光電変換素子、光電変換モジュールおよび光電変換素子の製造方法
【課題】シリコン(Si)などの半導体材料の使用量を低減でき、かつ変換効率の向上を図った光電変換素子、光電変換モジュールおよび光電変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】光電変換素子10は、細線状の薄板ガラス11と、その表面全体を覆う第1の透明導電膜12と、透明導電膜12の両端部に設けた第1の補助電極13と、透明導電膜12上の、両端部を除く部分全体に形成された発電層14と、透明導電膜12の両端部および第1の補助電極13を覆う絶縁膜15と、発電層14の表面全体を覆う第2の透明導電膜16と、透明導電膜16の両端部に設けた第2の補助電極17とを備える。透明導電膜12、発電層14および透明導電膜16は薄板ガラス11と同様に細線状の形態である。発電層14内部で光の吸収により発生した伝導電子の透明導電膜16における移動距離は短いため、第2の透明導電膜16の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。
【解決手段】光電変換素子10は、細線状の薄板ガラス11と、その表面全体を覆う第1の透明導電膜12と、透明導電膜12の両端部に設けた第1の補助電極13と、透明導電膜12上の、両端部を除く部分全体に形成された発電層14と、透明導電膜12の両端部および第1の補助電極13を覆う絶縁膜15と、発電層14の表面全体を覆う第2の透明導電膜16と、透明導電膜16の両端部に設けた第2の補助電極17とを備える。透明導電膜12、発電層14および透明導電膜16は薄板ガラス11と同様に細線状の形態である。発電層14内部で光の吸収により発生した伝導電子の透明導電膜16における移動距離は短いため、第2の透明導電膜16の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子、光電変換モジュールおよび光電変換素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄膜シリコン系太陽電池として、例えば、特許文献1および2に開示された技術がある。特許文献1には、基板上に複数に分割して設けられる光電変換層で、隣接する光電変換層の対向する側面部が基板側に向かうにつれて互いに近づく方向に傾斜している光電変換層と、隣接する光電変換層の対向する側面部の一方及び隣接する光電変換層の間の基板上を覆う絶縁膜と、絶縁膜の上を通り、隣接する光電変換層を電気的に接続する導電性膜とを備える光起電力装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、導電性材料上に発電層および電極層を形成してなり、かつ可撓性を有する光起電力素子が開示されている。
【特許文献1】特開平7−45853号公報
【特許文献2】特開2002−151708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示された従来技術では、基板全面に光電変換層を作製後、この光電変換層の一部を除去するので、シリコン(Si)材料が無駄になるという問題があった。
【0005】
また、上記特許文献2に開示された従来技術では、集電極が表面にあるため、この集電極が光を遮ってしまう。これにより、集電極のある部分が非発電領域となり、変換効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、シリコン(Si)などの半導体材料の使用量を低減でき、かつ変換効率の向上を図った光電変換素子、光電変換モジュールおよび光電変換素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る光電変換素子は、帯状のガラス基板と、前記ガラス基板の表面全体を覆うように形成された透明導電膜と、前記透明導電膜上の、両端部を除く部分全体に形成されたpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層と、前記透明導電膜の両端部を覆う絶縁膜と、前記発電層の表面全体を覆う導電膜と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、透明導電膜、発電層および導電膜は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態になっている。ここで「帯状」は、幅の狭い細長い形状を意味する。
【0009】
ガラス基板側から太陽光が入射し、この光が発電層に入射すると、発電層内部で光の吸収によりキャリアが発生し(伝導電子が増え)、発生した電子が、発電層のn型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また発生した正孔は発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。このため、電子および正孔が移動する透明導電膜又は導電膜の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池などに用いる変換効率(光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率)の良い光電変換素子が得られる。
【0010】
また、光電変換素子単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際に、Siなどからなる発電層の一部を除去する必要がないので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0011】
ここで「ガラス基板の表面」とは、太陽光が入射する外面とは反対側の面、つまり、発電層側の面をいう。
【0012】
請求項2に記載の発明に係る光電変換素子は、前記ガラス基板の表面全体を覆う前記透明導電膜の両端部に補助電極が設けられ、かつ、前記絶縁膜は前記透明導電膜の両端部および前記補助電極を覆うように形成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、発電層に光が入射して発生するキャリアのうち透明導電膜側に収集されるキャリアは透明導電膜の幅方向端部側へ移動して該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。また、補助電極は、透明導電膜の両端部に設けられているので、発電層上には集電用の電極が存在しない。つまり、発電層全体が発電領域になる。この点でも変換効率の良い光電変換素子が得られる。
【0014】
請求項3に記載の発明に係る光電変換素子は、前記導電膜の両端部に第2の補助電極が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、前記導電膜に第2の補助電極を付加することにより、抵抗値が低減され変換効率が更に向上する。また、第1および第2の補助電極は、それぞれ透明導電膜および導電膜の両端部に設けられているので、発電層上には集電用の電極が存在しない。つまり、発電層全体が発電領域になる。この点でも変換効率の良い光電変換素子が得られる。
【0016】
請求項4に記載の発明に係る光電変換素子は、前記導電膜は透明導電膜からなることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、前記導電膜を透明導電膜とすることで、ガラス基板側からだけではなく発電層側の面からも光を入射することができ、変換効率が更に向上する。また、両方の電極が透明導電膜となることからシースルー性を持った光電変換素子とすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明に係る光電変換素子は、前記ガラス基板の幅が1mm以上、20mm以下であることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、ガラス基板の幅を1mm以上にしているので、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際の、光電変換素子の取扱いが容易である。また、ガラス基板の幅を20mm以下にしているので、光が当たって発生するキャリアが透明導電膜をその幅方向に移動する距離が短くなり、透明導電膜による電圧降下が小さい。従って、透明導電膜部分でのロスを小さくすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明に係る光電変換素子は、前記半導体膜はシリコン薄膜であることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、貴重なシリコン(Si)材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明に係る光電変換モジュールは、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の前記光電変換素子が複数並べて配置され、隣接する2つの前記光電変換素子間を電気的に接続したことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、各光電変換素子にあっては、光が当たって発生するキャリアは帯状の透明導電膜および導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。つまり、発生した電子が、発電層のn型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また発生した正孔は発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。このため、各光電変換素子における透明導電膜の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池パネルなどに用いる変換効率の良い光電変換モジュールが得られる。また、光電変換素子単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際に、Siなどからなる発電層の一部を除去する必要がないので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明に係る光電変換モジュールは、複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に並列に接続されていることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、複数の光電変換素子を並列に電気的に接続することで、電流値を大きくすることができる。その電気的な接続は、例えば、ワイヤボンディングやハンダ付けによりなされる。
【0026】
請求項9に記載の発明に係る光電変換モジュールは、複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、複数の光電変換素子を直列に電気的に接続することで、各光電変換素子で発生した電圧が積算されるので、電圧値を大きくできる。
【0028】
請求項10に記載の発明に係る光電変換素子は、帯状の導電性基材と、前記導電性基材上の、両端部を除く部分全体に形成されたpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層と、前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜と、前記発電層の表面全体を覆うように形成された透明導電膜と、を備えることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、透明導電膜および発電層は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態になっている。透明導電膜側から太陽光が入射し、この光が発電層に入射すると、発電層内部で光の吸収によりキャリアが発生し(伝導電子が増え)、この電子が発電層のn型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電性基材の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また発生した正孔は発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電性基材の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。このため、電子および正孔が移動する透明導電膜又は導電性基材の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池などに用いる変換効率(光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率)の良い光電変換素子が得られる。
【0030】
また、光電変換素子単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際に、Siなどからなる発電層の一部を除去する必要もないので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0031】
請求項11に記載の発明に係る光電変換素子は、前記透明導電膜の両端部に補助電極が設けられていることを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、発電層に光が入射して発生するキャリアは、透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。また、補助電極は、透明導電膜の両端部に設けられているので、発電層上には集電用の電極が存在しない。つまり、発電層全体が発電領域になる。この点でも変換効率の良い光電変換素子が得られる。
【0033】
請求項12に記載の発明に係る光電変換素子は、前記導電性基材と前記発電層との間に、透明導電膜が設けられていることを特徴とする。この構成によれば、導電性基材と発電層との間での相互拡散が透明導電膜により抑制されるので、信頼性が高くかつ長寿命の光電変換素子が得られる。
【0034】
請求項13に記載の発明に係る光電変換素子は、前記導電性基材の幅が1mm以上、20mm以下であることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、導電性基材の幅を1mm以上にしているので、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際の、光電変換素子の取扱いが容易である。また、導電性基材の幅を20mm以下にしているので、光が当たって発生するキャリア、つまり正孔が内蔵電場により電子と引き離されて透明導電膜をその幅方向端部側へ移動する距離が短くなり、透明導電膜による電圧降下が小さい。従って、透明導電膜部分でのロスを小さくすることができる。
【0036】
請求項14に記載の発明に係る光電変換素子は、前記半導体膜はシリコン薄膜であることを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、貴重なシリコン(Si)材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0038】
請求項15に記載の発明に係る光電変換モジュールは、請求項10乃至14のいずれか一つに記載の前記光電変換素子が複数並べて配置され、隣接する2つの前記光電変換素子間を電気的に接続したことを特徴とする。
【0039】
この構成によれば、各光電変換素子にあっては、光が当たって発生するキャリアのうち電子は発電層のn型導電性を有する半導体膜側にある帯状の導電性基材又は透明導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また発生した正孔は発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電性基材の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。このため、各光電変換素子における透明導電膜又は導電性基材の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池パネルなどに用いる変換効率の良い光電変換モジュールが得られる。また、光電変換素子単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際に、Siなどからなる発電層の一部を除去する必要がないので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0040】
請求項16に記載の発明に係る光電変換モジュールは、複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に並列に接続されていることを特徴とする。
【0041】
この構成によれば、各光電変換素子を並列に電気的に接続することで、電流値を大きくできる。その電気的な接続は、例えば、ワイヤボンディングやハンダ付けによりなされる。
【0042】
請求項17に記載の発明に係る光電変換モジュールは、複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
【0043】
この構成によれば、直列に電気的に接続することで、各素子で発生した電圧が積算され、電圧値を大きくできる。
【0044】
請求項18に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0045】
この構成によれば、帯状のガラス基板上に形成される透明導電膜、発電層および導電膜は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、透明導電膜、発電層および導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールにガラス基板を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0046】
請求項19に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部および前記補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0047】
この構成によれば、帯状のガラス基板上に形成される透明導電膜、発電層および導電膜は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、透明導電膜、発電層および導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールにガラス基板を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに発電層に光が入射して発生するキャリア(電子および正孔)のうち、透明導電膜側に収集されるキャリアは、透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。
【0048】
請求項20に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部に第1の補助電極を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部および前記第1の補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う前記導電膜の両端部に第2の補助電極を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0049】
この構成によれば、帯状のガラス基板上に形成される透明導電膜、発電層および導電膜は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、透明導電膜、発電層および導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールにガラス基板を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに発電層に光が入射して発生するキャリア(電子および正孔)は、透明導電膜または導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜または該導電膜の両端部にある第1および第2の補助電極のいずれか一方に集電されるので、変換効率が更に向上する。
【0050】
請求項21に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記ガラス基板の表面全体に第1の透明導電膜を形成する工程と、前記第1の透明導電膜の両端部に第1の補助電極を形成する工程と、前記第1の透明導電膜の両端部および前記第1の補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記第1の透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う第2の導電膜を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う前記第2の導電膜の両端部に第2の補助電極を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0051】
この構成によれば、帯状のガラス基板上に形成される透明導電膜および発電層は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、透明導電膜および発電層を均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールにガラス基板を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに発電層に光が入射して発生するキャリア(電子および正孔)は、透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある第1および第2の補助電極のいずれか一方に集電されるので、変換効率が更に向上する。またこの構成によれば、前記導電膜を透明導電膜とすることで、ガラス基板側からだけではなく発電層側の面からも光を入射することができ、変換効率が更に向上する。また、両方の電極が透明導電膜となることからシースルー性を持った光電変換素子とすることができる。
【0052】
請求項22に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記導電性基材の両端部を除く部分全体にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0053】
この構成によれば、帯状の導電性基材上に形成される発電層および透明導電膜は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層および透明導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0054】
請求項23に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記導電性基材の両端部を除く部分全体にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0055】
この構成によれば、帯状の導電性基材上に形成される発電層および透明導電膜は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層および透明導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに、発電層に光が入射して発生するキャリアのうちの正孔は、発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。
【0056】
請求項24に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記導電性基材表面に第1の透明導電膜を形成する工程と、前記導電性基材の両端部および前記第1の透明導電膜の一部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記導電性基材の両端部を除く部分全体にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う第2の透明導電膜を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0057】
この構成によれば、帯状の導電性基材上に形成される発電層および透明導電膜は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層および透明導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。また、導電性基材と発電層との間に透明導電膜が設けてあることにより、導電性基材と発電層との間での相互拡散が透明導電膜により抑制されるので、信頼性が高くかつ長寿命の光電変換素子が得られる。
【0058】
請求項25に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記導電性基材表面に第1の透明導電膜を形成する工程と、前記導電性基材の両端部および前記第1の透明導電膜の一部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記導電性基材の両端部を除く部分全体にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0059】
この構成によれば、帯状の導電性基材上に形成される発電層および透明導電膜は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層および透明導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに、発電層に光が入射して発生するキャリアのうちの正孔は、発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。また、導電性基材と発電層との間に透明導電膜が設けてあることにより、導電性基材と発電層との間での相互拡散が透明導電膜により抑制されるので、信頼性が高くかつ長寿命の光電変換素子が得られる。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、シリコン(Si)などの半導体材料の使用量を低減でき、かつ変換効率の向上を図った光電変換素子および光電変換モジュールを得ることができる。
【0061】
また、本発明によれば、設備投資が少なくなり、製造コストを低減でき、生産性が高くなり、かつ、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明に係る光電変換素子および光電変換モジュールの各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において、同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る光電変換素子を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0063】
図1は複数の光電変換素子を有する光電変換モジュールを示す斜視図である。図2は、図1に示す光電変換モジュールに用いる第1実施形態に係る光電変換素子10を示す断面図である。図2は図1のA部の拡大断面図である。図3は、図2の一部を拡大して示した動作説明図である。
【0064】
図1に示す光電変換モジュール1は、図2に示す光電変換素子10を複数並べて、隣接する2つの光電変換素子10間を電気的に接続した構成を有する。
【0065】
この光電変換素子10は、帯状のガラス基板としての細線状の薄板ガラス11と、薄板ガラス11の表面全体を覆うように形成された第1の透明導電膜12と、透明導電膜12の両端部に設けられ透明導電膜12を補助する第1の補助電極13と、を備える。第1の透明導電膜12も、薄板ガラス11と同様に細線状の形態を有する。第1の補助電極13は、p側電極であり、細線状の透明導電膜12の両端部全体に渡って形成されている。
【0066】
光電変換素子10はさらに、第1の透明導電膜12上の、両端部を除く部分全体に形成された発電層14と、透明導電膜12の両端部および第1の補助電極13を覆う絶縁膜15と、発電層14の表面全体を覆う第2の透明導電膜16と、透明導電膜16の両端部に設けられ透明導電膜16を補助する第2の補助電極17とを備える。
【0067】
発電層14と第2の透明導電膜16も、薄板ガラス11と同様に細線状の形態を有する。第2の補助電極17は、n側電極であり、細線状の透明導電膜16の両端部全体に渡って形成されている。そして、絶縁膜15は、透明導電膜12の両端部全体および第1の補助電極13全体を覆うように形成されている。
【0068】
発電層14は、図3に示すように、p型Si18と、i型Si19と、n型Si20とからなるpin構造を有する半導体膜で構成されている。p型Si18、i型Si19およびn型Si20の各半導体膜は、例えばシリコン(Si)で構成されている。
【0069】
具体的には、pin構造を有する半導体膜で構成された発電層14は、以下の3つの構造のいずれかを有している。
【0070】
(1)p型Si18、i型Si19およびn型Si20の各半導体膜が、それぞれアモフファスシリコンで構成される。
【0071】
(2)p型Si18、i型Si19およびn型Si20の各半導体膜が、それぞれ微結晶シリコンで構成される。
【0072】
(3)p型Si18、i型Si19およびn型Si20の3つの半導体膜の一部がアモフファスシリコンで構成され、残りが微結晶シリコンで構成される。
【0073】
薄板ガラス11の幅は、1mm以上〜20mm以下の範囲内の値が望ましい。その幅が1mm未満になると、光電変換素子10を並べて図1に示すような光電変換モジュール1を作製する際の、光電変換素子10の取扱いが難しくなるので、好ましくない。また、その幅が20mmを越えると、光が当たって発生するキャリアが第1の透明導電膜12もしくは第2の透明導電膜16を走行する距離が長くなり、透明導電膜16による電圧降下が大きくなってロスが大きくなるので、好ましくない。
【0074】
以上の構成を有する光電変換素子10の動作を図2および図3に基づいて説明する。
【0075】
太陽光が図2の矢印で示すように薄板ガラス11に入射すると、この光は第1の透明導電膜12を通って発電層14に入射する。これにより、発電層14では、光の吸収による内部光電効果によって図3の符合「21」で示すキャリアが発生し(伝導電子が増え)、発生したキャリアが発電層14のpin構造の界面に存在する内蔵電場によって拡散する。これにより、電子が図3の矢印Bで示すように発電層14から第2の透明導電膜16へ移動し、第2の透明導電膜16を幅方向に移動して補助電極17に集電されると共に、正孔が発電層14から第1の透明導電膜12へ移動し、第1の透明導電膜12を幅方向に走行して補助電極13に集電される。これにより、発電された電力が外部に取り出される。なお、太陽光が第2の透明導電膜16側から入射する場合も、太陽光が薄板ガラス11側から入射する場合と同様の上記動作が得られる。
【0076】
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0077】
○第1の透明導電膜12、発電層14および第2の透明導電膜16は細線状の薄板ガラス11と同様に細線状の形態になっている。薄板ガラス11と第2の透明導電膜16のいずれか一方から太陽光が入射し、この光が発電層14に入射すると、発電層14内部で光の吸収によりキャリアが発生する(伝導電子が増える)。電子は発電層14のn型Si(n型導電性を有する半導体膜)20側にある第2の透明導電膜16の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動して、補助電極17に集電される。また、発生した正孔は発電層14のp型Si(p型導電性を有する半導体膜)18側にある透明導電膜12の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動して、補助電極13に集電される。このため、第1の透明導電膜12は幅の狭い細長い帯状の形態を有するので、第1の透明導電膜12における電子の移動距離は短い。このため、第1の透明導電膜12の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池などに用いる変換効率(光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率)の良い光電変換素子が得られる。
【0078】
○光電変換素子10単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子10を並べて図1に示すような光電変換モジュール1を作製する際に、シリコンからなる発電層14の一部を除去する必要もないので、貴重なシリコン(Si)などの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、シリコン(Si)などの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0079】
○集電用の補助電極13,17は、それぞれ発電層14の外側に配置されており、発電層14上には集電用の電極が存在しないので、この点でも変換効率の良い光電変換素子が得られる。
【0080】
○薄板ガラス11の幅を1mm以上にしているので、複数の光電変換素子10を並べて図1に示す光電変換モジュール1を作製する際の、光電変換素子10の取扱いが容易である。
【0081】
○薄板ガラス11の幅を20mm以下にしているので、光が当たって発生するキャリア、が第1の透明導電膜12または第2の透明導電膜16をその幅方向に移動する距離が短くなり、透明導電膜12および透明導電膜16による電圧降下が小さい。従って、透明導電膜12および透明導電膜16部分でのロスを小さくすることができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る光電変換モジュール1Aを示している。
【0082】
この光電変換モジュール1Aは、上記第1実施形態に係る光電変換素子10を複数並べて配置し、隣接する2つの光電変換素子10を電気的に並列に接続して構成されている。
【0083】
具体的には、隣接する2つの光電変換素子10のn側電極である第2の補助電極17同士を接続部30で電気的に接続すると共に、隣接する2つの光電変換素子10のp側電極である第1の補助電極13同士を接続部31で電気的に接続する。接続部30と接続部31は、はんだ或いはワイヤボンディングによる接続部である。
【0084】
以上のように構成された第2実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0085】
複数の光電変換素子10を並列に電気的に接続して光電変換モジュール1Aを作製することで、電流値を大きくすることができる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る光電変換モジュール1Bを示している。
【0086】
この光電変換モジュール1Bは、上記第1実施形態に係る光電変換素子10を複数並べて配置し、隣接する2つの光電変換素子10を電気的に直列に接続して構成されている。
【0087】
具体的には、隣接する2つの光電変換素子10の一方のp側電極である第1の補助電極13と、その他方のn側電極である第2の補助電極17とを、接続部32で電気的にそれぞれ接続する。
【0088】
以上のように構成された第3実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0089】
複数の光電変換素子10を直列に電気的に接続することで、各光電変換素子10で発生した電圧が積算されるので、電圧値を大きくできる。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態に係る光電変換素子10Aを示している。図7は、図6の一部を拡大して示した動作説明図である。
【0090】
この光電変換素子10Aは、帯状の導電性基材としての細線状の導電性基材11Aと、導電性基材11A上の、両端部を除く部分全体に形成された発電層14Aと、導電性基材11Aの両端部を覆う絶縁膜15Aと、発電層14Aの表面全体を覆うように形成された透明導電膜16Aとを備える。さらに光電変換素子10Aは、透明導電膜16Aの両端部に、該透明導電膜を補助する補助電極17Aを備えている。
【0091】
発電層14Aは、図7に示すように、p型Si18Aと、i型Si19Aと、n型Si20Aとからなるpin構造を有する半導体膜で構成されている。したがって、補助電極17Aはp側電極であり、導電性基材11Aがn側電極となる。
【0092】
以上の構成を有する光電変換素子10Aの動作を、図6および図7に基づいて説明する。
【0093】
太陽光が透明導電膜16Aに入射すると、この光は透明導電膜16Aを通って発電層14Aに入射する。これにより、発電層14Aでは、光の吸収による内部光電効果によってキャリア(図7のキャリア21A)が発生し(伝導電子が増え)、発電層14Aのpin構造の界面に存在する内蔵電場によって拡散する。
【0094】
これにより、電子が図7の矢印Bで示すように発電層14Aからそのn型Si(n型導電性を有する半導体膜)20A側にある導電性基材11Aへ移動し、この導電性基材11Aの幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また、正孔が発電層14Aからそのp型Si(p型導電性を有する半導体膜)18A側にある透明導電膜16Aへ移動し、この透明導電膜16Aを幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動して補助電極17Aに集電される。これにより、発電された電力が外部に取り出される。このため、正孔が移動する透明導電膜16Aの抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池などに用いる変換効率(光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率)の良い光電変換素子が得られる。
【0095】
このような構成を有する第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0096】
次に、図2に示す光電変換素子10および光電変換モジュールの作製方法を説明する。
1.細線状の薄板ガラス10を作製する。
作製方法は、一般的なリドロー法、ダウンドロー法、フロート法、フュージョン法などによる。
次に、作製した細線状の薄板ガラス10を供給側リール(図示省略)に巻回し、その端部を巻取り側リール(図示省略)に固定した状態で、巻取り側リールに薄板ガラス10を巻き取りながら、以下の工程を連続的に行う。
【0097】
2.第1の透明導電膜12を薄板ガラス10上に作製する。
透明導電膜12の作製は、熱CVD法、スプレー法、塗布法など種々の方法が使える。
【0098】
3.第1の補助電極13を作製する。
金属含有ペーストの塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
【0099】
4.第1の補助電極13を覆うように絶縁膜15を作製する。
溶液塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
【0100】
5.発電に寄与するpin構造またはpn構造を有する発電層14を作製する。
各種CVD、蒸着、スパッタなどにより積層膜を作製する。
【0101】
6.第2の透明導電膜16を発電層14上に作製する。
透明導電膜16の作製は、熱CVD法、スプレー法、塗布法など種々の方法が使える。
【0102】
7.第2の補助電極17を作製する。
金属含有ペーストの塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
これにより、図2に示す光電変換素子10の作製が完了する。
【0103】
このようにして作製した複数の光電変換素子10を配列し、隣接する光電変換素子10同士を電気的に接続することで、図4および図5に示す光電変換モジュール1Aおよび1Bを作製する。
【0104】
この場合、設計電流値、設計電圧値が得られるように各セルを直列もしくは並列に電気的に接続する。その接続には、はんだ、ワイヤボンディング、テンプレート基板への接合などにより行う。
【0105】
このようにして、複数の光電変換素子10を並べて配列し、隣接する光電変換素子10同士を電気的に接続することで、図4および図5に示す光電変換モジュール1Aおよび1Bを簡単に作製することができる。
【0106】
このような光電変換素子10および光電変換モジュールの作製方法によれば、以下の作用効果を奏する。
【0107】
○細線状の薄板ガラス10上に形成される第1の透明導電膜12、発電層14および第2の透明導電膜16は細線状の薄板ガラス10と同様に細線状の形態を有するので、装置を大型化せずに、第1の透明導電膜12、発電層14および第2の透明導電膜16を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。
【0108】
○上記各工程を、巻取り側リールに薄板ガラス10を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。
【0109】
○作製した光電変換素子10を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0110】
次に、図6に示す光電変換素子10Aおよび光電変換モジュールの作製方法を説明する。
【0111】
1.細線状の薄板ガラス10を作製する。
作製方法は、一般的なリドロー法、ダウンドロー法、フロート法、フュージョン法などによる。
次に、作製した細線状の導電性基材11Aを供給側リール(図示省略)に巻回し、その端部を巻取り側リール(図示省略)に固定した状態で、巻取り側リールに導電性基材11Aを巻き取りながら、以下の工程を連続的に行う。
【0112】
2.導電性基材11Aの両端部を覆う絶縁膜15Aを作製する。
溶液塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
【0113】
3.導電性基材11A上の両端部を除く部分全体に、発電に寄与するpin構造またはpn構造を有する発電層14Aを作製する。
各種CVD、蒸着、スパッタなどにより積層膜を作製する。
【0114】
4.発電層14Aの表面全体を覆うように透明導電膜16Aを作製する。
透明導電膜16Aの作製は、熱CVD法、スプレー法、塗布法など種々の方法が使える。
【0115】
5.透明導電膜16Aの両端部に、この透明導電膜16Aを補助する補助電極17Aを作製する。
金属含有ペーストの塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
これにより、図2に示す光電変換素子10の作製が完了する。
このようにして作製した複数の光電変換素子10Aを並べて配列し、隣接する光電変換素子10A同士を電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製する。
【0116】
この場合、設計電流値、設計電圧値が得られるように各セルを直列もしくは並列に電気的に接続する。その接続には、はんだ、ワイヤボンディング、テンプレート基板への接合などにより行う。
【0117】
このような光電変換素子10Aおよび光電変換モジュールの作製方法によれば、以下の作用効果を奏する。
【0118】
○細線状の導電性基材11A上に形成される発電層14Aおよび透明導電膜16Aは細線状の導電性基材11Aと同様に細線状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層14Aおよび透明導電膜16Aを、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。
【0119】
○上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材11Aを巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。
【0120】
○作製した光電変換素子10Aを複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0121】
次に、上記第1実施形態に係る光電変換素子10の変形例を、図8乃至図10に基づいて説明する。
【0122】
図8に示す光電変換素子10Bは、薄板ガラス11の表面全体を覆う透明導電膜40と、発電層14の表面全体を覆う不透明な導電膜41とを備える。この導電膜41は、例えば金属薄膜である。その他の構成は、に係る光電変換素子10と同様である。
【0123】
図9に示す光電変換素子10Cは、薄板ガラス11の表面全体を覆う透明導電膜40と、発電層14の表面全体を覆う不透明な導電膜41と、透明導電膜40の両端部に形成された補助電極13とを備える。
【0124】
図10に示す光電変換素子10Dは、図9に示す光電変換素子10Cにおいて、導電膜41の両端部に補助電極43を設けたものである。
【0125】
次に、上記第2実施形態に係る光電変換素子10Aの変形例を、図11乃至図13に基づいて説明する。
【0126】
図11に示す光電変換素子10Eは、図6に示すに係る光電変換素子10Aにおいて、補助電極17Aの無い構成である。
【0127】
図12に示す光電変換素子10Fは、図11に示す光電変換素子10Eにおいて、細線状の導電性基材11Aと発電層14Aとの間に透明導電膜50を設けた構成を有する。この構成によれば、導電性基材11Aと発電層14Aとの間での相互拡散が透明導電膜50により抑制されるので、信頼性が高くかつ長寿命の光電変換素子が得られる。
【0128】
図13に示す光電変換素子10Gは、図12に示す光電変換素子10Fにおいて、透明導電膜16Aの両端部に補助電極17Aを設けた構成を有する。
【0129】
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
【0130】
・図2および図3に示す上記第1実施形態に係る光電変換素子10では、発電層14がpin構造を有する半導体膜で構成された場合について説明したが、発電層14がp型Siとn型Siのpn構造を有する半導体膜で構成された光電変換素子にも本発明は適用可能である。この場合、発電層14を構成するp型Siとn型Siの各半導体膜は、それぞれ多結晶シリコンで構成される。
【0131】
・図6に示す上記第4実施形態に係る光電変換素子10Aに代えて、次のような構成を有する光電変換素子にも本発明は適用可能である。すなわち、この光電変換素子は、細線状の導電性基材11Aと、この導電性基材11Aの表面全体を覆うように形成された第1の透明導電膜と、この透明導電膜の両端部に設けられこの透明導電膜を補助する第1の補助電極と、を備える。この光電変換素子はさらに、第1の透明導電膜上の、両端部を除く部分全体に形成された発電層14Aと、第1の透明導電膜の両端部および第1の補助電極を覆う絶縁膜15Aと、発電層14Aの表面全体を覆う第2の透明導電膜(16A)と、第2の透明導電膜の両端部に設けられ透明導電膜16を補助する第2の補助電極(17A)とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】複数の光電変換素子を有する光電変換モジュールを示す斜視図。
【図2】第1実施形態に係る光電変換素子を示す断面図で、図1のA部の拡大断面図である。
【図3】図2の一部を拡大して示した動作説明図。
【図4】第2実施形態に係る光電変換モジュールを示す断面図。
【図5】第3実施形態に係る光電変換モジュールを示す断面図。
【図6】第4実施形態に係る光電変換素子を示す断面図。
【図7】図6の一部を拡大して示した動作説明図。
【図8】第1実施形態に係る光電変換素子の変形例を示す断面図。
【図9】第1実施形態に係るに係る光電変換素子の別の変形例を示す断面図。
【図10】第1実施形態に係る光電変換素子の別の変形例を示す断面図。
【図11】第4実施形態に係る光電変換素子の変形例を示す断面図。
【図12】第4実施形態に係る光電変換素子の別の変形例を示す断面図。
【図13】第4実施形態に係る光電変換素子の別の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
【0133】
1,1A,1B:光電変換モジュール
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G:光電変換素子
11:薄板ガラス
11A:導電性基材
12:第1の透明導電膜
13:第1の補助電極
14,14A:発電層
15,15A:絶縁膜
16:第2の透明導電膜
16A:透明導電膜
17:第2の補助電極
17A:補助電極
18,18A:p型Si
19,198A:n型Si
20,20A:p型Si
40,50:透明導電膜
41:導電膜
43:補助電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換素子、光電変換モジュールおよび光電変換素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薄膜シリコン系太陽電池として、例えば、特許文献1および2に開示された技術がある。特許文献1には、基板上に複数に分割して設けられる光電変換層で、隣接する光電変換層の対向する側面部が基板側に向かうにつれて互いに近づく方向に傾斜している光電変換層と、隣接する光電変換層の対向する側面部の一方及び隣接する光電変換層の間の基板上を覆う絶縁膜と、絶縁膜の上を通り、隣接する光電変換層を電気的に接続する導電性膜とを備える光起電力装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、導電性材料上に発電層および電極層を形成してなり、かつ可撓性を有する光起電力素子が開示されている。
【特許文献1】特開平7−45853号公報
【特許文献2】特開2002−151708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示された従来技術では、基板全面に光電変換層を作製後、この光電変換層の一部を除去するので、シリコン(Si)材料が無駄になるという問題があった。
【0005】
また、上記特許文献2に開示された従来技術では、集電極が表面にあるため、この集電極が光を遮ってしまう。これにより、集電極のある部分が非発電領域となり、変換効率が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、シリコン(Si)などの半導体材料の使用量を低減でき、かつ変換効率の向上を図った光電変換素子、光電変換モジュールおよび光電変換素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係る光電変換素子は、帯状のガラス基板と、前記ガラス基板の表面全体を覆うように形成された透明導電膜と、前記透明導電膜上の、両端部を除く部分全体に形成されたpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層と、前記透明導電膜の両端部を覆う絶縁膜と、前記発電層の表面全体を覆う導電膜と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、透明導電膜、発電層および導電膜は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態になっている。ここで「帯状」は、幅の狭い細長い形状を意味する。
【0009】
ガラス基板側から太陽光が入射し、この光が発電層に入射すると、発電層内部で光の吸収によりキャリアが発生し(伝導電子が増え)、発生した電子が、発電層のn型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また発生した正孔は発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。このため、電子および正孔が移動する透明導電膜又は導電膜の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池などに用いる変換効率(光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率)の良い光電変換素子が得られる。
【0010】
また、光電変換素子単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際に、Siなどからなる発電層の一部を除去する必要がないので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0011】
ここで「ガラス基板の表面」とは、太陽光が入射する外面とは反対側の面、つまり、発電層側の面をいう。
【0012】
請求項2に記載の発明に係る光電変換素子は、前記ガラス基板の表面全体を覆う前記透明導電膜の両端部に補助電極が設けられ、かつ、前記絶縁膜は前記透明導電膜の両端部および前記補助電極を覆うように形成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、発電層に光が入射して発生するキャリアのうち透明導電膜側に収集されるキャリアは透明導電膜の幅方向端部側へ移動して該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。また、補助電極は、透明導電膜の両端部に設けられているので、発電層上には集電用の電極が存在しない。つまり、発電層全体が発電領域になる。この点でも変換効率の良い光電変換素子が得られる。
【0014】
請求項3に記載の発明に係る光電変換素子は、前記導電膜の両端部に第2の補助電極が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、前記導電膜に第2の補助電極を付加することにより、抵抗値が低減され変換効率が更に向上する。また、第1および第2の補助電極は、それぞれ透明導電膜および導電膜の両端部に設けられているので、発電層上には集電用の電極が存在しない。つまり、発電層全体が発電領域になる。この点でも変換効率の良い光電変換素子が得られる。
【0016】
請求項4に記載の発明に係る光電変換素子は、前記導電膜は透明導電膜からなることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、前記導電膜を透明導電膜とすることで、ガラス基板側からだけではなく発電層側の面からも光を入射することができ、変換効率が更に向上する。また、両方の電極が透明導電膜となることからシースルー性を持った光電変換素子とすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明に係る光電変換素子は、前記ガラス基板の幅が1mm以上、20mm以下であることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、ガラス基板の幅を1mm以上にしているので、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際の、光電変換素子の取扱いが容易である。また、ガラス基板の幅を20mm以下にしているので、光が当たって発生するキャリアが透明導電膜をその幅方向に移動する距離が短くなり、透明導電膜による電圧降下が小さい。従って、透明導電膜部分でのロスを小さくすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明に係る光電変換素子は、前記半導体膜はシリコン薄膜であることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、貴重なシリコン(Si)材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明に係る光電変換モジュールは、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の前記光電変換素子が複数並べて配置され、隣接する2つの前記光電変換素子間を電気的に接続したことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、各光電変換素子にあっては、光が当たって発生するキャリアは帯状の透明導電膜および導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。つまり、発生した電子が、発電層のn型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また発生した正孔は発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。このため、各光電変換素子における透明導電膜の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池パネルなどに用いる変換効率の良い光電変換モジュールが得られる。また、光電変換素子単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際に、Siなどからなる発電層の一部を除去する必要がないので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明に係る光電変換モジュールは、複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に並列に接続されていることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、複数の光電変換素子を並列に電気的に接続することで、電流値を大きくすることができる。その電気的な接続は、例えば、ワイヤボンディングやハンダ付けによりなされる。
【0026】
請求項9に記載の発明に係る光電変換モジュールは、複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、複数の光電変換素子を直列に電気的に接続することで、各光電変換素子で発生した電圧が積算されるので、電圧値を大きくできる。
【0028】
請求項10に記載の発明に係る光電変換素子は、帯状の導電性基材と、前記導電性基材上の、両端部を除く部分全体に形成されたpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層と、前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜と、前記発電層の表面全体を覆うように形成された透明導電膜と、を備えることを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、透明導電膜および発電層は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態になっている。透明導電膜側から太陽光が入射し、この光が発電層に入射すると、発電層内部で光の吸収によりキャリアが発生し(伝導電子が増え)、この電子が発電層のn型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電性基材の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また発生した正孔は発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電性基材の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。このため、電子および正孔が移動する透明導電膜又は導電性基材の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池などに用いる変換効率(光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率)の良い光電変換素子が得られる。
【0030】
また、光電変換素子単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際に、Siなどからなる発電層の一部を除去する必要もないので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0031】
請求項11に記載の発明に係る光電変換素子は、前記透明導電膜の両端部に補助電極が設けられていることを特徴とする。
【0032】
この構成によれば、発電層に光が入射して発生するキャリアは、透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。また、補助電極は、透明導電膜の両端部に設けられているので、発電層上には集電用の電極が存在しない。つまり、発電層全体が発電領域になる。この点でも変換効率の良い光電変換素子が得られる。
【0033】
請求項12に記載の発明に係る光電変換素子は、前記導電性基材と前記発電層との間に、透明導電膜が設けられていることを特徴とする。この構成によれば、導電性基材と発電層との間での相互拡散が透明導電膜により抑制されるので、信頼性が高くかつ長寿命の光電変換素子が得られる。
【0034】
請求項13に記載の発明に係る光電変換素子は、前記導電性基材の幅が1mm以上、20mm以下であることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、導電性基材の幅を1mm以上にしているので、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際の、光電変換素子の取扱いが容易である。また、導電性基材の幅を20mm以下にしているので、光が当たって発生するキャリア、つまり正孔が内蔵電場により電子と引き離されて透明導電膜をその幅方向端部側へ移動する距離が短くなり、透明導電膜による電圧降下が小さい。従って、透明導電膜部分でのロスを小さくすることができる。
【0036】
請求項14に記載の発明に係る光電変換素子は、前記半導体膜はシリコン薄膜であることを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、貴重なシリコン(Si)材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0038】
請求項15に記載の発明に係る光電変換モジュールは、請求項10乃至14のいずれか一つに記載の前記光電変換素子が複数並べて配置され、隣接する2つの前記光電変換素子間を電気的に接続したことを特徴とする。
【0039】
この構成によれば、各光電変換素子にあっては、光が当たって発生するキャリアのうち電子は発電層のn型導電性を有する半導体膜側にある帯状の導電性基材又は透明導電膜の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また発生した正孔は発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜又は導電性基材の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。このため、各光電変換素子における透明導電膜又は導電性基材の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池パネルなどに用いる変換効率の良い光電変換モジュールが得られる。また、光電変換素子単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子を並べて、光電変換モジュールを作製する際に、Siなどからなる発電層の一部を除去する必要がないので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0040】
請求項16に記載の発明に係る光電変換モジュールは、複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に並列に接続されていることを特徴とする。
【0041】
この構成によれば、各光電変換素子を並列に電気的に接続することで、電流値を大きくできる。その電気的な接続は、例えば、ワイヤボンディングやハンダ付けによりなされる。
【0042】
請求項17に記載の発明に係る光電変換モジュールは、複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
【0043】
この構成によれば、直列に電気的に接続することで、各素子で発生した電圧が積算され、電圧値を大きくできる。
【0044】
請求項18に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0045】
この構成によれば、帯状のガラス基板上に形成される透明導電膜、発電層および導電膜は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、透明導電膜、発電層および導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールにガラス基板を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0046】
請求項19に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部および前記補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0047】
この構成によれば、帯状のガラス基板上に形成される透明導電膜、発電層および導電膜は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、透明導電膜、発電層および導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールにガラス基板を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに発電層に光が入射して発生するキャリア(電子および正孔)のうち、透明導電膜側に収集されるキャリアは、透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。
【0048】
請求項20に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部に第1の補助電極を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部および前記第1の補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う前記導電膜の両端部に第2の補助電極を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0049】
この構成によれば、帯状のガラス基板上に形成される透明導電膜、発電層および導電膜は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、透明導電膜、発電層および導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールにガラス基板を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに発電層に光が入射して発生するキャリア(電子および正孔)は、透明導電膜または導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜または該導電膜の両端部にある第1および第2の補助電極のいずれか一方に集電されるので、変換効率が更に向上する。
【0050】
請求項21に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記ガラス基板の表面全体に第1の透明導電膜を形成する工程と、前記第1の透明導電膜の両端部に第1の補助電極を形成する工程と、前記第1の透明導電膜の両端部および前記第1の補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記第1の透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う第2の導電膜を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う前記第2の導電膜の両端部に第2の補助電極を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0051】
この構成によれば、帯状のガラス基板上に形成される透明導電膜および発電層は帯状のガラス基板と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、透明導電膜および発電層を均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールにガラス基板を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに発電層に光が入射して発生するキャリア(電子および正孔)は、透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある第1および第2の補助電極のいずれか一方に集電されるので、変換効率が更に向上する。またこの構成によれば、前記導電膜を透明導電膜とすることで、ガラス基板側からだけではなく発電層側の面からも光を入射することができ、変換効率が更に向上する。また、両方の電極が透明導電膜となることからシースルー性を持った光電変換素子とすることができる。
【0052】
請求項22に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記導電性基材の両端部を除く部分全体にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0053】
この構成によれば、帯状の導電性基材上に形成される発電層および透明導電膜は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層および透明導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0054】
請求項23に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記導電性基材の両端部を除く部分全体にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0055】
この構成によれば、帯状の導電性基材上に形成される発電層および透明導電膜は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層および透明導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに、発電層に光が入射して発生するキャリアのうちの正孔は、発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。
【0056】
請求項24に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記導電性基材表面に第1の透明導電膜を形成する工程と、前記導電性基材の両端部および前記第1の透明導電膜の一部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記導電性基材の両端部を除く部分全体にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う第2の透明導電膜を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0057】
この構成によれば、帯状の導電性基材上に形成される発電層および透明導電膜は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層および透明導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。また、導電性基材と発電層との間に透明導電膜が設けてあることにより、導電性基材と発電層との間での相互拡散が透明導電膜により抑制されるので、信頼性が高くかつ長寿命の光電変換素子が得られる。
【0058】
請求項25に記載の発明に係る光電変換素子の製造方法は、帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、前記導電性基材表面に第1の透明導電膜を形成する工程と、前記導電性基材の両端部および前記第1の透明導電膜の一部を覆う絶縁膜を形成する工程と、前記導電性基材の両端部を除く部分全体にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする。
【0059】
この構成によれば、帯状の導電性基材上に形成される発電層および透明導電膜は帯状の導電性基材と同様に帯状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層および透明導電膜を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。また、上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。さらに、作製した光電変換素子を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。さらに、発電層に光が入射して発生するキャリアのうちの正孔は、発電層のp型導電性を有する半導体膜側にある透明導電膜の幅方向端部側へ移動して、該透明導電膜の両端部にある補助電極に集電されるので、変換効率が更に向上する。また、導電性基材と発電層との間に透明導電膜が設けてあることにより、導電性基材と発電層との間での相互拡散が透明導電膜により抑制されるので、信頼性が高くかつ長寿命の光電変換素子が得られる。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、シリコン(Si)などの半導体材料の使用量を低減でき、かつ変換効率の向上を図った光電変換素子および光電変換モジュールを得ることができる。
【0061】
また、本発明によれば、設備投資が少なくなり、製造コストを低減でき、生産性が高くなり、かつ、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明に係る光電変換素子および光電変換モジュールの各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において、同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る光電変換素子を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0063】
図1は複数の光電変換素子を有する光電変換モジュールを示す斜視図である。図2は、図1に示す光電変換モジュールに用いる第1実施形態に係る光電変換素子10を示す断面図である。図2は図1のA部の拡大断面図である。図3は、図2の一部を拡大して示した動作説明図である。
【0064】
図1に示す光電変換モジュール1は、図2に示す光電変換素子10を複数並べて、隣接する2つの光電変換素子10間を電気的に接続した構成を有する。
【0065】
この光電変換素子10は、帯状のガラス基板としての細線状の薄板ガラス11と、薄板ガラス11の表面全体を覆うように形成された第1の透明導電膜12と、透明導電膜12の両端部に設けられ透明導電膜12を補助する第1の補助電極13と、を備える。第1の透明導電膜12も、薄板ガラス11と同様に細線状の形態を有する。第1の補助電極13は、p側電極であり、細線状の透明導電膜12の両端部全体に渡って形成されている。
【0066】
光電変換素子10はさらに、第1の透明導電膜12上の、両端部を除く部分全体に形成された発電層14と、透明導電膜12の両端部および第1の補助電極13を覆う絶縁膜15と、発電層14の表面全体を覆う第2の透明導電膜16と、透明導電膜16の両端部に設けられ透明導電膜16を補助する第2の補助電極17とを備える。
【0067】
発電層14と第2の透明導電膜16も、薄板ガラス11と同様に細線状の形態を有する。第2の補助電極17は、n側電極であり、細線状の透明導電膜16の両端部全体に渡って形成されている。そして、絶縁膜15は、透明導電膜12の両端部全体および第1の補助電極13全体を覆うように形成されている。
【0068】
発電層14は、図3に示すように、p型Si18と、i型Si19と、n型Si20とからなるpin構造を有する半導体膜で構成されている。p型Si18、i型Si19およびn型Si20の各半導体膜は、例えばシリコン(Si)で構成されている。
【0069】
具体的には、pin構造を有する半導体膜で構成された発電層14は、以下の3つの構造のいずれかを有している。
【0070】
(1)p型Si18、i型Si19およびn型Si20の各半導体膜が、それぞれアモフファスシリコンで構成される。
【0071】
(2)p型Si18、i型Si19およびn型Si20の各半導体膜が、それぞれ微結晶シリコンで構成される。
【0072】
(3)p型Si18、i型Si19およびn型Si20の3つの半導体膜の一部がアモフファスシリコンで構成され、残りが微結晶シリコンで構成される。
【0073】
薄板ガラス11の幅は、1mm以上〜20mm以下の範囲内の値が望ましい。その幅が1mm未満になると、光電変換素子10を並べて図1に示すような光電変換モジュール1を作製する際の、光電変換素子10の取扱いが難しくなるので、好ましくない。また、その幅が20mmを越えると、光が当たって発生するキャリアが第1の透明導電膜12もしくは第2の透明導電膜16を走行する距離が長くなり、透明導電膜16による電圧降下が大きくなってロスが大きくなるので、好ましくない。
【0074】
以上の構成を有する光電変換素子10の動作を図2および図3に基づいて説明する。
【0075】
太陽光が図2の矢印で示すように薄板ガラス11に入射すると、この光は第1の透明導電膜12を通って発電層14に入射する。これにより、発電層14では、光の吸収による内部光電効果によって図3の符合「21」で示すキャリアが発生し(伝導電子が増え)、発生したキャリアが発電層14のpin構造の界面に存在する内蔵電場によって拡散する。これにより、電子が図3の矢印Bで示すように発電層14から第2の透明導電膜16へ移動し、第2の透明導電膜16を幅方向に移動して補助電極17に集電されると共に、正孔が発電層14から第1の透明導電膜12へ移動し、第1の透明導電膜12を幅方向に走行して補助電極13に集電される。これにより、発電された電力が外部に取り出される。なお、太陽光が第2の透明導電膜16側から入射する場合も、太陽光が薄板ガラス11側から入射する場合と同様の上記動作が得られる。
【0076】
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0077】
○第1の透明導電膜12、発電層14および第2の透明導電膜16は細線状の薄板ガラス11と同様に細線状の形態になっている。薄板ガラス11と第2の透明導電膜16のいずれか一方から太陽光が入射し、この光が発電層14に入射すると、発電層14内部で光の吸収によりキャリアが発生する(伝導電子が増える)。電子は発電層14のn型Si(n型導電性を有する半導体膜)20側にある第2の透明導電膜16の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動して、補助電極17に集電される。また、発生した正孔は発電層14のp型Si(p型導電性を有する半導体膜)18側にある透明導電膜12の幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動して、補助電極13に集電される。このため、第1の透明導電膜12は幅の狭い細長い帯状の形態を有するので、第1の透明導電膜12における電子の移動距離は短い。このため、第1の透明導電膜12の抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池などに用いる変換効率(光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率)の良い光電変換素子が得られる。
【0078】
○光電変換素子10単体では、発電に寄与する部分のみに、例えばシリコン(Si)からなる半導体膜を使っている。そして、複数の光電変換素子10を並べて図1に示すような光電変換モジュール1を作製する際に、シリコンからなる発電層14の一部を除去する必要もないので、貴重なシリコン(Si)などの半導体材料を無駄に捨てることがない。従って、シリコン(Si)などの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0079】
○集電用の補助電極13,17は、それぞれ発電層14の外側に配置されており、発電層14上には集電用の電極が存在しないので、この点でも変換効率の良い光電変換素子が得られる。
【0080】
○薄板ガラス11の幅を1mm以上にしているので、複数の光電変換素子10を並べて図1に示す光電変換モジュール1を作製する際の、光電変換素子10の取扱いが容易である。
【0081】
○薄板ガラス11の幅を20mm以下にしているので、光が当たって発生するキャリア、が第1の透明導電膜12または第2の透明導電膜16をその幅方向に移動する距離が短くなり、透明導電膜12および透明導電膜16による電圧降下が小さい。従って、透明導電膜12および透明導電膜16部分でのロスを小さくすることができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る光電変換モジュール1Aを示している。
【0082】
この光電変換モジュール1Aは、上記第1実施形態に係る光電変換素子10を複数並べて配置し、隣接する2つの光電変換素子10を電気的に並列に接続して構成されている。
【0083】
具体的には、隣接する2つの光電変換素子10のn側電極である第2の補助電極17同士を接続部30で電気的に接続すると共に、隣接する2つの光電変換素子10のp側電極である第1の補助電極13同士を接続部31で電気的に接続する。接続部30と接続部31は、はんだ或いはワイヤボンディングによる接続部である。
【0084】
以上のように構成された第2実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0085】
複数の光電変換素子10を並列に電気的に接続して光電変換モジュール1Aを作製することで、電流値を大きくすることができる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る光電変換モジュール1Bを示している。
【0086】
この光電変換モジュール1Bは、上記第1実施形態に係る光電変換素子10を複数並べて配置し、隣接する2つの光電変換素子10を電気的に直列に接続して構成されている。
【0087】
具体的には、隣接する2つの光電変換素子10の一方のp側電極である第1の補助電極13と、その他方のn側電極である第2の補助電極17とを、接続部32で電気的にそれぞれ接続する。
【0088】
以上のように構成された第3実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0089】
複数の光電変換素子10を直列に電気的に接続することで、各光電変換素子10で発生した電圧が積算されるので、電圧値を大きくできる。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態に係る光電変換素子10Aを示している。図7は、図6の一部を拡大して示した動作説明図である。
【0090】
この光電変換素子10Aは、帯状の導電性基材としての細線状の導電性基材11Aと、導電性基材11A上の、両端部を除く部分全体に形成された発電層14Aと、導電性基材11Aの両端部を覆う絶縁膜15Aと、発電層14Aの表面全体を覆うように形成された透明導電膜16Aとを備える。さらに光電変換素子10Aは、透明導電膜16Aの両端部に、該透明導電膜を補助する補助電極17Aを備えている。
【0091】
発電層14Aは、図7に示すように、p型Si18Aと、i型Si19Aと、n型Si20Aとからなるpin構造を有する半導体膜で構成されている。したがって、補助電極17Aはp側電極であり、導電性基材11Aがn側電極となる。
【0092】
以上の構成を有する光電変換素子10Aの動作を、図6および図7に基づいて説明する。
【0093】
太陽光が透明導電膜16Aに入射すると、この光は透明導電膜16Aを通って発電層14Aに入射する。これにより、発電層14Aでは、光の吸収による内部光電効果によってキャリア(図7のキャリア21A)が発生し(伝導電子が増え)、発電層14Aのpin構造の界面に存在する内蔵電場によって拡散する。
【0094】
これにより、電子が図7の矢印Bで示すように発電層14Aからそのn型Si(n型導電性を有する半導体膜)20A側にある導電性基材11Aへ移動し、この導電性基材11Aの幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動する。また、正孔が発電層14Aからそのp型Si(p型導電性を有する半導体膜)18A側にある透明導電膜16Aへ移動し、この透明導電膜16Aを幅方向端部側へ、最大でその幅の1/2移動して補助電極17Aに集電される。これにより、発電された電力が外部に取り出される。このため、正孔が移動する透明導電膜16Aの抵抗による電圧降下が小さく、ロスが少ない。従って、太陽電池などに用いる変換効率(光エネルギーから電気エネルギーへの変換効率)の良い光電変換素子が得られる。
【0095】
このような構成を有する第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0096】
次に、図2に示す光電変換素子10および光電変換モジュールの作製方法を説明する。
1.細線状の薄板ガラス10を作製する。
作製方法は、一般的なリドロー法、ダウンドロー法、フロート法、フュージョン法などによる。
次に、作製した細線状の薄板ガラス10を供給側リール(図示省略)に巻回し、その端部を巻取り側リール(図示省略)に固定した状態で、巻取り側リールに薄板ガラス10を巻き取りながら、以下の工程を連続的に行う。
【0097】
2.第1の透明導電膜12を薄板ガラス10上に作製する。
透明導電膜12の作製は、熱CVD法、スプレー法、塗布法など種々の方法が使える。
【0098】
3.第1の補助電極13を作製する。
金属含有ペーストの塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
【0099】
4.第1の補助電極13を覆うように絶縁膜15を作製する。
溶液塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
【0100】
5.発電に寄与するpin構造またはpn構造を有する発電層14を作製する。
各種CVD、蒸着、スパッタなどにより積層膜を作製する。
【0101】
6.第2の透明導電膜16を発電層14上に作製する。
透明導電膜16の作製は、熱CVD法、スプレー法、塗布法など種々の方法が使える。
【0102】
7.第2の補助電極17を作製する。
金属含有ペーストの塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
これにより、図2に示す光電変換素子10の作製が完了する。
【0103】
このようにして作製した複数の光電変換素子10を配列し、隣接する光電変換素子10同士を電気的に接続することで、図4および図5に示す光電変換モジュール1Aおよび1Bを作製する。
【0104】
この場合、設計電流値、設計電圧値が得られるように各セルを直列もしくは並列に電気的に接続する。その接続には、はんだ、ワイヤボンディング、テンプレート基板への接合などにより行う。
【0105】
このようにして、複数の光電変換素子10を並べて配列し、隣接する光電変換素子10同士を電気的に接続することで、図4および図5に示す光電変換モジュール1Aおよび1Bを簡単に作製することができる。
【0106】
このような光電変換素子10および光電変換モジュールの作製方法によれば、以下の作用効果を奏する。
【0107】
○細線状の薄板ガラス10上に形成される第1の透明導電膜12、発電層14および第2の透明導電膜16は細線状の薄板ガラス10と同様に細線状の形態を有するので、装置を大型化せずに、第1の透明導電膜12、発電層14および第2の透明導電膜16を、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。
【0108】
○上記各工程を、巻取り側リールに薄板ガラス10を巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。
【0109】
○作製した光電変換素子10を複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0110】
次に、図6に示す光電変換素子10Aおよび光電変換モジュールの作製方法を説明する。
【0111】
1.細線状の薄板ガラス10を作製する。
作製方法は、一般的なリドロー法、ダウンドロー法、フロート法、フュージョン法などによる。
次に、作製した細線状の導電性基材11Aを供給側リール(図示省略)に巻回し、その端部を巻取り側リール(図示省略)に固定した状態で、巻取り側リールに導電性基材11Aを巻き取りながら、以下の工程を連続的に行う。
【0112】
2.導電性基材11Aの両端部を覆う絶縁膜15Aを作製する。
溶液塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
【0113】
3.導電性基材11A上の両端部を除く部分全体に、発電に寄与するpin構造またはpn構造を有する発電層14Aを作製する。
各種CVD、蒸着、スパッタなどにより積層膜を作製する。
【0114】
4.発電層14Aの表面全体を覆うように透明導電膜16Aを作製する。
透明導電膜16Aの作製は、熱CVD法、スプレー法、塗布法など種々の方法が使える。
【0115】
5.透明導電膜16Aの両端部に、この透明導電膜16Aを補助する補助電極17Aを作製する。
金属含有ペーストの塗布・焼成、部分成膜(スパッタ、蒸着、CVDなど)が使える。
これにより、図2に示す光電変換素子10の作製が完了する。
このようにして作製した複数の光電変換素子10Aを並べて配列し、隣接する光電変換素子10A同士を電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製する。
【0116】
この場合、設計電流値、設計電圧値が得られるように各セルを直列もしくは並列に電気的に接続する。その接続には、はんだ、ワイヤボンディング、テンプレート基板への接合などにより行う。
【0117】
このような光電変換素子10Aおよび光電変換モジュールの作製方法によれば、以下の作用効果を奏する。
【0118】
○細線状の導電性基材11A上に形成される発電層14Aおよび透明導電膜16Aは細線状の導電性基材11Aと同様に細線状の形態を有するので、装置を大型化せずに、発電層14Aおよび透明導電膜16Aを、均一性を保って形成できる。このため、設備投資が少なくなり、製造コストを低減できる。
【0119】
○上記各工程を、巻取り側リールに導電性基材11Aを巻き取りながら連続的に行うので、生産性が高くなる。
【0120】
○作製した光電変換素子10Aを複数並べて電気的に接続することで、光電変換モジュールを作製できるので、貴重なSiなどの半導体材料を無駄に捨てることがなく、Siなどの半導体材料の使用量を低減することができる。
【0121】
次に、上記第1実施形態に係る光電変換素子10の変形例を、図8乃至図10に基づいて説明する。
【0122】
図8に示す光電変換素子10Bは、薄板ガラス11の表面全体を覆う透明導電膜40と、発電層14の表面全体を覆う不透明な導電膜41とを備える。この導電膜41は、例えば金属薄膜である。その他の構成は、に係る光電変換素子10と同様である。
【0123】
図9に示す光電変換素子10Cは、薄板ガラス11の表面全体を覆う透明導電膜40と、発電層14の表面全体を覆う不透明な導電膜41と、透明導電膜40の両端部に形成された補助電極13とを備える。
【0124】
図10に示す光電変換素子10Dは、図9に示す光電変換素子10Cにおいて、導電膜41の両端部に補助電極43を設けたものである。
【0125】
次に、上記第2実施形態に係る光電変換素子10Aの変形例を、図11乃至図13に基づいて説明する。
【0126】
図11に示す光電変換素子10Eは、図6に示すに係る光電変換素子10Aにおいて、補助電極17Aの無い構成である。
【0127】
図12に示す光電変換素子10Fは、図11に示す光電変換素子10Eにおいて、細線状の導電性基材11Aと発電層14Aとの間に透明導電膜50を設けた構成を有する。この構成によれば、導電性基材11Aと発電層14Aとの間での相互拡散が透明導電膜50により抑制されるので、信頼性が高くかつ長寿命の光電変換素子が得られる。
【0128】
図13に示す光電変換素子10Gは、図12に示す光電変換素子10Fにおいて、透明導電膜16Aの両端部に補助電極17Aを設けた構成を有する。
【0129】
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
【0130】
・図2および図3に示す上記第1実施形態に係る光電変換素子10では、発電層14がpin構造を有する半導体膜で構成された場合について説明したが、発電層14がp型Siとn型Siのpn構造を有する半導体膜で構成された光電変換素子にも本発明は適用可能である。この場合、発電層14を構成するp型Siとn型Siの各半導体膜は、それぞれ多結晶シリコンで構成される。
【0131】
・図6に示す上記第4実施形態に係る光電変換素子10Aに代えて、次のような構成を有する光電変換素子にも本発明は適用可能である。すなわち、この光電変換素子は、細線状の導電性基材11Aと、この導電性基材11Aの表面全体を覆うように形成された第1の透明導電膜と、この透明導電膜の両端部に設けられこの透明導電膜を補助する第1の補助電極と、を備える。この光電変換素子はさらに、第1の透明導電膜上の、両端部を除く部分全体に形成された発電層14Aと、第1の透明導電膜の両端部および第1の補助電極を覆う絶縁膜15Aと、発電層14Aの表面全体を覆う第2の透明導電膜(16A)と、第2の透明導電膜の両端部に設けられ透明導電膜16を補助する第2の補助電極(17A)とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】複数の光電変換素子を有する光電変換モジュールを示す斜視図。
【図2】第1実施形態に係る光電変換素子を示す断面図で、図1のA部の拡大断面図である。
【図3】図2の一部を拡大して示した動作説明図。
【図4】第2実施形態に係る光電変換モジュールを示す断面図。
【図5】第3実施形態に係る光電変換モジュールを示す断面図。
【図6】第4実施形態に係る光電変換素子を示す断面図。
【図7】図6の一部を拡大して示した動作説明図。
【図8】第1実施形態に係る光電変換素子の変形例を示す断面図。
【図9】第1実施形態に係るに係る光電変換素子の別の変形例を示す断面図。
【図10】第1実施形態に係る光電変換素子の別の変形例を示す断面図。
【図11】第4実施形態に係る光電変換素子の変形例を示す断面図。
【図12】第4実施形態に係る光電変換素子の別の変形例を示す断面図。
【図13】第4実施形態に係る光電変換素子の別の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
【0133】
1,1A,1B:光電変換モジュール
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G:光電変換素子
11:薄板ガラス
11A:導電性基材
12:第1の透明導電膜
13:第1の補助電極
14,14A:発電層
15,15A:絶縁膜
16:第2の透明導電膜
16A:透明導電膜
17:第2の補助電極
17A:補助電極
18,18A:p型Si
19,198A:n型Si
20,20A:p型Si
40,50:透明導電膜
41:導電膜
43:補助電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のガラス基板と、
前記ガラス基板の表面全体を覆うように形成された透明導電膜と、
前記透明導電膜上の、両端部を除く部分全体に形成されたpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層と、
前記透明導電膜の両端部を覆う絶縁膜と、
前記発電層の表面全体を覆う導電膜と、
を備えることを特徴とする光電変換素子。
【請求項2】
前記ガラス基板の表面全体を覆う前記透明導電膜の両端部に補助電極が設けられており、かつ、前記絶縁膜は前記透明導電膜の両端部および前記補助電極を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記発電層の表面全体を覆う前記導電膜の両端部に第2の補助電極が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記導電膜は透明導電膜であることを特徴とする請求項3に記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記ガラス基板の幅が1mm以上、20mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の光電変換素子。
【請求項6】
前記半導体膜はシリコン薄膜であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の光電変換素子。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の前記光電変換素子が複数並べて配置され、隣接する2つの前記光電変換素子間を電気的に接続したことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項8】
複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に並列に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の光電変換モジュール。
【請求項9】
複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の光電変換モジュール。
【請求項10】
帯状の導電性基材と、
前記導電性基材上の、両端部を除く部分全体に形成されたpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層と、
前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜と、
前記発電層の表面全体を覆うように形成された透明導電膜と、
を備えることを特徴とする光電変換素子。
【請求項11】
前記透明導電膜の両端部に補助電極が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の光電変換素子。
【請求項12】
前記導電性基材と前記発電層との間に、透明導電膜が設けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載の光電変換素子。
【請求項13】
前記導電性基材の幅が1mm以上、20mm以下であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一つに記載の光電変換素子。
【請求項14】
前記半導体膜はシリコン薄膜であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一つに記載の光電変換素子。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか一つに記載の前記光電変換素子が複数並べて配置され、隣接する2つの前記光電変換素子間を電気的に接続したことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項16】
複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に並列に接続されていることを特徴とする請求項15に記載の光電変換モジュール。
【請求項17】
複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項15に記載の光電変換モジュール。
【請求項18】
帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項19】
帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部および前記補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項20】
帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に第1の補助電極を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部および前記第1の補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う前記導電膜の両端部に第2の補助電極を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項21】
帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に第1の補助電極を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部および前記第1の補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う第2の透明導電膜を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う前記第2の透明導電膜の両端部に第2の補助電極を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項22】
帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記導電性基材上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項23】
帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記導電性基材上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項24】
帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記導電性基材表面に第1の透明導電膜を形成する工程と、
前記導電性基材の両端部および前記第1の透明導電膜の一部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記導電性基材上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う第2の透明導電膜を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項25】
帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記導電性基材表面に第1の透明導電膜を形成する工程と、
前記導電性基材の両端部および前記第1の透明導電膜の一部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記導電性基材上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う第2の透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項1】
帯状のガラス基板と、
前記ガラス基板の表面全体を覆うように形成された透明導電膜と、
前記透明導電膜上の、両端部を除く部分全体に形成されたpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層と、
前記透明導電膜の両端部を覆う絶縁膜と、
前記発電層の表面全体を覆う導電膜と、
を備えることを特徴とする光電変換素子。
【請求項2】
前記ガラス基板の表面全体を覆う前記透明導電膜の両端部に補助電極が設けられており、かつ、前記絶縁膜は前記透明導電膜の両端部および前記補助電極を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
【請求項3】
前記発電層の表面全体を覆う前記導電膜の両端部に第2の補助電極が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。
【請求項4】
前記導電膜は透明導電膜であることを特徴とする請求項3に記載の光電変換素子。
【請求項5】
前記ガラス基板の幅が1mm以上、20mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の光電変換素子。
【請求項6】
前記半導体膜はシリコン薄膜であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の光電変換素子。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の前記光電変換素子が複数並べて配置され、隣接する2つの前記光電変換素子間を電気的に接続したことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項8】
複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に並列に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の光電変換モジュール。
【請求項9】
複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項7に記載の光電変換モジュール。
【請求項10】
帯状の導電性基材と、
前記導電性基材上の、両端部を除く部分全体に形成されたpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層と、
前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜と、
前記発電層の表面全体を覆うように形成された透明導電膜と、
を備えることを特徴とする光電変換素子。
【請求項11】
前記透明導電膜の両端部に補助電極が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の光電変換素子。
【請求項12】
前記導電性基材と前記発電層との間に、透明導電膜が設けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載の光電変換素子。
【請求項13】
前記導電性基材の幅が1mm以上、20mm以下であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一つに記載の光電変換素子。
【請求項14】
前記半導体膜はシリコン薄膜であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一つに記載の光電変換素子。
【請求項15】
請求項10乃至14のいずれか一つに記載の前記光電変換素子が複数並べて配置され、隣接する2つの前記光電変換素子間を電気的に接続したことを特徴とする光電変換モジュール。
【請求項16】
複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に並列に接続されていることを特徴とする請求項15に記載の光電変換モジュール。
【請求項17】
複数の前記光電変換素子は、隣接する2つの前記光電変換素子間が電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項15に記載の光電変換モジュール。
【請求項18】
帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項19】
帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部および前記補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項20】
帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に第1の補助電極を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部および前記第1の補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う導電膜を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う前記導電膜の両端部に第2の補助電極を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項21】
帯状のガラス基板を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記ガラス基板の表面全体に透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に第1の補助電極を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部および前記第1の補助電極を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記透明導電膜上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う第2の透明導電膜を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う前記第2の透明導電膜の両端部に第2の補助電極を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項22】
帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記導電性基材上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項23】
帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記導電性基材の両端部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記導電性基材上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項24】
帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記導電性基材表面に第1の透明導電膜を形成する工程と、
前記導電性基材の両端部および前記第1の透明導電膜の一部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記導電性基材上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う第2の透明導電膜を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【請求項25】
帯状の導電性基材を供給側リールに巻回し、その端部を巻取り側リールに固定した状態で、
前記導電性基材表面に第1の透明導電膜を形成する工程と、
前記導電性基材の両端部および前記第1の透明導電膜の一部を覆う絶縁膜を形成する工程と、
前記導電性基材上にpn構造若しくはpin構造を有する半導体膜で構成された発電層を形成する工程と、
前記発電層の表面全体を覆う第2の透明導電膜を形成する工程と、
前記透明導電膜の両端部に補助電極を形成する工程と、
を、前記巻取り側リールに前記ガラス基板を巻き取りながら、連続的に行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−231502(P2009−231502A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74461(P2008−74461)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
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