冷蔵ショーケース

【課題】商品陳列棚のないラウンド型の冷蔵ショーケースであっても、コーナー部の商品貯蔵部に陳列した商品の冷却効果を向上させることができるようにした冷蔵ショーケースを提供する。
【解決手段】冷気送風ダクト6の前面と一側面が交差する角部の壁面に、商品貯蔵部Sのコーナー部に向かって延出するとともに、商品貯蔵部Sのコーナー部に冷気を吐出する複数の吐出孔16を有する冷気誘導ダクト14を、前記冷気送風ダクト6の内部空間と連通するようにして設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等において、冷蔵または冷凍商品を陳列するのに使用される冷蔵ショーケースに係わり、特に、商品陳列棚のないラウンド型の冷蔵ショーケースにおいて、そのコーナー部の商品貯蔵部の冷却効果を向上させることができるようにした冷蔵ショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも前面と一側面が開放されたラウンド型の冷蔵ショーケースにおいては、コーナー部の商品貯蔵部に十分な冷気のエアカーテンが形成されず、その部分に陳列した商品の冷却効果が低いという問題がある。この問題に対処するために、コーナー部の冷却効果を高める対策を講じた冷蔵ショーケースが種々提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−237158号公報
【特許文献2】特開2006−162118号公報
【特許文献3】特許第4362190号公報
【特許文献4】特許第4362191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の特許文献1に記載されている冷蔵ショーケースは、商品貯蔵部の底板に複数の冷気吹き出し口を設けて、底板上の商品貯蔵部全体を冷却するようにしたもので、コーナー部の商品貯蔵部を積極的に冷却することはできない。
【0005】
前述の特許文献2に記載の冷蔵ショーケースは、商品貯蔵部の側部に冷気導入ダクトを設けて、これに導入された冷気を上方に吹き出すようにしたものであるため、コーナー部の商品貯蔵部の底板上に載置した商品の冷却効果がやや低い。
【0006】
前述の特許文献3及び4に記載の冷蔵ショーケースは、いずれも、商品陳列棚を備えるラウンド型の冷蔵ショーケースであって、特許文献3に記載の冷蔵ショーケースは、コーナー部の棚板支持用のブラケットを送風ダクトとすることにより、また、特許文献4に記載の冷蔵ショーケースは、コーナー部のブラケットにより支持された棚板をダクト構造とすることにより、それぞれ、コーナー部に十分なエアカーテンが形成されるようにし、主として棚板のコーナー部に載置した商品を効果的に冷却することを目的としたものである。そのため、商品陳列棚のないラウンド型の冷蔵ショーケースにおいては、コーナー部の商品貯蔵部の底板上に載置した商品の冷却効果がやや低いという問題がある。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、商品陳列棚のないラウンド型の冷蔵ショーケースであっても、コーナー部の商品貯蔵部に陳列した商品の冷却効果を向上させることができるようにした冷蔵ショーケースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の冷蔵ショーケースは、
外ケースと内ケースとの間に冷気循環経路を形成するとともに、前記内ケースに、前記冷気循環経路と連通する上向きの冷気送風ダクトを設け、この冷気送風ダクトの少なくとも前面と一側面側に、前方及び一側方に開放された商品貯蔵部を形成し、前記冷気送風ダクトの上部の冷気吹出口から、前記内ケースの外周部の冷気吸込口に向かって冷気を吹き出し、前記商品貯蔵部の上方に冷気のエアカーテンを形成することにより、商品貯蔵部の商品を保冷するようにした冷蔵ショーケースにおいて、
前記冷気送風ダクトの前面と一側面が交差する角部の壁面に、前記商品貯蔵部のコーナー部に向かって延出するとともに、前記商品貯蔵部のコーナー部に冷気を吐出する複数の吐出孔を有する冷気誘導ダクトを、前記冷気送風ダクトの内部空間と連通するようにして設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、冷気誘導ダクトに穿設された複数の吐出孔より、冷気送風ダクト内の冷気が商品貯蔵部のコーナー部に吐出されるので、商品陳列棚のないラウンド型の冷蔵ショーケースであっても、またコーナー部に十分な冷気のエアカーテンが形成されなくても、コーナー部の商品貯蔵部に陳列された商品の冷却効果を向上させることができ、商品の品質管理が容易となる。
【0009】
本発明の冷蔵ショーケースは、
冷気誘導ダクトを、内ケースのコーナー部の上面と当接するようにして設けることにより、商品貯蔵部を前方と一側方に仕切る仕切部材を兼ねるものとしたことを特徴としている。
この特徴によれば、冷気誘導ダクトを仕切部材として、コーナー部の商品貯蔵部を前方と一側方に仕切るようにしたので、仕切られた商品貯蔵部に、商品を種類別に、または整然と区分けして見栄えよく陳列することができ、販売促進効果が増大する。
【0010】
本発明の冷蔵ショーケースは、
冷気誘導ダクトの高さを、コーナー部に向かうにしたがって漸次小となるようにしたことを特徴としている。
この特徴によれば、仕切部材としても目立たず、かつ商品の陳列作業や取り出し時の障害となる恐れが小さくなる。
【0011】
本発明の冷蔵ショーケースは、
冷気誘導ダクトを下向きコ字状断面をなすものとし、その上面と両側面に複数の吐出孔を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、冷気誘導ダクト内に誘導された冷気が、その上方と両側方とに吐出されるので、コーナー部の商品貯蔵部の冷却効率が高くなる。
【0012】
本発明の冷蔵ショーケースは、
冷気誘導ダクトに設けた吐出孔の大きさを、コーナー部に向かうほど大としたことを特徴としている。
この特徴によれば、冷気の吐出量がコーナー部ほど大となるので、商品貯蔵部が広い大型の冷蔵ショーケースでも、あるいはエアカーテンの下方に乱れが生じても、コーナー部の外周部の商品貯蔵部に陳列した商品が効果的に冷却される。
【0013】
本発明の冷蔵ショーケースは、
冷気誘導ダクトに設けた吐出孔の個数を、コーナー部に向かうほど多くなるようにしたことを特徴としている。
この特徴によれば、冷気の吐出量がコーナー部ほど大となるので、商品貯蔵部が広い大型の冷蔵ショーケースでも、あるいはエアカーテンの下方に乱れが生じても、コーナー部の外周部の商品貯蔵部に陳列した商品が効果的に冷却される。
【0014】
本発明の冷蔵ショーケースは、
コーナー部の商品貯蔵部の下方の冷気循環経路内に、内ケースの外周部の冷気吸込口より冷気を吸い込む吸引ファンを設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、コーナー部の外周部の冷気の還流効率が向上し、下方のエアカーテンに乱れが生じる恐れが小さくなるので、コーナー部の商品貯蔵部に陳列された商品の冷却効果をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の冷蔵ショーケースの一実施例を示す斜視図である。
【図2】同じく、平面図である。
【図3】図2のII−II線に沿う拡大縦断側面図である。
【図4】冷気誘導ダクトの変形例を示す拡大斜視図である。
【図5】同じく、冷気誘導ダクトの他の変形例を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る冷蔵ショーケースを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の冷蔵ショーケースの斜視図、図2は、同じく平面図、図3は、図2のII−II線に沿う拡大縦断側面図である。冷蔵ショーケース1は、前面(以下、図2の紙面手前を前として説明する)と右側面と後面が開放されたラウンド型のものよりなり、基台2と、その上面に固定された平面視ほぼ方形のショーケース本体3とからなっている。ショーケース本体3は、その下面と前後左右の4面を閉塞する断熱筐体よりなる外ケース4と、その上面の開口部を閉塞する、商品陳列用の底板を兼ねるほぼ水平の内ケース5とを備えている。
【0018】
図1に示すように、内ケース5の中央部上面には、上面が閉塞されるとともに、下面が、外ケース4と内ケース5との間に形成される内部空間に連通する左右方向に長い冷気送風ダクト6が立設されている。内ケース5の上部、すなわち冷気送風ダクト6の前面と右側面と後面側には、前方、右側方及び後方に開放された商品貯蔵部Sが形成されている。
【0019】
図2に示すように、冷気送風ダクト6の左側面を除いた壁面の上部には、上下複数の冷気吹出口7が形成されている。また、内ケース5における左側部を除いた外周部には、前記冷気吹出口7より吹き出された冷気を吸引する多数の冷気吸込口8が形成されている。
【0020】
図3に示すように、外ケース4と内ケース5との間の内部空間は、隔壁9により上下に仕切られ、隔壁9の下方の冷気循環経路10には、下方吹き出し型の2個の吸引ファン11、11と、2個の冷却器12、12とが収容されている。なお、冷気送風ダクト6は、隔壁9の下方の冷気循環経路10と連通している。また、冷気送風ダクト6内の下端部には、上方吹き出し型の3個の送風ファン13が、左右方向に等間隔おきに設けられている。
【0021】
図2及び図3に示すように、吸引ファン11は、内ケース5の前後のコーナー部の直下の冷気循環経路10内に設けられ、内ケース5のコーナー部の外周部に形成された複数の冷気吸込口8より、冷気を効率よく吸引しうるようにしてある。
【0022】
吸引ファン11と送風ファン13を作動させると、図3の矢印で示すように、冷却器12により冷却された冷気が、冷気送風ダクト6に流入し、それに設けた複数の冷気吹出口7より吹き出された冷気が、内ケース5の冷気吸込口8より吸引されることにより、内ケース5の商品貯蔵部Sの上方に冷気のエアカーテンが形成され、このエアカーテンを介して、外ケース4と内ケース5との間の内部空間と冷気送風ダクト6内を、冷気が循環されるようになる。商品貯蔵部Sに陳列された商品は、前述のエアカーテンにより保冷される。
【0023】
また、冷気送風ダクト6の前面と右側面と後面とが交差する角部の壁面には、商品貯蔵部Sのコーナー部に向かって延出するコ字状断面の冷気誘導ダクト14、14の後端が固着されている。両冷気誘導ダクト14の後端は、冷気送風ダクト6の角部の壁面に穿設された送風孔15を介して、冷気送風ダクト6の内部と連通している。両冷気誘導ダクト14は、その下端が内ケース5のコーナー部の上面と当接するようにして取り付けられ、これにより、商品貯蔵部Sを前方と右側方と後方に仕切る仕切部材を兼ねている。
【0024】
さらに、両冷気誘導ダクト14の高さは、冷気送風ダクト6から内ケース5のコーナー部(外周部)に向かうにしたがって漸次小とされ、側面形はほぼ直角三角形をなしている。冷気誘導ダクト14の上面と両側面には、冷気送風ダクト6内の冷気を冷気誘導ダクト14内に誘導して、商品貯蔵部Sのコーナー部に吐出するための吐出孔16が、多数穿設されている。
【0025】
以上説明したように、前記実施例の冷蔵ショーケース1においては、冷気送風ダクト6の前面と右側面と後面とが交差する角部の壁面に、商品貯蔵部Sのコーナー部に向かって延出するコ字状断面の冷気誘導ダクト14、14を設け、これに穿設した多数の吐出孔16より、冷気送風ダクト6内の冷気を商品貯蔵部Sのコーナー部に吐出するようにしたことにより、商品陳列棚のないラウンド型の冷蔵ショーケースであっても、またコーナー部に十分な冷気のエアカーテンが形成されなくても、内ケース5におけるコーナー部の商品貯蔵部Sに陳列された商品の冷却効果を向上させることができ、商品の品質管理が容易となる。
【0026】
また、吸引ファン11、11を、内ケース5の前後のコーナー部の直下の冷気循環経路10内に設け、内ケース5のコーナー部の外周部に形成された複数の冷気吸込口8より、冷気を効率よく吸引するようにしているため、コーナー部の外周部の冷気の還流効率が向上し、下方のエアカーテンに乱れが生じる恐れが小さくなるので、コーナー部の商品貯蔵部Sに陳列された商品の冷却効果をより向上させることができる。
【0027】
さらに、冷気誘導ダクト14の下端を内ケース5の上面に当接させて、商品貯蔵部Sを前方と側方と後方に仕切る仕切部材を兼ねるようにしているので、仕切られた商品貯蔵部Sに、商品を種類別に、または整然と区分けして見栄えよく陳列することができ、販売促進効果が増大する。
【0028】
冷気誘導ダクト14の高さを、冷気送風ダクト6から内ケース5のコーナー部(外周部)に向かうにしたがって漸次小としてあるので、仕切部材としても目立たず、かつ商品の陳列作業や取り出し時の障害となる恐れが小さくなる。
【0029】
図4及び図5は、冷気誘導ダクト14の変形例を示す拡大斜視図で、図4に示す冷気誘導ダクト14は、その上面と両側面に穿設された吐出孔16の大きさが、コーナー部(外周部)に向かうほど大とされ、図5に示す冷気誘導ダクト14は、上面と両側面に穿設された吐出孔16の個数が、コーナー部(外周部)に向かうほど多くなるようにしてある。
【0030】
このようにすると、いずれの冷気誘導ダクト14においても、冷気の吐出量がコーナー部(外周部)ほど大となるので、商品貯蔵部が広い大型の冷蔵ショーケースでも、あるいはエアカーテンの下方に乱れが生じても、コーナー部の外周部の商品貯蔵部に陳列した商品が効果的に冷却される。
【符号の説明】
【0031】
1 冷蔵ショーケース
2 基台
3 ショーケース本体
4 外ケース
5 内ケース
6 冷気送風ダクト
7 冷気吹出口
8 冷気吸込口
9 隔壁
10 冷気循環経路
11 吸引ファン
12 冷却器
13 送風ファン
14 冷気誘導ダクト
15 送風孔
16 吐出孔
S 商品貯蔵部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外ケースと内ケースとの間に冷気循環経路を形成するとともに、前記内ケースに、前記冷気循環経路と連通する上向きの冷気送風ダクトを設け、この冷気送風ダクトの少なくとも前面と一側面側に、前方及び一側方に開放された商品貯蔵部を形成し、前記冷気送風ダクトの上部の冷気吹出口から、前記内ケースの外周部の冷気吸込口に向かって冷気を吹き出し、前記商品貯蔵部の上方に冷気のエアカーテンを形成することにより、商品貯蔵部の商品を保冷するようにした冷蔵ショーケースにおいて、
前記冷気送風ダクトの前面と一側面が交差する角部の壁面に、前記商品貯蔵部のコーナー部に向かって延出するとともに、前記商品貯蔵部のコーナー部に冷気を吐出する複数の吐出孔を有する冷気誘導ダクトを、前記冷気送風ダクトの内部空間と連通するようにして設けたことを特徴とする冷蔵ショーケース。
【請求項2】
冷気誘導ダクトを、内ケースのコーナー部の上面と当接するようにして設けることにより、商品貯蔵部を前方と一側方に仕切る仕切部材を兼ねるものとしたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵ショーケース。
【請求項3】
冷気誘導ダクトの高さを、コーナー部に向かうにしたがって漸次小となるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵ショーケース。
【請求項4】
冷気誘導ダクトを下向きコ字状断面をなすものとし、その上面と両側面に複数の吐出孔を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冷蔵ショーケース。
【請求項5】
冷気誘導ダクトに設けた吐出孔の大きさを、コーナー部に向かうほど大としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の冷蔵ショーケース。
【請求項6】
冷気誘導ダクトに設けた吐出孔の個数を、コーナー部に向かうほど多くなるようにしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の冷蔵ショーケース。
【請求項7】
コーナー部の商品貯蔵部の下方の冷気循環経路内に、内ケースの外周部の冷気吸込口より冷気を吸い込む吸引ファンを設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の冷蔵ショーケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−113573(P2013−113573A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263487(P2011−263487)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】