説明

初心者用縄跳び練習具

【課題】 一方のグリップを子供が持ち、他方のグリップを大人(指導者)が持ち、子供が一人縄跳びをする場合、大人が縄を先導して回してその力が子供の持つグリップに伝わり、縄を回す感覚を体にてつかむことができ、更に、紐体がよじれることなく縄跳びを継続することができるようにした初心者用縄跳び練習具を提供する。
【解決手段】 紐体11と該紐体11の両端に取り付けた一対のグリップ12a,12bとからなり、一方のグリップ12a側の紐体11は連結具13を介して回転自在に連結すいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縄跳びをはじめて習う初心者の練習に好適な初心者用の縄跳び練習具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
縄跳び具は、一般に、紐体の両端にグリップを設けたものである。使用中に跳び縄(紐体)にねじれを生じないように、グリップの端部に回転自在に設けた回転軸に紐体を取り付けたもの、さらに、グリップに設けた回転軸に直交して紐体を取り付けるようにした縄跳び用グリップもある(特許文献)。
【0003】
縄跳びは、手軽で、安全で、心身の健康増進にも優れた運動用具であり、幼少時から親しみ使用することが望まれる。ところで、初めて縄跳びをする子供にとって、縄跳びは、両手で一対のグリップを持ち、手首、肘の関節を柔軟に回転させ、左右両手を同じ方向に同じ速さで回しながら、紐体が地面に接する直前に飛び跳ねる、という一連の動作を覚える必要があるが、これらの動作を初心者や幼児が一度に習得するのは難しい。
そこで、片手づつ一連の上記の動作要領を覚えるように、図3に示すように、一方のグリップ1aは大人(指導者)2がもち、練習する子供3の一方の手(左手)で他方のグリップ1bをもち、大人2が同図のように、紐体4を回して教えようとすると、大人2のもつグリップ1a側の紐体4のよじれ方向と子供3のもつグリップ1b側の紐体4のよじれ方向とが反対向きとなるため、何周か回しているうちに紐体4がよじれて(5)しまい、紐体4を円弧状に回すことができなくなって、縄跳びがでなくなってしまう。グリップと紐体との接続部を改良して回転が滑らかになるようにした縄跳び具を用いた場合でも、依然として紐体によじれが発生してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3076429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、一方のグリップを子供が持ち、他方のグリップを大人(指導者)が持ち、子供が一人縄跳びをする場合、大人が縄を先導して回してその力が子供の持つグリップに伝わり、縄を回す感覚を体にてつかむことができ、更に、紐体がよじれることなく縄跳びを継続することができるようにした初心者用縄跳び練習具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明による初心者用縄跳び練習具は、紐体と該紐体の両端に取り付けた一対のグリップとからなり、一方のグリップ側の紐体は連結具を介して回転自在に連結されてなること、を特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明による初心者用縄跳び練習具によれば、一方のグリップ側の紐体が連結具を介して回転自在に連結してあるので、グリップ側の紐体がよじれたとしても、連結部でよじれが解消され、紐体がよじれることなく円弧状に回転させながら縄跳びを継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例による初心者用縄跳び練習具の平面図。
【図2】本発明の実施例による初心者用縄跳び練習具の使用状態を示す説明図。
【図3】従来例による縄跳び具を用い片手づつ練習する場合の縄跳びの様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1に示す本発明の実施例による初心者用縄跳び練習具10は、紐体11と該紐体11の両端に取り付けた一対のグリップ12a,12bとからなり、一方のグリップ12a側の紐体11は連結具13を介して回転自在に連結されてなる。
かかる連結具13は、一方のグリップ12a側にだけ設け、他方のグリップ12b側には設けない。これは、他方のグリップ12b側で紐体11の長さを調節できるようにするためである。
連結具13は、一方のグリップ12a側の紐体11aと中央側(他方のグリップ12b側)の紐体11bとが互いに回転可能に連結されるものであれば、その構造は特に限定されるものではない。本実施例では、連結具13としてスイベルを用いたものを示した。スイベルの一方13aにグリップ12a側の紐体11aを結び留め金具14で固定し、他方13bに中央側の紐体11bを結び留め金具14で固定して、グリップ12a側の紐体11aと中央側の紐体11bとを回転自在に連結する。
【0010】
次に、本実施例による初心者用縄跳び練習具10の使用方法を説明する。図2に示すように、大人(指導者)2が一方のグリップ12aをもち、初めて縄跳びの練習をする子供3が、一方の手(左手)で他方のグリップ12bをもつ。そして、大人2が図の矢印方向にグリップ12aを回転させると紐体11もそれに伴って回転し、その回転が子供3の左手に伝わり、子供3が追随してグリップ11bを回転することになる。次いで、紐体11が地面に接する直前のタイミングをみて大人2が掛け声を掛けて子供3に飛ぶタイミングを教える。これを繰り返すことにより、一方の手(左手)の回し方と飛ぶタイミングを練習する。
このとき、紐体11を回転させても、連結具13により一方のグリップ12a側の紐体12aと中央側(他方のグリップ12b側)の紐体11bとが回転自在に連結されているため、連結部13でよじれが解消され、紐体11がよじれることなく、紐体11を円弧状に円滑に回転させることができる。
こうして、一方の手の回し方を覚えたならば、他方の手にグリップを持ち替えて、同様に練習する。このようにして、左右の手の回し方と飛ぶタイミングを覚える。
そして、左右の手の回し方を覚えたならば、今度は、左右の手に一対のグリップ12a,12bを持ち、一人で縄跳びの練習をすることにより、自分一人で縄跳びをすることができるようになる。
上記の練習を1日10分程度で1カ月程練習したところ、ある幼稚園において、3歳児の38%が一人跳びを1回旋2跳躍で10回以上連続して跳ぶことができ、4歳児では78%が同じく1分間以上連続跳びができるようになり、5歳児においては91%が2分間以上連続跳びができるようになった。
初めて縄跳びをする子供にとっては、手首、肘、肩の関節を巧みに操作し両手で同時に同じ方向に回し、かつタイミングをみて飛ぶ動作をスムースに頭で覚えるのは難しいが、本発明の初心者用縄跳び練習具10を用いて、子供のレベルに合わせて大人が手伝い、片手づつ身体で感じて覚えることによって、より年少時から短期間で縄跳びの要領を習得することができ、縄跳びを楽しめ、心身の発達に助することになる。更に、親子で縄跳びの練習をすれば、親子の絆も深まる。
【符号の説明】
【0011】
2 大人(指導者)
3 子供
10 縄跳び練習具
11 紐体
11a 一方のグリップ側の紐体
11b 他方のグリップ側(中央側)の紐体
12a 一方のグリップ
12b 他方のグリップ
13 連結具(スイベル)
13a スイベルの一方
13b スイベルの他方
14 留め金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紐体と該紐体の両端に取り付けた一対のグリップとからなり、一方のグリップ側の紐体は連結具を介して回転自在に連結されてなることを特徴とする初心者用縄跳び練習具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−200482(P2012−200482A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69584(P2011−69584)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(511078956)