説明

再生装置、再生方法、及び、プログラム

【課題】コンテンツ情報を一部再生する位置(箇所)を容易に変更することにより、ユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出す。
【解決手段】再生装置100は、複数のコンテンツのそれぞれの情報を記憶する記憶部120と、複数のコンテンツにそれぞれ対応するコンテンツ識別画像を表示部130に表示させるよう制御する表示制御部115と、コンテンツ識別画像のいずれかが指示されたときに、指示されたコンテンツ識別画像の表示範囲に対する指示位置に基づいて、コンテンツの再生位置を決定する位置決定部112と、決定されたコンテンツを決定された再生位置から再生する再生制御部114と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置、再生方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のコンテンツから、任意のコンテンツをユーザが選択・決定して、コンテンツ情報を再生する再生装置が知られている。しかしながら、複数のコンテンツがあるため、当該複数のコンテンツからユーザが所望するコンテンツを見つけ出すまでに時間を要する場合があった。そこで、例えば、特許文献1には、複数のコンテンツから、ユーザが選択したコンテンツ情報を一部再生し、当該一部再生したコンテンツ情報をユーザが聴くことにより、ユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出す方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−344342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている構成では、ユーザが選択したコンテンツ情報が一部再生される位置(箇所)が決まっており、コンテンツによっては、一部再生されたコンテンツがいかなるコンテンツかをユーザが判断できない場合があった。そこで、ユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出すことができる新たな方法が求められている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コンテンツ情報を一部再生する位置(箇所)を容易に変更することにより、ユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出すことができる再生装置、再生方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る再生装置は、
複数のコンテンツのそれぞれの情報を記憶する記憶部と、
前記複数のコンテンツにそれぞれ対応するコンテンツ識別画像を表示部に表示させるよう制御する表示制御部と、
前記コンテンツ識別画像のいずれかが指示されたときに、前記指示されたコンテンツ識別画像の表示範囲に対する指示位置に基づいて、コンテンツの再生位置を決定する位置決定部と、
前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から再生する再生制御部と、を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
前記再生制御部は、前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から所定時間繰り返し再生する、こともできる。
【0008】
前記再生制御部は、前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から再生中に他のコンテンツの指示入力があった場合に、前記他のコンテンツに切り替えて前記他のコンテンツを再生する、こともできる。
【0009】
本発明の第2の観点に係る再生方法は、
複数のコンテンツのそれぞれの情報を記憶し、
前記複数のコンテンツにそれぞれ対応するコンテンツ識別画像を表示部に表示させるよう制御し、
前記コンテンツ識別画像のいずれかが指示されたときに、前記指示されたコンテンツ識別画像の表示範囲に対する指示位置に基づいて、コンテンツの再生位置を決定し、
前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から再生する、
ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
複数のコンテンツのそれぞれに対応するコンテンツ識別画像を表示部に表示させるよう制御する表示制御部、
前記コンテンツ識別画像のいずれかが指示されたときに、前記指示されたコンテンツ識別画像の表示範囲に対する指示位置に基づいて、コンテンツの再生位置を決定する位置決定部、
前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から再生する再生制御部、として機能させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コンテンツ情報を一部再生する位置(箇所)を容易に変更することにより、ユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1に係る再生装置の構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図3A】通常再生モードにおける画面の表示例を示す図である。
【図3B】一部再生モードにおける画面の表示例を示す図である。
【図4】指示されたコンテンツのコンテンツ識別画像の表示例を示す図である。
【図5】再生開始時間の決定方法を説明するための図である。
【図6】再生開始時間の変更方法を説明するための図である。
【図7】実施形態2に係る再生装置の構成を示す図である。
【図8】実施形態2に係る再生処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】再生時間の決定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下に記載する実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素または全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0014】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る再生装置は、マルチメディア情報(例えば、音声情報、映像情報、文字情報、及び、これらの複合情報)を再生することにより、当該情報をユーザに提供する装置である。再生装置100は、図1に示すように、制御部110、記憶部120、表示部130、入力部140、出力部150から構成される。
【0015】
制御部110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理回路やワークエリアとなるRAM(Random Access Memory)、各種ドライバなどから構成され、再生装置100の各部を制御するとともに、記憶部120に格納されている所定の動作プログラムに基づいて後述する各処理を実行する。制御部110は、同図に示すように、指示制御部111、位置決定部112、対象決定部113、再生制御部114、表示制御部115から構成される。また、再生装置100内の各構成は、それぞれ制御部110と接続されており、各構成間でのデータ授受などは制御部110を介しておこなわれる。
【0016】
指示制御部111は、再生すべきコンテンツを決定する前に、複数のコンテンツのいずれかからコンテンツの指示を制御する。ここで、コンテンツとは、例えば、楽曲や映像から構成される情報をいう。指示制御部111は、ユーザからの入力指示(入力部140)に基づいて、複数のコンテンツから、1つのコンテンツの指示を制御する。
【0017】
位置決定部112は、指示制御部111により指示されたコンテンツを一部再生する再生位置を決定する。コンテンツの再生位置を決定する方法については、後述する。
【0018】
対象決定部113は、複数のコンテンツのいずれかから、再生位置が決定され、一部再生を行うためのコンテンツを再生対象として決定する。ここで、決定とは、指示制御部111により指示されているコンテンツを、一部再生を行うコンテンツとして選ぶ行為をいう。また、一部再生とは、所定の時間(例えば、5分間)から構成されるコンテンツの一部分(例えば、1分間)を再生する行為をいう。対象決定部113により再生対象としてのコンテンツが決定されると、当該コンテンツが一部再生される。
【0019】
再生制御部114は、対象決定部113により再生対象として決定されたコンテンツを再生するように制御する。再生するように制御されたコンテンツは、表示部130や出力部150により出力(再生)される。
【0020】
表示制御部115は、表示部130に所定の画像を表示させるように制御する。
【0021】
記憶部120は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどといった所定の記憶装置から構成され、制御部110が実行する動作プログラム(アプリケーション)の他、各処理の実行に必要なデータや各処理の実行によって取得又は生成されたデータなどを格納する。再生装置100による処理は、記憶部120に記憶された動作プログラムを制御部110が実行することで実現される。
【0022】
また、記憶部120は、複数のコンテンツが所定の順序(例えば、五十音順、記録順、ユーザが定めた順)で定められたプレイリスト、楽曲や映像から構成される複数のマルチメディア情報を記憶する。各マルチメディア情報には、楽曲・映像のタイトル情報、音声情報、映像情報、記録時間(録音・録画時間)情報等が含まれる。
【0023】
表示部130は、例えば、ドットマトリクスタイプのLCD若しくは有機ELパネルとドライバ回路等を備え、任意の画像を表示する。表示部130は、複数のコンテンツにそれぞれ対応するコンテンツ識別画像を表示して、ユーザに対して操作を行うように促す。ここで、コンテンツ識別画像とは、操作画面上に、再生対象であるコンテンツを絵や記号や文字などによって表現したものをいう。当該コンテンツ識別画像が複数リスト状に表示されることにより、プレイリストとして機能する。ユーザは、表示されたプレイリストを参照し、コンテンツの内容を表示したコンテンツ識別画像を選択することにより、コンテンツの指示・決定を行う。また、表示部130は、位置決定部112により決定されたコンテンツについて、一部再生を開始する位置(再生開始時間)を表示する。
【0024】
入力部140は、ユーザからの指示を受け付けるための各種のキー(例えば、上下左右キー(十字キー)、カーソルキー)、ボタン若しくはタッチパネル等を備え、制御部110への各種の指示やデータを入力する。入力部140は、複数のコンテンツのいずれかを指示するための入力指示、及び、指示されたコンテンツを再生対象として決定するための入力指示を、ユーザから受け付けて、当該入力指示を制御部110へ入力する。
【0025】
出力部150は、例えば、スピーカなどから構成され、再生されたマルチメディア情報を音声信号、映像信号に変換することにより、音声・映像を出力する。
【0026】
次に、本実施形態に係る再生装置100の再生動作について、図面を参照して説明する。
【0027】
まず、再生装置100の電源を投入すると、再生装置100は、図2に示す再生処理を開始する。
制御部110は、表示部130を制御することにより、図3Aに示すような、
複数のコンテンツからユーザが所望するコンテンツを決定するための画面200を表示する(ステップS101)。具体的には、制御部110は、当該画面200上に、複数のコンテンツのコンテンツ識別画像202がリスト状に並べられたプレイリスト201、コンテンツの内容を表すコンテンツ識別画像202(202a、202b、202c、202d、202e、・・・)を表示する。各コンテンツのコンテンツ識別画像202には、コンテンツのタイトル(ここでは、コンテンツA、コンテンツB、・・・、コンテンツE)、及び、コンテンツの記録時間(ここでは、時間:5:00、時間:1:30、・・・、時間:0:40)が表示され、ユーザは、当該コンテンツのタイトルや記録時間を視認することにより、複数のコンテンツから所望のコンテンツを指示・決定する。
【0028】
次に、制御部110は、入力部140を制御して、ユーザからの入力を受け付ける(ステップS102)。例えば、ユーザは、入力部140が備える上下左右キー(十字キー)を操作して、プレイリスト201から、コンテンツのコンテンツ識別画像202を指示する。例えば図3Aにおいて、ユーザが下キーを押下すると、コンテンツAのコンテンツ識別画像202aが指示される。次に、ユーザが下キーを押下すると、コンテンツBのコンテンツ識別画像202bが指示される。ユーザがキーを順次押下することによって、指示されるコンテンツ識別画像202が、コンテンツA、コンテンツB、コンテンツC・・・と変化していく。また、ユーザは、入力部140が備えるカーソルキーを押下することにより、再生モード(通常再生モード、一部再生モード)を切り替える。ここで、カーソルキーとは、典型的には、カーソルを操作するためのキーであり、カーソルの表示又は非表示を行うことができる任意のキーである。また、通常再生モードとは、ユーザが決定したコンテンツを全再生(最初から最後まで再生)するためのモードをいい、コンテンツを再生するための一般的なモードである。また、一部再生モードとは、コンテンツの一部分を再生するためのモードをいう。
【0029】
次に、制御部110は、入力部140を制御して、入力部140が備えるカーソルキーが押下されたか否かを判定する(ステップS103)。当該カーソルキーが押下されたか否かに基づいて、コンテンツを再生するための再生モードが判定される。
【0030】
カーソルキーが押下されていない場合(ステップS103;No)、制御部110は、入力部140及び表示部130を制御して、ユーザが所望するコンテンツを指示するために、入力部140が備える上下左右キー(十字キー)からの入力を受け付けて(ステップS104)、ユーザが指定したコンテンツのコンテンツ識別画像202を強調表示(ハイライト表示)する(ステップS105)。これによって、ユーザは、何れのコンテンツ(のコンテンツ識別画像)が現在指示されているのかを認識することができる。
【0031】
次に、制御部110は、入力部140及び対象決定部113を制御して、指示されているコンテンツが再生対象として決定されたか否かを判定する(ステップS106)。
【0032】
コンテンツが再生対象として決定された場合(ステップS106;Yes)、制御部110は、再生制御部114を制御して、コンテンツの全再生を行う(ステップS107)。例えば、コンテンツCのコンテンツ識別画像202cが強調表示されている場合に、再生を促すキーをユーザが押下すると、コンテンツCの全再生が行われる。そして、制御部110は、入力部140を制御してユーザからの入力を受け付けて(ステップS102)、入力部140が備えるカーソルキーが押下されたか否かを再び判定する(ステップS103)。
【0033】
一方、コンテンツが再生対象として決定されていない場合(ステップS106;No)、ステップS103に戻り、制御部110は、入力部140を制御して、カーソルキーが押下されたか否かを再び判定する。コンテンツの全再生を行うための通常再生モードは、ステップS104〜S107の処理において実現される。
【0034】
ステップS103において、カーソルキーが押下された場合(ステップS103;Yes)、制御部110は、入力部140及び指示制御部111を制御することにより、図3Bに示すように、カーソル203を表示し、当該カーソル203を用いて複数のコンテンツから1つのコンテンツを指示するようユーザを促して、ユーザが所望するコンテンツを受け付ける(ステップS108)。ユーザは、プレイリスト201上に示された、コンテンツのコンテンツ識別画像202上に表示されたタイトルや記録時間を視認しながら、キーやタッチパネルを操作することによりカーソル203を上下左右の任意の方向に移動させてコンテンツ識別画像202を指示することにより、当該複数のコンテンツから任意のコンテンツを1つ選択する。なお、カーソルキーが押下されると、カーソル203は、任意の位置(例えば、コンテンツ識別画像202の左端位置、ユーザが設定した位置、前回の指示位置等)に表示される。
【0035】
次に、制御部110は、表示部130を制御することにより、指示されたコンテンツのコンテンツ識別画像202を強調表示(ハイライト表示)する(ステップS109)。図4に示すように、制御部110は、ユーザが操作したカーソル203により指示されたコンテンツのコンテンツ識別画像202cをハイライト表示することにより、コンテンツCが指示(選択)されていることをユーザに対して明示する。
【0036】
次に、制御部110は、位置決定部112を制御することにより、カーソル203が指示しているコンテンツのコンテンツ識別画像202の指示位置に基づいて、当該コンテンツの一部再生を開始する位置(再生開始時間)を決定(導出)する。そして、制御部110は、表示部130を制御することにより、当該再生開始時間を表示する(ステップS110)。ここで、図5を用いて、再生開始時間を導出する方法について説明する。本図では、ユーザが操作したカーソル203によりコンテンツのコンテンツ識別画像202cが指示され、当該コンテンツ(コンテンツC)が選択されている。コンテンツのコンテンツ識別画像202cには、再生開始時間を決定するための開始位置301と終了位置302とが予め定められている。制御部110は、カーソル203がコンテンツのコンテンツ識別画像202cを指示している指示位置303と、開始位置301及び終了位置302とに基づいて、当該コンテンツ(コンテンツC)の一部再生を開始する再生開始時間を決定する。具体的には、コンテンツの記録時間(録音時間)を時間Tr、開始位置301と指示位置303との距離を距離L1、開始位置301と終了位置302との距離を距離L2とした場合、再生開始時間Tは、以下の式(1)により導出される。
T=Tr×L1/L2 (1)
ここで、コンテンツ(コンテンツC)の記録時間Trは4:00であるため、制御部110は、距離L1と距離L2との比率(ここでは、1/8)に、記録時間Tr=4:00を乗じることにより、再生開始時間Tを0:30と決定(導出)する。そして、制御部110は、決定した再生開始時間T=0:30を、再生開始時間204として画面200上に表示する。
【0037】
次に、制御部110は、入力部140及び対象決定部113を制御して、指示されているコンテンツが再生対象として決定され、再生開始時間が決定されたか否かを判別する(ステップS111)。
【0038】
再生開始時間が決定されていない場合(ステップS111;No)、制御部110は、再生開始時間204を画面200上に表示し続け、ユーザが所望するコンテンツを再び受け付ける(ステップS108)。ここで、再生対象としてコンテンツが決定されていない状態において、ユーザがカーソル203を移動することによって、再生開始時間を更新する方法について説明する。図6に示すように、カーソル203が、最初に指示した指示位置303から右方向に移動して行き、移動位置304に到達すると、当該カーソル203の移動に伴い、距離L1は変化する。距離L1が変化すると、距離L1と距離L2との比率も変化するため、式(1)から導出される再生開始時間Tも変化することとなる。制御部110は、位置決定部112及び表示部130を制御することにより、距離L1の変化に伴って変化する再生開始時間Tを、再生開始時間204として画面200に表示する。このため、カーソル203の移動に伴って、表示される再生開始時間204も変化する。これにより、コンテンツの一部再生を開始する再生開始時間を容易に変更することができるため、複数のコンテンツからユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出すことができる。
【0039】
一方、コンテンツが再生対象として決定され、再生開始時間が決定された場合(ステップS111;Yes)、制御部110は、再生制御部114を制御して、決定された再生開始時間Tから所定時間、決定されたコンテンツに対応する情報を一部再生する(ステップS112)。図4の場合、制御部110は、コンテンツ(コンテンツC)に対応する情報を、再生開始時間である0:30から所定時間(例えば、60秒間)、一部再生する。これにより、任意のコンテンツについて、ユーザが所望する再生開始時間から一部再生し、当該一部再生をユーザが聴くことにより、複数のコンテンツから所望のコンテンツを効率的に見つけ出すことができる。なお、コンテンツを一部再生する所定時間は、例えば、ユーザによって予め定められた時間、前回の再生時間、コンテンツの全体時間の10%に相当する時間等、任意である。
【0040】
次に、制御部110は、入力部140を制御してユーザからの入力を受け付けて、カーソルキーが押下されたか否かを判定する(ステップS113)。一部再生が行われているコンテンツが、ユーザが所望するコンテンツではないために、一部再生の途中であっても他のコンテンツを一部再生したい場合がある。そこで、制御部110は、カーソルキーが押下されたか否かを判定し(ステップS113)、当該カーソルキーが押下された場合(ステップS113;Yes)、プレイリスト201等が表示される画面200に戻り、再び入力を受け付ける(ステップS102)。これにより、一部再生の途中であっても、当該一部再生されたコンテンツ以外のコンテンツを指示・決定することができる。コンテンツの一部分の再生を行うための一部再生モードは、ステップS108〜S113の処理において実現される。
【0041】
なお、制御部110は、コンテンツを一部再生している間、再生開始時間を表示している間、コンテンツのコンテンツ識別画像202を強調表示している間等の任意のタイミングにおいて、指示されているコンテンツを全再生する、すなわち、一部再生モードから通常再生モードに切り替える決定(要求)を受け付けて、当該コンテンツを全再生することができる。制御部110は、コンテンツを全再生する決定を受け付けると、再生開始時間Tから所定時間だけ一部再生する一部再生処理を終了して、当該コンテンツを最初から最後まで再生する全再生処理を実行する。これにより、ユーザが所望したコンテンツを見つけた際には、当該コンテンツをすぐに全再生することができる。
【0042】
また、再生開始時間Tから所定時間、コンテンツが一部再生され、当該所定時間が経過した後も、他のコンテンツが指示されていない場合、制御部110は、一部再生されたコンテンツを、再生開始時間Tから所定時間の再生を再び行う、いわゆるループ再生を行うことができる。また、制御部110は、コンテンツを再生開始時間から所定時間t再生した後、当該所定時間tに所定の追加時間taを加えた所定追加時間(t+ta)、コンテンツを再生することもできる。また、制御部110は、コンテンツの一部再生モードから通常再生モードに切り替えることで、コンテンツを開始から終了まで全再生することもできる。これにより、コンテンツの一部再生を聴いたユーザが、当該コンテンツを把握することができなかった場合でも、さらに再生が行われるため、ユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出すことができる。
【0043】
以上の処理により、複数のコンテンツから任意のコンテンツを指示して、当該コンテンツを一部再生する再生開始時間を容易に変更し、当該コンテンツの一部再生をユーザが聴くことにより、ユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出すことができる。
【0044】
(実施形態2)
実施形態1に係る再生装置100では、コンテンツの一部再生を開始する再生開始時間を容易に変更する方法について示した。本実施形態では、コンテンツの一部再生が行われる再生時間を容易に変更する方法について説明する。なお、実施形態1に係る再生装置100と同様の構成、動作については、説明を適宜省略する。
【0045】
本実施形態に係る再生装置101は、図7に示すように、指示制御部111、対象決定部113、再生制御部114、表示制御部115、及び、時間決定部116を備える制御部110、記憶部120、表示部130、入力部140、及び、出力部150から構成される。なお、再生装置101が備える、指示制御部111、対象決定部113、再生制御部114、表示制御部115、記憶部120、表示部130、入力部140、及び、出力部150は、再生装置100が備えるものと同様であるため説明を省略する。
【0046】
時間決定部116は、指示制御部111により指示されたコンテンツを一部再生する再生時間を決定する。コンテンツを一部再生する再生時間を決定する方法については、後述する。
【0047】
次に、本実施形態に係る再生装置101の再生動作について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係るステップS101〜S109、及び、S111〜S113の処理については、実施形態1に係る処理と同様の動作であるため、説明を省略する。
【0048】
制御部110は、時間決定部116を制御することにより、カーソル203が指示しているコンテンツのコンテンツ識別画像202の指示位置に基づいて、当該コンテンツを一部再生する再生時間を決定(導出)する。制御部110は、表示部130を制御することにより、当該再生時間を表示する(ステップS201)。ここで、図9を用いて、コンテンツを一部再生する再生時間を導出する方法について説明する。本図では、ユーザが操作したカーソル203によりコンテンツのコンテンツ識別画像202cが指示され、当該コンテンツ(コンテンツC)が選択されている。コンテンツのコンテンツ識別画像202cには、再生時間を決定するための開始位置301と終了位置302とが予め定められている。制御部110は、カーソル203がコンテンツのコンテンツ識別画像202cを指示している指示位置303と、開始位置301及び終了位置302とに基づいて、コンテンツを一部再生する開始時間を決定する。具体的には、コンテンツの記録時間(録音時間)を時間Tr、開始位置301と指示位置303との距離を距離L1、開始位置301と終了位置302との距離を距離L2とした場合、再生時間Tpは、以下の式(2)により導出される。
Tp=Tr×L1/L2 (2)
ここで、コンテンツ(コンテンツC)の記録時間Trは4:00であるため、制御部110は、距離L1と距離L2との比率(ここでは、1/8)に、記録時間Tr=4:00を乗じることにより、再生時間Tpを0:30と決定(導出)する。そして、制御部110は、決定した再生時間Tp=0:30を、再生時間205として画面200上に表示する。
【0049】
次に、コンテンツが再生対象として決定され、再生時間が決定された場合(ステップS111;Yes)、制御部110は、再生制御部114を制御して、ステップS201において決定された再生時間だけ、コンテンツを一部再生する(ステップS112)。図9の場合、制御部110は、コンテンツのコンテンツ識別画像202c(コンテンツC)に対応するコンテンツを、0:00から0:30まで一部再生する。
【0050】
以上の処理により、複数のコンテンツから任意のコンテンツを指示して、当該コンテンツを一部再生する再生時間を容易に変更し、当該コンテンツの再生をユーザが聴くことにより、ユーザが所望するコンテンツを効率的に見つけ出すことができる。
【0051】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
【0052】
本発明の上記の実施形態は、ラジオ番組等のように音楽やCMが入り混じったコンテンツの場合を中心に記載していますが、これに限らず、TV番組などにおいても有効である。その場合は、コンテンツ識別画像202としてサムネイルを表示して、上記の実施形態と同様に、コンテンツ識別画像202としてサムネイルの任意の位置が指示されると、その指示位置から動画等のコンテンツを一部再生することも可能である。
【0053】
再生開始時間T、及び、再生時間Tpを決定するための開始位置301及び終了位置302の位置は、任意である。
【0054】
コンテンツのコンテンツ識別画像202を表示する方法は任意である。また、コンテンツのコンテンツ識別画像202を強調表示する方法は任意である。例えば、コンテンツのコンテンツ識別画像202の表示サイズを大きくする、コンテンツのコンテンツ識別画像202のタイトル文字を大きくする、コンテンツのコンテンツ識別画像202の表示形状を変形する(コンテンツ識別画像202の形状を、円形、正方形、楕円形、又は、星形等にする)等、任意の手法により、コンテンツのコンテンツ識別画像202を表示することもできる。
【0055】
再生開始時間204、及び、再生時間205の表示位置、表示サイズ、及び、表示方法は、任意である。
【0056】
コンテンツを指示・決定するためにカーソル203を用いたが、ユーザがタッチパネルをタッチした位置を、カーソル203の指示位置とすることもできる。
【0057】
その他、前記のハードウエェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0058】
制御部110、記憶部120、表示部130、入力部140、出力部150から構成される再生装置100、101の処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する再生装置100、101を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで再生装置100、101を構成してもよい。
【0059】
また、再生装置100の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0060】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS; Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0061】
100、101 再生装置
110 制御部
111 指示制御部
112 位置決定部
113 対象決定部
114 再生制御部
115 表示制御部
116 時間決定部
120 記憶部
130 表示部
140 入力部
150 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツのそれぞれの情報を記憶する記憶部と、
前記複数のコンテンツにそれぞれ対応するコンテンツ識別画像を表示部に表示させるよう制御する表示制御部と、
前記コンテンツ識別画像のいずれかが指示されたときに、前記指示されたコンテンツ識別画像の表示範囲に対する指示位置に基づいて、コンテンツの再生位置を決定する位置決定部と、
前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から再生する再生制御部と、を備える、
ことを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記再生制御部は、前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から所定時間繰り返し再生する、
ことを特徴とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記再生制御部は、前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から再生中に他のコンテンツの指示入力があった場合に、前記他のコンテンツに切り替えて前記他のコンテンツを再生する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
複数のコンテンツのそれぞれの情報を記憶し、
前記複数のコンテンツにそれぞれ対応するコンテンツ識別画像を表示部に表示させるよう制御し、
前記コンテンツ識別画像のいずれかが指示されたときに、前記指示されたコンテンツ識別画像の表示範囲に対する指示位置に基づいて、コンテンツの再生位置を決定し、
前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から再生する、
ことを特徴とする再生方法。
【請求項5】
コンピュータを、
複数のコンテンツのそれぞれに対応するコンテンツ識別画像を表示部に表示させるよう制御する表示制御部、
前記コンテンツ識別画像のいずれかが指示されたときに、前記指示されたコンテンツ識別画像の表示範囲に対する指示位置に基づいて、コンテンツの再生位置を決定する位置決定部、
前記決定されたコンテンツを前記決定された再生位置から再生する再生制御部、として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−185899(P2012−185899A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−23524(P2012−23524)
【出願日】平成24年2月6日(2012.2.6)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】