説明

光学部品の反射端面形成方法および反射端面を有する光学部品

【課題】光学部品の端面に、低価格でかつ工事現場などの屋外で簡単に反射率の高い反射端面を形成可能にした光学部品の反射端面形成方法および反射端面を有する光学部品を提供する。
【解決手段】光ファイバ10の端面に反射端面を形成する光学部品の反射端面形成方法は、基板に蒸着した金属薄膜を剥がして砕いた蒸着粉を揮発性を有する溶剤30に入れて攪拌する第1の工程と、蒸着粉が入った揮発性を有する溶剤30に光ファイバ10の端部を浸漬させて引き上げる第2のステップとを備える。溶剤30に光ファイバ10の端部を浸漬させて引き上げ、溶剤30を乾燥させると、溶剤30が蒸発して蒸着粉が光ファイバ10の端面に密着して付く。蒸着粉が光ファイバ10の端面の全面に張り付くと、あたかもその端面に蒸着膜を形成したのと同じような高い反射率の反射端面ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部品の反射端面、例えば、光ファイバの反射端面、コネクタの反射端面、複屈折素子の反射端面などを形成する光学部品の反射端面形成方法および反射端面を有する光学部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ファイバ端面に反射端面を作る場合、光ファイバ端面を切断しただけでは、そのギザギザになった端面から反射光は殆ど戻らず、光はその端面から外に出てしまう。
【0003】
従来、光ファイバ端面に反射端面を作る方法として、図7に示すように、光ファイバ100の端面を光ファイバカッタで切断して、反射端面100aを形成する技術が知られている(特許文献1参照)。この光ファイバ100は、コア101と、クラッド102と、ファイバ被覆103とを有する。光ファイバ100の端面を光ファイバカッタで切断すると、略垂直に端面を切断でき、この切断された端面が反射端面100aになる。
【0004】
この場合、光ファイバ100の反射端面100aでは、ガラスと空気の屈折率差があるので、−14.7dB程度の反射(フレネル反射)があり、約1/20弱(3〜4%程度)の反射光が戻ってくる。また、その切断面(反射端面100a)が僅かに傾くと、戻ってくる反射光が更に減る。図9(A),(B)は、光ファイバカッタで切断した光ファイバ100の端面をカメラで撮影した写真である。
【0005】
それ以上の反射光が欲しい場合には、図8に示すように、光ファイバ120の端面100aに金(Au)や銀(Ag)などの金属膜(単層膜)130を蒸着して作る。例えば、その金属膜130が金(Au)であると、赤外光に対して99.9%(略100%)の反射率を持っているので、略0dBの反射光が戻ってくる。その金属膜130が銀であると98%程度の反射率を持つ反射端面ができ、その金属膜130がアルミニウムであると97%程度の反射率を持つ反射端面ができる。
【特許文献1】特開2006−343382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、図7に示すように、光ファイバ100の端面を光ファイバカッタで切断して、反射端面100aを形成する場合、次のような問題がある。
【0007】
・フレネル反射(−14.7dB程度の反射)であるため、反射端面100aでの反射量が少ない。
【0008】
・切断面である反射端面100aに手で触ったり、油が付いたり、汚れたりすると、反射が落ちる。
【0009】
また、図8に示すように、光ファイバ120の端面100aに。金(Au)や銀(Ag)などの金属膜(単層膜)130を蒸着する技術は、反射を考えるとこの技術が好ましい。しかし、この従来技術では、金属膜130を作るのに、蒸着装置を用いて蒸着する作業が必要になるため、製造性が悪くコストが高くなると共に、工事現場などでは光ファイバ端面に反射端面を形成することが出来ない。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、光学部品の端面に、低価格でかつ工事現場などの屋外で簡単に反射率の高い反射端面を形成可能にした光学部品の反射端面形成方法および反射端面を有する光学部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光学部品の端面に反射端面を形成する光学部品の反射端面形成方法であって、基板に蒸着した金属薄膜を剥がして砕いた蒸着粉を揮発性を有する溶剤に入れて攪拌する第1の工程と、前記蒸着粉が入った前記揮発性を有する溶剤に前記光学部品の端部を浸漬させて引き上げる第2のステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、蒸着粉を揮発性を有する溶剤に入れて攪拌し、この蒸着粉が入った揮発性を有する溶剤に光学部品の端部を浸漬させて引き上げ、揮発性を有する溶剤を乾燥させると、溶剤が蒸発して乾燥し、蒸着粉が光学部品の端面に密着して付く。基板に蒸着した金属薄膜を剥がして砕いた蒸着粉は、薄い平板形状(薄膜状)の粉末であるので、一つ一つの蒸着粉の平面が光学部品の端面に接触するように、光学部品の端面にピタッと張り付く。これにより、光学部品の端面に付着した蒸着粉はその端面から簡単には剥がれ落ちない。
【0013】
このようにして、蒸着粉が光学部品の端面の全面に張り付くと、あたかもその端面に蒸着膜を形成したのと同じような高い反射率の反射端面ができる。実際に測定してみると、−1dBから−3dB(50%)程度の反射が得られる。
【0014】
このような反射率の高い反射面を光学部品の端面に形成するのに、蒸着粉を揮発性を有する溶剤に入れて攪拌し、この蒸着粉が入った揮発性を有する溶剤に光学部品の端部を浸漬させて引き上げるだけでよい。つまり、大掛かりな装置が必要なく、どこでも簡単に作れる。従って、光学部品の端面に、低価格でかつ工事現場などの屋外で簡単に反射率の高い反射端面を形成することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明に係る光学部品の反射端面形成方法は、前記第1のステップでは、前記揮発性を有する溶剤に接着性の溶剤を入れ、該接着性の溶剤の入った前記揮発性を有する溶剤に、前記蒸着粉を入れて攪拌することを特徴とする。この構成によれば、揮発性を有する溶剤に接着性の溶剤を入れることで、接着性の溶剤が蒸着粉全体を接着するので、一つ一つの蒸着粉が光学部品の端面により付き易くなり、剥がれにくくなる。
【0016】
請求項3に記載の発明に係る光学部品の反射端面形成方法は、前記蒸着粉が入った前記揮発性を有する溶剤に前記光学部品の端部を浸漬させて引き上げ、前記揮発性を有する溶剤が蒸発して前記光学部品の端部が乾いた後、該光学部品の端面全体に付着した前記蒸着粉の表面全体を保護用の樹脂剤に付けて引き上げることを特徴とする。この構成によれば、蒸着粉の表面全体に保護用の樹脂剤が付着した保護膜が形成されるので、その保護膜により蒸着粉の表面全体を保護することができる。これにより、耐久性の高い反射端面ができ、長寿命化を図ることができる。また、その保護膜を簡単に形成することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明に係る光学部品の反射端面形成方法は、前記蒸着粉が入った前記揮発性を有する溶剤に前記光学部品の端部を浸漬させて引き上げ、前記揮発性を有する溶剤が蒸発して前記光学部品の端部が乾いた後、該光学部品の端面全体に付着した前記蒸着粉の表面全体に瞬間接着剤を付けることを特徴とする。この構成によれば、蒸着粉の表面全体に瞬間接着剤が付着した保護膜が形成されるので、その保護膜により蒸着粉の表面全体を保護することができる。これにより、耐久性の高い反射端面ができ、長寿命化を図ることができる。また、その保護膜を簡単に形成することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明に係る光学部品の反射端面形成方法は、前記蒸着粉が入った前記揮発性を有する溶剤に前記光学部品の端部を浸漬させて引き上げ、前記揮発性を有する溶剤が蒸発して前記光学部品の端部が乾いた後、該光学部品の端面全体に付着した前記蒸着粉の表面全体に熱収縮スリーブを被せ、該熱収縮スリーブに熱を加えて固めることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、蒸着粉の表面全体が熱収縮スリーブで覆われ、この熱収縮スリーブにより蒸着粉の表面全体を保護することができる。これにより、耐久性の高い反射端面ができ、長寿命化を図ることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明に係る光学部品の反射端面形成方法は、光学部品の端面全体に、基板に蒸着した金属薄膜を剥がして砕いた蒸着粉が付着していることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、蒸着粉が光学部品の端面全体に付着しているので、あたかもその端面に蒸着膜を形成したのと同じような高い反射率の反射端面ができる。実際に測定してみると、−1dBから−3dB(50%)程度の反射が得られる。このような反射率の高い反射面を光学部品の端面に形成するのに、大掛かりな装置が必要なく、どこでも簡単に作れる。従って、光学部品の端面に、低価格でかつ工事現場などの屋外で簡単に反射率の高い反射端面を有する光学部品を得ることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明に係る光学部品の反射端面形成方法は、前記光学部品の端面全体に付着した前記蒸着粉の表面全体を保護する保護膜を備えることを特徴とする。この構成によれば、保護膜により蒸着粉の表面全体を保護するので、耐久性の高い反射端面ができ、光学部品の長寿命化を図ることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明に係る光学部品の反射端面形成方法は、前記光学部品は光ファイバであることを特徴とする。この構成によれば、高い反射率の反射端面を有する光学部品を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、光学部品の端面に、低価格でかつ工事現場などの屋外で簡単に反射率の高い反射端面を形成することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、光学部品の端面に、低価格でかつ工事現場などの屋外で簡単に反射率の高い反射端面を有する光学部品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、光学部品の一例として、光ファイバを用いた場合について説明する。
【0027】
図1は一実施形態に係る光ファイバ10を示しており、図2は図1の一部を拡大して示している。
【0028】
光学部品としての光ファイバ1は、図1および図2に示すように、コア11と、クラッド12と、被覆13とを有する。光ファイバ10の端面14全体に、基板に蒸着した金属薄膜を剥がして細かく砕いた蒸着粉20が付着している。蒸着粉20は、薄い平板形状(薄膜状)の粉末であるので、一つ一つの蒸着粉20の平面が光ファイバ10の端面14に接触するように、光ファイバ10の端面14にピタッと張り付いている。これにより、反射率の高い反射端面14が蒸着粉20の内面に形成される。
【0029】
蒸着粉20は、図3に示すように、金、銀、アルミ等の金属材料からなる平板形状(薄膜状)の粉末であり、大きさが例えば1μm〜数μm程度である。
【0030】
次に、光ファイバ10の端面14に反射端面を形成する光学部品の反射端面形成方法を、図4に基づいて説明する。
【0031】
この光学部品の反射端面形成方法は、以下の工程を備える。
基板に蒸着した金属薄膜を剥がして砕いた蒸着粉20(図3参照)を揮発性を有する溶剤30に入れて攪拌する第1の工程。
【0032】
蒸着粉20が入った揮発性を有する溶剤30に光ファイバ10の端部16(図1参照)を浸漬させて引き上げる第2のステップ。揮発性を有する溶剤30として、例えばアルコールを用いる。
【0033】
このような光学部品の反射端面形成方法により、実際に作製した光ファイバ10をカメラで撮影した写真を図5(A),(B)に示す。図5(A)は光ファイバ10の端面14に張り付いた蒸着粉20の外面を示す写真であり、図5(B)は光ファイバ10の端部16の外面(クラッド12の外周面)を示す写真である。図5(A),(B)から、蒸着粉20が光ファイバ10の端面14全体に均一に張り付いているように見える。
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0034】
蒸着粉20を揮発性を有する溶剤30に入れて攪拌し、この蒸着粉20が入った揮発性を有する溶剤30に光ファイバ10の端部16を浸漬させて引き上げて、揮発性を有する溶剤30を乾燥させると、溶剤30が蒸発して蒸着粉20が光ファイバ10の端面14に密着して付く。基板に蒸着した金属薄膜を剥がして砕いた蒸着粉20は、図3に示すように薄い平板形状(薄膜状)の粉末であるので、一つ一つの蒸着粉20の平面が光ファイバ10の端面14に接触するように、その端面14にピタッと張り付く。これにより、光ファイバ10の端面14に付着した蒸着粉20はその端面14から簡単には剥がれ落ちない。なお、揮発性を有する溶剤30の乾燥は、自然乾燥或いは熱(温風等)で行う。
【0035】
このようにして、蒸着粉20が光ファイバ10の端面14の全面に張り付くと、あたかもその端面14に蒸着膜を形成したのと同じような高い反射率の反射端面15ができる。実際に測定してみると、−1dBから−3dB(50%)程度の反射が得られる。
【0036】
このような反射率の高い反射面を光ファイバ10の端面14に形成するのに、蒸着粉20を揮発性を有する溶剤30に入れて攪拌し、この蒸着粉20が入った揮発性を有する溶剤30に光ファイバ10の端部16を浸漬させて引き上げるだけでよい。つまり、大掛かりな装置が必要なく、どこでも簡単に作れる。従って、光ファイバ10の端面14に、低価格でかつ工事現場などの屋外で簡単に反射率の高い反射端面15を形成することができる。
【0037】
次に、上記一実施形態で説明した反射端面15を有する光ファイバ10は、次のような用途に使用できる。
【0038】
・光ファイバを用いた振動検出装置で、光ファイバの反射端で光を戻すのに使える。この場合、100%近くの反射光が戻ってくるので、監視できる線路長が格段に長くなる。また、検出感度が10倍位上がるから。測定線路長を長くできる。
【0039】
・光ファイバ線路の代表芯線監視(OTDRを使った線路監視)に使える。この代表芯線監視では、反射光の強度が下がったとき、感度が落ちたことで、線路に異常があったことを検知できる。このような監視を行う際、図9(A),(B)に示すような切断端面だけだと、−14dBの反射光しか戻ってこないので、監視できる線路長が限られてしまう。これに対して、端面処理を上記一実施形態で説明した光学部品の反射端面形成方法で行い、蒸着粉20を付けると、100%近くの反射光が戻ってくるので、監視できる線路長が格段に長くなる。
【0040】
・図6に示すようなパワーメータを使った線路監視に使える。
【0041】
光源40からの光を、光ファイバ41を介して光ファイバ10の反射端面で戻し、その強度をパワーメータ42でモニタする。符号43は、光サーキュレータである。この線路監視では、感度がある値以下に下がると、断線或いは曲げ損失などの異常(障害)があると判定する。
【0042】
なお、本発明は、上記一実施形態に係る光学部品の反射端面形成方法を、以下のように変更した方法にも適用可能である。
【0043】
上記一実施形態に係る光学部品の反射端面形成方法において、上記第1のステップでは、揮発性を有する溶剤30に接着性の溶剤を入れ、この接着性の溶剤の入った揮発性を有する溶剤30に、蒸着粉30を入れて攪拌するようにしても良い。この構成によれば、揮発性を有する溶剤30に接着性の溶剤を入れることで、接着性の溶剤が蒸着粉20全体を接着するので、一つ一つの蒸着粉20が光ファイバ10の端面14により付き易くなり、剥がれにくくなる。
【0044】
上記一実施形態に係る光学部品の反射端面形成方法において、蒸着粉20が入った揮発性を有する溶剤30に光ファイバの端部16(図1参照)を浸漬させて引き上げ、揮発性を有する溶剤30が蒸発してその端部16が乾いた後、光ファイバの端面14全体に付着した蒸着粉20の表面全体を保護用の樹脂剤に付けて引き上げるようにする。この構成によれば、蒸着粉20の表面全体に保護用の樹脂剤が付着した保護膜が形成されるので、その保護膜により蒸着粉20の表面全体を保護することができる。これにより、耐久性の高い反射端面15(図1参照)ができ、長寿命化を図ることができる。また、その保護膜を簡単に形成することができる。
【0045】
また、上記一実施形態に係る光学部品の反射端面形成方法において、蒸着粉20が入った揮発性を有する溶剤30に光ファイバの端部16を浸漬させて引き上げ、揮発性を有する溶剤30が蒸発してその端部16が乾いた後、光ファイバの端面14全体に付着した蒸着粉20の表面全体に瞬間接着剤を付けるようにする。この構成によれば、蒸着粉20の表面全体に瞬間接着剤が付着した保護膜が形成されるので、その保護膜により蒸着粉20の表面全体を保護することができる。これにより、耐久性の高い反射端面15ができ、長寿命化を図ることができる。また、その保護膜を簡単に形成することができる。
【0046】
さらに、上記一実施形態に係る光学部品の反射端面形成方法において、蒸着粉20が入った揮発性を有する溶剤30に光ファイバの端部16を浸漬させて引き上げ、揮発性を有する溶剤30が蒸発してその端部16が乾いた後、光ファイバの端面14全体に付着した蒸着粉20の表面全体に熱収縮スリーブを被せ、この熱収縮スリーブに熱を加えて固めるようにする。この構成によれば、蒸着粉20の表面全体が熱収縮スリーブで覆われ、この熱収縮スリーブにより蒸着粉20の表面全体を保護することができる。これにより、耐久性の高い反射端面ができ、長寿命化を図ることができる。
【0047】
さらに、上記一実施形態では、光ファイバの端面に反射端面を形成する場合を一例として説明したが、光学部品として、コネクタ端面、複屈折素子端面、平面光波回路(PLC)素子端面、平面光波回路中に形成された溝内部、反射ミラー素子表面、回折(グレーティング)素子表面、レンズ表面などにそれぞれ反射端面を形成する場合にも、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】一実施形態に係る光ファイバを示す部分断面図。
【図2】図1の一部を拡大して示す断面図。
【図3】蒸着粉を示す斜視図。
【図4】一実施形態に係る光学部品の反射端面形成方法を説明するための説明図。
【図5】(A),(B)は実際に作製した光ファイバの端部をカメラで撮影した写真。
【図6】一実施形態の適用例を示す概略構成図。
【図7】従来の反射端面形成方法で作製した光ファイバを示す部分断面図。
【図8】別の従来例の反射端面形成方法で作製した光ファイバを示す部分断面図。
【図9】(A),(B)は実際に作製した光ファイバの端部をカメラで撮影した写真。
【符号の説明】
【0049】
10:光ファイバ
14:光ファイバの端面
15:反射端面
16:光ファイバの端部
20:蒸着粉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学部品の端面に反射端面を形成する光学部品の反射端面形成方法であって、
基板に蒸着した金属薄膜を剥がして砕いた蒸着粉を揮発性を有する溶剤に入れて攪拌する第1の工程と、
前記蒸着粉が入った前記揮発性を有する溶剤に前記光学部品の端部を浸漬させて引き上げる第2のステップと、を備えることを特徴とする光学部品の反射端面形成方法。
【請求項2】
前記第1のステップでは、前記揮発性を有する溶剤に接着性の溶剤を入れ、該接着性の溶剤の入った前記揮発性を有する溶剤に、前記蒸着粉を入れて攪拌することを特徴とする請求項2に記載の光学部品の反射端面形成方法。
【請求項3】
前記蒸着粉が入った前記揮発性を有する溶剤に前記光学部品の端部を浸漬させて引き上げ、前記揮発性を有する溶剤が蒸発して前記光学部品の端部が乾いた後、該光学部品の端面全体に付着した前記蒸着粉の表面全体を保護用の樹脂剤に付けて引き上げることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学部品の反射端面形成方法。
【請求項4】
前記蒸着粉が入った前記揮発性を有する溶剤に前記光学部品の端部を浸漬させて引き上げ、前記揮発性を有する溶剤が蒸発して前記光学部品の端部が乾いた後、該光学部品の端面全体に付着した前記蒸着粉の表面全体に瞬間接着剤を付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学部品の反射端面形成方法。
【請求項5】
前記蒸着粉が入った前記揮発性を有する溶剤に前記光学部品の端部を浸漬させて引き上げ、前記揮発性を有する溶剤が蒸発して前記光学部品の端部が乾いた後、該光学部品の端面全体に付着した前記蒸着粉の表面全体に熱収縮スリーブを被せ、該熱収縮スリーブに熱を加えて固めることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学部品の反射端面形成方法。
【請求項6】
光学部品の端面全体に、基板に蒸着した金属薄膜を剥がして砕いた蒸着粉が付着していることを特徴とする反射端面を有する光学部品。
【請求項7】
前記光学部品の端面全体に付着した前記蒸着粉の表面全体を保護する保護膜を備えることを特徴とする請求項6に記載の反射端面を有する光学部品。
【請求項8】
前記光学部品は光ファイバであることを特徴とする請求項6又は7に記載の反射端面を有する光学部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−229654(P2009−229654A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73114(P2008−73114)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】