説明

入力装置

【課題】 特に製造コストの低減を図ることができる入力装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 本実施形態の入力装置は、透光性の第1の操作表示部15及び非透光性の枠体20を備え、表面が操作面2aとされた操作パネル2と、操作パネル2の裏面側に配置された液晶ディスプレイ3と、枠体20の一部に設けられた透光性の第2の操作表示部16〜19と、入力操作を検知可能な透光性のセンサ部材4と、を有する。第1の操作表示部15はガラス部材11で形成されており、枠体20は樹脂で形成されている。枠体20は着色されて非透光性とされており、第2の操作表示部の位置に空間部が形成され、導光体が前記空間部内に保持されている。第2の操作表示部の位置では、導光体、センサ部及び液晶ディスプレイが対向している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作パネルと、操作パネルの裏面側に配置された表示装置と、操作位置を検知可能なセンサ部と、を有する入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には導光路付き表示パネルの発明が開示されている。この特許文献には、パネルの裏面に導光路と導光路に対する光源とを備えた表示パネルが開示されている。導光路は平面方向に複数に分離して設けられ、光源からの光が各導光路に導かれて各表示部を照光することができる。
【0003】
また特許文献2には、携帯端末器機等に用いられる入力装置の発明が開示されている。特許文献2では、中央部に大きい表示部と、表示部の周囲の位置に設けられた操作部とを備え、操作部の裏面には位置検知が可能なパッド部及び有機EL素子が配置されている。
【0004】
しかしながら特許文献2では、前記表示部及び操作部(明示部)が設けられた操作パネルがどのような材質構成によるものか定かでない。
【0005】
例えば高級感を出すべく操作パネル全体をガラス部材とした構成とすると、操作部(明示部)の加工や加飾等の各種費用が加算して、製造コストが大幅に上昇する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−116044号公報
【特許文献2】特開2007−202124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、従来に比べて画面視認性の向上と製造コストの低減を図ることができる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における入力装置は、
透光性の第1の操作表示部及び前記第1の操作表示部の側方に位置する非透光性の側部を備え、表面が操作面とされた操作パネルと、
前記操作パネルの前記操作面と高さ方向にて対向する裏面側に配置された表示装置と、
前記側部の一部に前記裏面から前記操作面に向けて光を透過する導光体が設けられて構成された透光性の第2の操作表示部と、
前記第1の操作表示部及び前記第2の操作表示部に対する入力操作を検知可能な透光性のセンサ部材と、を有し、
前記表示装置は、前記第1の操作表示部と高さ方向にて対向するとともに、前記第2の操作表示部と高さ方向にて対向する位置まで延出して、前記第2の操作表示部の光源とされており、
前記第1の操作表示部はガラス部材で形成されており、前記側部は樹脂で形成されており、前記側部は着色されて非透光性とされており、前記側部の前記第2の操作表示部の位置に空間部が形成され、前記導光体が前記空間部内に保持されており、前記第2の操作表示部の位置では、前記導光体、前記センサ部及び前記表示装置が高さ方向で対向していることを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、第1の操作表示部をガラス部材とし、第1の操作表示部の側方に位置する側部を樹脂で形成した。側部を着色して非透光性とし、前記側部の一部に空間部を設け、前記空間部内に導光体を保持して第2の操作表示部を構成した。第2の操作表示部の位置では、導光体、センサ部材及び表示装置が高さ方向にて対向している。本発明では表示装置を第2の操作表示部に対する光源として使用している。
【0010】
本発明では第1の操作表示部の部分だけガラス部材とし、側部を樹脂としたことで、良好な画面視認性を維持でき高級感を出すことができるとともに、側部の位置に簡単且つ適切に第2の操作表示部を形成することができ、製造コストの低減を図ることができる。また光源として表示装置を用いるため、第2の操作表示部の照光形態の自由度を高めることができる。
【0011】
本発明では、前記第2の操作表示部が複数設けられ、透光性基材上に各第2の操作表示部に位置する各導光体が設置されており、前記透光性基材と各導光体とが一体となって成形されている構成にできる。これにより簡単な構成で各第2の操作表示部の位置に導光体を設けることができる。
【0012】
また本発明では、前記第2の操作表示部に設けられた前記導光体の平面形状は、前記第2の操作表示部に表示される表示形態と略同一形状で形成されるものであり、あるいは前記第2の操作表示部に表示される表示形態よりも大きく形成される。特に導光体の平面形状を第2の操作表示部に表示される表示形態より大きく形成することで、表示装置での表示の切換に合わせて、第2の操作表示部にて様々な表示を実現できる。
【0013】
また本発明では、前記センサ部材は、前記操作パネルと前記表示装置との間に配置されることが好ましい。このとき、前記センサ部材は、前記操作パネルの裏面に貼着されていることが好ましい。
【0014】
また本発明では、前記センサ部材は、静電容量式センサであることが好ましい。
また本発明では、前記センサ部材は、前記第1の操作表示部と高さ方向で対向するとともに、前記第2の操作表示部と高さ方向で対向する位置まで延出していることが好ましい。
【0015】
また本発明では、前記センサ部材は、前記第1の操作表示部と高さ方向で対向する第1のセンサ部と、前記第2の操作表示部と高さ方向で対向する第2のセンサ部とに分離して形成されている形態とすることもできる。
【0016】
また本発明では、前記操作パネルは、前記ガラス部材と前記側部とが接着部材を介して接合されていることが好ましい。
【0017】
また本発明では、前記側部は枠体形状で形成されることが好ましい。本発明では第1の操作表示部をガラス部材で形成しているため、ガラス部材の周囲を樹脂の枠体で支持することができ操作パネルの安定性を向上させることができ好適である。
【0018】
また本発明では、前記操作パネルが平板状で形成される構成、あるいは、前記操作パネルの外周部は、前記操作面から離れる方向に湾曲して形成されている構成等とすることができる。
また前記表示装置は、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイであることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第1の操作表示部の部分だけガラス部材とし、側部を樹脂としたことで、良好な画面視認性を維持でき高級感を出すことができるとともに、側部の位置に簡単且つ適切に第2の操作表示部を形成することができ、製造コストの低減を図ることができる。また光源として表示装置を用いるため、第2の操作表示部の照光形態の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1(a)は、本実施形態における入力装置の平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA−A線に沿って高さ方向に切断し矢印方向から見た入力装置の縦断面図であり、図1(c)は、図1(b)の部分拡大縦断面図である。
【図2】図2は、導光体の斜視図である。
【図3】図3は、図2とは異なる導光体の斜視図である。
【図4】図4は、図1(c)と異なる実施形態における入力装置の部分拡大縦断面図である。
【図5】図5は、図1(b)と異なる実施形態における入力装置の縦断面図である。
【図6】図6は、図1(a)と異なる実施形態における入力装置の平面図である。
【図7】図7は、図1(b)の変形例である入力装置の縦断面図である。
【図8】図8(a)(b)(c)は、図1(c)の変形例である入力装置の部分拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1(a)は、本実施形態における入力装置の平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA−A線に沿って高さ方向に切断し矢印方向から見た入力装置の縦断面図であり、図1(c)は、図1(b)の部分拡大縦断面図である。
【0022】
図1に示すX方向及びY方向は平面内にて直交する2方向を指す。Z方向は平面に直交する高さ方向である。
【0023】
本実施形態における入力装置1は携帯電話や携帯ゲーム機等の操作入力装置を構成し、筐体の操作面側に位置するものである。
【0024】
図1に示す入力装置1は、操作パネル2と、操作パネル2の裏面2b側に配置された液晶ディスプレイ(LCD)(表示装置)3と、操作パネル2と液晶ディスプレイ3との間に配置されたセンサ部材4と、を有して構成される。表示装置としては液晶ディスプレイ3に限定されない。例えば表示装置として図7に示すように有機ELディスプレイ40を用いることができる。
【0025】
図1(a)(b)(c)に示す操作パネル2の表面2aが操作面(以下、操作面2aと称する)である。
【0026】
この実施形態では、操作パネル2は、中央部の四角形の領域が平板状のガラス部材11で、ガラス部材11を囲む周囲の領域が枠体(側部)20である。ガラス部材11は枠体20に接着部材30(図1(c)参照)を介して固定されている。平板状のガラス部材11は透光性であり、表示光を透過させることができる。本明細書での透光性とは、透明または半透明など光を透過可能な状態を意味しており、透過率が50%以上で好ましくは80%以上であることを意味している。
【0027】
一方、枠体20は透光性部材に着色剤等を混ぜて非透光性とされている。枠体20は金型に熱可塑性樹脂を充填して成形したものである。なお枠体20には図示しない受話口や送話口等の開口部が設けられていてもよい。なお枠体20には熱可塑性樹脂以外に、熱硬化性樹脂を用いることが可能である。
【0028】
この実施形態では、ガラス部材11の表面11a(操作面2a)は、平面で形成されるが、枠体20の表面20aは外周縁20bから内周にかけて緩やかに凹んでおり、このため図1(b)に示すように、ガラス部材11の表面11aは、枠体20の外周縁20bよりもやや下方に位置している。ただし、図1に示す表面形態は一例であり、例えば図8(a)に示すように、枠体20の表面20aがガラス部材11の表面11aと連続した平面で形成されていてもよい。
【0029】
あるいは図8(b)に示すように、枠体20の表面20aの外周縁20bが面取りされていてもよい。または図8(c)のように外周縁20bからガラス部材11の表面11a方向に向けて枠体20の厚さ寸法が増すように表面20aが傾斜しており、この傾斜が第2の操作表示部16の位置まで延びていてもよい(第2の操作表示部16の表面も傾斜している)。
【0030】
このようにガラス部材11の表面11aからその周囲に位置する枠体20の表面20aにかけて、平板型や曲面型(凹型や凸型等)とすることができる。
【0031】
ガラス部材11は透光性からなる第1の操作表示部15を構成する。一方、非透光性の枠体20の一部には透光性からなる複数の第2の操作表示部16〜19が設けられる。この実施形態では、各第2の操作表示部16〜19の表示形態が夫々、数字の1、2、3、4とされているが、これは一例であり、例えば特定のアイコン表示等、異なる表示形態とされていてもよい。
【0032】
図1(a)に示すように第1の操作表示部15の表面は操作パネル2の中央に略矩形状で現れる。第1の操作表示部15は、操作パネル2の大部分を占めており、液晶ディスプレイ3の画面表示を第1の操作表示部15を通して見ることができる。
【0033】
図1(a)に示すように第1の操作表示部15の周囲に樹脂(プラスチック)からなる枠体20が設けられている。例えば枠体20のX方向に位置する枠体後端部20cに透光性からなる複数の第2の操作表示部16〜19が設けられている。例えば各第2の操作表示部16〜19はY方向に間隔を空けて一列に配列されている。また枠体後端部20cの反対側の枠体前端部20dには図示しないロゴタイプなどが設けられていてもよい。
【0034】
図1(b)(c)に示すように、枠体20とガラス部材11とが一定の間隔を空けて配置され、前記間隔内に接着部材30が充填されており、これにより、ガラス部材11と枠体20との側面同士が接着部材30を介して接合される。なお、接着部材30自体は応力を吸収緩和する緩衝層として作用する。これにより本実施形態では、温度変化によって枠体20とガラス部材11とが膨張収縮しても、前記ガラス部材11から枠体20に加わる応力が緩和される。
【0035】
図1(c)に示すように、ガラス部材11の外側側面11cは傾斜面で形成される。また図1(c)に示すように、枠体20の内側側面20eは傾斜面で形成される。図1(c)に示すように、ガラス部材11の外側側面11cの傾斜角θ1は、枠体20の内側側面20eの傾斜角θ2よりも大きい。ここで傾斜角θ1,θ2はガラス部材11の裏面11bからの傾き角度で示される。図1(b)に示すようにガラス部材11の縦断面は台形状となっている。
【0036】
このように、ガラス部材11の外側側面11cの傾斜角θ1のほうが、枠体20の内側側面20eの傾斜角θ2よりも大きいから、ガラス部材11を枠体20内に無理なく挿入できる。
【0037】
なおガラス部材11を枠体20にはめ込む前に、接着部材30を、予めガラス部材11の外側側面11c(あるいは枠体20の内側側面20e)に塗布しておいてもよいし、または、ガラス部材11を枠体20にはめ込んだ後、ガラス部材11の外側側面11cと枠体20の内側側面20e間の隙間内に接着部材30を充填してもよい。
【0038】
図1(b)(c)に示すように操作パネル2の裏面2bは、ガラス部材11及び枠体20の各裏面で構成され、前記裏面2bは平面で形成される。
【0039】
図1(b)(c)に示すように、操作パネル2の裏面2bに透光性のセンサ部材4がアクリル系粘着剤などの透光性の粘着層を介して貼着されている。
【0040】
例えばセンサ部材4は、基材を介して上部電極層と下部電極層(図示してない)が対向し、指が接近したときに電極層と指との間の静電容量による信号の変化を検知する静電容量式センサである。なお静電容量式センサの構造については限定されるものではない。各電極層はITO等の透明電極で形成され、各電極層を支持する基材は透明基材で形成される。
【0041】
このようにセンサ部材4を備えることで、指等で操作面2a上を操作したときにその操作位置座標をセンサ部材4により検知することができる。
【0042】
センサ部材4を操作パネル2の裏面2b側でなく操作面2a側に配置することもできるが、操作パネル2の裏面2bとしたほうがセンサ部材4の配置の自由度が高い。なおセンサ部材4を操作パネル2の操作面2a側に配置する構成では、センサ部材4としては静電容量式センサのみならず抵抗膜式センサ等の使用も可能である。
【0043】
またセンサ部材4を操作パネル2の裏面2bに貼着せず、例えば、センサ部材4を操作パネル2の裏面2bから離して、操作パネル2と液晶ディスプレイ3間に配置することも可能であるが、センサ部材4を操作パネル2の裏面2bに貼着することで操作パネル2とセンサ部材4間の位置合わせを適切且つ簡単に行うことができ好適である。
【0044】
図1(b)(c)に示すように、操作パネル2の裏面2b側には、所定距離だけ離れた位置に液晶ディスプレイ3が配置されている。
【0045】
図1(a)には点線でセンサ部材4及び液晶ディスプレイ3の外縁が示されている。図1(a)(b)(c)に示すように第1の操作表示部15を構成するガラス基材11、センサ部材4及び液晶ディスプレイ3が高さ方向(Z)にて対向している。したがって、第1の操作表示部15の操作面2aを入力操作したとき、操作位置座標をセンサ部材4により検知することができ、また液晶ディスプレイ3の表示画面を第1の操作表示部15を通して見ることができる。そしてセンサ部材4による操作信号に基づいて液晶ディスプレイ3の表示画面を変えることができる。
【0046】
さらに本実施形態では、非透光性の枠体20の一部に透光性の第2の操作表示部16〜19が設けられている。図1(b)(c)に示すように、各第2の操作表示部16〜19では、枠体20の表面(操作面)20aから裏面20fにかけて導光体25〜28(図1(a)も参照。なお図1(b)(c)には導光体25のみが図示されている)が設けられている。
【0047】
各第2の操作表示部16〜19では、枠体20の表面(操作面)20aから裏面20fにかけて貫通する空間部が形成され、各空間部内に成形品としての導光体25〜28が接着剤等により保持されている。
【0048】
導光体25は透光性樹脂の成形品であることが好ましく、アクリル樹脂等で形成されている。
【0049】
本実施形態では、枠体20に着色剤等を混入して枠体20を非透光性材料で形成し、枠体20の各第2の操作表示部16〜19の部分に空間部を設けて、前記空間部内に導光体25〜28を保持することで、光を各導光体25〜28の裏面側から表面側に向けて適切に透過させることができ、各第2の操作表示部16〜19の視認性を高めることができる。
また枠体20と導光体25の材質を変えて二色成形することもできる。
【0050】
本実施形態では、図1(a)(b)(c)に示すように、センサ部材4及び液晶ディスプレイ3が各導光体25〜28と高さ方向(Z)にて対向する位置まで延びている。したがって、各第2の操作表示部16〜19の表面20a(操作面2a)を指等で入力操作(接触)したとき、操作位置座標の検知が可能なセンサ部材4により、どの第2の操作表示部16〜19に入力操作したかを検知できる。また液晶ディスプレイ3を光源として各第2の操作表示部16〜19の照光が可能になる。そしてセンサ部材4による操作信号に基づいて第1の操作表示部15を通して見ることができる液晶ディスプレイ3の画面表示を変えたり、あるいはある特定の機能を立ち上げたり、または第2の操作表示部16〜19の照光状態を変化させたりすることができる。
【0051】
このように本実施形態では、第1の操作表示部15をガラス部材11とし、第1の操作表示部15の側方に位置する枠体(側部)20を樹脂で形成した。枠体20を着色して非透光性とし、前記枠体20の一部に空間部を設け、前記空間部内に導光体25〜28を保持して第2の操作表示部16〜19を構成した。第2の操作表示部16〜19の位置では、導光体25〜28、センサ部材4及び液晶ディスプレイ3が高さ方向(Z)にて対向している。本実施形態では液晶ディスプレイ3を第2の操作表示部16〜19に対する光源として使用している。
【0052】
本実施形態では第1の操作表示部15の部分だけガラス部材11とし、枠体20を着色された樹脂とし、枠体20の一部に空間部を設けて、その空間部内に裏面から表面にかけて光を透過できる導光体を保持して第2の操作表示部16〜19としたことで、良好な画面視認性を維持でき高級感を出すことができるとともに、枠体20の位置に簡単且つ適切に第2の操作表示部16〜19を形成することができ、製造コストの低減を図ることができる。また本実施形態では光源として液晶ディスプレイ3を用いるため、各第2の操作表示部16〜19の照光状態を自由に変えることができる。例えば、入力操作した第2の操作表示部16〜19の照光色を変化させたり、あるいは各第2の操作表示部16〜19の間でイルミネーション表示を行うことができる。また点滅させたり、徐々に色が変わっていくように動的な調整をすることもできる。
【0053】
図2は本実施形態における導光プレートの斜視図である。
図2に示すように、導光プレート13は、平板状の透光性基材14の表面に各導光体25〜28がY方向に所定の間隔を空けて配列されている。各導光体25〜28の高さ寸法は、枠体20の厚さ寸法と略一致している。
【0054】
また図2に示すように各導光体25〜28の平面形状は各第2の操作表示部16〜19の表示形態に一致している。すなわち導光体25の平面形状は数字の1であり、導光体26の平面形状は数字の2であり、導光体27の平面形状は数字の3であり、導光体28の平面形状は数字の4である。
【0055】
図2に示す導光プレート13の各導光体25〜28と枠体20の各第2の操作表示部16〜19に形成された空間部とを位置合わせして前記導光プレート13を枠体20にはめ込むことができる。
【0056】
あるいは図3に示すように例えば平面形状が四角状とされた各導光体32〜35を有する導光プレート31としてもよい。このとき、各導光体32〜35の平面形状は、各第2の操作表示部16〜19に表示される表示形態よりも大きく形成される。すなわち、図3に示すように、各導光体32〜35の平面形状は、各第2の操作表示部16〜19に表示される数字の1〜4の表示形態よりも大きく形成される。各導光体32〜35の平面形状は四角形以外にも円形等で形成できる。
【0057】
第2の操作表示部16〜19に現れる表示形態(実施形態では数字の1〜4)は、各導光体32〜35と高さ方向(Z)で対向する液晶ディスプレイ3で作成され、液晶ディスプレイ3の表示を、各導光体32〜35を通して入力装置1の各第2の操作表示部16〜19にて見ることができる。このため図3の導光プレート31を用いれば、各第2の操作表示部16〜19の表示形態を、液晶ディスプレイ3の表示により自由に変えることが可能になる。
【0058】
図4に示す他の実施形態では、図1と異なって、センサ部材36を第1のセンサ部37と第2のセンサ部38とに分けている。第1のセンサ部37を第1の操作表示部15(ガラス部材11)の裏面に配置し、第2のセンサ部38を第2の操作表示部16〜19(導光体25〜28)の裏面に配置する。なお、第2のセンサ部38は、各第2の操作表示部16〜19の裏面に個々分離して配置してもよいし、各第2の操作表示部16〜19を全てカバーするようにY方向に延びる帯状としてもよい。
【0059】
第1のセンサ部37と第2のセンサ部38を同じセンサ構造としてもよいし異なるセンサ構造としてもよい。ただし第1のセンサ部37と第2のセンサ部38は共に静電容量式センサであることが好ましい。
【0060】
なお図4の構成は、第1の操作表示部15と第2の操作表示部16〜19とで必要とされるセンサ感度や機能等が違う場合には有効であるが、特にそのような必要性がない場合には、図1で示したように第1の操作表示部15に対する第1のセンサ部と第2の操作表示部16〜19に対する第2のセンサ部とを一つのセンサ部材4とすることが構造を簡略化でき、またコスト安になり好適である。
【0061】
また図5に示す入力装置は、図1(b)に示す断面構造の一部を変えたものであり、枠体20の外周部20gを下方に向けて湾曲形成しており、操作パネル2を立体的な構造とすることができる。
【0062】
図6に示す構造では、ガラス部材11(第1の操作表示部15)のX方向の両側にだけ非透光性の後端部50と前端部51とが設けられ、図1のように枠体形状となっていない。そして後端部50に複数の第2の操作表示部16〜19が設けられる。図6の形態では第1の操作表示部15の画面をより大きくできる。ただし図1のように枠体20としたほうがガラス部材11をしっかりと支持することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 入力装置
2 操作パネル
2a 操作面
2b 裏面
3 液晶ディスプレイ
4、36 センサ部材
11 ガラス部材
13、31 導光プレート
15 第1の操作表示部
16〜19 第2の操作表示部
20 枠体
25〜28、32〜35 導光体
30 接着部材
37 第1のセンサ部
38 第2のセンサ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の第1の操作表示部及び前記第1の操作表示部の側方に位置する非透光性の側部を備え、表面が操作面とされた操作パネルと、
前記操作パネルの前記操作面と高さ方向にて対向する裏面側に配置された表示装置と、
前記側部の一部に前記裏面から前記操作面に向けて光を透過する導光体が設けられて構成された透光性の第2の操作表示部と、
前記第1の操作表示部及び前記第2の操作表示部に対する入力操作を検知可能な透光性のセンサ部材と、を有し、
前記表示装置は、前記第1の操作表示部と高さ方向にて対向するとともに、前記第2の操作表示部と高さ方向にて対向する位置まで延出して、前記第2の操作表示部の光源とされており、
前記第1の操作表示部はガラス部材で形成されており、前記側部は樹脂で形成されており、前記側部は着色されて非透光性とされており、前記側部の前記第2の操作表示部の位置に空間部が形成され、前記導光体が前記空間部内に保持されており、前記第2の操作表示部の位置では、前記導光体、前記センサ部及び前記表示装置が高さ方向で対向していることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記第2の操作表示部が複数設けられ、透光性基材上に各第2の操作表示部に位置する各導光体が設置されており、前記透光性基材と各導光体とが一体となって成形されている請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記第2の操作表示部に設けられた前記導光体の平面形状は、前記第2の操作表示部に表示される表示形態と略同一形状で形成される請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第2の操作表示部に設けられた前記導光体の平面形状は、前記第2の操作表示部に表示される表示形態よりも大きく形成される請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記センサ部材は、前記操作パネルと前記表示装置との間に配置される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記センサ部材は、前記操作パネルの裏面に貼着されている請求項5記載の入力装置。
【請求項7】
前記センサ部材は、静電容量式センサである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項8】
前記センサ部材は、前記第1の操作表示部と高さ方向で対向するとともに、前記第2の操作表示部と高さ方向で対向する位置まで延出している請求項1ないし7のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項9】
前記センサ部材は、前記第1の操作表示部と高さ方向で対向する第1のセンサ部と、前記第2の操作表示部と高さ方向で対向する第2のセンサ部とに分離して形成されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項10】
前記操作パネルは、前記ガラス部材と前記側部とが接着部材を介して接合されている請求項1ないし9のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項11】
前記側部は枠体形状で形成される請求項1ないし10のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項12】
前記操作パネルは平板状で形成される請求項1ないし11のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項13】
前記操作パネルの外周部は、前記操作面から離れる方向に湾曲して形成されている請求項1ないし12のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項14】
前記表示装置は、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイである請求項1ないし13のいずれか1項に記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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