説明

光学活性ベンズイミダゾール誘導体の光学異性体

【課題】抗潰瘍剤・胃炎治療剤として有用なベンズイミダゾール誘導体の光学異性体を提供する。
【解決手段】下記式で表される塩(R−体およびS−体を含む)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗潰瘍剤・胃炎治療剤として有用なベンズイミダゾール誘導体の光学異性体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般式(I)で表される化合物は、
【化3】

特開昭54−141783号公報、特開昭61−50978号又は特開平1−6270号公報等に記載されている化合物であり、優れた胃酸分泌抑制作用、ヘリコバクター・ピロリ除菌作用を有する抗潰瘍剤・胃炎治療剤である。一般式(I)で示されるベンズイミダゾール誘導体は分子内に不斉イオウ原子を1つ有し、2種類の光学異性体が存在する。特開昭54−141783号公報、特開昭61−50978号又は特開平1−6270号公報等に記載されているベンズイミダゾール誘導体はdl体であり、これまでこれらベンズイミダゾール誘導体の光学活性体及びその製造法は知られていなかった。
【特許文献1】特開昭54−141783号公報
【特許文献2】特開昭61−50978号公報
【特許文献3】特開平1−6270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
薬物を投与した際の、薬効・吸収・分布・代謝・副作用等において、dl体と光学活性体では差が認められる場合がある。したがって、より有用性の高い薬物を開発するにあたっては、dl体と同時に光学活性体を用いた検討も必要であるが、これまで一般式(I)で示される光学活性なベンゾイミダゾール誘導体の製造法は知られていなかったため、十分な検討がなされてなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは医薬品開発における光学活性体の重要性に鑑み、抗潰瘍剤・胃炎治療剤として有用なベンズイミダゾール誘導体の光学活性体の製造法を鋭意検討してきた。
【0005】
その結果、以下に示す光学活性ベンズイミダゾール誘導体の製造法が所期の目的を達成することを見いだし、本発明を完成した。即ち本発明は、一般式(I)
【化3】

(式中、R1は、水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基又はハロゲン原子を意味する。R2,R3及びR4は、同一又は相異なっていてもよい水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基及び低級アルコキシアルコキシ基を意味する。)で表されるベンズイミダゾール誘導体又はその塩を光学分割し、さらに加水分解することを特徴とする、一般式(II)
【化4】

(式中、R1,R2,R3及びR4は、前記と同様の意味を有する。)で表される光学活性ベンズイミダゾール誘導体の製造法であり、一般式(II')
【化5】

(式中、R1は、水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基又はハロゲン原子を意味する。R2,R3及びR4は、同一又は相異なっていてもよい水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基及び低級アルコキシアルコキシ基を意味する。)で示されるベンズイミダゾール誘導体又はその塩をベンジルオキシメチル化し、一般式(I)
【化3】

(式中、R1、R2,R3及びR4は、前記と同様の意味を有する。)を得、次いで光学分割し、さらに加水分解して一般式(II)
【化4】

(式中、R1,R2,R3及びR4は、前記と同様の意味を有する。)を特徴とする光学活性ベンズイミダゾール誘導体の製造法であり、一般式(I)
【化3】

(式中、R1は、水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基又はハロゲン原子を意味する。R2,R3及びR4は、同一又は相異なっていてもよい水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基及びハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシアルコキシ基を意味する。)で表されるベンズイミダゾール誘導体又はその塩であり、一般式(Ia)又は一般式(Ib)
【化6】

(式中、R1は、水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基又はハロゲン原子を意味する。R2,R3及びR4は、同一又は相異なっていてもよい水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基及び低級アルコキシアルコキシ基を意味する。)で表される光学活性ベンズイミダゾール誘導体又はその塩である。したがって、本発明の目的は医薬品として有用な光学活性なベンズイミダゾール誘導体を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明において、R1,R2,R3及びR4の定義にみられるハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基において低級アルキルとは、炭素数1−6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を意味する。例を挙げれば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、nーブチル、イソブチル、ネオブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、nーヘキシル、イソヘキシルなどを挙げることができる。又、「ハロゲン置換されていてもよい」とは、上記低級アルキル基のいずれかの炭素原子に1−3個のハロゲン原子が置換されているものをいう。ハロゲン置換されている低級アルキル基の例として、トリフルオロメチル基、ジブロモエチル基などを挙げることができる。R1,R2,R3及びR4の定義にみられるハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基において低級アルコキシとは、炭素数1−6の直鎖状又は分枝状のアルキレン鎖が酸素原子と結合しているものをいい、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどを例として挙げることができる。又、「ハロゲン置換されていてもよい」とは、上記低級アルコキシ基のいずれかの炭素原子にハロゲン原子が1−3個置換されているものをいう。ハロゲン置換されている低級アルキル基の例として、トリフルオロメトキシ基、1、2ージブロモエトキシ基などを挙げることができる。R1の定義にみられるハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。R2,R3及びR4の定義にみられるハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシアルコキシ基において、低級アルコキシアルコキシ基とは、例えば、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシプロポキシ基など上記低級アルコキシ基から誘導される基を意味する。更に「ハロゲン置換されていてもよい」とは、上記低級アルコキシアルコキシ基のいずれかの炭素原子に1ー3個のハロゲン原子が置換されているものを意味する。これらの例を挙げれば、トリフルオロメトキシメトキシ基、ジブロモエトキシメトキシ基などを挙げることができる。又、本発明において塩とは、例えば塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、例えば酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などの有機酸塩、又は例えば、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸との塩などを挙げることができる。更に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの金属塩をとることがあり、本発明における塩に包含される。
【0007】
本発明にかかる製造法を、以下に化学反応式として示し、個々の工程について詳述する。
【化7】

(一連の式中、R1は、水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基又はハロゲン原子を意味する。R2,R3及びR4は、同一又は相異なっていてもよい水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基及びハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシアルコキシ基を意味する。)
【0008】
次に上記化学反応式に従って本発明方法を詳述する。
工程1
dl−パリプラゾールをベンジルオキシメチルする工程である。本工程はテトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters),3165,1971.に記載された方法に従い、dl−パリプラゾールを塩基の存在下にベンジルクロロメチルエーテルと反応させるか、またはdl−パリプラゾールの塩とベンジルクロロメチルエーテルと反応させることにより実施することができる。
【0009】
本工程においては溶媒を用いても無溶媒でもよいが、溶媒を用いる場合、dl−パリプラゾール、その塩またはベンジルクロロメチルエーテルに対して不活性なものであれば限定されない。溶媒として具体的には、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ニトロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができるが限定されない。
【0010】
溶媒の使用量も限定されないが、通常はdl−パリプラゾールまたはその塩の1重量に対して約0.5〜100容を、好ましくは約0.5〜50容を、さらに好ましくは約1〜20容を用いる。なお溶媒は単独でも2種類以上の混合物を用いてもいずれでもよい。
【0011】
またベンジルクロロメチルエーテルの使用量も限定されないが、通常はdl−パリプラゾールに対して約0.8〜5.0モルを、好ましくは約0.9〜3.0モルを、さらに好ましくは約1.0〜2.0モルを使用する。
【0012】
また塩基を用いる場合、塩基の種類は限定されないが、具体的にはトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム、リチウムアミド等を挙げることができる。塩基の使用量も限定されないが、通常はdl−パリプラゾールに対して約0.8〜5.0モルを、好ましくは約0.9〜3.0モルを、さらに好ましくは約1.0〜2.0モルを使用する。
【0013】
反応温度も限定されず、−20℃〜溶媒還流温度において実施することができるが、通常は室温で反応が進行する。
【0014】
工程1により得られたdl−1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールは、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、HPLC等の常法により精製することができる。
【0015】
工程2
dl−1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールをHPLCにより光学分割して光学活性体を製造する工程である。本工程において使用するHPLCの固定相は、通常光学分割に使用されるものであれば限定されないが、具体的にはCHIRALCEL OF(ダイセル化学工業製)等を挙げることができる。
【0016】
工程3
工程2の結果得られた光学活性な1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールを脱保護基して、光学活性なパリプラゾールを製造する工程である。本工程は前記文献に記載された方法により実施できるが、通常は酸または塩基の存在下に加水分解する。
【0017】
本発明における出発物質である一般式(II')で表されるベンズイミダゾール誘導体は、特開昭54−141783号公報、特開昭61−50978号公報又は特開平1−6270号等に記載されている方法により製造される。一例を挙げるならば、一般式(II')で示されるベンズイミダゾール誘導体において、R1:水素原子、R2:メチル基、R3:メトキシプロポキシ基、R4:水素原子である化合物は、dl−パリプラゾールとして、特開平1−6270号に実施例32記載の方法で、更にそのナトリウム塩は実施例33の方法に従って製造することができる。
【0018】
本発明にかかる一般式(I)
【化3】

(式中、R1は、水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基又はハロゲン原子を意味する。R2,R3及びR4は、同一又は相異なっていてもよい水素原子、ハロゲン置換されていてもよい低級アルキル基、ハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシ基及びハロゲン置換されていてもよい低級アルコキシアルコキシ基を意味する。)で表される化合物は新規化合物であり、光学活性なベンズイミダゾール誘導体を製造するにあたり、中間体として有用である。先で例示したdl−パリプラゾールを得るのであれば、化学式
【化8】

で表される1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールを用いればよい。以下に、この場合の化学反応式を掲げる。
【0019】
【化9】

【0020】
次に本発明にかかる光学活性なベンズイミダゾール誘導体の製造法を具体的に説明するため以下に実施例を掲げるが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。
【実施例】
【0021】
実施例1
1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの合成
【化10】

パリプラゾール・ナトリウム塩10.0g(26.2mmol)をテトラヒドロフラン(70ml)に溶解し、氷冷撹拌下、ジイソプロピルエチルアミン(10ml)を加えた後、ベンジルクロロメチルエーテル4.9g(31.5mmol)を滴下した。室温で17時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮して残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:エーテル:メタノール系)で精製し、標題化合物を得た。これをさらにメタノール/エーテル混合溶媒から再結晶して、標題化合物8.0gを得た。(収率;64%)
【0022】
融点;86.5-87.5℃
1H-NMR(400MHz,CDCl3); δ(PPM) 2.05(2H,Quintet,J=6.0Hz)、2.21(3H,s)、3.34(3H,s)、3.53(2H,t,J=6.0Hz)、4.05(2H,t,J=6.0Hz)、4.58(2H,ABq,J=11.6Hz)、5.00(2H,ABq,J=13.6Hz)、5.92(2H,ABq,J=11.2Hz)、6.65(1H,d,J=6.0Hz)、7.24−7.35(5H,m)、7.35-7.42(2H,dd×2,J=7.2,1.6Hz)、7.56(1H,d,J=7.2Hz)、7.87(1H,d,J=7.2Hz)、8.15(1H,d,J=6.0Hz)
MS(FAB);480(MH+)
【0023】
実施例2
(R)−1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールおよび(S)−1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの光学分割
1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール2.0gをイソプロピルアルコール(50ml)に溶解し、n−ヘキサン(50ml)を加えた。この溶液を下記HPLC条件にて光学分割し、標題化合物をそれぞれ0.8gずつ得た。(回収率;80%)
【0024】
HPLC条件
固定相;CHIRALCEL OF(50mmΦ、500mm)
移動相;n−ヘキサン/イソプロピルアルコール(1:1)
流速;145ml/分
注入量;100ml
検出器;紫外吸光光度計(測定波長290nm)
【0025】
(R)−1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール
【化11】

【0026】
融点;61-62℃
高分解MS(FAB);480.1949(MH+)
【0027】
(S)−1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール
【化12】

【0028】
融点;61-62℃
高分解MS(FAB);480.2007(MH+)
【0029】
実施例3
(S)−パリプラゾールの合成
【化13】

85(W/W)%-硫酸(43.5ml)および塩化メチレン(15ml)の混合液中に、氷冷撹拌下、(S)−1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール5.8g(12.1mmol)の塩化メチレン(15ml)溶液を、内温を5℃以下に保ちながら滴下し、さらにそのまま35分間撹拌を続けた。この反応液を、2N−水酸化ナトリウム水溶液(870ml)中に、氷冷撹拌下滴下し、そのまま45分間撹拌した。反応液を塩化メチレン、エーテルで洗浄した後、水層に塩化アンモニウム167gを加え、塩化メチレンで抽出した。有機層を水洗、乾燥後、減圧濃縮して標題化合物2.8gを得た。(収率;64%)
【0030】
実施例4
(S)−パリプラゾール・ナトリウムの合成
【化1】

(S)−パリプラゾール・ナトリウム2.8gを1N−水酸化ナトリウム水溶液(7.8ml)に溶解した後、凍結乾燥して標題化合物2.9gを得た。(収率;98%)ここで得られた標題化合物の光学純度をHPLCで測定したところ98.3%(enantiomeric percentage)であった。
【0031】
旋光度;[α]D20=−146°(クロロホルム)
【0032】
実施例5
(R)−パリプラゾール・ナトリウムの合成
【化2】

(R)−1−ベンジルオキシメチル−2−[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾール9.0gを用い、実施例3、4と同様にして標題化合物4.5gを得た。(収率;63%)ここで得られた標題化合物の光学純度をHPLCで測定したところ98.3%(enantiomereic percentage)であった。
【0033】
旋光度;[α]D20=+148°(クロロホルム)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式で表される塩:
【化1】

【請求項2】
下記式で表される塩:
【化2】


【公開番号】特開2006−176531(P2006−176531A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2607(P2006−2607)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【分割の表示】特願平7−3058の分割
【原出願日】平成7年1月12日(1995.1.12)
【出願人】(000000217)エーザイ株式会社 (102)
【Fターム(参考)】