説明

光源ユニット及びこれを具備する表示装置

【課題】高視野角を維持しながら高い輝度を有する光源ユニットを提供する。
【解決手段】光源1と、光入射面10と、光入射面10に略直交する光出射面11とを有する導光体2と、導光体2からの光出射方向に、それぞれ光入射面と光出射面とを具備する異方拡散シート3とプリズムシート4とが順次配置されており、プリズムシート4は、プリズム条列4aを具備しており、異方拡散シート3に、異方拡散シート3の光入射面に垂直の方向から光が入射した際、異方拡散シート3の光出射面から出射する光の角度が最大となる第1方向における拡散角度A(°)が35°以上であり、導光体2及び異方拡散シート3は、導光体2の光入射面と、第1方向とが略垂直になるように配置されており、プリズムシート4と異方拡散シート3は、プリズムシート4のプリズム条列4aの長手方向が、異方拡散シート3の第1方向と略平行となる方向に配置されている光源ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット及びこれを具備する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、平面光源ユニット(以下、単に「光源ユニット」とも言う。)は、液晶表示装置や看板等の表示装置のバックライトとして用いられている。
液晶表示装置においては、例えば、液晶表示パネルの背後に光源ユニットを配置し、この光源ユニットからの光を液晶表示パネルに供給することにより、画像を表示する構成のものが知られている。
看板の場合は、光源ユニット上に拡散板を配し、その上に広告イメージなどを積層して背後から光を供給する構成のものが知られている。
【0003】
上述の平面光源ユニットを大別すると、表示物の直下に光源を複数配置した直下型光源ユニットと、導光体の側端面に対向するように光源を配置したエッジライト型光源ユニットとがある。
前記直下型光源ユニットでは、表示パネルの背後に複数の光源を配列できるため、高い輝度を得ることができるという長所を有する。
しかしながら、表示パネル面全体で均一な輝度を得るために光源と拡散板との距離をある程度離す必要があり、光源ユニットが厚くなってしまうという短所を有する。
これに対し、前記エッジライト型光源ユニットでは、導光体の側面に光源が位置しているため、光源ユニット自身を薄型化できるという長所を有する。
【0004】
近年、省エネルギーの必要性が重要となっているため、光源ユニットには、より高い輝度が求められている。
さらに、テレビのような液晶表示装置や看板のように、複数人で見る表示装置の光源ユニットにおいては、表示画像が正面以外の方向からも見えるように視野角を大きくする必要がある。
これらの要求を満たすために、前記エッジライト型光源ユニットにおいては、導光体と当該導光体の上に配置する光学シートとに関する種々の開発がなされている。
例えば、複数の線状溝または線状突起が略平行に設けられた導光体を用いて、その長手方向と、異方拡散性を有する第1の光学フィルムの異方拡散性が最大となる方向とが、略平行になるように配置されたエッジライト型光源ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2008/038754号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている光源ユニットにおいては、未だ十分に広い視野角が得られているとは言えない。
【0007】
そこで本発明においては、高視野角と高い輝度とを有するエッジライト型光源ユニット、及び当該エッジライト型光源ユニットを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上述したような、エッジライト型光源ユニットに関する従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、光源と、当該光源からの光を入射する光入射面と、当該光入射面に略直交する光出射面とを有する導光体と、異方拡散シートと、プリズムシートとが順次配置されている光源ユニットであって、異方拡散シートの光出射面から出射する光の角度が最大となる第1方向における拡散角度A(°)、前記導光体及び前記異方拡散シートと前記導光体の光入射面との配置関係、前記プリズムシートと前記異方拡散シートとの配置関係を特定した光源ユニットによって、上述した従来技術の問題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は下記の通りである。
【0009】
〔1〕
光源と、
前記光源からの光を入射する光入射面と、当該光入射面に略直交する光出射面とを有する導光体と、
前記導光体からの光出射方向に、
それぞれ光入射面と光出射面とを具備する異方拡散シートと、プリズムシートと、
が順次配置されており、
前記プリズムシートは、プリズム条列を具備しており、
前記異方拡散シートに、当該異方拡散シートの光入射面に垂直の方向から光が入射した際、前記異方拡散シートの光出射面から出射する光の角度が最大となる第1方向における拡散角度A(°)が35°以上であり、
前記導光体及び前記異方拡散シートは、当該導光体の光入射面と、前記第1方向とが略垂直になるように配置されており、
前記プリズムシートと前記異方拡散シートは、前記プリズムシートの前記プリズム条列の長手方向が、前記異方拡散シートの前記第1方向と略平行となる方向に配置されている光源ユニット。
【0010】
〔2〕
前記光源を複数有し、
前記導光体は、当該複数の光源から光を入射する複数の光入射面と、当該複数の光入射面に略直交する光出射面とを有するブロック構造を有している前記〔1〕に記載の光源ユニット。
【0011】
〔3〕
前記異方拡散シートにおいて、前記第1方向における拡散角度A(°)と、前記第1方向に垂直である第2方向における拡散角度B(°)との比A/Bが、1.8以上である前記〔1〕又は〔2〕に記載の光源ユニット。
【0012】
〔4〕
前記異方拡散シートが、表面に凹凸構造を有する前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の光源ユニット。
【0013】
〔5〕
前記異方拡散シートの前記凹凸構造が、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されたものである前記〔4〕に記載の光源ユニット。
【0014】
〔6〕
前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の光源ユニットを具備する表示装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高視野角と高い輝度とを有するエッジライト型光源ユニット、及び当該光源ユニットを用いた表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の光源ユニットの一例の概略構成図を示す。
【図2】異方拡散シートの表面形態の一例の顕微鏡写真を示す。
【図3】(a)、(b) 拡散角度の定義の説明図を示す。
【図4】(a)〜(c) 本実施形態の光源ユニットを構成する導光体の他の一例であるブロック導光体と、光源との配置状態の概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態と言う。)について、図面を参照して説明する。
なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
また、各図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、さらに図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。
また、本明細書において、「略」を付した用語は、当業者の技術常識の範囲内でその「略」を除いた用語の意味を示すものであり、「略」を除いた意味自体をも含むものとする。
【0018】
〔光源ユニット〕
本実施形態の光源ユニットについて説明する。
本実施形態の光源ユニットの概略構成図を図1に示す。
光源ユニットは、光源1と、当該光源1からの光を入射する光入射面10と、当該光入射面10に略直交する光出射面11とを有する導光体2と、当該導光体2からの光出射方向に、それぞれ光入射面と光出射面とを具備する異方拡散シート3と、プリズムシート4とが順次配置されている。前記プリズムシートは、プリズム条列4aを具備している。
【0019】
詳細には、導光体2は、略長方形の平面形状の光出射面11と、4つの側面を有しており、この側面のうちの少なくとも一つ、又は互いに対向する2つに光源1が配置されており、前記導光体2の光出射面11上に、前記導光体2の光入射面10と、拡散角度が最大となる方向が略直交するように配置される異方拡散シート3が配置されており、前記異方拡散シート3の光出射面上に、前記異方拡散シート3の最大拡散方向とプリズム条列の長手方向が略平行であるようにプリズムシート4が配置されている。
【0020】
図1は、本実施形態の光源ユニットの一例の概略構成図であり、上述した各部品に加えて、導光体2の光出射面11の反対側に、所定の反射シート5を設け、さらにプリズムシート4の光出射面側に、所定の反射型偏光シート6を設けてもよい。
【0021】
(光源)
本実施形態の光源ユニットを構成する光源1は、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができ、例えば、図1に示すように、一個又は複数個の発光ダイオード(LED)を配列させたものを用いてもよく、図4(a)に示すように、蛍光管や冷陰極管等の線状の光源を用いることもできる。
なお、図1のように、一個又は複数個の発光ダイオード(LED)によって、導光体2の側面全体が光入射面となるので、点光源である場合も形態は擬似的な線光源となる。
光源1は、後述する導光体2の側面の少なくとも一つ、又は互いに対向する2つの側面に配置されることが好ましい。
さらに、その他の側面に光源1を設けてもよいが、光源1の数に対する輝度向上の効果から、互いに対向する2つの側端面のみに光源が存在するものが好ましい。
【0022】
(導光体)
本実施形態の光源ユニットを構成する導光体2は、例えば、メタクリル酸メチル樹脂等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等の、一定の屈折率を有する透明な樹脂材料を用いて成形された平板状の部材である。
【0023】
導光体2は、所定の反射ドット、凹凸形状等の所定の反射部(図示せず)を有することで、光入射面10(側面の一つ又は複数)から入射した光を、当該側面と略直交する光出射面11から出射させる機能を有する。
反射部としては、白色インキで反射ドットを印刷したシルク印刷方式、及びインクジェット印刷方式、スタンパーを用いた成形等により、導光体2を構成する基材の表面に凹凸を形成した成形方式、導光体2を構成する基材と反射板をドット状の粘着材で貼り付けた粘着ドット方式、並びに、溝状に配列したドットを加工で設ける加工ドット方式等で反射ドットを作製したもの等が好ましい例として挙げられる。
【0024】
また、導光体2の側面の形状は、テーパー型や長方形等である。
導光体2は、一枚板でも複数のブロック導光体からなる構成であってもよい。
例えば、図4(a)〜(c)に示すように、光源1を複数有し、導光体2は、複数の光源1から光を入射する複数の光入射面と、当該複数の光入射面に略直交する光出射面とを有するブロック構造を有しているものが挙げられる。この場合、ブロック導光体の光入射面は互いに平行になるように配置することが好ましい。
【0025】
導光体2の光入射面となる側面は、平坦でもよいが、光源1から入射した光を良好に側面全体に拡散させるために、溝状の凹凸を設けたり、表面をサンドブラスト加工する、あるいは拡散フィルムを添付したりすることにより、拡散性を向上させることが好ましい。
また、導光体2の光入射面ではない側面には反射性材料からなる層を塗布することが好ましく、また、導光体2の光出射面11とは反対側には、反射シート5を積層することが、光の利用効率を向上させるために好ましい。
【0026】
(異方拡散シート)
異方拡散シート3は、光入射面及び/又は光出射面に、微細な凹凸構造を具備している。
異方拡散シート3は、異方拡散シート3の垂直方向から光を入射した時に、出射面から出射される光の拡散角度が最大を示す第1方向(図1中の矢印方向)における拡散角度A(°)と、この第1方向に垂直な第2方向の拡散角度B(°)との関係が、A>Bになるものである。
本実施形態の光源ユニットを構成する異方拡散シート3においては、正面輝度の観点より、前記拡散角度Aが35°以上であり、AとBとの比、A/Bが1.8以上であることが好ましく、より好ましくは、A/Bが2以上240以下である。
また、Bが10°以上であり、Aが120°以下であることがさらに好ましい。
【0027】
また、異方拡散シート3の面内で、前記拡散角度AとBとの比、A/Bの値が変化してもよい。
例えば、光源1の位置から遠ざかるほど、比A/Bが小さくなるようにすると、輝度ムラが低減できる場合がある。
さらに、図4(a)〜(c)に示すように、複数の導光体を具備するブロック導光体を用いる場合には、ブロック間の継ぎ目に輝度ムラが生じるため、ブロック間の継ぎ目の直上とそれ以外の場所で、A/Bの値を変化させることが好ましい。
【0028】
ここで、拡散角度とは、図3(a)に示すように、輝度がピーク輝度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう。
拡散角度は、例えば日本電色工業株式会社製の変角光度計(GC−5000L)を用いて、図3(b)に示すように、異方拡散シート3の凹凸面の法線方向から、凹凸面側に入射した光に対する透過光強度の角度分布を測定することによって求めることができる。
拡散シートの凹凸面の法線方向とは、図3(b)に示す矢印の方向である。
【0029】
本明細書において、拡散角度の表記方法は、前記第1方向の拡散角度Aと前記第2方向の拡散角度Bとを用いて「A×B」という形式で表すものとする。
上記のように異方拡散シート3の面内で、比A/Bの値が変化するような拡散角度は、拡散シートの同一面内で屈折率変化を持たせることにより実現できる。
例えば、異方拡散シート3を構成する基材の内部に、基材とは屈折率の異なる球状あるいは楕円球状の粒子を含有させてもよく、表面に多数の凹凸構造を設けてもよい。
表面に多数の凹凸構造を設けた構成とすることが、厚みを薄くでき、拡散角度制御が容易になるという観点から好ましい。
異方拡散シート3を構成する凹凸構造とは、例えば、表面に多数の突起部が設けられた構造である。
突起部の形状は、略円錐状、略球状、略楕円体状、略レンチキュラーレンズ状、断面が略放物線状のいずれでもよく、各突起部は、規則的に配列していても、不規則に配列していてもよい。
また、突起部間は連続的な曲面でつながっていてもよい。また、不規則な凹凸が連続的な曲面でつながっている擬似ランダム構造も好ましく用いることができる。この擬似ランダム構造としては、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成される微細な3次元構造であることが好ましい。
前記干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成される微細な3次元構造は、機械加工では困難であった20μm以下の微細な凹凸構造の形成に適しており、また、マイクロレンズのような等方的な形状や、レンチキュラーレンズのような異方的な形状も容易に形成することができる。
【0030】
異方拡散シート3を構成する凹凸構造は、モアレ抑制等の観点から、高さ及びピッチが不規則であることが好ましい。
異方拡散シート3の表面の凹凸構造は、例えば、走査型電子顕微鏡で観察した、異方拡散シート3の断面形状のピッチやアスペクト比、表面粗さ等から判断できる。
また、レーザー共焦点顕微鏡による異方拡散シート3の表面の観察像からも、前記ピッチ、アスペクト比や、表面粗さ等を読み取ることができる。
【0031】
前記スペックルパターンによる不均一な凹凸構造の形成方法については、特表2003−525472号公報(国際公開第01/065469号)の方法に準拠した方法を適用できる。
例えば、所定の光源と、当該光源から投射された光の光路に設けられたサイズ及び形状可変の開口を備えたマスクと、光源から投射された光により生ずるスペックルパターンを記録するためのプレートと、マスクとプレートの間に光源の光を拡散する拡散板とを用い、マスクの開口のサイズ及び形状、拡散板の拡散性、および各構成部材間の距離を変化させることにより、所望のスペックルパターンを形成することができる。
このようにして得られたスペックルパターンは、プレート上に塗布された感光性樹脂又はフォトレジストに記録されるので、これを現像してスペックルパターンに由来する凹凸が形成されたサブマスタ型が得られる。
このサブマスタ型に電鋳等の方法で金属を被着させることにより、スペックルパターンに由来する不均一な凹凸形状を有する型を製造できる。
この型を用いて、所定の透明フィルム上に、スペックルパターンに由来する不均一な凹凸構造が形成された異方拡散シートが得られる。
この異方拡散シートを光源ユニットに用いることにより、モアレの発生や画面の輝度ムラがない、品位の高い画面を提供することができる。
【0032】
一般に、拡散角度は、スペックルの平均サイズ及び形状に依存する。
スペックルが小さければ拡散角度が高い。スペックルが横方向の長円形であれば、角度分布の形は縦方向の長円形となる。
【0033】
図2に、上述した方法により得られた異方拡散シートの表面形態の一例を示す。
図2中、矢印方向が前述した第1方向に相当する。
【0034】
また、本実施形態の光源ユニットを構成する異方拡散シートの拡散角度に関する条件を、表面の凹凸構造によって実現する場合、凹凸構造は、シートの入射面、出射面どちらにあっても、あるいは両方にあってもよいが、輝度向上の観点から、主たる凹凸構造は出射面にあることが好ましく、入射面側は平滑面となっていることがより好ましい。
なお、一般に、拡散シートを積層する場合等に、傷つき防止のため、光学特性に大きな影響を与えない範囲で、入射面に極微量のビーズを塗布する場合がある。
このような場合も平滑面に含まれるものとする。
【0035】
本実施形態の光源ユニットにおいては、異方拡散シート3を、導光体2の光入射面10である側面に対して、第1方向が略直交するように配置する。
ここで、略直交するとは、導光体2の側面に対する異方拡散シート3の第1方向の角度が90°±10°以内の範囲にあることを言う。
【0036】
(プリズムシート)
本実施形態の光源ユニットを構成するプリズムシート4は、例えばPETフィルムやポリカーボネートフィルム、ポリスチレン等の基材表面に、アレイ状のプリズムパターン、すなわちプリズム条列を施した光学シートである。
【0037】
プリズムシート4は、主にバックライトの光を集光させ、輝度を向上させる目的で用いられる。
厳密にプリズム形状でなくてもよく、頂部にR形状を施したものや、ウェーブフィルム状又は下向きプリズム状であってもよい。
例えば、ビキュイティBEFIII(商品名、3M(株)製)、ビキュイティBEFII(商品名、3M(株)製)、ビキュイティRBEF(商品名、3M(株)製)、等が挙げられる。
プリズムパターンを構成するプリズム層の材料としては、アクリル系フォトポリマーやポリカーボネート等が挙げられるが、これに限定されない。
【0038】
本実施形態の光源ユニットにおいて、前記プリズムシート4は、プリズム条列の長手方向が前記異方拡散シート3の第1方向と略平行となるように配置されている。
ここで、略平行とは、前記プリズムシート4のプリズム条列の長手方向と、前記異方拡散シート3の第1方向の角度が0°±10°以内の範囲にあることを示す。
【0039】
(反射シート)
本実施形態の光源ユニットにおいて、導光体2の下方には、光を反射されるための反射シート5を配置する構成とすることが、光源1からの光の効率的利用の観点から好ましい。
反射シート5としては、光を反射させることのできるものであれば、様々なものを用いることができる。
例えば、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂を発泡させて、内部に微細な気泡を含むシート状としたもの、2成分以上の樹脂を混合してシート状としたもの、屈折率の異なる樹脂層を積層したシート等が挙げられる。
また、前記反射シート5は、表面に凹凸形状が形成されていてもよい。
凹凸形状は、無機微粒子等を添加することにより形成できる。
【0040】
(反射型偏光シート)
本実施形態の光源ユニットにおいては、輝度向上の観点から、反射型偏光シート6を設けることが好ましい。
反射型偏光シート6としては、例えば、DBEF−D400(商品名、3M(株)製)が挙げられる。
【0041】
(その他の光学シート)
本実施形態の光源ユニットにおいては、さらに、その他の拡散シートや拡散集光シート等の、各種光学シートを組み合わせてもよい。
【0042】
〔表示装置〕
本実施形態の表示装置は、所定の表示ユニットと、上記に亘り説明した本実施形態の光源ユニットを具備している。
表示ユニットとしては、表示装置の種類に応じて適宜選択でき、例えば、液晶表示パネル、表示すべき所望の画像を印刷した透明板等のメディア等が挙げられる。
【0043】
本実施形態の表示装置においては、光源ユニットに配置されるプリズムシート4のプリズム条列の長手方向が、視点の移動する方向に対して略平行となるように配置されていることが好ましい。
例えば、TV、大型ディスプレイ等の表示装置の場合においては、人がディスプレイを見る位置が横方向に広がっている。その場合には、プリズムシート4のプリズム条列の長手方向が横方向に配置されていることが好ましい。上記のような配置とすることによって、横方向の高視野角が得られ、ディスプレイ前面のどの方向にいる人からも、ディスプレイ表示が良好に視認できる。
また、屋外の縦長の看板や、床面に設置される表示で、視点がディスプレイの表示方向に対して上下方向に移動する場合には、プリズムシート4のプリズム条列の長手方向が、縦方向に配置されていることが好ましい。これにより、縦方向の高視野角が得られ、ディスプレイをどの位置から見ても表示が良好に視認できる。
【0044】
本実施形態の光源ユニット及びこれを具備する表示装置は、上記に亘って説明した形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態における部材の材質、配置、形状等は例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。
その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、適宜変更して実施することが可能である。
【実施例】
【0045】
以下、本発明の実施例と、比較例を挙げて具体的に説明する。
【0046】
光学シート、すなわち、図1中の反射シート5、導光体2、反射型偏光シート6、白色LED1については、LG社製のエッジライト型LEDディスプレイW2496Lに使用されている反射シート、導光体、反射型偏光シート、白色LEDを用いた。
プリズムシートは厚み280μmのビキュイティBEFIII(商品名、3M社製)を用いた。
【0047】
図1に示すように、導光体2の下に、反射シート5を配置し、導光体2の上に、異方拡散シート3、プリズムシート4及び反射型偏光シート6を、順次配置し、後述する実施例及び比較例の光源ユニットを構成した。
【0048】
〔輝度測定〕
コニカミノルタセンシング社製の2次元色彩輝度計(CA−2000)を使用し、光源ユニットから75cm離して設置し、光源ユニットの中心部、直径35mmの円で測定した平均の値を輝度とした。
後述する実施例の輝度を、後述する比較例1(異方拡散シートに代えて等方性の拡散シートであるTDF−127(東レ社製)を使用したもの)の輝度からの変化率を算出し、下記表1及び表2に示した。
【0049】
〔視野角測定〕
ELDIM社製のEZContrastを使用し、光源列の軸と直交する画面方向に対して±88°の範囲の出射角度分布を、横軸に出射角、縦軸に輝度としてプロットしたときの、法線方向の輝度に対して、半分の輝度を示すときの角度、すなわち半値幅を視野角として測定した。
視野角の測定結果を、下記表1及び表2に示す。
【0050】
〔実施例1〕
異方拡散シート3として、拡散角度の最大値(A)が95°であり、それに略直交する方向の拡散角度(B)が35°である異方拡散シート(95×35と表記、以下の表記はこれに順ずる。)を、前記95°を示す方向(第1方向、以下単に95°方向と言う。)が、導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が、前記95°方向に略平行となるように配置した。
【0051】
〔実施例2〕
異方拡散シート3として、75×35のものを用い、75°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が、前記75°方向に略平行となるように配置した。
【0052】
〔実施例3〕
異方拡散シート3として、80×10のものを用い、80°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が、前記80°方向に略平行となるように配置した。
【0053】
〔実施例4〕
異方拡散シート3として、60×10のものを用い、60°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が、前記60°方向に略平行となるように配置した。
【0054】
〔実施例5〕
異方拡散シート3として、40×5のものを用い、40°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が、前記40°方向に略平行となるように配置した。
【0055】
〔実施例6〕
異方拡散シート3として、60×1のものを用い、60°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が60°方向に略平行となるように配置した。
【0056】
〔実施例7〕
異方拡散シート3として、90×0.5のものを用い、90°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が90°方向に略平行となるように配置した。
【0057】
〔比較例1〕
異方拡散シートに代えて、等方性の拡散シートであるTDF−127(東レ社製)を使用した。
その上に、プリズムシート4をプリズム条列の長手方向が導光体の光入射面に略直交するように配置した。
【0058】
〔比較例2〕
異方拡散シート3として、20×10のものを用い、20°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上に、プリズムシート4をプリズム条列の長手方向が20°方向に略平行となるように配置した。
【0059】
〔比較例3〕
異方拡散シート3として、20×5のものを用い、20°の方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が20°方向に略平行となるように配置した。
【0060】
〔比較例4〕
異方拡散シート3として、95×35のものを用い、95°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が95°方向に略直交するように配置した。
【0061】
〔比較例5〕
異方拡散シート3として、95×35のものを用い、95°方向が導光体2の光入射面10と略平行となるように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が95°方向に略平行となるように配置した。
【0062】
〔比較例6〕
異方拡散シート3として、95×35のものを用い、95°方向が導光体2の光入射面10と略平行となるように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が95°方向に略直交するように配置した。
【0063】
〔比較例7〕
異方拡散シート3として、60×1のものを用い、60°方向が導光体2の光入射面10と略直交するように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が60°方向に略直交するように配置した。
【0064】
〔比較例8〕
異方拡散シート3として、60×1のものを用い、60°方向が導光体2の光入射面10と略平行となるように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が60°方向に略平行となるように配置した。
【0065】
〔比較例9〕
異方拡散シート3として、60×1のものを用い、60°方向が導光体2の光入射面10と略平行となるように配置した。
その上にプリズムシート4をプリズム条列の長手方向が60°方向に略直交するように配置した。
【0066】
【表1】

【0067】
表1に示すように、Aが35°以上を満たす異方拡散シートを用いた実施例1〜7は、いずれも比較例1〜3よりも高い輝度が得られており、また、実用上十分に視野角が広く、各種ディスプレイや表示装置用の光源ユニットとして良好な特性を示した。
【0068】
【表2】

【0069】
上記表2に示すように、実施例1及び6の光源ユニットにおいては、導光体の光入射面、異方拡散シートの方向、及びプリズムシートの配置方向が適切であり、輝度と視野角とのバランスが良好で、実用上良好な特性を示した。
特に、実施例1においては、高視野角を維持しながら優れた輝度向上効果が得られることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の光源ユニットは、各種表示装置のバックライトに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0071】
1 光源
2 導光体
3 異方拡散シート
4 プリズムシート
4a プリズム条列
5 反射シート
6 反射型偏光シート
10 光入射面
11 光出射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を入射する光入射面と、当該光入射面に略直交する光出射面とを有する導光体と、
前記導光体からの光出射方向に、
それぞれ光入射面と光出射面とを具備する異方拡散シートと、プリズムシートと、
が順次配置されており、
前記プリズムシートは、プリズム条列を具備しており、
前記異方拡散シートに、当該異方拡散シートの光入射面に垂直の方向から光が入射した際、前記異方拡散シートの光出射面から出射する光の角度が最大となる第1方向における拡散角度A(°)が35°以上であり、
前記導光体及び前記異方拡散シートは、当該導光体の光入射面と、前記第1方向とが略垂直になるように配置されており、
前記プリズムシートと前記異方拡散シートは、前記プリズムシートの前記プリズム条列の長手方向が、前記異方拡散シートの前記第1方向と略平行となる方向に配置されている光源ユニット。
【請求項2】
前記光源を複数有し、
前記導光体は、当該複数の光源から光を入射する複数の光入射面と、当該複数の光入射面に略直交する光出射面とを有するブロック構造を有している
請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記異方拡散シートにおいて、
前記第1方向における拡散角度A(°)と、前記第1方向に垂直である第2方向における拡散角度B(°)との比A/Bが、1.8以上である請求項1又は2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記異方拡散シートが、表面に凹凸構造を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記異方拡散シートの前記凹凸構造が、干渉露光によるスペックルパターンを用いて形成されたものである請求項4に記載の光源ユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光源ユニットを具備する表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−198626(P2011−198626A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64344(P2010−64344)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】