説明

冷蔵庫

【課題】一般家庭の冷蔵庫で浸透調理を行う際に、従来の高い真空度で浸透調理を行うと強度,コスト,使い勝手の面で困難であり、食材からの旨みも十分に引き出せない問題があった。そこで、家庭でも気軽に浸透調理を行うことが可能となる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】貯蔵室を備えた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内に配置された低圧室と、前記低圧室を減圧する減圧手段を備えた冷蔵庫において、前記低圧室に液体及び食品を入れた場合、前記減圧手段により前記低圧室内を減圧し、気圧を−30kPaから大気圧未満の減圧状態として、所定の時間が経過すると圧力が大気圧に近づき、減圧と大気圧解除を複数回繰り返して前記食品に液体を浸透させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家事の時間短縮へのニーズが高まってきている。特に日々の料理についてはレンジや冷蔵庫等の調理機器での時間短縮および補助機能への感心が高い。
【0003】
家庭での一般的な調理法の1つとして、食品に調味料等を浸透させる煮込み料理が多く見られる。煮込み料理は、火加減が強すぎたり、加熱し過ぎたりすると、食品細胞が破壊されて煮崩れが生じてしまうことや、食品表面から味が浸透して行くため、食品の中心まで味が浸透するまでに時間が掛かることから、煮汁が一度沸騰した後は、弱火で長時間煮込む必要があった。
【0004】
また保存食品としては、昔から乾物が多く利用されてきた。乾物は湯戻しを行うと短時間で戻すことが可能だが、食材への熱の伝わり方がまばらで上手く戻らなかったり、煮た際に煮崩れを起こしてしまったりする。また、乾物はそれ自身が生きていた環境と同じ温度(温度が低い状態)で戻すことで甘みを増し美味しくすることが可能となる。
【0005】
例えば、干し椎茸は戻す条件によって、旨み成分のグアニル酸の量が異なる。グアニル酸は、元から含まれているのではなく酵素によって生成・分解される。この酵素反応深く関係しているのが水温である。低温でゆっくり戻すことが十分に旨みを引き出すために必要となる。
【0006】
さらに小豆等の吸水速度が緩慢なものは十分に吸水するまでに1日程度時間がかかり、家事を行う上で不便なものとなることが知られている。以上から、冷蔵庫を用いて乾物を戻すには、従来よりも短時間で戻すことが求められている。
【0007】
このような問題に対し、従来から浸透を補助する調理機能を持つ冷蔵庫として、特許文献1がある。特許文献1は、減圧動作により、容器内空間を極めて低い真空度に減圧することで液中の食品から極めて短時間に脱気し、減圧動作の解除により食品中に液体成分を短時間に含浸させるようにして浸透を早める機能を持つ冷蔵庫が挙げられる。
【0008】
また、減圧処理を行う冷蔵庫として、特許文献2がある。特許文献2は、貯蔵室を−10℃から−5℃の弱冷凍温度帯に設定するとともに、この貯蔵空間内を減圧することで低酸素濃度雰囲気に調整する手段を備えた冷蔵庫が挙げられる。
【0009】
また、減圧によって浸透を行う方法として、特許文献3がある。特許文献3は、食品を減圧処理後または減圧状態で液体成分と気体成分を接触させて食品中に液体成分を含浸させる方法であり、漬物や煮物用の食材の味つけを高速で行うことができ、工業規模での食品加工に有効な食品の含浸処理方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−351580号公報
【特許文献2】特開2004−036917号公報
【特許文献3】特開2003−174850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の冷蔵庫においては、構成される減圧貯蔵空間が真空ポンプの駆動により減圧されるため、収納容器及び蓋に減圧力に耐える高い剛性が必要とされる。
【0012】
特に、収納容器は減圧力を受ける広い面積を有するため、樹脂で収納容器を形成する場合には、収納容器を厚くすることが必要となって貯蔵室の食品収納容積が減少してしまうという問題がある。
【0013】
また、ステンレスなどの金属で収納容器を形成する場合には、高価な収納容器になってしまうという課題があり、圧力が−95kPa〜−80kPaという高い真空度では、大きな能力のポンプが必要となり、家庭用冷蔵庫での実現が難しい問題があった。
【0014】
さらに、−95kPa〜−80kPaの減圧度では、酸素濃度が10%以下になるので、生きた貝や車海老等を保存した際に、呼吸が困難となり食材の鮮度が急激に落ちたり、気泡を多く含むデザート等を収納した場合に形が崩れてしぼんでしまったり、密閉した袋が破裂したりする可能性があり、使用者の使い勝手に制約が生じてしまう問題もあった。
【0015】
次に、特許文献2に記載の冷蔵庫においては、減圧手段を有するが温度帯が−10℃から−5℃の弱冷凍温度帯のため、浸透調理を行うと食品が凍結することで、細胞破壊を起こし栄養成分が減少し、食感も悪くなる。また解凍を介さないと食することができない点が問題となる。
【0016】
次に、特許文献3の機構は減圧解除により、調味液を瞬間的に浸透させることを図ったものであるが、極めて短時間で浸透させることができる一方、瞬間的に浸透させるために、素材によっては細胞が破壊され素材の美味しさを十分に生かせきれない問題があった。
【0017】
また、乾物等を戻す際には、吸水させて柔らかくすることが目的である場合は問題がないが、冷却により乾物等の素材の旨みを引き出すには冷却時間が短く十分に旨みを抽出することができなかった。
【0018】
そこで、本発明は、一般家庭用の冷蔵庫で行う低い減圧度で、素材の旨みを十分に引き出した様々な浸透調理を行うことが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するため、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、貯蔵室を備えた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内に配置された低圧室と、前記低圧室を減圧する減圧手段を備えた冷蔵庫において、前記低圧室に液体及び食品を入れた場合、前記減圧手段により前記低圧室内を減圧し、気圧を−30kPaから大気圧未満の減圧状態として、所定の時間が経過すると圧力が大気圧に近づき、減圧と大気圧解除を複数回繰り返して前記食品に液体を浸透させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、一般家庭用の冷蔵庫で行う低い減圧度で、素材の旨みを十分に引き出した様々な浸透調理を行うことが可能な冷蔵庫を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態になる冷蔵庫の中央縦断面図である。
【図2】図1に示した冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図である。
【図3】図1に示した冷蔵室の背面パネルの正面図である。
【図4】本実施形態になる冷蔵庫における制御の内容を示す制御ブロック図である。
【図5】減圧による浸透効果を示す図である。
【図6】減圧繰り返しによる浸透効果を示す図である。
【図7】減圧繰り返しによる浸透効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態になる冷蔵庫について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
まず、図1及び図2を参照しながら、冷蔵庫の構成に関して説明する。なお、図1は本実施形態の冷蔵庫の中央縦断面図であり、図2は図1に示した冷蔵室の最下段空間部分の断面斜視図である。
【0024】
冷蔵庫は、冷蔵庫本体1と、その前面に設けられた複数の扉を備えて構成されている。冷蔵庫本体1は、鋼板製の外箱11と、樹脂製の内箱12、それらの間に充填された発泡断熱材13及び/又は真空断熱材(図示せず)とから構成されており、図の上から、冷蔵室2,冷凍室3,4,野菜室5の順に、複数の貯蔵室が形成されている。換言すれば、最上段には冷蔵室2が、そして、最下段に野菜室5が、それぞれ、区画して配置されており、冷蔵室2と野菜室5との間には、これらの両室から熱的に仕切られた冷凍室3,4が配設されている。冷蔵室2及び野菜室5は、冷蔵温度帯の貯蔵室であり、冷凍室3,4は、0℃以下の冷凍温度帯(例えば、約−20℃〜−18℃の温度帯)の貯蔵室である。これらの貯蔵室は、仕切り壁34,35,36により区画されている。
【0025】
冷蔵庫本体1の前面には、前述したように、複数の貯蔵室の前面開口を閉塞するため、それぞれ、扉が設けられている。冷蔵室扉6は、冷蔵室2の前面開口を閉塞する扉である。冷凍室扉7は、冷凍室3の前面開口を閉塞する扉である。冷凍室扉8は、冷凍室4の前面開口を閉塞する扉である。野菜室扉9は、野菜室5の前面開口を閉塞する扉である。また、冷蔵室扉6は観音開き式の両開きの扉で構成され、冷凍室扉7,冷凍室扉8,野菜室扉9は、引き出し式の扉によって構成され、引き出し扉と共に、貯蔵室内の容器が引き出される構造となっている。
【0026】
上述した構造の冷蔵庫本体1には、冷凍サイクルが設置されている。この冷凍サイクルは、圧縮機14,凝縮器(図示せず),キャピラリチューブ(図示せず)及び蒸発器15、そして、再び、圧縮機14が、その順に接続されて構成されている。圧縮機14と凝縮器は、冷蔵庫本体1の背面下部に設けられた機械室内に設置されている。蒸発器15は冷凍室3,4の後方に設けられた冷却器室内に設置され、この冷却器室における蒸発器15の上方には、送風ファン16が設置されている。
【0027】
蒸発器15によって冷却された冷気は、図示しない冷気通路を介して、送風ファン16によって冷蔵室2,冷凍室3,4及び野菜室5など、各貯蔵室へ送られる。具体的には、送風ファン16によって送られる冷気は、開閉可能なダンパーを介して、その一部が冷蔵室2及び野菜室5の冷蔵温度帯の貯蔵室へと送られ、また、残りの一部が冷凍室3,4の冷凍温度帯の貯蔵室へと送られる。
【0028】
送風ファン16によって冷蔵室2,冷凍室3,4及び野菜室5の各貯蔵室へと送られる冷気は、各貯蔵室内を冷却した後、冷気戻り通路を通って、冷却器室へと戻される。このように、本実施形態になる冷蔵庫は、冷気の循環構造を有しており、そして、各貯蔵室を適切な温度に維持する。
【0029】
また、冷蔵室2内には、透明な樹脂板で構成される複数段の棚17〜20が取り外し可能に設置されている。最下段の棚20は、内箱12の背面及び両側面に接するように設置され、その下方空間である最下段空間21を上方空間から区画している。また、冷蔵室扉6の内側には、複数段の扉ポケット25〜27が設置され、これらの扉ポケット25〜27は、冷蔵室扉6が閉じられた状態で、冷蔵室2内に突出するように設けられている。冷蔵室2の背面には、送風ファン16から供給された冷気を通す通路を形成する背面パネル30が設けられている。
【0030】
最下段空間21には、図2に示すように、左から順に、冷凍室3の製氷皿に製氷水を供給するための製氷水タンク22,デザートなどの食品を収納するための収納ケース23,室内を減圧して食品の鮮度保持及び長期保存するための低圧室24が、それぞれ、設けられている。低圧室24は、冷蔵室2の横幅より狭い横幅を有しており、冷蔵室2の側面に隣接して配置されている。なお、この低圧室24は、その周囲を壁や扉で取り囲んで気密に形成されており、そのため、その内部の気圧を外部よりも低下させることができる。
【0031】
製氷水タンク22及び収納ケース23は、図2の左側において、冷蔵室扉6(図1参照)の後方に配置されている。これによって、左側の冷蔵室扉6を開くのみで、製氷水タンク22及び収納ケース23を引き出すことができる。なお、これらの製氷水タンク22及び収納ケース23は、図1では、冷蔵室扉6の最下段の扉ポケット27の後方に位置することとなり、そして、低圧室24も、また、冷蔵室扉6の最下段の扉ポケット27の後方に位置することとなる。
【0032】
次に、図3を用いて、図1に示した背面パネル30の詳細について説明する。この背面パネル30には、冷蔵室2に冷気を供給する冷蔵室冷却用の冷気吐出口31(第1の冷気吐出口)と、冷蔵室2の最下段空間21に冷気を供給する低圧室冷却用の冷気吐出口32(第2の冷気吐出口)と、そして、冷気戻り口33とが設けられている。冷気戻り口33は、低圧室24の背面後方において、冷蔵室2の側面に近い側に位置して設けられている。
【0033】
また、冷気吐出口32は、低圧室24の上面と棚20の下面との隙間に向けて設けられている。冷気吐出口32から吐き出された冷気は、低圧室24の上面と棚20の下面との隙間を流れ、低圧室24を上面から冷却する。従って、低圧室24内を間接冷却する。
【0034】
また、冷気吐出口32よりも上流側には、低圧室24内への冷気の流れを制御するためのダンパー装置41(図1参照)が設けられている。このダンパー装置41の開閉は、図示しない制御装置によって制御されており、これにより、低圧室24への冷気供給量が制御される。
【0035】
さらに、図1に示すように、低圧室24内の温度を上昇させるため、例えば、ヒータ43が設けられている。このヒータ43は、低圧室24内の食品トレイ60の下面に設けられており、本例では、低圧室24内の底面とほぼ同程度の面積のヒータとしている。
【0036】
なお、ここでは、低圧室24を冷蔵室2の右側面に近接して配置して低圧室24の右側の隙間をなくすと共に、低圧室24の上面の左端部には図示しない棚(仕切り壁)を設けて低圧室24の左側の隙間をなくしていることから、冷気吐出口32から吐出された冷気は、低圧室24の左右の側方に分流することなく、低圧室24の上面を流れる。
【0037】
これによって、低圧室24の上面を冷却する冷気量を増大することにより、低圧室24内を速く冷却することができる。この低圧室24の上面を冷却した冷気は、低圧室24の前方から低圧室24の左側面を通って冷気戻り口33に吸い込まれ、冷気戻り通路を通って冷却器室へと戻される。冷気戻り口33は低圧室24の背面後方で冷蔵室2の側面に近い側に位置して設けられているので、冷気は低圧室24の背面及び左側面に接触して冷却する。
【0038】
このように、低圧室24は冷気がその外部を通ることにより間接的に冷却される。よって、低圧室24内の冷気の対流を抑制し、かつ、密閉容器内で間接冷却を行うことで、圧縮機のオン・オフによる影響や、冷蔵室扉6の開閉や霜取り等の温度上昇に対しても、その内部温度への悪影響を抑え、恒温で高湿な状態を保つことが可能となる。なお、冷蔵室2の全体を冷却した冷気も、また、冷気戻り口33へ吸込まれる。
【0039】
製氷水タンク22の後方には、製氷水ポンプ28が設置されている。収納ケース23の後方、且つ、低圧室24の後部側方の空間には、低圧室24を減圧するための減圧装置の一例である負圧ポンプ29が配置されている。この負圧ポンプ29は、低圧室24の側面に設けられたポンプ接続部に導管を介して接されている。
【0040】
また、低圧室24は、図2に示すように、食品の出し入れ用の開口部(食品出し入れ用開口部)を有する箱状の低圧室本体40と、低圧室本体40の食品出し入れ用開口部を開閉する低圧室ドア50と、食品をその内部に収納し、低圧室ドア50を通して、低圧室内に出し入れする食品トレイ60とを備えて構成されている。即ち、低圧室本体40では、その低圧室ドア50の食品出し入れ用開口部を閉じることにより、低圧室本体40と低圧室ドア50とで囲まれた空間が減圧される低圧空間として形成される。なお、食品トレイ60は、低圧室ドア50の背面側に取り付けられており、低圧室ドア50の移動に伴って前後に移動可能である。
【0041】
そして、低圧室24は、その食品トレイ60に食品を載せて低圧室ドア50を閉じることにより、その内部が密閉状態となり、更に、ドアスイッチがオンされて負圧ポンプ29が駆動され、低圧室24が大気圧より低い状態に減圧される。これにより低圧室24内に収納した食品中の空気が膨張して排出され、減圧解除時に、食材内の空気が収縮し、液体成分が浸透することとなる。
【0042】
また、低圧室ドア50を手前に引くことで、低圧室ドア50の一部に設けられた圧力解除バルブが動作して低圧室24の減圧状態が解除され、その結果、大気圧の状態となる。低圧室ドア50を開くことができる。これによって、簡単に低圧室ドア50を開けて、食品の出し入れが可能となる。
【0043】
ここで、一般の家庭用冷蔵庫で浸透調理を行う場合、−50kPa程度の低い圧力を用いると、減圧装置の大型化及び低圧室を構成する筐体の耐圧強度の増大が必要となり、食品収納スペースの減少及びコストアップを招くこととなる。そこで、減圧度を下げて食品収納スペースの増大及びコスト低減を図りつつ、一定の浸透効果を出す必要がある。本実施形態の低圧室24は、数時間で圧力が大気圧に近づくような構造とし、圧力が大気圧に近づくと、ポンプ制御を用いて再度減圧を行うことで浸透を促進させることにした。
【0044】
さらに、低圧室24の使い勝手を向上させるために、浸透調理の操作パネルを冷蔵室扉6外面に配置することで、使用者は冷蔵室扉6を開けずに、簡単に、温度調節部44(図4参照)を介して、様々な温度帯で素早く浸透調理が可能となる。操作時は、点灯する光の位置を切り替えることで使用者に浸透調理の進行状態を知らせることが可能である。
【0045】
即ち、浸透時間を早めたい場合は、冷蔵室扉6に設置された浸透ボタンを押すことで、減圧と減圧解除を繰り返し行うモードに設定できる。このモードを用いた場合、所定の時間が経過すると減圧繰り返しモードを解除し、浸透が終了したことを使用者に知らせる音声あるいは、光が報知される。
【0046】
減圧解除手段としては、低圧室24に電磁弁(図示せず)を設けて減圧を解除して、低圧室に空気を流入し、解除後の気圧を大気圧に戻す制御をすることとする。電磁弁は時間制御により弁の開閉を行うこととする。
【0047】
また、減圧解除時間としては、食品への調味液の浸透と、真空ポンプの寿命を考慮して10分から30分毎に減圧解除操作を行うことが望ましい。望ましくは10分間隔で減圧と減圧解除を行うことで、浸透速度を速めることができる。
【0048】
より具体的には、減圧開始から一定時間経過後(本実施例では10分)に、電磁弁を開けることで空気を流入させ、低圧室24が大気圧近づいたら電磁弁を閉じる。その後、真空ポンプによって減圧を開始してから10分後に再度電磁弁を開けることで、空気を流入させる。この一連の減圧と減圧解除操作を繰り返すことで、食品の浸透効果を促進させる。
【0049】
浸透調理が終了後は、食材に調味液や水が十分浸透し、直ぐに調理を行うことができる。予め漬け置き処理等を行うことで、従来の漬け置きに比べて短時間で食材中心まで味を浸透させた調理が可能となる。また、乾物の水戻しについては冷蔵温度帯で急激ではなく、じっくり水分を浸透させたことで乾物等の旨みを十分に引き出すことが可能となる。
【0050】
また、低圧室は浸透調理を目的としない場合は、減圧することで酸素濃度が低くなり野菜や肉魚の貯蔵に最適な部屋となる。しかし、食材によっては低酸素状態で鮮度が落ちるもの、また減圧により破裂する弊害も考えられる。
【0051】
ここで、あさり・しじみ等の二枚貝は、普段貝柱と呼ばれる筋肉によって貝を閉じて生活している。それを、熱湯に入れると貝を閉じている貝柱の力が薄れて貝が開く。これは健康なまま死んだ場合で、病気等で死んでいった貝は死後硬直で固く貝を閉じたまま死ぬ。
【0052】
そこで、生きたあさりを用いて保存後の貝を茹でて、貝が開いた場合を「生」、貝が閉じたままの場合を「死」として、生死の貝の個数の割合で減圧による影響を評価することとした。
【0053】
比較として低圧室を各減圧度(−70kPa,−50kPa,−30kPa)で1℃に調整し2日間貯蔵し生死判別を行った。
【0054】
真空度が高い(−70kPa)状態では、保存中に細胞膜破壊により死に至る貝がみられた。また(−70kPa)では、開きが小さい貝が若干あることから、高真空により鮮度が劣化する傾向が考えられる(−50kPa)。以上では減圧によっても生きた食品への影響は低いと言えるが,減圧による細胞膜破壊力は真空度が高くなる程強まるため、(−30kPa)での保存の方が安全であると考えられる。
【0055】
そこで、食品収納スペースの増大及びコスト低減,減圧による生きた植生の細胞膜が破壊されて微生物が侵入(死)する可能性,収納食品が減圧時に膨張することによる他食品への弊害等を考慮して、低圧室の減圧時の圧力は−30kPa以下とした。
【0056】
次に食品による凍結温度との関係を説明する。食品を氷温温度帯(−1℃)・チルド温度帯(1℃)・冷蔵温度帯(5℃)に入れた際の凍結の有無を確認した。食品は、干し椎茸の戻し,高野豆腐の煮物,大根の甘酢漬け,たこと玉ねぎのマリネ,鮪の漬けを用いた。食塩濃度は、鮪の漬け>たこのマリネ>大根の漬物>薄めの煮物>乾物の戻しの順で高い。
【0057】
上記食品を各温度帯で減圧保存を行ってから、6時間経過後の状態においては、全ての食品で凍結が見られなかったが、10時間経過後には、煮汁が多く濃度の低い煮物や、水を多く用いた干し椎茸の戻しでは凍結が見られた。
【0058】
他の食品に関しては継続して3日間貯蔵を行ったが凍結が見られなかった。これは、濃度差による凝固点降下によるもので、濃度が高い物は凍結温度が下がり、濃度が低い物は凍結温度が上がることから凍結に差が出るものと考えられる。
【0059】
以上より、調味液を絡めて濃い味づけにする肉・魚は、氷温温度に温度を設定し、水分が多く薄く味付けする肉・魚や、野菜類はチルド温度に設定する必要がある。
【0060】
なお、氷温浸透に向いた調理例として、下味つけが必要な唐揚げや、焼肉,スペアリブ,照り焼き,肉・魚の漬け込み料理として、南蛮漬け,鮪のづけ等やマリネ,カルパッチョが挙げられる。これらは、氷温温度での浸透モードを選択するとよい。
【0061】
チルド温度帯の浸透調理例としては、煮物の味付けで時間がかかる煮卵等や、フルーツのコンポート,椎茸等の乾物のもどしが挙げられる。これらは、チルド温度での浸透モードを選択するとよい。
【0062】
また、肉と野菜とを同時に浸透調理する場合は、凍結の影響を考慮しチルド温度帯に切り替えて保存を行うことが望ましい。
【0063】
次に、図4を用いて、本発明の冷蔵庫における温度切り替えの制御手段について説明する。図4は、本実施例になる冷蔵庫の制御手段の概略構成を示す制御ブロック図である。温度切り替えにより低圧室24に保存する食材や用途によって、温度を選択して浸透調理が可能となる。
【0064】
図4において、例えば、マイクロコンピュータ等により構成される制御装置45は、低圧室24の内部温度を検出する温度センサ42により検出される温度と、氷温温度帯とチルド温度帯との間でその温度が切り替え可能な温度調節部44によって設定された温度とを入力として、それらの温度に基づいて、ダンパー装置41及びヒータ43への制御信号を出力する。
【0065】
より具体的には、温度センサ42での検出温度が低い場合には、ダンパー装置41の開度を小さくし、又は、完全に閉じることにより、冷気量を制御(抑制)する。また、温度が低くなり過ぎた場合には、ヒータ43を通電させて温度を上昇させる。温度センサ42の検出温度が高過ぎる場合には、ダンパー装置41の開度を大きくし、もって、低圧室24内の冷気流通空間へと冷気を供給して低圧室24内の温度を下げる。
【0066】
以上より、食品の種類に応じて温度帯を切り替えることで、食品の浸透調理を行うことが可能となる。
【0067】
ここで、減圧方法による乾物の吸水特性ついて説明する。乾物はサラダやコロッケ等の様々な料理に日常用いられるヒジキ(鹿尾菜)を用いることとした。ヒジキの戻し方として一般的には、水に浸して戻す方法であり、長ヒジキでの戻し率は4倍〜5倍程度となっている。
【0068】
試料は、食品保存容器に2(g)の長ヒジキに対し5倍量の10(g)の水を加え30分、貯蔵を行う。図5は、ヒジキの吸水を測定した結果を曲線で示しており、縦軸に戻し率[倍]、横軸に浸水時間(時間)を示す。
【0069】
本検討では、減圧による浸透促進効果と、減圧と減圧解除操作を繰り返した場合の効果を確認することとした。減圧と減圧解除を繰り返す場合、調味液の浸透時間を考慮し10分に一度減圧解除を行い、その後直ぐに減圧を行うこととした。
【0070】
図5では、低圧室で減圧と減圧解除操作を繰り返した際の戻し率51と、低圧室を一定の圧力で減圧した場合の戻し率52と、大気圧状態での戻し率53の関係が示されている。
【0071】
図5より、ヒジキが4倍まで戻るのにかかる時間を比較すると、低圧室で減圧と減圧解除操作を繰り返した際の戻し率51は23分、低圧室を一定の圧力で減圧した場合の戻し率52は27分と、大気圧状態での戻し率53,大気圧状態での戻し率53は34となった。
【0072】
即ち、減圧状態でひじきを戻すほうが、吸水量が多く浸水時間を短縮することが可能になることがわかる。また、減圧した場合も、減圧と減圧解除を複数回繰り返した方がより浸透効果が高いといえる。
【0073】
また、減圧状態で浸透をさせた場合、減圧状態で冷却しながら徐々に水を浸透させるため、ひじきの吸水が均等になり、煮えムラを抑制し、ふっくらと早く煮ることができる。
【0074】
同様に、大根を用いて、浸透効果を確認することとした。大根は皮を均等に厚さ1ミリに剥いた後、直径60mm・高さ10mmの厚さにしてサイズを揃え、食紅液に浸漬させた。浸漬条件として、食品の高さ半分まで食紅液を入れて浸漬させた場合と、食品全体を浸漬させた場合について検討を行った。浸漬時間は2時間とした。
【0075】
比較として、低圧室で減圧と減圧解除操作を繰り返した際と、低圧室を一定の圧力で減圧した場合と、大気圧状態の物で比較を行った。浸透効果は、貯蔵後に大根を立て半分に切り、そこで浸透している範囲を計測することとした。浸透効果は、貯蔵後に大根を立て半分に切り、そこで浸透している範囲を計測することとした。
【0076】
食紅液を食品の半分まで浸漬させた際の結果を図6に示す。図6において、低圧室で食紅液を食品の半分まで浸漬させ、減圧と減圧解除操作を繰り返した際(中心からの浸透54,縦方向の浸透57)と、低圧室で食紅液を食品の半分まで浸漬させ、一定の圧力で減圧した場合(中心からの浸透55,縦方向の浸透58)、大気圧状態で食紅液を食品の半分まで浸漬させた場合(中心からの浸透56,縦方向の浸透59)を示す。
【0077】
どの条件においても、食材の中への浸透が殆どない結果となり、条件による浸透には大きな差が出ない結果となった。
【0078】
また、食紅液を食品にかぶるくらい浸漬させた際の結果を図7に示す。図7において、低圧室で食紅液を食品に全浸漬させ、減圧と減圧解除操作を繰り返した際(中心からの浸透60,縦方向の浸透63)と、低圧室で食紅液を食品に全浸漬させ、一定の圧力で減圧した場合(中心からの浸透61,縦方向の浸透64)、大気圧状態で食紅液を食品に全浸漬させた場合(中心からの浸透62,縦方向の浸透65)を示す。
【0079】
低圧室で減圧と減圧解除操作を繰り返した際は中心からの浸透60は、45mmの範囲において、縦方向の浸透63は10mmと完全に浸透しているのがわかる。低圧室を一定の圧力で減圧した場合、中心からの浸透61は、35mmの範囲において、縦方向の浸透64は10mmと完全に浸透しているのがわかる。大気圧状態では、中心からの浸透62は10mmの範囲で、縦方向の浸透65は3mmとなり一部のみしか浸透が見られなかった。
【0080】
図6,図7の結果から、浸透効果が見られる条件は食品全体が調味液に浸漬されている状態であり、調味液に食品が半分浸漬した状態では効果が得難いと言える。これは、減圧時に食品から空気が脱気されて空いた空隙に、減圧解除時に調味液が浸透するため、食品の周囲に調味液がないと浸透が行われないためである。
【0081】
以上より、調味液を食品全体に絡める場合、若しくは食品全体が調味液に浸った状態であり、この条件を満たした場合に、減圧を行うとより早く浸透が行われると言える。また減圧を行う場合、複数回減圧と減圧解除を繰り返すことで、低い減圧度でも浸透効果を高めることが可能であるといえる。
【0082】
次に、逆止弁(図示せず)と電磁弁(図示せず)の取り付け位置の詳細について説明する。ここで、上述したように、食品トレイ60は使い勝手の上では有効であるが、食品を収納する内容積を減らしてしまう欠点もあるため、必ずしも食品トレイ60が常にあるわけではない。そこで、食品トレイ60がない状態で実験を行い、逆止弁および電磁弁の取り付け位置を以下のように決定した。
【0083】
低圧室内は、浸透調理を行う際に調味液等がこぼれたり、結露水が温度分布の偏りで生成したりする場合がある。また、冷蔵庫内に貯蔵物が少ない場合などは逆に乾燥が進み、こぼれた汁や食品屑が乾燥し、細かい固体として残っていることがある。このような液体や固体で逆止弁や電磁弁の空気の出入り口や内部が汚染されると逆止弁や電磁弁としての機能を発揮できなくなる。従って、逆止弁や電磁弁はこのような液体や固体が入らない場所に取り付ける必要がある。
【0084】
まず、低圧室24の上方は、図1に示すように冷蔵室内を仕切る棚20が位置しており、食材が置かれる場所として活用される。よって、逆止弁や電磁弁を取り付けると食材を置く邪魔になり、且つ食材が逆止弁や電磁弁を塞いでしまう可能性もある。従って、低圧室24の天井面は逆止弁の取り付け位置としては適当でない。
【0085】
また、低圧室24底面は、浸透調理で食品を取り出す時に調味液等をこぼしてしまう可能性があるため、低圧室24の底面の逆止弁や電磁弁設置は適当でない。
【0086】
更に、低圧室24は図1に示すように、冷蔵室2の背面に設置された冷気吐出口32からの冷気が低圧室24周囲を流れることで、間接的に冷却される。これにより、食品から蒸散する水分が低圧室24外に逃げることを防止して、乾燥防止も可能にしている。しかし、冷気吐出口32が低圧室24の周囲全面から出ないため、冷気と低圧室24の熱は置換して、低圧室24の周囲を流れる冷気に温度分布が生じる。これにより、貯蔵される食品が多い場合、結露となって水滴が低圧室24の内壁に生成する場合がある。このような結露水が、逆止弁や電磁弁に付着したり、近傍に発生したりすると、低圧室本体40と低圧室ドア50の間の気体の移動を抑制するパッキンの収縮と同時に、低圧室内の空気と一緒に結露水が逆止弁や電磁弁より排出されてしまう。これにより、逆止弁や電磁弁ぬれた状態となり、逆止弁や電磁弁としての機能が損なわれてしまう。そこで、結露水の付着しない場所を以下の検討により見出した。
【0087】
低圧室24に見立てた密閉容器に、80%の内容積を閉めるJIS C 9801 8.2項掲載の試験用負荷を投入し、冷気吐出口に近接して密閉容器を置き、冷気吐出口と結露との関係を計測した。前述の試験用負荷は、含水率76%で熱的特性が赤身の牛肉とほぼ一致しているものである。
【0088】
実験の結果、結露の発生は冷気吐出口に最も近い容器壁面から外周の1/4に当たる円内に生成することがわかった。また、冷気吐出口が2つ以上あり、容器壁面との距離が異なる場合、容器と最も近い冷気吐出口から最も近い容器壁面の外周の1/4に当たる円内に生成することも判った。
【0089】
以上の結果から、逆止弁や電磁弁の位置はドリップが底面にこぼれることを考慮し、低圧室の底面から1/3の高さ以下で、低圧室24から最も近い吐出口から計測して、最も近い低圧室24の側面から外周の1/4以内であると逆止弁や電磁弁がドリップや結露水に汚染されることが判った。
【0090】
以上のことから、逆止弁や電磁弁の取り付け位置は低圧室24の天井および底面を除いた側面のうち、底面から1/3の高さ以下で、且つ低圧室24から最も近い冷気吐出口から計測して、最も近い低圧室24の側面から外周の1/4以内を除く部分が適当である。
【0091】
上記実施例のように、複数の貯蔵室を形成した冷凍冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内に配置された低圧室と、低圧室を減圧する減圧手段を備えた冷凍冷蔵庫において、低圧室24は所定の時間が経過すると圧力が大気圧に近づく構造を備えた構造のため、一般家庭の冷蔵庫においても気軽に浸透調理を行うことが可能となる。
【0092】
さらに、低圧室24に調味液等の液体および食品を入れた後、減圧手段により、低圧室内を減圧し、気圧を−30kPaから大気圧未満の減圧状態とし、その減圧と大気圧解除を複数回繰り返すことにより、食品により早く調味液等を浸透させることが可能となる。
【0093】
さらに、減圧解除手段として、低圧室24に電磁弁を設けて減圧を解除して低圧室24に空気を流入し、解除後の気圧を大気圧に戻す制御をすることで、減圧と大気圧解除の操作を繰り返すことが可能となる。
【0094】
さらに、減圧解除時間として、10分〜30分毎に減圧解除および減圧を複数回繰り返すことで、食品に十分に調味液を浸透させることが可能となる。
【0095】
さらに、逆止弁および電磁弁の取り付け位置は、低圧室側面にすることで、液体や固体で逆止弁や電磁弁の空気の出入り口や内部が汚染されると逆止弁や電磁弁としての機能を発揮できなくなることを抑制できる。
【0096】
さらに、低圧室24は、前記冷気通路の一部に設けたダンパー装置の動作を制御することにより、氷温温度帯と前記チルド温度帯との間で切り替えられることで、調理したい食品に合わせた温度での浸透調理が可能となる。
【符号の説明】
【0097】
1 冷蔵庫本体
2 冷蔵室
3,4 冷凍室
5 野菜室
6 冷蔵室扉
7,8 冷凍室扉
9 野菜室扉
11 外箱
12 内箱
13 発泡断熱材
14 圧縮機
15 蒸発器
16 送風ファン
17〜20 棚
21 最下段空間
22 製氷水タンク
23 収納ケース
24 低圧室
25〜27 扉ポケット
28 製氷水ポンプ
29 負圧ポンプ
30 背面パネル
31 第1の冷気吐出口
32 第2の冷気吐出口
33 冷気戻り口
34〜36 仕切り壁
37 冷気戻り通路
40 低圧室本体
41 ダンパー装置
42 温度センサ
43 ヒータ
44 温度調節部
45 制御装置
50 低圧室ドア
51 減圧と減圧解除操作を繰り返した際の戻し率
52 低圧室を一定の圧力で減圧した場合の戻し率
53 大気圧状態での戻し率
60 食品トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を備えた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内に配置された低圧室と、前記低圧室を減圧する減圧手段を備えた冷蔵庫において、
前記低圧室に液体及び食品を入れた場合、前記減圧手段により前記低圧室内を減圧し、気圧を−30kPaから大気圧未満の減圧状態として、所定の時間が経過すると圧力が大気圧に近づき、減圧と大気圧解除を複数回繰り返して前記食品に液体を浸透させることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
5分〜60分毎に減圧解除及び減圧を複数回繰り返すことで、前記食品に前記液体を浸透させることを特徴とする、請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記減圧手段は前記貯蔵室内に設けた負圧ポンプであり、該負圧ポンプの吸引作用により前記低圧室内の空気の一部が除かれて該低圧室内の気圧を制御することを特徴とする、請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記低圧室に電磁弁を設けて、該電磁弁は前記低圧室に空気を流入して減圧解除して、減圧解除後の気圧を大気圧に戻すように制御することを特徴とする、請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記電磁弁は前記低圧室の底面から1/3以下の高さの側面に設けたことを特徴とする、請求項4記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記低圧室は、氷温温度帯とチルド温度帯との間で温度切り替えすることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の冷蔵庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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