説明

刃の通過頻度が高い切削デバイス及び方法

材料を切削するための切削工具は、断面直径及び縦回転軸(506)を有する円筒形ボディ(500)と、前記ボディの周縁上に配置されている複数の刃とを含む。各刃は、切削刃先(514)を有し、且つ溝(512)によって分離されている。刃数は、刃数とミリメートル(mm)で表された直径との比が少なくとも0.75:1であるように、円筒形ボディ(502)が少なくとも400刃/秒の刃通過頻度で回転するように、及び全ての材料を荒削り加工の率で除去し、且つ仕上げ加工通過を排除するような技法で工具(500、501)が使用されるように選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転切削工具を使用して材料を切削する装置及び方法に関する。より特定的には、本発明は切削プロセスによって生ずる熱を使用して材料をより効率的に切削する切削プロセスを含む。
【背景技術】
【0002】
金属切削プロセスにおいては、工具が金属を切削する際に剪断応力、塑性変形、及び切削領域における摩擦によって熱が発生する。一般的に、この熱は3つの領域内に分散される。1つの部分は工具内へ流れ、別の部分は削り屑内へ流れ、そして第3の部分は加工片内へ導かれる。加工片の表面は熱のこの第3の部分によって熱的に軟化する。加工片内に流れた熱は表面からバルク内へ導かれるが、この熱伝達率は加工片の熱特性に依存する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フライス(ミリング)カッタのような回転切削工具は、材料を順次に切削する1つ以上の刃(もしくは、歯)を含んでいる。連続する刃の各々が切削のために通過する間に、熱は加工片内に導かれて環境へ失われて行く。例えば、熱は加工片保持デバイス内へ流れ去ることも、または対流によって周囲環境内へ消散することもあり得る。従って、次の刃は先行する刃によってもたらされた熱軟化を利用することができない。当分野においては、低い比切削力だけしか必要とせず、且つ低電力消費、改善された工具寿命、及び改善された材料除去率をもたらすような、熱的に軟化した材料を切削する改善された切削システムに対する要望が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、その一実施の形態によれば、縦軸を有する円筒形ボディを含む切削工具である。本切削工具は、カッタの周縁に沿って等間隔に、または不等間隔に離間している複数の刃を有している。切削刃先(エッジ)は、これらの刃によって作られた溝(フルート)に沿って、カッタの全長にわたって形成されている。切削工具は、溝に沿ってインデックス可能な植刃を受け入れるためのフィーチャをも有することができる。切削工具は、工具鋼、高速度鋼、セラミック、固体カーバイド、またはこれらの材料のインデックス可能な植刃のような異なる工具材料で作ることができる。
【0005】
更に一実施の形態においては、切削工具は、刃の通過頻度が少なくとも400刃/秒であるように回転させられる。1つの好ましい実施の形態においては、刃の通過頻度は約600乃至約900刃/秒の範囲内にあり、先行する刃が残した熱を良好に使用することによって材料をより効率的に切削する。その結果得られる本発明の1つの長所は、特にもし加工片材料が、鉄、鉄合金、鋼、鋼合金、チタン、チタン合金、ニッケル、及びニッケル合金、発電用合金、切削困難な航空宇宙用合金、及び自動車用合金から選択されていれば、材料をかなり高効率で除去できることである。
【0006】
更に一実施の形態においては、切削工具は、材料除去率及び工具寿命を改善するように構成され、配列される。切削工具の刃数は、刃数とミリメートルで表された直径との比が少なくとも0.75:1、またはそれより高くなるように選択される。一実施の形態においては、回転切削工具の直径は約19mmであり、刃数は21であるので、溝数とミリメートルで表された直径との比は1.1:1であり、それによって材料除去率及び切削動作における工具寿命が大幅に改善される。
【0007】
更に一実施の形態においては、切削工具は、切削動作によって中間加工プロセス及び/または仕上げ加工プロセスを排除するように配列され、構成されており、全ての材料は切削速度で除去され、荒削り加工動作に匹敵する速度で送られ、そして分離した加工仕上げを必要としない。当業者ならば、荒削り動作中には中間加工に比してより多くの量の材料が除去され、また中間加工動作中には仕上げ加工に比してより多くの量の材料が除去されることが理解されよう。本発明の切削工具によれば、全ての材料を荒削り加工におけるような改善された材料除去率で除去することができ、中間加工及び仕上げ加工が排除される。本発明の切削工具は、荒削り加工のためだけに、中間加工だけのために、そして仕上げ加工だけのために使用することもできる。
【0008】
更に一実施の形態においては、高圧冷却材を使用して、工具の寿命及び材料除去量について本発明の性能を更に改善する。
【0009】
以下に説明する複数の実施の形態から、当業者には本発明の更に他の実施の形態が明白になるであろう。明らかに、本発明は、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく種々の面を変更することができる。従って、添付図面に基づく以下の詳細な説明が、本発明を限定する意図の下になされるものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明による材料切削方法の流れ図100である。図1に示すように、複数の刃を有する切削工具の第1の刃が加工片を切削する(ブロック102)。この切削プロセスは、切削工具と加工片との間の力によって熱を発生する(ブロック104)。一般的に、この熱は3つの部分に分散される。熱の1つの部分は切削工具へ伝わり(ブロック106)、別の部分は切削によって生じた削り屑、即ち廃棄物内へ伝わり(ブロック108)、そして残余の部分は加工片内へ伝わる(ブロック110)。加工片内に伝わった熱は、加工片の表面を軟化させる(ブロック112)。加工片材料の熱特性に依存して、この熱は固有伝導率で表面から加工片のバルク内へ運ばれる。熱の大部分が加工片のバルク内へ転送される前に、次の刃が加工片を切削する(ブロック114)。このプロセスによって、材料は高い刃通過頻度(“High Frequency tooth pass:HFTP”)で切削される。
【0011】
HFTPレジームは、材料の熱特性、特に、鉄、鉄合金、鋼、鋼合金、チタン、チタン合金、ニッケル、及びニッケル合金、発電用合金、切削困難な航空宇宙用合金、及び自動車用合金のようなより強い材料の熱特性を利用する。本発明の一実施の形態によれば、連続する刃が通過する間の適切な時間間隔を、以下に示す一次元熱伝達方程式を使用して計算する。
T=T(t = 0)+[Ts−T(t = 0)]{1−erf[X/√4αt]}
【0012】
ここに、Tは過渡温度、T(t = 0)は初期温度、Tsは切削工具による第1の切削通過の後の温度、erfは誤差関数、Xは材料上面から材料内部までの距離、αは材料の熱拡散率、そしてtは第1の切削と第2の切削との間の時間である。HFTPレジームを使用して材料を切削すると、低い比切削力、高い熱利用、低いピーク工具温度、長い工具寿命、及び改善された材料除去率がもたらされる。
【0013】
この熱伝達方程式は、連続する切削動作の間の適切な時間を計算するために使用される。一実施の形態においては、切削通過の間の時間は、上式においては約0.8秒から約1.2秒×tである。別の実施の形態においては、切削通過の間の時間は、上式においては約0.9秒から約1.1秒×tである。更に別の実施の形態においては、切削通過の間の時間は、上式によって約tと決定される。次に、この時間を使用して、加工片の材料を切削する頻度を決定する。切削工具またはカッタの頻度は、ある秒内に材料が切削される回数として定義される。カッタ頻度は、切削工具の毎分回転数(“RPM”)と、切削工具の周縁当たりの刃数との組合せに依存する。
【0014】
図2A−2Dは、加工片にHFTPレジームを適用した場合の効果を示している。図2Aに示すように、切削工具の第1の刃202が、加工片204内へ進入する。この例においては、切削が進行するにつれて工具は右から左へ移動する。図2Bにおいては、第1の刃202が切削を終了し、左端から加工片204を出て行く。切削プロセスにおいては、削り屑203が発生する。また切削動作によって熱が発生し、この熱は工具204、削り屑203、加工片204に分散される。図2Bには、加工片204内への熱の伝達が線207によって示されている。図2Cは、第2の刃206による切削プロセスの開始を示している。この切削プロセスはHFTPレジームに基づいているので、連続する刃の通過の間には正確な時間遅延が存在する。図2Cには、第1の刃202の切削動作によって発生した熱207が加工片204の表面付近に示されている。この熱207の故に、表面領域内の加工片204の材料は軟化したままになっている。この熱207が加工片の表面に留まっている間に、第2の刃206が加工片204内に進入して切削を開始する。図2Dに示すように、第2の刃206は、熱207が消散する前に加工片204の切削を終了する。切削動作の結果として、削り屑208が発生する。
【0015】
図3は、HFTPレジームによる加工片切削の別の実施の形態を示している。図3に示すように、2つの切削刃302及び306が同時に加工片材料310と切削係合している。刃302の切削動作によって発生した熱は、刃302、削り屑304、及び加工片310に分散する。加工片310に伝わった熱が、線312で示されている。第2の刃306は、熱312によって生じた加工片310の軟化を利用するように、上式を使用して計算された適切な時間間隔内に第1の刃302に後続している。
【0016】
図4は、HFTPレジームによる加工片切削の更に別の実施の形態を示している。図4に示すように、切削工具420は4つの切削刃402、406、410、414を有している。切削工具420は複数の刃を有しているのであるが、例示の目的から4つの刃だけを示してある。これらの連続する刃の間の間隔及び時間間隔は、上に詳細に説明したように、HFTPに従って設計されている。刃402の切削動作によって発生した熱は、刃402、削り屑404、加工片418内に分散される。加工片上に線405で示すこの熱は、次の刃406の前方の材料を軟化させる。その結果、刃406が遭遇する切削力は、第1の刃402が遭遇する切削力に比して小さくなる。刃406の切削動作によって発生した熱は、刃406、削り屑408、加工片418内に分散される。加工片上に線409で示すこの熱は、次の刃410の前方の材料を軟化させる。その結果、刃410による切削動作は、軟化しなかった加工片に比して小さくなる。刃410の切削動作によって発生した熱は、刃410、削り屑412、加工片418内に分散される。加工片上に線413で示すこの熱は、次の刃414の前方の材料を軟化させる。その結果、刃414が切削動作において遭遇する切削力は、更に小さくなる。
【0017】
図5は、本発明の一実施の形態による切削工具500の概要図である。切削工具500は、エンドミル、正面フライス、または他の何等かの類似切削工具であることができる。図5は、例として、直線溝を有するエンドミルを示している。切削工具500は、円筒形の工具ボディ502及びシャンク504を含む。この円筒形ボディ502は、中空または中実のボディであることができ、軸506はボディ502の中心をその長さに沿って延びている。工具ボディ502は、シャンク504から端面508まで延びている。円筒形表面510は、端面508とシャンク504との間の表面である。円筒形表面510は、複数の溝512を有している。一実施の形態においては、円筒形表面510は、端面508の周縁から始まって工具ボディ502の円筒形表面510を通って走る少なくとも6つの溝512を含んでいる。溝512は、直線またはらせんであることができる。例として、図5には12の直線溝512が示されている。溝512は、設計及び応用に依存して、限定するものではないが、放物線溝形状を含む異なる形状を有することができる。
【0018】
刃先514は、溝512上の最も外側の(即ち、円筒形表面上の)全ての点によって形成される。公知のように、正面フライスは、端面上で半径方向に走る溝上の点に沿う刃先も有することができる。刃先514と中心軸との間の角度によって定義されるらせん角は0から60°まで変化させることができる。例えば、図5に示す切削工具は直線の溝512を有しているので、らせん角は0である。溝512は、連続する各溝512から等距離であることも、または等距離ではないこともできる。ピーク工具温度を低めのレベルに保つように空気をブローするために、または冷却材を循環させるために、カッタの長さに沿う貫通孔518を設けることができる。削り屑の排出、工具500の冷却を援助するために冷却材または空気を導くための付加的な孔を溝512に沿って設けることも、設けないこともできる。
【0019】
切削工具500の材料は、一般的には、例えば、高速度鋼、固体カーバイド、セラミック、工具鋼、またはこれらの材料のインデックス可能な植刃を含む工具材料の何れであることもできる。切削工具500は、例えば、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、ダイヤモンド、立方窒化ホウ素、ガーネット、ジルコニア、または類似の研磨材料を含む異なる材料を含浸させることもできる。一実施の形態においては、切削工具500は、用途に依存して、エッジプリパレーション(調製)を有することができる。使用することができるエッジプリパレーションは、Tランド、鋭い刃先半径、または研削及び研磨刃先を含む。工具500の材料は、その上にコーティングを有することができる。工具500は、削り屑の除去を容易にするための空気ブローオプション、及び工具温度を低く維持するための冷却材オプションを有することもできる。
【0020】
シャンク504は、スピンドル内に挿入して確保することができるように設計されている。従って、シャンク504は、特定のフライス盤に適するような如何なる形状及び設計であることもできる。シャンク504の設計は、テーパー、Vフランジ、または直線を含むことができる。公知のように、正面フライスはシャンクを有していない。シャンク504の材料は、工具500に類似していることも、または異なることもできる。例えば、シャンク504及び工具500を異なる材料で作り、両者を溶接して一様な単一ボディ工具にすることができる。
【0021】
図6は、12の溝512を有する切削工具501の別の実施の形態を示している。図6に示すように、溝512は、20°のらせん角を有している。このカッタは、工具501上に冷却材を導くための孔518も有している。
【0022】
図7は、切削工具500の断面図である。図7には、工具500の直径が寸法516で示されている。一実施の形態においては、工具500の直径は、用途の種類に依存して、約6mmから約300mmまで変化することができる。図7に示すように、溝の面と、その面内で切削刃先を通過する工具500の半径とがなす角度を、半径すくい角という。工具500は、正から負までの半径すくい角を有することができる。
【0023】
本発明の別の実施の形態においては、切削工具は、刃の通過頻度が少なくとも400刃/秒またはそれ以上であるように回転する。1つの好ましい実施の形態においては、刃の通過頻度は約600乃至約900刃/秒の範囲内にあり、先行する刃が残した熱をより良好に使用することによって材料はより効率的に切削される。得られる長所の1つは、特に、もし加工片材料が鉄、鉄合金、鋼、鋼合金、チタン、チタン合金、ニッケル、及びニッケル合金、発電用合金、切削困難な航空宇宙用合金、及び自動車用合金から選択されていれば、材料をかなり高効率で除去できることである。
【0024】
更に別の実施の形態においては、切削工具は、材料除去率及び工具寿命を改善するように構成され、配列されている。切削工具の刃数は、刃数とミリメートルで表された直径との比が少なくとも0.75:1またはそれ以上となるように選択される。1つの好ましい実施の形態においては、回転切削工具の直径は約19mmであり、刃数は21であるので、溝数とミリメートルで表された直径との比は1.1:1であり、それによって材料除去率及び切削動作における工具寿命が大幅に改善される。
【0025】
更に別の実施の形態においては、切削工具は、切削動作によって中間加工プロセス及び/または仕上げ加工プロセスを排除するように配列され、構成されており、全ての材料は切削速度で除去され、荒削り動作に匹敵する速度で送られ、そして分離した加工仕上げを必要としない。荒削り加工中に中間加工に比してより多くの量の材料を除去し、また中間加工中に仕上げ加工に比してより多くの量の材料を除去するような荒削り加工、中間加工、及び仕上げ加工を含む3段階で加工動作を遂行しなくても、本発明の切削工具は、荒削り加工における改善された材料除去率で全ての材料の除去を可能にし、中間加工及び仕上げ加工を排除する。本発明の切削工具は、荒削り加工のためだけに、中間加工だけのために、そして仕上げ加工だけのために使用することもできる。本発明の工具は、材料除去率が溝長のセンチメートル当たり毎分約65立方センチメートル(65cm3/Min・cm)またはそれ以上であるような加工に使用される。
【0026】
本発明による荒削り加工動作中に、切削工具はその第1の刃を使用して材料の第1の切削を行い、材料内にある量の熱を発生させる。次いで、切削工具は、材料から熱が消散する前にその第2の刃を使用して材料の第2の切削を行う。熱は材料を軟化させ、第2の刃がより容易に材料を切削することを可能にする。
【0027】
更に別の実施の形態においては、高圧冷却材を使用して、工具寿命及び材料除去量について本発明の性能を更に改善する。
【0028】
当業者には公知のように、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる材料を加工する場合には、工具の寿命に影響を与えることなく1,800m/分またはそれ以上(及び、40,000回転/分間での回転速度)程度の高い切削速度を容易に達成することができる。アルミニウム及びアルミニウム合金を加工する場合、速度及び送りの上限は機械の能力に基づく。このような高い回転速度においては、400及びそれ以上程度の切削頻度を容易に達成することができる。従って、本発明は、アルミニウム及びアルミニウム合金を加工片材料のグループに含ませることを意図していない。
【0029】
以上に、本発明を好ましい実施の形態に関して説明したが、当業者ならば本発明の思想及び範囲から逸脱することなく形状及び細部に多くの変化をなし得ることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による材料の切削またはフライス削り方法を示す流れ図である。
【図2】2A−2Dは、加工片切削プロセスの種々の段階を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態による複数の刃の通過による切削プロセスを受けている加工片を、切削刃及び加工片の対応熱プロファイルと共に示す図である。
【図4】本発明の別の実施の形態による複数の刃の通過による切削プロセスを受けている加工片を、切削刃及び加工片の対応熱プロファイルと共に示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態による切削工具の斜視図である。
【図6】本発明の別の実施の形態によるカッタの斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるカッタの中心軸に垂直な面における断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料を切削するための切削工具であって、
断面直径及び縦回転軸を有する円筒形ボディと、
前記ボディの周縁上に配置されている複数の刃と、
を含み、前記各刃は切削刃先を有し、且つ溝によって分離されており、
前記刃の数は、前記刃数とミリメートル(mm)で表された前記直径との比が少なくとも0.75:1であるように選択されている、
ことを特徴とする切削工具。
【請求項2】
材料を切削するための切削工具であって、
断面直径及び縦回転軸を有する円筒形ボディと、
前記ボディの周縁上に配置されている複数の刃と、
を含み、前記各刃は切削刃先を有し、且つ溝によって分離されており、
前記円筒形ボディは、少なくとも400刃/秒の刃通過頻度で回転される、
ことを特徴とする切削工具。
【請求項3】
材料を切削するための切削工具であって、
断面直径及び縦回転軸を有する円筒形ボディと、
前記ボディの周縁上に配置されている複数の刃と、
を含み、前記各刃は切削刃先を有し、且つ溝によって分離されており、
前記刃の数は、前記刃数とミリメートル(mm)で表された前記直径との比が少なくとも0.75:1であるように、及び前記円筒形ボディが少なくとも400刃/秒の刃通過頻度で回転されるように選択されている、
ことを特徴とする切削工具。
【請求項4】
材料を切削するための切削工具であって、
断面直径及び縦回転軸を有する円筒形ボディと、
前記ボディの周縁上に配置されている複数の刃と、
を含み、前記各刃は切削刃先を有し、且つ溝によって分離されており、
前記工具は、材料除去率が前記溝の長さのセンチメートル当たり毎分約65立方センチメートル(65cm3/Min-cm)またはそれ以上であるような加工に使用される、
ことを特徴とする切削工具。
【請求項5】
材料を切削するための切削工具であって、
断面直径及び縦回転軸を有する円筒形ボディと、
前記ボディの周縁上に配置されている複数の刃と、
を含み、前記各刃は切削刃先を有し、且つ溝によって分離されており、
前記刃の数は、前記刃数とミリメートル(mm)で表された前記直径との比が少なくとも0.75:1であるように、前記円筒形ボディが少なくとも400刃/秒の刃通過頻度で回転されるように、及び前記工具が、材料除去率が前記溝の長さのセンチメートル当たり毎分約65立方センチメートル(65cm3/Min-cm)またはそれ以上であるような加工に使用されるように選択されている、
ことを特徴とする切削工具。
【請求項6】
前記直径が約19mmであり、前記刃数が21であり、前記比が1.1:1であることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項7】
前記円筒形ボディは、600刃/秒乃至900刃/秒の範囲内の刃通過頻度で回転されることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項8】
前記材料は、鉄、鉄合金、鋼、鋼合金、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、発電用合金、切削困難な航空宇宙用合金、及び自動車用合金から選択されることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項9】
前記歯の少なくとも1つは、高圧冷却材を循環させるための孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項10】
前記切削工具は、エンドミル、シェルミル、及び正面フライスを含むグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項11】
前記円筒形ボディは、高速度鋼、工具鋼、セラミック、固体カーバイドを含むグループから選択された材料で作られることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項12】
前記刃は、高速度鋼、工具鋼、セラミック、固体カーバイド、及びインデックス可能な植刃を含むグループから選択された材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項13】
前記切削刃先はエッジプリパレーションを含み、前記エッジプリパレーションは、Tランド刃先、鋭い刃先半径、及び研削及び研磨刃先を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項14】
シャンクを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項15】
表面コーティングを含むことを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項16】
前記溝は、らせん形状であることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項17】
前記切削刃先と前記縦軸との間のらせん角は、約0から約60°までであることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項18】
前記円筒形ボディは、約6から約300mmの直径を有していることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項19】
前記刃は、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、ダイヤモンド、立方窒化ホウ素、ガーネット、及びジルコニアを含むグループから選択された材料で含浸されていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項20】
前記複数の刃は、前記材料内に第1の切削を行う第1の刃と、前記材料内に第2の切削を行う第2の刃とを含み、
前記第1の切削と前記第2の切削との間の時間は、熱が前記材料を軟化させ、前記第2の刃がより容易に前記材料を切削することができるように、Tを過渡温度、T(t = 0)を初期温度、Tsを切削工具による第1の切削通過の後の温度、erfを誤差関数、Xを材料上面から材料内部までの距離、αを材料の熱拡散率、そしてtを前記第1の切削と前記第2の切削との間の時間として、式
T=T(t = 0)+[Ts−T(t = 0)]{1−erf[X/√4αt]}
を使用して計算される、
ことを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
【請求項21】
材料を切削する方法であって、
切削工具を準備するステップ、
を含み、前記切削工具は、
断面直径及び縦回転軸を有する円筒形ボディと、
前記ボディの周縁上に配置されている複数の刃と、
を含み、前記各刃は切削刃先を有し、且つ溝によって分離され、
前記刃の数は、前記刃数とミリメートル(mm)で表された前記直径との比が少なくとも0.75:1であるように選択されており、
前記方法は更に、
前記切削工具の第1の刃を使用して前記材料内に第1の切削を行ってある量の熱を前記材料内に導くステップと、
前記熱が前記材料から消散する前に、前記切削工具の第2の刃を使用して前記材料内に第2の切削を行うステップと、
を含み、前記熱は前記材料を軟化させ、前記第2の刃がより容易に前記材料を切削できるようにする、
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記第1の切削と前記第2の切削との間の時間は、熱が前記材料を軟化させ、前記第2の刃がより容易に前記材料を切削することができるように、Tを過渡温度、T(t = 0)を初期温度、Tsを切削工具による第1の切削通過の後の温度、erfを誤差関数、Xを材料上面から材料内部までの距離、αを材料の熱拡散率、そしてtを前記第1の切削と前記第2の切削との間の時間として、式
T=T(t = 0)+[Ts−T(t = 0)]{1−erf[X/√4αt]}
を使用して決定される、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記円筒形ボディを、少なくとも400刃/秒の刃通過頻度で回転させるステップを更に含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記円筒形ボディを、少なくとも600刃/秒乃至900刃/秒の範囲内の刃通過頻度で回転させるステップを更に含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第1及び第2の切削を行うステップは荒削り加工におけるステップであり、それによって中間加工及び仕上げ加工が排除されることを特徴とする請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−507418(P2008−507418A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522687(P2007−522687)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/025705
【国際公開番号】WO2006/014711
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(507021528)サード ウェイヴ システムズ (1)
【Fターム(参考)】