説明

加工機械主軸の探知装置の給電構造

【課題】加工機械主軸における探知装置の給電構造の提供。
【解決手段】加工機械主軸の探知装置の給電構造は、回転可能な回転軸芯12を備え、しかもそれは、若干の発光ダイオード2、太陽電池3、電圧安定器41、主軸センサー43、信号伝送インターフェース44を備え、発光ダイオード2は主軸1の外ケース11内側に固定し、主軸1外部より電源を提供し、発光し、太陽電池3は回転軸芯12外部に固定し、若干の発光ダイオード2の光を受け取り、電力を発生して出力し、電圧安定器41は回転軸芯12中に固定し、太陽電池3の電力を受け取り、電力の電圧を改変し、電圧の安定処理後に出力し、主軸センサー43は回転軸芯12中に固定し、電圧安定器41が出力する電力を受け取り、主軸1が生じる振動、及び熱の状態を探知し、信号伝送インターフェース44は主軸センサー43と相互に連接し、主軸センサー43が探知したデータを、分析機器に伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加工機械主軸の探知装置の給電構造に関し、特に主軸の回転軸芯上に太陽電池を設置し、該太陽電池は、可視光線或いは赤外線の照射を受けると電圧を発生し、主軸外ケース内側には、対応する発光ダイオードを設置し、発光ダイオードの照射により、回転主軸上の太陽電池は安定した電圧を発生し、さらに、この電圧は、電圧安定及び整流器を経て、安定的で信頼性の高いシステム電源を提供することができる加工機械主軸の探知装置の給電構造に関する。
【背景技術】
【0002】
加工機械主軸の回転軸芯上には探知装置を設置し、高価な加工機械の状態を随時モニターしている。特に、高速回転加工テクノロジーの発展に従い、この方面に対するニーズはより明確になって来ている。しかし、回転部品(主軸の回転軸芯)上に、探知装置を設置する技術に関しては、改良が待たれる2点が存在する。1点は、探知信号の無線伝送についてであり、もう1点は、電源供給に関することである。
【0003】
探知信号の無線伝送に関しては、通信産業の急速な発展を鑑みれば、克服には大きな問題がないと考えられる。しかし、もうひとつの問題、電源供給については、解決までにはなお多くの困難が横たわっていると言わざるを得ない。なぜなら、探知装置は主軸の回転軸芯上に設置しなければならないが、一般の電源線は、回転する軸芯上に直接連接することができないからである。回転する軸芯上に連接しなければ、電源線は主軸にからまり、断裂する状況が発生する。上記した問題を解決するため、電源供給探知装置に用いる従来の技術は、2種存在する。一つは、主軸中に電池を設置し、もう一つは、主軸外部に感応コイルを設置し、電磁感応を発生させ、電力を生じるもの(特許文献1参照)である。しかし、両技術共に、やはり欠点が存在する。第一の技術では、電池は交換する必要があり、また設計においても問題があり、主軸を取り外すことさえ、大規模な工程となってしまい、多くの時間とコストの浪費となる。第二の技術では、主軸外部の電磁感応を発生する感応コイルは、体積が過大で、安定性が不良であるという問題がある。特に、主軸が10000回転以上に達する時には、感応コイルの磁力線の牽引を受け、主軸は予期不能な回転速度の上昇を来たす。このため、主軸動バランスに対して重大な影響を及ぼし、この現象を改善するために投入するコストが大幅に増加し、探知装置の必要コストが、さらに拡大してしまう。
【0004】
本発明は、上記した各従来の技術の欠点を改善するため、太陽電池を主軸の給電装置とし、優れた電力の安定性を達成し、しかも太陽電池の重量が極めて軽く、高速回転動のバランスにも問題がない、極めて優れた探知装置の電源供給構造を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許US7289873
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、主軸の回転軸芯上に太陽電池を設置し、該太陽電池は、可視光線の照射を受けると電圧を発生し、主軸外ケース内側には、対応する発光ダイオードを設置し、発光ダイオードの照射により、回転主軸上の太陽電池は安定した電圧を発生し、さらに、この電圧は、電圧安定及び整流器を経て、安定的で信頼性の高いシステム電源を提供することができる加工機械主軸の探知装置の給電構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は下記の加工機械主軸の探知装置の給電構造を提供する。
加工機械主軸の探知装置の給電構造は、回転可能な回転軸芯を備え、しかもそれは、若干の発光ダイオード、太陽電池、電圧安定器、主軸センサー、信号伝送インターフェースを備え、
該発光ダイオードは、加工機械主軸の外ケース内側に固定し、該主軸外部より電源を提供し、発光し、
該太陽電池は、該回転軸芯外部に固定し、該若干の発光ダイオードの光を受け取り、電力を発生して出力し、
該電圧安定器は、該回転軸芯中に固定し、該太陽電池の電力を受け取り、該電力の電圧を改変し、電圧の安定処理後に出力し、
該主軸センサーは、該回転軸芯中に固定し、該電圧安定器が出力する電力を受け取り、該主軸が生じる振動、及び熱の状態を探知し、
該信号伝送インターフェースは、該主軸センサーと相互に連接し、該主軸センサーが探知したデータを、分析機器に伝送する。
【発明の効果】
【0008】
本発明加工機械主軸の探知装置の給電構造は、回転軸芯上に太陽電池を設置し、該太陽電池は可視光線或いは赤外線の照射を受けると電圧を発生し、主軸外ケース内側には、対応する発光ダイオードを設置し、該発光ダイオードの照射により、回転主軸上の太陽電池は安定した電圧を発生し、さらに、この電圧は、電圧安定器、及び整流器を経て、安定的で信頼性の高いシステム電源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明加工機械主軸の探知装置の給電構造模式図である。
【図2】本発明加工機械主軸の探知装置の給電構造において、構造を環状に設計する太陽電池の模式図である。
【図3】本発明加工機械主軸の探知装置の給電構造において、その探知回路の詳細な機能ブロックチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
図1に示すように、本発明加工機械主軸の探知装置の給電構造は、回転可能な回転軸芯12を備える。しかも、回転軸芯12は、若干の発光ダイオード2を備える。発光ダイオード2は、主軸1の外ケース11内側に固定し、主軸1の外ケース11に設置する第一電源線21により、電源を提供し、発光する。若干の発光ダイオード2の種類は、赤色光、緑色光、黄色光、青色光、白色光、或いは赤外線(IR)の内のいずれかである。太陽電池3は、回転軸芯12外部に固定し、若干の発光ダイオード2の光を受け取り、電力を発生し、第二電源線31を経て、探知回路4へと伝送する。図2に合わせて示すように、太陽電池3は、環状構造を呈し、回転軸芯12外部に固定する。しかも、太陽電池3の環状構造は、若干(図は8個を例とする)の板状の太陽電池パネル33で、複数の導線32を利用して、直列接続して構成する。
【0012】
図1、及び本発明の探知回路の詳細な機能ブロックチャートである図3に同時に示すように、探知回路4は、電圧安定器41、整流器42、主軸センサー43、信号伝送インターフェース44を備える。電圧安定器41は、回転軸芯12中に固定し、太陽電池3の電力を受け取り、その電力の電圧を改変し、電圧の安定処理後に出力する。例えば、太陽電池3が出力する電力が、直流5Vであれば、電圧安定器41と整流器42を経て、整流、電流制限、電圧安定の作業を行い、直流3.3V、或いは2.5Vの電力を出力し、主軸センサー43に提供することができる。主軸センサー43は、回転軸芯12中に固定し、電圧安定器41が出力する電力を受け取り、主軸1が生じる振動、及び熱の状態を探知する。整流器42は、電圧安定器41、主軸センサー43と連結する。信号伝送インターフェース44は、主軸センサー43と相互に連接し、主軸センサー43が探知したデータを、分析機器5に伝送する。信号伝送インターフェース44は、無線伝送インターフェースにより構成し、それは、ブルートゥースプロトコル(BlueTooth)、或いは赤外線プロトコル(IR)である。
【0013】
本発明の名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品(構造)の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。
【符号の説明】
【0015】
1 主軸
11 外ケース
12 回転軸芯
2 発光ダイオード
21 第一電源線
3 太陽電池
31 第二電源線
32 導線
33 太陽電池パネル
4 探知回路
41 電圧安定器
42 整流器
43 主軸センサー
44 信号伝送インターフェース
5 分析機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な回転軸芯を備え、しかもそれは、若干の発光ダイオード、太陽電池、電圧安定器、主軸センサー、信号伝送インターフェースを備え、
前記発光ダイオードは、主軸の外ケース内側に固定し、前記主軸外部より電源を提供し、発光し、
前記太陽電池は、前記回転軸芯外部に固定し、前記若干の発光ダイオードの光を受け取り、電力を発生して出力し、
前記電圧安定器は、前記回転軸芯中に固定し、前記太陽電池の電力を受け取り、前記電力の電圧を改変し、電圧の安定処理後に出力し、
前記主軸センサーは、前記回転軸芯中に固定し、前記電圧安定器が出力する電力を受け取り、前記主軸が生じる振動、及び熱の状態を探知し、
前記信号伝送インターフェースは、前記主軸センサーと相互に連接し、前記主軸センサーが探知したデータを、分析機器に伝送することを特徴とする加工機械主軸の探知装置の給電構造。
【請求項2】
前記信号伝送インターフェースは、無線伝送インターフェースにより構成することを特徴とする請求項1に記載の加工機械主軸の探知装置の給電構造。
【請求項3】
前記無線伝送インターフェースは、ブルートゥースプロトコル、或いは赤外線プロトコルにより構成することを特徴とする請求項2に記載の加工機械主軸の探知装置の給電構造。
【請求項4】
前記太陽電池は、環状構造を呈し、前記主軸の回転軸芯外部に固定することを特徴とする請求項1に記載の加工機械主軸の探知装置の給電構造。
【請求項5】
前記太陽電池の環状構造は、若干の板状の太陽電池パネルで、複数の導線を利用して、直列接続して構成することを特徴とする請求項4に記載の加工機械主軸の探知装置の給電構造。
【請求項6】
前記若干の発光ダイオードの種類は、赤色光、緑色光、黄色光、青色光、白色光、或いは赤外線の内のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の加工機械主軸の探知装置の給電構造。
【請求項7】
前記加工機械主軸の探知装置の給電構造は、さらに整流器を備え、
前記整流器は、前記電圧安定器、前記主軸センサーと連結することを特徴とする請求項1に記載の加工機械主軸の探知装置の給電構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−697(P2011−697A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161316(P2009−161316)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】