説明

凍みこんにゃくによる洗浄マッサージ機

【課題】肌、頭皮、歯茎、舌、口腔粘膜への洗浄ならびにマッサージと衣料品の染み抜きを現状より摩擦、摩耗炎症が発生しにくい、洗浄マッサージ機を提供する。
【解決手段】振動発生機3の先端作動子1に糸状凍みこんにゃくを縒りながらコイル状に巻き、糸状凍みこんにゃくフォームを付けた先端作動子1を製作する。次に肌であれば乳液、頭皮であればシャンプーまたは育毛剤、歯茎や舌や口腔粘膜であれば唾液、衣料品であれば染み抜き剤をこの凍みこんにゃくフォームに染み込ませ、さらに対象部位にも滴下し、第1段階として洗浄マッサージ機により衝撃流を発生させ、凍みこんにゃくフォームが液体を十分吸収してきて膨潤したら、第2段階として先端作動子1を少々浮かせる。すると気泡が多量に生じ、次の瞬間には崩壊し、衝撃波を発生させる。この衝撃流と衝撃波を利用することにより洗浄とマッサージの効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は肌、頭皮、歯茎、粘膜の洗浄ならびにマッサージと衣料品のシミ抜き洗浄に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の方法である手による肌への凍みこんにゃくを使用した洗浄マッサージとブラシによる電動洗浄機または電動マッサージ機は次のようなものがあり、以下、それらについて特許文献により説明する。
【特許文献1】特許公開平8−126589
【特許文献2】特許公開2002−376868
【特許文献3】特許公開2004−65914
【0003】
特許文献1は凍みこんにゃくマッサージを行うための平型凍みこんにゃくフォーム(同文献ではこんにゃくスポンジと称している)の製法に関するもので糸状凍みこんにゃくフォームの製法または動力を利用した凍みこんにゃくフォームに関わる記述は同文献からも他の特許文献からも見あたらない。
【0004】
特許文献2は用毛を二つ折りにした植毛による超音波電動歯ブラシと記載されるものであるが、気泡またはキャビテーションに関する記載は一切無く、液体の衝撃流、気泡崩壊による衝撃波については対象としていないほか、既存のブラシ用材の材質では長時間使用すると振動摩擦により炎症も発生する。
【0005】
特許文献3は超音波ヘアブラシと記載されているが、既存のブラシ材質では摩擦が発生しやすく、長時間使用すると炎症を起こしかねないし、同文献記載の超音波振動によるマッサージの基本効能の中にキャビテーション効果を考慮していない。
【0006】
他の特許文献でも歯ブラシ、ヘアブラシに関する物は全てそうで、振動による液体の衝撃流と気泡崩壊による衝撃波についての記載はない。
【0007】
一般の振動との差違を明らかにする超音波振動による洗浄マッサージの最も効果的で理想的な使い方は振動の伝搬とその振動により発生する衝撃流とキャビテーションによる気泡崩壊時の衝撃波の利用を合わせもった方法なのである。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
まず、口腔内洗浄について重点的に例をあげていくことにし、肌、頭皮、衣料品はその応用であることがわかる。
【0009】
歯垢は歯と歯茎の間に出来やすく、この境目を歯間ブラシ、糸楊枝、歯ブラシを使用して洗浄すると、その堅さゆえ、歯茎に対し傷をつけることさえもあった。
【0010】
更に歯茎マッサージブラシについて考察すると、合成樹脂スポンジ、シリコーン樹脂で造られたマッサージブラシであり、デリケートな歯茎には十分な潤滑効果剤を流し続けて使用しない限り短時間のうちに炎症を引き起こす。
【0011】
この傷、炎症を発生させないという課題に対し、最も効果的な方法は歯茎より柔らかいか同等の堅さのもので、更に潤滑剤をそのものに含ませることが可能なもので洗浄マッサージをすることという結論になる。
【0012】
そこで一部市場で赤ちゃん用スキンケア用品として販売されている凍みこんにゃくフォーム、別名こんにゃくスポンジがこの用途に適していることに気がつく。
【0013】
ただ、物と物とが接触するということは必ず摩擦が発生し、どの場合でもいずれ炎症がおこり、湿潤凍みこんにゃくフォームでも例外ではない。
【0014】
そこで振動マッサージの究極の方法として、歯茎と凍みこんにゃくフォームを無接触で洗浄マッサージを行うことが重要となり、これを実現するには振動による衝撃流の発生なびに気泡の崩壊による衝撃波の発生を利用した方法が必要となる。
【0015】
振動マッサージにおいて既存の湿潤凍みこんにゃくでは唾液の衝撃流、さらに気泡の崩壊による衝撃波が弱い。
【0016】
本発明である請求項1を濡らした湿潤凍みこんにゃくフォームは口腔内で使用する時、第一段階として歯茎、または粘膜にかるく接触させ、振動により唾液の衝撃流を作り出す。
【0017】
唾液が本発明の凍みこんにゃくフォームに染み込み、フォームの更なる膨潤を招いてきたら(この間1分以内)、第二段階として少々浮かせ接触させない状態にすると、凍みこんにゃく一本一本が振動し易くなり、そのために気泡の発生が容易になり、気泡崩壊による衝撃波を量産し、この衝撃波そして衝撃流が汚れを口腔内から剥離し、振動、気泡による洗浄マッサージ効果を発揮する。
【0018】
上記の衝撃流、衝撃波は歯の隙間、歯の表面での洗浄効果あり、歯磨きとしての利用も可能であり、しかも既存の歯ブラシにある接触時のチクリとした刺激による不快感もない。
【0019】
つまり、凍みこんにゃくフォームが十分に唾液を吸収し、衝撃流、衝撃波を出しやすくしているため、口腔内での違和感も無く歯、歯茎、舌、口腔内粘膜の洗浄、マッサージがしやすく、触感も良くなった。
【0020】
また、本発明の凍みこんにゃくフォームの液体との相性をみるとき、凍みこんにゃくの物性が親水性であるため、水、唾液などの各種水溶液はほぼ凍みこんにゃくフォームの体積分を吸収し膨潤する。また油類、100%エタノールは凍みこんにゃくフォームの内部吸収は不可能であるが、表面が縒り編み状態にあり表面積が大きいため表面に吸着するが水分含有率が0%の液体では凍みこんにゃくを軟化させることはできない。
【0021】
なお、本発明の凍みこんにゃくフォームは水、唾液、乳液、水溶性育毛剤、水溶性シミ抜き剤等の水溶液を含んで湿潤状態のときのみ、その軟らかさを持続しているため、使用直前には必ず凍みこんにゃくフォームを湿潤状態にしておくことが必修条件である。
【0022】
次に本発明の重要なポイントである流体による衝撃流と気泡の崩壊による衝撃波について説明する。
【0023】
実験では毎分約10000回転と約25000回転の振動周波数をもち、歯磨きに使用されている電動振動機を2機種使用した。
【0024】
10krpm、25krpmとも通常の音波周波数であり、超音波周波数に至ってないが気泡発生に関して、この周波数でもキャビテーションによらずに多量の気泡を出すことがわかった。
【0025】
理論的にこれらの周波数ではキャビテーションは起こるはずがないので、このことは糸状凍みこんにゃくフォームに巻き込まれた空気、つまり気泡のもとが糸状凍みこんにゃくフォームの構造による自由な振動と染み込んだ水分との相互作用によって、キャビテーション擬きの多量の気泡を連続的に造り出したことになる。
【0026】
大切なことはキャビテーションにより多量の気泡を造ることではなく、発生した多量の気泡の崩壊による衝撃波を得ることなので、洗浄マッサージをするには流体による衝撃流とともに大いに効果が発揮された。
【発明の効果】
【0027】
歯と歯茎と舌ならびに口腔粘膜の洗浄とマッサージは唾液だけで可能になり、洗浄剤または洗浄粉は水で薄めて今までより少量にするか使わなくてもよくなった。
【0028】
また、肌ならびに肌と爪の境周辺を水、水で薄めた洗剤、乳液で洗浄とマッサージを行うとき、頭皮ならびに頭皮と毛髪の境目を水で薄めたシャンプー、水で薄めた育毛剤による洗浄とマッサージで効果が現れ、そして何よりも炎症が発生しない。
【0029】
また、衣料品の染み抜き作業も本発明の洗浄効果と各種染み抜き剤との組み合わせにより、従来の手作業よりも時間短縮ができ、なおかつ非接触であるため生地を痛めない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
先端作動子への糸状凍みこんにゃくの巻き付けは長さが20cmから50cmで二本から六本の糸状凍みこんにゃくを縒り合わせながら巻いていくが、このとき糸状凍みこんにゃくは半乾き状態が最も作業しやすい。
【0031】
また、縒った糸状凍みこんにゃくフォームの厚みは図5先端作動子の先端部分、符号6の厚さを厚くするため巻き込み方向とは垂直に、縒った糸状凍みこんにゃくフォームを数回通し、編んだ状態にすることが重要である。
【0032】
なぜなら、この符号6の部分に3mmから5mm程度の厚みがあった方が洗浄マッサージとして使いやすく、効果も発揮されやすい場所だからである。
【実施例】
【0033】
実験では音波式電動歯ブラシで約25krpmの振動周波数をもつ、オムロンヘルスケア(株)社製の音波式電動歯ブラシHT−B421と約10krpmでサンスター(株)社販売の電動歯ブラシTS−X1(三洋電機株式会社製OEM)の2機種を振動機械本体として使用し、周波数による違いを比較したが、請求項1が付いた先端作動子を取り付けた場合、洗浄とマッサージの効果に関してはその違いはほとんどなくどちらでも良好であった。
【0035】
また同じ条件下で比較した場合、請求項1の糸状凍みこんにゃくフォームの方が平型凍みこんにゃくフォームより衝撃波、衝撃流ともに明らかに強いこともわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品を取り付けた携帯用洗浄マッサージ機
【図2】請求項1の前段で述べている糸状凍みこんにゃく二本
【図3】図2の糸状凍みこんにゃくを縒り合わせた状態のもの
【図4】請求項2で述べている先端作動子の中心構造体
【図5】図4の長孔を利用して図3の材料を図4の構造体に巻き付け途中の先端作動子
【図6】本発明品を取り付けた先端作動子の完成図
【符号の説明】
1先端作動子
2先端作動子取り付けのための機械本体側の受け棒
3携帯用振動装置本体
4先端作動子を振動装置本体に取り付けるための孔
5図3の縒り合わせた糸状凍みこんにゃく
6先端作動子の先端部の糸状凍みこんにゃくフォームの厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸こんにゃくまたはしらたきのように糸状に細長くしたこんにゃくの冷凍、解凍を1工程以上繰り返し製造された糸状凍みこんにゃくを、縒り合わせるかまたは巻き付けるかして塊にするか、こんにゃくのりで接着するか、圧着するかまたは編み込んで塊にするか、布状にした凍みこんにゃくフォーム。
【請求項2】
被マッサージまたは被洗浄対象部位と振動装置の先端作動子との接触部分に平型凍みこんにゃくフォームまたは請求項1の糸状凍みこんにゃくフォームを使用した動力により作動する洗浄マッサージ機。
【請求項3】
肌ならびに肌と爪の境周辺、頭皮ならびに頭皮と毛髪の境目、舌、口腔粘膜そして歯茎ならびに歯と歯茎の境目を洗浄またはマッサージをするときに請求項2に液体を染み込ませ振動により発生する液体の流れによる衝撃流、または請求項2の接触部分を少々浮かした時に発生する気泡が崩壊するときに生ずる衝撃波を利用した洗浄マッサージ機。
【請求項4】
衣料の染み抜き剤を染み込ました請求項2で、請求項3と同一の方法を利用した染み抜き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−319648(P2007−319648A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180417(P2006−180417)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(504332779)
【Fターム(参考)】