説明

凹凸部を有する板材並びにこれを用いた車両パネル及び積層構造体

【課題】凹凸部を形成し剛性を向上させた板材で、従来より剛性向上効果の高い凹凸部のパターンを有する板材及びこれを用いた車両パネル並びに積層構造体を提供する。
【解決手段】板材1は、板厚方向に三つの基準面を有し、中間基準面は、六角形の単位領域を敷き詰めたものと仮定する。任意の一つの単位領域を第1六角形とし、第1六角形を含む4つの単位領域からなる領域を第1基準領域とする。第1基準領域を除き第1六角形に接する単位領域を第2基準領域とし、その他の全ての単位領域を第3基準領域とする。その組合せにより新第1基準領域、新第2基準領域、新第3基準領域を構成する。凹凸部20は、第1領域21、第2領域22及び第3領域からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹凸部を形成することによって剛性を高めた板材、並びにこれを用いて構成した車両パネル及び積層構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動車においては、軽量化を目的として、鋼板等によって構成されている部品の材料を、アルミニウム合金板等の軽量な材料に置き換えることが検討、実施されている。この場合、軽量化の前提として、要求される剛性を確保することが必要である。
これまで、板材の板厚を厚くすることなく剛性を向上させるために、板材に凹凸模様を設けて形状的に剛性を向上させることが検討されてきた。
例えば、自動車部品の一つに、ヒートインシュレータという板材よりなる部品がある。特許文献1には、その材料として、板厚を厚くすることなく十分な剛性を確保するために、エンボス成形による多数の突部を形成したものが提案されている。また、ヒートインシュレータに限らず、様々な用途においてエンボス成形等の凹凸部を形成することによって剛性を向上させた板材が提案されている。(特許文献2〜6)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−136720号公報
【特許文献2】特開2000−257441号公報
【特許文献3】特開平9−254955号公報
【特許文献4】特開2000−288643号公報
【特許文献5】特開2002−307117号公報
【特許文献6】特開2002−321018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のように、多数の凹凸部を形成した板材は、凹凸部の無いものよりも剛性が高くなることは事実である。しかしながら、板厚を厚くすることなく剛性を向上するのに最適な凹凸部形状がいかなるものであるかについては、未だ解明できているとは言えない。そして、剛性向上率をこれまで以上に高くすることは、常に要求されている。
また、自動車に限らず、様々な機械装置等において、板材からなる部分を少しでも軽量化する要求が存在する。軽量化の必要性以外にも、材料費削減の効果も期待されている。また、板材(板形状を有する材料)であれば、材質を問わず剛性向上要求は存在する。
【0005】
また、剛性向上効果の高い凹凸部を有する板材を用いて、これを含んだ積層構造体や、剛性向上効果の高い凹凸部を有する板材を組み合わせた車両パネルについても、従来以上の高剛性なものとすることも求められている。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、凹凸部を設けることによって剛性を向上させた板材であって、従来よりも剛性向上効果の高い凹凸部のパターンを有する板材、及びこれを用いた車両パネル並びに積層構造体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、凹凸部を形成することによって剛性を高めた板材であって、
上記凹凸部は、間隔をあけて順次平行に配された仮想の3つの面である第1基準面、中間基準面及び第2基準面という3つの基準面を基準とし、
上記中間基準面は、仮想の六角形である単位領域を敷き詰めたものと仮定し、
一つの上記単位領域を第1六角形とし、該第1六角形における連続しない一つおきの3辺にそれぞれ接する3つの上記単位領域と上記第1六角形とを合体させた4つの単位領域からなる十八角形の領域を第1基準領域とし、
該第1基準領域は、上記第1六角形が存在する位置が、上記第1六角形に合体させた単位領域が存在する3方向において、それぞれ上記単位領域を2つ飛ばして配置される位置にくるように全て同じ姿勢で点在しており、
上記第1基準領域を除く上記単位領域のうち、上記第1六角形に接する上記単位領域を第2基準領域とし、
上記第1基準領域及び上記第2基準領域を除く残りの全ての上記単位領域を第3基準領域とし、
上記第1基準領域のみ又は上記第1基準領域と上記第3基準領域の一部とを合体させた領域を新第1基準領域とし、上記第2基準領域のみ又は上記第2基準領域と上記第3基準領域の一部とを合体させた領域を新第2基準領域とし、上記新第1基準領域及び上記新第2基準領域に含まれない上記第3基準領域を新第3基準領域とし、
上記中間基準面上において定められた上記新第1基準領域から上記第1基準面に向かって突出する第1領域と、上記中間基準面上において定められた上記新第2基準領域から上記第2基準面に向かって突出する第2領域と、上記中間基準面上において定められた上記新第3基準領域を基に上記中間基準面上に形成される第3領域とを設け、
上記第1領域は、上記新第1基準領域を上記第1基準面上に等倍又は縮小して投影した第1頂面と、該第1頂面の輪郭と上記新第1基準領域の輪郭とを繋ぐ第1側面とからなり、
上記第2領域は、上記新第2基準領域を上記第2基準面上に等倍又は縮小して投影した第2頂面と、該第2頂面の輪郭と上記新第2基準領域の輪郭とを繋ぐ第2側面とからなり、
上記第3領域は、上記中間基準面上に上記新第3基準領域の輪郭を基に形成される中間面からなることを特徴とする凹凸部を有する板材にある(請求項1)。
【0008】
第2の発明は、凹凸部を形成することによって剛性を高めた板材であって、
上記凹凸部は、間隔をあけて順次平行に配された仮想の3つの面である第1基準面、中間基準面及び第2基準面という3つの基準面を基準とし、
上記中間基準面は、仮想の六角形である単位領域を敷き詰めたものと仮定し、
一つの上記単位領域を第1六角形とし、該第1六角形における連続しない一つおきの3辺にそれぞれ接する3つの上記単位領域と上記第1六角形とを合体させた4つの単位領域からなる十八角形の領域を第1基準領域とし、
該第1基準領域は、上記第1六角形が存在する位置が、上記第1六角形に合体させた単位領域が存在する3方向において、それぞれ上記単位領域を2つ飛ばして配置される位置にくるように全て同じ姿勢で点在しており、
上記第1基準領域を除く上記単位領域のうち、上記第1六角形に接する上記単位領域を第2基準領域とし、
上記第1基準領域及び上記第2基準領域を除く残りの全ての上記単位領域を第3基準領域とし、
該第3基準領域は、隣接する上記第1基準領域と上記第2基準領域の両方又はいずれか一方へ、その全ての領域を分配し、
上記第1基準領域のみ又は上記第1基準領域と上記第3基準領域の一部又は全てとを合体させた領域を新第1基準領域とし、上記第2基準領域のみ又は上記第2基準領域と上記第3基準領域の一部又は全てとを合体させた領域を新第2基準領域とし、
上記中間基準面上において定められた上記新第1基準領域から上記第1基準面に向かって突出する第1領域と、上記中間基準面上において定められた上記新第2基準領域から上記第2基準面に向かって突出する第2領域を設け、
上記第1領域は、上記新第1基準領域を上記第1基準面上に等倍又は縮小して投影した第1頂面と、該第1頂面の輪郭と上記新第1基準領域の輪郭とを繋ぐ第1側面とからなり、
上記第2領域は、上記新第2基準領域を上記第2基準面上に等倍又は縮小して投影した第2頂面と、該第2頂面の輪郭と上記新第2基準領域の輪郭とを繋ぐ第2側面とからなることを特徴とする凹凸部を有する板材にある(請求項2)。
【0009】
第3の発明は、複数の板材を積層してなる積層構造体であって、上記板材の少なくとも1枚は第1の発明又は第2の発明に記載の凹凸部を有する板材であることを特徴とする積層構造体にある(請求項10)。
【0010】
第4の発明は、アウターパネルと該アウターパネルの裏面に接合されたインナーパネルとを有する車両パネルであって、上記アウターパネル及び上記インナーパネルのいずれか一方又は両方が第1の発明又は第2の発明に記載の凹凸部を有する板材よりなることを特徴とする車両パネルにある(請求項11)。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明における上記凹凸部を有する板材は、上記の特殊な形状の凹凸部を有している。上記凹凸部は、上記のごとく、上記中間基準面上において定められた上記新第1基準領域から上記第1基準面に向かって突出する上記第1領域と、上記中間基準面上において定められた上記新第2基準領域から上記第2基準面に向かって突出する上記第2領域と、上記中間基準面上において定められた上記新第3基準領域を基に上記中間基準面上に形成される第3領域とを設けてなる。そして、上記第1領域は、上記第1頂面と、該第1頂面の輪郭と上記新第1基準領域の輪郭とをつなぐ上記第1側面とからなり、上記第2領域は、上記第2頂面と、該第2頂面の輪郭と上記新第2基準領域の輪郭とをつなぐ上記第2側面とからなる。また、上記第3領域は、上記新第3基準領域の輪郭を基に形成される中間面からなる。
【0012】
このような構造を有しているので、本発明の上記板材は曲げ剛性及び面剛性に優れると共に、エネルギー吸収特性に優れた板材となる。
剛性が向上する理由は、次のように考えられる。即ち、上記第1領域と上記第2領域は、板材の厚さ方向に離れた位置に配置した上記第1頂面及び上記第2頂面と、板材の厚さ方向に交差した上記第1側面及び上記第2側面とからなり、中立面から離れた位置に多くの材料を配置できる。そのため、多くの材料を強度部材として効果的に使用することができ、剛性向上効果を高めることができる。
【0013】
また、上記凹凸部形状は、板材の面上のどの方向においても、剛性向上効果のある凹凸部が形成されている。そのため、異方性が非常に少なく、かつ高い剛性向上効果を得ることができる。また、剛性の向上に伴い、制振性の向上効果と、凹凸形状による音の反響抑制効果を得ることができる。
【0014】
第2の発明における上記凹凸部を有する板材は、上記第3基準領域の全てを、隣接する上記第1基準領域と上記第2基準領域の両方又はいずれか一方へ任意に分配する。そして、上記第1基準領域のみ又は上記第1基準領域と上記第3基準領域とを合体させた領域を新第1基準領域とし、上記第2基準領域のみ又は上記第2基準領域と上記第3基準領域とを合体させた領域を新第2基準領域としてある。そして、上記新第1基準領域から上記第1基準面に向かって突出する第1領域と、上記新第2基準領域から上記第2基準面に向かって突出する第2領域とからなる。上記第1領域は、上記第1頂面と、該第1頂面の輪郭と上記新第1基準領域の輪郭とをつなぐ上記第1側面とからなり、上記第2領域は、上記第2頂面と、該第2頂面の輪郭と上記新第2基準領域の輪郭とをつなぐ上記第2側面とからなる。
【0015】
このように、上記凹凸部を有する板材は、中間面を有しておらず、より多くの材料を強度部材として効果的に使用することができ、剛性向上効果をより高めることができる。また、剛性の向上に伴う制振性の向上効果と、凹凸形状による音の反響抑制効果を得ることができる。
また、上記凹凸部形状は、板材の面上のどの方向においても、剛性向上効果のある凹凸部が形成されている。そのため、どの方向においても高い剛性向上効果を得ることができる。
【0016】
第3の発明においては、上記のごとく剛性に優れた凹凸部を有する板材を積層構造体の一部として用いることによって、非常に剛性が高い積層構造体を容易に得ることができる。また、剛性向上に伴う制振性の向上効果と、空気層を包容することによる吸音性の向上効果を得ることができる。
【0017】
第4の発明においては、上記のごとく剛性の高い凹凸部を有する板材を上記アウターパネル及び上記インナーパネルのいずれか一方又は両方に用いることによって、非常に剛性が高い車両パネルを容易に得ることができる。また、剛性向上に伴う制振性の向上効果と、空気層を包容することによる吸音性の向上効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例1における凹凸部の部分平面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面の部分拡大図。
【図3】実施例1における凹凸部の部分斜視図。
【図4】実施例1における中間基準面の第1基準領域、第2基準領域及び第3基準領域の配置を示す説明図。
【図5】実施例1における中間基準面の新第1基準領域、新第2基準領域及び新第3基準領域の配置を示す説明図。
【図6】実施例2における凹凸部の部分平面図。
【図7】図6のB−B線矢視断面の部分拡大図。
【図8】実施例2における凹凸部の部分斜視図。
【図9】実施例2における中間基準面の新第1基準領域及び新第2基準領域の配置を示す説明図。
【図10】実施例2における3点曲げ試験方法を示す説明図。
【図11】実施例2における3点曲げ試験の荷重−変位線図。
【図12】実施例3における凹凸部の部分斜視図。
【図13】実施例4における凹凸部の部分斜視図。
【図14】実施例4における中間基準面における新第1基準領域及び新第2基準領域の配置を示す説明図。
【図15】実施例5における凹凸部を有する円筒材を示す説明図。
【図16】実施例6における積層構造体の展開説明図。
【図17】実施例7における車両パネルの展開説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明において、十八角形とは、18本の辺と18個の頂点を有する図形を指し、該頂点は凸角形状又は凹角形状により形成される。また、十八角形、六角形等の形状の表現は、いずれも幾何学上の狭義の概念に止まらず、一般的に上記の形状と認識できる形状を含むものであり、各辺が若干曲線となったり、角部や面に成形上必要な丸み等が生じるいわゆるフィレットといわれる曲面を設けたりすることも当然に許容される。
また、本発明において、平行の表現は、幾何学上の狭義の概念に止まらず、一般的に平行と認識できるものであればよい。
【0020】
また、上記第1頂面及び上記第2頂面は、それぞれ上記第1基準面及び上記第2基準面上の面によって構成することもできるし、あるいは、上記第1基準面及び上記第2基準面から上記中間基準面とは逆の方向に突出した部位によって構成することもできる。突出した部位の形状例としては、ドーム形状、稜線形状、錐形状等があるがこれに限定するものではない。
【0021】
また、上記新第1基準領域は、上記第1基準領域のみ又は上記第1基準領域と上記第3基準領域とを合体させた領域である。そのため、上記第1基準領域と上記第3基準領域とを合体させない場合には、上記新第1基準領域と上記第1基準領域とが示す領域が同一となる。同様に、上記新第2基準領域は、上記第2基準領域のみ又は上記第2基準領域と上記第3基準領域とを合体させた領域である。そのため、上記第2基準領域と上記第3基準領域とを合体させない場合には、上記新第2基準領域と上記第2基準領域とが示す領域が同一となる。また、上記新第3基準領域は、上記新第1基準領域及び上記新第2基準領域に含まれない上記第3領域からなる領域である。そのため、上記新第1基準領域と上記第1基準領域とが示す領域が同一であり、上記新第2基準領域と上記第2基準領域とが示す領域が同一である場合には、上記新第3基準領域と上記第3基準領域とが示す領域は同一となる。
【0022】
また、上記中間基準面において、上記第1基準領域及び上記第2基準領域へと上記第3基準領域を分配する方法は、その全て又は一部を上記第1基準領域及び上記第2基準領域のいずれか一方に分配してもよいし、両方に分配してもよい。上記第1基準領域及び上記第2基準領域の両方に上記第3基準領域を分配する場合は、所望の剛性を得るために適宜分配方法を変更することができる。
また、上記第3基準領域を規則的に上記第1基準領域又は上記第2基準領域に分配し、上記新第1基準領域及び上記新第2基準領域の面積を略同一とすることが好ましい。このように分配した中間基準面からなる凹凸部を有する板材は、剛性の異方性が少ない優れた板材となる。
【0023】
上記凹凸部を有する板材において、上記中間基準面は、形状の異なる2種類の六角形からなる第1単位領域と第2単位領域とを敷き詰めたものとすることができる(請求項3)。
この場合には、上記凹凸部を有する板材の成形性の改善や、用途の拡大、あるいはデザイン性の向上を図ることができる。
【0024】
上記凹凸部を有する板材において、上記中間基準面に対する上記第1側面の傾斜角度θ1と上記中間基準面に対する上記第2側面の傾斜角度θ2とは、10°〜90°の範囲にあることが好ましい(請求項4)。
上記第1側面の傾斜角度θ1と上記中間基準面に対する上記第2側面の傾斜角度θ2とが、10°〜90°の範囲にある場合、成形性を確保しつつ、優れた剛性向上率を有する凹凸部形状を得ることができる。
【0025】
上記第1側面の傾斜角度θ1及び上記第2側面の傾斜角度θ2が10°未満の場合には、上記第1領域と上記第2領域の突出量が小さくなり、剛性向上率が低下する。また、上記第1側面の傾斜角度θ1及び上記第2側面の傾斜角度θ2が90°を超えることは凹凸部形成上困難であり、必要のない領域である。
尚、金属板をプレス成型する場合において上記第1側面の傾斜角度θ1及び上記第2側面の傾斜角度θ2の上限値は、成形性の問題から、70°以下であることがより好ましい。したがってより好ましい範囲としては10°〜70°である。
また、上記第1側面及び上記第2側面は複数の面により構成されるが、それらの面が全て同じ傾斜角度である必要はなく、部位によって傾斜角度を変えてもよい。但し、いずれの面においても、上記好ましい傾斜角度の範囲内とすることが好ましい。
【0026】
上記凹凸部を有する板材において、順次配された上記第1基準面、上記中間基準面及び上記第2基準面の少なくとも一部がそれぞれ平行な曲面からなることが好ましい(請求項5)。
この場合には、高い剛性を有する優れた上記凹凸部を有する板材を様々な形状に変形させることができ、用途を拡大することができる。
【0027】
上記凹凸部を有する板材において、上記板材は金属板をプレス成形することにより上記凹凸部を形成したものであることが好ましい(請求項6)。
金属板は、エンボス成形等のプレス成形あるいはロール成形等の塑性加工を施すことによって、容易に凹凸部を形成することができる。そのため、金属板の場合には、上記の優れた凹凸部形状を適用することが比較的容易にできる。金属板の材質としては、アルミニウム合金、鋼、銅合金などの塑性加工が可能な種々のものを適用できる。
【0028】
尚、成形方法においては、ロール成形等の塑性加工の他、鋳造、切削等を採用することも可能である。
また、上記板材は、上記凹凸部を有する限り、金属以外の材料においても有効であり、例えば、樹脂板等とすることもできる。樹脂材料等であれば射出成形あるいはホットプレス等によって凹凸部を形成することができる。樹脂材料においては、金属材料の場合よりも成形上の制約を受けにくく、設計の自由度もより広くなる。
【0029】
また、上記凹凸部を有する板材において、上記金属板の成形前の板厚tが0.05mm〜6.0mmであることが好ましい(請求項7)。
金属板の板厚が0.05mm未満の場合及び6.0mmを超える場合には、用途的に剛性を向上させる必要性が少ない。
【0030】
上記凹凸部を有する板材において、上記単位領域をなす六角形の対向する辺がなす間隔をS(mm)とすると、該間隔S(mm)と上記板厚t(mm)との比S/tは5〜2000であることが好ましい(請求項8)。
上記比S/tが5未満の場合には成形が困難となるおそれがあり、一方、上記比S/tが2000を超える場合には、十分な凹凸部形状を形成できなくなり、剛性が低下するという問題が生じるおそれがある。
【0031】
上記凹凸部を有する板材において、上記第1領域の突出高さH1(mm)と上記板厚t(mm)との比H1/tと、上記第1側面と上記中間基準面とがなす最も大きい傾斜角θ1(°)とは、1≦(H1/t)≦−3θ1+272の関係にあり、上記第2領域の突出高さH2(mm)と上記板厚t(mm)との比H2/tと、上記第2側面と上記中間基準面とがなす最も大きい傾斜角θ2(°)とは、1≦(H2/t)≦−3θ2+272の関係にあることが好ましい(請求項9)。
上記比H1/tが1未満の場合には、第1領域を形成することによる剛性向上効果が十分に得られないという問題が生じる恐れがある。一方、上記比H1/tが−3θ1+272を超える場合には成形が困難になるという問題が生じる恐れがある。同様に、上記比H2/tが1未満の場合には、第2領域を形成することによる剛性向上効果が十分に得られないという問題が生じる恐れがある。一方、上記比H2/tが−3θ2+272を超える場合には成形が困難になるという問題が生じる恐れがある。
【0032】
また、第3の発明の積層構造体においては、上記凹凸部を有する板材を1枚のコア材として、その両面に配設された1枚ずつの平坦な面板よりなる三層構造の積層体とすることができる。また、このような基本構造を繰り返した構造、つまり、複数枚の上記凹凸部を有する板材を1枚ごとに平坦な面板を介して積層してなる多層構造を有することもできる。
また、複数枚の凹凸部を有する板材を直接積層してコア材とし、その片側又は両側の表面に平坦な面板を接合してなる構造を取ることもできる。
また、複数枚の凹凸部を有する板材を直接積層しただけの状態の積層構造体とすることもできる。
上記板材の積層枚数としては、用途及び要求特性に応じて変更することができる。
【0033】
また、第4の発明の車両パネルは、自動車のフードに限らず、ドアー、ルーフ、フロア、トランクリッドなどのパネル及び補強部材や、バンパー、クラッシュボックス、ドアビームなどのエネルギー吸収部材にも適用できる。また、上記アウターパネルとインナーパネルとしては、鋼板、アルミニウム合金板などを用いることができる。
上記アウターパネルをアルミニウム合金板により構成する場合には、たとえば比較的安価であるという理由により6000系合金が好適である。また、上記インナーパネルをアルミニウム合金板により構成する場合には、たとえば、比較的成形性が良いという理由により5000系合金板が好適である。
【実施例】
【0034】
(実施例1)
第1の発明の実施例にかかる凹凸部20を有する板材1につき、図1〜図5を用いて説明する。
図1には、凹凸部20について一部の範囲の平面図を示す。同図には中間基準面K3における新第1基準領域213(図5)と新第2基準領域223(図5)の輪郭であって、外形線としては現れない部分を破線により示した(後述の図3、図6、図8、図12、図13、図16も同様である)。
【0035】
また、図4は、板材1が有する凹凸部20の形状を中間基準面K3における第1基準領域214、第2基準領域224及び分配前の第3基準領域234の配置によって表したものである。同図中において、実線は、第1基準領域214、第2基準領域224及び第3基準領域234の輪郭線を示している。また、各輪郭線の内側に記した記号は、その領域がいずれの領域に該当するかを表しており、A1が第1基準領域214、A2が第2基準領域224、A3が第3基準領域234をそれぞれ示している。
【0036】
また、図5は、板材1の凹凸部20の形状を中間基準面K3における新第1基準領域213、新第2基準領域223及び新第3基準領域233の配置によって表したものである。同図中において、実線は、新第1基準領域213、新第2基準領域223及び新第3基準領域233の輪郭線を示している。また、各輪郭線の内側に記した記号は、その領域がいずれの領域に該当するかを表しており、B1が新第1基準領域213、B2が新第2基準領域223、B3が新第3基準領域233をそれぞれ示している。また、(A3)と記した単位領域24は、第3基準領域234を第2基準領域224に分配したものである。
【0037】
本例の凹凸部20を有する板材1は、図1〜図3に示すごとく、凹凸部20を形成することによって、剛性を高めた板材である。
凹凸部20は、次のように構成される。
図2に示すごとく、間隔をあけて順次平行に配された仮想の3つの平面である第1基準面K1、中間基準面K3及び第2基準面K2という3つの基準面を基準とする。中間基準面K3は、図4に示すごとく、仮想の正六角形である単位領域24を敷き詰めたものと仮定する。任意の1つの単位領域24を第1六角形215とし、該第1六角形215における連続しない一つおきの3辺にそれぞれ接する3つの単位領域24と第1六角形215とを合体させた4つの単位領域24からなる十八角形の領域を第1基準領域214とする。
【0038】
第1基準領域214は、第1六角形215が存在する位置が、第1六角形215に合体させた単位領域24が存在する3方向A、B、Cにおいて、それぞれ単位領域24を2つ飛ばして配置される位置にくるように全て同じ姿勢で点在している。また、第1基準領域214を除く単位領域24のうち、第1六角形215に接する単位領域24を第2基準領域224とし、第1基準領域214及び第2基準領域224を除く残りの全ての単位領域24を第3基準領域234とする。
【0039】
第3基準領域234は、図5に示すごとく、隣接する第2基準領域224へとその一部の領域を分配する。そして、第1基準領域214のみからなる領域を新第1基準領域213とする。また第2基準領域224と第3基準領域234の一部とを合体させた領域を新第2基準領域223とする。また、新第1基準領域213及び新第2基準領域223に含まれない第3基準領域234を新第3基準領域233とする。
【0040】
本例における、第3基準領域234の分配方法を以下に示す。本例において、図4及び図5に示すごとく、正六角形形状を有する単位領域24の対向する辺の間の距離Sは、10mmであり該単位領域24を敷き詰めた中間基準面K3を60mm×52mmに区切った領域を基本領域25(図4、図5)とする。該基本領域25においては、形成される8つの第3基準領域234のうち、いずれか1つを分配六角形225として第2基準領域224へと分配した。そして、該分配六角形225から、上記3方向A、B、Cのいずれの方向においても単位領域24を2つ飛ばして存在する3つの第3基準領域234についても第2基準領域224へと分配した。
【0041】
上述のごとく第3基準領域234を分配することにより、第1基準領域214と第2基準領域224の面積が同一で、かつ規則的に配置される。このように分配した中間基準面K3からなる凹凸部20を有する板材1は、剛性の異方性が少ない優れた板材となる。
尚、本例における第3基準領域234の分配方法は、一つの例であり、これに限定するものではない。
【0042】
凹凸部20は、図1及び図2に示すごとく、中間基準面K3において定められた新第1基準領域213から第1基準面K1に向かって突出する第1領域21と、中間基準面K3において定められた新第2基準領域223から第2基準面K2に向かって突出する第2領域22を形成している。また、凹凸部20は、中間基準面K3において定められた新第3基準領域233を基に中間基準面K3に形成される第3領域23を形成している。
【0043】
第1領域21は、新第1基準領域213を第1基準面K1上に縮小して投影した第1頂面211と、該第1頂面211の輪郭と新第1基準領域213の輪郭とを繋ぐ第1側面212とからなる。同様に、第2領域22は、新第2基準領域223を第2基準面K2上に縮小して投影した第2頂面221と、該第2頂面221の輪郭と新第2基準領域223の輪郭とを繋ぐ第2側面222とからなる。また、第3領域23は、中間基準面K3上に新第3基準領域233の輪郭を基に形成される中間面231からなる。
【0044】
また、図2に示すごとく、本例における第1基準面K1、中間基準面K3及び第2基準面K2の3つの基準面は、それぞれ平行な平面である。
また、第1頂面211は、その板厚中心が第1基準面K1と重なるように構成され、第2頂面221は、その板厚中心が第2基準面K2と重なるように構成されている。そして、第1基準面K1と中間基準面K3とがなす距離を突出高さH1とし、第2基準面K2と中間基準面K3とがなす距離を突出高さH2とする。
本例においては、第1領域21の突出高さH1と第2領域22の突出高さH2は、いずれも0.6mmとした。
【0045】
また、図2に示すごとく、中間基準面K3に対する第1側面212の傾斜角度θ1及び中間基準面K3に対する第2側面222の傾斜角度θ2は等しく、θ1=θ2=45°であり、第1側面212と第2側面222とは、折れ曲がり部を有することなく、一平面により連続して形成されている。
また、本例の凹凸部20を有する板材1は、板厚t=0.4mmの1000系のアルミニウム板である。凹凸部20は、一対の金型を用いたプレス成形により形成される。なお、この成形方法は、表面に所望の凹凸形状を付けた一対の成形ロールによって成形するロール成形等の他の塑性加工方法を採用することも可能である。
【0046】
また、単位領域24をなす正六角形の対向する辺の間隔S=10(mm)である。該間隔S(mm)と板厚t(mm)との比S/tは、25であり、S/tは、5〜2000の範囲にある。
また、第1領域21の突出高さH1(mm)と上記板厚t(mm)との比H1/tは、1.5である。また、第1側面212と中間基準面K3とがなす傾斜角θ1=45°であり、−3θ1+272=137である。したがって、1≦H1/t≦137の関係を満たしている。同様に、第2領域22の突出高さH2(mm)と上記板厚t(mm)との比H2/tは、1.5である。また、第2側面222と中間基準面K3とがなす傾斜角θ2=45°であり、−3θ2+272=137である。したがって、1≦H2/t≦137の関係を満たしている。
【0047】
本例における凹凸部20を有する板材1は、上記の特殊な形状の凹凸部20を有している。凹凸部20は、上記のごとく、中間基準面K3上において定められた新第1基準領域213から第1基準面K1に向かって突出する第1領域21と、中間基準面K3上において定められた新第2基準領域223から第2基準面K2に向かって突出する第2領域22と、中間基準面K3上において定められた新第3基準領域233を基に中間基準面K3上に形成される第3領域23とを設けてなる。
【0048】
そして、第1領域21は、第1頂面211と、該第1頂面211の輪郭と新第1基準領域213の輪郭とをつなぐ第1側面212とからなり、第2領域22は、第2頂面221と、該第2頂面221の輪郭と新第2基準領域223の輪郭とをつなぐ第2側面222とからなる。また、第3領域23は、新第3基準領域233の輪郭を基に形成される中間面231からなる。
【0049】
このような構造を有しているので、本例の板材1は曲げ剛性及び面剛性に優れると共に、エネルギー吸収特性に優れた板材となる。また、剛性の向上に伴う制振性の向上効果と、凹凸形状による音の反響抑制効果を得ることができる。
また、凹凸部20の形状は、板材の面上のどの方向においても、剛性向上効果のある凹凸部が形成されている。そのため、異方性が非常に少なく、かつ高い剛性向上効果を得ることができる。
【0050】
(FEM解析)
本例の板材1の剛性向上効果を定量的に判断するために、FEM解析を用いた片持ち梁による曲げ剛性評価及び3点曲げ試験により行った。
上記FEM解析は、凹凸部20の形成方向に対して0°方向及び90°方向の2パターンで行った。
【0051】
<片持ち梁による曲げ剛性評価>
片持ち梁のFEM解析に用いた試験片形状は、120mm×120mmの矩形形状を有しており、その全面に凹凸部20を形成してある。尚、板厚は、t=0.4mmとした。
評価は、凹凸部20を形成していない平板状の元板について、同様のFEM解析を行い得られたたわみ量と比較することで行った。
【0052】
<0°方向>
図1に示すごとく、方向Bと平行に配された2つの端部において、一方の端部Z1を固定端とし、Z1と対向する端部Z2を自由端とする方向を0°方向とした。
実施例1の凹凸部20を有する板材1は、平板状の元板と比べて、曲げ剛性が3.9倍に向上することが明らかとなった。
<90°方向>
図1に示すごとく、端部Z1、Z2に対して直交する方向における一方の端部Z3を固定端とし、Z3と対向する端部Z4を自由端とする方向を90°方向とした。
実施例1の凹凸部20を有する板材1は、平板状の元板と比べて、曲げ剛性が4.2倍に向上することが明らかとなった。
【0053】
(実施例2)
第2の発明の実施例にかかる凹凸部20を有する板材1につき、図6〜図11を用いて説明する。
本例は、図4に示すごとく、実施例1と同様に第1基準領域214、第2基準領域224および第3基準領域234に区分した後、図9に示すごとく、新第1基準領域213と新第2基準領域223の面積が略同一となるように、全ての第3基準領域234を隣接する第1基準領域214および第2基準領域224にそれぞれ分配した例である。
【0054】
尚、図9において、実線は、新第1基準領域213及び新第2基準領域223の輪郭線を示している。また、各輪郭線の内側に記した記号は、その領域がいずれの領域に該当するかを表しており、B1が新第1基準領域213、B2が新第2基準領域223をそれぞれ示している。また、(A3)と記した単位領域24は、第3基準領域234を第1基準領域214又は第2基準領域224に分配したものである。
【0055】
本例の凹凸部20は、図6〜図9に示すごとく、中間基準面K3において定められた新第1基準領域213から第1基準面K1に向かって突出する第1領域21と、中間基準面K3において定められた新第2基準領域223から第2基準面K2に向かって突出する第2領域22からなる。
第1領域21は、新第1基準領域213を第1基準面K1上に縮小して投影した第1頂面211と、該第1頂面211の輪郭と新第1基準領域213の輪郭とを繋ぐ第1側面212とからなる。同様に、第2領域22は、新第2基準領域223を第2基準面K2上に縮小して投影した第2頂面221と、該第2頂面221の輪郭と新第2基準領域223の輪郭とを繋ぐ第2側面222とからなる。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0056】
本例における、第3基準領域234を第1基準領域214及び第2基準領域224へ分配する方法を以下に示す。本例において、図4及び図5に示すごとく、正六角形形状を有する単位領域24の対向する辺の間の距離Sは、10mmである。該単位領域24を敷き詰めた中間基準面K3を60mm×52mmに区切った領域を基本領域25(図4、図5)とする。該基本領域25においては、形成される8個の第3基準領域234のうち、2個を第1基準領域214へ、6個を第2基準領域224へと分配し、形成される新第1基準領域213と新第2基準領域223の面積を略同一とする。
【0057】
このとき、方向A,B,Cのいずれか一方向において同じ列上に並ぶ2個の第3基準領域234を、第1基準領域214へと分配する。本例においては、図4に示すごとく、A方向に配列され、かつ2個の第3基準領域234を含む列は3列ある。そのうち1列に配される2個の第3基準領域234を第1基準領域214へと分配し、その他の第3基準領域234を第2基準領域224へと分配した。本例の中間基準面K3は、上述の方法により得られた基本領域25を、上下左右に連続して配置したものである。
【0058】
尚、上記A方向に配列される2個の第3基準領域234を含む3列は、そのいずれの1列を第1基準領域214へ分配した場合においても、基本領域25を同姿勢で上下左右に連続して得られる凹凸部20の形状は同一となる。
また、本例における第3基準領域234の分配方法は一例であり、これに限定するものではない。
【0059】
また、図7に示すごとく、第1領域21の突出高さH1と第2領域22の突出高さH2は、いずれも0.6mmとした。また、中間基準面K3に対する第1側面212の傾斜角度θ1及び中間基準面K3に対する第2側面222の傾斜角度θ2は等しく、θ1=θ2=45°であり、第1側面212と第2側面222とは、折れ曲がり部を有することなく、一平面により連続して形成されている。その他の構成は実施例1と同様である。
【0060】
本例における凹凸部20を有する板材1は、第3基準領域234の全てを、隣接する第1基準領域214と第2基準領域224のへと分配した。そして、第1基準領域214と第3基準領域234とを合体させた領域を新第1基準領域213とし、第2基準領域224と第3基準領域234とを合体させた領域を新第2基準領域223としてある。そして、新第1基準領域213から第1基準面K1に向かって突出する第1領域21と、新第2基準領域223から第2基準面K2に向かって突出する第2領域22とからなる。第1領域21は、第1頂面21と、第1頂面21の輪郭と新第1基準領域213の輪郭とをつなぐ第1側面212とからなり、第2領域22は、第2頂面221と、該第2頂面221の輪郭と新第2基準領域214の輪郭とをつなぐ第2側面222とからなる。
【0061】
このように、本例の凹凸部20を有する板材1は、中間面を有しておらず、より多くの材料を強度部材として効果的に使用することができ、剛性向上効果をより高めることができる。また、剛性の向上に伴う制振性の向上効果と、凹凸形状による音の反響抑制効果を得ることができる。
また、凹凸部20の形状は、板材の面上のどの方向においても、剛性向上効果のある凹凸部が形成されている。そのため、どの方向においても高い剛性向上効果を得ることができる。
【0062】
本例の板材1の剛性向上効果を定量的に判断するために、FEM解析を用いた片持ち梁による曲げ剛性評価及び3点曲げ試験により行った。
【0063】
(FEM解析)
<片持ち梁による曲げ剛性評価>
上記FEM解析を用いた片持ち梁による曲げ剛性評価は、凹凸部20の形成方向に対して0°方向及び90°方向の2パターンで行った。
【0064】
片持ち梁のFEM解析に用いた試験片形状は、120mm×120mmの矩形形状を有しており、その全面に凹凸部20を形成してある。尚、板厚は、t=0.4mmとした。
評価は、凹凸部20を形成していない平板状の元板について、同様のFEM解析を行い得られたたわみ量と比較することで行った。
【0065】
<0°方向>
図6に示すごとく、試験片の端部において、方向Bと平行に配された2つの端部は、一方の端部Z1を固定端とし、Z1と対向する端部Z2を自由端とする方向を0°方向とした。
本例の凹凸部20を有する板材1は、平板状の元板と比べて、曲げ剛性が4.8倍に向上することが明らかとなった。
<90°方向>
図6に示すごとく、端部Z1、Z2に対して直交する方向における一方の端部Z3を固定端とし、Z3と対向する端部Z4を自由端とする方向を90°方向とした。
本例の凹凸部20を有する板材1は、平板状の元板と比べて、曲げ剛性が4.5倍に向上することが明らかとなった。
【0066】
(3点曲げ試験)
3点曲げ試験は、図10に示すごとく、横倒しした2つの円筒状支持材を支点間距離S=80mmとなるよう平行に配置して構成した2つの支点W上に試験片を配置し、試験片表面の中央位置に、先端断面が半円状をなす平板形状の押圧冶具Jによって荷重をかけ、変位量を計測した。評価は、凹凸部20を形成していない平板状の元板について、同様に3点曲げ試験を行い荷重−変位線図を比較することで行った。
上記試験片は、成形前の形状が100mm×100mm、板厚t=0.3mmのA3004−O材であり、本例に示す凹凸部20を全面に形成してある。また、その形成方向は、上記片持ち梁におけるFEM解析の0°方向および90°方向の場合と同様である。
【0067】
3点曲げ試験の結果から得られた荷重を縦軸とし、変位を横軸とした荷重−変位線図を図11に示す。同図において、0°方向に凹凸部20を設けた板材1の計測結果を実線X、90°方向に凹凸部20を設けた板材1の計測結果を実線Y、平板状の元板の計測結果を実線Zにより示してある。
【0068】
図11に示すごとく、実線Xは、実線Zに比べ立ち上がりの傾き角が5.2倍となる。したがって、0°方向に凹凸部20を設けた板材1の曲げ剛性は、平板状の元板と比べ、5.2倍に向上することが明らかとなった。また実線Yは、実線Zに比べ立ち上がりの傾き角が4.5倍となる。したがって、90°方向に凹凸部20を設けた板材1の曲げ剛性は、平板状の元板と比べ、4.5倍に向上することが明らかとなった。
【0069】
(実施例3)
本例は、図12に示すごとく、実施例2の凹凸部20を有する板材1の変形例である。
本例の凹凸部20は、実施例2と同様に図9に示す中間基準面K3からなり、該中間基準面K3に対する第1側面212の傾斜角度θ1(°)及び中間基準面K3に対する第2側面222の傾斜角度θ2(°)を、共に30°とし、第1側面212と第2側面222とは、折れ曲がり部を有することなく一平面により連続して形成してある。また、第1領域21及び第2領域22の突出高さH1、H2は、共に1.2mmとした。その他の構成は実施例1と同様である。
【0070】
本例においては、板厚tは実施例1と同様に0.4mmであり、第1領域21の突出高さH1(mm)と板厚t(mm)との比H1/tは、3.0である。また、第1側面212と中間基準面K3とがなす傾斜角θ1=30°であり、−3θ1+272=182である。したがって、1≦H1/t≦182の関係を満たしている。同様に、第2領域22の突出高さH2(mm)と板厚t(mm)との比H2/tは、3.0である。また、第2側面222と中間基準面K3とがなす傾斜角θ2=30°であり、−3θ2+272=182である。したがって、1≦H2/t≦182の関係を満たしている。
【0071】
(FEM解析)
本例の板材1の剛性向上効果を定量的に判断するために、片持ち梁による曲げ剛性評価をFEM解析により行った。
上記FEM解析は、凹凸部20の形成方向に対して0°方向及び90°方向の2パターンで行った。
【0072】
<片持ち梁による曲げ剛性評価>
片持ち梁のFEM解析に用いた試験片形状は、120mm×120mmの矩形形状を有しており、その全面に凹凸部20を形成してある。尚、板厚t=0.4mmとした。
評価は、凹凸部20を形成していない平板状の元板について、同様のFEM解析を行い得られたたわみ量と比較することで行った。
【0073】
<0°方向>
図12に示すごとく、試験片の端部において、方向Bと平行に配された2つの端部は、一方の端部Z1を固定端とし、Z1と対向する端部Z2を自由端とする方向を0°方向とした。
実施例3の凹凸部20を有する板材1は、平板状の元板と比べて、曲げ剛性が9.4倍に向上することが分かった。
<90°方向>
図12に示すごとく、端部Z1、Z2に対して直交する方向における一方の端部Z3を固定端とし、Z3と対向する端部Z4を自由端とする方向を90°方向とした。
実施例3の凹凸部20を有する板材1は、平板状の元板と比べて、曲げ剛性が8.0倍に向上することが分かった。その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0074】
(実施例4)
本例は、図13に示す凹凸部20を有する板材1である。本例の中間基準面K3は、図14に示すごとく、形状の異なる2種類の六角形からなる第1単位領域241と第2単位領域242とを敷き詰めたものと仮定した。尚、図14は、板材1の凹凸部20の形状を中間基準面K3における新第1基準領域213及び新第2基準領域223の配置によって表したものである。同図中において、実線は、新第1基準領域213及び新第2基準領域223の輪郭線を示している。また、各輪郭線の内側に記した記号は、その領域がいずれの領域に該当するかを表しており、B1が新第1基準領域213、B2が新第2基準領域223をそれぞれ示している。また、(A3)と記した第2単位領域242は、第3基準領域234を第1基準領域214又は第2基準領域224に分配したものである。
【0075】
第1単位領域241は、図14に示すごとく、その内角の全てが60°の六角形からなり、該六角形における連続しない一つおきの3辺を長辺G1とし、その長さは10.00mmとした。また、上記六角形における長辺G1の間に配される3辺を短辺G2とし、その長さは3.66mmとした。このとき、対向する長辺G1と短辺G2との間の距離S1は、11.83mmとなる。
また、第1単位領域241をその3辺をなす長辺G1に対して線対称となるように、連続して配置した後、第1単位領域241の短辺G2に囲まれた正六角形からなる領域を第2単位領域242とした。このとき、第2単位領域242をなす正六角形の対向する辺の間の距離S2(mm)は、6.34mmである。
【0076】
本例においては、1つの第2単位領域242を第1六角形215とし、その後の第1基準領域214、第2基準領域224および第3基準領域234の領域の決定方法は実施例1と同様である。
また、第3基準領域234を第1基準領域214及び第2基準領域224に分配する方法についても、実施例1と同様にA方向に配列された2個の第3基準領域234を含む3列のうち、いずれか1列に配される2個の第3基準領域234を第1基準領域214へと分配し、その他の2列に配される第3基準領域234を第2基準領域224へと分配した。
【0077】
また、第1単位領域241をなす六角形の対向する辺の間隔S1=11.83(mm)である。また、本例において、板材1の板厚t(mm)は、0.4mmである。したがって、間隔S1(mm)と上記板厚t(mm)との比S1/tは、29.575であり、S1/tは、5〜2000の範囲にある。
また、第2単位領域242をなす正六角形の対向する辺の間隔S2は、6.34mmである。間隔S2(mm)と上記板厚t(mm)との比S2/tは、15.85であり、S2/tは、5〜2000の範囲にある。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0078】
本例の凹凸部20を有する板材1は、凹凸部の成形性の改善や、用途の拡大、あるいはデザイン性の向上を図ることができる。その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0079】
(FEM解析)
本例の板材1の剛性向上効果を定量的に判断するために、片持ち梁による曲げ剛性評価をFEM解析により行った。
上記FEM解析は、凹凸部20の形成方向に対して0°方向及び90°方向の2パターンで行った。
【0080】
<片持ち梁による曲げ剛性評価>
片持ち梁のFEM解析に用いた試験片形状は、120mm×120mmの矩形形状を有しており、その全面に凹凸部20を形成してある。尚、板厚t=0.4mmとした。
評価は、凹凸部20を形成していない平板状の元板について、同様のFEM解析を行い得られたたわみ量と比較することで行った。
【0081】
<0°方向>
図13に示すごとく、試験片の端部において、方向Bと平行に配された2つの端部は、一方の端部Z1を固定端とし、Z1と対向する端部Z2を自由端とする方向を0°方向とした。
実施例4の凹凸部20を有する板材1は、平板状の元板と比べて、曲げ剛性が4.4倍に向上することが分かった。
<90°方向>
図13に示すごとく、端部Z1、Z2に対して直交する方向における一方の端部Z3を固定端とし、Z3と対向する端部Z4を自由端とする方向を90°方向とした。
実施例4の凹凸部20を有する板材1は、平板状の元板と比べて、曲げ剛性が4.7倍に向上することが分かった。
【0082】
(実施例5)
本例は、図15に示すごとく、凹凸部20を円筒材11に設けた例である。本例においては、第1基準面K1、中間基準面K3、第2基準面K2は順次平行に配された円筒状の曲面からなる。本例の中間基準面K3は、実施例1〜実施例3のいずれかの平面状をなす中間基準面K3を円筒状に湾曲させたものである。その他の構成は、実施例1と同様である。
本例に示すごとく、高い剛性を有する優れた上記凹凸部20を有する板材1を様々な形状に変形させることができ、用途を拡大することができる。その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0083】
また、本例に示す凹凸部20を有する円筒材11を、飲料缶やロケットのような円筒形の構造物に用いることで、材料の板厚を増加させることなく、剛性を高めることができる。また、本例の円筒材11は、優れたエネルギー吸収特性を有している。そのため、自動車などの車体に使用することで、高い剛性と優れたエネルギー吸収特性を付与することができる。
【0084】
(実施例6)
本例は、図16に示すごとく、実施例1の凹凸部20を有する板材1をコア材として用いて積層構造体5を構成した例である。
即ち、積層構造体5は、凹凸部20を有する1枚の板材1よりなるコア材の両側の表面に面板42、43を接合してなる。
面板42、43は、材質3000系、板厚1.0mmのアルミニウム合金板よりなる。
【0085】
本例の積層構造体5は、上述したような優れた剛性を有する凹凸部20を有する板材1をコア材として用い、その第1領域21の第1頂面211と第2領域22の第2頂面221に対して面板42、43を接着、ろう付け等により接合することによって、凹凸部20を有する板材単体の場合よりも格段に剛性が高い積層構造体5が得られる。しかも、板材1も面板42、43もアルミニウム合金板よりなるため、軽量化することができる。
【0086】
また、剛性向上に伴う制振性の向上効果と、空気層を包容することにより吸音性の向上効果を得ることができる。また、良く知られているように、面板42、43のいずれか一方に貫通孔を形成することにより、ヘルムホルツ型吸音構造となり、さらに吸音性を向上させることができる。
【0087】
また、実施例1の凹凸部20を有する板材1は、中間面231を有しており、積層構造体5を構成した場合、面板42、43と板材1の間に空気を流入可能な空隙が形成される。板材1に凹凸部20を形成することによる表面積の増大及び上記空隙の形成により、積層構造体5は、優れた放熱性能を有している。
なお、上記面板としては、アルミニウム合金以外の金属の板、たとえば、鋼板、チタン板等や、樹脂板等を適用することも可能である。
【0088】
(実施例7)
本例は、図17に示すごとく、実施例1〜実施例4に記載の板材1をインナーパネルとして用い、第1領域21の第1頂面211をアウターパネル61の裏面側に向けて配置して構成する車両パネル6の例である。なお、インナーパネルは、その外周部においてアウターパネル61とヘム加工等により接合されている。
【0089】
本例の車両パネル6は、そのインナーパネルを構成する凹凸部20を有する板材1が、上記のごとく剛性向上効果に優れているので、歩行者が衝突した際の一次衝突のエネルギー及び二次衝突のエネルギーを吸収する特性に優れたものとなる。また、剛性向上に伴う制振性の向上効果と、空気層を包容することによる吸音性の向上効果を得ることができる。
尚、本例においては、凹凸部20を有する板材1をインナーパネルとして用いたが、インナーパネルとアウターパネルのいずれか一方又は両方に用いることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 板材
20 凹凸部
21 第1領域
211 第1頂面
212 第1側面
213 新第1基準領域
214 第1基準領域
215 第1六角形
22 第2領域
221 第2頂面
222 第2側面
223 新第2基準領域
224 第2基準領域
234 第3基準領域
24 単位領域
241 第1単位領域
242 第2単位領域
25 基本領域
5 積層構造体
6 車両パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹凸部を形成することによって剛性を高めた板材であって、
上記凹凸部は、間隔をあけて順次平行に配された仮想の3つの面である第1基準面、中間基準面及び第2基準面という3つの基準面を基準とし、
上記中間基準面は、仮想の六角形である単位領域を敷き詰めたものと仮定し、
一つの上記単位領域を第1六角形とし、該第1六角形における連続しない一つおきの3辺にそれぞれ接する3つの上記単位領域と上記第1六角形とを合体させた4つの単位領域からなる十八角形の領域を第1基準領域とし、
該第1基準領域は、上記第1六角形が存在する位置が、上記第1六角形に合体させた単位領域が存在する3方向において、それぞれ上記単位領域を2つ飛ばして配置される位置にくるように全て同じ姿勢で点在しており、
上記第1基準領域を除く上記単位領域のうち、上記第1六角形に接する上記単位領域を第2基準領域とし、
上記第1基準領域及び上記第2基準領域を除く残りの全ての上記単位領域を第3基準領域とし、
上記第1基準領域のみ又は上記第1基準領域と上記第3基準領域の一部とを合体させた領域を新第1基準領域とし、上記第2基準領域のみ又は上記第2基準領域と上記第3基準領域の一部とを合体させた領域とを新第2基準領域とし、上記新第1基準領域及び上記新第2基準領域に含まれない上記第3基準領域を新第3基準領域とし、
上記中間基準面上において定められた上記新第1基準領域から上記第1基準面に向かって突出する第1領域と、上記中間基準面上において定められた上記新第2基準領域から上記第2基準面に向かって突出する第2領域と、上記中間基準面上において定められた上記新第3基準領域を基に上記中間基準面上に形成される第3領域とを設け、
上記第1領域は、上記新第1基準領域を上記第1基準面上に等倍又は縮小して投影した第1頂面と、該第1頂面の輪郭と上記新第1基準領域の輪郭とを繋ぐ第1側面とからなり、
上記第2領域は、上記新第2基準領域を上記第2基準面上に等倍又は縮小して投影した第2頂面と、該第2頂面の輪郭と上記新第2基準領域の輪郭とを繋ぐ第2側面とからなり、
上記第3領域は、上記中間基準面上に上記新第3基準領域の輪郭を基に形成される中間面からなることを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項2】
凹凸部を形成することによって剛性を高めた板材であって、
上記凹凸部は、間隔をあけて順次平行に配された仮想の3つの面である第1基準面、中間基準面及び第2基準面という3つの基準面を基準とし、
上記中間基準面は、仮想の六角形である単位領域を敷き詰めたものと仮定し、
一つの上記単位領域を第1六角形とし、該第1六角形における連続しない一つおきの3辺にそれぞれ接する3つの上記単位領域と上記第1六角形とを合体させた4つの単位領域からなる十八角形の領域を第1基準領域とし、
該第1基準領域は、上記第1六角形が存在する位置が、上記第1六角形に合体させた単位領域が存在する3方向において、それぞれ上記単位領域を2つ飛ばして配置される位置にくるように全て同じ姿勢で点在しており、
上記第1基準領域を除く上記単位領域のうち、上記第1六角形に接する上記単位領域を第2基準領域とし、
上記第1基準領域及び上記第2基準領域を除く残りの全ての上記単位領域を第3基準領域とし、
該第3基準領域は、隣接する上記第1基準領域と上記第2基準領域の両方又はいずれか一方へ、その全ての領域を分配し、
上記第1基準領域のみ又は上記第1基準領域と上記第3基準領域の一部又は全てとを合体させた領域を新第1基準領域とし、上記第2基準領域のみ又は上記第2基準領域と上記第3基準領域の一部又は全てとを合体させた領域を新第2基準領域とし、
上記中間基準面上において定められた上記新第1基準領域から上記第1基準面に向かって突出する第1領域と、上記中間基準面上において定められた上記新第2基準領域から上記第2基準面に向かって突出する第2領域を設け、
上記第1領域は、上記新第1基準領域を上記第1基準面上に等倍又は縮小して投影した第1頂面と、該第1頂面の輪郭と上記新第1基準領域の輪郭とを繋ぐ第1側面とからなり、
上記第2領域は、上記新第2基準領域を上記第2基準面上に等倍又は縮小して投影した第2頂面と、該第2頂面の輪郭と上記新第2基準領域の輪郭とを繋ぐ第2側面とからなることを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の凹凸部を有する板材において、上記中間基準面は、形状の異なる2種類の六角形からなる第1単位領域と第2単位領域とを敷き詰めたものと仮定したことを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の凹凸部を有する板材において、上記中間基準面に対する上記第1側面の傾斜角度θ1と上記中間基準面に対する上記第2側面の傾斜角度θ2とは、10°〜90°の範囲にあることを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹凸部を有する板材において、順次配された上記第1基準面、上記中間基準面及び上記第2基準面の少なくとも一部がそれぞれ平行な曲面からなることを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸部を有する板材において、上記板材は金属板をプレス成形することにより上記凹凸部を形成したものであることを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項7】
請求項6に記載の凹凸部を有する板材において、上記金属板の成形前の板厚t(mm)が0.05〜6.0mmであることを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の凹凸部を有する板材において、上記単位領域をなす六角形の対向する辺がなす間隔をS(mm)とすると、該間隔S(mm)と上記板厚t(mm)との比S/tは5〜2000であることを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載の凹凸部を有する板材において、上記第1領域の突出高さH1(mm)と上記板厚t(mm)との比H1/tと、上記第1側面と上記中間基準面とがなす最も大きい傾斜角θ1(°)とは、1≦(H1/t)≦−3θ1+272の関係にあり、上記第2領域の突出高さH2(mm)と上記板厚t(mm)との比H2/tと、上記第2側面と上記中間基準面とがなす最も大きい傾斜角θ2(°)とは、1≦(H2/t)≦−3θ2+272の関係にあることを特徴とする凹凸部を有する板材。
【請求項10】
複数の板材を積層してなる積層構造体であって、上記板材の少なくとも1枚は請求項1〜9のいずれか1項に記載の凹凸部を有する板材であることを特徴とする積層構造体。
【請求項11】
アウターパネルと該アウターパネルの裏面に接合されたインナーパネルとを有する車両パネルであって、上記アウターパネル及び上記インナーパネルのいずれか一方又は両方が請求項1〜9のいずれか1項に記載の凹凸部を有する板材よりなることを特徴とする車両パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−81474(P2012−81474A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226933(P2010−226933)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000002277)住友軽金属工業株式会社 (552)
【Fターム(参考)】