説明

共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造

【課題】オプション部材上部にその長手方向全体にわたり軟質樹脂を取り付けたり、把手を設ける必要がなく製造コストを抑え、しかもフレームの長手方向の任意位置にオプション部材を容易に立設することができる共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造を提供すること。
【解決手段】フレーム4を、少なくとも上下一対の杆材37,38と、両杆材37,38同士を上下に連結する連結部40とを備えるものとし、オプション部材6,7の上部に、上方に開口するように形成され、開口45の幅が連結部40の幅よりも大である溝部50を有する支持具9を取り付け、下方の杆材38を、溝部50に補形をなして嵌合する形状としたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共有空間構造体の外郭を画定する所定位置から立設したポールと、隣り合う前記ポールの上端にそれぞれ連結することで、ほぼ水平状態に支持されるフレームとの組み合わせからなる共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の共有空間構造体は、オフィス等の床面に立設したポールと、そのポールの上方を連結するフレームとによって平面視方形に構成され、ポールとフレームで囲まれた共有空間内に机や椅子等を持ち込んで簡易的なミーティングスペースとして利用している。このようの共有空間構造体において、オプション部材としてのパネルを、2つのポールとフレームで囲まれた箇所に立設保持するために、パネルの上端部にフレームに取り付けるために連結孔23aを有する連結片23を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、同じく隣り合うポールとフレームからなる面へ、仕切り板1(パネル)の上端部3と下端部4を軟質樹脂製に構成して、仕切板1の上端部を横架材A(フレーム)の開口溝2へ嵌合させ、仕切り板1を床面と横架材A間に立設したものが公知である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−139805号公報(第7頁、第6図)
【特許文献2】特開2005−155008号公報(段落[0029]から「0032」、図2(a)図3(b)図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の共有空間構造体におけるパネル体支持構造にあっては、パネルがフレームに対して連結孔を介して取り付けられるため、パネルの取付箇所が限定され、共有空間構造体におけるパネル配置に自由度が乏しく、取付場所を変えるにも手間がかかった。このような問題を回避するために、前記特許文献2に記載のごとき、仕切り板を横架材Aに直接接合しないようにしたものは、仕切り板の把手をもって上に持ち上げてその底部を浮かすことにより、横架材Aの長手方向に移動させることができ便利であるが、仕切り板の上端部全面に長手方向に渡って軟質樹脂材を接着等により取り付け、且つ把手を設ける必要があり、仕切り板の製造がコスト高になる難点があった。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、オプション部材上部にその長手方向全体にわたり軟質樹脂を取り付けたり、把手を設ける必要がなく製造コストを抑え、しかもフレームの長手方向の任意位置にオプション部材を容易に立設することができる共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造は、
共有空間構造体の外郭を画定する所定位置から立設したポールと、隣り合う前記ポールの上端にそれぞれ連結することで、ほぼ水平状態に支持されるフレームとの組み合わせからなり、前記フレームにオプション部材を支持したる共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造であって、
前記フレームを、少なくとも上下一対の杆材と、該両杆材同士を上下に連結する連結部とを備えるものとし、前記オプション部材の上部に、上方に開口するように形成され、該開口の幅が前記連結部の幅よりも大である溝部を有する支持具を取り付け、前記下方の杆材を、前記溝部に補形をなして嵌合する形状としたことを特徴としている。
この特徴によれば、オプション部材上部にその長手方向全体にわたり軟質樹脂を取り付けたり、把手を設ける必要がなく製造コストを抑え、しかも溝部の開口幅が連結部の幅よりも大であるので、上下一対の杆材と連結部から成るフレームであっても、下方の杆材の任意の位置に支持具の溝部を嵌合することで、オプション部材を容易に立設することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造は、請求項1に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造であって、
前記オプション部材の下端部に、高さ調整可能なアジャスタを取り付けたことを特徴とする。
この特徴によれば、オプション部材を床面との間に隙間を作って、溝部を下方の杆材に嵌合した状態でアジャスタを操作すれば、オプション部材を床面とフレーム間で突っ張り支持できるので、オプション部材の長さ寸法に対する誤差にとらわれることなく、オプション部材を不動状態に容易に立設支持することが可能である。
【0009】
本発明の請求項3に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造は、請求項1または2に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造であって、
前記支持具が、前記オプション部材への固着部と溝部の略半分を構成する半溝部を有する第1の部材と、前記第1の部材と着脱自在に嵌合し且つ溝部の他の半分を構成する半溝部から成ることを特徴としている。
この特徴によれば、フレームに対してのオプション部材の装着又は取り外しの場合に、ポールとフレームが設立された後でもオプション部材の装脱を容易に行うことができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造は、請求項3に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造であって、
前記下方の杆材の断面形状を略円形とし、前記溝部の断面形状を上向きC字状としたことを特徴としている。
この特徴によれば、溝部の断面形状が上向きC字状であるので、溝部と下方の杆材との嵌合を確実にすることができ、特に、アジャスタを用いた場合(請求項2の場合)に、オプション部材を床面から離した状態で吊持でき、アジャスタの回動操作が楽である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例1を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例1における共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造の全体像を示す斜視図であり、図2は、ポールとフレームを示す分解斜視図であり、図3は、図2におけるポールとフレームを示すA−A横断平面図であり、図4は、フレーム端部の支持ブラケットとポールの係合関係を示す側面図であり、図5は、フレームに取付けられた2つのパネル体を示す正面図であり、図6(a)は、把持上部材を示す斜視図であり、図6(b)は、把持上部材を示す平面図であり、図6(c)は、把持上部材を示す正面図であり、図7(a)は、把持下部材を示す斜視図であり、図7(b)は、把持下部材を示す正面図であり、図7(c)は、把持下部材を示す底面図であり、図8は、パネル体がフレームに取り付けられる前の状態を示す一部縦断側面図であり、図9は、パネル体がフレームに取り付けられた状態を示す一部縦断側面図である。以下、図5の紙面手前側をパネル体の支持構造の正面側とし、図8および図9の紙面右手側をパネル体の正面側として説明する。
【0013】
図1の主にオフィス等の屋内空間で使用される共有空間構造体は、コミュニケーションスペース(共有空間)を他のオフィス等の空間と区別するものであり、オフィス等の床面2の所定位置に立設されている。この共有空間構造体は、天井近傍までの高さを有する円柱状の4本のポール3と、隣り合うポール3間に水平に渡される4本のフレーム4から構築され、最小共有空間構造体1,1’が2つ連設されている。
【0014】
図1に示されるように、本実施例での最小共有空間構造体1は、4本のポール2と、4本のフレームから最小空間構造体を構成し、共有空間構造体1の水平方向の四方に2本のポール2と1本のフレーム3からなる開放面5によって、外部空間に十分に開放された関係で連接できる構造体であり、更に、この最小共有空間構造体1に2本のポール2’と、3本のフレーム3’からなる空間構造体を連接することで、最小共有空間構造体1’が最小共有空間構造体1に接続されるように構成されている。
【0015】
また、最小共有空間構造体1の開放面5のうちの1面に、オプション部材であるパネル体6及びパネル体7が取り付け可能な2本の支柱8が備えられている。更に詳しくは、図5に示されるように、パネル体6と支柱8の下端を床面2に垂直に立設させ、このパネル体6と支柱8の上端を支持具9にてフレーム4の下端と嵌合させている。
【0016】
また、最小共有空間構造体1、1’の床面にはテーブル72と椅子73が配置されており、ここでミーティングや会議を行うことが可能であり、テーブル72と椅子73を退けて展示ブースとしての使用も可能となっている。
【0017】
尚、本実施例では最小単位を構成する最小共有空間構造体1,1’を組み合わせて共有空間領域を拡張しているが、利用する共有空間構造体の広さによっては最小共有空間構造体1単体、若しくは3個以上複数組み合わせて使用しても良い。
【0018】
次に、本実施例で使用されているオプション部材の支持構造を備える最小共有空間構造体1の具体的な構造について説明する。図2に示すように、ポール3、フレーム4、支持ブラケット29、ポールアジャスタ13、ポールカバー14等の分解斜視図が示されている。
【0019】
ポール3の上方端面15には、雌螺子部17が形成されるとともに、ポール3の下方端面16にも雌螺子部(図示略)が形成されている。ポール3の下方端面16には、ボルト部18が設けられた円盤状に形成されたポールアジャスタ13が取り付けられるようになっており、このポールアジャスタ13は、そのボルト部18が雌螺子部(図示略)に螺着されることで取り付けられる。尚、このポールアジャスタ13はボルト部18を締緩することでポール3の高さを微調整する。
【0020】
また、本実施例でのポール3には、垂直方向に8本の溝条20が等間隔に形成されている。この8本の溝条20は、それぞれ外周方向に開口する形で断面視略U字型に形成されている(図3参照)。また、溝条20の開口21の水平方向両端には、開口21の水平方向の幅を狭める形で係止片22が設けられている。
【0021】
次に、取付材10は、フレーム4の垂直方向の幅と同程度の長さを有し、溝条20の形状と相補完する形状に形成されている。また、取付材10の上端には、溝条20の略U字型を拡大した係止材23が設けられる。更に、この取付材10は、ポール3の上方端面15から溝条20に垂直に挿通され、係止材23が上方端面15に当接するまで挿通される。
【0022】
次に、ポールカバー14は、ポール3の上方端面15が隠蔽可能な程度に大きな円盤状に形成される。また、ポールカバー14の下面の中心にはボルト部19が設けられており、このボルト部19をポール3の上方端面15側の雌螺子部17に螺着することで上方端面15の隠蔽が完了する。
【0023】
その後、取付材10の溝条20の開口21側に設けられた螺合孔(図示略)に図3に示すようにフレーム4の端部であるブラケット接合部28に形成された取付孔33を通して、ボルト32で締着させて取付材10とフレーム4が係止片22を挟持する。これによりポール3にフレーム4が取り付けられる。
【0024】
図4に示すように、ポール3に取り付けられたフレーム4は両端部近傍が支持ブラケット29にて構成されており、フレーム4の両端である両支持ブラケット29間にはそれぞれ上下に円筒状の杆材37と杆材38がフレーム4の長手方向に渡される。両支持ブラケット29は杆材37を渡すブラケット上部26、杆材38を渡すブラケット下部27、ブラケット上部26とブラケット下部27を上下方向に一体に接合するブラケット接合部28から構成され、支持ブラケット29のポール3に当接する端面30は支持ブラケット29の長手方向に延在するように形成されている。
【0025】
また、支持ブラケット29には、図4に示すように、連結材11をボルトで螺着する螺着孔35が側面に上下に2つ設けられている。この螺着孔35に、ポール3とこのポール3の両側に配設した両フレーム4で形成する内角の方向より連結材11をボルトにより螺着し、その後に連結材11の螺着したボルトを隠蔽するために連結材11へカバー部材12を被覆する。
【0026】
また、杆材37と杆材38間には、フレーム4の強度を向上させるためにトラス構造をなすように連結部40が配設され、杆材37と杆材38との接点を溶接で固着させる。
【0027】
尚、杆材37と杆材38の両端面の中心にはボルトの螺合孔31が存在し、この螺合孔31に両支持ブラケット29からボルト24を螺合することで支持ブラケット29が杆材37と杆材38に取り付けられフレーム4をなす。
【0028】
以上の構成とする最小共有空間構造体1の隣り合うポール3とフレーム4で囲まれる開放面5(図1参照)のうちの1つに、図5に示すように、オプション部材であるパネル体6、7を取り付ける。パネル体6,7は長方形状に形成されており、パネル体6は外周部をパネルフレーム25で覆われている。また、パネル体7は2本の支柱8により中空で係止される。
【0029】
パネル体6と支柱8は上端部を支持具9,9’にてフレーム4下端の杆材38へと嵌合しており、また、パネル体6と支柱8の下端部にはそれぞれのアジャスタ36が備えられている。特に、パネル体6の支持具9は上端の左右に計2個、アジャスタ36は下端の左右に2個備えられている。また、このアジャスタ36でパネル体6と支柱8は、高さを調節して床面2に接して立設される。
【0030】
まず、パネル体6をフレーム4下方の杆材38に嵌合させる支持具9の構成について述べる。支持具9は上方を断面略円形状の杆材38と補形をなす上向きに開口したC型とし、下方を略円筒形に形成し、図6,図7に示されるように把持上部材41と把持下部材42の2部材で構成されている。また、支持具9の上向きC型の開口45は、連結部40の幅αよりも広い幅βに形成される。(図9参照)
【0031】
図6(a),(b),(c)に示すように、支持具9の一方である把持上部材41は上方を把持部46、下方を嵌合部48として構成されている。具体的には、上方である把持部46には、支持具9での上向きC型の溝部50(図9参照)の略半分である半溝部51が形成されている。更に、把持上部材41の下方である嵌合部48は、図7に示す把持下部材42と互いに嵌合し易い補形状をしており、その形状は円柱体の一側面を長手方向に欠切した形で、垂直面44と半円柱形状からなる。
【0032】
この垂直面44には、把持下部材42と容易に嵌合するための嵌合穴53が2つ設けられているとともに、更に把持上部材41と把持下部材42を螺着するボルト穴54が設けられている。また、垂直面44の下端には把持下部材42をパネル体6に螺着するボルト69(図8参照)のボルト頭の逃げのための凹部55が形成されている。
【0033】
次に、図7(a),(b),(c)に示すように、把持下部材42は上方から、把持部47、嵌合部49、パネル体嵌合部56の順に構成される。把持下部材42の上方である把持部47は、把持上部材41の把持部46である半溝部51とで上向きC型の溝部50を形成する、もう一方の半溝部52が形成されている。
【0034】
また、嵌合部49には円柱体の一側面を長手方向に欠切して垂直面44’が形成され、かつ中心部分がボルト69の挿通のために半円形に取り除かれている平面視略U字状に形成している。垂直面44’には把持上部材41の嵌合穴53へ嵌合する嵌合突起57が2つ設けられており、把持上部材41との嵌合時にボルト穴54と対向する略U字形状の部分には、ボルト66を挿通する貫通孔58が設けられている。
【0035】
また、把持下部材42の下方であるパネル体嵌合部56には、嵌合部49と連接されている円柱状に形成された底部61と、更に底部61の下方に延在する嵌合凸部62が形成されている。嵌合凸部62はパネル体6へ把持下部材42を嵌合させ、かつ把持下部材42の回動を防ぐために略直方体形状に幅狭に形成されている。また、底部61の中心には把持下部材42をボルト69でパネル体6に螺着するための挿通孔63が垂直方向に貫通している。
【0036】
次に、支持具9を用いたパネル体6のフレーム4への取り付け手順を説明する。先ず、図8に示すように、把持下部材42の嵌合凸部62をパネル体6の外周部を覆っているパネルフレーム25の上端に設けられた嵌合凸部62と補形をなす嵌合凹部68に嵌合させる。その後、把持下部材42の挿通孔63を通してボルト69により把持下部材42をパネルフレーム25に螺着させる。
【0037】
この状態で、フレーム4の下端である杆材38の任意の場所へ把持下部材42の半溝部52を当接させ、対向して把持上部材41を把持下部材42に取り付ける。具体的には、両部材41,42の垂直面44,44’同士を当接させ、かつ把持下部材42に設けられた嵌合突起57を把持上部材41の嵌合穴53へと嵌合させる。
【0038】
更に、把持下部材42の貫通孔58を通して、把持上部材41のボルト穴54にボルト66を螺着することで把持上部材41と把持下部材42が一体となる。これによりパネル体6は杆材38に嵌合される支持具9により、杆材38上の長手方向に移動可能に嵌合された、吊持状態となる。
【0039】
次に、図9に示されるように、フレーム4から吊時された状態のパネル体6を必要であれば杆材38に沿って移動させて、希望する位置で立設保持させる。具体的には、パネル体6の下端に備えられたアジャスタ36を回動操作させることで、アジャスタ36を床面2へ当接させ、更に、杆材38に嵌合している支持具9の溝部50の溝部底面70と、溝部底面70と対向している杆材38の杆材下面71を当接させる。これによりパネル体6が移動自在に吊持された状態から、アジャスタ36と床面2との接触面および、溝部50と杆材38の接触面で、突っ張り支持され、パネル体6が垂直に不動に立設保持される。
【実施例2】
【0040】
次に、実施例2に係る共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造につき、図10,図11を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0041】
図10(a)は、実施例2における支柱用把持下部材を示す斜視図であり、図10(b)は、支柱用把持下部材を示す正面図であり、図10(c)は、支柱用把持下部材を示す背面図であり、図11は、支柱がフレームに取り付けられた状態を示す一部縦断側面図である。
【0042】
図10(a),(b)に示すように、支柱用把持下部材43は上方から把持部47’、嵌合部49’、支柱嵌合部64として構成される。尚、把持部47’と嵌合部49’と支柱嵌合部64は、実施例1で説明した把持下部材42とは、嵌合凸部62’の形状が円柱形状である点を除いてほぼ同様の構成である。また、図10(b),(c)に示すように、底部61’の下方には係止部65が形成され、この係止部65は嵌合凸部62’の背面側から下方にいくにしたがって先細りの平面視円弧形状をなしている。
【0043】
図11に示すように、オプション部材としての支柱8の取付を説明する。先ず、支柱8の上端円形の嵌合凹部68と係止部65と補形をなす被係止部67に、支柱用把持下部材43に形成された嵌合凸部62’と係止部65を嵌合する。そして、支柱用把持下部材43の底部61’に備えられた挿通孔63’を通して、ボルト69により支柱用把持下部材43を支柱8に設けられた螺着穴(図示略)に螺着させる。
【0044】
次に、フレーム4の下端である杆材38の任意の場所へ支柱用把持下部材43の半溝部52’を当接させ、実施例1と同じ手段により把持上部材41を支柱用把持下部材43に取り付ける。これにより支柱8は支持具9’により杆材38に長手方向に移動可能に嵌合される。
【0045】
そして、支柱8が杆材38に吊持された状態で、支柱8の下端に備えられたアジャスタ(図示略)を回動操作させることで支柱8は上端が溝部底面70’と杆材下面71との接触面、下端がアジャスタ(図示略)と床面(図示略)との接触面で突っ張り保持され、支柱8が垂直に立設される。尚、この支柱8を2本立設することにより、支柱8間にパネル体7を係止する。
【0046】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0047】
例えば、前記実施例では、支持具9を把持上部材41と把持下部材42に2分割する構成にしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持具9を分割せずに1部材で構成してもよい。その場合は、ポール3にフレーム4を取り付ける際に予めフレーム4の下方に支持具9を備えたパネル体6を立て置き、フレーム4の杆材38と支持具9の溝部50を嵌合した状態でポール3にフレーム4を取り付ける。また、アジャスタ36を備えていない場合も、同様の手段を行うようにする。
【0048】
また、前記実施例では、杆材38に支持具9を嵌合させたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上方の杆材37を下方の杆材38と同じ形状とすることで、フレーム4の上下を反転させて取り付けて支持具9を嵌合可能にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1における共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造の全体像を示す斜視図である。
【図2】ポールとフレームを示す分解斜視図である。
【図3】図2におけるポールとフレームを示すA−A横断平面図である。
【図4】フレーム端部の支持ブラケットとポールを示す側面図である。
【図5】フレームに取り付けられたパネルと支柱を示す正面図である。
【図6】(a)は、把持上部材を示す斜視図であり、(b)は、把持上部材を示す平面図であり、(c)は、把持上部材を示す正面図である。
【図7】(a)は、把持下部材を示す斜視図であり、(b)は、把持下部材を示す正面図であり、(c)は、把持下部材を示す底面図である。
【図8】パネル体がフレームに取り付けられる前の状態を示す一部縦断側面図である。
【図9】パネル体がフレームに取り付けられた状態を示す一部縦断側面図である。
【図10】(a)は、実施例2における支柱用把持下部材を示す斜視図であり、(b)は、支柱用把持下部材を示す正面図であり、(c)は、支柱用把持下部材を示す背面図である。
【図11】支柱がフレームに取り付けられた状態を示す一部縦断側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1、1’ 最小共有空間構造体
3,3’ ポール
4,4’ フレーム
5 開放面
6,7 パネル体
8 支柱
9,9’ 支持具
20 溝条
21 開口
22 係止片
23 係止材
25 パネルフレーム
26 ブラケット上部
27 ブラケット下部
28 ブラケット接合部
29 支持ブラケット
36 アジャスタ
37,38 杆材
40 連結部
41 把持上部材
42 把持下部材
43 支柱用把持下部材
45 開口
46 把持部
47,47’ 把持部
48 嵌合部
49,49’ 嵌合部
50,50’ 溝部
51 半溝部
52,52’ 半溝部
53 嵌合穴
54 ボルト穴
55 凹部
56 パネル体嵌合部
57,57’ 嵌合突起
62 嵌合凸部
64 支柱嵌合部
65 係止部
67 被係止部
68 嵌合凹部
70,70’ 溝部底面
71 杆材下面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共有空間構造体の外郭を画定する所定位置から立設したポールと、隣り合う前記ポールの上端にそれぞれ連結することで、ほぼ水平状態に支持されるフレームとの組み合わせからなり、前記フレームにオプション部材を支持したる共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造であって、
前記フレームを、少なくとも上下一対の杆材と、該両杆材同士を上下に連結する連結部とを備えるものとし、前記オプション部材の上部に、上方に開口するように形成され、該開口の幅が前記連結部の幅よりも大である溝部を有する支持具を取り付け、前記下方の杆材を、前記溝部に補形をなして嵌合する形状としたことを特徴とする共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造。
【請求項2】
前記オプション部材の下端部に、高さ調整可能なアジャスタを取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造。
【請求項3】
前記支持具が、前記オプション部材への固着部と溝部の略半分を構成する半溝部を有する第1の部材と、前記第1の部材と着脱自在に嵌合し且つ溝部の他の半分を構成する半溝部から成ることを特徴とする請求項1または2に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造。
【請求項4】
前記下方の杆材の断面形状を略円形とし、前記溝部の断面形状を上向きC字状としたことを特徴とする請求項3に記載の共有空間構造体におけるオプション部材の支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−115671(P2008−115671A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302498(P2006−302498)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)