説明

冷却装置

【課題】電子機器を短時間で冷却することができる冷却装置を提供する。
【解決手段】可搬型の電子機器が収納可能に形成された収容部と消毒液を噴射するノズル43及び空気を吹き出させるブロア44A、44Bを設けた収容装置18において、収容装置に電子カセッテ12が収納された際に、電子カセッテに対してノズルから消毒液を噴射することにより、消毒液自体の温度及び消毒液が気化する際の吸熱によって電子カセッテを冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷却装置に係り、特に、可搬型の電子機器を冷却する冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT(Thin film transistor)アクティブマトリックス基板上にX線感応層を配置し、X線を直接デジタルデータに変換できるFPD(flat panel detector)等の放射線検出器が実用化されており、この放射線検出器を用いて照射された放射線により表わされる放射線画像を示す画像データを生成し、生成した画像データを記憶する可搬型放射線画像変換装置(以下「電子カセッテ」ともいう)が実用化されている。
【0003】
この電子カセッテは、可搬性を有するため、ストレッチャーやベッドに載せたまま患者を撮影することもでき、電子カセッテの位置を変更することにより撮影箇所を調整することができるため、動けない患者に対しても柔軟に対処することができる。
【0004】
この電子カセッテは、照射された放射線により発生する微弱な信号を検出して放射線画像を示す画像データを生成するが、電子カセッテ内部の電子回路で発生する熱の影響で信号の検出結果が一定とならず、画質が低下する場合がある、という問題が知られている。
【0005】
この問題を解決するための技術として、特許文献1及び特許文献2には、電子回路と放射線検出器との間にシールド部材を設けたり、電子回路で発生する熱を電気的に絶縁した状態で電子カセッテの筐体に伝える放熱部を設けることにより、電子回路で発生する熱の放射線検出器への伝達を制御する技術が記載されている。
【0006】
また、特許文献3には、X線撮影装置の筐体に通気口及びファンを設け、通気口から空気を流通させて装置全体を冷却する技術が記載されている。
【0007】
また、特許文献4には、電子カセッテの筐体を開閉可能な蓋を設け、筐体内に着脱可能に吸熱部材を内蔵させ、吸熱部材に吸熱させる技術が記載されている。
【0008】
さらに、特許文献5には、保管容器を電子カセッテが収容可能な寸法に作製し、保管容器の温度を所望の温度に調節する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2000−116633号公報
【特許文献2】特開2003−194951号公報
【特許文献3】特開平10−177224号公報
【特許文献4】特開2002−311526号公報
【特許文献5】特開2006−102492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、電子カセッテを駆動させる駆動時間が短時間で済む場合、電子回路からの発熱の影響による画質の低下を抑えることができるが、駆動時間が長時間となる場合、電子カセッテ全体の温度上昇に伴って放射線検出器にも熱が伝わり、発熱の影響による画質の低下を抑えることができない。
【0010】
また、電子カセッテは、手術場で使用される場合があり、血液感染などの予防のために消毒作業が行われるため密閉構造であることが求められている。しかし、特許文献3に記載の技術は、通気口から空気を循環させる構造上、密閉構造とすることができないため、電子カセッテの冷却機構として適用できない。
【0011】
また、特許文献4に記載の技術は、筐体内の吸熱部材を手動で入れ替える必要があるため煩雑であり、また、電子カセッテの筐体を開閉するため電子カセッテの密閉構造の劣化が問題となる。
【0012】
さらに、特許文献5に記載の技術は、利用勝手は良いが構造が複雑であり、高コストとなる。また、特許文献5の実施例に記載のように多数の電子カセッテを順に交代で使用される場合は良いが、1枚若しくは2枚程度の電子カセッテが繰り返し使用される場合、電子カセッテを十分に冷却できず、発熱の影響による画質の低下を抑えることができない場合がある。
【0013】
本発明は上記事実を考慮して成されたものであり、電子機器を短時間で冷却することができる冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る冷却装置は、可搬型の電子機器が収納可能に形成された収容部と、前記収容部に前記電子機器が収納された際に当該電子機器に対して吸熱体を接触させて吸熱を行う吸熱手段と、を備えている。
【0015】
請求項1記載の発明の冷却装置では、収容部が可搬型の電子機器を収納可能に形成されており、吸熱手段が、収容部に電子機器が収納された際に当該電子機器に対して吸熱体を接触させて吸熱を行う。
【0016】
このように、請求項1に記載の発明の冷却装置によれば、電子機器が収納された際に当該電子機器に対して吸熱体を接触させて吸熱を行うので、電子機器を短時間で冷却することができる。
【0017】
なお、本発明の吸熱手段は、請求項2記載の発明のように、収容部に電子機器に対して前記吸熱体として冷却液を霧状に噴射する噴射手段であってもよい。
【0018】
また、請求項2記載の発明の前記冷却液は、請求項3記載の発明のように、消毒液であることが好ましい。
【0019】
また、請求項2又は請求項3記載の発明は、請求項4記載の発明のように、前記噴射手段より冷却液が噴射された後に前記電子機器に対して空気を吹き付けるブロアをさらに備えてもよい。
【0020】
また、本発明は、請求項5記載の発明のように、前記電子機器が、駆動した際に発熱する電子回路を内蔵し、前記吸熱手段が、前記電子機器の前記電子回路が配置された領域に対して吸熱体を接触させてもよい。
【0021】
また、本発明の電子機器は、請求項6記載の発明のように、放射線又は放射線を変換した光に対して感度を有する放射線検出パネルを内蔵し、当該放射線検出パネルに照射された放射線により表わされる放射線画像を示す画像データを生成する可搬型放射線画像変換装置であることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、請求項7記載の発明のように、前記収容部に前記電子機器が収納された際に電磁誘導又は光エネルギーにより前記電子機器に対して電力を供給する電力供給手段さらに備えてもよい。
【0023】
さらに、本発明は、請求項8記載の発明のように、前記電子機器が前記収容部に収納された際に当該電子機器と電気的に接続され、当該電子機器に対して電力の供給及び当該電子機器との通信の少なくとも一方が可能となる接続手段をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明は、電子機器が収納された際に当該電子機器に対して吸熱体を接触させて吸熱を行うので、電子機器を短時間で冷却することができる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0026】
図1には、本実施形態に係る電子カセッテ12を備えた放射線画像撮影システム10が示されている。
【0027】
放射線画像撮影システム10は、可搬性を有し、画像情報を担持した放射線が照射される毎に前記画像情報を画像データに生成して蓄積記憶可能な電子カセッテ12と、電子カセッテ12を収容して、収容した電子カセッテ12を充電すると共に、収容した電子カセッテ12の冷却を行う収容装置18と、を含んで構成されている。
【0028】
図2(A)に示すように、電子カセッテ12は、放射線画像の撮影時に、エックス線(X線)等の放射線を発生する放射線発生部14と間隔を空けて配置される。このときの放射線発生部14と電子カセッテ12との間は被写体16が位置するための撮影位置とされており、放射線画像の撮影が指示されると、放射線発生部14は予め与えられた撮影条件等に応じた放射線量の放射線を射出する。放射線発生部14から射出された放射線は、撮影位置に位置している被写体16を透過することで画像情報を担持した後に電子カセッテ12に照射される。
【0029】
図2(B)に示すように、電子カセッテ12は、放射線Xを透過させる材料から成り厚みを有する平板状のケーシング(筐体)20によって覆われている。ケーシング20のうちの特定の側面には電子カセッテ12を持ち上げる際に手で持つことできるように把持部62が設けられている。
【0030】
ケーシング20の内部には、ケーシング20のうち放射線Xが照射される照射面22側から順に、被写体16を透過することに伴って生ずる放射線Xの散乱線を除去するグリッド24、放射線Xを検出する放射線検出器(放射線検出パネル)26、及び、放射線Xのバック散乱線を吸収する鉛板28が配設されている。なお、ケーシング20の照射面22をグリッド24で構成してもよい。また、放射線検出器26は、例えば、放射線Xを直接、セレンを主成分(例えば含有率50%以上)とする非晶質のアモルファスセレン(a−Se)から成る半導体層で電荷に変換して蓄積する直接変換方式のものでもよく、放射線Xを一度ガドリニウム硫酸化物(GOS)やヨウ化セシウム(CsI)などのシンチレータで光に変換し、変換した光を電変換素子(フォトダイオード)で電荷に変換して蓄積する間接変換方式のものであってもよい。
【0031】
また、ケーシング20の内部の一端側には、マイクロコンピュータを含む電子回路及び充電可能な二次電池を収容するケース30が配置されている。放射線検出器26及び電子回路は、ケース30に配置された二次電池から供給される電力によって作動する。ケース30内部に収容された各種回路が放射線Xの照射に伴って損傷することを回避するため、ケース30の照射面22側には鉛板等を配設しておくことが望ましい。
【0032】
また、電子カセッテ12は、収容装置18に収容された状態で収容装置18との間で電磁誘導を利用して非接触での充電が可能とされている。電子カセッテ12は、収容装置18に収容された際に、電磁誘導により電力が誘起されることによりケース30に収容されたバッテリに充電を行うことが可能とされている。なお、本実施の形態では、電磁誘導を利用して非接触での充電を行うものとしたが、例えば、収容装置18に近赤外光ランプを設けてレーザ光を照射し、レーザ光を収容装置18に設けたフォトダイオードで受光することにより、光エネルギーを利用して非接触での充電を行うものとしてもよい。
【0033】
一方、図1に示すように、収容装置18は、電子カセッテ12が収納可能に収容部40が形成されている。図3及び図4に示すように、この収容部40には、収容部40に電子カセッテ12が収納された状態で電子カセッテ12の照射面22及び当該照射面22の裏側となる裏面23と対向する2つの内側面42A、42Bに電子カセッテ12に対して冷却液を霧状に噴射するノズル43が2次元状に多数配置されている。
【0034】
また、収容部40の内側面42A、42Bの上部の入口付近には、空気を吹き付けるブロワ44A、44Bが設けられている。
【0035】
さらに、収容部40の長手方向の一方の内側面42Cには、光を出射し、出射した光の反射率の変化に基づいて電子カセッテ12が収容部40に収容されたか否かを検出する光学式のセンサ45が設けられ、収容部40の長手方向の他方の内側面42Dには、電子カセッテ12に対して電磁誘導により電力を供給する電力供給部46が設けられている。なお、本実施の形態では、センサ45を光学式のものとしたがメカニカルスイッチを用いてもよい。
【0036】
図5には、本実施形態に係る収容装置18の構成が示されている。
【0037】
収容装置18は、冷却液を貯留したタンク52と、タンク52に貯留された冷却液を各ノズル43に送液するためのポンプ54と、2つのファンモータ56A、56Bと、外部電源に接続された電源装置58と、装置全体の動作を司る制御部60と、をさらに備えている。なお、本実施の形態では、タンク52に冷却液としてアルコールを含んだ消毒液を貯留している。
【0038】
本実施の形態に係る収容装置18は、ブロワ44A、44Bから個別に空気を噴出させることが可能とされており、ファンモータ56Aが駆動して不図示のファンを回転させることによりブロワ44Aから空気が噴出され、ファンモータ56Bが駆動して不図示のファンを回転させることによりブロワ44Bから空気が噴出される。
【0039】
上記センサ45、ポンプ54、ファンモータ56A、56B、及び電力供給部46は制御部60と接続されている。制御部60は、マイクロコンピュータによって実現されており、ポンプ54、ファンモータ56A、56Bの駆動、及び電力供給部46による電磁波の発生を制御する。また、制御部60は、センサ45からの信号に基づいて電子カセッテ12が収容部40に収容されたか否かを検出している。
【0040】
収容装置18に内蔵された各種機器や各素子(センサ45、電力供給部46、ポンプ54、ファンモータ56A、56Bや制御部60として機能するマイクロコンピュータ)は、電源装置58から供給された電力によって作動する。
【0041】
次に、本実施の形態に係る収容装置18の作用について説明する。
【0042】
放射線画像の撮影する際、放射線発生部14と電子カセッテ12との間に被写体16を配置し、放射線発生部14から放射線を射出させる。
【0043】
放射線発生部14から放射された放射線は、被写体16を透過した後に電子カセッテ12に到達する。
【0044】
これにより、電子カセッテ12には、照射された放射線により示される放射線画像を示す画像情報が生成されて記憶される。また、電子カセッテ12は、画像情報を生成する際に内蔵された電子回路において発熱する。
【0045】
電子カセッテ12は、冷却を行う場合や充電を行う場合、収容装置18の収容部40に収容される。
【0046】
制御部60は、電子カセッテ12が収容部40に収容されたことをセンサ45によって検出すると、後述する冷却制御処理を行って電子カセッテ12の冷却を行う。また、制御部60は、電力供給部46から電磁波を発生させて電磁誘導により電子カセッテ12のバッテリに充電を行う。
【0047】
図6には、制御部60により実行される冷却制御処理の流れが示されている。
【0048】
ステップ100では、ポンプ54を駆動させてタンク52に貯留された消毒液を各ノズル43から霧状に噴射させる。この消毒液を噴射する噴射時間は、予め定めた固定時間としてもよく、また、例えば、収容部40内に電子カセッテ12の温度を検出する温度センサを設け、温度センサにより検出される電子カセッテ12の温度が高いほど噴射時間を長くするようにしてもよい。さらには、温度センサを赤外線放射検出の非接触温度計などで実現し、電子カセッテ12の表面温度が一定温度に下がるまで各ノズル43から消毒液を噴霧し続けても良い。また、電子カセッテ12及び収容部40にそれぞれ無線通信手段を設けると共に、電子カセッテ12に温度センサを内蔵させ、当該温度センサの検出結果を無線通信手段にて電子カセッテ12が受け取り利用しても良い。
【0049】
図7には、電子カセッテ12に対してノズル43から消毒液を噴射した様子が示されている。なお、同図では、消毒液が破線によって示されている。
【0050】
このように、電子カセッテ12に対して消毒液を噴射することにより、消毒液自体の温度及び消毒液が気化する際の吸熱によって電子カセッテ12を冷却することができる。
【0051】
次のステップ102では、ファンモータ56Bを駆動させてブロワ44Bから空気を吹き出させ、処理終了となる。このブロワ44Bから空気を吹き出させる吹出時間も、予め定めた固定時間としてもよく、また、例えば、電子カセッテ12の温度が高いほどや、噴射した冷却液の液量が多いほど吹出時間を長くするようにしてもよい。この場合も、温度センサを赤外線放射検出の非接触温度計などで実現し、電子カセッテ12の表面温度が一定温度に下がるまでブロワ44Bから空気を吹き出させても良い。また、電子カセッテ12及び収容部40にそれぞれ無線通信手段を設けると共に、電子カセッテ12に温度センサを内蔵させ、当該温度センサの検出結果を無線通信手段にて電子カセッテ12が受け取り利用しても良い。
【0052】
図8には、電子カセッテ12に対してブロワ44Bから空気を吹き出した様子が示されている。なお、同図では、空気の流れが一点鎖線によって示されている。
【0053】
このように、ブロワ44Aから空気を吹き出させて電子カセッテ12の周囲に空気を循環させることにより、電子カセッテ12に付着した消毒液の気化を早めることができる。
【0054】
収容装置18に収納された電子カセッテ12は、放射線画像の撮影する場合など必要に応じて収容装置18から取り出される。
【0055】
制御部60は、電子カセッテ12が取り出されたことをセンサ45によって検出すると、後述する取出制御処理を行う。
【0056】
図9には、制御部60により実行される取出制御処理の流れが示されている。
【0057】
ステップ150では、ファンモータ56A及びファンモータ56Bを所定時間駆動させてブロワ44A及びブロワ44Bから空気を吹き出させ、処理終了となる。
【0058】
このように、電子カセッテ12が取り出される際にブロワ44A及びブロワ44Bから空気を吹き出させることにより、電子カセッテ12に付着して残った消毒液を吹き飛ばすことができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態によれば、収容装置18に電子カセッテ12が収納された際に当該電子カセッテ12に対してノズル43から消毒液を噴射して吸熱を行っているので、電子機器を短時間で冷却することができる。
【0060】
また、本実施の形態によれば、冷却液として消毒液を用いることにより、電子カセッテ12の冷却と同時に消毒も行うことができる。また、冷却液として消毒液を用いることにより、電子カセッテ12に消毒液が付着したままであっても人体に対して安全である。また。消毒液がアルコールを含む場合、揮発性が高いので、冷却効率が良い。
【0061】
なお、上記実施の形態では、冷却液をして消毒液を噴射する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、水や食塩水又は生理食塩水などを噴射するようにしてもよい。この冷却液は、毒性が無く、揮発性が高いことが好ましい。また、吸熱体として冷却液以外にペルチェ素子やゲル状の吸熱物質を包んだ袋体を電子カセッテ12に接触させることにより、冷却を行うものとしてもよい。
【0062】
また、上記実施の形態では、電子カセッテ12の照射面22及び裏面23の全面に消毒液を噴射する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電子カセッテ12の発熱する電子回路(ケース30)が配置された領域に対して消毒液を噴射するようにしてもよい。これにより、発熱する部分のみを効率良く冷却することができる。
【0063】
また、上記実施の形態では、収容装置18は電子カセッテ12の充電、冷却を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電子カセッテ12とレーザ光による無線通信を行って放射線画像データを受信するものとしてもよい。無線通信は、レーザ光に限定されるものではなく、例えば、赤外線光を用いて無線通信を行うものとしてもよい。また、無線LANやブルートゥース(Bluetooth)、UWB(Ultra Wide Band)、ミリ波通信等により無線通信を行うものとしてもよい。さらに、電子カセッテ12と収容装置18を端子等で接続して電力の供給及び画像データの通信の少なくとも一方を行うものとしてもよい。
【0064】
また、内側面42A、42BにUV(紫外線)光照射手段(UV光LED、UV光ランプ)を配すると上記アルコールによる消毒効果をより一層高めることができる。電子カセッテが12に収容されたことを検出することで照射を行えば、カセッテ表面の消毒に有効且つ無駄な電力消費を抑えられる。撮影システム起動と連動させて照射するならば、電子カセッテ12装填時以外に収容装置18内部を清潔に保つことができる。定期的に照射と停止を繰り返しても良い。
【0065】
その他、本実施の形態で説明した放射線画像撮影システム10の構成、電子カセッテ12及び収容装置18の構成(図1〜図5、図7、図8及び図10参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0066】
また、本実施の形態で説明した冷却制御処理及び取出制御処理の流れ(図6、及び図9参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施の形態に係る電子カセッテ及び収容装置の概略構成を示す図である。
【図2】(A)は放射線画像撮影時の電子カセッテの配置を示す概略図、(B)は電子カセッテの内部構造を示す斜視図である。
【図3】実施の形態に係る電子カセッテを収容装置に収容した状態を示す透過斜視図である。
【図4】実施の形態に係る電子カセッテを収容装置に収容した状態を示す断面図である。
【図5】実施の形態に係る収容装置の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態に係る冷却制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施の形態に係る収容装置のノズルから消毒液を噴射した様子を示す図である。
【図8】実施の形態に係る収容装置のブロワ44Bから空気を吹き出した様子を示す図である。
【図9】実施の形態に係る取出制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施の形態に係る電子カセッテを収容装置から取り出した様子を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
10 放射線画像撮影システム
12 電子カセッテ(電子機器)
18 収容装置
30 ケース
40 収容部
43 ノズル(吸熱手段)
44A、44B ブロワ
46 電力供給部(電力供給手段)
60 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の電子機器が収納可能に形成された収容部と、
前記収容部に前記電子機器が収納された際に当該電子機器に対して吸熱体を接触させて吸熱を行う吸熱手段と、
を備えた冷却装置。
【請求項2】
前記吸熱手段は、電子機器に対して前記吸熱体として冷却液を霧状に噴射する噴射手段である
請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】
前記冷却液は、消毒液である
請求項2記載の冷却装置。
【請求項4】
前記噴射手段より冷却液が噴射された後に前記電子機器に対して空気を吹き付けるブロアをさらに備えた請求項2又は請求項3記載の冷却装置。
【請求項5】
前記電子機器は、駆動した際に発熱する電子回路を内蔵し、
前記吸熱手段は、前記電子機器の前記電子回路が配置された領域に対して吸熱体を接触させる
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の冷却装置。
【請求項6】
前記電子機器は、放射線又は放射線を変換した光に対して感度を有する放射線検出パネルを内蔵し、当該放射線検出パネルに照射された放射線により表わされる放射線画像を示す画像データを生成する可搬型放射線画像変換装置である
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の冷却装置。
【請求項7】
前記収容部に前記電子機器が収納された際に電磁誘導又は光エネルギーにより前記電子機器に対して電力を供給する電力供給手段をさらに備えた請求項1〜請求項6の何れか1項記載の冷却装置。
【請求項8】
前記電子機器が前記収容部に収納された際に当該電子機器と電気的に接続され、当該電子機器に対して電力の供給及び当該電子機器との通信の少なくとも一方が可能となる接続手段をさらに備えた請求項1〜請求項7の何れか1項記載の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−290138(P2009−290138A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143737(P2008−143737)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】