説明

切削によって加工部品を処理するためのフライス工具

【課題】振動を可能な限り抑えることができるフライス工具を提供する。
【解決手段】複数の切削用側面部(3)と、該切削用側面部(3)の間に設けられた切削排出溝(4)を備え、前記切削用側面部(3)が、切削エッジ(6)を有し、該切削エッジ(6)の切削面に沿って、切削エッジ(6)のくさび角度(α)よりも大きい角度のくさび角度(β)を有している刃のベゼル(10)が設けられているものであって、切削エッジ(6)に沿って伸びている刃のベゼル(10)が、離れた切削エッジ(6)に沿って伸びている刃のベゼル(10)の切削角度(γ2’、γ2’’、...)とは異なっている切削角度(γ2)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の切削用側面部と、該切削用側面部の間に設けられた切削排出溝を備えている、切削によって加工部品を処理するためのフライス工具に関する。
本発明のフライス工具における切削用側面部は、切削エッジを有し、該切削エッジの切削面に沿って、切削エッジのくさび角度よりも大きい角度のくさび角度を有する刃のベゼルが設けられている。
【背景技術】
【0002】
このタイプのフライス工具は、既知のものである。
このタイプの工具が高い性能を達成するために、該工具は、たとえば超硬合金、HSS(高速度鋼)またはセラミック材で製造される。
この材料の脆弱性は、比較的高い。
したがって、これらの工具を使用するには、特に硬い材料を処理する間に、切削エッジの欠損という高い危険性を伴う。
このことは、該当する工具の性能を著しく損なうものである。
このタイプの損耗および工具の摩耗を大幅に減少させるため、刃のベゼルが切削エッジの切削面に設けられているが、該刃のベゼルのくさび角度は、切削エッジのくさび角度より大きくなっている。
このタイプの刃のベゼルを設けることは強い切削用のくさびという結果となり、この強さによって切削エッジの欠損の危険性が大きく減少される。
このことによって、これらの工具の耐用年数が長くなる。
このタイプの工具は、処理過程の間に振動を発生させる傾向を有することがあり、該傾向は、極端な場合には、ひゅうひゅう鳴る音という形で現れることがある。
しかし、工具上での振動は、処理された表面の質がより低いことを意味し、また、工具の耐用年数がより短いことも意味している。
【0003】
特許文献1には、
a)1つのベース部分3と、
b)少なくとも3つの刃2′,2′′,2′′′,2′′′′とが設けられており、該刃がその都度1つのすくい角γ1,γ2,γ3,γ4の下で配置されており、
c)ベース部分が作業工程中刃を切削方向Sで運動させ、
d)少なくとも3つの刃が互いに不等の間隔を置いて配置されており、
e)少なくとも一部の刃のすくい角が、刃と、切削方向で先行する刃との間の間隔に依存して確定されており、
f)刃のすくい角の確定が以下のように実施される、
すなわち、すくい角が、切削方向で先行する刃に対する間隔の増加と共に大きくなるという条件下で実施されるようにしたフライス工具が記載されている。
【0004】
この特許文献1に記載のフライス工具は、高い性能または切削能力と、できるだけ小さな振動傾向または共振傾向とを同時に達成するものである。
【特許文献1】特開2006−198767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の解決しようとする課題は、切削によって加工部品を処理するためのフライス工具であって、振動が可能な限り抑えられた工具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の課題を解決するための手段は、添付の図面の符号を参照すると、次のとおりである。
第1に、
複数の切削用側面部(3)と、該切削用側面部(3)の間に設けられた切削排出溝(4)を備えている、切削によって加工部品を処理するためのフライス工具であり、
前記切削用側面部(3)が、切削エッジ(6)を有し、該切削エッジ(6)の切削面(5)に沿って、切削エッジ(6)のくさび角度(α)よりも大きい角度のくさび角度(β)を有している刃のベゼル(10)が設けられているものであって、
切削エッジ(6)に沿って伸びている少なくとも一つの刃のベゼル(10)が、離れた切削エッジ(6)に沿って伸びている刃のベゼル(10)の有効な切削角度(γ2’、γ2’’、...)とは異なっている有効な切削角度(γ2)を有している、フライス工具。
第2に、
切削エッジ(6)に沿って伸びているすべての刃のベゼル(10)が、異なった有効な切削角度(γ2、γ2’、γ2’’、...)を有する、
上記第1に記載のフライス工具。
第3に、
刃のベゼル(10)の有効な切削角度(γ2、γ2’、γ2’’、...)が、0°から−30°を範囲としている、
上記第1または上記第2に記載のフライス工具。
第4に、
切削用側面部(3)が、滑らかな切削エッジ(6)を有する、
上記第1〜上記第3のいずれか一つに記載のフライス工具。
第5に、
切削エッジ(6)が、波形輪郭(7)を有し、
該波形輪郭(7)が、切削用側面部(3)の幅にわたって延びている、
上記第1〜上記第3のいずれか一つに記載のフライス工具。
第6に、
刃のベゼル(10)のそれぞれが、波形輪郭(7)の波の頂点(8)の高さの少なくとも一部にわたって延びている、
上記第5に記載のフライス工具。
第7に、
切削用側面部(3)の切削エッジ(6)が、異なったねじり角度(δ)を有している、
上記第1〜上記第6のいずれか一つに記載のフライス工具。
第8に、
切削用側面部(3)の切削エッジ(6)が、隆起部(11)を備え、
該隆起部(11)が切削排出溝(4)に食い込むことで、切削エッジ(6)に沿ってそれぞれ伸びているねじり角度(ε)が、異なった大きさを有する、
上記第1〜上記第7のいずれか一つに記載のフライス工具。
第9に、
刃のベゼル(10)の表面が、切削排出溝(4)の表面より小さな粗度を有している、
上記第1〜上記第8のいずれか一つに記載のフライス工具。
【0007】
本発明によると、この目的は、有効な切削角度を有する、切削エッジに沿って伸びている、少なくとも一つの刃のベゼルによって解決される。
ここで、切削角度は、離れた切削エッジに沿って伸びている刃のベゼルの有効な切削角度とは異なっている。
この単純な手段により、工具における切削エッジの非対称性が得られ、該非対称性によって振動の発生を効果的に抑制することが可能となる。
【0008】
好適には、切削エッジに沿って伸びているすべての刃のベゼルは異なった有効な切削角度を有しており、このことによって所望の非対称性が強調される。
【0009】
好適には、刃のベゼルの有効な切削角度は、0°から−30°の範囲にある。
この有効な切削角度の範囲の中で、最適な金属除去率と工具の長い耐用年数が達成される。
【0010】
切削用側面部は、滑らかな切削エッジを有することができる。
また、切削用側面部は、工具の意図される目的に応じて、切削用側面部の幅にわたって延びる波形輪郭を有することもできる。
【0011】
好適には、刃のベゼルのそれぞれは、少なくとも波形輪郭の波の頂点の高さの一部にわたって延びており、このことによって、波の頂点の最適な強化が達成される。
【0012】
本発明のさらなる好適な開発によると、切削用側面部の切削エッジは、異なった角度のねじりを有している。
このことによって、非対称性の特徴が強調され、該非対称性によって、振動を誘発させる刺激に対して工具があまり影響を受けないようになっている。
【0013】
また、切削用側面部の切削エッジに、隆起部を備えることもできる。
該隆起部が切削排出溝の中に伸びていることで、切削エッジに沿ったねじりの角度がさまざまな大きさを帯びるようになっている。
このことは、切屑の付着を防ぐもので、切屑を破壊する効果を有している。
したがって、工具の耐用年数が向上する。
好適には、刃のベゼルの表面は、切削排出溝の表面より低い粗度を有している。
したがって、処理中に産出される切屑は、最適な仕方で排出される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、特定の切削角度を有する切削エッジに沿って伸びている刃のベゼルを設け、切削エッジを非対称としたので、先行する技術のものと比較して、振動を可能な限り抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施態様は、添付図面によって例示的に示された以下の部分でより詳細に説明することとする。
【0016】
図面において、
図1は、概略化された切削用側面部を有する、本発明によるフライス工具の図を示しており、
図2aは、本発明によるこのフライス工具の空間表示を示しており、
図2bは、本発明によるフライス工具の、図2aにおいて円で囲んだ部分の拡大表示を示しており、
図2cは、異なったデザインを有した本発明によるフライス工具の、図2aにおいて円で囲んだ部分の拡大表示を示しており、
図3は、図1に示された本発明によるフライス工具にしたがった、線分III−IIIに沿った断面の部分図であり、
図4aは、滑らかな切削エッジを有する、本発明によるフライス工具の図を示しており、
図4bは、図4aに示された本発明によるフライス工具にしたがった、線分IV−IVに沿った断面の部分図であり、
図5は、切削エッジに沿って異なった大きさのねじり角度を有している切削エッジを平面に展開した図を示しており、そして、
図6は、平面で描かれている、さまざまなねじり角度を有するフライス工具の切削エッジを示している。
【0017】
図1は、加工部品の粗い加工に適したフライス工具1の第一の実施態様を示している。
このフライス工具1は、円筒形シャフト2を有している。
該円筒形シャフト2は、下部に切削排出溝4を有している。
また、切削用側面部3が、切削排出溝4の間に配置されている。
したがって、切削排出溝4および切削用側面部3は、既知の仕方でらせん形に設けられており、いわゆるねじり角を有している。
切削面5において、切削用側面部3は切削エッジ6を備えている。
該切削エッジ6には、事前に決められた有効な切削角度が与えられている。
切削エッジ6のそれぞれには、波形の形をつけられた波形輪郭7が設けられいる。
該波形輪郭7は、切削用側面部3の幅bの全体にわたって延びている。
このタイプの波形の形をつけられた波形輪郭は既知のものであり、たとえば、「NRF」「NRC」「MR」「WRC」あるいは「NF」といった名称で知られている。
【0018】
このフライス工具1は、既知の仕方で円筒形シャフト2によって対応する加工工具に挟み込むことができ、その後、加工部品をフライス過程で処理することができる。
【0019】
図2aは、図1にしたがった本発明によるフライス工具1の空間表示である。
該フライス工具1は、円筒形シャフト2、切削用側面部3、切削排出溝4および波形輪郭7を有している。
図2aにおいて、円で囲んだフライス工具1の前部区域の一部が、図2bに拡大して示されている。
【0020】
図2bは、切削用側面部3の一部を示している。
波形輪郭7は、切削用側面部3にわたって延びている。
該切削用側面部3は、切削排出溝4に直接、隣接している。
該切削排出溝4は、図2bでは一部しか明示されてない。
切削エッジ6は、この図2bに示された切削用側面部3の切削面5で視覚化されている。
波形輪郭7が切削用側面部3において波形の形をつけられていることで、この切削エッジ6は、波の頂点を示す波形頂点部8および波の谷を示す波形谷部9を備えた波形の形を有している。
刃のベゼル10は、波形頂点部8である波の最上部で角度をつけられている。
実線11は例示的な実施態様を示し、該実施態様では、刃のベゼル10は、波形頂点部8の上部のみにわたって延びている。
図2bの左側では、点線12が例示的な実施態様を示している。
該実施態様では、刃のベゼル10は、波形頂点部8の高さ全体にわたって延びている。
【0021】
図2cは、図1および図2aによるフライス工具の実施態様を示している。
該実施態様において、刃のベゼル10の幅は波の頂点の高さを越えている。
したがって、刃のベゼル10のベースラインは、切削排出溝4の中で波形谷部9の下に配置されている。
【0022】
図3には、例示的な実施態様によって示された合計で四つの切削用側面部3のうち、三つの切削用側面部3が、断面表示で明示されている。
切削排出溝4は、切削用側面部3のそれぞれの間に設けられている。
また、波形輪郭7の波形頂点部8と波形谷部9も明示されている。
該波形輪郭7は、切削用側面部3の全体にわたって延びている。
切削エッジ6の領域に設けられた対応する刃のベゼル10も、図3では明示されている。
【0023】
図3では、上部に示された切削エッジ6に対するそれぞれの角度が特定化されている。
角度γ1は、刃のベゼル10が設けられていない場合における、フライス工具の有効な切削角度を示している。
角度αは、刃のベゼル10が設けられていない、フライス工具のくさび角度を示している。
角度βは、角度を付けられた刃のベゼル10を有するフライス工具によって形成されるくさび角度を示している。
角度γ2は、刃のベゼル10の有効な切削角度を示している。
【0024】
フライス工具の第一の切削エッジ6の有効な切削角度γ2と、第二の切削エッジ6の有効な切削角度γ2’と、第三の切削エッジ6の有効な切削角度γ2’’とは、それぞれ、大きさが異なっている。
好適には、これらの切削角度の大きさは、−20°と−30°の間である。
ここで示している切削エッジが四つある工具では、切削角度が、たとえば、第一の切削エッジが−20°、第二の切削エッジが−25°、第三の切削エッジが−20°、第四の切削エッジが−28°となるように設定できる。
その他の切削角度も、段階的に採用できることは自明である。
【0025】
好適には、刃のベゼル10は、切削エッジ6が常に切削用側面部3に対して同じ位置となるように設けられる。
このことは、フライス工具の円周に沿って見たとき、切削エッジ6が常に、互いに均等な距離を開けて配置されることを意味する。
したがって、切削用側面部3がどのような直角方向の工具クリアランスを有するかに関係なく、切削エッジ6の半径は常に絶対的に等しいなる。
したがって、異なる有効な切削角度γ2、γ2’、γ2’’、...は、刃のベゼル10の異なる幅という結果として現れる。
【0026】
図4aは、本発明によるフライス工具1のもう一つの実施態様の図を示している。
該実施態様において、同一の部分については同じ符号が先行する図面と同じように用いられている。
先述したように、フライス工具1は、円筒形シャフト2を有している。
該円筒形シャフト2の下部には、切削排出溝4が設けられている。
該切削排出溝4の間には、切削用側面部3が配置されている。
したがって、先述のように、切削排出溝4および切削用側面部3は、らせん形を有するように設けられ、それぞれが、ねじり角を形成している。
切削面5において、切削用側面部3は、切削エッジ6を備えている。
該切削エッジ6は、事前に決められた有効な切削角度を与えられている。
前述の例示的な実施態様とは対照的に、切削用側面部3は滑らかな表面を有している。
このことは、切削エッジ6も滑らかになるように設けられていることを意味する。
先述のように、このフライス工具1は、加工部品を処理するために、既知の仕方で円筒形の形をした円筒形シャフト2によって加工工具に挟み込むことができる。
【0027】
図4bは、図4aにしたがったフライス工具による断面図を示している。
この図4bは、図3にしたがって示されている。
先述のように、このフライス工具の合計で四つの切削用側面部のうち、三つの切削用側面部3が明示されている。
先述のように、切削排出溝4は、切削用側面部3のそれぞれの間に配置されている。
先述のように、刃のベゼル10のそれぞれは、切削エッジ6の領域に設けられている。
ここで示された角度は、図3で特定した角度に対応している。
すなわち、角度γ1は、刃のベゼル10が設けられていない場合における、フライス工具1の切削用側面部3の有効な切削角度を示している。
角度αは、刃のベゼル10が設けられていないときにフライス工具1が有することになるくさび角度を示している。
角度βは、角度をつけられた刃のベゼル10を有するフライス工具1によって形成されるくさび角度を示している。
角度γ2は、刃のベゼル10の有効な切削角度を示している。
【0028】
図3による実施態様のように、有効な切削角度γ2、γ2’、γ2’’は、大きさが異なり、図3に記載されているのと同様に設けることができる。
刃のベゼル10は、フライス工具1の直径の5%より小さな幅を有するように設けられる。
【0029】
上記に示したこれらのフライス工具において、刃のベゼル10は、切削エッジ6に沿った、単一の表面を研削する過程を用いて製造することができる。
好適には、刃のベゼル10の表面は、非常に繊細なものになるように、たとえば、0.05μmより小さな粗度を有するように研削することで、その表面の粗度が、切削排出溝4の表面よりも小さくなるようにする。
このことによって、加工部品から削り取られた切屑を、最適な仕方で排出することが可能となる。
また、刃のベゼル10の研削された面の表面粗度と、切削排出溝4の研削された面の表面粗度とを、基本的に同一にし、非常に低くするように設けることも考えられる。
しかし、これは、表面が繊細になればなるほど切削排出溝4の製造が高くつくようになるという不利な点を伴うことになる。
他方、この刃のベゼル10の製造は、非常に単純であり、したがって高価ではない。
【0030】
図6は、本発明によるフライス工具の切削エッジ6を平面に展開した位置で示している。
これらの切削エッジ6は、いわゆるねじり角度δを有している。
このねじり角度δは、フライス工具のすべての切削エッジ6について、同一とすることができる。
しかし、フライス工具の個々の切削エッジ6のねじり角度δは、図6に示されているように、切削用側面部のそれぞれについて、異なる大きさとすることもできる。
ねじり角度δ’、δ’’、δ’’’、δ’’’’は、異なった大きさを想定することもでき、たとえば、δ’およびδ’’’は39.5°、δ’’は41°、δ’’’’は38°とすることもできる。
その他の適した大きさを考えることもできることは自明である。
この配列は、フライス工具の所望の非対称性を強調することとなり、該非対称性によって、上述した特性である、より良好な形で達成すべき特性を向上させることになる。
【0031】
図5もまた、平面に展開したフライス工具の切削エッジ6を示している。
切削エッジ6は、波形となるように設けられ、該形状は切削排出溝4に食い込んだ隆起部11を生み出している。
結果的に、図5から明らかであるように、大きさが異なり、切削エッジ6に沿って伸びているねじり角度ε’ε’’ε’’’が得られる。
このことは、切屑が付着することを防ぐものであり、切屑を破壊する効果を有している。
この実施態様において、刃のベゼル10を設けるには高い努力が必要となることは明らかである。
【0032】
加工部品を処理するためのフライス工具における切削エッジのこれらのさらなる開発によって、切削エッジを強化し、そうでなければ起こると考えられる、切削エッジの欠損がかなりの範囲で抑えられるという好適な結果を伴うだけではなく、工具のより良好な動作も得られ、振動の発生を大幅に減少させることができる。
このことは、加工された表面の向上した表面の質と、工具の向上した耐用年数につながるものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】概略化された切削用側面部を有する、本発明によるフライス工具を示す図である。
【図2a】本発明によるフライス工具の空間表示を示す図である。
【図2b】本発明によるフライス工具の、図2aにおいて円で囲んだ部分の拡大表示を示す図である。
【図2c】異なったデザインを有している本発明によるフライス工具の、図2aにおいて円で囲んだ部分の拡大表示を示す図である。
【図3】図1に示された本発明によるフライス工具にしたがった、線分III−IIIに沿った断面の部分図である。
【図4a】滑らかな切削エッジを有する、本発明によるフライス工具の図である。
【図4b】図4aに示された本発明によるフライス工具にしたがった、線分IV−IVに沿った断面の部分図である。
【図5】切削エッジに沿って異なった大きさのねじり角度を有する切削エッジを、平面に展開した図である。
【図6】平面で描かれている、さまざまなねじり角度を有するフライス工具の切削エッジを示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 フライス工具
2 円筒形シャフト
3 切削用側面部
4 切削排出溝
5 切削面
6 切削エッジ
7 波形輪郭
8 波形頂点部
9 波形谷部
10 刃のベゼル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の切削用側面部(3)と、該切削用側面部(3)の間に設けられた切削排出溝(4)を備えている、切削によって加工部品を処理するためのフライス工具であり、
前記切削用側面部(3)が、切削エッジ(6)を有し、該切削エッジ(6)の切削面(5)に沿って、切削エッジ(6)のくさび角度(α)よりも大きい角度のくさび角度(β)を有している刃のベゼル(10)が設けられているものであって、
切削エッジ(6)に沿って伸びている刃のベゼル(10)が、離れた切削エッジ(6)に沿って伸びている刃のベゼル(10)の切削角度(γ2’、γ2’’、...)とは異なっている切削角度(γ2)を有している、フライス工具。
【請求項2】
切削エッジ(6)に沿って伸びているすべての刃のベゼル(10)が、異なった切削角度(γ2、γ2’、γ2’’、...)を有する、
請求項1に記載のフライス工具。
【請求項3】
刃のベゼル(10)の有効な切削角度(γ2、γ2’、γ2’’、...)が、0°から−30°を範囲としている、
請求項1または請求項2に記載のフライス工具。
【請求項4】
切削用側面部(3)が、滑らかな切削エッジ(6)を有する、
請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載のフライス工具。
【請求項5】
切削エッジ(6)が、波形輪郭(7)を有し、
該波形輪郭(7)が、切削用側面部(3)の幅にわたって延びている、
請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載のフライス工具。
【請求項6】
刃のベゼル(10)のそれぞれが、波形輪郭(7)の波の頂点(8)の高さにわたって延びている、
請求項5に記載のフライス工具。
【請求項7】
切削用側面部(3)の切削エッジ(6)が、異なったねじり角度(δ)を有している、
請求項1〜請求項6のいずれか一つに記載のフライス工具。
【請求項8】
切削用側面部(3)の切削エッジ(6)が、隆起部(11)を備え、
該隆起部(11)が切削排出溝(4)に食い込むことで、切削エッジ(6)に沿ってそれぞれ伸びているねじり角度(ε)が、異なった大きさを有する、
請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載のフライス工具。
【請求項9】
刃のベゼル(10)の表面が、切削排出溝(4)の表面より小さな粗度を有している、
請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載のフライス工具。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−55594(P2008−55594A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219203(P2007−219203)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(507287397)フライザ ホールディング アーゲー (2)
【氏名又は名称原語表記】FRAISA HOLDING AG
【Fターム(参考)】