加圧送水ユニット及びその据え付け方法

【課題】吐出容量の大きな加圧送水ユニットであっても、ベースを大型化することなく、大型のポンプや駆動モータ、制御盤をベース上に安定的に設置し、狭い設置スペースに簡易な作業で据え付けることができるようにする。
【解決手段】ユニット1のベース2を、ポンプ3、駆動モータ4など構成機器が設置される主体ベース21と、制御盤5のみが設置される補助ベース22に分割して形成するともに、両ベース21、22を並設した状態で互いの側端部同士を継ぎ合わせて一体に連結できるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ、これを駆動するモータ、制御盤などにより構成される、消火ポンプや給水ポンプなどの加圧送水装置がベース上に一体的に搭載された加圧送水ユニットの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
公共の建造物やデパート、ホテルなどには、消防法により消火ポンプの設置が義務づけられている。
かかる消火ポンプは、例えば図8に示されるように、ポンプ101、駆動モータ102、制御盤103、吸込配管口104、吐出配管口105、バルブ106、フレキシブルパイプ107、試験装置(試験配管)108、仕様に応じて呼水槽109や圧力タンク110などの、消火ポンプ100を構成する機器を一つのユニットとし、これら各機器を共通のベース111上に一体に設置して構成される場合が多い(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−93543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ユニット化された消火ポンプ100において、吐出容量が大きな仕様のものでは大型のポンプ101及び駆動モータ102が用いられ、流量の大きなポンプ101を運転するのに必要な電力量が大きくなるのに伴い、制御盤103には出力が大きな大型のトランス、インバータ、ブレーカなどの電気機器類が収納され、制御盤103の体積は大きくなり且つ大重量化する。
【0005】
この場合、図9に示されるように、大型のポンプ101、駆動モータ102及び前記消火ポンプ100の構成機器とともに、フレーム112を介して大重量化した制御盤103を共通のベース111上に設置して消火ポンプ100をユニット化すると、ベース111上から制御盤103が側方へはみ出すため、当該ユニットが設置現場に据え付けられる前或いは搬入、据え付け作業時に転倒しないような対策を講じる必要があり、また、フレーム112上に制御盤103を設置したのでは、制御盤103の操作位置が高くなって操作性が低下するという問題がある。
【0006】
無論、ベース111の縦横の幅を広げて機器の設置面積を大きくすれば、大型の制御盤103をベース111上からはみ出ない位置に安定して設置することは可能であるが、ベース111の大型化はその構成材料である鋼材代や溶接などの製作費用といった生産コストの増加をもたらし、また、ベース111の重量が増してユニット化された消火ポンプ100全体が大重量となるため、クレーンなどの大型の搬送機材を用いた設置現場への搬入や据え付け作業がし難くなるという問題がある。
消火ポンプ100は建造物の地階などの設置面積が限られた狭小スペースに設置されることが多く、ベース111が大きくなって消火ポンプ100の設置面積が拡大し且つ全体の重量が大きくなると、設置場所への搬入や据え付け作業に多大な労力が必要となり、設置工事コストも高くならざるを得ない。
【0007】
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、その目的とするところは、吐出容量の大きな加圧送水ユニットであっても、ベースを大型化することなく、大型のポンプや駆動モータ、制御盤をベース上に安定的に設置して支持することができ、狭い設置スペースに簡易な作業で据え付けることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明の加圧送水ユニットは、ポンプ、駆動モータ及び制御盤を含む加圧送水装置構成機器がベース上に設置されてなる加圧送水ユニットにおいて、
前記ベースは一体に並設し又は分離して設置可能な主体ベースと補助ベースとに分割して構成され、
上面に制御盤以外の加圧送水装置構成機器が設置された主体ベースに、上面に制御盤が設置された補助ベースを一体に連結した構成を有することを特徴とする。
また、前記構成の加圧送水ユニットにおいて、主体ベースの側端部に補助ベースの側端部を継ぎ合わせ、継ぎ合わせた前記両側端部をボルトの締結により一体に連結した構成を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の加圧送水ユニットの据え付け方法は、前記構成の加圧送水ユニットであって主体ベース上に設置した制御盤以外の加圧送水装置構成機器と、補助ベース上に設置した制御盤とを両ベースが分離されている状態で加圧送水ユニットの据え付け場所にそれぞれに搬入し、
据え付け場所の躯体面上に前記主体ベースを設置し、当該設置された主体ベースに前記補助ベースを継ぎ合わせて両ベースを一体に連結して、据え付け場所に据え付けることを特徴とする。
また、前記据え付け方法において、据え付け場所の躯体面上で主体ベースと補助ベースを継ぎ合わせる前に、前記主体ベースを基礎ボルトで前記躯体面に固定することを特徴とする。
前記躯体面上で主体ベースと補助ベースを一体に継ぎ合わせた後、ポンプの吸込配管、吐出配管などの主体ベース上に設置された加圧送水装置構成機器の配管接続と、補助ベース上に設置された制御盤と駆動モータなどの主体ベース上に設置された加圧送水装置構成機器との電気配線とが行われる。
【0010】
なお、本発明において加圧送水装置は、ポンプとこれを駆動するモータを具備する各種ポンプ及び送・給水装置をいい、消火ポンプや給水ポンプ、定圧ポンプなどが含まれる。また、加圧送水装置構成機器は、ポンプ、駆動モータ及び制御盤を最少の構成単位として、ベース上に一体に設置される加圧送水装置の構成機器をいい、ポンプ、駆動モータ及び制御盤の他に、吸込配管口や吐出配管口、バルブ、フレキシブルパイプ、試験装置、呼水槽、圧力タンクなどが含まれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、加圧送水装置構成機器が搭載されるベースが、一体に並設し又は分離して設置可能な主体ベースと補助ベースとに分割して形成されているので、主体ベースに制御盤以外の装置構成機器、補助ベースに制御盤をそれぞれ設置して構成し、これを分離したまま据え付け現場に搬入し、搬入場所において両ベースを一体に連結して加圧送水ユニットを構成し、据え付けることができる。
制御盤が設置される補助ベースを主体ベースと別体とすることで、ベースを大型化することなく既存の大きさのベースに大型のポンプや駆動モータを設置してユニット化することができ、大型のベースの作製コストがかからず、吐出容量が大きな加圧送水ユニットを低廉なコストで構成し設置することができる。
また、主体ベースと補助ベースを分離させた状態で運搬することができるので、据え付け現場への搬入に手間がかからず、設置スペースが狭くても分離したそれぞれのベースを搬入可能であり、搬入場所の据え付け工事も簡易に行うことができる。さらに、制御盤が設置された補助ベースは主体ベースに並設して連結され、据え付け現場に機器を搬入する前に、ポンプや駆動モータなどの電気機器類と制御盤の取り付け位置を特定することできるので、据え付け現場での電気配線を簡易な作業で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態である消火ポンプユニットの正面図(A)と側面図(B)である。
【図2】図1の消火ポンプユニットの概略構成図であり、(A)は主体ベースと補助ベースを連結する前の状態、(B)は連結後の状態を示した図である。
【図3】主体ベースと補助ベースの継ぎ合わせ部の構成の一例を示した図である。
【図4】図3の主体ベースと補助ベースを連結した状態の(A)はベースの平面図、(B)は側面図である。
【図5】主体ベースと補助ベースの継ぎ合わせ部の他の構成例を示した図である。
【図6】図5の主体ベースと補助ベースを連結した状態の(A)はベースの平面図、(B)は側面図である。
【図7】本発明の他の実施形態である消火ポンプユニットの概略構成図である。
【図8】従来の消火ポンプユニットの一例の構成を示した図である。
【図9】大型の制御盤を共通ベースに搭載した従来の消火ポンプユニットの正面(A)と側面(B)の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用した消火ポンプユニットの一実施形態を示している。
この消火ポンプユニット1は、ポンプ3や駆動モータ4、制御盤5などの消火ポンプの構成機器が設置されるベース2を主体ベース21と補助ベース22に分割して形成するとともに、主体ベース21上にポンプ3や駆動モータ4などの制御盤5以外の構成機器を設置して主体ユニット1Aを構成し、補助ベース22上には制御盤5を設置して制御盤ユニット1Bを構成し、図2に示されるように、消火ポンプユニット1の据え付け現場に両ユニット1A、1Bを分離した状態で搬入し、搬入後に主体ベース21と補助ベース22の側端部を継ぎ合わせ、継ぎ合わせ部をボルトで締結するなどして、両ユニット1A、1Bを一体に連結して構成されるものである。
【0014】
なお、図1中、符番6は吸込配管口、7は吐出配管口、8はバルブ、9はフレキシブルパイプ、10は試験装置、11は呼水槽、12は圧力タンクである。また、同図に示された消火ポンプユニット1は、主体ベース21がその縦横が2240mm×810mm、補助ベース22が445mm×810mm程度の大きさにそれぞれ形成され、補助ベース22上に高さが1800mm程度の大きさの制御盤5を設置した構成のものである。
【0015】
より詳しくは、ベース2を構成する主体ベース21と補助ベース22は、ともに複数の鋼材を組み付け溶接一体化してなり、主体ベース21はその上面に制御盤5以外の消火ポンプ構成機器を設置可能な面積を有する横長矩形状に形成され、補助ベース22はその上面に制御盤5のみが設置可能な面積を有する矩形状に形成されている。
【0016】
主体ベース21の短手辺の一側の側端部と補助ベース22の長手辺の一側の側端部にはそれぞれ継ぎ合わせ部21a、22aが設けられており、互いに継ぎ合わせ部21a、22aが突き合うように両ベース21、22を並設した状態で、両継ぎ合わせ部21a、22aをボルトで締結することにより、両ベース21、22の側端部同士を一体に連結することができるように設けてある。
【0017】
主体ベース21と補助ベース22に設ける継ぎ合わせ部21a、22aは、例えば図3及び図4に示されるように、主体ベース21の継ぎ合わせ部21aをその短手側端部を凹状に切り欠いて形成するとともに、補助ベース22の継ぎ合わせ部22aを、前記凹状の切り欠き部に嵌り合うように、その長手側端部を突出させて形成し、両継ぎ合わせ部21a、22aの凹凸を嵌め合わせた状態で、継ぎ合わせた部分に宛て板13を重ね合わせ、これをそれぞれにボルト14で締結することで一体に連結するように構成することができる。
また、例えば図5及び図6に示されるように、補助ベース22の継ぎ合わせ部22aを、主体ベース21の継ぎ合わせ部21aの上面に部分的に重なるように形成し、主体ベース21と補助ベース22の側端部同士が接合するように並設した状態で、重なり合った両継ぎ合わせ部21a、22aをボルト14で締結することで一体に連結するように構成してもよい。前記継ぎ合わせ部22aを主体ベース21の継ぎ合わせ部21aの上面に重なるようにすることでベース2が設置される躯体と補助ベース22との摩擦面が減ることから、上面に制御盤5を載せて支持した補助ベース22を据え付け場所に一旦設置した後、設置位置を位置合わせするための微調整の移動がし易くなり、ベース2の据え付けをよりスムーズに行うことができる。
【0018】
本形態の消火ポンプユニット1は、組み立て工場において、前記主体ベース21の上面に、ポンプ3、駆動モータ4、吸込配管口6、吐出配管口7、バルブ8、フレキシブルパイプ9、試験装置10、呼水槽11、圧力タンク12などの消火ポンプ構成機器を設置して主体ユニット1Aを組み立てるとともに、補助ベース22に制御盤5を設置して制御盤ユニット1Bを組み立てる。
そして、これら組み立てた主体ユニット1Aと制御盤ユニット1Bを分離した状態で、消火ポンプユニット1の据え付け場所にそれぞれに搬入し、両ユニット1A、1Bの据え付け工事が行われる。
【0019】
据え付けは、据え付け場所の躯体面上に主体ユニット1Aの主体ベース21を設置し、設置された主体ベース21に制御盤ユニット1Bの補助ベース22を継ぎ合わせ、継ぎ合わせ部をボルト14で締結するなどして両ベース21、22を一体に連結する。この場合、主体ベース21を躯体面上に設置した後、これを基礎ボルトで躯体面に固定し、固定された主体ベース21に制御盤ユニット1Bの補助ベース22を連結すれば、据え付け工事中に両ユニット1A、1Bが転倒する虞が小さくなってより好ましい。
その後、主体ユニット1Aの主体ベース21上に設置された、ポンプ3や吸込配管口6、吐出配管口7などの配管接続を行い、配管接続完了後、補助ベース22上に設置された制御盤5とポンプ3や駆動モータ4などの主体ユニット1A上の電機器類との電気配線を行うことで据え付けが完了する。
【0020】
本形態の消火ポンプユニット1によれば、主体ベース21上にポンプ3や駆動モータ4を設置した主体ユニット1Aと、補助ベース22上に制御盤5を設置した制御盤ユニット1Bを別体とすることで、大型のベース2を用いることなく、吐出容量が大きなポンプ3や駆動モータ4を搭載した消火ポンプユニット1を低廉なコストで作製することが可能となる。
また、主体ユニット1Aと制御盤ユニット1Bを分離した状態で運搬することができるので、据え付け現場への搬入に手間がかからず、それぞれ狭い設置スペースに分離して搬入し、搬入場所の据え付け工事も簡易に行うことができ、さらに、制御盤5が設置された補助ベース22は主体ベース21に並設して連結され、据え付け現場に機器を搬入する前に、ポンプ3や駆動モータ4などの電気機器類と制御盤5の配置位置を特定することできるので、据え付け現場での電気配線を簡易な作業で行うことができる。
【0021】
なお、図7に示されるように、主体ベース21の呼水槽11が設置される側の端部に補助ベース22が連結されるように構成してもよく、また、主体ベース21の長手辺側の側端部に補助ベース22との継ぎ合わせ部22aを設けてもよい。本発明は、給水ポンプや定圧ポンプなどの、消火ポンプ以外の各種のポンプや送・給水装置を、ベース上にユニット化して設置する態様に適用可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 消火ポンプユニット、1A 主体ユニット、2A 制御盤ユニット、2 ベース、21 主体ベース、22 補助ベース、21a,22a 継ぎ合わせ部、3 ポンプ、4 駆動モータ、5 制御盤、6 吸込配管口、7 吐出配管口、8 バルブ、9 フレキシブルパイプ、10 試験装置、11 呼水槽、12 圧力タンク、13 宛て板、14 ボルト



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ、駆動モータ及び制御盤を含む加圧送水装置構成機器がベース上に設置されてなる加圧送水ユニットにおいて、
前記ベースは一体に並設し又は分離して設置可能な主体ベースと補助ベースとに分割して構成され、
上面に制御盤以外の加圧送水装置構成機器が設置された主体ベースに、上面に制御盤が設置された補助ベースを一体に連結した構成を有することを特徴とする加圧送水ユニット。
【請求項2】
主体ベースの側端部に補助ベースの側端部を継ぎ合わせ、継ぎ合わせた前記両側端部をボルトの締結により一体に連結した構成を有することを特徴とする請求項1に記載の加圧送水ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の加圧送水ユニットの据え付け方法において、
主体ベース上に設置した制御盤以外の加圧送水装置構成機器と、補助ベース上に設置した制御盤とを両ベースが分離されている状態で加圧送水ユニットの据え付け場所にそれぞれに搬入し、
据え付け場所の躯体面上に前記主体ベースを設置し、当該設置された主体ベースに前記補助ベースを継ぎ合わせて両ベースを一体に連結して、
据え付け場所に据え付けることを特徴とする加圧送水ユニットの据え付け方法。
【請求項4】
据え付け場所の躯体面上で主体ベースと補助ベースを継ぎ合わせる前に、前記主体ベースを基礎ボルトで前記躯体面に固定することを特徴とする請求項3に記載の加圧送水ユニットの据え付け方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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