説明

制振装置及びその制御方法

【課題】
回転機械を含む振動体や制振装置に、振動検知センサーを設置したり、制振装置の回転数や位相を制御したりすることなく、振動体の振動を自動的に抑制することのできる制振装置を提供する。
【解決手段】
振動体2に設置して前記振動体2の振動を制振する制振装置1において、前記制振装置1が、回転軸11と、前記回転軸11に固定した質量体12と、前記質量体12に前記回転軸11を中心とする回転運動の動力を付加する起動装置13を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体に取り付けその振動を抑える制振装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パソコンのハードディスク、扇風機、切削装置、発電用タービン等の回転機械は、その不釣合いをできるだけ少なくして設計することが望ましく、出荷前に入念なバランシングが行われている。しかし、回転機械のバランシングには限界があるため、運転時には、遠心力型の外力が発生し、振動が発生してしまう。また、電気洗濯機のようにその性能上、運転中に必ず大きなアンバランスが発生するものや、エンジンのような往復動機械で構造上必ずある程度の大きさの振動が発生する機械もある。これらの機械(以下、振動体という)の振動を抑制するために、オートマティックバランサーや消振機が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図8に、オートマティックバランサー1Xの一例を示す。このオートマティックバランサー1Xは、回転機械32(例えば遠心分離機等)と中心軸を同一とする円周状の通路30と、通路30内に移動自在に配置したバランス修正子31を有している。ここで、白抜き矢印は、回転機械32の振動方向Zを示している。
【0004】
次に、オートマティックバランサー1Xの動作について説明する。このオートマティックバランサー1Xは、回転機械32に振動が発生した場合、回転する通路30内のバランス修正子31の受動的な移動、及び通路30内での相対的な静止により、回転機械32の振動を抑制することができる。このとき、バランス修正子31が通路30内で移動後、相対的に静止する位置は、回転機械32の振幅や振動数に応じて受動的に変化する。
【0005】
他方、消振機は、例えば、ディーゼルエンジン等の機械の振動を検知する振動検知センサーと、機械の適当な位置に配置された複数の回転可能な質量体と、各質量体の回転数や位相を変化させるためのモータを有している。この消振機は、振動検知センサーで機械の振動を検知し、各モータに制御信号を送り、各質量体の回転数や位相を変化させて、機械の振動を抑制することができる。
【0006】
しかしながら、上記のオートマティックバランサー及び消振機はいくつかの問題点を有している。第1に、オートマティックバランサーは、共振周波数(又は共振点という)より低い振動数(周波数)領域で、機械の振幅を増幅してしまうという問題を有している。
【0007】
第2に、オートマティックバランサーは、共振点より高い振動数領域で、自励振動を発生させてしまうという問題を有している。つまり、オートマティックバランサーは、自動的に振動を抑制する機能を有しているが、バランス修正子等の積極的な制御ができないため、機械の振動を増幅してしまう場合がある。
【0008】
第3に、消振機は、精巧なモータや複雑な制御機構が必要となるため、高コストになってしまうという問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−304330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、回転機械及び往復動機械等を含む振動体や制振装置に、振動検知センサーを設置したり、制振装置の回転数や位相を制御したりすることなく、振動体の振動を自動的に抑制することのできる制振装置を提供することである。また、低コストの制振装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明に係る制振装置は、振動体に設置して前記振動体の振動を制振する制振装置において、前記制振装置が、回転軸と、前記回転軸に固定した質量体と、前記質量体に前記回転軸を中心とする回転運動の動力を付加する起動装置を有することを特徴とする。
【0012】
この構成により、制振装置は、回転数や位相の制御を行うことなく振動体の振動を自動的に抑制することができる。この制振装置は、起動時のみ質量体に初速を付加する制御を行えば、自動的に振動体の振動を抑制することができる。
【0013】
上記の制振装置において、前記制振装置が、それぞれ独立して回転することのできる少なくとも2つの前記質量体を有し、回転方向における前記質量体の相対位置が自動的に調整される構造を有することを特徴とする。この構成により、振動体の振幅量や周波数特性に合わせて、制振装置の質量体は相対的な位置関係が、制振のために最適となるように自動的に調整される。これにより、制振装置の制振性能は大きく向上される。
【0014】
上記の制振装置において、前記制振装置が、前記質量体の回転抵抗を相殺する動力アシスト機構を有しており、前記動力アシスト機構が、前記回転軸又は前記質量体に動力を加える動力源と、制御装置を有しており、前記制御装置が、前記振動体の振動数を検出する読み込み機構と、前記振動体の振動数から動力源が前記回転軸又は前記質量体に付加すべき動力を決定する制御マップと、決定された動力を前記動力源から前記回転軸又は前記質量体に出力する出力制御機構を有していることを特徴とする。
【0015】
この構成により、制振装置の質量体の回転周期を、振動体の振動周期に対して遅れなく同期させるだけでなく、最適な位相で回転させることができ、制振性能を向上させることができる。これは、動力アシスト機構により、質量体の回転抵抗を相殺することができるためである。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明に係る制振装置の制御方法は、振動体に設置して前記振動体の振動を制振する制振装置であり、回転軸と、前記回転軸に固定した質量体と、前記質量体に前記回転軸を中心とする回転運動の動力を付加する起動装置と、前記質量体の回転抵抗を相殺する動力アシスト機構を有する制振装置の制御方法であって、前記動力アシスト機構が前記振動体の振動数を読み込む読み込みステップと、予め準備している制御マップから前記質量体に付加すべき動力を決定する出力決定ステップと、前記出力決定ステップで決定された動力を前記質量体に付加する出力制御ステップを有することを特徴とする。この構成により、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る制振装置によれば、回転機械及び往復動機械等を含む振動体や制振装置に、振動検知センサーを設置したり、制振装置の回転数や位相を制御したりすることなく、振動体の振動を自動的に抑制することのできる制振装置を提供することができる。また、低コストの制振装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る実施の形態の制振装置を示した概略図である。
【図2】制振装置の動作を示した平面図である。
【図3】本発明に係る異なる実施の形態の制振装置を示した概略図である。
【図4】質量体が2つの場合の動作を示した平面図である。
【図5】本発明に係る異なる実施の形態の制振装置を示した概略図である。
【図6】本発明に係る異なる実施の形態の制振装置の質量体を示した概略図である。
【図7】制振装置の制振性能を示したグラフである。
【図8】従来のオートマティックバランサーの概略を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施の形態の制振装置について、図面を参照しながら説明する。特に、舶用ディーゼルエンジン(以下、振動体という)に設置した制振装置を例に説明する。図1に、本発明に係る実施の形態の制振装置1の概略を示す。制振装置1は、回転軸11と、回転軸11に固定した質量体12と、質量体12を保護するケーシング15と、回転軸11に設置したクラッチ14と、クラッチ14を介して質量体12を起動する起動装置(例えば電動モータ)13を有している。また、制振装置1は、底板16を有しており、この底板16を介して振動体(例えばディーゼルエンジン)2に設置している。質量体12は、厚みのある扇形に形成している(以下、円盤状質量体という)。クラッチ14は、電動モータ13と回転軸11の連結及び解除を制御するように構成している。なお、矢印は回転軸11及び質量体12の回転方向を示し、白抜き矢印は振動体2に発生する振動方向Zを示している。
【0020】
ここで、舶用ディーゼルエンジンは、例えば縦5500〜6700mm、横3150〜3800mm、高さ8500〜10200mm程度を想定している。また、制振装置1は、例えば直径400〜600mm、高さ500〜700mm、重さ400〜500kg程度、質量体12の重量が150〜250kg程度を想定している。更に、エンジンは、ピストンの数及び配置等の影響により、特に強く振動する方向(図1ではx軸方向)を有している場合が多く、その振動数は5〜20Hz程度を想定している。
【0021】
次に、制振装置1の動作について説明する。図2に、制振装置1の動きと、振動体2の変位の状態と、振動体2に作用する振動外力Fの関係を模式的に示す。まず、例えば船舶のディーゼルエンジンが始動した際、エンジン(振動体2)に振動が発生する(図2A、図2B参照)。その後、電動モータ(起動装置)13に始動のための信号を送り、起動制御を行う(起動ステップ)。この電動モータ13は、起動装置として使用した後は停止する。このとき、クラッチ14を解除し、電動モータ13と回転軸11の連結を解除する。
【0022】
初速を得た回転軸11及び質量体12は、エンジン2の振動を動力として回転を維持する(制振ステップ、図2C〜F参照)。このとき、質量体12はエンジン2の振動を打ち消すように自動的に回転する。具体的には、エンジン2の振動の振動数と同じ振動数で回転し、且つ質量体12の重心がエンジン2に作用する振動外力Fと逆方向になるように回転する。なお、図2D、Eに示す様に、振動外力Fの方向と、質量体12の変位の方向が逆になるのが、共振点より高い振動数での特徴である。上記により、エンジン2の回転数の変更に伴い振動数が変化した場合であっても、この振動数に応じて質量体12の回転数は自動的に変化する。エンジン2を停止した際には、質量体12の回転も自動的に停止し、制振動作を終了する(終了ステップ)。
【0023】
上記の構成により、以下の作用効果を得ることができる。第1に、制振装置1は、振動体2が共振点より低い振動数となる領域では停止しておくことができる。そのため、制振装置1が、従来のオートマティックバランサーのように、共振点より低い振動数で振動体
2の振幅を増大するという問題が発生しない。これは、制振装置1が、起動装置13により初速を与えない限り作動しない構成を有しているためである。
【0024】
第2に、振動体2が共振点及び共振点より高い振動数となる領域で、振動体2の振幅を抑制することができる。これは、振動体2の振動する振動数が高い場合であっても、質量体12の回転が外力や振動体2の振動に追従し、バランスを維持することができるためである。
【0025】
第3に、制振装置1を低コストで提供することができる。これは、制振装置1には、複雑な制御のためのセンサーや制御装置が不要となるためである。つまり、質量体12は、初速さえ与えられれば、その後は制御しなくても、振動体2の振幅を抑制する最も適した回転数で自動的に回転するためである。
【0026】
図3に、本発明に係る異なる実施の形態の制振装置1aの概略を示す。制振装置1aは、2つの質量体12aを有している。この2つの質量体12aは、回転軸11に対して鉛直方向に隣り合うように配置している。また、2つの質量体12aは、回転軸11にそれぞれ独立した状態で回転するように設置されている。具体的には、回転軸11を共通する中心軸を有する内軸と外軸から構成した二重軸としたり、回転軸11を二重軸として更にワンウェイクラッチ等を設置したり、また異なる中心軸を有する2本の独立した回転軸としたりすることができる。この2つの質量体12aの相対的な位置関係は、質量体12aの回転と共に自動的に調整されるように構成している。
【0027】
次に、2つの質量体12aを有する制振装置1aの動作について説明する。図4に、2つの質量体12aが回転している状態の平面概略を示す。図4Aに2つの質量体12aが平面視で大部分が重なるように自動的に調整された状態を、図4Bに2つの質量体12aが回転方向に大きくずれるように自動的に調整された状態を示す。
【0028】
振動体2の振動外力が大きい場合は、図4Aに示す様に、2つの質量体12aの質量が1点に集中する構成が望ましい。一方、振動体2の振動外力が小さい場合は、2つの質量体12aの質量が分散する構成が望ましい。この制振装置1aは、2つの質量体12aを用いることにより、振動外力の大きさに応じて、図4に示すような2つの状態が自動で実現されるものであり、振動外力の大きさが変化した場合であっても、2つの質量体12aの相対位置が自動的に変化して対応することができる。
【0029】
更に、この制振装置の制振性能を向上するために、動力アシスト機構を設置することが望ましい。この動力アシスト機構は、回転軸11とケーシング15の間の軸受等で発生する回転抵抗を相殺するために、回転軸11又は質量体12に動力源(例えば電動モータ13)から動力を付加する制御機構であり、動力源(例えば電動モータ13)と制御装置で構成することができる。
【0030】
この制御装置は、ディーゼルエンジンの回転数を検出する読み込み機構と、エンジン回転数から回転軸11又は質量体12に付加すべき動力を決定する制御マップと、制御マップにより決定された付加すべき動力を回転軸11又は質量体12に出力する出力制御機構を有している。
【0031】
次に、動力アシスト機構の具体的な制御方法について説明する。まず、機関室で監視しているディーゼルエンジンの回転数を、動力アシスト機構の読み込み機構で読み込む(読み込みステップ)。次に、予め準備している制御マップから、現在のエンジン回転数に対して電動モータが回転軸に付加すべき動力を決定する(出力決定ステップ)。最後に、決定された付加すべき動力を出力制御機構により電動モータから回転軸に出力する(出力制
御ステップ)。この構成により、回転軸は見かけ上、抵抗なしで回転することができる。
【0032】
なお、動力アシスト機構を構成する制御装置は、制振装置1に設置してもよく、機関室のディーゼルエンジン制御装置等に組み込んでもよい。また、動力アシスト機構を構成する動力は、電動モータに限らず、油圧モータ、エアモータ等の既知の動力源で構成することができる。更に、動力アシスト機構と起動装置は、同一の動力源(モータ等)を利用することができる。
【0033】
上記の構成により以下の作用効果を得ることができる。第1に、制振装置の制振性能を向上させることができる。これは、振動体の振動に対して、制振装置の質量体の回転を位相の遅れなく同期できるためである。つまり、質量体の位相の遅れの原因である摩擦抵抗等を相殺することができるためである。
【0034】
第2に、低コストで制振装置の制振性能を向上させることができる。これは、動力アシスト機構の動力源を、起動装置の動力と共有することができるためである。また、回転軸に付加する動力を、振動体の振動数(ディーゼルエンジンの回転数)から推定する構成により、制振装置の質量体の回転数を検知するセンサーや複雑な制御プログラムを必要としないためである。
【0035】
図5に、本発明に係る異なる実施の形態の制振装置1bの起動装置の概略を示す。図5Aに制振装置1bの平面図を、図5Bに斜視図を示す。この制振装置1bは、側面に窪み部22を形成した質量体12bと、ケーシング15に固定したエアーノズル21で構成した起動装置を有している。この制振装置1bは、起動時にエアーノズル21を介してエアー23を供給し、質量体12bの回転を開始させる構成を有している。
【0036】
この構成により、制振装置1bは回転軸11から離れた位置(外周側)に起動力を加えることができるため、重量の大きな質量体12bを搭載した制振装置1bであっても、容易に起動することができる。
【0037】
なお、舶用ディーゼルエンジンに設置する制振装置1bであれば、エアー23は、エンジン始動用の圧縮エアーや、ターボチャージャで昇圧された掃気等を利用することができる。また、ケーシング15内に油等の流体を充填し、この流体に回転方向の流れを付加するように構成してもよい。この流体の流れにより、質量体の始動(起動装置)を実現することができる。更に、上記のエアー23や油等の流体を、回転抵抗の相殺(動力アシスト機構)の動力源として利用することもできる。
【0038】
また、ケーシング15の円周に沿って複数のエアーノズル21を設置する構成としてもよい。この構成により、動力アシスト機構の動力源として、比較的途切れることなく回転抵抗を相殺することができる。
【0039】
図6に、本発明に係る異なる実施の形態の制振装置1cの質量体を示す。この質量体12cは、管の一部を円弧状に切り取った縦長の形状を有している(以下、縦型質量体という)。この質量体12cは、相対的に自由な位置関係をとることができるように、それぞれ独立して回転する回転軸11cに固定している。
【0040】
この構成により以下の作用効果を得ることができる。第1に、質量体12cの回転半径を小さくする構成により、高い振動数の振動に対して、高い制振性能を発揮することができる。第2に、振動体の振動数の変化に対して、高い追従性能を発揮することができる。例えば、自動車のエンジンのように、回転数が頻繁に変化するような振動体に対して、制振装置の質量体の回転数を追従させることができる。なお、舶用ディーゼルエンジンのよ
うな回転数の変化が少ない振動体は、図1に示したような円盤状質量体であっても十分に制振することができる。
【0041】
図7に、制振装置の制振性能を表したグラフを示す。縦軸に振動体の振幅A(mm)、横軸に周波数f(Hz)を示す。破線は制振装置を設置していない場合、一点鎖線は制振装置を設置した場合、実線は動力アシスト機構を有する制振装置を設置した場合を示す。起動ポイントPは制振装置の質量体に初速を与え、起動する際の振動数を示し、Vは共振振動数を示している。なお、振動体の振動数(例えばエンジンの回転数)を急速に上げ、共振振動数Vを通過させた後に、制振装置を起動させてもよい。
【0042】
図7に示す様に、制振装置を起動ポイントPで起動すると振動体の振幅Aは、速やかに小さくなる。つまり、振動体の振動を効果的に抑制することができる。本発明の制振装置は、特に従来は振動を抑制することが困難であった共振周波数Vよりも高い振動数において、高い制振性能を発揮することができる。また、動力アシスト機構を有する制振装置であれば、極めて高い制振性能を発揮することができる。
【0043】
以上、本発明の制振装置により、振動体の振動を効果的に抑制することができる。なお、対象とする振動体は、舶用ディーゼルエンジンに限られない。具体的には、例えばディーゼル発電機、発電用タービン、電気洗濯機、切削装置、扇風機、ハードディスク等にも本発明の制振装置を適用することができる。このとき、振動体に作用する外力、振動体の振幅及び振動数等をパラメータとして、制振装置の質量体の質量、質量体の支点から重心までの長さ、質量体の慣性モーメント等を決定する。
【符号の説明】
【0044】
1、1a、1b、1c 制振装置
2 振動体
11 回転軸
12、12a、12b、12c 質量体
13 起動装置(電動モータ)
15 ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動体に設置して前記振動体の振動を制振する制振装置において、
前記制振装置が、回転軸と、前記回転軸に固定した質量体と、前記質量体に前記回転軸を中心とする回転運動の動力を付加する起動装置を有することを特徴とする制振装置。
【請求項2】
前記制振装置が、それぞれ独立して回転することのできる少なくとも2つの前記質量体を有し、回転方向における前記質量体の相対位置が自動的に調整される構造を有することを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
【請求項3】
前記制振装置が、前記質量体の回転抵抗を相殺する動力アシスト機構を有しており、
前記動力アシスト機構が、前記回転軸又は前記質量体に動力を加える動力源と、制御装置を有しており、
前記制御装置が、前記振動体の振動数を検出する読み込み機構と、前記振動体の振動数から動力源が前記回転軸又は前記質量体に付加すべき動力を決定する制御マップと、決定された動力を前記動力源から前記回転軸又は前記質量体に出力する出力制御機構を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の制振装置。
【請求項4】
振動体に設置して前記振動体の振動を制振する制振装置であり、回転軸と、前記回転軸に固定した質量体と、前記質量体に前記回転軸を中心とする回転運動の動力を付加する起動装置と、前記質量体の回転抵抗を相殺する動力アシスト機構を有する制振装置の制御方法であって、
前記動力アシスト機構が前記振動体の振動数を読み込む読み込みステップと、
予め準備している制御マップから前記質量体に付加すべき動力を決定する出力決定ステップと、
前記出力決定ステップで決定された動力を前記質量体に付加する出力制御ステップを有することを特徴とする制振装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−50155(P2013−50155A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187893(P2011−187893)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(504205521)国立大学法人 長崎大学 (226)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】