説明

光学式選別機及び光学式選別機による選別方法

【課題】良品を効率よく回収することができる光学式選別機及び該光学式選別機による被選別物の選別方法を提供する。
【解決手段】光学選別部は、被選別物を検出する光学検出手段と、該光学検出手段による検出信号を、被選別物の良品とそれ以外とを区別する良品用しきい値と、被選別物の不良品とそれ以外とを区別する不良品用しきい値とからなる二種類のしきい値と比較して、前記被選別物を、良品、不良品、良品と不良品以外の中間品の三種類に判別する判別手段と、該判別手段による判別結果に基づいて、前記三種類に判別される被選別物を、当該種類別に仕分ける仕分け手段と、該仕分け手段により前記種類別に仕分けられる被選別物を、当該種類別に排出する排出手段と、を備えてなり、前記光学選別部において、中間品に選別された被選別物については、再度、前記光学選別部に移送し選別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩等により選別する光学式選別機及び該光学式選別機による被選別物の選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米・麦類・豆類・ナッツ類等の穀粒、ペレット・ビーズ等の樹脂片、医薬品、鉱石類、シラス等の細かい物品、その他の粒状物からなる原料を色彩等により良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物等を色彩等により選別したりする光学式選別機が広く知られている。
【0003】
また、上記光学式選別機において、良品の回収率を向上させるため、二組の選別部を並設し、二段階で良品と不良品に選別する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
図8は、特許文献1に記載された光学式選別機における良品と不良品の選別方法の説明図を示す。
【0004】
特許文献1に記載された光学式選別機において、1次選タンクに供給される原料となる粒状物は、1次選別部において良品と不良品に選別される。1次選別部において不良品に選別された粒状物は、2次選タンクに送られた後に、2次選別部において良品と不良品に選別される。2次選別部において良品に選別された粒状物は、再度、前記1次選タンクに送られ、1次選別部において良品と不良品に選別される。
【0005】
上記特許文献1に記載された光学式選別機は、例えばエアの噴風により原料から不良品を排除するものであるが、上記選別方法によれば、1次選別部において不良品を排除する噴風に巻き込まれるなどして不良品に選別された良品を回収することが可能となり、良品の回収率を向上させることができる。
【0006】
ところで、上記特許文献1に記載された光学式選別機において、良品の純度を上げるためには、各選別部における良品と不良品の選別基準となるしきい値を厳しく設定する必要があるが、その場合、1次選別部で不良品に選別されて2次選タンクに送られる粒状物が増加し、2次選別部に過度の負荷を与えるとともに、作業効率が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−107703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、純度の高い良品を効率よく回収することができる光学式選別機及び該光学式選別機による被選別物の選別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、
被選別物を選別する光学選別部を備える光学式選別機であって、
前記光学選別部は、被選別物を検出する光学検出手段と、
該光学検出手段による検出信号を、被選別物の良品とそれ以外とを区別する良品用しきい値と、被選別物の不良品とそれ以外とを区別する不良品用しきい値とからなる二種類のしきい値と比較して、前記被選別物を、良品、不良品、良品と不良品以外の中間品の三種類に判別する判別手段と、
該判別手段による判別結果に基づいて、前記三種類に判別される被選別物を、当該種類別に仕分ける仕分け手段と、
該仕分け手段により前記種類別に仕分けられる被選別物を、当該種類別に排出する排出手段と、を備えており、
前記光学選別部において、中間品に選別された被選別物については、再度、前記光学選別部に移送し選別することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の光学式選別機は、
前記光学選別部は、移送手段の端部から落下する被選別物を選別するものであり、
前記仕分け手段は、エジェクター手段であって、前記落下する被選別物の排出位置を前記種類別に仕分けるものであり、
前記排出手段は、前記エジェクター手段により仕分けられる被選別物の排出位置に応じて配設される良品排出樋、不良品排出樋、中間品排出樋からなるものであり、前記中間品排出樋が、前記良品排出樋と前記不良用排出樋の間に配設されてなることが好ましい。
【0011】
本発明の光学式選別機は、
前記光学選別部を複数備え、
一次選別部において選別される前記中間品を再度一次選別部に、前記不良品を二次選別部に、それぞれ移送する移送手段と、前記二次選別部において選別される前記良品を前記一次選別部に、前記中間品を再度二次選別部に、それぞれ移送する移送手段を備えることが好ましい。
【0012】
本発明は、
光学選別部を備える光学式選別機により被選別物を選別する方法であって、
前記光学選別部は、被選別物を検出し、
該被選別物の検出信号を、被選別物の良品とそれ以外とを区別する良品用しきい値と、被選別物の不良品とそれ以外とを区別する不良品用しきい値とからなる二種類のしきい値と比較して、前記被選別物を、良品、不良品、良品と不良品以外の中間品の三種類に判別し、
該判別した結果に基づいて、前記三種類に判別される被選別物を、当該種類別に仕分けし、
前記種類別に仕分けられる被選別物を、当該種類別に排出するものであり、
前記光学選別部において、中間品に選別された被選別物については、再度、前記光学選別部に移送し選別することを特徴とするものである。
【0013】
本発明の光学式選別機による被選別物の選別方法は、
前記光学選別部は、移送手段の端部から落下する被選別物を選別するものであり、
エジェクター手段により、前記被選別物の排出位置を前記種類別に仕分けし、
良品排出樋、不良品排出樋、中間品排出樋からなり、前記中間品排出樋を、前記良品排出樋と前記不良品排出樋の間に配置してなる排出手段により、前記種類別に仕分けられる被選別物を、当該種類別に排出することが好ましい。
【0014】
本発明の光学式選別機による被選別物の選別方法は、
前記光学選別部を複数備え、
一次選別部において選別される前記中間品を再度一次選別部に、前記不良品を二次選別部に、それぞれ移送し選別するとともに、前記二次選別部において選別される前記良品を前記一次選別部に、前記中間品を再度二次選別部に、それぞれ移送し選別することが好ましい。
【0015】
ここで、本発明における「良品」は、原料に異物が混入する場合において、当該原料と異物を選別する場合には「原料」、「不良品」は「異物」と置き換えることができる。
また、本発明における「良品」は、原料に二種類以上の粒状物が混在する場合において、当該粒状物を一の種類とその他の種類とに選別する場合には「一の粒状物」、「不良品」は「その他の粒状物」と置き換えることができる。
【0016】
なお、本発明において、光学式選別機が光学選別部を複数備える場合とは、一台の光学式選別機が複数の光学選別部を備えることに加え、複数台の光学式選別機を組み合わせることで、一台の光学式選別機が複数の光学選別部を備えることと同様の機能を発揮する場合を含むものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光学式選別機は、二種類のしきい値を採用して、従来、光学選別部において不良品に選別されていた被選別物の中で、より良品に近いものを中間品として選別することとし、該中間品に選別された被選別物については、再度、前記光学選別部に移送し選別することとしたので、純度の高い良品を効率よく回収することができる。
【0018】
本発明の光学式選別機は、排出手段を、エジェクター手段による被選別物の排出位置に応じて配設される良品排出樋、不良品排出樋、中間品排出樋からなるものとすれば、エジェクター手段の作用圧力や作用時間を三段階に制御することにより、被選別物を種類別に容易に排出することができる。
また、本発明の光学式選別機は、中間品排出樋を良品排出樋と不良品排出樋の間に配設することで、他の被選別物に対するエジェクター手段の作用に誤って巻き込まれる被選別物を前記中間品排出樋に排出することができるため、良品を効率的に回収することができる。
【0019】
本発明の光学式選別機は、前記光学選別部を複数備え、一次光学選別部において選別される前記中間品を再度一次選別部に、前記不良品を二次選別部に、それぞれ移送する移送手段と、前記二次選別部において選別される前記良品を前記一次選別部に、前記中間品を再度二次選別部に、それぞれ移送する移送手段を備えることとすれば、一次選別部において選別される中間品を再度一次選別部に移送し、二次光学選別部において選別される良品を前記一次選別部に移送するので、従来の二段階の選別方法に比べ、良品を効率よく回収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態における光学式選別機の要部側断面図。
【図2】粒状物の撮像信号としきい値との関係の説明図。
【図3】粒状物の撮像信号としきい値との関係の他の説明図。
【図4】粒状物の撮像信号としきい値との関係のさらに他の説明図。
【図5】本発明の実施形態の光学式選別機における選別方法の説明図。
【図6】本発明の他の実施形態の光学式選別機における選別方法の説明図。
【図7】本発明のさらに他の実施形態の光学式選別機における選別方法の説明図。
【図8】従来の光学式選別機における選別方法の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における光学式選別機の内部構造を簡略化して説明する要部側断面図を示す。
【0022】
本実施の形態における光学式選別機1は、二組の粒状物供給部2及び光学選別部3を正面視幅方向に並設してなり、原料となる粒状物を、二段階で良品と不良品に選別するものである。
【0023】
本実施の形態における光学式選別機において、前記粒状物供給部2は、原料タンク21と、振動フィーダ22と、所定幅を有する傾斜状シュート23を備える。
【0024】
また、前記光学選別部3は、前記傾斜状シュート23を幅方向に広がる状態で連続状に自然流下した後、その下端部から所定の落下軌跡に沿って空中に放出される粒状物を撮像する一対の光学検出装置31a,31bと、該光学検出装置31a,31bの撮像信号に基づいて前記粒状物を良品、不良品、中間品に判別する判別装置33と、前記判別装置33の判別結果に基づいて前記不良品及び中間品を排除し、粒状物を良品、不良品、中間品に仕分けるエジェクター34と、前記粒状物を前記良品、不良品、中間品別に排出する排出樋35とを備える。
【0025】
前記光学検出装置31a,31bは、前記幅方向に広がる状態で空中に放出される粒状物に対応できるものであって、CCD等のラインセンサやエリアセンサを内蔵し、NIR(近赤外線)、可視光又は紫外線等の波長域の光を受光可能とするCCDカメラ等の撮像手段311a,311b、蛍光灯等の照明手段312a,312b、及びバックグラウンド313a,313b等を備え、前記撮像手段311a,311bによる粒状物の撮像信号を前記判別装置33に送る。
ここで、前記撮像手段311a,311bの視点は、前記所定の落下軌跡上における検出位置Oを通り、対向する位置に配設されるバックグラウンド313a,313bに合わせられている。
【0026】
前記判別装置33は、前記撮像手段311a,311bから送られる撮像信号に基づいて、前記粒状物を良品とそれ以外とに区別する良品用しきい値と、前記粒状物を不良品とそれ以外とに区別する不良品用しきい値とを設定するしきい値設定手段と、当該良品用しきい値及び不良品用しきい値に基づいて前記粒状物を良品、不良品、良品と不良品以外の中間品のいずれかに判別する判別手段を備え、当該判別手段による粒状物の判別結果に基づく不良品及び中間品の排除信号を前記エジェクター34に送る。
【0027】
ここで、図2は、前記幅方向の特定位置における撮像手段311a,311bの撮像信号としきい値との関係の説明図を示す。図2(a)は、本実施の形態の光学式選別機についての説明図、図2(b)は、従来の光学式選別機についての説明図である。図2において、横軸は時間、縦軸は信号レベルを示す。
【0028】
図2(b)に示すように、従来の光学式選別機は、粒状物を良品と不良品とに区別するしきい値を設定し、前記撮像信号の信号レベルを前記しきい値と比較して、粒状物を良品、不良品の二種類に判別するものであった。
一方、図2(a)に示すように、本実施の形態における光学式選別機は、粒状物を良品とそれ以外とに区別する良品用しきい値となる第1のしきい値と、粒状物を不良品とそれ以外とに区別する不良品用しきい値となる第2のしきい値とを設定し、前記撮像信号の信号レベルを前記第1及び第2のしきい値と比較して、粒状物を良品、不良品、良品と不良品以外の中間品のいずれか三種類に判別するものである。
【0029】
図3は、粒状物の前記撮像信号としきい値との関係の他の説明図を示す。
図3に示す場合についても、本実施の形態における光学式選別機は、粒状物を良品とそれ以外とに区別する良品用しきい値となる第1のしきい値と、粒状物を不良品とそれ以外とに区別する不良品用しきい値となる第2のしきい値とを設定し、前記撮像信号の信号レベルを前記第1及び第2のしきい値と比較して、粒状物を良品、不良品、良品と不良品以外の中間品のいずれか三種類に判別する。
【0030】
図4は、粒状物の撮像信号としきい値との関係のさらに他の説明図を示す。
図4に示す場合、本実施の形態における光学式選別機は、粒状物を良品とそれ以外とに区別する良品用しきい値となる第1のしきい値及び第3のしきい値と、粒状物を不良品とそれ以外とに区別する不良品用しきい値となる第2のしきい値及び第4のしきい値とを設定し、前記撮像信号の信号レベルを前記第1乃至第4のしきい値と比較して、粒状物を良品、不良品、良品と不良品以外の中間品のいずれか三種類に判別する。なお、この場合、前記信号レベルが、第1のしきい値と第3のしきい値の間に位置する粒状物を良品、第2のしきい値より低い粒状物及び第4のしきい値よりも高い粒状物を不良品と判別する。
【0031】
前記エジェクター34は、前記幅方向に広がる状態で空中に放出される粒状物に対応できるものであって、エアを噴風するノズルを備え、前記判別装置33から送られる排除信号に基づいて所定のタイミングでエアを噴風し、不良品及び中間品を前記所定の落下軌跡から排除し、前記粒状物を良品、不良品、中間品に仕分ける。その際、当該エジェクター34aは、前記排除信号によりエアの噴風圧及び/又は噴風時間が制御され、不良品を中間品よりも遠い位置に排除する。
【0032】
前記排出樋35は、前記所定の落下軌跡に沿って落下する良品、前記エジェクター34により排除され、落下軌跡が変更されて落下する不良品及び中間品を、各種類別に排出可能とする第1排出樋351、第2排出樋352、及び第3排出樋353から構成される。
ここで、該排出樋35は、前記中間品を排出する第2排出樋352を、前記良品を排出する第1排出樋351と、前記不良品を排出する第3排出樋353の間に位置するものとすることで、不良品を排除するためのエアの噴風に巻き込まれ落下軌跡が変更された良品を受入れることが可能となる。
【0033】
本実施の形態における光学式選別機1において、前記原料タンク21に供給される粒状物は、前記振動フィーダ22を介して前記傾斜状シュート23に送られ、該傾斜状シュート23を幅方向に広がる状態で連続状に自然流下した後、その下端部から所定の落下軌跡に沿って空中に放出される。
【0034】
そして、前記空中に放出される粒状物は、前記所定の落下軌跡の前後に対向して配設される一対の前記光学検出装置31a,31bの撮像手段311a,311bにより、前記落下軌跡上における検出位置Oにおいて撮像され、当該撮像信号が前記判別装置33に送られる。
【0035】
前記撮像手段311a,311bにより撮像された粒状物は、前記判別装置33において、前記撮像信号の信号レベルが前記しきい値設定手段により設定される前記第1及び第2のしきい値と比較され、良品、不良品、中間品の三種類のいずれかに判別され、不良品及び中間品については、前記排除信号が前記エジェクター34に送られる。
【0036】
そして、前記粒状物は、前記排除信号が送られた不良品及び中間品が前記エジェクター34により前記所定の落下軌跡から排除され、良品、不良品、中間品に仕分けられて、各種類別に第1〜第3排出樋351〜353に排出される。
【0037】
ここで、図5は、本実施の形態の光学式選別機における良品と不良品の選別方法の説明図を示す。
【0038】
本実施の形態における光学式選別機において、1次選タンク21aに供給される原料となる粒状物は、1次選別部3aにおいて前記二つのしきい値に基づいて良品、不良品、中間品に選別される。1次選別部3aにおいて不良品に選別された粒状物は、2次選タンク21bに送られた後、2次選別部3bにおいて良品、不良品、中間品に選別される。2次選別部3bにおいて良品に選別された粒状物は、再度、前記1次選タンク21aに送られ、1次選別部3aにおいて良品、不良品、中間品に選別される。
【0039】
一方、本実施の形態における光学式選別機において、前記1次選別部3aで中間品に選別された粒状物は、前記1次選タンク21aに再度送られ、当該1次選別部3aにおいて良品、不良品、中間品に選別される。
また、前記2次選別部3bで中間品に選別された粒状物は、前記2次選タンク21bに再度送られ、当該2次選別部3bにおいて良品、不良品、中間品に選別される。
【0040】
本実施の形態における光学式選別機は、図2(a)、図3及び図4に示すように、二種類のしきい値を採用することで、1次選別部3aにおいて良品には選別されないものの、明らかに不良品であるとはいえない粒状物を中間品に選別することができ、該中間品を再度1次選別部3aにおいて選別するものとすることができる。
即ち、図2(b)に示す例において、従来の光学式選別機は、1次選別部において10粒を不良品に選別し、該10粒のすべてを2次選別部において選別する必要があったが、本実施の形態における光学式選別機は、図2(a)に示すように、再度の選別において良品に選別される可能性の高い7粒を中間品に選別し、これらを再度1次選別部3aにおいて選別するものとすることで、2次選別部3bでは3粒のみ選別することとなる。
【0041】
したがって、本実施の形態における光学式選別機は、良品を選別するための基準である前記第1のしきい値を、従来と同様に設定する場合であっても、2次選別部3bに過度の負荷を与えることがなく、良品を効率よく回収することができる。
また、本実施の形態における光学式選別機は、上記のとおり2次選別部3bの負荷を軽減することができるので、該2次選別部3bにおける粒状物の選別精度が向上する。
【0042】
本実施の形態における光学式選別機は、図2(a)、図3及び図4に示すように、二種類のしきい値を採用することで、2次選別部3bにおいて良品には選別されないものの、明らかに不良品であるとはいえない粒状物を中間品に選別することができ、該中間品を再度2次選別部3bにおいて選別することとできるので、良品を選別するための基準である前記第1のしきい値を、従来と同様に設定する場合であっても、良品の回収率が向上する。
【0043】
上記本発明の実施の形態における光学式選別機は、1次選別部3aで中間品に選別された粒状物を1次選タンク21aに移送し、再度、1次選別部3aにおいて良品、不良品、中間品に選別することとしたが、前記1次選別部3aで中間品に選別された粒状物を2次選タンク21bにも移送できる構成とし、前記1次選タンク21aがオーバーフローしそうな場合等において、前記中間品に選別された粒状物を、適宜2次選タンク21bに移送することとしてもよい。
【0044】
また、上記本発明の実施の形態における光学式選別機は、2次選別部3bで中間品に選別された粒状物を2次選タンク21bに移送し、再度、2次選別部3bにおいて良品、不良品、中間品に選別することとしたが、前記2次選別部3bで中間品に選別された粒状物を1次選タンク21aにも移送できる構成とし、前記2次選タンク21bがオーバーフローしそうな場合等において、前記中間品に選別された粒状物を、適宜1次選タンク21aに移送することとしてもよい。
【0045】
上記本発明の実施の形態における光学式選別機は、二組の粒状物供給部2及び光学選別部3を正面視幅方向に並設してなるものであったが、二台の色彩選別機を用いることで、上記と同様の方法により、原料となる粒状物を二段階で良品と不良品に選別するものとしてもよい。
【0046】
上記本発明の実施の形態における光学式選別機は、粒状物供給部2が傾斜状シュート23を備え、該傾斜状シュート23の下端部から空中に放出される粒状物を、検出位置Oにおいて光学検出装置31a,31bにおける撮像手段311a,311bにより撮像するものであったが、水平配置するコンベア端部から空中に放出される粒状物を撮像するものであってもよい。
【0047】
上記本発明の実施の形態における光学式選別機は、エジェクターとしてエアーを噴風するノズルを用い、粒状物を所定の落下軌跡から非接触で排除するものであったが、エジェクターとして例えばソレノイド等を駆動手段とする板バネ等の機械的手段を用い、粒状物を排除するものとしてもよい。なお、その場合、板バネの駆動量や駆動速度を調整することで、不良品を中間品よりも遠い位置に排除することができる。
【0048】
上記本発明の実施の形態における光学式選別機は、不良品と中間品をエジェクターにより排除するものであったが、良品と中間品を排除することとしてもよい。この場合、良品と不良品の内、原料への混入量が少ない方をエジェクターにより排除することとすれば、光学式選別機の全体負荷が軽減されるとともに、粒状物の選別精度が向上する。
【0049】
上記本発明の実施の形態における光学式選別機は、原料を良品と不良品に選別するものであったが、原料に異物が混入する場合には、該原料を異物と選別したり、原料に二種類以上の粒状物が混在する場合には、該粒状物を一の種類とその他の種類に選別したりすることもできる。
【0050】
本発明の実施の形態における光学式選別機は、二種類のしきい値を設けるものであったが、三種類以上のしきい値を設けることも可能である。
その場合、光学式選別機における排出樋35は、エジェクター34により仕分けられる粒状物を種類別に排出可能となるよう四つ以上の排出樋から構成するものとすればよい。
【0051】
<本発明の他の実施の形態>
図6は、本発明の他の実施の形態における光学式選別機における良品と不良品の選別方法の説明図を示す。
本実施の形態における光学式選別機は、一組の粒状物供給部2及び光学選別部3を備え、原料となる粒状物を一段階で良品と不良品に選別するものであり、前記粒状物供給部2及び光学選別部3の構造は、図1に示すものと同様である。
そして、本実施の形態における光学式選別機は、前記光学選別部3において中間品に選別された粒状物を、再度、同じ光学選別部3において選別するものである。
【0052】
本実施の形態における光学式選別機によれば、良品と他の粒状物を区別する前記良品用しきい値を、従来と同様に設定する場合であっても、良品の回収率が向上する。
【0053】
<本発明のさらに他の実施の形態>
図7は、本発明のさらに他の実施の形態における光学式選別機における良品と不良品の選別方法の説明図を示す。
本発明の形態における光学式選別機は、三組の粒状物供給部2及び光学選別部3を並設し、又は三台の光学式選別機を用い、原料となる粒状物を三段階で良品と不良品に選別するものである。
本実施の形態における光学式選別機も、前記粒状物供給部2及び光学選別部3の構造は、図1に示すものと同様である。
【0054】
本発明の光学式選別機は、四組以上の粒状物供給部及び光学選別部を並設し、又は四台以上の光学式選別機を用い、原料となる粒状物を四段階以上で良品と不良品に選別するものとすることもできる。
【0055】
本発明の光学式選別機は、上記実施の形態に限らず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の光学式選別機及び該光学式選別機による選別方法は、純度の高い良品を効率よく回収することができるものであり、非常に有用なものである。
【符号の説明】
【0057】
1 光学式選別機
2 粒状物供給部
21 原料タンク
22 振動フィーダ
23 シュート
3 光学選別部
31a,31b 光学検出装置
311a,311b 撮像手段
312a,312b 照明手段
313a,313b バックグラウンド
33 判別装置
34 エジェクター
35 排出樋
351 第1排出樋
352 第2排出樋
353 第3排出樋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を選別する光学選別部を備える光学式選別機であって、
前記光学選別部は、被選別物を検出する光学検出手段と、
該光学検出手段による検出信号を、被選別物の良品とそれ以外とを区別する良品用しきい値と、被選別物の不良品とそれ以外とを区別する不良品用しきい値とからなる二種類のしきい値と比較して、前記被選別物を、良品、不良品、良品と不良品以外の中間品の三種類に判別する判別手段と、
該判別手段による判別結果に基づいて、前記三種類に判別される被選別物を、当該種類別に仕分ける仕分け手段と、
該仕分け手段により前記種類別に仕分けられる被選別物を、当該種類別に排出する排出手段と、を備えてなり、
前記光学選別部において、中間品に選別された被選別物については、再度、前記光学選別部に移送し選別することを特徴とする光学式選別機。
【請求項2】
前記光学選別部は、移送手段の端部から落下する被選別物を選別するものであり、
前記仕分け手段は、エジェクター手段であって、前記落下する被選別物の排出位置を前記種類別に仕分けるものであり、
前記排出手段は、前記エジェクター手段により仕分けられる被選別物の排出位置に応じて配設される良品排出樋、不良品排出樋、中間品排出樋からなるものであり、前記中間品排出樋が、前記良品排出樋と前記不良品排出樋の間に配設されてなる請求項1記載の光学式選別機。
【請求項3】
前記光学選別部を複数備え、
一次選別部において選別される前記中間品を再度一次選別部に、前記不良品を二次選別部に、それぞれ移送する移送手段と、前記二次選別部において選別される前記良品を前記一次選別部に、前記中間品を再度二次選別部に、それぞれ移送する移送手段を備える請求項1又は2記載の光学式選別機。
【請求項4】
光学選別部を備える光学式選別機により被選別物を選別する方法であって、
前記光学選別部は、被選別物を検出し、
該被選別物の検出信号を、被選別物の良品とそれ以外とを区別する良品用しきい値と、被選別物の不良品とそれ以外とを区別する不良品用しきい値とからなる二種類のしきい値と比較して、前記被選別物を、良品、不良品、良品と不良品以外の中間品の三種類に判別し、
該判別した結果に基づいて、前記三種類に判別される被選別物を、当該種類別に仕分けし、
前記種類別に仕分けられる被選別物を、当該種類別に排出するものであり、
前記光学選別部において、中間品に選別された被選別物については、再度、前記光学選別部に移送し選別することを特徴とする光学式選別機による被選別物の選別方法。
【請求項5】
前記光学選別部は、移送手段の端部から落下する被選別物を選別するものであり、
エジェクター手段により、前記被選別物の排出位置を前記種類別に仕分けし、
良品排出樋、不良品排出樋、中間品排出樋からなり、前記中間品排出樋を、前記良品排出樋と前記不良品排出樋の間に配置してなる排出手段により、前記種類別に仕分けられる被選別物を、当該種類別に排出する請求項4記載の光学式選別機による被選別物の選別方法。
【請求項6】
前記光学選別部を複数備え、
一次選別部において選別される前記中間品を再度一次選別部に、前記不良品を二次選別部に、それぞれ移送し選別するとともに、前記二次選別部において選別される前記良品を前記一次選別部に、前記中間品を再度二次光学選別部に、それぞれ移送し選別する請求項4又は5記載の光学式選別機による被選別物の選別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−143670(P2012−143670A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1816(P2011−1816)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】