光束分割素子
【課題】 従来の光束分割素子は、回折効率が前者の実施例で70%〜85%、後者の実施例で81%と低い値に止まっており、入射光の強度を十分有効に利用することができず、光エネルギーのロスが大きいという課題がある。
【解決手段】 帯状の基準位相パターンP1,P2,...を、そのピッチ内で与える位相差が非線形に変化するよう、かつ、ピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成し、隣接する基準位相パターンの間でΔPの位相ギャップを有し、この位相ギャップΔPが、0.7π<|ΔP|<1.2πの条件を満たすよう設定されている。
【解決手段】 帯状の基準位相パターンP1,P2,...を、そのピッチ内で与える位相差が非線形に変化するよう、かつ、ピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成し、隣接する基準位相パターンの間でΔPの位相ギャップを有し、この位相ギャップΔPが、0.7π<|ΔP|<1.2πの条件を満たすよう設定されている。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、グレーティング型の光束分割素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のグレーティング型の光束分割素子は、例えば特開平5−323110号公報、特開平7−225305号公報に開示されている。これらの公報には、単一の位相高さを持つ不均等幅の矩形パターンを利用して奇数本、あるいは偶数本の回折光を得る光束分割素子が開示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した公報に記載された従来の光束分割素子は、回折効率が前者の実施例で70%〜85%、後者の実施例で81%と低い値に止まっており、入射光の強度を十分有効に利用することができず、光エネルギーのロスが大きいという課題がある。
【0004】なお、上記の特開平7−225305号公報にも記載されるように、コンピュータに接続される光記録装置、あるいは、光コンピュータの分野では、ディジタル演算の単位が1バイト、すなわち8ビットであり、演算の基本が一般に偶数ビット単位であるため、これらの分野で利用される光記録装置、あるいは光コンピュータにおいても、偶数本の光が利用される場合がある。したがって、光束分割素子も光を偶数本に分割することができれば、入射光の強度を無駄にすることなく有効に利用することができる。
【0005】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、偶数本の回折光を発生する光束分割素子であって、回折効率を従来の素子よりも高めることができる光束分割素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるグレーティング型の光束分割素子は、上記の目的を達成させるため、帯状の基準位相パターンを、そのピッチ内で与える位相差が非線形に変化するよう、かつ、ピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成し、隣接する基準位相パターンの間でΔPの位相ギャップを有し、この位相ギャップΔPが、0.7π<|ΔP|<1.2πの条件を満たすことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる光束分割素子の実施形態を説明する。図1は実施形態の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示す拡大図、図2は素子全体を示す斜視図である。
【0008】この発明の光束分割素子の回折パターンの形成された部分は、図1に拡大して示されるように、x方向に延びる帯状の基準位相パターンP1,P2,...が基板B上に等ピッチでy方向に多数並列して形成される。基板Bは、基準パターンPも含めて透明な樹脂材料、またはガラス材料で形成されており、入射光を回折させて複数の光束に分割する透過型のグレーティング型光束分割素子である。
【0009】それぞれの基準位相パターンP1,P2,...は、y方向においてそのピッチ内で与える位相差が非線形に変化するよう、すなわち、二値ではなく多値の値を持つよう、しかも、このピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成されている。また、隣接する基準位相パターンの間では、すなわちパターンP1とP2との間、パターンP2とP3との間では、ΔPの位相ギャップが形成され、この位相ギャップΔPは、0.7π<|ΔP|<1.2πの条件を満たすよう設定されている。
【0010】基準位相パターンのサイズは、例えば、0.0125ラジアンおきに8本の回折光に分割する場合、使用波長を488nmとすると、y方向のピッチは約40μm、段差は基板の屈折率を1.5として高低のピーク間で約1μmとなる。なお、図1に示される基準位相パターンの形状は、後述する実施例3の基準位相パターンを利用して形成されている。
【0011】上記のような構成によると、偶数本の回折光を効率よく発生させることができる。一般に回折格子を用いると、回折光は0次回折光(透過光)を中心にプラスマイナスの回折光が対称的に現れて全体として奇数本の回折光が得られる。発明の光束分割素子では、基準パターンの位相分布を非対称にすることにより、上記の奇数本の回折光の対称性を崩し、偶数本の回折光の発生を可能としている。また、多値の位相分布を与えることにより、回折効率を高め、入射光のエネルギーを有効に利用することを可能としている。
【0012】実施形態の光束分割素子10は、全体的に見ると、図2に示されるように、円筒の一部を切り欠いた形状に形成されており、破線で示される円C1,C2を断面とする円柱に沿って形成された内側の凹状の円柱面11に、周方向に沿って延びる基準位相パターンが母線方向に沿って複数並列して回折パターン部12が形成されている。
【0013】実施形態のように位相差が非線形に変化するような複雑な位相パターンを持つ回折格子は、干渉法や、干渉法により得られたパターンをマスクとするエッチング法では正確に刻むことができない。そこで、ここでは、機械刻線法によりマスターとなる金型を作成し、その刻線されたマスターのパターンを樹脂や光学ガラスに転写することにより光束分割素子を作成する。
【0014】また、機械刻線法によりマスターを形成する場合にも、平面上に位相パターンを形成するためには、この平面に平行な面内の直交2軸方向と、平面に垂直な高さ方向との全部で3次元の方向に対してバイトと金型とを相対的に駆動制御しなければならず、加工に時間がかかる上、3次元の制御で波長オーダーの精密なパターンを刻むためには駆動装置のコストが高くなる。実施形態では、形成される位相パターンが、図1に示されるように、その高さがy方向に沿ってのみ変化し、x方向については同一であることに着目し、x方向を円周方向とする円柱面上に位相パターンを形成するよう構成している。
【0015】図3に示されるように、y方向に移動可能な旋盤20の回転軸21に円柱状の金型30を取り付け、y方向に直交するz方向に移動可能なスライドテーブル22にバイト23を固定する。金型30をRx方向に回転させつつy方向に微少量づつ送り、目的とする位相パターンの形状に合わせてバイト23と金型30との距離が変化するようスライドテーブル22をz方向に移動制御する。このような制御により、金型30の表面には、位相パターンの反転形状となる位相パターンのマスターが円周方向Rxに沿った帯状に刻線される。すなわち、Rx方向については、何れの位置でも位相パターンの高さは同一であるため位置の制御は不要である。
【0016】この方法によれば、バイトと金型との相対的な位置を回転軸方向yと回転軸に近接、離反するz方向の二次元方向に制御するのみで金型を加工することができ、比較的簡単な制御で実施形態のように位相パターンが多値、非線形の複雑な位相差を持つグレーティングパターンのマスターを形成することができる。
【0017】光束分割素子10は、位相パターンのマスターが形成された金型30を成形機にセットしてPMMA等の光学樹脂を基材として成形することにより、金型の位相パターンのマスターが光学樹脂に転写され、所定の位相パターンを有するグレーティング型の光束分割素子を形成することができる。
【0018】
【実施例】次に、上記の実施形態に基づく具体的な実施例である光束分割素子の構成例を12例説明する。実施例1は入射光束を4つの回折光に分割する素子、実施例2〜5は入射光を8つの回折光に分割する素子、実施例6〜12は入射光束を16の回折光に分割する素子の例である。
【0019】各実施例の基準位相パターンは、光束を所定の本数(4,8,16本)に分割するときに、(1)分割された各光束の強度が同一になるようにすること、(2)目的とする分割数以外の位置に余分な光が出ないようにすること、という2つの条件を満たすよう最適化することにより求められた形状である。
【0020】
【実施例1】表1は、実施例1の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。この表では、基準位相パターンの1ピッチを図1のy方向、すなわち位相パターンの並列方向に沿って0〜63の64の座標に等分割し、各座標での相対的な形状を光の位相差として示しており、その単位はラジアンである。実形状は、座標0の点からのz方向の距離として表される場合、空気中での使用を前提とすると、使用波長をλ、素子の屈折率をnとして、位相×λ/(2π(n−1))により求められる。図4は、表1に示される実施例1の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフであり、縦軸が位相差、横軸が座標である。実施例1では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.00πである。位相ギャップは、座標0の位相と座標63の位相との差として求められる。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例2】表2は、実施例2の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図5は、表2に示される実施例2の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例2では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.75πである。
【0023】
【表2】
【0024】
【実施例3】表3は、実施例3の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図6は、表3に示される実施例3の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例3では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.99πである。
【0025】
【表3】
【0026】
【実施例4】表4は、実施例4の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図7は、表4に示される実施例4の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例4では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.99πである。
【0027】
【表4】
【0028】
【実施例5】表5は、実施例5の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図8は、表5に示される実施例5の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例5では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.00πである。
【0029】
【表5】
【0030】
【実施例6】表6は、実施例6の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図9は、表6に示される実施例6の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例6では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.01πである。
【0031】
【表6】
【0032】
【実施例7】表7は、実施例7の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図10は、表7に示される実施例7の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例7では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.98πである。
【0033】
【表7】
【0034】
【実施例8】表8は、実施例8の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図11は、表8に示される実施例8の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例8では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.14πである。
【0035】
【表8】
【0036】
【実施例9】表9は、実施例9の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図12は、表9に示される実施例9の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例9では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.86πである。
【0037】
【表9】
【0038】
【実施例10】表10は、実施例10の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図13は、表10に示される実施例2の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例10では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.07πである。
【0039】
【表10】
【0040】
【実施例11】表11は、実施例11の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図14は、表11に示される実施例11の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例11では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.04πである。
【0041】
【表11】
【0042】
【実施例12】表12は、実施例12の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図15は、表12に示される実施例12の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例12では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.98πである。
【0043】
【表12】
【0044】以下の表13、14は、上述の実施例1〜12の光束分割素子の光束分割性能を示す数値であり、入射光の強度を1として、分割された各光束の光量を次数毎に示している。回折効率は、各実施例が目的とする分割数の回折光の強度が入射光束の強度に占める割合を示し、例えば実施例1では−1次〜+2次の4つの回折光強度の合計が、実施例2では−3次〜+4次の8つの回折光強度の合計が、それぞれ入射光束の強度1に占める割合を示す。なお、表13、14に示される各実施例の回折光の強度分布は、図16〜図27のグラフにそれぞれ示されている。これらのグラフで、横軸は回折光の次数、縦軸は入射光の強度を1としたときの各次数の回折光の強度を示す。また、以下の結果に対し、入射光の入射面は、図2における光束分割素子10の凹面凸面のどちらであるかを問わない。
【0045】
【表13】
次数 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 -10 0.00097 0.00396 0.00162 0.00142 0.00142 0.00123 -9 0.00113 0.00850 0.00503 0.00526 0.00136 0.00568 -8 0.00126 0.00762 0.00528 0.00273 0.00244 0.00207 -7 0.00207 0.00171 0.00186 0.00440 0.00068 0.05752 -6 0.00257 0.00093 0.00023 0.00048 0.00513 0.05869 -5 0.00201 0.00156 0.00039 0.00091 0.00011 0.05867 -4 0.00874 0.00584 0.00316 0.00175 0.00007 0.05900 -3 0.01013 0.11779 0.11830 0.11805 0.12016 0.05797 -2 0.00226 0.11917 0.11781 0.11865 0.11955 0.05872 -1 0.22965 0.11753 0.11965 0.11949 0.12001 0.05928 0 0.23019 0.11745 0.11878 0.11879 0.12056 0.05975 1 0.23039 0.11841 0.11876 0.11903 0.12045 0.05970 2 0.22923 0.11717 0.11962 0.11942 0.11997 0.05907 3 0.00231 0.11643 0.11770 0.11859 0.11957 0.05875 4 0.01049 0.11663 0.11824 0.11794 0.12017 0.05798 5 0.00898 0.00126 0.00320 0.00174 0.00004 0.05911 6 0.00213 0.00462 0.00046 0.00092 0.00019 0.05861 7 0.00282 0.00004 0.00022 0.00056 0.00550 0.05882 8 0.00225 0.00227 0.00184 0.00444 0.00073 0.05750 9 0.00137 0.00003 0.00521 0.00279 0.00263 0.00253 10 0.00133 0.00397 0.00499 0.00527 0.00158 0.00658 回折効率 91.95% 94.06% 94.89% 95.00% 96.04% 93.91%
【0046】
【表14】
次数 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 実施例11 実施例12 -10 0.00165 0.00019 0.00024 0.00004 0.00052 0.00020 -9 0.00089 0.00053 0.00002 0.00106 0.00117 0.00017 -8 0.00457 0.00028 0.00292 0.00098 0.00028 0.00092 -7 0.06045 0.05997 0.06068 0.06070 0.06086 0.06125 -6 0.06056 0.06019 0.06117 0.06027 0.06086 0.06103 -5 0.06008 0.06018 0.06126 0.06076 0.06076 0.06091 -4 0.06037 0.05995 0.06077 0.06038 0.06097 0.06116 -3 0.06089 0.06015 0.06083 0.06078 0.06078 0.06105 -2 0.06033 0.06017 0.06074 0.06065 0.06085 0.06115 -1 0.06028 0.06058 0.06070 0.06044 0.06101 0.06122 0 0.06020 0.06056 0.06061 0.06092 0.06116 0.06107 1 0.06023 0.06050 0.06051 0.06082 0.06092 0.06105 2 0.06022 0.06060 0.06043 0.06087 0.06099 0.06118 3 0.06041 0.06108 0.06063 0.06111 0.06106 0.06115 4 0.06087 0.06074 0.06066 0.06119 0.06100 0.06095 5 0.06037 0.06055 0.06053 0.06127 0.06107 0.06110 6 0.06008 0.06092 0.06091 0.06057 0.06129 0.06093 7 0.06055 0.06035 0.06083 0.06116 0.06104 0.06102 8 0.06041 0.06129 0.06032 0.06099 0.06120 0.06118 9 0.00463 0.00144 0.00115 0.00113 0.00173 0.00111 10 0.00086 0.00187 0.00028 0.00021 0.00035 0.00026 回折効率 96.63% 96.78% 97.16% 97.29% 97.58% 97.74%
【0047】表13、14に示されるように、各実施例によれば、回折効率を最低でも約91%、最大では約98%にまで高めることができる。
【0048】以下の表15、16には、各実施例の目的とする次数の回折光の強度の理想値に対する割合がパーセントで示されている。4つの回折光を得る実施例1の場合には、入射光の強度を1としたときの各回折光の強度の理想値は0.25であるが、−1次光の実際の強度は0.22965であるため、理想値に対する割合は92%となる。同様に、8つの回折光を得る実施例2〜4の場合には、理想強度は0.125、16の回折光を得る実施例6〜12の場合には理想強度は0.0625となる。
【0049】
【表15】
次数 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 -7 − − − − − 92% -6 − − − − − 94% -5 − − − − − 94% -4 − − − − − 94% -3 − 94% 95% 94% 96% 93% -2 − 95% 94% 95% 96% 94% -1 92% 94% 96% 96% 96% 95% 0 92% 94% 95% 95% 96% 96% 1 92% 95% 95% 95% 96% 96% 2 92% 94% 96% 96% 96% 95% 3 − 93% 94% 95% 96% 94% 4 − 93% 95% 94% 96% 93% 5 − − − − − 95% 6 − − − − − 94% 7 − − − − − 94% 8 − − − − − 92% 差 0% 2% 2% 1% 0% 4%
【0050】
【表16】
次数 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 実施例11 実施例12 -7 97% 96% 97% 97% 97% 98% -6 97% 96% 98% 96% 97% 98% -5 96% 96% 98% 97% 97% 97% -4 97% 96% 97% 97% 98% 98% -3 97% 96% 97% 97% 97% 98% -2 97% 96% 97% 97% 97% 98% -1 96% 97% 97% 97% 98% 98% 0 96% 97% 97% 97% 98% 98% 1 96% 97% 97% 97% 97% 98% 2 96% 97% 97% 97% 98% 98% 3 97% 98% 97% 98% 98% 98% 4 97% 97% 97% 98% 98% 98% 5 97% 97% 97% 98% 98% 98% 6 96% 97% 97% 97% 98% 97% 7 97% 97% 97% 98% 98% 98% 8 97% 98% 97% 98% 98% 98% 差 1% 2% 1% 2% 1% 1%
【0051】上記の表15、16に示されるように、目的とする次数の回折光の強度の理想値に対する割合は、全ての実施例を通じて92%〜98%であり、各実施例毎の割合の最大値と最小値との差は、パーセント表示で0ポイント〜4ポイントである。これらの結果から、何れの実施例においても、各回折光に入射光のエネルギーがほぼ均等に振り分けられていることが理解できる。また、上記実施例では、位相基準パターンの形状は、図1からもわかるように、図2の円柱面11に対して凸である。すなわち、各実施例は、各位相基準パターンについて、その形状が最も低くなる点を基準点とし、そこから凸となる方向を正として表している。しかしながら、本発明では、上記各実施例に関して、基準点から凹となる方向を正としても構わない。この場合、上記実施例の基準点は、各位相基準パターンにおいて最も高い点となる。
【0052】なお、上記の性能は、基準位相パターンが設計値通りに形成された場合の性能であり、パターンに誤差がある場合には、性能は劣化する。回折効率のバラツキを約10%以下に抑えようとした場合、許容される位相誤差は2%程度となる。例えば、段差が1μmの場合には、0.02μmの精度で基準位相パターンを形成する必要がある。許容誤差幅を広げるためには、例えば位相パターンが形成された部分とその周囲の媒質との屈折率差を小さくし、基準位相パターンの実形状のスケールを拡大する手法を採用できる。すなわち、位相パターンにより所定の位相差をあたえる場合、屈折率差が大きければ、段差は小さくとも良いが、屈折率差が小さい場合には同一の位相差をあたえるために必要な段差が大きくなる。したがって、要求される形状の精度(加工精度)を緩和することができる。屈折率差を小さくするためには、例えば、位相パターンが形成された面をパターン部分に近い屈折率を持つマッチング液に接するように液層を設ければよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、基準位相パターンをそのピッチ内で与えられる位相差が非線形に変化するよう形成したことにより、また、このピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成したことにより、従来より高い回折効率で入射光を偶数本の回折光に分割することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の光束分割素子の位相パターンを拡大して示す拡大斜視図である。
【図2】 実施形態の光束分割素子の全体構成を示す斜視図である。
【図3】 実施形態の光束分割素子を作成する方法を示す斜視図である。
【図4】 実施例1の4分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図5】 実施例2の8分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図6】 実施例3の8分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図7】 実施例4の8分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図8】 実施例5の8分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図9】 実施例6の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図10】 実施例7の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図11】 実施例8の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図12】 実施例9の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図13】 実施例10の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図14】 実施例11の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図15】 実施例12の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図16】 実施例1の4分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図17】 実施例2の8分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図18】 実施例3の8分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図19】 実施例4の8分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図20】 実施例5の8分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図21】 実施例6の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図22】 実施例7の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図23】 実施例8の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図24】 実施例9の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図25】 実施例10の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図26】 実施例11の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図27】 実施例12の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
P1,P2,... 基準位相パターン
B 基板
10 光束分割素子
12 回折パターン部
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、グレーティング型の光束分割素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のグレーティング型の光束分割素子は、例えば特開平5−323110号公報、特開平7−225305号公報に開示されている。これらの公報には、単一の位相高さを持つ不均等幅の矩形パターンを利用して奇数本、あるいは偶数本の回折光を得る光束分割素子が開示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した公報に記載された従来の光束分割素子は、回折効率が前者の実施例で70%〜85%、後者の実施例で81%と低い値に止まっており、入射光の強度を十分有効に利用することができず、光エネルギーのロスが大きいという課題がある。
【0004】なお、上記の特開平7−225305号公報にも記載されるように、コンピュータに接続される光記録装置、あるいは、光コンピュータの分野では、ディジタル演算の単位が1バイト、すなわち8ビットであり、演算の基本が一般に偶数ビット単位であるため、これらの分野で利用される光記録装置、あるいは光コンピュータにおいても、偶数本の光が利用される場合がある。したがって、光束分割素子も光を偶数本に分割することができれば、入射光の強度を無駄にすることなく有効に利用することができる。
【0005】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、偶数本の回折光を発生する光束分割素子であって、回折効率を従来の素子よりも高めることができる光束分割素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかるグレーティング型の光束分割素子は、上記の目的を達成させるため、帯状の基準位相パターンを、そのピッチ内で与える位相差が非線形に変化するよう、かつ、ピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成し、隣接する基準位相パターンの間でΔPの位相ギャップを有し、この位相ギャップΔPが、0.7π<|ΔP|<1.2πの条件を満たすことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる光束分割素子の実施形態を説明する。図1は実施形態の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示す拡大図、図2は素子全体を示す斜視図である。
【0008】この発明の光束分割素子の回折パターンの形成された部分は、図1に拡大して示されるように、x方向に延びる帯状の基準位相パターンP1,P2,...が基板B上に等ピッチでy方向に多数並列して形成される。基板Bは、基準パターンPも含めて透明な樹脂材料、またはガラス材料で形成されており、入射光を回折させて複数の光束に分割する透過型のグレーティング型光束分割素子である。
【0009】それぞれの基準位相パターンP1,P2,...は、y方向においてそのピッチ内で与える位相差が非線形に変化するよう、すなわち、二値ではなく多値の値を持つよう、しかも、このピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成されている。また、隣接する基準位相パターンの間では、すなわちパターンP1とP2との間、パターンP2とP3との間では、ΔPの位相ギャップが形成され、この位相ギャップΔPは、0.7π<|ΔP|<1.2πの条件を満たすよう設定されている。
【0010】基準位相パターンのサイズは、例えば、0.0125ラジアンおきに8本の回折光に分割する場合、使用波長を488nmとすると、y方向のピッチは約40μm、段差は基板の屈折率を1.5として高低のピーク間で約1μmとなる。なお、図1に示される基準位相パターンの形状は、後述する実施例3の基準位相パターンを利用して形成されている。
【0011】上記のような構成によると、偶数本の回折光を効率よく発生させることができる。一般に回折格子を用いると、回折光は0次回折光(透過光)を中心にプラスマイナスの回折光が対称的に現れて全体として奇数本の回折光が得られる。発明の光束分割素子では、基準パターンの位相分布を非対称にすることにより、上記の奇数本の回折光の対称性を崩し、偶数本の回折光の発生を可能としている。また、多値の位相分布を与えることにより、回折効率を高め、入射光のエネルギーを有効に利用することを可能としている。
【0012】実施形態の光束分割素子10は、全体的に見ると、図2に示されるように、円筒の一部を切り欠いた形状に形成されており、破線で示される円C1,C2を断面とする円柱に沿って形成された内側の凹状の円柱面11に、周方向に沿って延びる基準位相パターンが母線方向に沿って複数並列して回折パターン部12が形成されている。
【0013】実施形態のように位相差が非線形に変化するような複雑な位相パターンを持つ回折格子は、干渉法や、干渉法により得られたパターンをマスクとするエッチング法では正確に刻むことができない。そこで、ここでは、機械刻線法によりマスターとなる金型を作成し、その刻線されたマスターのパターンを樹脂や光学ガラスに転写することにより光束分割素子を作成する。
【0014】また、機械刻線法によりマスターを形成する場合にも、平面上に位相パターンを形成するためには、この平面に平行な面内の直交2軸方向と、平面に垂直な高さ方向との全部で3次元の方向に対してバイトと金型とを相対的に駆動制御しなければならず、加工に時間がかかる上、3次元の制御で波長オーダーの精密なパターンを刻むためには駆動装置のコストが高くなる。実施形態では、形成される位相パターンが、図1に示されるように、その高さがy方向に沿ってのみ変化し、x方向については同一であることに着目し、x方向を円周方向とする円柱面上に位相パターンを形成するよう構成している。
【0015】図3に示されるように、y方向に移動可能な旋盤20の回転軸21に円柱状の金型30を取り付け、y方向に直交するz方向に移動可能なスライドテーブル22にバイト23を固定する。金型30をRx方向に回転させつつy方向に微少量づつ送り、目的とする位相パターンの形状に合わせてバイト23と金型30との距離が変化するようスライドテーブル22をz方向に移動制御する。このような制御により、金型30の表面には、位相パターンの反転形状となる位相パターンのマスターが円周方向Rxに沿った帯状に刻線される。すなわち、Rx方向については、何れの位置でも位相パターンの高さは同一であるため位置の制御は不要である。
【0016】この方法によれば、バイトと金型との相対的な位置を回転軸方向yと回転軸に近接、離反するz方向の二次元方向に制御するのみで金型を加工することができ、比較的簡単な制御で実施形態のように位相パターンが多値、非線形の複雑な位相差を持つグレーティングパターンのマスターを形成することができる。
【0017】光束分割素子10は、位相パターンのマスターが形成された金型30を成形機にセットしてPMMA等の光学樹脂を基材として成形することにより、金型の位相パターンのマスターが光学樹脂に転写され、所定の位相パターンを有するグレーティング型の光束分割素子を形成することができる。
【0018】
【実施例】次に、上記の実施形態に基づく具体的な実施例である光束分割素子の構成例を12例説明する。実施例1は入射光束を4つの回折光に分割する素子、実施例2〜5は入射光を8つの回折光に分割する素子、実施例6〜12は入射光束を16の回折光に分割する素子の例である。
【0019】各実施例の基準位相パターンは、光束を所定の本数(4,8,16本)に分割するときに、(1)分割された各光束の強度が同一になるようにすること、(2)目的とする分割数以外の位置に余分な光が出ないようにすること、という2つの条件を満たすよう最適化することにより求められた形状である。
【0020】
【実施例1】表1は、実施例1の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。この表では、基準位相パターンの1ピッチを図1のy方向、すなわち位相パターンの並列方向に沿って0〜63の64の座標に等分割し、各座標での相対的な形状を光の位相差として示しており、その単位はラジアンである。実形状は、座標0の点からのz方向の距離として表される場合、空気中での使用を前提とすると、使用波長をλ、素子の屈折率をnとして、位相×λ/(2π(n−1))により求められる。図4は、表1に示される実施例1の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフであり、縦軸が位相差、横軸が座標である。実施例1では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.00πである。位相ギャップは、座標0の位相と座標63の位相との差として求められる。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例2】表2は、実施例2の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図5は、表2に示される実施例2の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例2では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.75πである。
【0023】
【表2】
【0024】
【実施例3】表3は、実施例3の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図6は、表3に示される実施例3の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例3では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.99πである。
【0025】
【表3】
【0026】
【実施例4】表4は、実施例4の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図7は、表4に示される実施例4の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例4では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.99πである。
【0027】
【表4】
【0028】
【実施例5】表5は、実施例5の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図8は、表5に示される実施例5の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例5では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.00πである。
【0029】
【表5】
【0030】
【実施例6】表6は、実施例6の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図9は、表6に示される実施例6の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例6では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.01πである。
【0031】
【表6】
【0032】
【実施例7】表7は、実施例7の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図10は、表7に示される実施例7の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例7では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.98πである。
【0033】
【表7】
【0034】
【実施例8】表8は、実施例8の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図11は、表8に示される実施例8の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例8では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.14πである。
【0035】
【表8】
【0036】
【実施例9】表9は、実施例9の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図12は、表9に示される実施例9の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例9では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.86πである。
【0037】
【表9】
【0038】
【実施例10】表10は、実施例10の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図13は、表10に示される実施例2の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例10では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.07πである。
【0039】
【表10】
【0040】
【実施例11】表11は、実施例11の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図14は、表11に示される実施例11の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例11では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは1.04πである。
【0041】
【表11】
【0042】
【実施例12】表12は、実施例12の光束分割素子に用いられる基準位相パターンの形状を示す。図15は、表12に示される実施例12の光束分割素子の基準位相パターンの形状を示すグラフである。実施例12では、隣接する基準位相パターン間の位相ギャップΔPは0.98πである。
【0043】
【表12】
【0044】以下の表13、14は、上述の実施例1〜12の光束分割素子の光束分割性能を示す数値であり、入射光の強度を1として、分割された各光束の光量を次数毎に示している。回折効率は、各実施例が目的とする分割数の回折光の強度が入射光束の強度に占める割合を示し、例えば実施例1では−1次〜+2次の4つの回折光強度の合計が、実施例2では−3次〜+4次の8つの回折光強度の合計が、それぞれ入射光束の強度1に占める割合を示す。なお、表13、14に示される各実施例の回折光の強度分布は、図16〜図27のグラフにそれぞれ示されている。これらのグラフで、横軸は回折光の次数、縦軸は入射光の強度を1としたときの各次数の回折光の強度を示す。また、以下の結果に対し、入射光の入射面は、図2における光束分割素子10の凹面凸面のどちらであるかを問わない。
【0045】
【表13】
次数 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 -10 0.00097 0.00396 0.00162 0.00142 0.00142 0.00123 -9 0.00113 0.00850 0.00503 0.00526 0.00136 0.00568 -8 0.00126 0.00762 0.00528 0.00273 0.00244 0.00207 -7 0.00207 0.00171 0.00186 0.00440 0.00068 0.05752 -6 0.00257 0.00093 0.00023 0.00048 0.00513 0.05869 -5 0.00201 0.00156 0.00039 0.00091 0.00011 0.05867 -4 0.00874 0.00584 0.00316 0.00175 0.00007 0.05900 -3 0.01013 0.11779 0.11830 0.11805 0.12016 0.05797 -2 0.00226 0.11917 0.11781 0.11865 0.11955 0.05872 -1 0.22965 0.11753 0.11965 0.11949 0.12001 0.05928 0 0.23019 0.11745 0.11878 0.11879 0.12056 0.05975 1 0.23039 0.11841 0.11876 0.11903 0.12045 0.05970 2 0.22923 0.11717 0.11962 0.11942 0.11997 0.05907 3 0.00231 0.11643 0.11770 0.11859 0.11957 0.05875 4 0.01049 0.11663 0.11824 0.11794 0.12017 0.05798 5 0.00898 0.00126 0.00320 0.00174 0.00004 0.05911 6 0.00213 0.00462 0.00046 0.00092 0.00019 0.05861 7 0.00282 0.00004 0.00022 0.00056 0.00550 0.05882 8 0.00225 0.00227 0.00184 0.00444 0.00073 0.05750 9 0.00137 0.00003 0.00521 0.00279 0.00263 0.00253 10 0.00133 0.00397 0.00499 0.00527 0.00158 0.00658 回折効率 91.95% 94.06% 94.89% 95.00% 96.04% 93.91%
【0046】
【表14】
次数 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 実施例11 実施例12 -10 0.00165 0.00019 0.00024 0.00004 0.00052 0.00020 -9 0.00089 0.00053 0.00002 0.00106 0.00117 0.00017 -8 0.00457 0.00028 0.00292 0.00098 0.00028 0.00092 -7 0.06045 0.05997 0.06068 0.06070 0.06086 0.06125 -6 0.06056 0.06019 0.06117 0.06027 0.06086 0.06103 -5 0.06008 0.06018 0.06126 0.06076 0.06076 0.06091 -4 0.06037 0.05995 0.06077 0.06038 0.06097 0.06116 -3 0.06089 0.06015 0.06083 0.06078 0.06078 0.06105 -2 0.06033 0.06017 0.06074 0.06065 0.06085 0.06115 -1 0.06028 0.06058 0.06070 0.06044 0.06101 0.06122 0 0.06020 0.06056 0.06061 0.06092 0.06116 0.06107 1 0.06023 0.06050 0.06051 0.06082 0.06092 0.06105 2 0.06022 0.06060 0.06043 0.06087 0.06099 0.06118 3 0.06041 0.06108 0.06063 0.06111 0.06106 0.06115 4 0.06087 0.06074 0.06066 0.06119 0.06100 0.06095 5 0.06037 0.06055 0.06053 0.06127 0.06107 0.06110 6 0.06008 0.06092 0.06091 0.06057 0.06129 0.06093 7 0.06055 0.06035 0.06083 0.06116 0.06104 0.06102 8 0.06041 0.06129 0.06032 0.06099 0.06120 0.06118 9 0.00463 0.00144 0.00115 0.00113 0.00173 0.00111 10 0.00086 0.00187 0.00028 0.00021 0.00035 0.00026 回折効率 96.63% 96.78% 97.16% 97.29% 97.58% 97.74%
【0047】表13、14に示されるように、各実施例によれば、回折効率を最低でも約91%、最大では約98%にまで高めることができる。
【0048】以下の表15、16には、各実施例の目的とする次数の回折光の強度の理想値に対する割合がパーセントで示されている。4つの回折光を得る実施例1の場合には、入射光の強度を1としたときの各回折光の強度の理想値は0.25であるが、−1次光の実際の強度は0.22965であるため、理想値に対する割合は92%となる。同様に、8つの回折光を得る実施例2〜4の場合には、理想強度は0.125、16の回折光を得る実施例6〜12の場合には理想強度は0.0625となる。
【0049】
【表15】
次数 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 -7 − − − − − 92% -6 − − − − − 94% -5 − − − − − 94% -4 − − − − − 94% -3 − 94% 95% 94% 96% 93% -2 − 95% 94% 95% 96% 94% -1 92% 94% 96% 96% 96% 95% 0 92% 94% 95% 95% 96% 96% 1 92% 95% 95% 95% 96% 96% 2 92% 94% 96% 96% 96% 95% 3 − 93% 94% 95% 96% 94% 4 − 93% 95% 94% 96% 93% 5 − − − − − 95% 6 − − − − − 94% 7 − − − − − 94% 8 − − − − − 92% 差 0% 2% 2% 1% 0% 4%
【0050】
【表16】
次数 実施例7 実施例8 実施例9 実施例10 実施例11 実施例12 -7 97% 96% 97% 97% 97% 98% -6 97% 96% 98% 96% 97% 98% -5 96% 96% 98% 97% 97% 97% -4 97% 96% 97% 97% 98% 98% -3 97% 96% 97% 97% 97% 98% -2 97% 96% 97% 97% 97% 98% -1 96% 97% 97% 97% 98% 98% 0 96% 97% 97% 97% 98% 98% 1 96% 97% 97% 97% 97% 98% 2 96% 97% 97% 97% 98% 98% 3 97% 98% 97% 98% 98% 98% 4 97% 97% 97% 98% 98% 98% 5 97% 97% 97% 98% 98% 98% 6 96% 97% 97% 97% 98% 97% 7 97% 97% 97% 98% 98% 98% 8 97% 98% 97% 98% 98% 98% 差 1% 2% 1% 2% 1% 1%
【0051】上記の表15、16に示されるように、目的とする次数の回折光の強度の理想値に対する割合は、全ての実施例を通じて92%〜98%であり、各実施例毎の割合の最大値と最小値との差は、パーセント表示で0ポイント〜4ポイントである。これらの結果から、何れの実施例においても、各回折光に入射光のエネルギーがほぼ均等に振り分けられていることが理解できる。また、上記実施例では、位相基準パターンの形状は、図1からもわかるように、図2の円柱面11に対して凸である。すなわち、各実施例は、各位相基準パターンについて、その形状が最も低くなる点を基準点とし、そこから凸となる方向を正として表している。しかしながら、本発明では、上記各実施例に関して、基準点から凹となる方向を正としても構わない。この場合、上記実施例の基準点は、各位相基準パターンにおいて最も高い点となる。
【0052】なお、上記の性能は、基準位相パターンが設計値通りに形成された場合の性能であり、パターンに誤差がある場合には、性能は劣化する。回折効率のバラツキを約10%以下に抑えようとした場合、許容される位相誤差は2%程度となる。例えば、段差が1μmの場合には、0.02μmの精度で基準位相パターンを形成する必要がある。許容誤差幅を広げるためには、例えば位相パターンが形成された部分とその周囲の媒質との屈折率差を小さくし、基準位相パターンの実形状のスケールを拡大する手法を採用できる。すなわち、位相パターンにより所定の位相差をあたえる場合、屈折率差が大きければ、段差は小さくとも良いが、屈折率差が小さい場合には同一の位相差をあたえるために必要な段差が大きくなる。したがって、要求される形状の精度(加工精度)を緩和することができる。屈折率差を小さくするためには、例えば、位相パターンが形成された面をパターン部分に近い屈折率を持つマッチング液に接するように液層を設ければよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、基準位相パターンをそのピッチ内で与えられる位相差が非線形に変化するよう形成したことにより、また、このピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成したことにより、従来より高い回折効率で入射光を偶数本の回折光に分割することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の光束分割素子の位相パターンを拡大して示す拡大斜視図である。
【図2】 実施形態の光束分割素子の全体構成を示す斜視図である。
【図3】 実施形態の光束分割素子を作成する方法を示す斜視図である。
【図4】 実施例1の4分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図5】 実施例2の8分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図6】 実施例3の8分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図7】 実施例4の8分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図8】 実施例5の8分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図9】 実施例6の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図10】 実施例7の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図11】 実施例8の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図12】 実施例9の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図13】 実施例10の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図14】 実施例11の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図15】 実施例12の16分割型の光束分割素子の基準位相パターンの構成を示すグラフである。
【図16】 実施例1の4分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図17】 実施例2の8分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図18】 実施例3の8分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図19】 実施例4の8分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図20】 実施例5の8分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図21】 実施例6の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図22】 実施例7の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図23】 実施例8の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図24】 実施例9の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図25】 実施例10の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図26】 実施例11の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【図27】 実施例12の16分割型の光束分割素子の回折光の強度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
P1,P2,... 基準位相パターン
B 基板
10 光束分割素子
12 回折パターン部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 帯状の基準位相パターンが基板上に等ピッチで多数並列して形成され、入射光を回折させて複数の光束に分割するグレーティング型の光束分割素子において、前記基準位相パターンは、前記ピッチ内で与える位相差が非線形に変化するよう、かつ、前記ピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成され、隣接する前記基準位相パターンの間でΔPの位相ギャップを有し、該位相ギャップΔPが、0.7π<|ΔP|<1.2πの条件を満たすことを特徴とする光束分割素子。
【請求項2】 前記基準位相パターンは、分割された各光束の強度が同一になるように、かつ、目的とする分割数以外の位置に余分な光が出ないように最適化することにより得られたパターンであることを特徴とする請求項1に記載の光束分割素子。
【請求項3】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を4分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項4】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を8分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項5】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を8分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項6】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を8分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項7】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を8分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項8】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項9】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項10】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項11】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項12】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項13】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項14】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項15】 前記所定の誤差範囲は、位相量として約2パーセントであることを特徴とする請求項3〜14の何れかに記載の光束分割素子。
【請求項1】 帯状の基準位相パターンが基板上に等ピッチで多数並列して形成され、入射光を回折させて複数の光束に分割するグレーティング型の光束分割素子において、前記基準位相パターンは、前記ピッチ内で与える位相差が非線形に変化するよう、かつ、前記ピッチ内の何れの位置を中心にしても与える位相差が非対称となるよう形成され、隣接する前記基準位相パターンの間でΔPの位相ギャップを有し、該位相ギャップΔPが、0.7π<|ΔP|<1.2πの条件を満たすことを特徴とする光束分割素子。
【請求項2】 前記基準位相パターンは、分割された各光束の強度が同一になるように、かつ、目的とする分割数以外の位置に余分な光が出ないように最適化することにより得られたパターンであることを特徴とする請求項1に記載の光束分割素子。
【請求項3】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を4分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項4】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を8分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項5】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を8分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項6】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を8分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項7】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を8分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項8】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項9】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項10】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項11】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項12】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項13】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項14】 前記基準位相パターンは、前記ピッチ内を64に等分割した場合の各座標位置での位相が、以下の値を中心とする所定の誤差範囲内に入るよう形成され、前記入射光を16分割することを特徴とする請求項2に記載の光束分割素子。
【請求項15】 前記所定の誤差範囲は、位相量として約2パーセントであることを特徴とする請求項3〜14の何れかに記載の光束分割素子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開平10−78504
【公開日】平成10年(1998)3月24日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−199297
【出願日】平成9年(1997)7月9日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)
【公開日】平成10年(1998)3月24日
【国際特許分類】
【出願日】平成9年(1997)7月9日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)
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