10…光源、11…発光素子、12…結合レンズ、20…光ファイバー、20a…コア、20b…クラッド、21…先端ループ部、22,23,24,25…曲線、30…光分配部、31…配光変換部、31A,31B,31C…透明部材、32…光折り返し部、32A…ミラー、32B…反射型回折格子、40…光ファイバー束、41A,41B,41C,41D,41E,41F…光ファイバー、41Aa,41Da…コア、41Ab,41Db…クラッド、42A,42B,42C,42D,42E,42F…特性検出部、43…結束バンド、50…光分離検出器、51A,51B,51C,51D,51E,51F…受光素子、52A,52B,52C,52D,52E,52F…光ファイバー、53…ファイバーコネクタ、L1,L2,L3…光成分。
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光部材を用いた光学式センサに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、光ファイバーを用いた湾曲センサを開示している。この湾曲センサでは、光ファイバーの一部に湾曲検出部が設けられている。光ファイバーはコアとクラッドで構成されており、湾曲検出部はクラッドの一部に傷をつけることにより形成されている。光ファイバーによって導光される光のうち、湾曲検出部に到達した光は湾曲検出部で散乱されて、その一部が光ファイバーの外に放射される。この外に放射される光の量は、光ファイバーの湾曲の量と方向に応じて変化する。したがって、光ファイバーの導光損失を測定することにより、光ファイバーの湾曲量を求めることができる。
【0003】
特許文献1は、複数の個所において湾曲を検出し得る湾曲センサを開示している。この湾曲センサは、一本の光供給用ファイバーと複数本の検出用ファイバーを有している。複数本の検出用ファイバーは、一本の光供給用ファイバーの周囲に配置されている。光供給用ファイバーの一端と検出用ファイバーの一端は共に単一のミラーによって覆われており、光供給用ファイバーから出射した光はミラーによって反射されて検出用ファイバーに入射するようになっている。
【0004】
各検出用ファイバーには、一つの湾曲検出部が形成されている。検出用ファイバーは二本で一組を形成している。検出用ファイバーには、組ごとに長手方向の異なる位置に湾曲検出部が設けられている。同じ組の二本の検出用ファイバーの湾曲検出部は、長手方向の同じ位置にあるが、中心軸周りの位置は互いに異なっている。したがって、この湾曲センサでは、各検出用光ファイバーの導光損失を測定することにより、複数の個所における湾曲量と湾曲方向を求めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−44412号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Lee A. Danisch, "Bend-enhanced fiber optic sensor", SPIE vol. 1795 Fiber Optic and Laser Sensors X (1992) pp. 204-214
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の湾曲センサでは、一本の光供給用ファイバーから出射した光は複数本の検出用ファイバーに好適に分配される必要があるが、光の好適の分配について特許文献1はまったく触れていない。具体的には、光供給用ファイバーから出射した光はミラーによって反射されて検出用ファイバーに入射すると説明するだけである。前述したように光供給用ファイバーの一端と検出用ファイバーの一端が共に単一のミラーによって覆われた構成では光の好適な分配は望めない。
【0008】
本発明は、このような実状を考慮してなされたものであり、その目的は、複数の検出用導光部材に光を好適に分配し得る光学式センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による光学式センサは、光源と、前記光源に光学的に結合された光供給用導光部材と、物理化学状態に応じて光学特性が変化する特性検出部をおのおの有する複数の検出用導光部材と、前記光供給用導光部材から前記複数の検出用導光部材に光を分配する光分配部と、前記複数の検出用導光部材によって導光された光を分離して検出する光分離検出器を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の検出用導光部材に光を好適に分配し得る光学式センサが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態の光学式センサの全体構成を示している。
【図2】図1に示された光分配部の配光変換部の一構成例を模式的に示している。
【図3】図2に示された光分配部における光供給用の光ファイバーと一本の光検出用の光ファイバーを示している。
【図4】図1に示された光分配部の配光変換部の別の構成例を模式的に示している。
【図5】図4に示された光分配部における光供給用の光ファイバーと透明部材と一本の光検出用の光ファイバーを示している。
【図6】第2の実施形態の光学式センサの全体構成を示している。
【図7】図6に示された光供給用の光ファイバーと複数の光検出用の光ファイバーの光軸に垂直な断面での位置関係を示している。
【図8】図6に示された光分配部の配光変換部の一構成例を模式的に示している。
【図9】図8に示された光分配部における光供給用の光ファイバーと一本の光検出用の光ファイバーを示している。
【図10】図6に示された光分配部の配光変換部の別の構成例を模式的に示している。
【図11】図10に示された光分配部における光供給用の光ファイバーと透明部材と一本の光検出用の光ファイバーを示している。
【図12】図6に示された光折り返し部の一構成例を示している。
【図13】図6に示された光折り返し部の別の構成例を示している。
【図14】図6に示された光分配部の別の構成例を示している。
【図15】図6に示された光分配部のまた別の構成例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
以下に、本発明に係る第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。この実施形態の光学式センサの全体構成を図1に示す。
【0013】
図1に示すように、光学式センサは、光源10と、光源10に光学的に結合された光ファイバー20と、光ファイバー束40と、光ファイバー20から光ファイバー束40に光を分配する光分配部30と、光ファイバー束40によって導光された光を分離して検出する光分離検出器50を有している。
【0014】
光源10は、光を発する発光素子11と、発光素子11から発せられる光を光ファイバー20に結合する結合レンズ12を有している。
【0015】
光ファイバー20は、光供給用導光部材として機能する。
【0016】
光ファイバー束40は、複数の光ファイバー41A,41B,41C,41D,41E,41Fを有している。光ファイバー41A〜41Fは、それぞれ、物理化学状態に応じて光学特性が変化する特性検出部42A,42B,42C,42D,42E,42Fを有している。光ファイバー41A〜41Fは、複数の検出用導光部材として機能する。光ファイバー41A〜41Fは、長手方向に間隔を置いた複数の個所において結束バンド43によって束ねられている。
【0017】
特性検出部42A〜42Fは、光分配部30から光分離検出器50に至る光路上において光ファイバー41A〜41Fに形成されている。特性検出部42A〜42Fは、たとえば、光ファイバー41A〜41Fのクラッドに部分的に形成された傷によって構成され得る。特性検出部42A〜42Fは、それぞれ、光ファイバー41A〜41Fの長手方向の異なる位置に設けられている。しかし、特性検出部42A〜42Fは、光ファイバー41A〜41Fの長手方向の同じ位置に設けられたものを含んでいてもよい。
【0018】
特性検出部42A〜42Fは、たとえば湾曲検出機能を有している。この場合、特性検出部42A〜42Fは、それぞれ、光ファイバー41A〜41Fの湾曲にともなって湾曲し、その湾曲形状に依存して光学特性(典型的には導光損失)が変化し、光ファイバー41A〜41Fによって導光される光の特性(典型的には光量)に変化を与える。
【0019】
光分離検出器50は、ファイバーコネクタ53によって光ファイバー41A〜41Fにそれぞれ接続された光ファイバー52A,52B,52C,52D,52E,52Fと、光ファイバー52A〜52Fにそれぞれ光学的に結合された複数の受光素子51A,51B,51C,51D,51E,51Fを有している。受光素子51A〜51Fのおのおのは、受光した光量を反映した電気信号を出力する。
【0020】
光分配部30は、光ファイバー20から出射した光の配光特性を変換して、光ファイバー41A〜41Fに光を結合する配光変換部31を有している。配光変換部31は、屈折率が1以上の透明物質で構成されている。この透明物質は、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。
【0021】
光ファイバー20は、先端ループ部21において180度曲げられている。光ファイバー20の光出射端面と光ファイバー41A〜41Fの光入射端面は配光変換部31を介して互いに対向するように配置されている。光ファイバー20から出射した光は、配光変換部31を経て、光ファイバー41A〜41Fに光学的に結合する。
【0022】
発光素子11から発せられた光は、結合レンズ12によって集光されて光ファイバー20に入射し、光ファイバー20によって導光される。光ファイバー20の光出射端面から出射した光は、配光変換部31によって光の拡がりが抑えられ、複数の光ファイバー41A〜41Fに分配される。複数の光ファイバー41A〜41Fに分配された光は、それぞれ、複数の光ファイバー41A〜41Fによって光分離検出器50に導光される。この光分離検出器50は、光ファイバー41A〜41Fによって導光された光を、光ファイバー41A〜41Fにそれぞれ接続された受光素子51A〜51Fによって空間的に分離して検出する。
【0023】
光ファイバー41A〜41Fが湾曲したことに起因して特性検出部42A〜42Fが湾曲すると、その湾曲の大きさと方向に依存して光学特性が変化するため、光ファイバー41A〜41Fから出力される光の光学特性が変化する。本実施形態では、この変化する光学特性が光量である場合を例として示す。この場合は、受光素子51A〜51Fによって光ファイバー41A〜41Fから出力される光量を独立して測定することにより、特性検出部42A〜42Fの湾曲が求められる。
【0024】
図2は、光分配部30の配光変換部31の一構成例を模式的に示している。この例では、配光変換部31は、光ファイバー20と光ファイバー束40の間の空間で構成されている。言い換えれば、配光変換部31は、光ファイバー20の光出射端面と光ファイバー束40の光入射端面の間に存在する気体たとえば空気で構成されている。
【0025】
図2では、光ファイバー束40の三本の光ファイバー41A〜41Cが代表的に描かれている。光ファイバー20と光ファイバー41A〜41Cは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸と光ファイバー41A〜41Cの光入射端面における光ファイバー41A〜41Cの光軸が互いに平行になるように配置されている。
【0026】
図2において、曲線22は、光ファイバー20の出射した光ビームのA−A’断面における強度分布を示している。配光変換部31を構成する気体は、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。このため、光ファイバー20から出射した光を光ファイバー41A〜41Cに効率良く分配し得る。光ファイバー20から出射した光成分L1,L2,L3のうち、光成分L1,L2はそれぞれ光ファイバー41B,41Aに分配されるが、光成分L3は光ファイバー41A〜41Cのいずれにも分配されずに損失となる。
【0027】
図2の構成の配光変換部31における好適な条件について図3を参照して考察する。図3は、光ファイバー20と、光ファイバー束40中の一本の光ファイバー41Aを示している。ここで、光ファイバー41Aは、光ファイバー束40の中心から最も遠い光ファイバーを代表的に表している。
【0028】
光ファイバー20から出射する光の最大出射角θmax,prjは、次式(1)に示されるように、光ファイバー20の開口数NAprjと、光ファイバー20の光出射端面の前方に存在する透明物質の屈折率nによって制限される。ここで、光の出射角は、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に対する光の出射方向の角度を意図している。
【数1】
【0029】
同様に、光ファイバー41Aに入射して光ファイバー41A中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detは、次式(2)に示されるように、光ファイバー41Aの開口数NAdetと、光ファイバー41Aの光入射端面の手前に存在する透明物質の屈折率nによって制限される。ここで、光の入射角は、光ファイバー41Aの光入射端面における光ファイバー41Aの光軸に対する光の入射方向の角度を意図している。
【数2】
【0030】
最大入射角θmax,detよりも大きい入射角で光ファイバー41Aに入射する光は、光ファイバー41A中を伝搬し得ない、言い換えれば、光ファイバー41Aによって導光され得ない。
【0031】
図3の幾何学的な関係により、屈折率nの透明物質中を光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達するための条件は次式(3)で表される。
【数3】
【0032】
ここで、dは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に垂直な方向に関する光ファイバー20の光出射端面の中心から光ファイバー41Aの光入射端面の中心までの距離であり、lは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に平行な方向に関する光ファイバー20の光出射端面から光ファイバー41Aの光入射端面までの距離である。
【0033】
また、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬する条件は次式(4)で表される。
【数4】
【0034】
したがって、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達し、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬するためには、式(3)と式(4)を同時に満足していればよい。
【0035】
図4は、光分配部30の配光変換部31の別の構成例を模式的に示している。この例では、配光変換部31は、互いに平行な二つの対向面を有する透明部材31Aで構成されている。透明部材31Aは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に対して対向面が略垂直になるように配置されている。透明部材31Aはたとえば円柱形状を有している。光ファイバー20の光出射端面は、透明部材31Aの一方の対向面に対向するように配置されており、光ファイバー20の光入射端面は、透明部材31Aの他方の対向面に対向するように配置されている。
【0036】
図4では、図2と同様、光ファイバー束40の三本の光ファイバー41A〜41Cが代表的に描かれている。光ファイバー20と光ファイバー41A〜41Cは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸と光ファイバー41A〜41Cの光入射端面における光ファイバー41A〜41Cの光軸は互いに平行になるように配置されている。
【0037】
図4において、曲線23は、光ファイバー20の出射した光ビームのA−A’断面における強度分布を示している。配光変換部31を構成する透明部材31Aは、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。透明部材31Aはさらに、側面によって光を反射する機能を有しており、外へ向かう光を内に向けて偏向する働きをする。このため、光ファイバー20から出射した光を光ファイバー41A〜41Cに非常に高効良く分配し得る。光成分L1,L2は、それぞれ、光ファイバー41B,41Aに直接的に到達して光ファイバー41B,41Aに分配される。また光成分L3は、図2の構成においては光ファイバー41A〜41Cのいずれにも分配されずに損失となるが、図4の構成においては透明部材31Aの側面によって反射されて、たとえば光ファイバー41Aに分配され得る。
【0038】
図4の構成の配光変換部31における好適な条件について図5を参照して考察する。図5は、光ファイバー20と、透明部材31Aと、光ファイバー束40中の一本の光ファイバー41Aを示している。ここで、光ファイバー41Aは、図3と同様、光ファイバー束40の中心から最も遠い光ファイバーを代表的に表している。
【0039】
図3の構成における議論は図5の構成に対してもそのまま適用できる。したがって、光ファイバー20から出射する光の最大出射角θmax,prjは前述の式(1)によって表され、また光ファイバー41Aに入射して光ファイバー41A中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detは前述の式(2)によって表される。さらに、図5の幾何学的な関係により、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに直接的に到達するための条件は前述の(3)式によって表され、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬するための条件は前述の式(4)によって表される。
【0040】
図5の構成においては、光ファイバー20から出射した光は、光ファイバー41Aに直接的に到達する成分だけでなく、透明部材31Aの側面によって反射された成分も光ファイバー41Aに分配され得る。したがって、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達するための条件は、前述の式(3)を満足する代わりに、次式(5)を満足してればよい。
【数5】
【0041】
配光変換部31は、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー束40に結合されるように配光を調整する機能を有していればよい。このため、配光変換部31は、光の拡がりを抑制する機能を有しているとよい。ここでは、屈折率が1以上の円柱形状の透明部材31Aつまり透明円柱ロッドで配光変換部31が構成される例を示したが、そのほかにも、配光変換部31は、屈折率が1以上の透明円錐ロッドや、レンズ(ロッド上の屈折率分布レンズなども含む)、配光を制御する回折格子やホログラムなどで構成されてもよい。また、円柱ロッドや円錐ロッドの側面で反射された光が側面を透過して外部に散逸しないために、円柱ロッドや円錐ロッドの側面に反射膜を形成することが望ましい。また、これと類似する効果を得るために、供給用光ファイバーのNAで規定される光線をすべて全反射するようにロッドの屈折率や形状を設定することが望ましい。
【0042】
この実施形態の光学式センサによれば、光ファイバー20から出射した光が複数の光ファイバー41A〜41Fに好適に分配され得る。
【0043】
この実施形態はさまざまな変更や変形が適用されてもよい。
【0044】
先の説明では、特性検出部42A〜42Fがそれぞれ光ファイバー41A〜41Fの長手方向の異なる位置に設けられる例を示したが、たとえば、互いに直交する方向の湾曲成分を検出するために、特性検出部42A〜42Fの二つずつが、光ファイバー41A〜41Fの長手方向の同じ位置であるが、光ファイバー41A〜41Fの中心軸周りの位置がたとえば90度異なるように設けられてもよい。
【0045】
特性検出部42A〜42Fの湾曲状態を光ファイバー41A〜41Fの導光損失に基づいて検出する例を示したが、他の特性たとえば光波長や光位相などに基づいて検出してもよい。
【0046】
特性検出部42A〜42Fが湾曲検出機能を有する例を示した、特性検出部42A〜42Fが他の検出機能を有していてもよい。たとえば、特性検出部42A〜42Fは、応力や温度や電場や磁場や熱を検出する機能を有していてもよい。つまり、特性検出部42A〜42Fは、特性検出部42A〜42Fの湾曲形状に限らず、特性検出部42A〜42Fの応力状態や温度、特性検出部42A〜42Fに作用する電場や磁場や熱に依存して光学特性が変化してもよい。このほか、特性検出部42A〜42Fは、化学物質を検出する機能を有していてもよい。つまり、特性検出部42A〜42Fは、特性検出部42A〜42Fに接する化学物質に依存して光学特性が変化してもよい。
【0047】
光源10と光分離検出器50が光分配部30に対して同じ側に配置された例を示したが、光源10と光分離検出器50は光分配部30に対して反対側に配置されてもよい。
【0048】
<第2の実施形態>
以下に、本発明に係る第2の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。この実施形態の光学式センサの全体構成を図6に示す。図6において、図1に示した部材と同一の参照符号を付した部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。以下、相違部分に重点をおいて説明する。つまり、以下の説明で触れない部分は、第1の実施形態と同様である。
【0049】
図6に示すように、光学式センサは、光源10と、光源10に光学的に結合された光ファイバー20と、光ファイバー束40と、光ファイバー20から光ファイバー束40に光を分配する光分配部30と、光ファイバー束40によって導光された光を分離して検出する光分離検出器50を有している。
【0050】
光ファイバー束40は、複数の光ファイバー41A,41B,41C,41D,41E,41Fを有している。光ファイバー41A〜41Fは、光ファイバー20と一緒に、長手方向に間隔を置いた複数の個所において結束バンド43によって束ねられている。図7に示すように、光ファイバー41A〜41Fは、光ファイバー20の周囲に均等に配置されている。
【0051】
光分配部30は、光ファイバー20から出射した光の配光特性を変換して、光ファイバー41A〜41Fに光を結合する配光変換部31を有している。配光変換部31は、屈折率が1以上の透明物質を有している。この透明物質は、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。
【0052】
光分配部30は、光の伝搬方向を折り返す光折り返し部32をさらに有している。光ファイバー20の光出射端面と光ファイバー41A〜41Fの光入射端面は共に配光変換部31を介して光折り返し部32に対向するように配置されている。光ファイバー20から出射した光は、配光変換部31と光折り返し部32を経て、光ファイバー41A〜41Fに光学的に結合する。
【0053】
光源10で生成された光は、光ファイバー20によって導光される。光ファイバー2の光出射端面から出射した光は、配光変換部31を伝搬して光折り返し部32に到達し、光折り返し部32によって光の伝搬方向が折り返され、配光変換部31を再び伝搬して複数の光ファイバー41A〜41Fに分配される。光ファイバー20の光出射端面から出射した光は、複数の光ファイバー41A〜41Fに到達するまでの間、配光変換部31によって光の拡がりが抑えられる。複数の光ファイバー41A〜41Fに分配された光は、それぞれ、複数の光ファイバー41A〜41Fによって光分離検出器50に導光される。この光分離検出器50は、光ファイバー41A〜41Fによって導光された光を分離して検出する。
【0054】
光ファイバー41A〜41Fが湾曲したことに起因して特性検出部42A〜42Fが湾曲すると、その湾曲の大きさと方向に依存して光学特性が変化するため、光ファイバー41A〜41Fから出力される光量が変化する。光分離検出器50によって光ファイバー41A〜41Fから出力される光量を独立して測定することにより、特性検出部42A〜42Fの湾曲が求められる。
【0055】
図8は、光分配部30の配光変換部31の一構成例を模式的に示している。この例では、配光変換部31は、光ファイバー20から光折り返し部32を介して光ファイバー束40へ至る空間で構成されている。言い換えれば、配光変換部31は、光ファイバー20の光出射端面および光ファイバー束40の光入射端面と、光折り返し部32との間に存在する気体たとえば空気で構成されている。
【0056】
図8では、光ファイバー束40の二本の光ファイバー41A,41Dが代表的に描かれている。光ファイバー20と光ファイバー41A,41Dは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸と光ファイバー41A,41Dの光入射端面における光ファイバー41A,41Dの光軸が互いに平行になるように配置されている。
【0057】
図8において、曲線24は、光ファイバー20の出射した光ビームのB−B’断面における強度分布を示している。配光変換部31を構成する気体は、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。このため、光ファイバー20から出射した光を光ファイバー41A,41Dに効率良く分配し得る。光ファイバー20から出射した光成分L1,L2,L3のうち、光成分L1,L2はいずれも光ファイバー41Aに分配されるが、光成分L3は光ファイバー41A,41Dのいずれにも分配されずに損失となる。
【0058】
図8の構成の配光変換部31における好適な条件について図9を参照して考察する。図9は、光ファイバー20と、光ファイバー束40中の一本の光ファイバー41Aを示している。ここで、光ファイバー41Aは、光ファイバー束40の中心から最も遠い光ファイバーを代表的に表している。
【0059】
光ファイバー20から出射する光の最大出射角θmax,prjは、再掲の式(1)に示されるように、光ファイバー20の開口数NAprjと、光ファイバー41Aの光入射端面の手前に存在する透明物質の屈折率nで制限される。
【数6】
【0060】
同様に、光ファイバー41Aに入射して光ファイバー41A中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detは、再掲の式(2)に示されるように、光ファイバー41Aの開口数NAdetと、光ファイバー41Aの光入射端面の手前に存在する透明物質の屈折率nで制限される。
【数7】
【0061】
図9の幾何学的な関係により、屈折率nの透明物質中を光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達するための条件は次式(6)で表される。
【数8】
【0062】
ここで、dは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に垂直な方向に関する光ファイバー20の光出射端面の中心から光ファイバー41Aの光入射端面の中心までの距離であり、l1は、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に平行な方向に関する光ファイバー20の光出射端面から光折り返し部32までの距離、l2は、光ファイバー41Aの光入射端面における光ファイバー41Aの光軸に平行な方向に関する光折り返し部32から光ファイバー41Aの光入射端面までの距離である。
【0063】
また、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬する条件は次式(7)で表される。
【数9】
【0064】
したがって、光ファイバー20から出射した光が光折り返し部32を経て光ファイバー41Aに到達し、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬するためには、式(6)と式(7)を同時に満足していればよい。
【0065】
図10は、光分配部30の配光変換部31の別の構成例を模式的に示している。この例では、配光変換部31は、互いに平行な二つの対向面を有する透明部材31Aで構成されている。透明部材31Aは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸に対して対向面が略垂直になるように配置されている。透明部材31Aはたとえば円柱形状を有している。光ファイバー20の光出射端面と光ファイバー41A,41Bの光入射端面は共に透明部材31Aの一方の対向面に対向するように配置されており、透明部材31Aの他方の対向面には光折り返し部32が対向するように配置されている。たとえば、光折り返し部32は、透明部材31Aとは別の部材として構成され、透明部材31Aの平面に接して配置されてよい。別の例では、光折り返し部32は、透明部材31Aの平面に形成され、透明部材31Aと一体の部材として構成されてよい。
【0066】
図10では、図8と同様、光ファイバー束40の二本の光ファイバー41A,41Dが代表的に描かれている。光ファイバー20と光ファイバー41A,41Dは、光ファイバー20の光出射端面における光ファイバー20の光軸と光ファイバー41A,41Dの光入射端面における光ファイバー41A,41Dの光軸は互いに平行になるように配置されている。
【0067】
図10において、曲線25は、光ファイバー20の出射した光ビームのB−B’断面における強度分布を示している。配光変換部31を構成する透明部材31Aは、1以上の屈折率を有しており、光ファイバー20から出射した光の拡がりを抑制する働きをする。透明部材31Aはさらに、側面によって光を反射する機能を有しており、外へ向かう光を内に向けて偏向する働きをする。このため、光ファイバー20から出射した光を光ファイバー41A,41Dに非常に効率良く分配し得る。光成分L1,L2は、それぞれ、光ファイバー41Aに到達して光ファイバー41Aに分配される。また光成分L3は、図8の構成においては光ファイバー41A,41Dのいずれにも分配されずに損失となるが、図10の構成においては透明部材31Aの側面によって反射されて、たとえば光ファイバー41Aに分配され得る。
【0068】
図10の構成の配光変換部31における好適な条件について図11を参照して考察する。図11は、光ファイバー20と、透明部材31Aと、光ファイバー束40中の一本の光ファイバー41Aを示している。ここで、光ファイバー41Aは、図9と同様、光ファイバー束40の中心から最も遠い光ファイバーを代表的に表している。
【0069】
図9の構成における議論は図11の構成に対してもそのまま適用できる。したがって、光ファイバー20から出射する光の最大出射角θmax,prjは前述の式(1)によって表され、また光ファイバー41Aに入射して光ファイバー41A中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detは前述の式(2)によって表される。さらに、図11の幾何学的な関係により、光ファイバー20から出射した光が光折り返し部32を経て光ファイバー41Aに到達するための条件は前述の(6)式によって表され、光ファイバー41Aに到達した光が光ファイバー41A中を伝搬するための条件は前述の式(7)によって表される。
【0070】
図11の構成においては、光ファイバー20から出射した光は、光折り返し部32を経た後に光ファイバー41Aに直接的に到達する成分だけでなく、透明部材31Aの側面によって反射された成分も光ファイバー41Aに分配され得る。したがって、光ファイバー20から出射した光が光ファイバー41Aに到達するための条件は、前述の式(6)を満足する代わりに、次式(8)を満足してればよい。
【数10】
【0071】
この実施形態の光学式センサによれば、光ファイバー20から出射した光が複数の光ファイバー41A〜41Fに好適に分配され得る。
【0072】
光分配部30の光折り返し部32は、さまざまな光学素子によって構成されて得る。たとえば、光折り返し部32は、図12に示すように、ミラー32Aで構成されてよい。別の構成例として、光折り返し部32は、図13に示すように、反射型回折格子32Bで構成されてもよい。さらに反射型回折格子32Bが、光ファイバー20から出射した光の配光を調整する機能を有していてもよい。この構成例では、光ファイバー20から出射した光の配光を、透明部材31Aに加えて反射型回折格子32Bも調整し得るので、光ファイバー20からから出射した光を光ファイバー41A,41Dにさらに効率良く分配し得る。さらに別の構成例として、光折り返し部32は、散乱部材で構成されてもよく、また、光ファイバー20や光ファイバー41A,41Dの端面に対向する透明部材31Aの平面の反対側の平面自体で構成されてもよい。
【0073】
この実施形態はさまざまな変更や変形が適用されてもよい。たとえば、第1の実施形態の説明で述べた変更や変形がそのまま適用されてもよい。
【0074】
そのほか、たとえば、光分配部30は、図14に示すように、光ファイバー20が、配光変換部31を構成する透明部材31Bの中央に光学的に結合された構成であってよい。この構成例では、光ファイバー20,41A,41Dは、それぞれ、コア20a,41Aa,41Daとクラッド20b,41Ab,41Dbを有しており、光ファイバー20のコア20aは、透明部材31Bの内部を全長にわたって延びている。光ファイバー20によって導光された光は、透明部材31B内に位置するコア20aの側面から透明部材31B中に出射し、光折り返し部32を経て、光ファイバー41A,41Dに分配される。
【0075】
また、光分配部30は、図15に示すように、光ファイバー20が、配光変換部31を構成する透明部材31Cの中央に光学的に結合され、光ファイバー41A,41Dが透明部材31Cの側面に光学的に結合されている構成であってもよい。この構成例では、光ファイバー20,41A,41Dは、それぞれ、コア20a,41Aa,41Daとクラッド20b,41Ab,41Dbを有しており、光ファイバー20のコア20aは、透明部材31Cの内部に延出し、透明部材31Cの内部で終端している。光ファイバー41A,41Dのコア41Aa,41Daの側面は透明部材31Cの側面に接しており、これにより、光ファイバー41A,41Dが透明部材31Cの側面に光学的に結合されている。光ファイバー20によって導光された光は、透明部材31C内に位置するコア20aの端面や側面から透明部材31C中に出射し、光折り返し部32を経て、透明部材31Cの側面を介して光ファイバー41A,41Dのコア41Aa,41Daに結合する。
【0076】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。ここにいう様々な変形や変更は、上述した実施形態を適当に組み合わせた実施も含む。
【符号の説明】
【0077】
10…光源、11…発光素子、12…結合レンズ、20…光ファイバー、20a…コア、20b…クラッド、21…先端ループ部、22,23,24,25…曲線、30…光分配部、31…配光変換部、31A,31B,31C…透明部材、32…光折り返し部、32A…ミラー、32B…反射型回折格子、40…光ファイバー束、41A,41B,41C,41D,41E,41F…光ファイバー、41Aa,41Da…コア、41Ab,41Db…クラッド、42A,42B,42C,42D,42E,42F…特性検出部、43…結束バンド、50…光分離検出器、51A,51B,51C,51D,51E,51F…受光素子、52A,52B,52C,52D,52E,52F…光ファイバー、53…ファイバーコネクタ、L1,L2,L3…光成分。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源に光学的に結合された光供給用導光部材と、
物理化学状態に応じて光学特性が変化する特性検出部をおのおの有する複数の検出用導光部材と、
前記光供給用導光部材から前記複数の検出用導光部材に光を分配する光分配部と、
前記複数の検出用導光部材によって導光された光を分離して検出する光分離検出器を有している光学式センサ。
【請求項2】
請求項1において、前記光分配部は、前記光供給用導光部材から出射した光の配光特性を変換して、前記複数の検出用導光部材に光を結合する配光変換部を有している光学式センサ。
【請求項3】
請求項2において、前記配光変換部は、屈折率が1以上の透明物質を有し、
前記光供給用導光部材から出射する光の最大出射角θmax,prjと、前記光供給用導光部材の開口数NAprjと、前記透明物質の屈折率nと、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に平行な方向に関する前記光供給用導光部材の光出射端面から前記検出用導光部材の光入射端面までの距離lと、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に垂直な方向に関する前記光供給用導光部材の光出射端面の中心から前記検出用導光部材の光入射端面の中心までの距離dは、
【数1】
を満足している光学式センサ。
【請求項4】
請求項3において、前記検出用導光部材中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detと、前記検出用導光部材の開口数をNAdetは、
【数2】
を満足している光学式センサ。
【請求項5】
請求項4において、前記光分配部は、光の伝搬方向を折り返す光折り返し部をさらに有し、前記光供給用導光部材の光出射端面と前記検出用導光部材の光入射端面は共に前記配光変換部を介して前記光折り返し部に対向するように配置されており、前記光供給用導光部材から出射した光は、前記配光変換部と前記光折り返し部を経て、前記複数の検出用導光部材に光学的に結合する光学式センサ。
【請求項6】
請求項5において、前記透明物質は、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に対して略垂直な二つの対向面を有する透明部材で構成されている光学式センサ。
【請求項7】
請求項5において、前記光折り返し部は、前記透明部材の一つの平面、ミラー、回折格子、散乱部材のいずれかで構成されている光学式センサ。
【請求項8】
請求項5において、前記光供給用導光部材の光出射端面と前記検出用導光部材の光入射端面は共に前記透明部材の一つの平面に対向するように配置されている光学式センサ。
【請求項9】
請求項8において、前記透明部材は円柱形状を有しており、前記透明部材の半径Rは、
【数3】
を満足している光学式センサ。
【請求項10】
請求項9において、前記透明部材は、側面に反射膜が形成されている光学式センサ。
【請求項11】
請求項9において、前記透明部材は、前記光供給用導光部材の開口数で規定される光線をすべて全反射するように屈折率と形状が設定されている光学式センサ。
【請求項12】
請求項2において、前記光供給用導光部材が前記透明部材の中央に光学的に結合され、前記検出用導光部材が前記透明部材の側面に光学的に結合されており、前記光供給用導光部材から出射した光は、前記透明部材の側面を介して前記検出用導光部材に結合する光学式センサ。
【請求項13】
請求項2において、前記光供給用導光部材の光出射端面と前記検出用導光部材の光入射端面は前記配光変換部を介して互いに対向するように配置されており、前記光供給用導光部材から出射した光は、前記配光変換部を経て、前記複数の検出用導光部材に光学的に結合する光学式センサ。
【請求項14】
請求項13において、前記配光変換部は、屈折率が1以上の透明物質を有し、
前記光供給用導光部材から出射する光の最大出射角θmax,prjと、前記光供給用導光部材の開口数NAprjと、前記透明物質の屈折率nと、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に平行な方向に関する前記光供給用導光部材の光出射端面から前記検出用導光部材の光入射端面までの距離lと、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に垂直な方向に関する前記光供給用導光部材の光出射端面の中心から前記検出用導光部材の光入射端面の中心までの距離dは、
【数4】
を満足している光学式センサ。
【請求項15】
請求項13において、前記検出用導光部材中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detと、前記検出用導光部材の開口数をNAdetは、
【数5】
を満足している光学式センサ。
【請求項16】
請求項15において、前記透明物質は、面前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に対して略垂直な二つの対向面を有する透明部材で構成されている光学式センサ。
【請求項17】
請求項16において、前記光供給用導光部材の光出射端面は前記透明部材の一方の対向面に対向するように配置されており、前記検出用導光部材の光入射端面は前記透明部材の他方の対向面に対向するように配置されている光学式センサ。
【請求項18】
請求項17において、前記透明部材は円柱形状を有しており、前記透明部材の半径Rは、
【数6】
を満足している光学式センサ。
【請求項19】
請求項18において、前記透明部材は、側面に反射膜が形成されている光学式センサ。
【請求項20】
請求項18において、前記透明部材は、前記光供給用導光部材の開口数で規定される光線をすべて全反射するように屈折率と形状が設定されている光学式センサ。
【請求項21】
請求項13において、前記光供給用導光部材が前記透明部材の中央に光学的に結合され、前記検出用導光部材が前記透明部材の側面に光学的に結合されており、前記光供給用導光部材から出射した光は、前記透明部材の側面を介して前記検出用導光部材に結合する光学式センサ。
【請求項22】
請求項2において、前記特性検出部は、前記光分配部から前記光分離検出器に至る光路上において前記検出用導光部材に形成されている光学式センサ。
【請求項23】
請求項2において、前記特性検出部は、前記特性検出部の湾曲形状、応力状態、温度、前記特性検出部に作用する電場、磁場、熱のいずれかひとつに依存して光学特性が変化する光学式センサ。
【請求項24】
請求項2において、前記特性検出部は、前記特性検出部に接する化学物質に依存して光学特性が変化する光学式センサ。
【請求項1】
光源と、
前記光源に光学的に結合された光供給用導光部材と、
物理化学状態に応じて光学特性が変化する特性検出部をおのおの有する複数の検出用導光部材と、
前記光供給用導光部材から前記複数の検出用導光部材に光を分配する光分配部と、
前記複数の検出用導光部材によって導光された光を分離して検出する光分離検出器を有している光学式センサ。
【請求項2】
請求項1において、前記光分配部は、前記光供給用導光部材から出射した光の配光特性を変換して、前記複数の検出用導光部材に光を結合する配光変換部を有している光学式センサ。
【請求項3】
請求項2において、前記配光変換部は、屈折率が1以上の透明物質を有し、
前記光供給用導光部材から出射する光の最大出射角θmax,prjと、前記光供給用導光部材の開口数NAprjと、前記透明物質の屈折率nと、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に平行な方向に関する前記光供給用導光部材の光出射端面から前記検出用導光部材の光入射端面までの距離lと、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に垂直な方向に関する前記光供給用導光部材の光出射端面の中心から前記検出用導光部材の光入射端面の中心までの距離dは、
【数1】
を満足している光学式センサ。
【請求項4】
請求項3において、前記検出用導光部材中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detと、前記検出用導光部材の開口数をNAdetは、
【数2】
を満足している光学式センサ。
【請求項5】
請求項4において、前記光分配部は、光の伝搬方向を折り返す光折り返し部をさらに有し、前記光供給用導光部材の光出射端面と前記検出用導光部材の光入射端面は共に前記配光変換部を介して前記光折り返し部に対向するように配置されており、前記光供給用導光部材から出射した光は、前記配光変換部と前記光折り返し部を経て、前記複数の検出用導光部材に光学的に結合する光学式センサ。
【請求項6】
請求項5において、前記透明物質は、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に対して略垂直な二つの対向面を有する透明部材で構成されている光学式センサ。
【請求項7】
請求項5において、前記光折り返し部は、前記透明部材の一つの平面、ミラー、回折格子、散乱部材のいずれかで構成されている光学式センサ。
【請求項8】
請求項5において、前記光供給用導光部材の光出射端面と前記検出用導光部材の光入射端面は共に前記透明部材の一つの平面に対向するように配置されている光学式センサ。
【請求項9】
請求項8において、前記透明部材は円柱形状を有しており、前記透明部材の半径Rは、
【数3】
を満足している光学式センサ。
【請求項10】
請求項9において、前記透明部材は、側面に反射膜が形成されている光学式センサ。
【請求項11】
請求項9において、前記透明部材は、前記光供給用導光部材の開口数で規定される光線をすべて全反射するように屈折率と形状が設定されている光学式センサ。
【請求項12】
請求項2において、前記光供給用導光部材が前記透明部材の中央に光学的に結合され、前記検出用導光部材が前記透明部材の側面に光学的に結合されており、前記光供給用導光部材から出射した光は、前記透明部材の側面を介して前記検出用導光部材に結合する光学式センサ。
【請求項13】
請求項2において、前記光供給用導光部材の光出射端面と前記検出用導光部材の光入射端面は前記配光変換部を介して互いに対向するように配置されており、前記光供給用導光部材から出射した光は、前記配光変換部を経て、前記複数の検出用導光部材に光学的に結合する光学式センサ。
【請求項14】
請求項13において、前記配光変換部は、屈折率が1以上の透明物質を有し、
前記光供給用導光部材から出射する光の最大出射角θmax,prjと、前記光供給用導光部材の開口数NAprjと、前記透明物質の屈折率nと、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に平行な方向に関する前記光供給用導光部材の光出射端面から前記検出用導光部材の光入射端面までの距離lと、前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に垂直な方向に関する前記光供給用導光部材の光出射端面の中心から前記検出用導光部材の光入射端面の中心までの距離dは、
【数4】
を満足している光学式センサ。
【請求項15】
請求項13において、前記検出用導光部材中を伝搬し得る光の最大入射角θmax,detと、前記検出用導光部材の開口数をNAdetは、
【数5】
を満足している光学式センサ。
【請求項16】
請求項15において、前記透明物質は、面前記光供給用導光部材の光出射端面における前記光供給用導光部材の光軸に対して略垂直な二つの対向面を有する透明部材で構成されている光学式センサ。
【請求項17】
請求項16において、前記光供給用導光部材の光出射端面は前記透明部材の一方の対向面に対向するように配置されており、前記検出用導光部材の光入射端面は前記透明部材の他方の対向面に対向するように配置されている光学式センサ。
【請求項18】
請求項17において、前記透明部材は円柱形状を有しており、前記透明部材の半径Rは、
【数6】
を満足している光学式センサ。
【請求項19】
請求項18において、前記透明部材は、側面に反射膜が形成されている光学式センサ。
【請求項20】
請求項18において、前記透明部材は、前記光供給用導光部材の開口数で規定される光線をすべて全反射するように屈折率と形状が設定されている光学式センサ。
【請求項21】
請求項13において、前記光供給用導光部材が前記透明部材の中央に光学的に結合され、前記検出用導光部材が前記透明部材の側面に光学的に結合されており、前記光供給用導光部材から出射した光は、前記透明部材の側面を介して前記検出用導光部材に結合する光学式センサ。
【請求項22】
請求項2において、前記特性検出部は、前記光分配部から前記光分離検出器に至る光路上において前記検出用導光部材に形成されている光学式センサ。
【請求項23】
請求項2において、前記特性検出部は、前記特性検出部の湾曲形状、応力状態、温度、前記特性検出部に作用する電場、磁場、熱のいずれかひとつに依存して光学特性が変化する光学式センサ。
【請求項24】
請求項2において、前記特性検出部は、前記特性検出部に接する化学物質に依存して光学特性が変化する光学式センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−104812(P2013−104812A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249656(P2011−249656)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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