内壁の端部構造及びコーナー下地材
【課題】内壁の端面が水平や垂直になっていない場合や波打っている場合であっても、枠材の突出量が一定量に保持される内壁の端部構造及びその端部構造を構成しているコーナー下地材を提供する。
【解決手段】内壁10の端面には、その厚み方向の外側に張り出さないように、幅方向の両端面に長手方向に延びる切溝21aが形成された縦枠21を壁下地材11に固定し、一対の張出片31、31が、略90度の角度をなすように、相互に連設された長尺のコーナー下地材30を、その一方の張出片31を縦枠21の切溝21aに嵌入すると共に他方の張出片31を、壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に重ね合わせた状態で、下地ボード13に固着し、下地ボード13からコーナー下地材30にわたって壁仕上材14を貼着してある。
【解決手段】内壁10の端面には、その厚み方向の外側に張り出さないように、幅方向の両端面に長手方向に延びる切溝21aが形成された縦枠21を壁下地材11に固定し、一対の張出片31、31が、略90度の角度をなすように、相互に連設された長尺のコーナー下地材30を、その一方の張出片31を縦枠21の切溝21aに嵌入すると共に他方の張出片31を、壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に重ね合わせた状態で、下地ボード13に固着し、下地ボード13からコーナー下地材30にわたって壁仕上材14を貼着してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無目枠、開口枠、ドア枠、窓枠、引戸枠等の枠材が取り付けられる内壁の
端部構造及びその端部構造を構成しているコーナー下地材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ドアや窓を取り付ける内壁の壁面開口部には、内壁の端面にドア枠や窓枠等の枠材を取り付けることになるが、これまでは、図20に示すように、枠材60の幅を内壁50の壁厚より大きくすることで、枠材60を内壁50の外側に僅かに突出させるのが一般的であったが、近年は、壁面の凹凸をできるだけ少なくして、すっきりしたイメージを与えたいという要望があり、図21に示すように、内壁50の壁厚よりも幅狭の枠材60を、内壁50の外側に突出させないように、内壁50の端面に取り付けた内壁の端部構造が採用されるようになってきている。
【0003】
こういった内壁の端部構造を採用する場合は、同図に示すように、内壁50の端面を形成している壁下地材51の柱(間柱)52に枠材60を取り付けると共に、内壁50の端面側における枠材60の外側部分にも下地ボード53を張り、内壁50の端面側に回り込むように、クロス等の壁仕上材54を下地ボード53に貼着することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2519137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、建築物を構成している内壁等の構造体は、必ずしも、精度良く施工されるわけではないので、壁面開口部等を形成している内壁の端面(枠材60を固定する壁下地材51の柱(間柱)52の固定面)が水平や垂直になっていなかったり、波打っていたりすることが多いが、ドア枠等の枠材60は垂直状態や水平状態に設置しなければならないので、内壁の端面が、水平や垂直になっていない場合や波打っていたりする場合は、図22に示すように、枠材60と内壁50の端面との間に部分的に隙間Gが形成され、その隙間Gの大きさも位置によって異なることになる。
【0006】
従って、枠材60を設置する際は、壁面開口部等を形成している内壁50の端面(壁下地材51の柱(間柱)52)とドア枠等の枠材60との間に隙間調整部材を適宜挿入することによって、枠材60の位置調整を行いながら、内壁50の端面(壁下地材51の柱(間柱)52)に枠材60を固定していくことになるので、図23(a)に示すように、隙間調整部材61を挿入している箇所と、同図(b)に示すように、隙間調整部材を挿入していない箇所とでは、内壁50の端面からの枠材60の突出量Lが異なっており、体裁が悪いといった問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、内壁の端面が水平や垂直になっていない場合や波打っている場合であっても、枠材の突出量が一定量に保持される内壁の端部構造及びその端部構造を構成しているコーナー下地材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、内壁の厚みよりも幅狭の枠材を、前記内壁の端面に取り付けた内壁の端部構造であって、前記枠材には、その幅方向の両端面に長手方向に延びる切溝を形成し、前記内壁の端面には、前記内壁における厚み方向の外側に張り出さないように、前記内壁を構成している壁下地材に前記枠材を固定し、一対の張出片が、略90度の角度をなすように相互に連設された長尺のコーナー下地材を、その一方の張出片を前記枠材の前記切溝に嵌入すると共に他方の張出片を、前記壁下地材を構成している下地ボードの表面に重ね合わせた状態で、前記壁下地材に固着し、前記下地ボードから前記コーナー下地材にわたって壁仕上材を貼着したことを特徴とする内壁の端部構造を提供するものである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の内壁の端部構造において、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が、前記枠材の前記切溝に遊嵌されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の内壁の端部構造において、前記枠材の前記切溝に遊嵌されている前記コーナー下地材の一方の前記張出片は、前記切溝における前記壁下地材側に位置しており、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項2に係る発明の内壁の端部構造において、前記枠材には、その両端面における前記切溝よりも前記壁下地材側に凹部が形成されており、前記コーナー下地材には、前記凹部に嵌り込む凸部が形成されており、前記コーナー下地材の前記凸部が前記枠材の前記凹部に嵌り込んだ状態では、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記切溝における前記壁下地材側に位置決めされ、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されるようになっていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、請求項2に係る発明の内壁の端部構造において、前記枠材における前記壁下地材側の面には、前記枠材の幅方向の両端部に切欠部が形成されており、前記コーナー下地材には、他方の前記張出片から突出する凸部が形成されており、前記コーナー下地材の一方の前記張出片を前記切溝に嵌入した状態では、前記枠材における前記切溝と前記切欠部との間の部分が、一方の前記張出片と前記凸部とによって挟み込まれることで、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記切溝における前記壁下地材側に位置決めされ、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されるようになっていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、請求項3、4または5に係る発明の内壁の端部構造において、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記枠材の前記切溝に遊嵌された状態で、前記切溝における前記枠材の外面側に形成された隙間に、扁平なパッキン材が嵌入されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明の内壁の端部構造において、前記切溝に、接着剤が充填されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項8に係る発明は、請求項1に係る発明の内壁の端部構造において、前記枠材に形成された前記切溝は、一方の前記張出片の先端部が遊びのない状態で嵌合する幅狭部と、前記枠材の端面側に形成された、前記枠材の外面側に広がる幅広部とを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項9に係る発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に係る発明の内壁の端部構造において、前記コーナー下地材は、一方の前記張出片と他方の前記張出片とによって形成される角部に、補強用のリブが形成されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明の内壁の端部構造において、前記コーナー下地材の前記リブは、前記枠材の厚み方向については、前記枠材の前記切溝に嵌入している一方の前記張出片から前記枠材における前記切溝の裏面側の厚み分までの領域内で、かつ、前記枠材の幅方向については、前記下地ボードの表面に重ね合わせた他方の前記張出片から前記下地ボードの厚み分までの領域内に形成されていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項11に係る発明は、請求項1に記載のコーナー下地材であって、一方の前記張出片と他方の前記張出片とによって形成される角部に、補強用のリブが形成されていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項12に係る発明は、請求項11に記載のコーナー下地材において、前記リブが、他方の前記張出片から一方の前記張出片の張出方向と同方向に張り出す突出片によって形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、請求項1に係る発明の内壁の端部構造では、内壁を構成している壁下地材に枠材を固定し、一対の張出片が、略90度の角度をなすように相互に連設された長尺のコーナー下地材を、その一方の張出片を枠材の切溝に嵌入すると共に他方の張出片を、壁下地材を構成している下地ボードの表面に重ね合わせた状態で、壁下地材に固着し、下地ボードからコーナー下地材にわたって壁仕上材を貼着するようにしたので、内壁の端面側の角部がコーナー下地材によって形成されることになり、しかも、コーナー下地材の一方の張出片によって形成される内壁の端面が、必ず、精度良く設置される枠材の溝部に対応する位置にくるので、枠材を固定する柱(間柱)が水平や垂直になっていない場合や波打っている場合であっても、内壁の端面からの枠材の突出量が常時一定量に保持され、枠材を取り付けた内壁端部の外観が損なわれることがない。
【0021】
また、請求項2に係る発明の内壁の端部構造では、コーナー下地材の一方の張出片が、枠材の切溝に遊嵌されているので、壁仕上材の端部を枠材の溝部に挿入することができる。従って、枠材自体が変形しても、コーキングが切れるだけで、壁仕上材が剥がれることがなく、内壁端部の外観が損なわれにくいという効果が得られる。
【0022】
また、請求項3に係る発明の内壁の端部構造では、枠材の切溝に遊嵌されているコーナー下地材の一方の張出片が、切溝における壁下地材側に位置しており、切溝における枠材の外面側に隙間が形成されているので、その隙間にコーキング剤を充填することができる。従って、コーキング剤による壁仕上材の接着強度が向上し、壁仕上材がよりはがれにくくなるという効果が得られる。
【0023】
また、請求項4に係る発明の内壁の端部構造では、コーナー下地材に形成された凸部を、枠材の両端面における切溝よりも壁下地材側に形成された凹部に嵌め込むことによって、コーナー下地材の一方の張出片が切溝における壁下地材側に位置決めされ、切溝における枠材の外面側に隙間が形成されるようになっており、また、請求項5に係る発明の内壁の端部構造では、コーナー下地材の一方の張出片を切溝に嵌入した状態では、枠材における切溝と切欠部との間の部分が、一方の張出片と凸部とによって挟み込まれることで、一方の張出片が切溝における壁下地材側に位置決めされ、切溝における枠材の外面側に隙間が形成されるようになっているので、コーナー下地材を取り付ける際、作業者は意識しなくても、コーキング剤を充填するための隙間を切溝に確実に形成することができる。
【0024】
ただ、樹脂製のコーナー下地材は柔らかくて変形しやすく、コーキング剤は硬化した後も柔軟性があるので、切溝に充填したコーキング剤だけでは、切溝に挿入したコーナー下地材の張出片を確実に固定することができず、コーナー下地材の張出片が切溝内で位置ずれしたり、樹脂製のコーナー下地材がぐらぐらしたりするおそれがあるが、請求項6に係る発明の内壁の端部構造のように、切溝における枠材の外面側に形成された隙間に、扁平なパッキン材を嵌入しておくと、切溝に挿入したコーナー下地材の張出片を位置決めして確実に固定することができるので、コーナー下地材を指で押しても、ぐらぐらしたり、動いたりすることがなくなり、施工の信頼性が向上する。
【0025】
特に、請求項7に係る発明の内壁の端部構造のように、切溝に接着剤を充填しておくと、扁平なパッキン材を嵌入することによって、充填した接着剤が切溝とコーナー下地材との間、コーナー下地材とパッキン材との間及びパッキン材と切溝との間に均一に回り込むので、切溝に嵌入されているコーナー下地材の張出片が全体的に接着されると共に、アンカー効果によって接着性が向上するので、コーナー下地材をさらに確実に固定することができる。
【0026】
また、請求項8に係る発明の内壁の端部構造では、コーナー下地材における一方の張出片の先端部を、枠材に形成された切溝の幅狭部に嵌入すると、コーナー下地材が位置決めされ、しかも、枠材の端面側に形成された切溝の幅広部にコーキング剤を充填することができるので、枠材やコーナー下地材に位置決用の凹凸部等を別途形成する必要がなく、コーキング剤を充填するための空間を確実に形成することができる。
【0027】
また、請求項9に係る発明の内壁の端部構造では、一方の張出片と他方の張出片とによって形成される角部に補強用のリブが形成されている、請求項11に係る発明のコーナー下地材を使用しているので、このコーナー下地材によって形成される内壁の端面側の角部が損傷を受けたり、変形したりしにくいという効果が得られる。
【0028】
また、請求項10に係る発明の内壁の端部構造では、枠材の厚み方向については、一方の張出片から枠材における切溝の裏面側の厚み分までの領域内で、かつ、枠材の幅方向については、他方の張出片から下地ボードの厚み分までの領域内にリブが形成されているコーナー下地材を使用しているので、コーナー下地材を取り付ける際、リブが障害になることがなく、コーナー下地材を適正な位置に確実に取り付けることができる。
【0029】
また、請求項12に係る発明のコーナー下地材は、他方の張出片から一方の張出片の張出方向と同方向に張り出す突出片によってリブが形成されているので、この突出片が嵌合する切溝を枠材の両端面の所定位置に形成したり、枠材における壁下地材側の面に、枠材の幅方向の両端部に切欠部を形成し、切溝に嵌入した一方の張出片と突出片とによって、枠材における切溝と切欠部との間の部分を挟み込むようにしておくと、一方の張出片を切溝における壁下地材側に位置決めすることができ、これによって、切溝における枠材の外面側に隙間を形成することができるので、コーナー下地材によって形成される内壁の端面側の角部を補強しつつ、コーキング剤を充填するための空間を確実に確保することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明に係る内壁の端部構造の一実施形態を採用したドアの取付部分を示す正面図である。
【図2】図1のX−X線に沿った断面図である。
【図3】同上の内壁の端部構造を示す拡大断面図である。
【図4】(a)は同上の内壁の端部構造に採用されているコーナー下地材を外側から視た部分斜視図、(b)は同上のコーナー下地材を内側から視た部分斜視図、(c)は同上のコーナー下地材を示す端面図である。
【図5】(a)、(b)は同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図6】(a)、(b)は同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図7】同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図8】(a)は同上の内壁の端部構造における隙間調整部材を挿入している箇所を示す断面図、(b)は同上の内壁の端部構造における隙間調整部材を挿入していない箇所を示す断面図である。
【図9】(a)、(b)は他の実施形態である内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図10】(a)、(b)は同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図11】(a)、(b)は同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図12】(a)、(b)は枠材に形成される切溝の変形例を示す部分断面図である。
【図13】(a)、(b)は枠材に形成される切溝の変形例を示す部分断面図である。
【図14】(a)、(b)は枠材に形成される切溝の変形例を示す部分断面図である。
【図15】枠材に形成される切溝の変形例を示す部分断面図である。
【図16】(a)〜(d)はコーナー下地材の変形例を示す端面図である。
【図17】(a)はコーナー下地材の変形例を示す端面図、(b)は同上のコーナー下地材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図18】(a)はコーナー下地材の変形例を示す端面図、(b)は同上のコーナー下地材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図19】(a)、(b)は図17に示すコーナー下地材の変形例を示す端面図である。
【図20】一般的に採用されている従来の内壁の端部構造を示す断面図である。
【図21】近年採用され始めた従来の内壁の端部構造を示す断面図である。
【図22】精度良く形成されていない壁面開口部に枠材を取り付ける場合の内壁の端面と枠材との位置関係を説明するための説明図である。
【図23】(a)、(b)は近年採用され始めた従来の内壁の端部構造の問題点を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、内壁10に形成された壁面開口部にドア枠20を設置し、このドア枠20にドアDを取り付けた状態を示している。このドア枠20は、左右一対の縦枠21、21と、この縦枠21、21をその上端部で連結する上枠22とから構成されており、縦枠21、21及び上枠22は、内壁10の厚みよりも幅狭に形成されている。なお、縦枠21、21及び上枠22は、木質材料によって形成されており、縦枠21、21及び上枠22には、合成樹脂等によって形成された戸当り23が取り付けられている。
【0032】
図3は、前記縦枠21が取り付けられている内壁10の端部構造を示す拡大断面図である。内壁10は、壁下地材11、樹脂成形品である長尺のコーナー下地材30及び壁仕上材(クロス)14とから構成されており、縦枠21が、内壁10の厚み方向の外側に張り出さないように、内壁10の開口端面を形成している壁下地材11の間柱12にビス止めされていると共に、コーナー下地材30が、縦枠21と壁下地材11の下地ボード(石膏ボード)13とに取り付けられており、このコーナー下地材30によって内壁10における端面側のコーナー部が形成されている。なお、縦枠21は垂直に設置しなければならないが、間柱12は精度良く施工されているわけではないので、間柱12と縦枠21との間には、必要に応じて、隙間調整部材Sが挿入されている。
【0033】
前記コーナー下地材30は、図4(a)〜(c)に示すように、略90度の角度をなすように、相互に連設された一対の張出片31、31と、一対の張出片31、31の連設部である角部を補強するために、各張出片31、31の基端部側から、相互に対向するように、斜めに張り出した補強用のリブ32、32とを備えており、各張出片31、31におけるリブ32の連設部よりも先端側には、その外面に、パテや壁仕上材(クロス)14の接着強度を高めるために、長手方向に延びる多数の凹条31aが形成されていると共に、その内面に両面粘着テープ(図示せず)が予め貼着されている。なお、このコーナー下地材30は、内壁10における端面側のコーナー部に柔らかい印象を与えるために、その角部に丸みを持たせてある。
【0034】
前記リブ32、32は、図3に示すように、縦枠21の厚み方向については、一方の張出片31から縦枠21における切溝21aの裏面側の厚みT1分までの領域α内に形成されており、縦枠21の幅方向については、他方の張出片31から下地ボード13の厚みT2分までの領域β内に形成されている。
【0035】
このコーナー下地材30は、図3に示すように、一方の張出片31が縦枠21の端面に形成された、幅が0.6〜3.0mmの切溝21aに遊嵌されていると共に、他方の張出片31の内面側が壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に両面テープ(図示せず)によって貼着されており、一方の張出片31が遊嵌されている切溝21aにおける縦枠21の外面側に隙間が形成されるように、一方の張出片31は、切溝21aにおける壁下地材11側に位置している。
【0036】
張出片31の先端側は、その厚みが0.1〜0.6mm程度の薄肉状に形成されているが、下地ボード13の表面との間には僅かな段差が生じているので、その段差部分をパテPによって埋めることで、下地慣らしが行われている。
【0037】
また、内壁10を構成している壁仕上材(クロス)14は、下地ボード13からコーナー下地材30にわたって貼着されており、コーナー下地材30側の端縁を縦枠21の切溝21aに挿入した状態で、縦枠21の外面側に形成された切溝21aの隙間部分にコーキング剤Cが充填されている。
【0038】
以下、この内壁10の端部構造の施工方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、内壁10を構成している壁下地材11の端面に縦枠21を固定することになるが、上述したように、壁下地材11の間柱12は精度良く施工されているわけではないので、垂直に設置しなければならない縦枠21との間に隙間が形成される場合は、同図(a)に示すように、間柱12と縦枠21との間に隙間調整部材Sを挿入した状態で、縦枠21を間柱12にビス止めする。
【0039】
続いて、同図(b)に示すように、コーナー下地材30の一方の張出片31を縦枠21の端面に形成された切溝21aに嵌入すると共に、他方の張出片31の内面側を壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に両面テープ(図示せず)によって貼着する。このとき、一方の張出片31が遊嵌されている切溝21aにおける縦枠21の外面側に隙間が形成されるように、一方の張出片31の内面を、切溝21aにおける壁下地材11側の壁面に接触させた状態で、他方の張出片31を下地ボード13に貼着する。
【0040】
次に、図6(a)に示すように、コーナー下地材30の他方の張出片31と、下地ボード13の表面との間に生じた僅かな段差部分をパテPによって埋めることで、下地慣らしを行った後、同図(b)に示すように、壁仕上材(クロス)14を、下地ボード13側からコーナー下地材30側に貼着していき、その端縁を縦枠21の切溝21aに挿入する。最後に、図7に示すように、壁仕上材(クロス)14が挿入された切溝21aの隙間部分にコーキング剤Cを充填することによって、壁仕上材(クロス)14の端縁部分を固定する。
【0041】
以上のように、この内壁10の端部構造では、内壁10における端面側のコーナー部を形成しているコーナー下地材30が、縦枠21の所定位置に取り付けられているので、例えば、図8(a)、(b)に示すように、縦枠21を固定する壁下地材の間柱12が垂直になっていなかったため、縦枠21を固定しようとする間柱12の端面が、ある高さ位置と他の高さ位置とで、水平方向にΔdだけずれていたとしても、内壁10の端面からの縦枠21の突出量Lが常時一定量に保持され、縦枠21を取り付けた内壁端部の外観が損なわれることがない。
【0042】
また、この内壁10の端部構造では、コーナー下地材30の一方の張出片31が、縦枠21の切溝21aに遊嵌されており、壁仕上材14の端縁を縦枠21の切溝21aに挿入しているので、縦枠21自体が変形しても、コーキングが切れるだけで、壁仕上材14が剥がれることがなく、内壁端部の外観が損なわれにくい。
【0043】
特に、この内壁10の端部構造では、縦枠21の切溝21aに遊嵌されているコーナー下地材30の一方の張出片31が、切溝21aにおける壁下地材11側に位置しており、切溝21aにおける縦枠21の外面側に形成される隙間にコーキング剤Cを充填しているので、コーキング剤Cによる壁仕上材14の接着強度が向上し、壁仕上材14がより剥がれにくい。
【0044】
また、コーナー下地材30のリブ32、32は、図3に示すように、縦枠21の厚み方向については、一方の張出片31から縦枠21における切溝21aの裏面側の厚みT1分までの領域α内で、かつ、縦枠21の幅方向については、他方の張出片31から下地ボード13の厚みT2分までの領域β内に形成されているので、間柱12と縦枠21との間に隙間調整部材Sを挿入しない場合や縦枠21の幅が変動した場合であっても、コーナー下地材30を取り付ける際に、リブ32が障害になることがなく、コーナー下地材30を適正な位置に確実に取り付けることができる。
【0045】
また、内壁の端面に取り付けるドア枠等の枠材については、すっきりしたイメージを与えるために、その幅を小さくするだけでなく、厚みについても小さくすることが望まれているが、ドア枠(縦枠)の場合は、ストライクを装着しなければならないことから、厚みを薄くすることができないといった問題があった。しかしながら、この内壁10の端部構造では、実際はストライクを装着可能な厚い縦枠21を使用しているにも拘わらず、外観上は薄く見せることができるので、さらにすっきりしたイメージを与えることができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、縦枠21の端面に形成された切溝21aに遊嵌したコーナー下地材30の一方の張出片31を、切溝21aに充填したコーキング剤Cによって固定しているが、樹脂成形品である薄肉のコーナー下地材30は柔らかくて変形しやすく、コーキング剤Cは硬化した後も柔軟性があるので、切溝21aに充填したコーキング剤Cだけでは、切溝21aに遊嵌したコーナー下地材30の張出片31を確実に固定することができず、コーナー下地材30の張出片31が切溝21a内で位置ずれしたり、コーナー下地材30を指で押すと、コーナー下地材30がぐらぐらしたりするおそれがあるので、以下に示すような施工方法を採用することが望ましい。
【0047】
まず、図9(a)に示すように、切溝21aに接着剤Aを充填した後、同図(b)に示すように、コーナー下地材30の一方の張出片31を、その内面が切溝21aにおける壁下地材11側の壁面に接触するような状態で、縦枠21の端面に形成された切溝21aに挿入すると共に、他方の張出片31の内面側を壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に両面テープによって貼着する。
【0048】
続いて、図10(a)に示すように、合成樹脂によって形成された、切溝21aの深さよりも2mm程度短い幅を有する長尺扁平状のパッキン材Fを、切溝21aにおける縦枠21の外面側に形成される隙間に、ドライバー等を利用して切溝12aの奥まで圧入した後、同図(b)に示すように、コーナー下地材30の他方の張出片31と、下地ボード13の表面との間に生じた僅かな段差部分をパテPによって埋めることで、下地慣らしを行う。
【0049】
最後に、図11(a)に示すように、壁仕上材(クロス)14を、下地ボード13側からコーナー下地材30側に貼着していき、その端縁を縦枠21の切溝21aに挿入した後、同図(b)に示すように、壁仕上材(クロス)14が挿入された切溝21aの隙間部分にコーキング剤Cを充填することによって、壁仕上材(クロス)14の端縁部分を固定する。
【0050】
このように、切溝21aに予め接着剤Aを充填した状態で、コーナー下地材30の一方の張出片31を縦枠21の切溝21aに挿入し、パッキン材Fを切溝21aにおける縦枠21の外面側に形成される隙間に圧入すると、切溝21aに充填した接着剤Aが、切溝21a内において、コーナー下地材30の張出片31やパッキン材Fの間に均一に回り込むので、切溝21aに挿入されているコーナー下地材30の張出片31が全体的に接着されると共に、その接着性がアンカー効果によって向上するので、コーナー下地材30の一方の張出片31を切溝31a内の所定位置に確実に固定することができる。従って、コーナー下地材30を指で押しても、ぐらぐらしたり、動いたりすることがなくなり、施工の信頼性が向上する。
【0051】
また、パッキン材Fは、上述した断面長方形状のものに限定されるものではなく、幅方向の一方側が先細に形成された断面楔状であってもよく、圧入したときにスプリングバック力が作用するように、薄肉の樹脂片や金属片をV字状に折り曲げたものでもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、縦枠21の切溝21aは、溝深さに拘わらず、同幅に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図12(a)、(b)に示す切溝21b、21cのように、縦枠21の内部側に形成された幅狭部nと、縦枠21の端面側に形成された、縦枠21の外面側に広がる幅広部wとによって構成しておくと、壁仕上材14の端縁を挿入しやすくなると共に、コーキング剤の充填量が大きくなるので、コーキング剤による壁仕上材14の接着強度をさらに向上させることができる。
【0053】
特に、図13(a)、(b)に示す切溝21d、21eのように、縦枠21の内部側に形成された幅狭部nを、コーナー下地材30における一方の張出片31の先端部が遊びのない状態で嵌合するような溝幅に設定しておくと、一方の張出片31の先端部を、切溝21d、21eの幅狭部nに嵌入すると、コーナー下地材30が位置決めされるので、コーナー下地材30を常に適正な位置に取り付けることができる。
【0054】
また、図14(a)に示すように、縦枠21の端面側に向かって、縦枠21の外面側に溝幅が広がるテーパ状の切溝21fや、同図(b)に示すように、縦枠21の内部に向かって、壁下地材11側に傾斜させた切溝21gを形成しておくと、コーナー下地材30の一方の張出片31を切溝21f、21gに遊嵌させながら、コーナー下地材30に対するある程度の位置決め機能を付与することができる。
【0055】
また、図15に示すように、縦枠21における切溝21aよりも壁下地材11側を幅広にすることで、張出部OHを形成しておくと、コーナー下地材30の一方の張出片31が縦枠21に接触する面積が拡大するので、コーナー下地材30の支持強度が向上する。
【0056】
また、上述した各実施形態では、補強用のリブ32、32が各張出片31、31の基端部側から斜めに張り出したコーナー下地材30を使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図16(a)、(b)に示すように、ループ状のリブ32a、32bを採用してもよく、同図(c)、(d)に示すように、コーナー下地材30の角部から45度の角度で突出するリブ32c、32dを採用してもよい。ただし、リブ32a、32b、32c、32dについても、上述したリブ32の場合と同様に、縦枠21の厚み方向については、一方の張出片31から縦枠21における切溝21aの裏面側の厚みT1分までの領域α内で、かつ、縦枠21の幅方向については、他方の張出片31から下地ボード13の厚みT2分までの領域β内に形成する必要があることは言うまでもない。
【0057】
また、図17(a)、(b)に示すように、他方の張出片31から、一方の張出片31の張出方向と同方向に張り出す突出片33を形成してなるコーナー下地材30Aを採用すると共に、縦枠21における壁下地材11側の面における縦枠21の幅方向の両端部に切欠部CPを形成し、コーナー下地材30Aの一方の張出片31を切溝21aに嵌入することによって、縦枠21における切溝21aと切欠部CPとの間の部分が、一方の張出片31と突出片33とによって挟み込まれるようにしておくと、一方の張出片31が切溝21aにおける壁下地材11側に位置決めされ、切溝21aにおける縦枠21の外面側に隙間が形成されるので、コーナー下地材30Aを取り付ける際、作業者は意識しなくても、コーキング剤を充填するための隙間を切溝21aに確実に形成することができると共に、突出片33が角部の補強用リブとしても機能するので、コーナー下地材30Aによって形成される内壁10の端面側の角部が損傷を受けたり、変形したりしにくいという効果も得られる。
【0058】
また、図18(a)、(b)に示すように、コーナー下地材30Aにおける一方の張出片31と突出片33との間隔を狭くすると共に、縦枠21の両端面における切溝21aよりも壁下地材11側に、突出片33が遊びのない状態で嵌合する切溝21hを別途形成し、コーナー下地材30Aの突出片33が縦枠21の切溝21hに嵌り込んだ状態で、コーナー下地材30Aの一方の張出片31が切溝21aにおける壁下地材11側に位置決めされるようにしておくことで、縦枠21における切溝21aと切欠部CPとの間の部分を、一方の張出片31と突出片33とによって挟み込む場合と同様の効果を得ることができる。特に、一方の張出片31と突出片33との間隔を狭くすることによって、突出片33の張りだし位置が角部に近づくので、補強用リブとしての効果がさらに高くなる。
【0059】
なお、図17(a)及び図18(a)に示すコーナー下地材30Aは、コーナー下地材30Aの長手方向の全長にわたって突出片33を設けているが、これに限定されるものではなく、例えば、突出片33に替えてコーナー下地材30Aの長手方向に一定間隔で複数の突起等の凸部を設け、この凸部と一方の張出片とによって、縦枠21における切溝21aと切欠部CPとの間の部分を挟み込んだり、切溝21hに替えて縦枠21に形成した凹部に凸部を嵌め込んだりすることによって、一方の張出片31を切溝21aにおける壁下地材11側に位置決めすることも可能である。
【0060】
また、コーナー下地材30Aは、上述したように、突出片33が補強リブとしても機能するが、図19(a)に示すように、一方の張出片31と突出片33とを連結するリブ32eや、同図(b)に示すように、このリブ32eと共に、角部と突出片33とを連結するリブ32fを設けておくと、コーナー下地材30Aによって形成される内壁10の端面側の角部が、さらに、損傷を受けたり、変形したりしにくくなる。
【0061】
また、上述した実施形態では、コーナー下地材30の他方の張出片31の内面側を壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に両面テープによって貼着した後、そのままの状態で、下地ボード13の表面との間に生じた僅かな段差部分をパテPによって埋めることで、下地慣らしを行っているが、これに限定されるものではなく、下地慣らしを行う前に、コーナー下地材30の他方の張出片31及び下地ボード13の双方を覆うように、メッシュシート等によって形成されたジョイントテープを貼着して補強するようにしてもよい。
【0062】
また、上述した各実施形態は、内壁10に形成された壁面開口部に縦枠21を取り付ける場合について説明したが、上枠22についても同様の端部構造を採用することができることはいうまでもなく、ドア枠以外に、無目枠、開口枠、窓枠、引戸枠等の枠材を内壁の端面に取り付ける場合に、本発明の端部構造を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の内壁の端部構造は、内壁の壁厚よりも幅狭の枠材を内壁の端面に取り付ける場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 内壁
11 壁下地材
12 間柱
13 下地ボード
14 壁仕上材(クロス)
20 ドア枠
21 縦枠
21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g 切溝
21h 切溝(凹部)
22 上枠
23 戸当り
30、30A コーナー下地材
31 張出片
31a 凹条
32、32a、32b、32c、32d、32e、32f リブ
33 突出片(凸部)
A 接着剤
F パッキン材
C コーキング剤
P パテ
S 隙間調整部材
CP 切欠部
OH 張出部
【技術分野】
【0001】
この発明は、無目枠、開口枠、ドア枠、窓枠、引戸枠等の枠材が取り付けられる内壁の
端部構造及びその端部構造を構成しているコーナー下地材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ドアや窓を取り付ける内壁の壁面開口部には、内壁の端面にドア枠や窓枠等の枠材を取り付けることになるが、これまでは、図20に示すように、枠材60の幅を内壁50の壁厚より大きくすることで、枠材60を内壁50の外側に僅かに突出させるのが一般的であったが、近年は、壁面の凹凸をできるだけ少なくして、すっきりしたイメージを与えたいという要望があり、図21に示すように、内壁50の壁厚よりも幅狭の枠材60を、内壁50の外側に突出させないように、内壁50の端面に取り付けた内壁の端部構造が採用されるようになってきている。
【0003】
こういった内壁の端部構造を採用する場合は、同図に示すように、内壁50の端面を形成している壁下地材51の柱(間柱)52に枠材60を取り付けると共に、内壁50の端面側における枠材60の外側部分にも下地ボード53を張り、内壁50の端面側に回り込むように、クロス等の壁仕上材54を下地ボード53に貼着することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2519137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、建築物を構成している内壁等の構造体は、必ずしも、精度良く施工されるわけではないので、壁面開口部等を形成している内壁の端面(枠材60を固定する壁下地材51の柱(間柱)52の固定面)が水平や垂直になっていなかったり、波打っていたりすることが多いが、ドア枠等の枠材60は垂直状態や水平状態に設置しなければならないので、内壁の端面が、水平や垂直になっていない場合や波打っていたりする場合は、図22に示すように、枠材60と内壁50の端面との間に部分的に隙間Gが形成され、その隙間Gの大きさも位置によって異なることになる。
【0006】
従って、枠材60を設置する際は、壁面開口部等を形成している内壁50の端面(壁下地材51の柱(間柱)52)とドア枠等の枠材60との間に隙間調整部材を適宜挿入することによって、枠材60の位置調整を行いながら、内壁50の端面(壁下地材51の柱(間柱)52)に枠材60を固定していくことになるので、図23(a)に示すように、隙間調整部材61を挿入している箇所と、同図(b)に示すように、隙間調整部材を挿入していない箇所とでは、内壁50の端面からの枠材60の突出量Lが異なっており、体裁が悪いといった問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、内壁の端面が水平や垂直になっていない場合や波打っている場合であっても、枠材の突出量が一定量に保持される内壁の端部構造及びその端部構造を構成しているコーナー下地材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、内壁の厚みよりも幅狭の枠材を、前記内壁の端面に取り付けた内壁の端部構造であって、前記枠材には、その幅方向の両端面に長手方向に延びる切溝を形成し、前記内壁の端面には、前記内壁における厚み方向の外側に張り出さないように、前記内壁を構成している壁下地材に前記枠材を固定し、一対の張出片が、略90度の角度をなすように相互に連設された長尺のコーナー下地材を、その一方の張出片を前記枠材の前記切溝に嵌入すると共に他方の張出片を、前記壁下地材を構成している下地ボードの表面に重ね合わせた状態で、前記壁下地材に固着し、前記下地ボードから前記コーナー下地材にわたって壁仕上材を貼着したことを特徴とする内壁の端部構造を提供するものである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の内壁の端部構造において、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が、前記枠材の前記切溝に遊嵌されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の内壁の端部構造において、前記枠材の前記切溝に遊嵌されている前記コーナー下地材の一方の前記張出片は、前記切溝における前記壁下地材側に位置しており、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項2に係る発明の内壁の端部構造において、前記枠材には、その両端面における前記切溝よりも前記壁下地材側に凹部が形成されており、前記コーナー下地材には、前記凹部に嵌り込む凸部が形成されており、前記コーナー下地材の前記凸部が前記枠材の前記凹部に嵌り込んだ状態では、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記切溝における前記壁下地材側に位置決めされ、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されるようになっていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、請求項2に係る発明の内壁の端部構造において、前記枠材における前記壁下地材側の面には、前記枠材の幅方向の両端部に切欠部が形成されており、前記コーナー下地材には、他方の前記張出片から突出する凸部が形成されており、前記コーナー下地材の一方の前記張出片を前記切溝に嵌入した状態では、前記枠材における前記切溝と前記切欠部との間の部分が、一方の前記張出片と前記凸部とによって挟み込まれることで、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記切溝における前記壁下地材側に位置決めされ、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されるようになっていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、請求項3、4または5に係る発明の内壁の端部構造において、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記枠材の前記切溝に遊嵌された状態で、前記切溝における前記枠材の外面側に形成された隙間に、扁平なパッキン材が嵌入されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明の内壁の端部構造において、前記切溝に、接着剤が充填されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項8に係る発明は、請求項1に係る発明の内壁の端部構造において、前記枠材に形成された前記切溝は、一方の前記張出片の先端部が遊びのない状態で嵌合する幅狭部と、前記枠材の端面側に形成された、前記枠材の外面側に広がる幅広部とを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項9に係る発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8に係る発明の内壁の端部構造において、前記コーナー下地材は、一方の前記張出片と他方の前記張出片とによって形成される角部に、補強用のリブが形成されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明の内壁の端部構造において、前記コーナー下地材の前記リブは、前記枠材の厚み方向については、前記枠材の前記切溝に嵌入している一方の前記張出片から前記枠材における前記切溝の裏面側の厚み分までの領域内で、かつ、前記枠材の幅方向については、前記下地ボードの表面に重ね合わせた他方の前記張出片から前記下地ボードの厚み分までの領域内に形成されていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項11に係る発明は、請求項1に記載のコーナー下地材であって、一方の前記張出片と他方の前記張出片とによって形成される角部に、補強用のリブが形成されていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項12に係る発明は、請求項11に記載のコーナー下地材において、前記リブが、他方の前記張出片から一方の前記張出片の張出方向と同方向に張り出す突出片によって形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、請求項1に係る発明の内壁の端部構造では、内壁を構成している壁下地材に枠材を固定し、一対の張出片が、略90度の角度をなすように相互に連設された長尺のコーナー下地材を、その一方の張出片を枠材の切溝に嵌入すると共に他方の張出片を、壁下地材を構成している下地ボードの表面に重ね合わせた状態で、壁下地材に固着し、下地ボードからコーナー下地材にわたって壁仕上材を貼着するようにしたので、内壁の端面側の角部がコーナー下地材によって形成されることになり、しかも、コーナー下地材の一方の張出片によって形成される内壁の端面が、必ず、精度良く設置される枠材の溝部に対応する位置にくるので、枠材を固定する柱(間柱)が水平や垂直になっていない場合や波打っている場合であっても、内壁の端面からの枠材の突出量が常時一定量に保持され、枠材を取り付けた内壁端部の外観が損なわれることがない。
【0021】
また、請求項2に係る発明の内壁の端部構造では、コーナー下地材の一方の張出片が、枠材の切溝に遊嵌されているので、壁仕上材の端部を枠材の溝部に挿入することができる。従って、枠材自体が変形しても、コーキングが切れるだけで、壁仕上材が剥がれることがなく、内壁端部の外観が損なわれにくいという効果が得られる。
【0022】
また、請求項3に係る発明の内壁の端部構造では、枠材の切溝に遊嵌されているコーナー下地材の一方の張出片が、切溝における壁下地材側に位置しており、切溝における枠材の外面側に隙間が形成されているので、その隙間にコーキング剤を充填することができる。従って、コーキング剤による壁仕上材の接着強度が向上し、壁仕上材がよりはがれにくくなるという効果が得られる。
【0023】
また、請求項4に係る発明の内壁の端部構造では、コーナー下地材に形成された凸部を、枠材の両端面における切溝よりも壁下地材側に形成された凹部に嵌め込むことによって、コーナー下地材の一方の張出片が切溝における壁下地材側に位置決めされ、切溝における枠材の外面側に隙間が形成されるようになっており、また、請求項5に係る発明の内壁の端部構造では、コーナー下地材の一方の張出片を切溝に嵌入した状態では、枠材における切溝と切欠部との間の部分が、一方の張出片と凸部とによって挟み込まれることで、一方の張出片が切溝における壁下地材側に位置決めされ、切溝における枠材の外面側に隙間が形成されるようになっているので、コーナー下地材を取り付ける際、作業者は意識しなくても、コーキング剤を充填するための隙間を切溝に確実に形成することができる。
【0024】
ただ、樹脂製のコーナー下地材は柔らかくて変形しやすく、コーキング剤は硬化した後も柔軟性があるので、切溝に充填したコーキング剤だけでは、切溝に挿入したコーナー下地材の張出片を確実に固定することができず、コーナー下地材の張出片が切溝内で位置ずれしたり、樹脂製のコーナー下地材がぐらぐらしたりするおそれがあるが、請求項6に係る発明の内壁の端部構造のように、切溝における枠材の外面側に形成された隙間に、扁平なパッキン材を嵌入しておくと、切溝に挿入したコーナー下地材の張出片を位置決めして確実に固定することができるので、コーナー下地材を指で押しても、ぐらぐらしたり、動いたりすることがなくなり、施工の信頼性が向上する。
【0025】
特に、請求項7に係る発明の内壁の端部構造のように、切溝に接着剤を充填しておくと、扁平なパッキン材を嵌入することによって、充填した接着剤が切溝とコーナー下地材との間、コーナー下地材とパッキン材との間及びパッキン材と切溝との間に均一に回り込むので、切溝に嵌入されているコーナー下地材の張出片が全体的に接着されると共に、アンカー効果によって接着性が向上するので、コーナー下地材をさらに確実に固定することができる。
【0026】
また、請求項8に係る発明の内壁の端部構造では、コーナー下地材における一方の張出片の先端部を、枠材に形成された切溝の幅狭部に嵌入すると、コーナー下地材が位置決めされ、しかも、枠材の端面側に形成された切溝の幅広部にコーキング剤を充填することができるので、枠材やコーナー下地材に位置決用の凹凸部等を別途形成する必要がなく、コーキング剤を充填するための空間を確実に形成することができる。
【0027】
また、請求項9に係る発明の内壁の端部構造では、一方の張出片と他方の張出片とによって形成される角部に補強用のリブが形成されている、請求項11に係る発明のコーナー下地材を使用しているので、このコーナー下地材によって形成される内壁の端面側の角部が損傷を受けたり、変形したりしにくいという効果が得られる。
【0028】
また、請求項10に係る発明の内壁の端部構造では、枠材の厚み方向については、一方の張出片から枠材における切溝の裏面側の厚み分までの領域内で、かつ、枠材の幅方向については、他方の張出片から下地ボードの厚み分までの領域内にリブが形成されているコーナー下地材を使用しているので、コーナー下地材を取り付ける際、リブが障害になることがなく、コーナー下地材を適正な位置に確実に取り付けることができる。
【0029】
また、請求項12に係る発明のコーナー下地材は、他方の張出片から一方の張出片の張出方向と同方向に張り出す突出片によってリブが形成されているので、この突出片が嵌合する切溝を枠材の両端面の所定位置に形成したり、枠材における壁下地材側の面に、枠材の幅方向の両端部に切欠部を形成し、切溝に嵌入した一方の張出片と突出片とによって、枠材における切溝と切欠部との間の部分を挟み込むようにしておくと、一方の張出片を切溝における壁下地材側に位置決めすることができ、これによって、切溝における枠材の外面側に隙間を形成することができるので、コーナー下地材によって形成される内壁の端面側の角部を補強しつつ、コーキング剤を充填するための空間を確実に確保することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明に係る内壁の端部構造の一実施形態を採用したドアの取付部分を示す正面図である。
【図2】図1のX−X線に沿った断面図である。
【図3】同上の内壁の端部構造を示す拡大断面図である。
【図4】(a)は同上の内壁の端部構造に採用されているコーナー下地材を外側から視た部分斜視図、(b)は同上のコーナー下地材を内側から視た部分斜視図、(c)は同上のコーナー下地材を示す端面図である。
【図5】(a)、(b)は同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図6】(a)、(b)は同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図7】同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図8】(a)は同上の内壁の端部構造における隙間調整部材を挿入している箇所を示す断面図、(b)は同上の内壁の端部構造における隙間調整部材を挿入していない箇所を示す断面図である。
【図9】(a)、(b)は他の実施形態である内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図10】(a)、(b)は同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図11】(a)、(b)は同上の内壁の端部構造の施工方法を示す工程図である。
【図12】(a)、(b)は枠材に形成される切溝の変形例を示す部分断面図である。
【図13】(a)、(b)は枠材に形成される切溝の変形例を示す部分断面図である。
【図14】(a)、(b)は枠材に形成される切溝の変形例を示す部分断面図である。
【図15】枠材に形成される切溝の変形例を示す部分断面図である。
【図16】(a)〜(d)はコーナー下地材の変形例を示す端面図である。
【図17】(a)はコーナー下地材の変形例を示す端面図、(b)は同上のコーナー下地材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図18】(a)はコーナー下地材の変形例を示す端面図、(b)は同上のコーナー下地材を取り付けた状態を示す断面図である。
【図19】(a)、(b)は図17に示すコーナー下地材の変形例を示す端面図である。
【図20】一般的に採用されている従来の内壁の端部構造を示す断面図である。
【図21】近年採用され始めた従来の内壁の端部構造を示す断面図である。
【図22】精度良く形成されていない壁面開口部に枠材を取り付ける場合の内壁の端面と枠材との位置関係を説明するための説明図である。
【図23】(a)、(b)は近年採用され始めた従来の内壁の端部構造の問題点を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、内壁10に形成された壁面開口部にドア枠20を設置し、このドア枠20にドアDを取り付けた状態を示している。このドア枠20は、左右一対の縦枠21、21と、この縦枠21、21をその上端部で連結する上枠22とから構成されており、縦枠21、21及び上枠22は、内壁10の厚みよりも幅狭に形成されている。なお、縦枠21、21及び上枠22は、木質材料によって形成されており、縦枠21、21及び上枠22には、合成樹脂等によって形成された戸当り23が取り付けられている。
【0032】
図3は、前記縦枠21が取り付けられている内壁10の端部構造を示す拡大断面図である。内壁10は、壁下地材11、樹脂成形品である長尺のコーナー下地材30及び壁仕上材(クロス)14とから構成されており、縦枠21が、内壁10の厚み方向の外側に張り出さないように、内壁10の開口端面を形成している壁下地材11の間柱12にビス止めされていると共に、コーナー下地材30が、縦枠21と壁下地材11の下地ボード(石膏ボード)13とに取り付けられており、このコーナー下地材30によって内壁10における端面側のコーナー部が形成されている。なお、縦枠21は垂直に設置しなければならないが、間柱12は精度良く施工されているわけではないので、間柱12と縦枠21との間には、必要に応じて、隙間調整部材Sが挿入されている。
【0033】
前記コーナー下地材30は、図4(a)〜(c)に示すように、略90度の角度をなすように、相互に連設された一対の張出片31、31と、一対の張出片31、31の連設部である角部を補強するために、各張出片31、31の基端部側から、相互に対向するように、斜めに張り出した補強用のリブ32、32とを備えており、各張出片31、31におけるリブ32の連設部よりも先端側には、その外面に、パテや壁仕上材(クロス)14の接着強度を高めるために、長手方向に延びる多数の凹条31aが形成されていると共に、その内面に両面粘着テープ(図示せず)が予め貼着されている。なお、このコーナー下地材30は、内壁10における端面側のコーナー部に柔らかい印象を与えるために、その角部に丸みを持たせてある。
【0034】
前記リブ32、32は、図3に示すように、縦枠21の厚み方向については、一方の張出片31から縦枠21における切溝21aの裏面側の厚みT1分までの領域α内に形成されており、縦枠21の幅方向については、他方の張出片31から下地ボード13の厚みT2分までの領域β内に形成されている。
【0035】
このコーナー下地材30は、図3に示すように、一方の張出片31が縦枠21の端面に形成された、幅が0.6〜3.0mmの切溝21aに遊嵌されていると共に、他方の張出片31の内面側が壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に両面テープ(図示せず)によって貼着されており、一方の張出片31が遊嵌されている切溝21aにおける縦枠21の外面側に隙間が形成されるように、一方の張出片31は、切溝21aにおける壁下地材11側に位置している。
【0036】
張出片31の先端側は、その厚みが0.1〜0.6mm程度の薄肉状に形成されているが、下地ボード13の表面との間には僅かな段差が生じているので、その段差部分をパテPによって埋めることで、下地慣らしが行われている。
【0037】
また、内壁10を構成している壁仕上材(クロス)14は、下地ボード13からコーナー下地材30にわたって貼着されており、コーナー下地材30側の端縁を縦枠21の切溝21aに挿入した状態で、縦枠21の外面側に形成された切溝21aの隙間部分にコーキング剤Cが充填されている。
【0038】
以下、この内壁10の端部構造の施工方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、内壁10を構成している壁下地材11の端面に縦枠21を固定することになるが、上述したように、壁下地材11の間柱12は精度良く施工されているわけではないので、垂直に設置しなければならない縦枠21との間に隙間が形成される場合は、同図(a)に示すように、間柱12と縦枠21との間に隙間調整部材Sを挿入した状態で、縦枠21を間柱12にビス止めする。
【0039】
続いて、同図(b)に示すように、コーナー下地材30の一方の張出片31を縦枠21の端面に形成された切溝21aに嵌入すると共に、他方の張出片31の内面側を壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に両面テープ(図示せず)によって貼着する。このとき、一方の張出片31が遊嵌されている切溝21aにおける縦枠21の外面側に隙間が形成されるように、一方の張出片31の内面を、切溝21aにおける壁下地材11側の壁面に接触させた状態で、他方の張出片31を下地ボード13に貼着する。
【0040】
次に、図6(a)に示すように、コーナー下地材30の他方の張出片31と、下地ボード13の表面との間に生じた僅かな段差部分をパテPによって埋めることで、下地慣らしを行った後、同図(b)に示すように、壁仕上材(クロス)14を、下地ボード13側からコーナー下地材30側に貼着していき、その端縁を縦枠21の切溝21aに挿入する。最後に、図7に示すように、壁仕上材(クロス)14が挿入された切溝21aの隙間部分にコーキング剤Cを充填することによって、壁仕上材(クロス)14の端縁部分を固定する。
【0041】
以上のように、この内壁10の端部構造では、内壁10における端面側のコーナー部を形成しているコーナー下地材30が、縦枠21の所定位置に取り付けられているので、例えば、図8(a)、(b)に示すように、縦枠21を固定する壁下地材の間柱12が垂直になっていなかったため、縦枠21を固定しようとする間柱12の端面が、ある高さ位置と他の高さ位置とで、水平方向にΔdだけずれていたとしても、内壁10の端面からの縦枠21の突出量Lが常時一定量に保持され、縦枠21を取り付けた内壁端部の外観が損なわれることがない。
【0042】
また、この内壁10の端部構造では、コーナー下地材30の一方の張出片31が、縦枠21の切溝21aに遊嵌されており、壁仕上材14の端縁を縦枠21の切溝21aに挿入しているので、縦枠21自体が変形しても、コーキングが切れるだけで、壁仕上材14が剥がれることがなく、内壁端部の外観が損なわれにくい。
【0043】
特に、この内壁10の端部構造では、縦枠21の切溝21aに遊嵌されているコーナー下地材30の一方の張出片31が、切溝21aにおける壁下地材11側に位置しており、切溝21aにおける縦枠21の外面側に形成される隙間にコーキング剤Cを充填しているので、コーキング剤Cによる壁仕上材14の接着強度が向上し、壁仕上材14がより剥がれにくい。
【0044】
また、コーナー下地材30のリブ32、32は、図3に示すように、縦枠21の厚み方向については、一方の張出片31から縦枠21における切溝21aの裏面側の厚みT1分までの領域α内で、かつ、縦枠21の幅方向については、他方の張出片31から下地ボード13の厚みT2分までの領域β内に形成されているので、間柱12と縦枠21との間に隙間調整部材Sを挿入しない場合や縦枠21の幅が変動した場合であっても、コーナー下地材30を取り付ける際に、リブ32が障害になることがなく、コーナー下地材30を適正な位置に確実に取り付けることができる。
【0045】
また、内壁の端面に取り付けるドア枠等の枠材については、すっきりしたイメージを与えるために、その幅を小さくするだけでなく、厚みについても小さくすることが望まれているが、ドア枠(縦枠)の場合は、ストライクを装着しなければならないことから、厚みを薄くすることができないといった問題があった。しかしながら、この内壁10の端部構造では、実際はストライクを装着可能な厚い縦枠21を使用しているにも拘わらず、外観上は薄く見せることができるので、さらにすっきりしたイメージを与えることができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、縦枠21の端面に形成された切溝21aに遊嵌したコーナー下地材30の一方の張出片31を、切溝21aに充填したコーキング剤Cによって固定しているが、樹脂成形品である薄肉のコーナー下地材30は柔らかくて変形しやすく、コーキング剤Cは硬化した後も柔軟性があるので、切溝21aに充填したコーキング剤Cだけでは、切溝21aに遊嵌したコーナー下地材30の張出片31を確実に固定することができず、コーナー下地材30の張出片31が切溝21a内で位置ずれしたり、コーナー下地材30を指で押すと、コーナー下地材30がぐらぐらしたりするおそれがあるので、以下に示すような施工方法を採用することが望ましい。
【0047】
まず、図9(a)に示すように、切溝21aに接着剤Aを充填した後、同図(b)に示すように、コーナー下地材30の一方の張出片31を、その内面が切溝21aにおける壁下地材11側の壁面に接触するような状態で、縦枠21の端面に形成された切溝21aに挿入すると共に、他方の張出片31の内面側を壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に両面テープによって貼着する。
【0048】
続いて、図10(a)に示すように、合成樹脂によって形成された、切溝21aの深さよりも2mm程度短い幅を有する長尺扁平状のパッキン材Fを、切溝21aにおける縦枠21の外面側に形成される隙間に、ドライバー等を利用して切溝12aの奥まで圧入した後、同図(b)に示すように、コーナー下地材30の他方の張出片31と、下地ボード13の表面との間に生じた僅かな段差部分をパテPによって埋めることで、下地慣らしを行う。
【0049】
最後に、図11(a)に示すように、壁仕上材(クロス)14を、下地ボード13側からコーナー下地材30側に貼着していき、その端縁を縦枠21の切溝21aに挿入した後、同図(b)に示すように、壁仕上材(クロス)14が挿入された切溝21aの隙間部分にコーキング剤Cを充填することによって、壁仕上材(クロス)14の端縁部分を固定する。
【0050】
このように、切溝21aに予め接着剤Aを充填した状態で、コーナー下地材30の一方の張出片31を縦枠21の切溝21aに挿入し、パッキン材Fを切溝21aにおける縦枠21の外面側に形成される隙間に圧入すると、切溝21aに充填した接着剤Aが、切溝21a内において、コーナー下地材30の張出片31やパッキン材Fの間に均一に回り込むので、切溝21aに挿入されているコーナー下地材30の張出片31が全体的に接着されると共に、その接着性がアンカー効果によって向上するので、コーナー下地材30の一方の張出片31を切溝31a内の所定位置に確実に固定することができる。従って、コーナー下地材30を指で押しても、ぐらぐらしたり、動いたりすることがなくなり、施工の信頼性が向上する。
【0051】
また、パッキン材Fは、上述した断面長方形状のものに限定されるものではなく、幅方向の一方側が先細に形成された断面楔状であってもよく、圧入したときにスプリングバック力が作用するように、薄肉の樹脂片や金属片をV字状に折り曲げたものでもよい。
【0052】
また、上述した実施形態では、縦枠21の切溝21aは、溝深さに拘わらず、同幅に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図12(a)、(b)に示す切溝21b、21cのように、縦枠21の内部側に形成された幅狭部nと、縦枠21の端面側に形成された、縦枠21の外面側に広がる幅広部wとによって構成しておくと、壁仕上材14の端縁を挿入しやすくなると共に、コーキング剤の充填量が大きくなるので、コーキング剤による壁仕上材14の接着強度をさらに向上させることができる。
【0053】
特に、図13(a)、(b)に示す切溝21d、21eのように、縦枠21の内部側に形成された幅狭部nを、コーナー下地材30における一方の張出片31の先端部が遊びのない状態で嵌合するような溝幅に設定しておくと、一方の張出片31の先端部を、切溝21d、21eの幅狭部nに嵌入すると、コーナー下地材30が位置決めされるので、コーナー下地材30を常に適正な位置に取り付けることができる。
【0054】
また、図14(a)に示すように、縦枠21の端面側に向かって、縦枠21の外面側に溝幅が広がるテーパ状の切溝21fや、同図(b)に示すように、縦枠21の内部に向かって、壁下地材11側に傾斜させた切溝21gを形成しておくと、コーナー下地材30の一方の張出片31を切溝21f、21gに遊嵌させながら、コーナー下地材30に対するある程度の位置決め機能を付与することができる。
【0055】
また、図15に示すように、縦枠21における切溝21aよりも壁下地材11側を幅広にすることで、張出部OHを形成しておくと、コーナー下地材30の一方の張出片31が縦枠21に接触する面積が拡大するので、コーナー下地材30の支持強度が向上する。
【0056】
また、上述した各実施形態では、補強用のリブ32、32が各張出片31、31の基端部側から斜めに張り出したコーナー下地材30を使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図16(a)、(b)に示すように、ループ状のリブ32a、32bを採用してもよく、同図(c)、(d)に示すように、コーナー下地材30の角部から45度の角度で突出するリブ32c、32dを採用してもよい。ただし、リブ32a、32b、32c、32dについても、上述したリブ32の場合と同様に、縦枠21の厚み方向については、一方の張出片31から縦枠21における切溝21aの裏面側の厚みT1分までの領域α内で、かつ、縦枠21の幅方向については、他方の張出片31から下地ボード13の厚みT2分までの領域β内に形成する必要があることは言うまでもない。
【0057】
また、図17(a)、(b)に示すように、他方の張出片31から、一方の張出片31の張出方向と同方向に張り出す突出片33を形成してなるコーナー下地材30Aを採用すると共に、縦枠21における壁下地材11側の面における縦枠21の幅方向の両端部に切欠部CPを形成し、コーナー下地材30Aの一方の張出片31を切溝21aに嵌入することによって、縦枠21における切溝21aと切欠部CPとの間の部分が、一方の張出片31と突出片33とによって挟み込まれるようにしておくと、一方の張出片31が切溝21aにおける壁下地材11側に位置決めされ、切溝21aにおける縦枠21の外面側に隙間が形成されるので、コーナー下地材30Aを取り付ける際、作業者は意識しなくても、コーキング剤を充填するための隙間を切溝21aに確実に形成することができると共に、突出片33が角部の補強用リブとしても機能するので、コーナー下地材30Aによって形成される内壁10の端面側の角部が損傷を受けたり、変形したりしにくいという効果も得られる。
【0058】
また、図18(a)、(b)に示すように、コーナー下地材30Aにおける一方の張出片31と突出片33との間隔を狭くすると共に、縦枠21の両端面における切溝21aよりも壁下地材11側に、突出片33が遊びのない状態で嵌合する切溝21hを別途形成し、コーナー下地材30Aの突出片33が縦枠21の切溝21hに嵌り込んだ状態で、コーナー下地材30Aの一方の張出片31が切溝21aにおける壁下地材11側に位置決めされるようにしておくことで、縦枠21における切溝21aと切欠部CPとの間の部分を、一方の張出片31と突出片33とによって挟み込む場合と同様の効果を得ることができる。特に、一方の張出片31と突出片33との間隔を狭くすることによって、突出片33の張りだし位置が角部に近づくので、補強用リブとしての効果がさらに高くなる。
【0059】
なお、図17(a)及び図18(a)に示すコーナー下地材30Aは、コーナー下地材30Aの長手方向の全長にわたって突出片33を設けているが、これに限定されるものではなく、例えば、突出片33に替えてコーナー下地材30Aの長手方向に一定間隔で複数の突起等の凸部を設け、この凸部と一方の張出片とによって、縦枠21における切溝21aと切欠部CPとの間の部分を挟み込んだり、切溝21hに替えて縦枠21に形成した凹部に凸部を嵌め込んだりすることによって、一方の張出片31を切溝21aにおける壁下地材11側に位置決めすることも可能である。
【0060】
また、コーナー下地材30Aは、上述したように、突出片33が補強リブとしても機能するが、図19(a)に示すように、一方の張出片31と突出片33とを連結するリブ32eや、同図(b)に示すように、このリブ32eと共に、角部と突出片33とを連結するリブ32fを設けておくと、コーナー下地材30Aによって形成される内壁10の端面側の角部が、さらに、損傷を受けたり、変形したりしにくくなる。
【0061】
また、上述した実施形態では、コーナー下地材30の他方の張出片31の内面側を壁下地材11を構成している下地ボード13の表面に両面テープによって貼着した後、そのままの状態で、下地ボード13の表面との間に生じた僅かな段差部分をパテPによって埋めることで、下地慣らしを行っているが、これに限定されるものではなく、下地慣らしを行う前に、コーナー下地材30の他方の張出片31及び下地ボード13の双方を覆うように、メッシュシート等によって形成されたジョイントテープを貼着して補強するようにしてもよい。
【0062】
また、上述した各実施形態は、内壁10に形成された壁面開口部に縦枠21を取り付ける場合について説明したが、上枠22についても同様の端部構造を採用することができることはいうまでもなく、ドア枠以外に、無目枠、開口枠、窓枠、引戸枠等の枠材を内壁の端面に取り付ける場合に、本発明の端部構造を採用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の内壁の端部構造は、内壁の壁厚よりも幅狭の枠材を内壁の端面に取り付ける場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 内壁
11 壁下地材
12 間柱
13 下地ボード
14 壁仕上材(クロス)
20 ドア枠
21 縦枠
21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g 切溝
21h 切溝(凹部)
22 上枠
23 戸当り
30、30A コーナー下地材
31 張出片
31a 凹条
32、32a、32b、32c、32d、32e、32f リブ
33 突出片(凸部)
A 接着剤
F パッキン材
C コーキング剤
P パテ
S 隙間調整部材
CP 切欠部
OH 張出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内壁の厚みよりも幅狭の枠材を、前記内壁の端面に取り付けた内壁の端部構造であって、
前記枠材には、その幅方向の両端面に長手方向に延びる切溝を形成し、
前記内壁の端面には、前記内壁における厚み方向の外側に張り出さないように、前記内壁を構成している壁下地材に前記枠材を固定し、
一対の張出片が、略90度の角度をなすように相互に連設された長尺のコーナー下地材を、その一方の張出片を前記枠材の前記切溝に嵌入すると共に他方の張出片を、前記壁下地材を構成している下地ボードの表面に重ね合わせた状態で、前記壁下地材に固着し、前記下地ボードから前記コーナー下地材にわたって壁仕上材を貼着したことを特徴とする内壁の端部構造。
【請求項2】
前記コーナー下地材の一方の前記張出片は、前記枠材の前記切溝に遊嵌されている請求項1に記載の内壁の端部構造。
【請求項3】
前記枠材の前記切溝に遊嵌されている前記コーナー下地材の一方の前記張出片は、前記切溝における前記壁下地材側に位置しており、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されている請求項2に記載の内壁の端部構造。
【請求項4】
前記枠材には、その両端面における前記切溝よりも前記壁下地材側に凹部が形成されており、
前記コーナー下地材には、前記凹部に嵌り込む凸部が形成されており、
前記コーナー下地材の前記凸部が前記枠材の前記凹部に嵌り込んだ状態では、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記切溝における前記壁下地材側に位置決めされ、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されるようになっている請求項2に記載の内壁の端部構造。
【請求項5】
前記枠材における前記壁下地材側の面には、前記枠材の幅方向の両端部に切欠部が形成されており、
前記コーナー下地材には、他方の前記張出片から突出する凸部が形成されており、
前記コーナー下地材の一方の前記張出片を前記切溝に嵌入した状態では、前記枠材における前記切溝と前記切欠部との間の部分が、一方の前記張出片と前記凸部とによって挟み込まれることで、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記切溝における前記壁下地材側に位置決めされ、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されるようになっている請求項2に記載の内壁の端部構造。
【請求項6】
前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記枠材の前記切溝に遊嵌された状態で、前記切溝における前記枠材の外面側に形成された隙間には、扁平なパッキン材が嵌入されている請求項3、4または5に記載の内壁の端部構造。
【請求項7】
前記切溝には、接着剤が充填されている請求項6に記載の内壁の端部構造。
【請求項8】
前記枠材に形成された前記切溝は、一方の前記張出片の先端部が遊びのない状態で嵌合する幅狭部と、前記枠材の端面側に形成された、前記枠材の外面側に広がる幅広部とを備えている請求項1に記載の内壁の端部構造。
【請求項9】
前記コーナー下地材は、一方の前記張出片と他方の前記張出片とによって形成される角部に、補強用のリブが形成されている請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の内壁の端部構造。
【請求項10】
前記コーナー下地材の前記リブは、前記枠材の厚み方向については、前記枠材の前記切溝に嵌入している一方の前記張出片から前記枠材における前記切溝の裏面側の厚み分までの領域内で、かつ、前記枠材の幅方向については、前記下地ボードの表面に重ね合わせた他方の前記張出片から前記下地ボードの厚み分までの領域内に形成されている請求項9に記載の内壁の端部構造。
【請求項11】
請求項1に記載のコーナー下地材であって、
一方の前記張出片と他方の前記張出片とによって形成される角部に、補強用のリブが形成されていることを特徴とするコーナー下地材。
【請求項12】
前記リブが、他方の前記張出片から一方の前記張出片の張出方向と同方向に張り出す突出片によって形成されている請求項11に記載のコーナー下地材。
【請求項1】
内壁の厚みよりも幅狭の枠材を、前記内壁の端面に取り付けた内壁の端部構造であって、
前記枠材には、その幅方向の両端面に長手方向に延びる切溝を形成し、
前記内壁の端面には、前記内壁における厚み方向の外側に張り出さないように、前記内壁を構成している壁下地材に前記枠材を固定し、
一対の張出片が、略90度の角度をなすように相互に連設された長尺のコーナー下地材を、その一方の張出片を前記枠材の前記切溝に嵌入すると共に他方の張出片を、前記壁下地材を構成している下地ボードの表面に重ね合わせた状態で、前記壁下地材に固着し、前記下地ボードから前記コーナー下地材にわたって壁仕上材を貼着したことを特徴とする内壁の端部構造。
【請求項2】
前記コーナー下地材の一方の前記張出片は、前記枠材の前記切溝に遊嵌されている請求項1に記載の内壁の端部構造。
【請求項3】
前記枠材の前記切溝に遊嵌されている前記コーナー下地材の一方の前記張出片は、前記切溝における前記壁下地材側に位置しており、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されている請求項2に記載の内壁の端部構造。
【請求項4】
前記枠材には、その両端面における前記切溝よりも前記壁下地材側に凹部が形成されており、
前記コーナー下地材には、前記凹部に嵌り込む凸部が形成されており、
前記コーナー下地材の前記凸部が前記枠材の前記凹部に嵌り込んだ状態では、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記切溝における前記壁下地材側に位置決めされ、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されるようになっている請求項2に記載の内壁の端部構造。
【請求項5】
前記枠材における前記壁下地材側の面には、前記枠材の幅方向の両端部に切欠部が形成されており、
前記コーナー下地材には、他方の前記張出片から突出する凸部が形成されており、
前記コーナー下地材の一方の前記張出片を前記切溝に嵌入した状態では、前記枠材における前記切溝と前記切欠部との間の部分が、一方の前記張出片と前記凸部とによって挟み込まれることで、前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記切溝における前記壁下地材側に位置決めされ、前記切溝における前記枠材の外面側に隙間が形成されるようになっている請求項2に記載の内壁の端部構造。
【請求項6】
前記コーナー下地材の一方の前記張出片が前記枠材の前記切溝に遊嵌された状態で、前記切溝における前記枠材の外面側に形成された隙間には、扁平なパッキン材が嵌入されている請求項3、4または5に記載の内壁の端部構造。
【請求項7】
前記切溝には、接着剤が充填されている請求項6に記載の内壁の端部構造。
【請求項8】
前記枠材に形成された前記切溝は、一方の前記張出片の先端部が遊びのない状態で嵌合する幅狭部と、前記枠材の端面側に形成された、前記枠材の外面側に広がる幅広部とを備えている請求項1に記載の内壁の端部構造。
【請求項9】
前記コーナー下地材は、一方の前記張出片と他方の前記張出片とによって形成される角部に、補強用のリブが形成されている請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の内壁の端部構造。
【請求項10】
前記コーナー下地材の前記リブは、前記枠材の厚み方向については、前記枠材の前記切溝に嵌入している一方の前記張出片から前記枠材における前記切溝の裏面側の厚み分までの領域内で、かつ、前記枠材の幅方向については、前記下地ボードの表面に重ね合わせた他方の前記張出片から前記下地ボードの厚み分までの領域内に形成されている請求項9に記載の内壁の端部構造。
【請求項11】
請求項1に記載のコーナー下地材であって、
一方の前記張出片と他方の前記張出片とによって形成される角部に、補強用のリブが形成されていることを特徴とするコーナー下地材。
【請求項12】
前記リブが、他方の前記張出片から一方の前記張出片の張出方向と同方向に張り出す突出片によって形成されている請求項11に記載のコーナー下地材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図7】
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【図10】
【図11】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−226244(P2011−226244A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232339(P2010−232339)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000000413)永大産業株式会社 (243)
【Fターム(参考)】
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