内視鏡用処置具
【課題】可撓性シースの先端からの棒状処置片の突出長を確実に視認することができて、内視鏡的処置を常に安全に行うことができる内視鏡用処置具を提供すること。
【解決手段】可撓性シース1の少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、操作ワイヤ2の先端付近と棒状処置片3の少なくとも一方に、棒状処置片3の移動と共に移動して可撓性チューブ1を透かして可撓性チューブ1外から視認される移動指標9を形成した。
【解決手段】可撓性シース1の少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、操作ワイヤ2の先端付近と棒状処置片3の少なくとも一方に、棒状処置片3の移動と共に移動して可撓性チューブ1を透かして可撓性チューブ1外から視認される移動指標9を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は内視鏡用処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡用処置具には、例えば突没自在な棒状電極が可撓性シースの先端に設けられた内視鏡用高周波切開具などのように、可撓性シースの先端内から前方に向かって突没自在に配置された棒状処置片を、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置された操作ワイヤで進退操作して、棒状処置片を可撓性シースの先端内から前方に向かって突没させるように構成されたものがある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−270240
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような内視鏡用高周波切開具では、切開対象になっている生体組織の状態等に応じて棒状電極の突出長を適切に調整する必要があるので、内視鏡の観察画面中で棒状電極そのものを観察してその突出長を確認している。
【0004】
しかし、図17に示されるように、内視鏡の観察窓91から棒状電極92を見ると、棒状電極92はそれより太い可撓性シース93の陰になるので、図18に示されるように、棒状電極92のうち可撓性シース93の先端からある程度以上突出した部分しか内視鏡の観察画面中に表れない。したがって、棒状電極92の先端が可撓性シース93の先端からどの程度突出しているかを正確には確認することができない。
【0005】
そして、図19に示されるように、内視鏡用高周波切開具90が内視鏡からある程度以上長く突き出された状態になると、棒状電極92が完全に可撓性シース93の陰になって、図20に示されるように、内視鏡の観察画面中に棒状電極92が全く現れなくなり、高周波切開等の内視鏡的処置を必ずしも安全に行えなくなってしまう。
【0006】
本発明は、可撓性シースの先端からの棒状処置片の突出長を確実に視認することができて、内視鏡的処置を常に安全に行うことができる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用処置具は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性シースと、可撓性シースの先端内から前方に向かって突没自在に配置された棒状処置片と、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置されて先端に棒状処置片が連結された操作ワイヤとを備え、可撓性シースの基端側から操作ワイヤを進退操作することにより棒状処置片が可撓性シースの先端内から前方に向かって突没するように構成された内視鏡用処置具において、可撓性シースの少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、操作ワイヤの先端付近と棒状処置片の少なくとも一方に、棒状処置片の移動と共に移動して可撓性チューブを透かして可撓性チューブ外から視認される移動指標を形成したものである。
【0008】
なお、棒状処置片が高周波電極であって、可撓性シースが電気絶縁性のチューブで形成され、操作ワイヤが高周波電極への導電線として兼用されていてもよく、可撓性シース内における操作ワイヤの進退動作に対し摩擦抵抗を付与して棒状処置片を可撓性シースの先端から任意の長さ突出した位置で静止させるブレ−キ手段が可撓性シース内に設けられていてもよい。その場合、ブレーキ手段が操作ワイヤに沿って可撓性シース内に嵌め込まれた可撓性チューブであってもよい。
【0009】
また、可撓性シースの最先端部分に筒状の先端チップが取り付けられていて、棒状処置片が先端チップ内を通過するようになっていてもよく、その場合、棒状処置片の基部に、先端チップの後端に当接して可撓性シースの先端からの棒状処置片の最大突出長を規制するストッパが設けられていて、ストッパの外周部に移動指標が形成されていてもよい。
【0010】
そして、透明チューブ外から視認される固定指標が先端チップに形成されていてもよく、その固定指標が、透明チューブを透かして透明チューブ外から視認されるようにしてもよい。なお、そのような固定指標が、先端チップの後端部分のみに形成されていてもよく、或いは、先端チップの軸線方向に間隔をあけて先端チップの外周面に複数形成されていてもよい。
【0011】
また、移動指標が、棒状処置片の軸線方向に間隔をあけて棒状処置片の外周面に複数形成されていてもよく、その場合、先端チップが不透明に形成されていて、複数の移動指標のうち先端チップ内に移動した移動指標が透明チューブ外から視認できなくなるようにしてもよい。
【0012】
また、可撓性シースに外部から視認される固定指標が形成されていてもよく、棒状処置片の最先端位置が可撓性シースの最先端位置と揃った時に移動指標と重なる位置に固定指標が形成されていてもよく、固定指標が熱収縮チューブで形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可撓性シースの少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、操作ワイヤの先端付近と棒状処置片の少なくとも一方に、棒状処置片の移動と共に移動して可撓性チューブを透かして可撓性チューブ外から視認される移動指標を形成したので、可撓性チューブを透かして移動指標を可撓性チューブ外から視認することで、可撓性シースの先端からの棒状処置片の突出長を確実に視認することができ、内視鏡的処置を常に安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性シースと、可撓性シースの先端内から前方に向かって突没自在に配置された棒状処置片と、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置されて先端に棒状処置片が連結された操作ワイヤとを備え、可撓性シースの基端側から操作ワイヤを進退操作することにより棒状処置片が可撓性シースの先端内から前方に向かって突没するように構成された内視鏡用処置具において、可撓性シースの少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、操作ワイヤの先端付近と棒状処置片の少なくとも一方に、棒状処置片の移動と共に移動して可撓性チューブを透かして可撓性チューブ外から視認される移動指標を形成する。
【実施例】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の全体構成を示しており、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のような可撓性チューブからなる可撓性シース1内に、導電性を有する例えばステンレス鋼線の撚り線からなる操作ワイヤ2が、可撓性シース1に対して軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置されている。
【0016】
操作ワイヤ2の先端には、導電性を有する細い真っ直ぐな高周波電極である棒状電極3(棒状処置片)が一体的に連結されて、可撓性シース1の先端から前方に向かって突没する状態に配置されている。棒状電極3は、操作ワイヤ2の先端部分と共に可撓性シース1に対して軸線方向に進退自在である。
【0017】
20は操作部であり、可撓性シース1の基端に連結された操作部本体21の後端部に固定指掛22が形成され、操作部本体21に摺動自在に配置された可動指掛23に操作ワイヤ2の基端2aが連結固定されていて、図示されていない高周波電源コードが接続される接続端子24が操作ワイヤ2に導通して可動指掛23に配置されている。
【0018】
したがって、可動指掛23をスライド操作すれば、操作ワイヤ2が可撓性シース1内で軸線方向に移動して、棒状電極3が可撓性シース1の先端から前方(図において下方)に突没し、可撓性シース1の先端からの棒状電極3の突出長(以下、単に「突出長」という)を任意に調整することができる。
【0019】
そして、高周波電源コードを接続端子24に接続することにより、導電線を兼用する操作ワイヤ2を経由して棒状電極3に高周波電流を通電し、棒状電極3に触れる生体組織に対して高周波処置を行うことができる。
【0020】
図3は可撓性シース1の先端付近を示しており、この実施例の棒状電極3は、操作ワイヤ2の芯線をそのまま延長して形成されていて、操作ワイヤ2に対して継ぎ目なく構成されている。
【0021】
操作ワイヤ2は、上述のように棒状電極3に一体につながる芯線の周囲にステンレス鋼細線を撚り合わせたり、或いはコイル巻きしたりして形成されている。ただし、棒状電極3と分離して設けた操作ワイヤ2を棒状電極3と連結管等で連結した構成であってもよい。
【0022】
図3に示されるように、可撓性シース1の先端近傍内には、操作ワイヤ2の外周面に圧接されて押し潰された状態に弾性変形する軟質圧接部材4(ブレ−キ手段)が、操作ワイヤ2に沿って圧入配置されている。
【0023】
この実施例の軟質圧接部材4は例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のようなチューブ状部材であり、断面形状が円形の素材チューブが、IV−IV断面を図示する図4に示されるように、可撓性シース1の内周面と操作ワイヤ2の外周面とで押し潰されて、操作ワイヤ2で押し潰された部分が窪んだ形状に弾性変形した状態に配置されている。
【0024】
その結果、操作ワイヤ2は、軟質圧接部材4が圧接した状態に係合して両者間に摩擦抵抗が付与され、何も操作されてない状態の時は可撓性シース1内に軽く固定された状態になっているので、棒状電極3が体内粘膜に触れた程度では棒状電極3の突出長が変化せず、棒状電極3を任意の長さ突出した位置で静止させることができる。
【0025】
図3に示されるように、可撓性シース1の先端には、例えば電気絶縁性のPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等からなる円筒状の不透明な先端チップ5が圧入固定されて、その軸線位置を棒状電極3が進退自在に緩く通過している。
【0026】
そして、先端チップ5を単体で図示する図5にも示されるように、先端チップ5の外周面には可撓性シース1の内周面に食いついて抜け止めになる尖った小さな円周突起6が数カ所に突出形成され、先端チップ5の後端近傍部分の外周面には、他の部分と色を明瞭に変えた固定指標7が全周に形成されている。
【0027】
図3に戻って、棒状電極3の基部には、先端チップ5の後端面に当接して棒状電極3の最大突出長を規制する短円筒状のストッパ8が固着されている。ストッパ8の外径は可撓性シース1の内径に緩く嵌合する程度のサイズに形成されている。
【0028】
そのようなストッパ8の外周面には、他の部分と色を明瞭に変えた移動指標9が全周に形成されている。したがって、移動指標9は棒状電極3及び操作ワイヤ2の移動と共に可撓性シース1内で移動する。なお、移動指標9と固定指標7とが同じ色であってもよいし、違う色であってもよい。
【0029】
可撓性シース1は、少なくとも内側に移動指標9と固定指標7が位置する先端部分付近が透明な可撓性チューブで形成されている。例えば、可撓性シース1を全長にわたって透明な可撓性チューブで形成してもよいし、不透明な可撓性チューブの先端部分に透明チューブを接続してもよい。なお、本発明における「透明」とは、可撓性シース1を透過して固定指標7と移動指標9を可撓性シース1の外部から視認できる程度のものであればよく、いわゆる「半透明」を含むものである。
【0030】
このように構成された実施例の内視鏡用処置具においては、図1に示されるように、固定指標7と移動指標9とが他の部分と明瞭に相違する色に形成されていて、透明な可撓性シース1を透かして可撓性シース1の外部から固定指標7と移動指標9を視認することができ、その固定指標7と移動指標9との間の間隔が棒状電極3の突出長に対応して変化する(この実施例では、棒状電極3の突出長が大きくなると、固定指標7と移動指標9との間の間隔が狭まる)。
【0031】
その結果、内視鏡の観察画面には、図6に示されるように、内視鏡の先端から突出された可撓性シース1を透かして固定指標7と移動指標9とが観察され、棒状電極3の突出部分が可撓性シース1(先端チップ5)の陰になる状態であっても、固定指標7と移動指標9との間の間隔から棒状電極3の突出長を把握することができる。したがって、棒状電極3の突出長を適切な長さに調整して、安全に高周波処置を行うことができる。
【0032】
図7は、本発明の第2の実施例の内視鏡用処置具の先端チップ5を示しており、固定指標7が、先端チップ5の軸線方向に一定の間隔をあけて先端チップ5の外周面に複数形成されている。その他の構成は前述の第1の実施例と同じである。
【0033】
このようにすると、図8及び図9に示されるように、移動指標9と固定指標7との間の間隔が、複数の固定指標7どうしの間の間隔との対比により判断し易くなって、棒状電極3の突出長をより正確に把握することができる。
【0034】
図10は、本発明の第3の実施例の内視鏡用処置具を示しており、移動指標9が、ストッパ8には形成されずに、棒状電極3の軸線方向に一定の間隔をあけて棒状電極3の外周面に複数形成されている。
【0035】
そして、先端チップ5は不透明に形成されていて前出の実施例のような固定指標7は設けられておらず、図11に示されるように、棒状電極3に形成された複数の移動指標9のうち先端チップ5に移動した移動指標9が透明な可撓性シース1外から視認できなくなるようになっている。
【0036】
その結果、内視鏡の観察画面には、図12に示されるように、内視鏡の先端から突出された可撓性シース1を透かして移動指標9が観察され、移動指標9が何個見えるかにより棒状電極3の突出長を把握することができる。
【0037】
図13は、本発明の第4の実施例の内視鏡用処置具を示しており、移動指標9は第1及び第2の実施例と同様に棒状電極3の基部に固着されたストッパ8の外周面に形成されているが、外部から直接視認される固定指標7が可撓性シース1自体に形成されている。そのような固定指標7は化学処理又は塗装等により形成することができる。
【0038】
この実施例では、棒状電極3の突出長がちょうどゼロの時(即ち、棒状電極3の最先端位置が可撓性シース1の最先端位置と揃った時)にストッパ8と重なり合う位置に固定指標7が形成されている。
【0039】
したがって、図14に示されるように棒状電極3が可撓性シース1の先端から突出すると、その突出長と同じ長さだけ移動指標9と固定指標7の位置がずれる。したがって、図15に示されるように、内視鏡の観察画面に表れる固定指標7と移動指標9とのずれ量がその時の棒状電極3の突出長になり、突出長を容易に把握することができる。
【0040】
図16は、本発明の第5の実施例の内視鏡用処置具を示しており、第4の実施例の固定指標7が、可撓性シース1の外周面に熱収縮チューブを収縮固着させて形成されている。また、移動指標9を熱収縮チューブで形成しても差し支えない。
【0041】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、棒状電極3に代えて高周波電流が通電されない棒状処置片が用いられた内視鏡用処置具に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施例の、可撓性シースのみを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の全体構成を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の先端付近の側面断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の先端チップを単体で示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例の内視鏡観察像の略示図である。
【図7】本発明の第2の実施例の内視鏡用処置具の先端チップを単体で示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施例の、可撓性シースのみを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図9】本発明の第2の実施例の、可撓性シースのみを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図10】本発明の第3の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図11】本発明の第3の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図12】本発明の第3の実施例の内視鏡観察像の略示図である。
【図13】本発明の第4の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図14】本発明の第4の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図15】本発明の第4の実施例の内視鏡観察像の略示図である。
【図16】本発明の第5の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図17】従来の内視鏡用処置具が内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されて使用される状態の略示図である。
【図18】従来の内視鏡用処置具の内視鏡観察像の略示図である。
【図19】従来の内視鏡用処置具が内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されて使用される状態の略示図である。
【図20】従来の内視鏡用処置具の内視鏡観察像の略示図である。
【符号の説明】
【0043】
1 可撓性シース
2 操作ワイヤ
3 棒状電極(棒状処置片)
4 軟質圧接部材(ブレーキ手段)
5 先端チップ
7 固定指標
8 ストッパ
9 移動指標
【技術分野】
【0001】
この発明は内視鏡用処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡用処置具には、例えば突没自在な棒状電極が可撓性シースの先端に設けられた内視鏡用高周波切開具などのように、可撓性シースの先端内から前方に向かって突没自在に配置された棒状処置片を、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置された操作ワイヤで進退操作して、棒状処置片を可撓性シースの先端内から前方に向かって突没させるように構成されたものがある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−270240
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような内視鏡用高周波切開具では、切開対象になっている生体組織の状態等に応じて棒状電極の突出長を適切に調整する必要があるので、内視鏡の観察画面中で棒状電極そのものを観察してその突出長を確認している。
【0004】
しかし、図17に示されるように、内視鏡の観察窓91から棒状電極92を見ると、棒状電極92はそれより太い可撓性シース93の陰になるので、図18に示されるように、棒状電極92のうち可撓性シース93の先端からある程度以上突出した部分しか内視鏡の観察画面中に表れない。したがって、棒状電極92の先端が可撓性シース93の先端からどの程度突出しているかを正確には確認することができない。
【0005】
そして、図19に示されるように、内視鏡用高周波切開具90が内視鏡からある程度以上長く突き出された状態になると、棒状電極92が完全に可撓性シース93の陰になって、図20に示されるように、内視鏡の観察画面中に棒状電極92が全く現れなくなり、高周波切開等の内視鏡的処置を必ずしも安全に行えなくなってしまう。
【0006】
本発明は、可撓性シースの先端からの棒状処置片の突出長を確実に視認することができて、内視鏡的処置を常に安全に行うことができる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用処置具は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性シースと、可撓性シースの先端内から前方に向かって突没自在に配置された棒状処置片と、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置されて先端に棒状処置片が連結された操作ワイヤとを備え、可撓性シースの基端側から操作ワイヤを進退操作することにより棒状処置片が可撓性シースの先端内から前方に向かって突没するように構成された内視鏡用処置具において、可撓性シースの少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、操作ワイヤの先端付近と棒状処置片の少なくとも一方に、棒状処置片の移動と共に移動して可撓性チューブを透かして可撓性チューブ外から視認される移動指標を形成したものである。
【0008】
なお、棒状処置片が高周波電極であって、可撓性シースが電気絶縁性のチューブで形成され、操作ワイヤが高周波電極への導電線として兼用されていてもよく、可撓性シース内における操作ワイヤの進退動作に対し摩擦抵抗を付与して棒状処置片を可撓性シースの先端から任意の長さ突出した位置で静止させるブレ−キ手段が可撓性シース内に設けられていてもよい。その場合、ブレーキ手段が操作ワイヤに沿って可撓性シース内に嵌め込まれた可撓性チューブであってもよい。
【0009】
また、可撓性シースの最先端部分に筒状の先端チップが取り付けられていて、棒状処置片が先端チップ内を通過するようになっていてもよく、その場合、棒状処置片の基部に、先端チップの後端に当接して可撓性シースの先端からの棒状処置片の最大突出長を規制するストッパが設けられていて、ストッパの外周部に移動指標が形成されていてもよい。
【0010】
そして、透明チューブ外から視認される固定指標が先端チップに形成されていてもよく、その固定指標が、透明チューブを透かして透明チューブ外から視認されるようにしてもよい。なお、そのような固定指標が、先端チップの後端部分のみに形成されていてもよく、或いは、先端チップの軸線方向に間隔をあけて先端チップの外周面に複数形成されていてもよい。
【0011】
また、移動指標が、棒状処置片の軸線方向に間隔をあけて棒状処置片の外周面に複数形成されていてもよく、その場合、先端チップが不透明に形成されていて、複数の移動指標のうち先端チップ内に移動した移動指標が透明チューブ外から視認できなくなるようにしてもよい。
【0012】
また、可撓性シースに外部から視認される固定指標が形成されていてもよく、棒状処置片の最先端位置が可撓性シースの最先端位置と揃った時に移動指標と重なる位置に固定指標が形成されていてもよく、固定指標が熱収縮チューブで形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可撓性シースの少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、操作ワイヤの先端付近と棒状処置片の少なくとも一方に、棒状処置片の移動と共に移動して可撓性チューブを透かして可撓性チューブ外から視認される移動指標を形成したので、可撓性チューブを透かして移動指標を可撓性チューブ外から視認することで、可撓性シースの先端からの棒状処置片の突出長を確実に視認することができ、内視鏡的処置を常に安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性シースと、可撓性シースの先端内から前方に向かって突没自在に配置された棒状処置片と、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置されて先端に棒状処置片が連結された操作ワイヤとを備え、可撓性シースの基端側から操作ワイヤを進退操作することにより棒状処置片が可撓性シースの先端内から前方に向かって突没するように構成された内視鏡用処置具において、可撓性シースの少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、操作ワイヤの先端付近と棒状処置片の少なくとも一方に、棒状処置片の移動と共に移動して可撓性チューブを透かして可撓性チューブ外から視認される移動指標を形成する。
【実施例】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図2は本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の全体構成を示しており、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のような可撓性チューブからなる可撓性シース1内に、導電性を有する例えばステンレス鋼線の撚り線からなる操作ワイヤ2が、可撓性シース1に対して軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置されている。
【0016】
操作ワイヤ2の先端には、導電性を有する細い真っ直ぐな高周波電極である棒状電極3(棒状処置片)が一体的に連結されて、可撓性シース1の先端から前方に向かって突没する状態に配置されている。棒状電極3は、操作ワイヤ2の先端部分と共に可撓性シース1に対して軸線方向に進退自在である。
【0017】
20は操作部であり、可撓性シース1の基端に連結された操作部本体21の後端部に固定指掛22が形成され、操作部本体21に摺動自在に配置された可動指掛23に操作ワイヤ2の基端2aが連結固定されていて、図示されていない高周波電源コードが接続される接続端子24が操作ワイヤ2に導通して可動指掛23に配置されている。
【0018】
したがって、可動指掛23をスライド操作すれば、操作ワイヤ2が可撓性シース1内で軸線方向に移動して、棒状電極3が可撓性シース1の先端から前方(図において下方)に突没し、可撓性シース1の先端からの棒状電極3の突出長(以下、単に「突出長」という)を任意に調整することができる。
【0019】
そして、高周波電源コードを接続端子24に接続することにより、導電線を兼用する操作ワイヤ2を経由して棒状電極3に高周波電流を通電し、棒状電極3に触れる生体組織に対して高周波処置を行うことができる。
【0020】
図3は可撓性シース1の先端付近を示しており、この実施例の棒状電極3は、操作ワイヤ2の芯線をそのまま延長して形成されていて、操作ワイヤ2に対して継ぎ目なく構成されている。
【0021】
操作ワイヤ2は、上述のように棒状電極3に一体につながる芯線の周囲にステンレス鋼細線を撚り合わせたり、或いはコイル巻きしたりして形成されている。ただし、棒状電極3と分離して設けた操作ワイヤ2を棒状電極3と連結管等で連結した構成であってもよい。
【0022】
図3に示されるように、可撓性シース1の先端近傍内には、操作ワイヤ2の外周面に圧接されて押し潰された状態に弾性変形する軟質圧接部材4(ブレ−キ手段)が、操作ワイヤ2に沿って圧入配置されている。
【0023】
この実施例の軟質圧接部材4は例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等のようなチューブ状部材であり、断面形状が円形の素材チューブが、IV−IV断面を図示する図4に示されるように、可撓性シース1の内周面と操作ワイヤ2の外周面とで押し潰されて、操作ワイヤ2で押し潰された部分が窪んだ形状に弾性変形した状態に配置されている。
【0024】
その結果、操作ワイヤ2は、軟質圧接部材4が圧接した状態に係合して両者間に摩擦抵抗が付与され、何も操作されてない状態の時は可撓性シース1内に軽く固定された状態になっているので、棒状電極3が体内粘膜に触れた程度では棒状電極3の突出長が変化せず、棒状電極3を任意の長さ突出した位置で静止させることができる。
【0025】
図3に示されるように、可撓性シース1の先端には、例えば電気絶縁性のPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等からなる円筒状の不透明な先端チップ5が圧入固定されて、その軸線位置を棒状電極3が進退自在に緩く通過している。
【0026】
そして、先端チップ5を単体で図示する図5にも示されるように、先端チップ5の外周面には可撓性シース1の内周面に食いついて抜け止めになる尖った小さな円周突起6が数カ所に突出形成され、先端チップ5の後端近傍部分の外周面には、他の部分と色を明瞭に変えた固定指標7が全周に形成されている。
【0027】
図3に戻って、棒状電極3の基部には、先端チップ5の後端面に当接して棒状電極3の最大突出長を規制する短円筒状のストッパ8が固着されている。ストッパ8の外径は可撓性シース1の内径に緩く嵌合する程度のサイズに形成されている。
【0028】
そのようなストッパ8の外周面には、他の部分と色を明瞭に変えた移動指標9が全周に形成されている。したがって、移動指標9は棒状電極3及び操作ワイヤ2の移動と共に可撓性シース1内で移動する。なお、移動指標9と固定指標7とが同じ色であってもよいし、違う色であってもよい。
【0029】
可撓性シース1は、少なくとも内側に移動指標9と固定指標7が位置する先端部分付近が透明な可撓性チューブで形成されている。例えば、可撓性シース1を全長にわたって透明な可撓性チューブで形成してもよいし、不透明な可撓性チューブの先端部分に透明チューブを接続してもよい。なお、本発明における「透明」とは、可撓性シース1を透過して固定指標7と移動指標9を可撓性シース1の外部から視認できる程度のものであればよく、いわゆる「半透明」を含むものである。
【0030】
このように構成された実施例の内視鏡用処置具においては、図1に示されるように、固定指標7と移動指標9とが他の部分と明瞭に相違する色に形成されていて、透明な可撓性シース1を透かして可撓性シース1の外部から固定指標7と移動指標9を視認することができ、その固定指標7と移動指標9との間の間隔が棒状電極3の突出長に対応して変化する(この実施例では、棒状電極3の突出長が大きくなると、固定指標7と移動指標9との間の間隔が狭まる)。
【0031】
その結果、内視鏡の観察画面には、図6に示されるように、内視鏡の先端から突出された可撓性シース1を透かして固定指標7と移動指標9とが観察され、棒状電極3の突出部分が可撓性シース1(先端チップ5)の陰になる状態であっても、固定指標7と移動指標9との間の間隔から棒状電極3の突出長を把握することができる。したがって、棒状電極3の突出長を適切な長さに調整して、安全に高周波処置を行うことができる。
【0032】
図7は、本発明の第2の実施例の内視鏡用処置具の先端チップ5を示しており、固定指標7が、先端チップ5の軸線方向に一定の間隔をあけて先端チップ5の外周面に複数形成されている。その他の構成は前述の第1の実施例と同じである。
【0033】
このようにすると、図8及び図9に示されるように、移動指標9と固定指標7との間の間隔が、複数の固定指標7どうしの間の間隔との対比により判断し易くなって、棒状電極3の突出長をより正確に把握することができる。
【0034】
図10は、本発明の第3の実施例の内視鏡用処置具を示しており、移動指標9が、ストッパ8には形成されずに、棒状電極3の軸線方向に一定の間隔をあけて棒状電極3の外周面に複数形成されている。
【0035】
そして、先端チップ5は不透明に形成されていて前出の実施例のような固定指標7は設けられておらず、図11に示されるように、棒状電極3に形成された複数の移動指標9のうち先端チップ5に移動した移動指標9が透明な可撓性シース1外から視認できなくなるようになっている。
【0036】
その結果、内視鏡の観察画面には、図12に示されるように、内視鏡の先端から突出された可撓性シース1を透かして移動指標9が観察され、移動指標9が何個見えるかにより棒状電極3の突出長を把握することができる。
【0037】
図13は、本発明の第4の実施例の内視鏡用処置具を示しており、移動指標9は第1及び第2の実施例と同様に棒状電極3の基部に固着されたストッパ8の外周面に形成されているが、外部から直接視認される固定指標7が可撓性シース1自体に形成されている。そのような固定指標7は化学処理又は塗装等により形成することができる。
【0038】
この実施例では、棒状電極3の突出長がちょうどゼロの時(即ち、棒状電極3の最先端位置が可撓性シース1の最先端位置と揃った時)にストッパ8と重なり合う位置に固定指標7が形成されている。
【0039】
したがって、図14に示されるように棒状電極3が可撓性シース1の先端から突出すると、その突出長と同じ長さだけ移動指標9と固定指標7の位置がずれる。したがって、図15に示されるように、内視鏡の観察画面に表れる固定指標7と移動指標9とのずれ量がその時の棒状電極3の突出長になり、突出長を容易に把握することができる。
【0040】
図16は、本発明の第5の実施例の内視鏡用処置具を示しており、第4の実施例の固定指標7が、可撓性シース1の外周面に熱収縮チューブを収縮固着させて形成されている。また、移動指標9を熱収縮チューブで形成しても差し支えない。
【0041】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、棒状電極3に代えて高周波電流が通電されない棒状処置片が用いられた内視鏡用処置具に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施例の、可撓性シースのみを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の全体構成を示す側面図である。
【図3】本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の先端付近の側面断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の内視鏡用処置具の先端チップを単体で示す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例の内視鏡観察像の略示図である。
【図7】本発明の第2の実施例の内視鏡用処置具の先端チップを単体で示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施例の、可撓性シースのみを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図9】本発明の第2の実施例の、可撓性シースのみを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図10】本発明の第3の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図11】本発明の第3の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図12】本発明の第3の実施例の内視鏡観察像の略示図である。
【図13】本発明の第4の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図14】本発明の第4の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図15】本発明の第4の実施例の内視鏡観察像の略示図である。
【図16】本発明の第5の実施例の、可撓性シースと先端チップを切断した状態の内視鏡用処置具の先端付近の側面図である。
【図17】従来の内視鏡用処置具が内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されて使用される状態の略示図である。
【図18】従来の内視鏡用処置具の内視鏡観察像の略示図である。
【図19】従来の内視鏡用処置具が内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されて使用される状態の略示図である。
【図20】従来の内視鏡用処置具の内視鏡観察像の略示図である。
【符号の説明】
【0043】
1 可撓性シース
2 操作ワイヤ
3 棒状電極(棒状処置片)
4 軟質圧接部材(ブレーキ手段)
5 先端チップ
7 固定指標
8 ストッパ
9 移動指標
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性シースと、上記可撓性シースの先端内から前方に向かって突没自在に配置された棒状処置片と、上記可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置されて先端に上記棒状処置片が連結された操作ワイヤとを備え、上記可撓性シースの基端側から上記操作ワイヤを進退操作することにより上記棒状処置片が上記可撓性シースの先端内から前方に向かって突没するように構成された内視鏡用処置具において、
上記可撓性シースの少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、上記操作ワイヤの先端付近と上記棒状処置片の少なくとも一方に、上記棒状処置片の移動と共に移動して上記可撓性チューブを透かして上記可撓性チューブ外から視認される移動指標を形成したことを特徴とする内視鏡用処置具。
【請求項2】
上記棒状処置片が高周波電極であって、上記可撓性シースが電気絶縁性のチューブで形成され、上記操作ワイヤが上記高周波電極への導電線として兼用されている請求項1記載の内視鏡用処置具。
【請求項3】
上記可撓性シース内における上記操作ワイヤの進退動作に対し摩擦抵抗を付与して上記棒状処置片を上記可撓性シースの先端から任意の長さ突出した位置で静止させるブレ−キ手段が上記可撓性シース内に設けられている請求項1又は2記載の内視鏡用処置具。
【請求項4】
上記ブレーキ手段が上記操作ワイヤに沿って上記可撓性シース内に嵌め込まれた可撓性チューブである請求項3記載の内視鏡用処置具。
【請求項5】
上記可撓性シースの最先端部分に筒状の先端チップが取り付けられていて、上記棒状処置片が上記先端チップ内を通過するようになっている請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡用処置具。
【請求項6】
上記棒状処置片の基部に、上記先端チップの後端に当接して上記可撓性シースの先端からの上記棒状処置片の最大突出長を規制するストッパが設けられていて、上記ストッパの外周部に上記移動指標が形成されている請求項5記載の内視鏡用処置具。
【請求項7】
上記透明チューブ外から視認される固定指標が上記先端チップに形成されている請求項5又は6記載の内視鏡用処置具。
【請求項8】
上記固定指標が、上記透明チューブを透かして上記透明チューブ外から視認される請求項7記載の内視鏡用処置具。
【請求項9】
上記固定指標が、上記先端チップの後端部分のみに形成されている請求項7又は8記載の内視鏡用処置具。
【請求項10】
上記固定指標が、上記先端チップの軸線方向に間隔をあけて上記先端チップの外周面に複数形成されている請求項7又は8記載の内視鏡用処置具。
【請求項11】
上記移動指標が、上記棒状処置片の軸線方向に間隔をあけて上記棒状処置片の外周面に複数形成されている請求項5又は6記載の内視鏡用処置具。
【請求項12】
上記先端チップが不透明に形成されていて、上記複数の移動指標のうち上記先端チップ内に移動した移動指標が上記透明チューブ外から視認できなくなる請求項11記載の内視鏡用処置具。
【請求項13】
上記可撓性シースに外部から視認される固定指標が形成されている請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡用処置具。
【請求項14】
上記棒状処置片の最先端位置が上記可撓性シースの最先端位置と揃った時に上記移動指標と重なる位置に上記固定指標が形成されている請求項13記載の内視鏡用処置具。
【請求項15】
上記固定指標が熱収縮チューブで形成されている請求項13又は14記載の内視鏡用処置具。
【請求項1】
内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される可撓性シースと、上記可撓性シースの先端内から前方に向かって突没自在に配置された棒状処置片と、上記可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置されて先端に上記棒状処置片が連結された操作ワイヤとを備え、上記可撓性シースの基端側から上記操作ワイヤを進退操作することにより上記棒状処置片が上記可撓性シースの先端内から前方に向かって突没するように構成された内視鏡用処置具において、
上記可撓性シースの少なくとも先端部分付近を可撓性の透明チューブで形成すると共に、上記操作ワイヤの先端付近と上記棒状処置片の少なくとも一方に、上記棒状処置片の移動と共に移動して上記可撓性チューブを透かして上記可撓性チューブ外から視認される移動指標を形成したことを特徴とする内視鏡用処置具。
【請求項2】
上記棒状処置片が高周波電極であって、上記可撓性シースが電気絶縁性のチューブで形成され、上記操作ワイヤが上記高周波電極への導電線として兼用されている請求項1記載の内視鏡用処置具。
【請求項3】
上記可撓性シース内における上記操作ワイヤの進退動作に対し摩擦抵抗を付与して上記棒状処置片を上記可撓性シースの先端から任意の長さ突出した位置で静止させるブレ−キ手段が上記可撓性シース内に設けられている請求項1又は2記載の内視鏡用処置具。
【請求項4】
上記ブレーキ手段が上記操作ワイヤに沿って上記可撓性シース内に嵌め込まれた可撓性チューブである請求項3記載の内視鏡用処置具。
【請求項5】
上記可撓性シースの最先端部分に筒状の先端チップが取り付けられていて、上記棒状処置片が上記先端チップ内を通過するようになっている請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡用処置具。
【請求項6】
上記棒状処置片の基部に、上記先端チップの後端に当接して上記可撓性シースの先端からの上記棒状処置片の最大突出長を規制するストッパが設けられていて、上記ストッパの外周部に上記移動指標が形成されている請求項5記載の内視鏡用処置具。
【請求項7】
上記透明チューブ外から視認される固定指標が上記先端チップに形成されている請求項5又は6記載の内視鏡用処置具。
【請求項8】
上記固定指標が、上記透明チューブを透かして上記透明チューブ外から視認される請求項7記載の内視鏡用処置具。
【請求項9】
上記固定指標が、上記先端チップの後端部分のみに形成されている請求項7又は8記載の内視鏡用処置具。
【請求項10】
上記固定指標が、上記先端チップの軸線方向に間隔をあけて上記先端チップの外周面に複数形成されている請求項7又は8記載の内視鏡用処置具。
【請求項11】
上記移動指標が、上記棒状処置片の軸線方向に間隔をあけて上記棒状処置片の外周面に複数形成されている請求項5又は6記載の内視鏡用処置具。
【請求項12】
上記先端チップが不透明に形成されていて、上記複数の移動指標のうち上記先端チップ内に移動した移動指標が上記透明チューブ外から視認できなくなる請求項11記載の内視鏡用処置具。
【請求項13】
上記可撓性シースに外部から視認される固定指標が形成されている請求項1ないし4のいずれかの項に記載の内視鏡用処置具。
【請求項14】
上記棒状処置片の最先端位置が上記可撓性シースの最先端位置と揃った時に上記移動指標と重なる位置に上記固定指標が形成されている請求項13記載の内視鏡用処置具。
【請求項15】
上記固定指標が熱収縮チューブで形成されている請求項13又は14記載の内視鏡用処置具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2008−119066(P2008−119066A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−303435(P2006−303435)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
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