説明

加入者宅側光回線終端装置、光伝送システム、スイッチ、及び通信制御方法

【課題】冗長化の管理が可能な加入者宅側光回線終端装置、該加入者宅側光回線終端装置を接続する光伝送システム、加入者宅側光回線終端装置を2以上接続して冗長化可能なスイッチ、及びそれぞれの通信制御方法を提供する。
【解決手段】OLT110とONU105との間の通信がPON識別子で管理され、ONU105とスイッチ10との間がタグで管理されることから、スイッチ10に2つのONU105−1、2が接続されてしまうと、OLT110とスイッチ10との間で、通信ラインの選択を適切に行うことができなくなる。そこで、PON識別子とタグとを相互に関連付ける変換テーブルを事前に作成し、これをONU105とスイッチ10に持たせるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センタ側光回線終端装置とPON型の光伝送路で接続された加入者宅側光回線終端装置と光伝送システム、該光伝送システムに接続されるスイッチ、及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FTTH、CATV等の光ネットワークでは、下記の特許文献1に記載されているように、センタに接続される光伝送路を受動型スプリッタにより分岐して複数の加入者宅まで光伝送路を敷設するPON(Passive Optical Network)型の光伝送システムが使用されている。このような光伝送システムは、PDS(Passive Double Star)とも呼ばれる。
【0003】
従来のPON型の光伝送システムの一例を図7に示す。同図に示すPON型光伝送システム900では、センタの光回線終端装置(OLT:Optical Line Termination)901が光ファイバ902を介してスプリッタ903の合波端に接続され、スプリッタ903の複数の分波端には光ファイバ904−1、…904−nを介して各加入者宅に設置された加入者宅側光回線終端装置(ONU:Optical Network Unit)905−1、…905−nが接続される。
【0004】
ONU905−1、…905−nの構成を図8に示す。同図は、一例としてONU905−1の構成を示しており、ONU905−1は、光トランシーバ部906、ONU機能部907、物理層(PHY)908、及びイーサネット(登録商標)インタフェース909を備える構成となっている。スプリッタ903に接続された光ファイバ904−1が、各加入者宅に設けられた光成端ユニット910を介して光トランシーバ部906に接続されている。
【0005】
イーサネット(登録商標)インタフェース909として、10/100/1000BASE−TX等を用いることができ、これに例えばLANケーブル911が接続される。LANケーブル911には、コンピュータやプリンタ等の端末機器914を直接接続することができ、またルータ912やスイッチングハブ913等のスイッチを接続し、これに別の端末機器914を接続することもできる。また、インタフェース909として、MSA(Multi-Source Agreement)インタフェースの規格に対応させたMSAインタフェースモジュールを用いた場合には、スイッチ等の外部ノードに設けられたMSAインタフェーススロットに直接接続することが可能となり、LANケーブルの接続が不要になって省スペース化が図れるなどの大きな利点がある。
【0006】
ONUを用いて光伝送システムに接続されたスイッチ等が、外部と高い信頼性で通信を行うためには、光伝送システムとの接続の信頼性を高めることが重要となる。ネットワークシステム等において、装置間の接続の信頼性を高めるために、装置間に2以上の伝送ラインを設けることで冗長化させる方法が従来より用いられている。従来の装置間における冗長化の一例を、図9を用いて説明する。同図(a)は、トランキングによる冗長化の方法を示しており、(b)はスパニングツリーによる冗長化の方法を示している。
【0007】
図9(a)に示すトランキングによる方法では、2つのスイッチ921、922がそれぞれ2つのポート921a、921b及び922a、922bを使って2つの伝送ライン923、924を形成しており、両方ともアクティブとなっている。このような複数の伝送ライン923、924を、トランキングによる方法では仮想的に1つの伝送ラインのように束ねることにより、データ転送の負荷を分散させて高速化を図ることが可能となっている。また、一方の伝送ラインに異常が起きると、他方の伝送ラインだけで通信を継続することが可能となっている。
【0008】
また、図9(b)に示すスパニングツリーによる方法では、2つのスイッチ921、922がそれぞれ2つのポート921a、921b及び922a、922bを使って2つの伝送ライン925、926を形成しており、一方の伝送ライン(図9(b)では伝送ライン925)のみがアクティブとなっている。2つのスイッチ921、922を2つの伝送ライン925、926で単に接続すると、これらがループを形成して問題が生じる。
【0009】
そこで、スパニングツリーによる方法では、一方の伝送ラインを通常はブロックしておき(図9(b)では伝送ライン926側のポート921bでブロック)、アクティブの伝送ライン925に異常が起きたときに、ポート921bのブロックを解除して用いるようにしている。このような冗長化では、通常はアクティブな伝送ライン(以下では「現用系伝送ライン」と称する)とは別に、通常はブロックされている伝送ライン(以下では「待機系伝送ライン」と称する)を設ける構成をとっている。そして、現用系伝送ラインに異常が生じたときに待機系伝送ラインに切り替えて用いるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−214541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、PON型の光伝送システムでは、冗長化に関する規格が設けられていないため、現状では冗長化を実現することはできない。スイッチに2以上のMSAインタフェーススロットが設けられている場合、これに例えば2つのONUを接続することで、物理的には2つの通信ラインを設けることができる。しかし、冗長化したときの管理方法が定められていないため、単に2つのONUを接続しただけでは、2つの通信ラインを適切に制御することができない。すなわち、スイッチの各スロットに接続されているONUの管理方法が定められていないため、例えば、スイッチはどのスロットに接続されているONUに上りデータ信号を出力すればよいかを判定できない、といった問題が生じる。
【0012】
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、冗長化の管理が可能な加入者宅側光回線終端装置、該加入者宅側光回線終端装置を接続する光伝送システム、加入者宅側光回線終端装置を2以上接続して冗長化可能なスイッチ、及びそれぞれの通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の第1の態様は、センタ側に接続される光伝送路が受動型光カプラで複数の光伝送路に分岐されて加入者宅側に接続されるPON(Passive Optical Network)型の光伝送システムに用いられる加入者宅側光回線終端装置であって、センタ側光回線終端装置間と伝送されるデータ信号を終端処理する第1MAC部と、加入者宅側のスイッチ間と伝送されるデータ信号を終端処理する第2MAC部と、前記スイッチに具備されたMSA(Multi-Source Agreement)インタフェーススロットに接続されるMSAインタフェースモジュールと、前記センタ側光回線終端装置との通信用に設定されたPON識別子と、前記スイッチで前記MSAインタフェーススロットの識別用に設定されたスイッチ用識別子とを、事前に作成された変換テーブルを用いて相互に変換する通信制御部と、を備え、前記第1MAC部に下りデータ信号が入力されると、前記通信制御部が前記第1MAC部から前記下りデータ信号に書き込まれた前記PON識別子を入力し、前記変換テーブルを用いて前記PON識別子を前記スイッチ用識別子に変換して前記第2MAC部に出力し、前記第2MAC部が前記下りデータ信号に前記スイッチ用識別子タグを書き込んで前記スイッチに出力する一方、前記第2MAC部に上りデータ信号が入力されると、前記通信制御部が前記第2MAC部から前記上りデータ信号に書き込まれた前記スイッチ用識別子を入力し、前記変換テーブルを用いて該スイッチ用識別子を前記PON識別子に変換して前記第1MAC部に出力し、前記第1MAC部が前記上りデータ信号に前記PON識別子を書き込んで前記センタ側光回線終端装置に出力することを特徴とする。
【0014】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記変換テーブルは、前記センタ側光回線終端装置で作成され、前記下りデータ信号のOAM(Operation,Administration,and Maintenance)レイヤまたは拡張OAMレイヤに書き込まれ、前記通信制御部に伝送されて保存されることを特徴とする。
【0015】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記変換テーブルは、前記拡張OAMレイヤに書き込まれてさらに前記スイッチに出力されることを特徴とする。
【0016】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記変換テーブルは、前記通信制御部から前記MSAインタフェースモジュールに設けられたIC(Inter Integrated Circuit)信号線を介して前記スイッチに出力されることを特徴とする。
【0017】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記スイッチ用識別子が前記MSAインタフェーススロットとあらかじめ対応付けされており、前記MSAインタフェーススロットに接続されたときに、所定のシリアルインタフェースを用いて前記スイッチから前記スイッチ用識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成することを特徴とする。
【0018】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記所定のシリアルインタフェースは、前記IC信号線を介するインタフェースであることを特徴とする。
【0019】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記スイッチ用識別子が前記MSAインタフェーススロットとあらかじめ対応付けされており、前記MSAインタフェーススロットに接続されたときに、専用OAMインタフェースを用いて前記スイッチから前記スイッチ用識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成することを特徴とする。
【0020】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記スイッチ用識別子の設定順序があらかじめ決められており、前記MSAインタフェーススロットに接続された順序で、所定のシリアルインタフェースを用いて前記スイッチから前記スイッチ用識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成することを特徴とする。
【0021】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記所定のシリアルインタフェースは、前記IC信号線を介するインタフェースであることを特徴とする。
【0022】
本発明の加入者宅側光回線終端装置の他の態様は、前記スイッチ用識別子の設定順序があらかじめ決められており、前記MSAインタフェーススロットに接続された順序で、専用OAMインタフェースを用いて前記スイッチから前記スイッチ用識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成することを特徴とする。
【0023】
本発明の光伝送システムの第1の態様は、第1乃至第10の態様のいずれか1項に記載の加入者宅側光回線終端装置を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記加入者宅側光回線終端装置が、同一のスイッチに2以上接続されていることを特徴とする。
【0025】
本発明の光伝送システムの他の態様は、前記2以上の加入者宅側光回線終端装置のそれぞれの前記PON識別子と前記スイッチ用識別子とを対応付けした前記変換テーブルを前記センタ側光回線終端装置で作成し、前記変換テーブルを前記下りデータ信号のOAMレイヤまたは拡張OAMレイヤに書き込んで前記2以上の加入者宅側光回線終端装置のそれぞれに伝送することを特徴とする。
【0026】
本発明のスイッチの第1の態様は、第1乃至第10の態様のいずれか1項に記載の加入者宅側光回線終端装置に接続されるスイッチであって、2以上の前記MSAインタフェーススロットと、前記MSAインタフェーススロットに接続されて前記加入者宅側光回線終端装置との通信を制御するスイッチコア部と、を備え、前記スイッチコア部は、前記変換テーブルを用いて前記上りデータ信号を出力する前記MSAインタフェーススロットを判定することを特徴とする。
【0027】
本発明のスイッチの他の態様は、前記スイッチコア部は、前記変換テーブルを作成して前記IC信号線を介して前記通信制御部に伝送することを特徴とする。
【0028】
本発明のスイッチの他の態様は、前記スイッチ用識別子が前記MSAインタフェーススロットとあらかじめ対応付けされており、前記MSAインタフェーススロットに前記加入者宅側光回線終端装置が接続されると、所定のシリアルインタフェースを用いて前記加入者宅側光回線終端装置から前記PON識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成することを特徴とする。
【0029】
本発明のスイッチの他の態様は、前記所定のシリアルインタフェースは、前記IC信号線を介するインタフェースであることを特徴とする。
【0030】
本発明のスイッチの他の態様は、前記スイッチ用識別子が前記MSAインタフェーススロットとあらかじめ対応付けされており、前記MSAインタフェーススロットに前記加入者宅側光回線終端装置が接続されると、専用OAMインタフェースを用いて前記加入者宅側光回線終端装置から前記PON識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成することを特徴とする。
【0031】
本発明のスイッチの他の態様は、前記スイッチ用識別子の設定順序があらかじめ決められており、前記MSAインタフェーススロットに前記加入者宅側光回線終端装置が接続された順序で、所定のシリアルインタフェースを用いて前記加入者宅側光回線終端装置から前記PON識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成することを特徴とする。
【0032】
本発明のスイッチの他の態様は、前記所定のシリアルインタフェースは、前記IC信号線を介するインタフェースであることを特徴とする。
【0033】
本発明のスイッチの他の態様は、前記スイッチ用識別子の設定順序があらかじめ決められており、前記MSAインタフェーススロットに前記加入者宅側光回線終端装置が接続された順序で、専用OAMインタフェースを用いて前記加入者宅側光回線終端装置から前記PON識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成することを特徴とする。
【0034】
本発明の通信制御方法の第1の態様は、センタ側光回線終端装置から受動型光カプラを介して複数の光伝送路に分岐されて加入者宅側光回線終端装置が接続されたPON(Passive Optical Network)型の光伝送システムにスイッチが接続されたときの通信制御方法であって、前記センタ側光回線終端装置から前記加入者宅側光回線終端装置の第1MAC部に下りデータ信号が入力されると、前記第1MAC部が前記下りデータ信号を終端処理して該下りデータ信号に書き込まれたPON識別子を読み出して前記加入者宅側光回線終端装置の通信制御部に出力し、前記通信制御部が事前に作成された変換テーブルを用いて前記PON識別子を前記スイッチのMSAインタフェーススロット識別用に設定されたスイッチ用識別子に変換して前記加入者宅側光回線終端装置の第2MAC部に出力し、前記第2MAC部が前記下りデータ信号に前記スイッチ用識別子を書き込んで前記スイッチに出力する一方、前記スイッチから前記第2MAC部に前記上りデータ信号が入力されると、前記第2MAC部が前記上りデータ信号を終端処理して該上りデータ信号に書き込まれた前記スイッチ用識別子を読み出して前記通信制御部に出力し、前記通信制御部が前記変換テーブルを用いて前記スイッチ用識別子を前記PON識別子に変換して前記第1MAC部に出力し、前記第1MAC部が前記上りデータ信号に前記PON識別子を書き込んで前記センタ側光回線終端装置に出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、冗長化の管理が可能な加入者宅側光回線終端装置、該加入者宅側光回線終端装置を接続する光伝送システム、該加入者宅側光回線終端装置を2以上接続して冗長化可能なスイッチ、及びそれぞれの通信制御方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1の実施形態に係る光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】OLTとスイッチとの間の通信ラインの論理的構造を示す説明図である。
【図3】本実施形態の加入者宅側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】変換テーブルの一例を示す説明図である。
【図5】本実施形態の光伝送システム及びスイッチにおける通信制御方法を示す説明図である。
【図6】変換テーブルの設定方法を示す説明図である。
【図7】従来のPON型の光伝送システムの概略構成を示すブロック図である。
【図8】従来の加入者宅側光回線終端装置の概略構成を示すブロック図である。
【図9】従来の冗長化方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態における光伝送システムの構成について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
【0038】
本発明の第1の実施の形態に係る加入者宅側光回線終端装置、光伝送システム、及びスイッチを、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の光伝送システム100の構成を示すブロック図である。本実施形態では、センタ側のOLTシステム101がOLT110とセンタ側管理部120を備え、OLT110と加入者側光回線終端装置105(各々を105−1、…、105−n(n:自然数)とする)とが、受動型光カプラ103を介して光ファイバ102、104で接続されてPON型の光伝送システム100を構成している。以下では、光伝送システム100をセンタ側から加入者宅側に伝送されるデータ信号を下りデータ信号とし、加入者宅側からセンタ側に伝送されるデータ信号を下りデータ信号とする。
【0039】
PON型の光伝送システムでは、ONUの管理を行うためのOAM(Operation,Administration,and Maintenance)が規定されており、センタ側管理部120がOLT110に接続されているONU105の管理を行う。センタ側管理部120は、ONU105にスイッチ等が接続されたときに、PONリンクの確立や認証等の処理を行う。また、OLT110とONU105との間で伝送されるデータ信号には、保守管理用のデータとして、OAMデータのレイヤが設けられている。そして、ONU105で検出された通信異常等が、OAMデータを用いてセンタ側管理部120に通知される。
【0040】
ONU105を用いて光伝送システム100に接続される本実施形態のスイッチ10は、2以上のMSAインタフェーススロット11(図1では11aと11bの2つとしている)、スイッチコア部12、及びパソコン20等を接続するためのポート13を備えている。スイッチコア部12は、図示しないCPUを用いてデータ信号の伝送を制御するとともに、MSAインタフェーススロット11に接続されたONU105との間の通信ラインの制御を行っている。
【0041】
図1は、スイッチ10の2つのMSAインタフェーススロット11a、11bに、本実施形態の2つのONU105―1、2がそれぞれ接続された実施例を示している。これにより、スイッチ10は、光伝送システム100との通信ラインが、2つのONU105―1、2を用いて冗長化されている。また、冗長化と同時に、回線帯域、すなわち伝送容量を増大させることができる。
【0042】
2つのONU105―1、2は、それぞれでデータ信号を終端処理していることから、スイッチコア部12がONU105―1、2との間の通信ラインを制御するためには、接続された2つのONU105−1、2を識別してそれぞれと通信できる必要がある。しかしながら、ONU105−1、2は、センタ側管理部120でOAMの規定に従って管理されており、この管理情報はONU105で終端されてスイッチ10には出力されない。OAMの規定では、OLTとONU間の通信がPON識別子で管理されており、OLT110とONU105との間で伝送されるデータ信号には、PON識別子が書き込まれている。
【0043】
2以上のONU105が1つのスイッチ10の2以上のスロット11に接続されて形成された2以上の通信ラインを、ONU105側及びスイッチ10側のそれぞれで管理できるようにするためには、ONU105とスロット11のそれぞれの識別子で双方を1対1に対応付ける必要がある。ONU105の識別子として、上記のPON識別子を用いることができる。同様に、スイッチ10側で各スロット11を識別しているスイッチ用識別子を上記のONU105との対応付けに用いることができる。
【0044】
スイッチ10では、スイッチコア部12が、複数のスロット11をVLAN等の論理的なネットワーク構成に用いられるVLANタグ(タグ)で管理しており、各スロット11を経由するデータ信号にはそれぞれのタグが書き込まれる。そこで、上記のスイッチ用識別子の一例として、このタグを用いることができる。以下では、スイッチ用識別子の一例としてタグを用いた実施例について説明するが、これに限定されず、各スロット11を識別できる別のスイッチ用識別子を用いてもよい。このタグ情報も、ONU105で終端処理されてセンタ側には出力されない。OLT110とスイッチ10との間の通信ラインの論理的構造を図2に示す。
【0045】
図2に示すように、OLT110とONU105との間の通信がPON識別子で管理され、ONU105とスイッチ10との間がタグで管理されることから、スイッチ10に2つのONU105−1、2が接続されてしまうと、OLT110とスイッチ10との間で、通信ラインの選択を適切に行うことができなくなる。そこで、本実施形態では、PON識別子とタグとを相互に関連付ける変換テーブルを事前に作成し、これをONU105とスイッチ10に持たせるようにしている。
【0046】
本実施形態のONU105の構成を、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態のONU105の構成を示すブロック図である。ONU105は、電気/光変換部(TRx)130、光回線終端装置機能部(以下ではONU機能部と記す)140、シリアル/パラレル変換部(SERDES)150、及びMSAインタフェースモジュール160を備えている。MSAインタフェースモジュールとして、GBIC、SFP等のモジュールがある。
【0047】
電気/光変換部130は、センタ側のOLT110との間でデータ信号を光信号として送受信するための光入出力端を有している。電気/光変換部130は、OLT110から送信された下りデータ信号の光信号を電気信号に変換(光電気変換)してONU機能部140に出力する一方、ONU機能部140から入力した上りデータ信号の電気信号を光信号に変換(電気光変換)してOLT110に送信している。
【0048】
ONU機能部140は、電気/光変換部130から入力した下りデータ信号のシリアル信号をパラレル信号に変換し、所定の終端処理を行った後にSERDES150に出力している。また、ONU機能部140は、SERDES150から入力した上りデータ信号のパラレル信号を、所定の終端処理を行った後にシリアル信号に変換して電気/光変換部130に出力している。ONU機能部140は、上記の終端処理をそれぞれ第1MAC部141と第2MAC部142で行っている。
【0049】
SERDES150は、図示しないシリアル/パラレル変換手段とパラレル/シリアル変換手段を備え、ONU機能部140から入力したパラレル信号の下りデータ信号をパラレル/シリアル変換手段でシリアル信号に変換し、これをMSAインタフェースモジュール160に出力している。また、SERDES150は、MSAインタフェースモジュール160から入力したシリアル信号の上りデータ信号をシリアル/パラレル変換手段でパラレル信号に変換してONU機能部140に出力している。
【0050】
MSAインタフェースモジュール160は、スイッチ10のMSAインタフェーススロット11に直接接続されてシリアルな電気信号等を入出力するものである。MSAインタフェースモジュール160は、主インタフェース(I/F)部161とサブI/F部162の2つのインタフェース部を備えている。スイッチ10との間で伝送される下りデータ信号及び上りデータ信号は、主I/F部161を経由して伝送される。
【0051】
スイッチ10にONU105が2以上接続されて冗長化されたときの通信ラインを適切に管理するために、ONU105は、ONU機能部140に通信制御部143を備えている。通信制御部143は、OLT110との通信でONU105の識別用に用いられるPON識別子と、スイッチ10との通信で接続されているMSAインタフェーススロット11の識別用に用いられるタグとを対応付ける変換テーブルを有している。変換テーブルの一例を図4に示す。変換テーブルには、スイッチ10のMSAインタフェーススロット11に関連付けて、それぞれに接続されているONU105−1、2の情報が設定されている。ここでは、ONU105−1、2のPON識別子をそれぞれPON−MAC1、PON−MAC2とし、MSAインタフェーススロット11a、11bに付されたタグをそれぞれTAG1、TAG2としている。図4に示す変換テーブルでは、MSAインタフェーススロット11a、11bにそれぞれONU105−1、2が接続されていることを示している。
【0052】
図4に示す変換テーブルは、スイッチ10のスイッチコア部12にも設定しておく。スイッチコア部12は、変換テーブルを用いることで、下りデータ信号がONU105−1,2のいずれから入力したかを判定する、あるいは上りデータ信号をONU105−1,2のいずれに出力するかを判定してタグを設定する、といったことが可能となる。また、通信ラインの管理のために、PON識別子を用いてONU105−1、2と通信することが可能となり、通信ラインの不具合を検知して正常な通信ラインのみを使用する、といった通信制御が可能となる。
【0053】
図4に示す変換テーブルを用いて、本実施形態の光伝送システム100及びスイッチ10で行う通信制御方法を、図5を用いて以下に説明する。図5では、一例として、OLT110からONU105−1を経由してスイッチ10に下りデータ信号が伝送される場合(同図(a))と、スイッチ10からONU105−1を経由してOLT110に上りデータ信号が伝送される場合(同図(b))を示している。
【0054】
図5(a)において、OLT110からONU105−1に下りデータ信号が伝送されると、ONU105−1の通信制御部143では、第1MAC部141から下りデータ信号のPON識別子を入力する。通信制御部143は、入力したPON識別子がONU105−1に割り当てられたPON−MAC1に一致するときに、変換テーブルを用いてPON−MAC1をそれに対応するタグのTAG1に変換し、これを第2MAC部142に出力する。第2MAC部142は、送信先としてTAG1を下りデータ信号に書き込んでスイッチ10側に出力する。
【0055】
また、図5(b)において、スイッチ10がOLT110側に上りデータ信号を伝送する場合、スイッチコア部12は、伝送に用いるONUがONU105−1であることを判定すると、上りデータ信号に送信元としてTAG1を書き込んでONU105−1に出力する。スイッチ10からONU105−1に上りデータ信号が入力されると、通信制御部143は、第2MAC部142から上りデータ信号のタグを入力する。通信制御部143は、入力したタグ(TAG1)を変換テーブルを用いてPON識別子(PON−MAC1)に変換し、これを第1MAC部141に出力する。第1MAC部141は、送信元として変換されたPON識別子のPON−MAC1を上りデータ信号に書き込んでOLT110側に出力する。
【0056】
上記のように、通信制御部143は、PON識別子とタグとの相互の変換を行うことから、図4に示すテーブルのうち、少なくともPON識別子の列とタグの列の情報(図中、破線枠で示す)を変換テーブルとして有していればよい。同様に、スイッチコア部12も、少なくともPON識別子の列とタグの列の情報(図中、破線枠で示す)を変換テーブルとして有すればよい。
【0057】
次に、変換テーブルをONU105の通信制御部143、及びスイッチ10のスイッチコア部12に設定する方法を、図6を用いて以下に説明する。図6(a)は、センタ側で変換テーブルを設定する第1の方法を説明する図であり、図6(b)は、スイッチ10側で設定する第2の方法を説明する図である。図6(a)に示す第1の方法では、センタ側でONU105を登録する際に、併せて変換テーブルの設定も行う。管理者が、センタ側管理部120に図4に示す変換テーブルを登録すると、これを下りデータ信号のOAMレイヤまたは拡張OAMレイヤに書き込んでOLT110からONU105に伝送する。
【0058】
ONU105では、OLT110から下りデータ信号を入力すると、通信制御部143がOAMレイヤまたは拡張OAMレイヤから変換テーブルを読み出して保存する。また、スイッチ10への変換テーブルの伝送は、変換テーブルが拡張OAMレイヤに書き込まれているときは、そのまま下り信号としてスイッチ10のスイッチコア部12に伝送し、スイッチコア部12が拡張OAMレイヤに書き込まれた変換テーブルを読み出すようにすることができる。あるいは、通信制御部143が取得した変換テーブルを、MSAインタフェースモジュール160のサブI/F部162を経由するシリアル信号線(IC信号線)を用いてスイッチコア部12に伝送するようにしてもよい。
【0059】
図6(b)に示す第2の方法では、スイッチ10のMSAインタフェーススロット11にONU105が接続される毎に、スイッチコア部12に管理者が変換テーブルを直接登録する。スイッチコア部12に登録された変換テーブルは、サブI/F部162を経由するIC信号線を用いてONU105の通信制御部143に伝送することができる。また、変換テーブルをセンタ側管理部120にも設定する必要がある場合には、ONU105で上りデータ信号の拡張OAMレイヤに変換テーブルを書き込んでセンタ側管理部120に伝送することができる。
【0060】
上記の管理者による設定方法に代えて、スイッチ10側で変換テーブルを自動的に作成させるようにすることも可能である。変換テーブルを自動的に作成する第1の方法として、MSAインタフェーススロット11とタグとの対応をあらかじめ決めてスイッチコア部12に設定しておき、MSAインタフェーススロット11にONU105が接続されたときに、通信制御部143が対応するタグをスイッチコア部12からIC信号線または別のシリアルインタフェースを用いて読み出す。あるいは、専用OAMインタフェースを用いてタグをスイッチコア部12から読み出すようにしてもよい。通信制御部143は、スイッチコア部12からタグを入力すると、これとPON識別子とから変換テーブルを作成し、IC信号線、別のシリアルインタフェース、及び専用OAMインタフェースのいずれか1つを用いてこれを再びスイッチコア部12に伝送する。
【0061】
あるいは、MSAインタフェーススロット11にONU105が接続されたときに、スイッチコア部12が、IC信号線、別のシリアルインタフェース、及び専用OAMインタフェースのいずれか1つを用いてONU105からPON識別子を読み出し、これを用いてスイッチコア部12で変換テーブルを作成するようにしてもよい。MSAインタフェーススロット11にONU105が接続される毎に、上記の変換テーブルの作成を行うことで、スイッチコア部12では、接続されたすべてのONU105に対応する変換テーブルを作成することができる。作成された変換テーブルは、必要に応じて、ONU105あるいはセンタ側に伝送される。
【0062】
変換テーブルを自動的に作成する第2の方法として、MSAインタフェーススロット11にONU105が接続される順序に応じて、あらかじめ順序づけられたタグを順次設定するようにすることも可能である。これにより、ONU105とタグとの対応が決定されると、第1の方法と同様にして変換テーブルを自動的に作成することができる。なお、変換テーブルを自動的に作成する第1の方法及び第2の方法で使用されるタグは、VLAN等で用いられるものとは異なる。
【0063】
上記説明のように、本発明によれば、1つのスイッチに2以上の加入者宅側光回線終端装置を接続して冗長化することにより、信頼性の高い光伝送システムを提供することができる。これにより、1つの加入者宅側光回線終端装置で形成された通信ラインに異常が起きても、別の加入者宅側光回線終端装置で形成された通信ラインを用いて通信を継続することが可能となり、信頼性の高い通信が可能となる。また、2以上の通信ラインを形成することで、回線帯域、すなわち伝送容量を増大させることができる。
【0064】
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る加入者宅側光回線終端装置、光伝送システム、スイッチ、及び通信制御方法の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における加入者宅側光回線終端装置等の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 スイッチ
11(11a、11b) MSAインタフェーススロット
12 スイッチコア部
13 ポート
100 光伝送システム
101 OLTシステム
102、104 光ファイバ
103 受動型光カプラ
105 加入者側光回線終端装置
110 OLT
120 センタ側管理部
130 TRx
140 ONU機能部
141 第1MAC部
142 第2MAC部
143 通信制御部
150 SERDES
160 MSAインタフェースモジュール
161 主I/F部
162 サブI/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センタ側に接続される光伝送路が受動型光カプラで複数の光伝送路に分岐されて加入者宅側に接続されるPON(Passive Optical Network)型の光伝送システムに用いられる加入者宅側光回線終端装置であって、
センタ側光回線終端装置間と伝送されるデータ信号を終端処理する第1MAC部と、
加入者宅側のスイッチ間と伝送されるデータ信号を終端処理する第2MAC部と、
前記スイッチに具備されたMSA(Multi-Source Agreement)インタフェーススロットに接続されるMSAインタフェースモジュールと、
前記センタ側光回線終端装置との通信用に設定されたPON識別子と、前記スイッチで前記MSAインタフェーススロットの識別用に設定されたスイッチ用識別子とを、事前に作成された変換テーブルを用いて相互に変換する通信制御部と、を備え、
前記第1MAC部に下りデータ信号が入力されると、前記通信制御部が前記第1MAC部から前記下りデータ信号に書き込まれた前記PON識別子を入力し、前記変換テーブルを用いて前記PON識別子を前記スイッチ用識別子に変換して前記第2MAC部に出力し、前記第2MAC部が前記下りデータ信号に前記スイッチ用識別子を書き込んで前記スイッチに出力する一方、
前記第2MAC部に上りデータ信号が入力されると、前記通信制御部が前記第2MAC部から前記上りデータ信号に書き込まれた前記スイッチ用識別子を入力し、前記変換テーブルを用いて該スイッチ用識別子を前記PON識別子に変換して前記第1MAC部に出力し、前記第1MAC部が前記上りデータ信号に前記PON識別子を書き込んで前記センタ側光回線終端装置に出力する
ことを特徴とする加入者宅側光回線終端装置。
【請求項2】
前記変換テーブルは、前記センタ側光回線終端装置で作成され、前記下りデータ信号のOAM(Operation,Administration,and Maintenance)レイヤまたは拡張OAMレイヤに書き込まれ、前記通信制御部に伝送されて保存される
ことを特徴とする請求項1に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項3】
前記変換テーブルは、前記拡張OAMレイヤに書き込まれてさらに前記スイッチに出力される
ことを特徴とする請求項2に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項4】
前記変換テーブルは、前記通信制御部から前記MSAインタフェースモジュールに設けられたIC(Inter Integrated Circuit)信号線を介して前記スイッチに出力される
ことを特徴とする請求項2または3に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項5】
前記スイッチ用識別子が前記MSAインタフェーススロットとあらかじめ対応付けされており、
前記MSAインタフェーススロットに接続されたときに、所定のシリアルインタフェースを用いて前記スイッチから前記スイッチ用識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項6】
前記所定のシリアルインタフェースは、前記IC信号線を介するインタフェースである
ことを特徴とする請求項5に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項7】
前記スイッチ用識別子が前記MSAインタフェーススロットとあらかじめ対応付けされており、
前記MSAインタフェーススロットに接続されたときに、専用OAMインタフェースを用いて前記スイッチから前記スイッチ用識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項8】
前記スイッチ用識別子の設定順序があらかじめ決められており、前記MSAインタフェーススロットに接続された順序で、所定のシリアルインタフェースを用いて前記スイッチから前記スイッチ用識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項9】
前記所定のシリアルインタフェースは、前記IC信号線を介するインタフェースである
ことを特徴とする請求項8に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項10】
前記スイッチ用識別子の設定順序があらかじめ決められており、
前記MSAインタフェーススロットに接続された順序で、専用OAMインタフェースを用いて前記スイッチから前記スイッチ用識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の加入者宅側光回線終端装置を備える
ことを特徴とする光伝送システム。
【請求項12】
前記加入者宅側光回線終端装置が、同一のスイッチに2以上接続されている
ことを特徴とする請求項11に記載の光伝送システム。
【請求項13】
前記2以上の加入者宅側光回線終端装置のそれぞれの前記PON識別子と前記スイッチ用識別子とを対応付けした前記変換テーブルを前記センタ側光回線終端装置で作成し、前記変換テーブルを前記下りデータ信号のOAMレイヤまたは拡張OAMレイヤに書き込んで前記2以上の加入者宅側光回線終端装置のそれぞれに伝送する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の光伝送システム。
【請求項14】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の加入者宅側光回線終端装置に接続されるスイッチであって、
2以上の前記MSAインタフェーススロットと、
前記MSAインタフェーススロットに接続されて前記加入者宅側光回線終端装置との通信を制御するスイッチコア部と、を備え、
前記スイッチコア部は、前記変換テーブルを用いて前記上りデータ信号を出力する前記MSAインタフェーススロットを判定する
ことを特徴とするスイッチ。
【請求項15】
前記スイッチコア部は、前記変換テーブルを作成して前記IC信号線を介して前記通信制御部に伝送する
ことを特徴とする請求項14に記載のスイッチ。
【請求項16】
前記スイッチ用識別子が前記MSAインタフェーススロットとあらかじめ対応付けされており、
前記MSAインタフェーススロットに前記加入者宅側光回線終端装置が接続されると、所定のシリアルインタフェースを用いて前記加入者宅側光回線終端装置から前記PON識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成する
ことを特徴とする請求項14または15に記載のスイッチ。
【請求項17】
前記所定のシリアルインタフェースは、前記IC信号線を介するインタフェースである
ことを特徴とする請求項16に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項18】
前記スイッチ用識別子が前記MSAインタフェーススロットとあらかじめ対応付けされており、
前記MSAインタフェーススロットに前記加入者宅側光回線終端装置が接続されると、専用OAMインタフェースを用いて前記加入者宅側光回線終端装置から前記PON識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成する
ことを特徴とする請求項14または15に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項19】
前記スイッチ用識別子の設定順序があらかじめ決められており、前記MSAインタフェーススロットに前記加入者宅側光回線終端装置が接続された順序で、所定のシリアルインタフェースを用いて前記加入者宅側光回線終端装置から前記PON識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成する
ことを特徴とする請求項14または15に記載のスイッチ。
【請求項20】
前記所定のシリアルインタフェースは、前記IC信号線を介するインタフェースである
ことを特徴とする請求項19に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項21】
前記スイッチ用識別子の設定順序があらかじめ決められており、前記MSAインタフェーススロットに前記加入者宅側光回線終端装置が接続された順序で、専用OAMインタフェースを用いて前記加入者宅側光回線終端装置から前記PON識別子を読み出し、前記スイッチ用識別子と前記PON識別子とを対応付けして前記変換テーブルを作成する
ことを特徴とする請求項14または15に記載の加入者宅側光回線終端装置。
【請求項22】
センタ側光回線終端装置から受動型光カプラを介して複数の光伝送路に分岐されて加入者宅側光回線終端装置が接続されたPON(Passive Optical Network)型の光伝送システムにスイッチが接続されたときの通信制御方法であって、
前記センタ側光回線終端装置から前記加入者宅側光回線終端装置の第1MAC部に下りデータ信号が入力されると、前記第1MAC部が前記下りデータ信号を終端処理して該下りデータ信号に書き込まれたPON識別子を読み出して前記加入者宅側光回線終端装置の通信制御部に出力し、前記通信制御部が事前に作成された変換テーブルを用いて前記PON識別子を前記スイッチのMSAインタフェーススロット識別用に設定されたスイッチ用識別子に変換して前記加入者宅側光回線終端装置の第2MAC部に出力し、前記第2MAC部が前記下りデータ信号に前記スイッチ用識別子を書き込んで前記スイッチに出力する一方、
前記スイッチから前記第2MAC部に前記上りデータ信号が入力されると、前記第2MAC部が前記上りデータ信号を終端処理して該上りデータ信号に書き込まれた前記スイッチ用識別子を読み出して前記通信制御部に出力し、前記通信制御部が前記変換テーブルを用いて前記スイッチ用識別子を前記PON識別子に変換して前記第1MAC部に出力し、前記第1MAC部が前記上りデータ信号に前記PON識別子を書き込んで前記センタ側光回線終端装置に出力する
ことを特徴とする通信制御方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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