効率が改善された靴装置
【課題】筋肉疲労の軽減を通じて仕様効率を高めることが可能とれさている靴を提供する。
【解決手段】靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを有している。底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備える。さらに、靴は、ミッドソールとアウトソールとを備えるソールを有する。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、サスペンション要素は、全体が細長い形状を有し得る。サスペンション要素は、さらに、圧縮中心を有しており、圧縮中心はアッパーの少なくとも第1の加重中心及び第2の加重中心にほぼ整列されている。靴は、ユーザーに対して高い効率を与えるためのソール内に配置されたヒンジを有し得る。ヒンジ及びサスペンション要素は、様々な形態をとり得る。ミッドソールに関連したヒンジ及びサスペンション要素の位置及び構造は、同様に様々な形態をとり得る。踵のロッカー形状、踵要素、前足要素及びヒンジのバイオメカニカルな作用は、ストライドの中に低い加重速度で高度に弾力的なサスペンション・システムを生み出すように動的に結合されており、従って、自然な(裸足のような)歩行感を装着者に与える。その結果、ストライドのあらゆる局面における衝撃力を十分に緩和すること、累積的な疲労の軽減及び慢性のトラウマ的な障害の軽減を装着者に与える。靴のサスペンション要素の製造方法も提供され、かつ該方法は長さ、幅及び厚みを有するダイを提供するステップを有し、この長さは、複数のサスペンション要素を受け入れるものであり;サスペンション要素を形成するために、ダイの幅方向周りに、複数のコーティングされたまたは締め出された繊維を巻回する工程;実質的に一体化された形態となるように繊維を乾燥しもしくは硬化させる工程;及び独立したサスペンション要素に複数のサスペンション要素を分離する工程とを備える。
【解決手段】靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを有している。底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備える。さらに、靴は、ミッドソールとアウトソールとを備えるソールを有する。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、サスペンション要素は、全体が細長い形状を有し得る。サスペンション要素は、さらに、圧縮中心を有しており、圧縮中心はアッパーの少なくとも第1の加重中心及び第2の加重中心にほぼ整列されている。靴は、ユーザーに対して高い効率を与えるためのソール内に配置されたヒンジを有し得る。ヒンジ及びサスペンション要素は、様々な形態をとり得る。ミッドソールに関連したヒンジ及びサスペンション要素の位置及び構造は、同様に様々な形態をとり得る。踵のロッカー形状、踵要素、前足要素及びヒンジのバイオメカニカルな作用は、ストライドの中に低い加重速度で高度に弾力的なサスペンション・システムを生み出すように動的に結合されており、従って、自然な(裸足のような)歩行感を装着者に与える。その結果、ストライドのあらゆる局面における衝撃力を十分に緩和すること、累積的な疲労の軽減及び慢性のトラウマ的な障害の軽減を装着者に与える。靴のサスペンション要素の製造方法も提供され、かつ該方法は長さ、幅及び厚みを有するダイを提供するステップを有し、この長さは、複数のサスペンション要素を受け入れるものであり;サスペンション要素を形成するために、ダイの幅方向周りに、複数のコーティングされたまたは締め出された繊維を巻回する工程;実質的に一体化された形態となるように繊維を乾燥しもしくは硬化させる工程;及び独立したサスペンション要素に複数のサスペンション要素を分離する工程とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経筋肉の疲労を軽減する効果が高められた靴に関する。より詳細には、本発明は、靴を使用する際の効率を高めるための前足ヒンジ及び/または1以上のサスペンジョン要素を用いた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の靴は、靴を履く者の足を受け入れるアッパーとアッパーに連結されている、ミッドソール及びアウターソールを有するソールとを備える。アッパーは、靴を履く者のつま先と足の前方部分を受け入れる前方部と、装着者の踵を含む装着者の足の後方部分を受け入れる後方部とを有する。装着者が歩いたり、走ったりすると、装着者の身体の加重が装着者の各脚部の2つの別々の位置に主として加わることとなる。特に、装着者が歩いたり走ったりすると、装着者は彼のもしくは彼女の第1の足に沿って一方の脚部を進め、靴のアウターソールが地面に接触すると、第1の足の踵が下向きの力すなわち加重を加え、このような力の中心は第1の足の踵の中心から主として加えられることになる。第1の足の後方部によって加えられる力の中心は、後方加重中心であると考えることができる。
【0003】
脚部がこの前方位置から胴体の下方であって胴体の後方位置に移動すると、第1の足の踵から加えられる上記力すなわち加重は、小さくなり、第1の足の前方部に移動することとなる。次に、上記加重は、前方加重中心に移動する。第1の足の前方部は、前方加重中心を有している。この前方加重中心は、つま先にほぼ平行な経路内において足の「母指球」の中心から足の外側に向かって、延びる直線にほぼ沿って延びている。
【0004】
長い時間、距離あるいはこれらの双方の間、歩行、ランニング及び他の活動に靴を用いると、足、脚部及び胴体の少なくとも筋肉、腱、靱帯及び軟骨の疲労を装着者にもたらすことがある。この疲労は、従来の靴材料における加重の変化速度すなわち「ボトムアウト」の変化による衝撃力のような様々なファクターによりもたらされ得るものである。
【0005】
ランニングマシーンにおける近年の研究(1997年のドクター ベノ、M.Nigg による「ランニングにおける衝撃力(Impact Forces in Running)参照」)は、ランニング中に加えられる衝撃力の強度及び加えられる期間のいずれもがランニングによる疲労や障害の主な理由ではないことを説明している。ランニング中の有害な要素は、「筋肉の同調」として知られている生理学的同調メカニズムにある。筋肉の同調は、それぞれの初期局面の間に筋肉に加わる衝撃力における鋭い立ち上がりに対する肉体の応答である。衝撃力が急速に加わると、現在のランニングシューズにおいてはストライドの間に、次第に肉体の柔らかい組織、より大きな筋肉群及び内部組織が、急速に加えられた衝撃力に応答して揺れたり、振動したりするのを肉体の大きな筋肉群が防止するように働く。この筋肉の同調作用は、各々のランナーの生理学的かつ肉体的なプローファイルによって変化するものである。
【0006】
筋肉の同調は、局部的な神経筋肉疲労の源である。筋肉の同調に影響するファクターとしては、少なくとも、ストライドの長さ、強度、循環器系のフィットネスレベル、体重指数、体重、疲労レベル及び組織水和レベルが挙げられる。筋肉の同調作用は、しばしば全く明白であり、累積的な疲労及び持久力の低下をもたらす。これらの同じストライド力は、疲労骨折の支配的な要因であるとも関係づけられてきている。従って、装着者が最も小さな筋肉同調作用及び最も小さな筋肉疲労でストライドすることを可能とするような靴が望ましい。しかしながら、従来の靴は、筋肉同調作用を極小化するように衝撃力を制御するものではない。疲労を軽減するための試みとして幾つかの矯正法が行われている。
【0007】
クローリーに与えられた1989年11月21日発行のアメリカ合衆国特許第4,881,329は、エネルギー蓄積ばねを有するアスレチック用の靴に向けられたものである。クローリーは、靴のミッドソールの踵位置内に位置決めされたばねを開示している。踵は従来の形状を有するものである。上記ばねの上方及び下方のミッドソール材料を用いることにより、ばねの有効性を低減している。さらに、ミッドソール内の側方に位置するようにばね要素の位置を限定することにより、安定性についての課題をもたらすことができるとされている。
【0008】
クラフサー(Krafsur)達に与えられた2001年9月4日発行のアメリカ合衆国特許US6,282,814B1は、ばねによるクッションが備えられた靴に関する。クラフサー達は靴アセンブリーを開示しており、この靴アセンブリーは、アセンブリーの踵部分に設けられた空間内に配置された第1のばねと、該アセンブリーのボール部分の空間内に配置された第2のばねとを有している。これらの空間は、靴のミッドソール内に存在する。ばねは、「波(wave)」ばねであり、金属材料からなり、これらのばねにより、靴は重くなり、かつ柔軟性を有しておらず、従って靴の効率を低下させ得るものである。
【0009】
リンド(Lindh)達に対して1990年3月27日に発行されたアメリカ合衆国特許第4,910,884は、ばね装置が組み込まれた靴のソールに関する。リンド達は、アッパー側に空洞を有する靴のソールを開示している。2本の楕円状ばねが空間内に完全に配置されており、該空間内にきっちりと、しかし自由に適合している。柔軟性を有するブリッジ片がこれらのスプリング間にかけ渡されている。このブリッジは、均一な厚みの平坦なばねであり、ソールのキャビティ内において自由に、しかしながら密接するように、キャビティの平面形状に合致した平面形状を有している。この構造は、少なくともクローリーの構成における低抗率性に苦しむものであり、さらに使用者の足に所望でない緊張を与え得るものであり、製造が困難であり、ばねがソールと一体化されていないことを考慮すると、靴に対しての密着感(一体感)が欠如する。これらが従来の靴の性能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、これら及び他の問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを有し、該底部壁は、上面と下面とを有し、上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。さらに、この靴は、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状を有するサスペンション要素を備えており、その少なくとも一部が略水平方向に延びる前記底部壁の下面に接続されている。該サスペンション要素は圧縮中心を有しており、圧縮中心は、アッパーの上記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。
【0012】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。さらに、この靴は、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えており、ミッドソールは全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えている。圧縮中心は、アッパーの上記第1及び第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。サスペンション要素は、さらに、第1の端部及び第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを備えており、第1及び第2のサスペンション・アームの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1の側部及び第2の側部と、これらの間の中央サスペンション領域とを形成している。上記中央サスペンション領域は、低密度の発泡体により、少なくとも部分的に充填されている。
【0013】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを有しており、底部壁は上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソール及びアウトソールを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えており、圧縮中心はアッパーの加重の上記第1,第2の中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。このサスペンション要素は、さらに、第1の側部と第2の側部とを有し、第1の側部及び第2の側部の少なくとも一部が、ほぼコーンケーブ形状を有し、該コーンケーブ形状は、平面視したときに靴を長さ方向に二等分する直線に向かうように内側に向いている。
【0014】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えている。圧縮中心は、アッパーの加重の前記第1及び第2の中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、かつ全体が細長い形状は、平坦な上方領域を有している。
【0015】
さらに他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。下方サスペンション・アームは、下方に延びるコンベックス領域を有しており、該コンベックス領域は、第1,第2の側部間の距離の少なくとも一部の部分にわたっている。
【0016】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。上記サスペンション要素は、さらに、複数の繊維と繊維密度を有している。この繊維密度は、上記サスペンション要素の少なくとも一方あるいは他方位置内における繊維密度体に対して、第1,第2の側の少なくとも一方により高く近接している。
【0017】
さらに他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。上記サスペンション要素は、さらに、複数の繊維と繊維密度を有している。複数の繊維は前記第1及び第2の側に対して平行及び垂直の少なくとも一方の形態でほぼ配置されている。
【0018】
さらに他の実施形態では、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。上記サスペンションエレメントは、さらに、第1の上方サスペンション・アーム内の第1及び第2の側の少なくとも一方に隣接するように位置決めされた開口を備えている。
【0019】
さらに他の実施形態では、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。上記サスペンション要素は、前記第1及び第2の側の少なくとも一方に近接するように配置された第1のモールディングを備えている。
【0020】
さらに他の実施形態では、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。靴は、さらに、上記サスペンション要素の第1,第2のサスペンション部材間に加重を分散させるために、サスペンション要素とアッパーとの間に位置決めされた縁支持体を備えている。
【0021】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状を有するサスペンション要素を備えており、サスペンション要素の少なくとも一部がアウトソールに接続されている。サスペンション要素は、圧縮中心を有している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1及び第2の中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。
【0022】
さらに他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部を有するサスペンションエレメントを備える。圧縮中心は、アッパーの加重の第1及び第2の中心の少なくとも一方に整列されている。ミッドソールは、側方輪郭部を備えている。側方部の少なくとも一方がミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部に続いている。
【0023】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えている。圧縮中心は、アッパーの加重の第1及び第2の中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。ミッドソールは、側方輪郭部を備えている。側方部の少なくとも一方が、ミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部を越えて側方に延びている。
【0024】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えている。ミッドソールは側方輪郭部を備えている。下方の側方部の内の少なくとも一方は、アッパーの側方部の少なくとも一方を超えて側方に延びている。
【0025】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は上面と下面とを有し、前記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域を有しており、前方領域は幅を有しており、前方加重中心は、前記幅からある角度で前方加重中心の幅を横切っている直線により表されており、かつ前記アッパーは、後方加重中心を有する後方領域を備えている。靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えており、ミッドソールは全体が細長い形状を有するサスペンション要素と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを備えており、圧縮中心が第1の側方部から第2の側方部に向かってサスペンション要素を横切っており、かつ圧縮中心は、前方加重中心にほぼ整列されている。
【0026】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。靴は、さらにアッパーに連結されたソールを備えており、該ソールは、ソールの横幅方向に延び、かつほぼ垂直方向に延びるヒンジスリットを備えている。このヒンジスリットは、水平方向部分と、垂直方向部分とを有している。該ヒンジスリットは、ソールの底面からソールの垂直部分の少なくとも20%を通り延びている。ヒンジ・スリットの水平方向部分の少なくとも一部が、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、平面視した際の加重の前方中心との間に位置決めされている。
【0027】
他の実施形態では、靴は、ほぼ水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。靴は、さらに、アッパーに連結されたソールを備えており、該ソールは、ソールの横幅に延びる開放可能なギャップを有している。開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、ソールの底面から垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る圧縮要素の上面の少なくとも一部にほぼ続く経路に沿って延びている。開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が前方加重中心と後方中心との間の中点と、平面視したときの前方加重中心との間に位置決めされている。
【0028】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。さらに、アッパーに連結されたソールを備えており、該ソールは、ソールの横幅に延びる開放可能なギャップを有している。開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、ソールの底面から垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る圧縮要素の上面の少なくとも一部にほぼ続く経路に沿って延びている。開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が前方加重中心と後方中心との間の中点と、平面視したときの前方加重中心との間に位置決めされている。解放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が、底面から見た場合、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている。
【0029】
他の実施形態は、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。さらに、靴は、アッパーに接続されたソールをさらに備え、かつ該ソールは、ソールの横幅に渡って延びる解放可能なギャップを備えている。開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有し、かつサスペンション要素の上面の少なくとも一部にほぼ続く経路に沿って延びている。
【0030】
本明細書においては靴用のサスペンション要素の製造方法も説明される。この方法は、長さと、幅と、厚みとを有し、複数のサスペンション要素を受け入れる長さを有するダイを供給する工程を備える。この方法は、さらに、サスペンション要素を形成するためにダイの幅の周りにコーティングされたあるいは締め出された複数の繊維を巻き付け、繊維を乾燥もしくは硬化させてほぼ一体的な形態とし、複数のサスペンション要素を独立したサスペンション要素に分離する各工程を備えている。
【0031】
他の実施形態では、靴は、サスペンション要素の上面及び下面に埋め込まれ、あるいは形成された縁を有するサスペンション要素を備えている。
【0032】
他の実施形態では、靴は、踵及び使用者の足の少なくとも第1の中足骨球を少なくとも受け入れるように、ソールの上面に、形状を有するポケット、凹部または受け入れ領域を備えている。
【0033】
他の実施形態では、靴は、サスペンション要素の圧縮中心領域内に、第1の側方部から第1の側方部に延びる発泡部材を有するサスペンション要素を備えている。この発泡部材は、オーバートラベル(over-travel)緩衝材の形態を有していてもよく、サスペンション要素に対する過剰な損傷を極小化するために、サスペンション要素の下方内面にのみ連結されている。
【0034】
他の実施形態では、靴は、アッパーとミッドソールとを備えている。ミッドソールは、踵の後方部分または後方部分近傍の輪郭において、角部や鋭い断熱部が存在せず、円滑かつ連続的な曲線もしくは円弧の形態で、踵の中心から踵の後方に延びる弧状もしくは楕円状の経路となる下面形状すなわち下面輪郭部を有している。この輪郭部は、裸足のスライドのようなより自然な足つきを容易とする。
【0035】
従来の踵は、靴のアッパーの後方における踵輪郭部に直ちに導く垂直方向セグメントに結合された踵後方端部において、通常90°の角度をなす断裂部を備えた踵中心下方に長手方向かつ水平方向に延びるセグメントを有する。本発明の実施形態は、踵の中心からミッドソールの上面後方に至る連続的なカーブを特徴としており、水平方向セグメント及び垂直方向セグメント並びに水平方向面内に明らかな断裂部を有しないことを特徴とする。
【0036】
本発明の他の特徴及び効果は、添付の図面を参照して行われる以下の明細書により明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明は多くの様々な形の実施形態として実現され得るが、好ましい実施形態が図面及び本明細書において示され、かつ述べられるが、本明細書の開示内容は発明の本質の例示であるとみなされるべきであり、本願発明の広い局面は示されている実施形態に限定されるものではない。
【0038】
本発明の複合サスペンション要素は、単純化された意味においても「スプリング」ではない。以下においてさらに議論するように、上記複合サスペンション要素の機能は、ストライドの間の加重の速度の変化を小さく、あるいは0とするために、装着者を直線的な形態で導きかつ減速することにある。このサスペンション要素は、単一の複合体であってもよく、あるいは2つの半体、すなわち上方部分及び下方部分からなるものであってもよく、その場合には、エレメントの重量を若干増加させるが、より直線的かつ効果的なサスペンション機能を与えることができる。装着品質及び動きを制御するためには、サスペンション要素は、小さなカットアウト(cutouts)、縁部、屈曲によるフレックスパターンを変化させるための形状すなわち非対称のファイバーの位置決めを特徴とし、以下においてこれらはより詳細に述べられるであろう。任意に、圧縮可能な弾性発泡体からなる小さな柱部(カラム)すなわち形状が、安定性、pronationまたはsupinationのために、運動を制御するのに用いられ得る。
【0039】
従来のフットウエアにおいて用いられている発泡材料、例えば、NIKEにより製造されているSHOX靴において用いられているような材料は、ヒステリシスが高い材料である。この先行技術の材料は、圧縮された状態から比較的ゆっくりと膨張する。従って、発泡ミッドソールは、装着者に対して、より鈍く、応答性が良好でない印象を与える。本発明で用いられる複合材料は、よりヒステリシスが低い材料である。より低いヒステリシスの材料は、たわまされた位置からより早く復帰する。従って、本発明の靴は、装着者に対して、生き生きとしておりかつエネルギー的な感じを与える。
【0040】
また、本発明は、装着者が、ストライドの間、加重の速度変化を非常に小さくもしくは0とすることを経験することを可能とする。これは、筋持久力を極大化し、かつ疲労を極小化する最適な条件である。これに対して、従来のフットウエア材料は、加重速度がより高く、それによって、脚部、背中及び腱の大きな筋肉群がより激しく動き、より早く疲労することとなる。
【0041】
さらに、本発明の靴は、フルサスペンションの自転車のように非常にサスペンションに富んでおり、装着者のストライドのエネルギー及び動きをダイナミックに結合し、それによって、装着者が「裸足の歩き振り」を達成することとなる。装着者のストライドは、芝生や他の柔らかな表面上での裸足のストライドの感覚に似ている。踵において上方に回転された振り子(rocker、ロッカー)を備えたソール形状は、このフットウエアにおいて裸足のストライドを容易とする。ストライドは、矯正されておらず、自然であり、装着者に最も効果的である。これに対して、従来の靴は、装着者が靴のバイオをメカニックスに適合させることを強いるものであり、人間の快適性をしばしば損なうものである。
【0042】
本発明の靴は、また、靴の効果を改善するための前足ヒンジ部すなわち、開放可能なギャップを有している。このヒンジは、装着者のヒール・インからトゥ・オフまでのストライドにダイナミックな動きを与えるために上記サスペンション要素に連結され得る。ヒンジ及びサスペンション要素は単独で及び/または共同して、このシステムに高度の柔軟性をもたらす。従って、裸足による歩行と類似した自然な歩き振りが提供され、足の土踏まず、アキレス腱、ふくら脛及び/またはハムストリングの疲労や障害を軽減する。
【0043】
図1及び図2を参照して、アッパー110を有する靴100が示されている。アッパー110は、ほぼ水平方向に延びる底部壁120を有する。底部壁120は、上面130と下面132とを有する。アッパー110は、前方加重中心142を有する前方領域140と、後方加重中心152を有する後方領域150とを備えている。靴100は、さらに、ミッドソール166とアウトソール168とを有するソール160を有する。ミッドソール166及びアウトソール168部分は、プラスチック、EVA発泡体、ゴム及び他の公知の材料のような様々な公知の材料により形成することができる。
【0044】
図1及び図2の実施形態において、第1のサスペンション要素170と、第2のサスペンション要素180とは、ミッドソール内に一体化されている。サスペンション要素170,180は、全体的に細長い形状を有する。示されている実施形態では、第2のサスペンション要素180の少なくとも一部が、全体的に水平方向に延びる底部壁120の下方表面132に接続されている。第1,第2のサスペンション要素170,180のそれぞれは、圧縮中心172,182をそれぞれ、有する。圧縮中心172,182は、アッパー110の各加重中心142,152にほぼ整列されている。靴100を使用している間にユーザーの加重が加わると、サスペンション要素170,180は圧縮される。図11に関連して以下において詳細に示しかつ述べるように、サスペンション要素170,180は、加重/衝撃力が、従来の靴に比べて、より直線的に加わりかつより対称的に解放されることを可能とする。サスペンション要素170,180の好ましい形状は、長円、すなわち楕円形状である。しかしながら、以下においてより詳細に示しかつ述べるように、サスペンション要素170,180は、様々な形状及び構造を有するものであってもよい。
【0045】
図1及び図2の実施形態においては、靴100は、好ましくは、靴100のソール160がユーザーの足の自然な曲がりに応じてより自然に曲がることを可能とするために、ヒンジ190と開放可能なギャップ194とを有する。図1の実施形態では、靴100は、靴100のユーザーが靴100の踵を地面2に接触させた後、かつユーザーが地面2から初期角度20をなすように踵を最初に持ち上げ始めた後の位置にある。図2の実施形態では、靴は、靴100のユーザーが地面2から靴の踵をつま先角度22をなすように十分に持ち上げた後の位置にある。ユーザーが歩行もしくは走行スライドで移動すると、初期角度20はつま先角度22に増加し、かつ開放可能なギャップ194は、図1に示されているようにほぼ閉じられた開放可能なギャップ194から、図2に示されているように、開いた状態の開放可能なギャップ194へと移行する。靴100及びソール160は歩行/走行スライドの間に屈曲するので、ヒンジ190及び開放可能なギャップ194はユーザーの足への応力を軽減することを補助する。従って、これらの応力の軽減により、筋肉疲労の軽減が促進され、かつ靴100の効率が改善される。
【0046】
図40及び図42に関連して以下においてより詳細に説明するように、靴100の前方領域140のサスペンション要素170は、他の図面と組み合わされた少なくとも図1から理解され得るように、(図示しない)平面視において靴の中心を靴の長さ方向に降下する直線に対しほぼ直交する角度でミッドソールに一体化され得る。あるいは、靴100の前方領域140のサスペンション要素170は、少なくとも図8から理解され得るように、(図示しない)平面視において靴の中心を靴の長さ方向に通る直線に対し直交する角度以外の角度で、ミッドソール内に一体化されてもよい。この場合、前方加重中心は、ある角度で前方加重中心の幅を横切る直線により表され得る。この角度は、(図示しない)平面視した場合に靴の中心を靴の長さ方向に通る直線に直交する直線に対する角度であり、この直線は、ユーザーの足により加えられる力についての前方加重中心の全横に追随する。前方圧縮中心172は、従って、アッパー110の全幅を横切る前方加重中心142にほぼ整列されており、かつ最大エネルギー効率及び最大疲労軽減効果を達成するように位置決めされ得る。図1及び図2の実施形態では、アウトソール168は、それぞれ、ミッドソール166のサスペンション要素170,180の下方外側表面174,184に接続されている。
【0047】
少なくとも図1及び図2に示す実施形態では、開放可能なギャップすなわちヒンジスリット194は、ソール160の側方幅を超えていてもよい。開放可能なギャップ194は、水平方向部と垂直方向部とを有することができ、かつサスペンション要素170の上面176の少なくとも一部にほぼ続く経路に沿って延びていてもよい。
【0048】
図2のつま先の振り子(ロッカー)側面形状は、サスペンション要素に流れ込み、かつ踵の側面形状は楕円形のサスペンション要素180に続く振り子(ロッカー)の外形を立体的に含んでいる。図2のある特定の実施形態では、図46は、特定の寸法のミッドソール166及びサスペンション要素170,180が備えられたテスト用の靴のミッドソール166を示している。この実施形態では、ミッドソール166は、示されているミッドソール166と同様の寸法を有し、サスペンション要素170,180を用いることなく使用され得る。図46における寸法は、構成要素ではない数字ではあるが、本実施形態についてはミリメートルで示されている。この寸法は例示的なものであり、本発明を満たす唯一のものではない。ミッドソール166の踵部分の寸法は、本発明のつま先、ロッカーの側面形状の指標的なものである。ロッカーの輪郭は、踵部分のアウトソール168に沿う連続的な曲線により示されている。サスペンション要素180とともに、あるいはサスペンション要素180を用いることなく、この曲線は、連続的なスムースな湾曲部もしくは弧の形態で踵の中心から踵の後方端まで延びる円弧状もしくは楕円形状の経路に続いており、改善されたランニング効率を与え、かつより自然な足どりを容易とする。従って、図2及び図46におけるアウトソールは少なくとも後方加重中心182から後方端990までのほぼ連続的な円弧状の湾曲部を備えた踵部分を有する。ある特定の実施形態では、後方サスペンション要素180の下方外側表面184の半径は85mmである。アウトソールは、この湾曲部に同様の半径で続いており、アウトソールの厚みを考慮すると、図46に示す実施形態では、該半径は約4mmである。ある特定の実施形態では、前方サスペンション要素170の下方外側表面174の半径は130mmである。アウトソールは、この湾曲部に同様の半径で続いており、アウトソールの厚みを考慮すると、該半径は図46に示す実施形態では、前方サスペンション要素の領域では約4mmであり、靴の前方端に向かうと約1.2mmに狭められている。
【0049】
少なくとも図3及び図4に示されている実施形態に関し、これらの実施形態は、図1及び図2の実施形態の特徴の幾つかを有しているが、第1のサスペンション要素を有していない。図3及び図4に示されている靴100の実施形態は、代わりに、ヒンジ190と開放可能なギャップ194とを有しており、これらは様々な向きを有するように配置されており、かつ様々な垂直方向部及び/または水平方向部を有している。特に、図3の開放可能なギャップ194は、アウトソール168及びその近傍に位置された開始部としての垂直方向部を備えており、これはソールの横幅に至っていてもよい。次に、開放可能なギャップは、曲線部を有しており、かつほぼ水平方向に延びる部分を備えており、この部分は、ほぼ垂直方向に延びる部分により、アッパー110の底面132の近傍で終了している。従って、ヒンジスリット194は、垂直方向において、ソール160の底面168から、ソール160の少なくとも10%または少なくとも20%の部分を通過するように延びている。ヒンジスリット194の水平方向部の少なくとも一部が、前方加重中心142及び後方加重中心152間の中点と、前方加重中心142との間に位置されている。
【0050】
図1の前方サスペンション要素と同様に、少なくとも図8を観察することによりさらに理解され得るように、開放可能なギャップすなわちヒンジスリット194及び/またはヒンジ190は、(図示しない)平面視の場合に靴の中心を靴の長さ方向に降下する直線にほぼ直交する角度でミッドソール166及びアウトソール168内に一体化され得る。あるいは、靴100の前方領域140の開放可能なギャップすなわちヒンジスリット194及び/またはヒンジ190は、少なくとも図8から理解され得るように、(図示しない)平面視の場合に靴の中心を長さ方向に降下する直線に直交する角度とは異なる角度で、ミッドソール166及びアウトソール168内に一体化され得る。この形態では、前方加重中心は、ある角度で前方加重中心の幅を横切る直線により表され得る。この角度は、(図示しない)平面視した場合に、靴の中心を長さ方向に降下する直線に対して直交する直線に対して形成され、該直線は、ユーザーの足に加えられる力についての前方加重中心の全横に続く。図3に示すように、ヒンジ190は、前方加重中心142に近接して配置されており、かつ好ましくは、ユーザーの足の自然な屈曲と、靴100のソール160の前方領域140の幅を横切る各加重に応じてヒンジ190を整列させるために、(図示しない)平面視した場合に、靴の中心を靴の長さ方向に降下する直線に対して、直交する角度または直交する角度以外の他の角度で、アッパー110の全幅を横切るように延びている(少なくとも図8参照)。
【0051】
図5を参照して、靴100のさらなる実施形態がサスペンション要素170のさらなる実施形態とともに示されている。特に、サスペンション要素170は、全体が細長くされており、かつ上方アーム260と、下方アーム262とを有している。上方アーム260は、第1の上方部分280を有し、下方アーム262は突出部278を有している。第1の上方部分280は、靴100の前方領域140の全側方幅を横切って延びることができる。サスペンション要素170は、(以下において図示されかつ説明される)第1,第2の側方部を有している。突出部278は、(第1の側方部から第2の側方部へ)靴100の前方領域140の全側方幅を横切って延びていてもよく、あるいは、突出部278は、図23に示されているように、円錐形状の一部を形成し得る第1,第2の突出部278に分割されていてもよい。サスペンション要素170のこれらの特徴は、サスペンション要素170と全体の靴100を調整して、靴100の特定的なユーザー及び特定的な使用に対してより効果的な靴100を実現することができる。図5の靴100は、ユーザーの足の自然な曲がりに応じた靴100の改善された屈曲性を実現するために、ヒンジ190及びヒンジスリットすなわち開放可能ギャップ194を有する。先の実施形態で示したように、アウトソール168は、下方アーム、本実施形態では、サスペンション要素170の突出部278に接続されている。さらに、サスペンション要素170の圧縮中心172は、靴100の前方加重中心142にほぼ整列されており、本実施形態では、圧縮中心172は、平坦な上方部分280の中心及び突出部278をほぼ通っていてもよい。
【0052】
図6の靴100の実施形態は、前述した実施形態の多くの特徴を有し得るものであるが、より単純化した形態である。特に、図6の靴100は、ほぼ細長いサスペンション要素170を有しており、これは、アウトソール168に接続され得る。サスペンション要素170は、圧縮中心172を有しており、該圧縮中心172は、前方加重中心142にほぼ整列されている。前述した全ての実施形態で示されているように、サスペンション要素170の側方部は、靴100の側面図において見ることができる。靴100内で用いられるより、幅広のサスペンション要素170は、靴100の安定性を高め得る。さらに、サスペンション要素170の側方部を側面図で視認し得ることは、その横の幅がミッドソール166の側方に対して少なくとも同一面にあることを示す。
【0053】
図7、8及び9の靴100の実施形態に関し、靴100は、前述した実施形態と同様の特徴を有している。
【0054】
しかしながら、上記サスペンション要素は、それぞれ、第1のサスペンション部材と、第2のサスペンション部材とを備えており、各サスペンション部材は、全体が細長い形状を有している。特に、図7における第1のサスペンション要素170は、第1のサスペンション部材300と、第2のサスペンション部材310とを有する。同様に、図7の第2のサスペンション要素180は、第1のサスペンション部材320と、第2のサスペンション部材330とを有する。第1の縁支持部材305が、アッパー110の前方領域140内においてユーザーの足を支えることを補助するために設けられている。この第1の縁支持部材305は、第1のサスペンション部材300及び第2のサスペンション部材310間の領域において生じている加重を分散する。第1及び第2のサスペンション部材300,310は、靴100のユーザーのストライド内において多少の加重が生じる部分に関連したそれぞれの位置を補正するために、異なる構成を有していてもよい。例えば、第1のサスペンション部材300がより少ない繊維により形成されていてもよく、前方加重中心142の前方で生じる加重が小さい可能性を考慮して、十分な圧縮状態が生じる以前のより低いしきい値を有していてもよい。同様に、第2のサスペンション部材310は、より多くの繊維を含むように形成されることができ、及び/または、大きな圧縮力が生じるような、逆に設計者及びユーザーのニーズに応じて、より高いしきい値を有するようにより強くされ得る。同様に、第2の縁支持部材325は、アッパー110の後方領域150内においてユーザーの足を支えるのを補助するために設けられている。第2の縁支持部材325は、第1のサスペンション部材320及び第2のサスペンション部材330間の上記領域において生じる加重を分散する。第1,第2のサスペンション部材320,330は、靴100のユーザーのストライド内において多かれ少なかれ加重が生じる位置に関連づけられたそれぞれの位置を補正するために、異なる組成を有していてもよい。例えば、第1のサスペンション部材320は、より少ない繊維を用いて形成されていてもよく、かつ後方加重中心152の前方において加重が生じる可能性が低いことを考慮して、十分な圧縮力が生じるようなより低いしきい値を有していてもよい。同様に、第2のサスペンション部材330は、より多くの繊維を用いて形成されていてもよく、及び/または、大きな圧縮力が生じるように、あるいは設計者及びユーザーのニーズに応じて、より高いしきい値を備えて、より強くされていてもよい。
【0055】
各サスペンション部材300,310,320,330は、第1の端部及び第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有している。各第1,第2のサスペンション部材の各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部は、各サスペンション部材300,310,320,330を形成するように相互に接続されている。各部材は、各第1,第2の上方及び下方サスペンションアーム間の中央サスペンション領域を有している。先に説明した実施形態の場合のように、第1,第2の圧縮中心172,182は、それぞれ、第1,第2の加重中心142,152にほぼ整列されている。図示の実施形態では、支持部材305,325が、アッパー110の底部壁(すなわち、靴インサート)120の下面132に接続されている。図7の靴100は、さらに、前述した実施形態においてほぼ示されており、かつ述べられているように、ヒンジ190及び開放可能なギャップ194を有している。
【0056】
図8の靴100の実施形態をより詳細に参照して、靴100の後方領域150すなわち後方部分は、図7の靴100の後方領域すなわち後方部分に類似している。さらに、ヒンジ190と、開放可能なギャップ194についての他の形態が靴100のソール160内に位置されていることを除いては、図8の靴100の前方領域140すなわち前方部分は、図7の靴100の前方領域140すなわち前方部分に類似している。先に簡単に説明したように、かつ図40及び図42に示すように、第1のサスペンション要素は、第1の、すなわち前方サスペンション要素170の幅340すなわち圧縮中心340を横切ることができる。第1のサスペンション要素170は、第1の上方アーム370と第2の下方アーム372とを有しており、これらは、それぞれ、サスペンション要素170を形成するために相互に接続されている第1,第2の端部を有している。図8のある実施形態において述べたように、サスペンション要素170は、靴100の前方領域140の幅を横切っており、かつサスペンション要素170の幅は靴100の幅を横切っている第1の端部342及び第2の端部344により示されている。本実施形態では、サスペンション要素170の圧縮中心340は、靴の中心を通る靴100の長さ方向に延びる直線960に対して直交する角度をなしている。図8の他の実施形態では、サスペンション要素170は靴100の前方領域140を横切っており、サスペンション要素170の幅は、代わりに、靴100の幅方向を横切っている第1の端部352及び第2の端部354により示されているが、靴100の前方領域140の幅340に対し角度982をなしている。本実施形態では、サスペンション要素170の圧縮中心350は、靴100の長さ方向に延びる直線960に対して直交する方向以外の角度980をなしている。この他の実施形態では、疲労軽減効果を改善するため及び靴100の効率を改善するために、圧縮中心はユーザーの足の自然な屈曲に追随している。
【0057】
図9の靴100の実施形態を参照して、靴100の後方領域150すなわち後方部分は、図3及び図4の靴100の後方領域150及び後方部分に類似している。さらに、図9の靴100の前方領域140すなわち前方部分は、ヒンジ190及び開放可能なギャップ194の他の形態が靴100のソール160内に位置されていることを除いては、図7の靴100の前方領域140すなわち前方部分に類似している。
【0058】
図10の靴100の実施形態を参照して、靴100の後方領域150すなわち後方部分は、図5及び図6の靴100の後方領域150すなわち後方部分に類似している。さらに、図9の靴100の前方領域140及び前方部分は、図1及び図2の靴100の前方領域140すなわち前方部分に類似している。しかしながら、ギャップ突出部380及び凹部382が、開放可能なギャップ184が、くずやごみが開放可能なギャップ194に入ることを防止するために設けられている。ギャップ突出部380及び凹部382は、ミッドソール166内、アウトソール168の一部としての、あるいはこれらの双方の組み合わせとして、開放可能なギャップ194の開口に近接して位置決めされ得る。図10に示されているように、ギャップ突出部380は、サスペンション要素自身の一部であり、これはサスペンション要素170の第1の上方アームの幅方向を横切っている。また、突出部380は、サスペンション要素170のアーム端部に位置され得る。ギャップ突出部380は、あるいは、開放可能なギャップの構成に応じて、サスペンション要素170の代わりにミッドソールの一部であってもよい。さらに、ある実施形態では、凹部382がミッドソール内であって、しかしながら、アウトソール168内であってもよく、これらの双方のソール内であってもよいが、これらの位置に位置決めされている。ギャップ突出部380及び凹部382は、四角形または円筒形のような様々な形状とされ得る。さらに、複数のギャップ突出部及び凹部が(図示されていないが)設けられていてもよく、これらは開放可能なギャップにくずやごみが入ることを防止する効果を高め得る。
【0059】
図11を参照して、ミッドソールへの衝撃力を比較したグラフが示されており、これは、従来のミッドソールについての理論的なミッドソール衝撃力曲線と、本発明の靴についての理論的なミッドソール衝撃力曲線とを表している。特に、従来のミッドソールについての第1の力曲線400は、本発明の靴について第2の力曲線410に比べて、靴についてのランナーのストライドにおけるヒール・イン部分がかなり大きなレベルの衝撃力を受けていることを示している。言い換えれば、従来の靴は、力曲線においてより早いピークを示しており、これは、達成可能のために筋肉同調作用を引き起こしており、脚部、胴体及び背中の大きな筋肉群のオーバーワークに繋がっている。ランナーのストライドにおける中間足部分が到達すると、力曲線は収れんしている。しかしながら、ストライド毎に、有害な衝撃力による損傷が生じた。本発明の靴を用いたランナーのストライドでは、第2の力曲線410がより対称的であり、ランナーのストライドの中間足部分においてピークとなっている。第2の力曲線410は、次第に高くなり、より対称的に下降し、これは、典型的な走行よりも楕円形的なトレーニングシューズのような感じを幾分与える。筋肉同調作用は、神経筋肉の疲労の軽減に応じて減衰する。
【0060】
第1及び第2のサスペンション要素170,180を備えた本発明の靴100の好ましい実施形態は、ミッドソールがランナーの典型的なストライドの間歪んでいる間に、線形的な加重速度を与えるように設計されている。第2の力曲線410に関連づけられるこのより低い加重速度及び同時的な「サスペンションによる移動」は、歩行及びランニングにおける筋肉同調作用の期間及び程度を小さくするように作用する。これらの実施形態の1つの目的は、サスペンション要素のみがストライドの間歪むことである。ミッドソールの残りの部分のような靴の他の部分は、効率を高めるためには、極小的に圧縮され得るものである。衝撃力及び他の障害に対する「筋肉同調」反応を軽減することを試みる場合、この構成が好ましい。
【0061】
図12〜33は、本発明の靴の様々な実施形態において用いるためのサスペンション要素170,180(またはサスペンション部材300,310,320,330)の他の様々な実施形態を示す。これらの実施形態の全ては、第1の上方サスペンションアーム500及び第2の下方サスペンションアーム510を有するものとみなされ得る。各サスペンションアーム500,510は、第1の端部520と第2の端部530とを有しており、各第1の端部520及び各第2の端部530あるいは第1,第2のアーム500,510は、第1,第2の側方部540,542を形成するように相互に接続されており、かつこれらの間の中空サスペンション領域550がサスペンション要素170,180の第1の側方部540から第2の側方部542に延びている。サスペンション要素170,180は、第1,第2のアーム500,510のそれぞれを用意し、次に、第1,第2の端部520,530においてアーム500,510を接合することにより製造され得る。しかしながら、代わりに、サスペンション要素170,180は、以下においてより詳細に説明されかつ図27において示されているように、単一の一体的なピースまたは構造として製造される。サスペンション要素170,180のそれぞれは、圧縮中心560を有する。これらの図面に示されているサスペンション要素170,180の実施形態は、平面視した場合全体が矩形の形状を有するが、サスペンション要素170,180は異なる形状を有していてもよい。例えば、サスペンション要素170,180は、平面視した場合、平行四辺形の形状を有していてもよく、これは、第1,第2の端部352,354及び圧縮中心350を備えている図8のサスペンション要素170についての代わりの実施例としてより好ましいものである。
【0062】
サスペンション要素170,180は、楕円形状または長楕円形状のような様々な横断面形状を有していてもよい。図12に示すように、横断面形状は、第1,第2のアーム500,510が第1,第2の端部520,530においてある点を形成するという、端部が点となった形状を有する。多くの図面に示されているように、端部520,530も丸みをつけられていてもよい。様々な形状の組み合わせも可能である。
【0063】
図14、21、29及び30を参照して、サスペンション要素170,180についての他の実施形態が示されており、それぞれは、第1の開口580及び第2の開口590を有している。図14の実施形態では、第1,第2の開口580,590が、それぞれ、上方アーム500内において、第1,第2の側方部540,542に隣接して配置されている。これらの開口580,590は、上方サスペンションアーム500の第1の端部520から第2の端部530に向かって延びている。図21の実施形態では、第1,第2の開口580,590は、第1,第2の側方部540,542間の中点に向かって位置されているが、改善された加重効率を得るために設計者及びユーザーの要求を受け入れるように、十分な支持及び 性を与えるように、開口580,590間が十分に分離されている。開口580,590は、上方サスペンションアーム500の第1のアーム520及び第2のアーム530から内側に隔てられている位置から延びている。図14及び図21においては、第1,第2の開口580,590はほぼ矩形の形状を有しているが、サスペンション要素170,180の中央点600において、必要な圧縮抵抗及び加重特性を調整することを可能とするために他の形状が用いられてもよい。サスペンション要素全体の幅を狭める代わりに、上方アーム500内に開口580,590を設けることは、少なくとも、靴の側方部に向かう靴100の安定性を高める。図29の実施形態は、第1,第2の開口580,590が、それぞれ、靴の孔596から構成され得ることを示しており、これらの孔は、図示されている開口と同様の作用を有する。図30の実施形態は、それぞれ、第1,第2の端部520,530に位置されている開口580,590を示している。開口580,590は、互いに対称に配置され、かつ対称な寸法とされていてもよく、一方が他方よりも大きく(幅広及び/または長く)されていてもよく、並びに/または、互いにずらされていてもよい。図30は、図31の内容に則して以下において説明される。
【0064】
図15及び図28を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。本実施形態の中央サスペンション領域550は、各第1,第2の端部520,530に向かって配置された第1の補強部材554及び第2の補強部材556を有している。これらの補強部材554,556は、サスペンション要素170,180の内面に、サスペンション要素170,182にこれらの補強部材を一体化するための接着法などにより接合されている。これらの補強部材554,556は、サスペンション要素170,180に対して、構造的な一体性及び長い寿命を与え得る。補強部材554,556は、円筒状の形状または他の形状を有することができ、このような他の形状として、例えば、部分円もしくは部分楕円断面(図示せず)を有する細長い形状が挙げられる。補強部材554,556は、木、金属、プラスチック、及び/または他の剛性もしくは半剛性かつ軽量の材料により形成され得る。あるいは、補強部材は、円筒状の形状を必ずしも有する必要はないが、これらの部材と同一もしくは類似の位置に配置された低密度発泡体のような発泡体であってもよい。図28は、図15の部材554,556と同様の位置に配置されている、第1,第2の発泡部材554,556を示している。
【0065】
図16、17、34及び35を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。各実施形態における中央サスペンション領域550は、低密度発泡体610または他の同様な材料により少なくとも部分的に充填されており、この材料は、サスペンション要素170,180の特性に影響を与えない。しかしながら、サスペンション要素170,180の特性を変化するのに、並びに高めるのに役立つように、より高い密度の発泡体のような材料を用いてもよい。少なくとも図16及び図17の実施形態では、発泡体610は、くずが第1,第2の側部540,542に入るのを防止するために、第1,第2の側部540,542を閉成している。サスペンション要素170,180の中央サスペンション領域550は、様々な領域を有するものとみなされ得る。例えば、図16、17及び35に示されているように、第1の側方部542に向かう発泡体610は、中央サスペンション領域550内の第1の領域に位置されており、第2の側方部542に向かう発泡体610は中央サスペンション領域550内において第2の領域内に位置されており、さらに、第3の領域は、第1,第2の領域間に位置されており、かついずれかの発泡体を含んでいない。ある領域におけるサスペンション要素170,180の特性に影響を与えず、他の領域における加重能もしくは加重安定性を高めるために、異なる値の発泡密度を異なる領域について選択することができる。例えば、設計者は、ユーザーの前方側において靴のユーザーにおける安定性を改善するために、ユーザーの足の前方に向かうように位置された領域内において、発泡体610の密度を高めてもよく、しかしながら、中央サスペンション領域550の他の副領域内におけるサスペンション要素170,180の特性に影響を与えることなく、くずが中央サスペンション領域550内に入ることを防止するような他の機能を与えるために、ユーザーの足の内部に向かうような他の領域内に図示された発泡体610は、より低い(すなわち、異なる)密度を有することができる。このような構成は、発泡体610が中央サスペンション領域の全体に渡り配置されていることを除いては、図34の実施形態において一般的に示されている。特に、第1の領域内に位置された発泡体612は、サスペンション要素170,180の特性と組み合わされて改善された安定性を与え、かつごみが中央サスペンション領域550に侵入するのを防止する、第1の密度を有することができる。また、第2の領域に配置された発泡体614は、サスペンション要素170,180の特性と組み合わさって安定性を高める第2の密度、ただし発泡体612よりも低い第2の密度を有し得る。第3の領域に配置された発泡体618は、第3の領域がユーザーの足の外部に向かうように位置されているので、サスペンション要素170,180の特性と組み合わさって安定性を高め、かつくずが中央サスペンション領域550に侵入するのを防止する第3の密度を有し得る。
【0066】
図31を参照して、サスペンション要素170,180の追加的な実施形態が示されており、この実施形態も発泡体を用いている。本実施形態の中央サスペンション領域550は、サスペンション要素170,180の特性に影響を与えない低密度発泡体618または他の同様の材料により少なくとも部分的に充填されている。しかしながら、高密度発泡体618のような材料が、サスペンション要素170,180の特性を変化させかつ高めることを補助するために用いられてもよい。この実施形態の発泡要素618は、(図示されず−他の図面参照されたい)、第1の側方部540から圧縮中心(図示されず−他の図参照)を通って第2の側方部542に延びている。本実施形態は、図30に示されている、発泡要素すなわち緩衝要素618′を形成するための発泡要素618の高さを低くすることにより若干変形され得る。より具体的には、緩衝要素618′は、緩衝材または過剰な圧縮を支持し、もしくは停止するように機能し得る適切な特性を備えたより高密度の発泡体もしくは他の材料からなるものであってもよい。緩衝材618は、第1の側方部540から第2の側方部542に向かって延び得る。緩衝材618′は、また、以下において述べる、図32の実施形態のように、1より多くの部材により形成され得る。緩衝材618′は、また、サスペンション要素170,180の全幅に至っておらずともよい。さらに、緩衝材618′は、端部520から端部530の方向に向いていてもよい(図示せず)。
【0067】
図32を参照して、サスペンション要素170,180についての他の実施形態が示されており、この実施形態も発泡体を用いている。本実施形態の中央サスペンション領域550は、サスペンション要素170,180の特性に影響を与えない、低密度発泡体674,684または他の同様の材料により少なくとも部分的に充填されている。しかしながら、より高い密度の発泡体674,684のような材料が、サスペンション要素170,180の特性を変化させかつ高めるのに役立つように用いられてもよい。発泡体674,684からなる第1,第2のカラムが、運動制御機能及び耐加重能を高めることを可能とするために、サスペンション要素の側部540,542(図示せず)もしくはその近傍または端部520,530(図示せず)において用いられ得る。(注サスペンション要素の)これらのカラムは、屈曲部分からの延長によるサスペンション要素の弾性を少なくとも極小化するために、サスペンション要素170,180の内部サスペンション領域550の下面678,688及び上面676,686に接合され得る。特性を調整するために、このカラムは、除去可能であってもよく、あるいは変更可能であってもよい。高い弾性を有するウレタン発泡体が好ましい。これらのカラムは、圧縮性能を変化させ、従ってサスペンション要素の装着品質を変化させるために、単純な円筒形状、あるいは他の複雑な中空もしくはアコーディオンのプリーツ形状とされてもよい。
【0068】
図18、19及び23を参照して、サスペンション要素170,180についての他の実施形態が示されている。サスペンション要素170,180のそれぞれの下方アーム510は、平面視した場合に全体がコーンケーブ状の形状を備えた突出部700を有している。図18及び図19の下方突出部700は、サスペンション要素170,180の側方の幅方向に延びており、他方、図23の実施形態の突出部700は、第1,第2の側方部540,542のそれぞれにおいて始まっており、かつ側方部540,542間の中点に向かって移動しており、円錐断面形状内において下方アーム510の底面に至っている。さらに、図18のサスペンション要素は、図5においても要素280として示されているように、平坦な上方領域710を有している。
【0069】
図20、22、24、25及び26を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。サスペンション要素170,180(及びサスペンション部材)は、賦形された金属材料もしくは複合材料、エンジニアリング・ポリマーもしくはグラファイト、ガラス、カーボン及び/またはセラミックファイバーまたは樹脂などの材料からなる繊維を用いて成形された複合材料からなり得る。これらの繊維または樹脂はサスペンション要素170,180の特性を変化させるために、様々な繊維の配向、密度及び/または厚みを乱すように調製され得る。図20,22,25及び26を参照して、これらのサスペンション要素170,180のそれぞれは、複数の第1の繊維を有しており、この第1の繊維は、第1の端部520から第2の端部530に向かい、第1,第2の側方部540,542にほぼ平行に配置された方向にほぼ延びている。図22及び26の実施形態では、各サスペンション要素170,180は、複数の第2のファイバー770を有しており、これらの第2のファイバー770は、複数の第1の繊維760に対して直交する方向にほぼ延びており、かつ第1,第2の側方部540,542にほぼ直交している。第1,第2の繊維760,770は、直交方向以外(すなわち、例えば90°以外の)角度をなすように配置され得る。
【0070】
図20、図22及び図25を参照して、第1の繊維760が、このようなファイバーの密度を変化させるような形態で配置されている。特に、図20及び図22の実施形態では、これらの図面においてより多い直線及びより少ない直線で示されているように、第1の繊維760の密度は、第1の側方部540に向かう密度に対して、第2の側方部542に向かうにつれて高くなっている。図25の実施形態では、第1の繊維760の繊維密度は、サスペンション要素170,180の第1,第2の側部540,542間の中点における繊維密度に対して、第1及び第2の側方部540,542に隣接する部分でより高くされている。
【0071】
図24及び図27のサスペンション要素170,180の実施形態を参照して、第1,第2の繊維760,770は、それぞれ、側方部540,542にほぼ平行ではないように向けられているが、互いにはほぼ90°のような角度をなしている。図27は、図24のサスペンション要素170,180の実施形態の1つの製造方法を示す。特に、図27は、靴100のためのサスペンション要素170,180を製造する1つの方法を示している。この方法は、長さ860、幅870及び厚み880を有するダイすなわち、成形型800を用いる工程、すなわち供給する工程を含む。上記長さ860は複数のサスペンション要素170,180受け入れる。複数の繊維は、サスペンション要素170,180を形成するための成形型の幅870の周りに巻回される。図27の実施形態では、繊維は、ダイの側部(及びサスペンション要素の側部)に対してある角度で巻回されている。これらの繊維は、乾燥されてもよく、あるいは乾燥工程において乾燥され得る。複数のサスペンション要素170,180を有する一体的なピースが、次に、個々のサスペンション要素170,180に分割するためにダイから取り除かれることができ、あるいはダイ上にそのまま位置決めされた状態で分割され得る。あるいは、繊維は、ダイ800の幅870に平行な方向に巻回されることができる。ダイの形状は、図示した、及び本明細書において述べられている全てのサスペンション要素の実施形態を含む、サスペンション要素の形状を典型的に決定する。従って、例えば、ダイ800は、幅870及び厚み880方向の切断面から見た場合長楕円形状を有し得る。図18のサスペンション要素170,180の実施形態を製造するためのさらに他の例として、ダイ800の上面は、幅870及び厚み880方向の断面から見た場合、平坦部分及び凸状部分を有し得る。以下においてさらに説明するように、サスペンション要素170,180は、第1及び/または第2の側部540,542の輪郭に応じた形状を有し得る。他の製造方法が必要とされ得るが、上述したサスペンション要素170,180についての繊維の変形例と同じ目的を達成するために厚み及び密度を変化させるに際しては、チタンのような他の材料が用いられ、かつ繊維に置き換えられてもよい。
【0072】
図33を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。このサスペンション要素170,180は、サスペンション要素170,180の外側表面に取り付けられた第1,第2の縁部536,538を有している。本実施形態における各縁部536,538は、第1の端部520から第2の端部530側に向かって延びており、しかしながら、サスペンション要素の周りに完全に延びていてもよく、サスペンション要素の周囲の半分より多くの部分に渡っていてもよく、あるいはサスペンション要素(もしくは各縁部についてのこれらの組み合わせ)の周囲の半分より少ない部分に渡っていてもよい。縁部536,538は、互いに対称に配置されていてもよく、あるいは非対称に配置されていてもよい(図示せず)。これらの縁部は、また、図示されているよりも狭くともよく、広くともよい。
【0073】
さらに、縁部536,538は、第1の側部540から第2の側部542に向かって延びる経路、あるいは図24のサスペンション要素の繊維の経路と類似した経路を通って配置され得る。これらの縁部536,538は、金属、他の剛性材料あるいは半剛性材料により形成され得る。
【0074】
図34〜41を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。特に、サスペンション要素170,180の第1,第2の側方部540,542は、靴の重量を軽量化し、他方、靴に側方及び/または斜め方向から見た場合の美的な外観を与えることも果たすために、サスペンション要素170,180の寸法を例えば小さくするような、様々な目的を達成するためにその外形が形づくられ得る。図41及び他の図面において概略的に示すように、サスペンション要素の側方部540,542の内の一方または双方は、ミッドソール166の側方輪郭の少なくとも一部に続き得る。さらに、図34〜39に示されているように、サスペンション要素170,180の第1,第2の側方部540,542は、靴100のミッドソール166の横幅900を超えて延ばされ得る。さらに、図36、37及び38に示されているように、下方アーム510の第1の側部540は、ミッドソール166の横幅並びにサスペンション要素の上方アーム500の第1の側部540を超えて延ばされ得る。図38はさらに他の2つの実施形態を示しており、一方の実施形態は、サスペンション要素170,180の上方アーム500に平行にほぼ追随している下方アーム510を示しており、他方の実施形態は、端部520,530で上方アーム500に出会っている下方アーム510′を示している。
【0075】
さらに、図36は、サスペンション要素170,180の実施形態を示しており、本実施形態は、第1,第2の側部540,542に近接しているモールディング910,920を有する。モールディング910,920は、サスペンション要素170,180の第1,第2の側部540,542に強度及び耐久性を加えるための複合材料または他の材料からなる追加の層から形成されている。さらに、図38は、第1,第2の側部540,542に近接したモールディング910,920を有するサスペンション要素170,180の実施形態を示している。
【0076】
図40及び図42を参照して、上で議論したように、ある実施形態では、サスペンション要素170,180は、靴100の前方領域140の幅340を横切っており、サスペンション要素170,180による横断部は、靴100を幅方向に横切る第1の端部342及び第2の端部344により示されている。本実施形態では、サスペンション要素170,180の圧縮中心340は、靴100の長さ方向に延びている直線960に直交している。他の実施形態では、サスペンション要素170,180は、靴100の前方領域を横切っており、サスペンション要素170による横断部は、代わりに、靴100を幅方向に横切っている第1の端部352と第2の端部354とにより示されているが、靴100の前方領域140の幅340に対して角度982をなしている。本実施形態では、サスペンション要素170の圧縮中心350は、靴100の長さ方向に延びる直線960に直交している方向以外の角度980(端部352とともに図示されている)をなしている。この変形例では、圧縮中心350は、疲労軽減改善効果及び靴100の効率改善効果を果たすために、ユーザーの足の自然な屈曲に追随する。
【0077】
図43を参照して、ある実施形態では、サスペンション要素170,180は、靴100の前方領域140の幅340を横切っており、サスペンション要素170,180による横断部は、靴100を幅方向に横切る第1の端部342及び第2の端部344により示されている。横断及びストライド1060の中心線が、示されており、これは、ユーザーの足の母指球の位置からユーザーの外側踵の位置まで延びる直線である。本実施形態では、圧縮中心340及びサスペンション要素170,180の端部344は、靴100の長さ方向に延びるストライド1060の中心に対して角度1080をなしている。他の実施形態では、サスペンション要素170,180は靴100の前方領域140を横切っており、かつサスペンション要素170による横断部は、代わりに、(圧縮中心1050とともに)靴100の幅を横切る第1の端部1052及び第2の端部1054により示されている。本実施形態では、サスペンション要素170の圧縮中心1050が角度1082をなしており、この圧縮中心1050は、靴100の長さ方向に延びるストライド1060の中心に対して直交している。図42に示した実施形態とは逆に、本変形例では、疲労軽減効果を改善するため並びに靴100のストライド経路に沿う効率を改善するために、圧縮中心1050は、ストライドの中心1060に直交する直線に沿って圧縮する経路に延びているが、ユーザーの足の自然な屈曲には必要ではない。ヒンジ190(及び対応する開放可能なギャップ194)は、本実施形態の圧縮中心1050に追随する経路に沿ってあるいは該経路近傍に位置され得る。同様に、後方サスペンション要素180の圧縮中心182が、ストライド1060の中心に対してほぼ直交する直線となるように延び得る。
【0078】
図44及び図45を参照して、本発明の靴100のさらに他の実施形態が示されている。図44は、ハイキングシューズ及び/またはクロストレーニング用シューズについての実施形態を示しており、これは、本明細書において述べられている本発明の他のもしくは全ての概念を包含するものである。図45は、ブーツの実施形態を示しており、これもまた、本明細書で述べられている発明の幾つか及び全ての概念を包含し得るものである。アウトソール168及びミッドソール166は、本発明の幾つかの及び全ての実施形態並びに他の実施形態についての単一の一体的な構造として形成され得ることを理解すべきである。
【0079】
サスペンション要素170,180のための材料は、様々な製造メーカー及び製造源から入手し得る。例えば、93012カリフォルニア州、カマリロ、コールスエルテ1150に所在のパフォーマンス・マテリアルズ・コーポレーションからこの材料を入手することができる。情報は、
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においてこの企業の材料について入手することができ、このホームページに記載の内容を本明細書に援用することとする。この材料は、熱可塑性複合材料であってもよく、該熱可塑性複合材料は、ユーザー及び潜在的な購入者に対して美的に魅力的な外観を与えるが、本質的に機能的でもあるパターン及び色を有する熱可塑性複合材料であってもよい。これらのパターンまたはパターンの組み合わせは、特に、靴の側面から観察可能な場合(くずや中央サスペンション領域550に入ることを防止するための発泡体が存在しない場合)、サスペンション要素170,180の内面または中央サスペンション領域550内において少なくとも用いられ得る。これらのパターン及び該パターンの組み合わせは、また、ユーザーによって観察可能なサスペンション要素170,180の任意の部分、例えばミッドソール166の側部と同一平面上に位置しており、あるいは靴100のミッドソール166の横幅の少なくとも一部の横方向幅を超えて延びる、サスペンション要素170,180の側方部540,542の一部が挙げられる。
【0080】
本明細書において述べられている各実施形態では、アッパー110は、ほぼ水平方向に延びる底部壁120を有し得る。底部壁120は、上面130と下面132とを有する。アッパー110は、前方加重中心142を有する前方領域140と、後方加重中心152を有する後方領域150とを備え得る。上面120は、前方受け入れ領域(図示せず)と、後方受け入れ領域(図示せず)とを有することができ、これらの受け入れ領域のそれぞれは、上面120の他の領域よりも低くされており、かつこれらの受け入れ領域のそれぞれは、足の球及び獅子の踵をより自然に受け入れるように構成されており、これらの受け入れ領域は、BIRKENSTOCK靴のような従来靴の受け入れ領域と類似している。
【0081】
本発明は、この精神及び中心的な特徴を逸脱することなく他の形態で具体化され得ることを理解すべきである。従って、上記実施形態は全ての点において例示的であり、かつ非限定的であると見なされるべきであり、本発明は本明細書に与えられている詳細な内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、本発明の靴の一実施形態の側面図である。
【図2】図2は、図1の靴の側面図であり、ここでは、靴の踵は上方位置にある。
【図3】図3は、本発明の靴の他の実施形態の側面図であり、ここでは、後方サスペンション要素の一例と、ヒンジすなわち開放可能なギャップの一例とが備えられている。
【図4】図4は、図3の靴の側面図であり、ただし、ヒンジすなわち開放可能なギャップの他の例が備えられている。
【図5】図5は、本発明の靴の他の実施形態の側面図であり、ここでは、前方サスペンション要素の一例と、ヒンジすなわち開放可能なギャップの一例とが備えられている。
【図6】図6は、本発明の靴の他の実施形態の側面図であり、ここでは、前方サスペンション要素がアウトソール及びアッパーに相対的に位置決めされている。
【図7】図7は、本発明の靴の他の実施形態の側面図であり、ここでは、前方サスペンション要素、後方サスペンション要素及びヒンジすなわち開放可能なギャップの一例が備えられている。
【図8】図8は、本発明の靴の他の実施形態の斜視図であり、前方サスペンション要素の位置決めを行うための2つの可能性のある配向方向を示す。
【図9】本発明の他の実施形態の斜視図であり、ここでは、前方サスペンション要素、後方サスペンション要素及びヒンジすなわち開放可能なギャップの一例が備えられている。
【図10】前方サスペンション要素の一例及びヒンジすなわち開放可能なギャップの一例が備えられた本発明のさらに他の実施形態の靴の側面図。
【図11】図11は、本発明の靴の理論的な性能に対して、従来の靴の性能を比較するグラフを示す図である。
【図12】図12は、本発明のサスペンション要素の一例の斜視図。
【図13】図13は、本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図14】図14は、本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図15】図15は、本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図16】本発明のサスペンション要素の一実施例の平面図である。
【図17】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図18】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図19】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図20】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図21】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図22】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図23】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図24】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図25】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図26】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図27】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図28】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図29】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図30】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図31】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図32】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図33】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図34】図34は、本発明の靴の部分平面図であり、ここでは、前方サスペンション要素内の密度変化領域を有する発泡体のような材料を備えた前方サスペンション要素の一例が備えられている。
【図35】前方サスペンション要素内のある領域内に発泡体のような材料が備えられた前方サスペンション要素の一実施形態が備えられた本発明の靴の平面図。
【図36】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図37】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図38】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図39】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図40】前方サスペンション要素の2つの例が備えられており、各サスペンション要素が、ミッドソールの前方部分内で異なる向きに配置されている、本発明の靴の部分平面図。
【図41】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図42】前方及び後方サスペンション要素の向きが様々な方向とされている実施形態を示す、本発明の靴の一実施形態の底面図。
【図43】前方及び後方サスペンション要素の向きが他の向きとされている実施形態を示す、本発明の靴の一実施形態の底面図。
【図44】本発明の多目的用途用靴の一例の斜視図。
【図45】本発明の靴すなわちブーツの一実施形態の斜視図。
【図46】少なくとも図2のミッドソールの一例を示す側面図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経筋肉の疲労を軽減する効果が高められた靴に関する。より詳細には、本発明は、靴を使用する際の効率を高めるための前足ヒンジ及び/または1以上のサスペンジョン要素を用いた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の靴は、靴を履く者の足を受け入れるアッパーとアッパーに連結されている、ミッドソール及びアウターソールを有するソールとを備える。アッパーは、靴を履く者のつま先と足の前方部分を受け入れる前方部と、装着者の踵を含む装着者の足の後方部分を受け入れる後方部とを有する。装着者が歩いたり、走ったりすると、装着者の身体の加重が装着者の各脚部の2つの別々の位置に主として加わることとなる。特に、装着者が歩いたり走ったりすると、装着者は彼のもしくは彼女の第1の足に沿って一方の脚部を進め、靴のアウターソールが地面に接触すると、第1の足の踵が下向きの力すなわち加重を加え、このような力の中心は第1の足の踵の中心から主として加えられることになる。第1の足の後方部によって加えられる力の中心は、後方加重中心であると考えることができる。
【0003】
脚部がこの前方位置から胴体の下方であって胴体の後方位置に移動すると、第1の足の踵から加えられる上記力すなわち加重は、小さくなり、第1の足の前方部に移動することとなる。次に、上記加重は、前方加重中心に移動する。第1の足の前方部は、前方加重中心を有している。この前方加重中心は、つま先にほぼ平行な経路内において足の「母指球」の中心から足の外側に向かって、延びる直線にほぼ沿って延びている。
【0004】
長い時間、距離あるいはこれらの双方の間、歩行、ランニング及び他の活動に靴を用いると、足、脚部及び胴体の少なくとも筋肉、腱、靱帯及び軟骨の疲労を装着者にもたらすことがある。この疲労は、従来の靴材料における加重の変化速度すなわち「ボトムアウト」の変化による衝撃力のような様々なファクターによりもたらされ得るものである。
【0005】
ランニングマシーンにおける近年の研究(1997年のドクター ベノ、M.Nigg による「ランニングにおける衝撃力(Impact Forces in Running)参照」)は、ランニング中に加えられる衝撃力の強度及び加えられる期間のいずれもがランニングによる疲労や障害の主な理由ではないことを説明している。ランニング中の有害な要素は、「筋肉の同調」として知られている生理学的同調メカニズムにある。筋肉の同調は、それぞれの初期局面の間に筋肉に加わる衝撃力における鋭い立ち上がりに対する肉体の応答である。衝撃力が急速に加わると、現在のランニングシューズにおいてはストライドの間に、次第に肉体の柔らかい組織、より大きな筋肉群及び内部組織が、急速に加えられた衝撃力に応答して揺れたり、振動したりするのを肉体の大きな筋肉群が防止するように働く。この筋肉の同調作用は、各々のランナーの生理学的かつ肉体的なプローファイルによって変化するものである。
【0006】
筋肉の同調は、局部的な神経筋肉疲労の源である。筋肉の同調に影響するファクターとしては、少なくとも、ストライドの長さ、強度、循環器系のフィットネスレベル、体重指数、体重、疲労レベル及び組織水和レベルが挙げられる。筋肉の同調作用は、しばしば全く明白であり、累積的な疲労及び持久力の低下をもたらす。これらの同じストライド力は、疲労骨折の支配的な要因であるとも関係づけられてきている。従って、装着者が最も小さな筋肉同調作用及び最も小さな筋肉疲労でストライドすることを可能とするような靴が望ましい。しかしながら、従来の靴は、筋肉同調作用を極小化するように衝撃力を制御するものではない。疲労を軽減するための試みとして幾つかの矯正法が行われている。
【0007】
クローリーに与えられた1989年11月21日発行のアメリカ合衆国特許第4,881,329は、エネルギー蓄積ばねを有するアスレチック用の靴に向けられたものである。クローリーは、靴のミッドソールの踵位置内に位置決めされたばねを開示している。踵は従来の形状を有するものである。上記ばねの上方及び下方のミッドソール材料を用いることにより、ばねの有効性を低減している。さらに、ミッドソール内の側方に位置するようにばね要素の位置を限定することにより、安定性についての課題をもたらすことができるとされている。
【0008】
クラフサー(Krafsur)達に与えられた2001年9月4日発行のアメリカ合衆国特許US6,282,814B1は、ばねによるクッションが備えられた靴に関する。クラフサー達は靴アセンブリーを開示しており、この靴アセンブリーは、アセンブリーの踵部分に設けられた空間内に配置された第1のばねと、該アセンブリーのボール部分の空間内に配置された第2のばねとを有している。これらの空間は、靴のミッドソール内に存在する。ばねは、「波(wave)」ばねであり、金属材料からなり、これらのばねにより、靴は重くなり、かつ柔軟性を有しておらず、従って靴の効率を低下させ得るものである。
【0009】
リンド(Lindh)達に対して1990年3月27日に発行されたアメリカ合衆国特許第4,910,884は、ばね装置が組み込まれた靴のソールに関する。リンド達は、アッパー側に空洞を有する靴のソールを開示している。2本の楕円状ばねが空間内に完全に配置されており、該空間内にきっちりと、しかし自由に適合している。柔軟性を有するブリッジ片がこれらのスプリング間にかけ渡されている。このブリッジは、均一な厚みの平坦なばねであり、ソールのキャビティ内において自由に、しかしながら密接するように、キャビティの平面形状に合致した平面形状を有している。この構造は、少なくともクローリーの構成における低抗率性に苦しむものであり、さらに使用者の足に所望でない緊張を与え得るものであり、製造が困難であり、ばねがソールと一体化されていないことを考慮すると、靴に対しての密着感(一体感)が欠如する。これらが従来の靴の性能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、これら及び他の問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを有し、該底部壁は、上面と下面とを有し、上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。さらに、この靴は、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状を有するサスペンション要素を備えており、その少なくとも一部が略水平方向に延びる前記底部壁の下面に接続されている。該サスペンション要素は圧縮中心を有しており、圧縮中心は、アッパーの上記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。
【0012】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。さらに、この靴は、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えており、ミッドソールは全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えている。圧縮中心は、アッパーの上記第1及び第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。サスペンション要素は、さらに、第1の端部及び第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを備えており、第1及び第2のサスペンション・アームの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1の側部及び第2の側部と、これらの間の中央サスペンション領域とを形成している。上記中央サスペンション領域は、低密度の発泡体により、少なくとも部分的に充填されている。
【0013】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを有しており、底部壁は上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソール及びアウトソールを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えており、圧縮中心はアッパーの加重の上記第1,第2の中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。このサスペンション要素は、さらに、第1の側部と第2の側部とを有し、第1の側部及び第2の側部の少なくとも一部が、ほぼコーンケーブ形状を有し、該コーンケーブ形状は、平面視したときに靴を長さ方向に二等分する直線に向かうように内側に向いている。
【0014】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えている。圧縮中心は、アッパーの加重の前記第1及び第2の中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、かつ全体が細長い形状は、平坦な上方領域を有している。
【0015】
さらに他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。下方サスペンション・アームは、下方に延びるコンベックス領域を有しており、該コンベックス領域は、第1,第2の側部間の距離の少なくとも一部の部分にわたっている。
【0016】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。上記サスペンション要素は、さらに、複数の繊維と繊維密度を有している。この繊維密度は、上記サスペンション要素の少なくとも一方あるいは他方位置内における繊維密度体に対して、第1,第2の側の少なくとも一方により高く近接している。
【0017】
さらに他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。上記サスペンション要素は、さらに、複数の繊維と繊維密度を有している。複数の繊維は前記第1及び第2の側に対して平行及び垂直の少なくとも一方の形態でほぼ配置されている。
【0018】
さらに他の実施形態では、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。上記サスペンションエレメントは、さらに、第1の上方サスペンション・アーム内の第1及び第2の側の少なくとも一方に隣接するように位置決めされた開口を備えている。
【0019】
さらに他の実施形態では、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。上記サスペンション要素は、前記第1及び第2の側の少なくとも一方に近接するように配置された第1のモールディングを備えている。
【0020】
さらに他の実施形態では、略水平方向に延びる底部壁を有しており、該底部壁は、上面と下面とを有する。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンション・アームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンション・アームとを有している。第1,第2のサスペンション・アームのそれぞれの各第1,第2の端部は、サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側部と第1,第2の側部間の中央サスペンション領域とを形成している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1,第2の重心の少なくとも一方にほぼ整列されている。靴は、さらに、上記サスペンション要素の第1,第2のサスペンション部材間に加重を分散させるために、サスペンション要素とアッパーとの間に位置決めされた縁支持体を備えている。
【0021】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状を有するサスペンション要素を備えており、サスペンション要素の少なくとも一部がアウトソールに接続されている。サスペンション要素は、圧縮中心を有している。圧縮中心は、アッパーの加重の第1及び第2の中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。
【0022】
さらに他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部を有するサスペンションエレメントを備える。圧縮中心は、アッパーの加重の第1及び第2の中心の少なくとも一方に整列されている。ミッドソールは、側方輪郭部を備えている。側方部の少なくとも一方がミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部に続いている。
【0023】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えている。圧縮中心は、アッパーの加重の第1及び第2の中心の少なくとも一方にほぼ整列されている。ミッドソールは、側方輪郭部を備えている。側方部の少なくとも一方が、ミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部を越えて側方に延びている。
【0024】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えている。底部壁は、上面は下面とを有する。アッパーは、加重の前方中心を有する前方領域と、加重の後方中心を有する後方領域とを備える。この靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えている。ミッドソールは、全体が細長い形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えている。ミッドソールは側方輪郭部を備えている。下方の側方部の内の少なくとも一方は、アッパーの側方部の少なくとも一方を超えて側方に延びている。
【0025】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は上面と下面とを有し、前記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域を有しており、前方領域は幅を有しており、前方加重中心は、前記幅からある角度で前方加重中心の幅を横切っている直線により表されており、かつ前記アッパーは、後方加重中心を有する後方領域を備えている。靴は、さらに、ミッドソールとアウトソールとを有するソールを備えており、ミッドソールは全体が細長い形状を有するサスペンション要素と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを備えており、圧縮中心が第1の側方部から第2の側方部に向かってサスペンション要素を横切っており、かつ圧縮中心は、前方加重中心にほぼ整列されている。
【0026】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。靴は、さらにアッパーに連結されたソールを備えており、該ソールは、ソールの横幅方向に延び、かつほぼ垂直方向に延びるヒンジスリットを備えている。このヒンジスリットは、水平方向部分と、垂直方向部分とを有している。該ヒンジスリットは、ソールの底面からソールの垂直部分の少なくとも20%を通り延びている。ヒンジ・スリットの水平方向部分の少なくとも一部が、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、平面視した際の加重の前方中心との間に位置決めされている。
【0027】
他の実施形態では、靴は、ほぼ水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。靴は、さらに、アッパーに連結されたソールを備えており、該ソールは、ソールの横幅に延びる開放可能なギャップを有している。開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、ソールの底面から垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る圧縮要素の上面の少なくとも一部にほぼ続く経路に沿って延びている。開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が前方加重中心と後方中心との間の中点と、平面視したときの前方加重中心との間に位置決めされている。
【0028】
他の実施形態では、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。上記アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。さらに、アッパーに連結されたソールを備えており、該ソールは、ソールの横幅に延びる開放可能なギャップを有している。開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、ソールの底面から垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る圧縮要素の上面の少なくとも一部にほぼ続く経路に沿って延びている。開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が前方加重中心と後方中心との間の中点と、平面視したときの前方加重中心との間に位置決めされている。解放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が、底面から見た場合、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている。
【0029】
他の実施形態は、靴は、略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁は、上面と下面とを有している。アッパーは、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えている。さらに、靴は、アッパーに接続されたソールをさらに備え、かつ該ソールは、ソールの横幅に渡って延びる解放可能なギャップを備えている。開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有し、かつサスペンション要素の上面の少なくとも一部にほぼ続く経路に沿って延びている。
【0030】
本明細書においては靴用のサスペンション要素の製造方法も説明される。この方法は、長さと、幅と、厚みとを有し、複数のサスペンション要素を受け入れる長さを有するダイを供給する工程を備える。この方法は、さらに、サスペンション要素を形成するためにダイの幅の周りにコーティングされたあるいは締め出された複数の繊維を巻き付け、繊維を乾燥もしくは硬化させてほぼ一体的な形態とし、複数のサスペンション要素を独立したサスペンション要素に分離する各工程を備えている。
【0031】
他の実施形態では、靴は、サスペンション要素の上面及び下面に埋め込まれ、あるいは形成された縁を有するサスペンション要素を備えている。
【0032】
他の実施形態では、靴は、踵及び使用者の足の少なくとも第1の中足骨球を少なくとも受け入れるように、ソールの上面に、形状を有するポケット、凹部または受け入れ領域を備えている。
【0033】
他の実施形態では、靴は、サスペンション要素の圧縮中心領域内に、第1の側方部から第1の側方部に延びる発泡部材を有するサスペンション要素を備えている。この発泡部材は、オーバートラベル(over-travel)緩衝材の形態を有していてもよく、サスペンション要素に対する過剰な損傷を極小化するために、サスペンション要素の下方内面にのみ連結されている。
【0034】
他の実施形態では、靴は、アッパーとミッドソールとを備えている。ミッドソールは、踵の後方部分または後方部分近傍の輪郭において、角部や鋭い断熱部が存在せず、円滑かつ連続的な曲線もしくは円弧の形態で、踵の中心から踵の後方に延びる弧状もしくは楕円状の経路となる下面形状すなわち下面輪郭部を有している。この輪郭部は、裸足のスライドのようなより自然な足つきを容易とする。
【0035】
従来の踵は、靴のアッパーの後方における踵輪郭部に直ちに導く垂直方向セグメントに結合された踵後方端部において、通常90°の角度をなす断裂部を備えた踵中心下方に長手方向かつ水平方向に延びるセグメントを有する。本発明の実施形態は、踵の中心からミッドソールの上面後方に至る連続的なカーブを特徴としており、水平方向セグメント及び垂直方向セグメント並びに水平方向面内に明らかな断裂部を有しないことを特徴とする。
【0036】
本発明の他の特徴及び効果は、添付の図面を参照して行われる以下の明細書により明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明は多くの様々な形の実施形態として実現され得るが、好ましい実施形態が図面及び本明細書において示され、かつ述べられるが、本明細書の開示内容は発明の本質の例示であるとみなされるべきであり、本願発明の広い局面は示されている実施形態に限定されるものではない。
【0038】
本発明の複合サスペンション要素は、単純化された意味においても「スプリング」ではない。以下においてさらに議論するように、上記複合サスペンション要素の機能は、ストライドの間の加重の速度の変化を小さく、あるいは0とするために、装着者を直線的な形態で導きかつ減速することにある。このサスペンション要素は、単一の複合体であってもよく、あるいは2つの半体、すなわち上方部分及び下方部分からなるものであってもよく、その場合には、エレメントの重量を若干増加させるが、より直線的かつ効果的なサスペンション機能を与えることができる。装着品質及び動きを制御するためには、サスペンション要素は、小さなカットアウト(cutouts)、縁部、屈曲によるフレックスパターンを変化させるための形状すなわち非対称のファイバーの位置決めを特徴とし、以下においてこれらはより詳細に述べられるであろう。任意に、圧縮可能な弾性発泡体からなる小さな柱部(カラム)すなわち形状が、安定性、pronationまたはsupinationのために、運動を制御するのに用いられ得る。
【0039】
従来のフットウエアにおいて用いられている発泡材料、例えば、NIKEにより製造されているSHOX靴において用いられているような材料は、ヒステリシスが高い材料である。この先行技術の材料は、圧縮された状態から比較的ゆっくりと膨張する。従って、発泡ミッドソールは、装着者に対して、より鈍く、応答性が良好でない印象を与える。本発明で用いられる複合材料は、よりヒステリシスが低い材料である。より低いヒステリシスの材料は、たわまされた位置からより早く復帰する。従って、本発明の靴は、装着者に対して、生き生きとしておりかつエネルギー的な感じを与える。
【0040】
また、本発明は、装着者が、ストライドの間、加重の速度変化を非常に小さくもしくは0とすることを経験することを可能とする。これは、筋持久力を極大化し、かつ疲労を極小化する最適な条件である。これに対して、従来のフットウエア材料は、加重速度がより高く、それによって、脚部、背中及び腱の大きな筋肉群がより激しく動き、より早く疲労することとなる。
【0041】
さらに、本発明の靴は、フルサスペンションの自転車のように非常にサスペンションに富んでおり、装着者のストライドのエネルギー及び動きをダイナミックに結合し、それによって、装着者が「裸足の歩き振り」を達成することとなる。装着者のストライドは、芝生や他の柔らかな表面上での裸足のストライドの感覚に似ている。踵において上方に回転された振り子(rocker、ロッカー)を備えたソール形状は、このフットウエアにおいて裸足のストライドを容易とする。ストライドは、矯正されておらず、自然であり、装着者に最も効果的である。これに対して、従来の靴は、装着者が靴のバイオをメカニックスに適合させることを強いるものであり、人間の快適性をしばしば損なうものである。
【0042】
本発明の靴は、また、靴の効果を改善するための前足ヒンジ部すなわち、開放可能なギャップを有している。このヒンジは、装着者のヒール・インからトゥ・オフまでのストライドにダイナミックな動きを与えるために上記サスペンション要素に連結され得る。ヒンジ及びサスペンション要素は単独で及び/または共同して、このシステムに高度の柔軟性をもたらす。従って、裸足による歩行と類似した自然な歩き振りが提供され、足の土踏まず、アキレス腱、ふくら脛及び/またはハムストリングの疲労や障害を軽減する。
【0043】
図1及び図2を参照して、アッパー110を有する靴100が示されている。アッパー110は、ほぼ水平方向に延びる底部壁120を有する。底部壁120は、上面130と下面132とを有する。アッパー110は、前方加重中心142を有する前方領域140と、後方加重中心152を有する後方領域150とを備えている。靴100は、さらに、ミッドソール166とアウトソール168とを有するソール160を有する。ミッドソール166及びアウトソール168部分は、プラスチック、EVA発泡体、ゴム及び他の公知の材料のような様々な公知の材料により形成することができる。
【0044】
図1及び図2の実施形態において、第1のサスペンション要素170と、第2のサスペンション要素180とは、ミッドソール内に一体化されている。サスペンション要素170,180は、全体的に細長い形状を有する。示されている実施形態では、第2のサスペンション要素180の少なくとも一部が、全体的に水平方向に延びる底部壁120の下方表面132に接続されている。第1,第2のサスペンション要素170,180のそれぞれは、圧縮中心172,182をそれぞれ、有する。圧縮中心172,182は、アッパー110の各加重中心142,152にほぼ整列されている。靴100を使用している間にユーザーの加重が加わると、サスペンション要素170,180は圧縮される。図11に関連して以下において詳細に示しかつ述べるように、サスペンション要素170,180は、加重/衝撃力が、従来の靴に比べて、より直線的に加わりかつより対称的に解放されることを可能とする。サスペンション要素170,180の好ましい形状は、長円、すなわち楕円形状である。しかしながら、以下においてより詳細に示しかつ述べるように、サスペンション要素170,180は、様々な形状及び構造を有するものであってもよい。
【0045】
図1及び図2の実施形態においては、靴100は、好ましくは、靴100のソール160がユーザーの足の自然な曲がりに応じてより自然に曲がることを可能とするために、ヒンジ190と開放可能なギャップ194とを有する。図1の実施形態では、靴100は、靴100のユーザーが靴100の踵を地面2に接触させた後、かつユーザーが地面2から初期角度20をなすように踵を最初に持ち上げ始めた後の位置にある。図2の実施形態では、靴は、靴100のユーザーが地面2から靴の踵をつま先角度22をなすように十分に持ち上げた後の位置にある。ユーザーが歩行もしくは走行スライドで移動すると、初期角度20はつま先角度22に増加し、かつ開放可能なギャップ194は、図1に示されているようにほぼ閉じられた開放可能なギャップ194から、図2に示されているように、開いた状態の開放可能なギャップ194へと移行する。靴100及びソール160は歩行/走行スライドの間に屈曲するので、ヒンジ190及び開放可能なギャップ194はユーザーの足への応力を軽減することを補助する。従って、これらの応力の軽減により、筋肉疲労の軽減が促進され、かつ靴100の効率が改善される。
【0046】
図40及び図42に関連して以下においてより詳細に説明するように、靴100の前方領域140のサスペンション要素170は、他の図面と組み合わされた少なくとも図1から理解され得るように、(図示しない)平面視において靴の中心を靴の長さ方向に降下する直線に対しほぼ直交する角度でミッドソールに一体化され得る。あるいは、靴100の前方領域140のサスペンション要素170は、少なくとも図8から理解され得るように、(図示しない)平面視において靴の中心を靴の長さ方向に通る直線に対し直交する角度以外の角度で、ミッドソール内に一体化されてもよい。この場合、前方加重中心は、ある角度で前方加重中心の幅を横切る直線により表され得る。この角度は、(図示しない)平面視した場合に靴の中心を靴の長さ方向に通る直線に直交する直線に対する角度であり、この直線は、ユーザーの足により加えられる力についての前方加重中心の全横に追随する。前方圧縮中心172は、従って、アッパー110の全幅を横切る前方加重中心142にほぼ整列されており、かつ最大エネルギー効率及び最大疲労軽減効果を達成するように位置決めされ得る。図1及び図2の実施形態では、アウトソール168は、それぞれ、ミッドソール166のサスペンション要素170,180の下方外側表面174,184に接続されている。
【0047】
少なくとも図1及び図2に示す実施形態では、開放可能なギャップすなわちヒンジスリット194は、ソール160の側方幅を超えていてもよい。開放可能なギャップ194は、水平方向部と垂直方向部とを有することができ、かつサスペンション要素170の上面176の少なくとも一部にほぼ続く経路に沿って延びていてもよい。
【0048】
図2のつま先の振り子(ロッカー)側面形状は、サスペンション要素に流れ込み、かつ踵の側面形状は楕円形のサスペンション要素180に続く振り子(ロッカー)の外形を立体的に含んでいる。図2のある特定の実施形態では、図46は、特定の寸法のミッドソール166及びサスペンション要素170,180が備えられたテスト用の靴のミッドソール166を示している。この実施形態では、ミッドソール166は、示されているミッドソール166と同様の寸法を有し、サスペンション要素170,180を用いることなく使用され得る。図46における寸法は、構成要素ではない数字ではあるが、本実施形態についてはミリメートルで示されている。この寸法は例示的なものであり、本発明を満たす唯一のものではない。ミッドソール166の踵部分の寸法は、本発明のつま先、ロッカーの側面形状の指標的なものである。ロッカーの輪郭は、踵部分のアウトソール168に沿う連続的な曲線により示されている。サスペンション要素180とともに、あるいはサスペンション要素180を用いることなく、この曲線は、連続的なスムースな湾曲部もしくは弧の形態で踵の中心から踵の後方端まで延びる円弧状もしくは楕円形状の経路に続いており、改善されたランニング効率を与え、かつより自然な足どりを容易とする。従って、図2及び図46におけるアウトソールは少なくとも後方加重中心182から後方端990までのほぼ連続的な円弧状の湾曲部を備えた踵部分を有する。ある特定の実施形態では、後方サスペンション要素180の下方外側表面184の半径は85mmである。アウトソールは、この湾曲部に同様の半径で続いており、アウトソールの厚みを考慮すると、図46に示す実施形態では、該半径は約4mmである。ある特定の実施形態では、前方サスペンション要素170の下方外側表面174の半径は130mmである。アウトソールは、この湾曲部に同様の半径で続いており、アウトソールの厚みを考慮すると、該半径は図46に示す実施形態では、前方サスペンション要素の領域では約4mmであり、靴の前方端に向かうと約1.2mmに狭められている。
【0049】
少なくとも図3及び図4に示されている実施形態に関し、これらの実施形態は、図1及び図2の実施形態の特徴の幾つかを有しているが、第1のサスペンション要素を有していない。図3及び図4に示されている靴100の実施形態は、代わりに、ヒンジ190と開放可能なギャップ194とを有しており、これらは様々な向きを有するように配置されており、かつ様々な垂直方向部及び/または水平方向部を有している。特に、図3の開放可能なギャップ194は、アウトソール168及びその近傍に位置された開始部としての垂直方向部を備えており、これはソールの横幅に至っていてもよい。次に、開放可能なギャップは、曲線部を有しており、かつほぼ水平方向に延びる部分を備えており、この部分は、ほぼ垂直方向に延びる部分により、アッパー110の底面132の近傍で終了している。従って、ヒンジスリット194は、垂直方向において、ソール160の底面168から、ソール160の少なくとも10%または少なくとも20%の部分を通過するように延びている。ヒンジスリット194の水平方向部の少なくとも一部が、前方加重中心142及び後方加重中心152間の中点と、前方加重中心142との間に位置されている。
【0050】
図1の前方サスペンション要素と同様に、少なくとも図8を観察することによりさらに理解され得るように、開放可能なギャップすなわちヒンジスリット194及び/またはヒンジ190は、(図示しない)平面視の場合に靴の中心を靴の長さ方向に降下する直線にほぼ直交する角度でミッドソール166及びアウトソール168内に一体化され得る。あるいは、靴100の前方領域140の開放可能なギャップすなわちヒンジスリット194及び/またはヒンジ190は、少なくとも図8から理解され得るように、(図示しない)平面視の場合に靴の中心を長さ方向に降下する直線に直交する角度とは異なる角度で、ミッドソール166及びアウトソール168内に一体化され得る。この形態では、前方加重中心は、ある角度で前方加重中心の幅を横切る直線により表され得る。この角度は、(図示しない)平面視した場合に、靴の中心を長さ方向に降下する直線に対して直交する直線に対して形成され、該直線は、ユーザーの足に加えられる力についての前方加重中心の全横に続く。図3に示すように、ヒンジ190は、前方加重中心142に近接して配置されており、かつ好ましくは、ユーザーの足の自然な屈曲と、靴100のソール160の前方領域140の幅を横切る各加重に応じてヒンジ190を整列させるために、(図示しない)平面視した場合に、靴の中心を靴の長さ方向に降下する直線に対して、直交する角度または直交する角度以外の他の角度で、アッパー110の全幅を横切るように延びている(少なくとも図8参照)。
【0051】
図5を参照して、靴100のさらなる実施形態がサスペンション要素170のさらなる実施形態とともに示されている。特に、サスペンション要素170は、全体が細長くされており、かつ上方アーム260と、下方アーム262とを有している。上方アーム260は、第1の上方部分280を有し、下方アーム262は突出部278を有している。第1の上方部分280は、靴100の前方領域140の全側方幅を横切って延びることができる。サスペンション要素170は、(以下において図示されかつ説明される)第1,第2の側方部を有している。突出部278は、(第1の側方部から第2の側方部へ)靴100の前方領域140の全側方幅を横切って延びていてもよく、あるいは、突出部278は、図23に示されているように、円錐形状の一部を形成し得る第1,第2の突出部278に分割されていてもよい。サスペンション要素170のこれらの特徴は、サスペンション要素170と全体の靴100を調整して、靴100の特定的なユーザー及び特定的な使用に対してより効果的な靴100を実現することができる。図5の靴100は、ユーザーの足の自然な曲がりに応じた靴100の改善された屈曲性を実現するために、ヒンジ190及びヒンジスリットすなわち開放可能ギャップ194を有する。先の実施形態で示したように、アウトソール168は、下方アーム、本実施形態では、サスペンション要素170の突出部278に接続されている。さらに、サスペンション要素170の圧縮中心172は、靴100の前方加重中心142にほぼ整列されており、本実施形態では、圧縮中心172は、平坦な上方部分280の中心及び突出部278をほぼ通っていてもよい。
【0052】
図6の靴100の実施形態は、前述した実施形態の多くの特徴を有し得るものであるが、より単純化した形態である。特に、図6の靴100は、ほぼ細長いサスペンション要素170を有しており、これは、アウトソール168に接続され得る。サスペンション要素170は、圧縮中心172を有しており、該圧縮中心172は、前方加重中心142にほぼ整列されている。前述した全ての実施形態で示されているように、サスペンション要素170の側方部は、靴100の側面図において見ることができる。靴100内で用いられるより、幅広のサスペンション要素170は、靴100の安定性を高め得る。さらに、サスペンション要素170の側方部を側面図で視認し得ることは、その横の幅がミッドソール166の側方に対して少なくとも同一面にあることを示す。
【0053】
図7、8及び9の靴100の実施形態に関し、靴100は、前述した実施形態と同様の特徴を有している。
【0054】
しかしながら、上記サスペンション要素は、それぞれ、第1のサスペンション部材と、第2のサスペンション部材とを備えており、各サスペンション部材は、全体が細長い形状を有している。特に、図7における第1のサスペンション要素170は、第1のサスペンション部材300と、第2のサスペンション部材310とを有する。同様に、図7の第2のサスペンション要素180は、第1のサスペンション部材320と、第2のサスペンション部材330とを有する。第1の縁支持部材305が、アッパー110の前方領域140内においてユーザーの足を支えることを補助するために設けられている。この第1の縁支持部材305は、第1のサスペンション部材300及び第2のサスペンション部材310間の領域において生じている加重を分散する。第1及び第2のサスペンション部材300,310は、靴100のユーザーのストライド内において多少の加重が生じる部分に関連したそれぞれの位置を補正するために、異なる構成を有していてもよい。例えば、第1のサスペンション部材300がより少ない繊維により形成されていてもよく、前方加重中心142の前方で生じる加重が小さい可能性を考慮して、十分な圧縮状態が生じる以前のより低いしきい値を有していてもよい。同様に、第2のサスペンション部材310は、より多くの繊維を含むように形成されることができ、及び/または、大きな圧縮力が生じるような、逆に設計者及びユーザーのニーズに応じて、より高いしきい値を有するようにより強くされ得る。同様に、第2の縁支持部材325は、アッパー110の後方領域150内においてユーザーの足を支えるのを補助するために設けられている。第2の縁支持部材325は、第1のサスペンション部材320及び第2のサスペンション部材330間の上記領域において生じる加重を分散する。第1,第2のサスペンション部材320,330は、靴100のユーザーのストライド内において多かれ少なかれ加重が生じる位置に関連づけられたそれぞれの位置を補正するために、異なる組成を有していてもよい。例えば、第1のサスペンション部材320は、より少ない繊維を用いて形成されていてもよく、かつ後方加重中心152の前方において加重が生じる可能性が低いことを考慮して、十分な圧縮力が生じるようなより低いしきい値を有していてもよい。同様に、第2のサスペンション部材330は、より多くの繊維を用いて形成されていてもよく、及び/または、大きな圧縮力が生じるように、あるいは設計者及びユーザーのニーズに応じて、より高いしきい値を備えて、より強くされていてもよい。
【0055】
各サスペンション部材300,310,320,330は、第1の端部及び第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有している。各第1,第2のサスペンション部材の各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部は、各サスペンション部材300,310,320,330を形成するように相互に接続されている。各部材は、各第1,第2の上方及び下方サスペンションアーム間の中央サスペンション領域を有している。先に説明した実施形態の場合のように、第1,第2の圧縮中心172,182は、それぞれ、第1,第2の加重中心142,152にほぼ整列されている。図示の実施形態では、支持部材305,325が、アッパー110の底部壁(すなわち、靴インサート)120の下面132に接続されている。図7の靴100は、さらに、前述した実施形態においてほぼ示されており、かつ述べられているように、ヒンジ190及び開放可能なギャップ194を有している。
【0056】
図8の靴100の実施形態をより詳細に参照して、靴100の後方領域150すなわち後方部分は、図7の靴100の後方領域すなわち後方部分に類似している。さらに、ヒンジ190と、開放可能なギャップ194についての他の形態が靴100のソール160内に位置されていることを除いては、図8の靴100の前方領域140すなわち前方部分は、図7の靴100の前方領域140すなわち前方部分に類似している。先に簡単に説明したように、かつ図40及び図42に示すように、第1のサスペンション要素は、第1の、すなわち前方サスペンション要素170の幅340すなわち圧縮中心340を横切ることができる。第1のサスペンション要素170は、第1の上方アーム370と第2の下方アーム372とを有しており、これらは、それぞれ、サスペンション要素170を形成するために相互に接続されている第1,第2の端部を有している。図8のある実施形態において述べたように、サスペンション要素170は、靴100の前方領域140の幅を横切っており、かつサスペンション要素170の幅は靴100の幅を横切っている第1の端部342及び第2の端部344により示されている。本実施形態では、サスペンション要素170の圧縮中心340は、靴の中心を通る靴100の長さ方向に延びる直線960に対して直交する角度をなしている。図8の他の実施形態では、サスペンション要素170は靴100の前方領域140を横切っており、サスペンション要素170の幅は、代わりに、靴100の幅方向を横切っている第1の端部352及び第2の端部354により示されているが、靴100の前方領域140の幅340に対し角度982をなしている。本実施形態では、サスペンション要素170の圧縮中心350は、靴100の長さ方向に延びる直線960に対して直交する方向以外の角度980をなしている。この他の実施形態では、疲労軽減効果を改善するため及び靴100の効率を改善するために、圧縮中心はユーザーの足の自然な屈曲に追随している。
【0057】
図9の靴100の実施形態を参照して、靴100の後方領域150すなわち後方部分は、図3及び図4の靴100の後方領域150及び後方部分に類似している。さらに、図9の靴100の前方領域140すなわち前方部分は、ヒンジ190及び開放可能なギャップ194の他の形態が靴100のソール160内に位置されていることを除いては、図7の靴100の前方領域140すなわち前方部分に類似している。
【0058】
図10の靴100の実施形態を参照して、靴100の後方領域150すなわち後方部分は、図5及び図6の靴100の後方領域150すなわち後方部分に類似している。さらに、図9の靴100の前方領域140及び前方部分は、図1及び図2の靴100の前方領域140すなわち前方部分に類似している。しかしながら、ギャップ突出部380及び凹部382が、開放可能なギャップ184が、くずやごみが開放可能なギャップ194に入ることを防止するために設けられている。ギャップ突出部380及び凹部382は、ミッドソール166内、アウトソール168の一部としての、あるいはこれらの双方の組み合わせとして、開放可能なギャップ194の開口に近接して位置決めされ得る。図10に示されているように、ギャップ突出部380は、サスペンション要素自身の一部であり、これはサスペンション要素170の第1の上方アームの幅方向を横切っている。また、突出部380は、サスペンション要素170のアーム端部に位置され得る。ギャップ突出部380は、あるいは、開放可能なギャップの構成に応じて、サスペンション要素170の代わりにミッドソールの一部であってもよい。さらに、ある実施形態では、凹部382がミッドソール内であって、しかしながら、アウトソール168内であってもよく、これらの双方のソール内であってもよいが、これらの位置に位置決めされている。ギャップ突出部380及び凹部382は、四角形または円筒形のような様々な形状とされ得る。さらに、複数のギャップ突出部及び凹部が(図示されていないが)設けられていてもよく、これらは開放可能なギャップにくずやごみが入ることを防止する効果を高め得る。
【0059】
図11を参照して、ミッドソールへの衝撃力を比較したグラフが示されており、これは、従来のミッドソールについての理論的なミッドソール衝撃力曲線と、本発明の靴についての理論的なミッドソール衝撃力曲線とを表している。特に、従来のミッドソールについての第1の力曲線400は、本発明の靴について第2の力曲線410に比べて、靴についてのランナーのストライドにおけるヒール・イン部分がかなり大きなレベルの衝撃力を受けていることを示している。言い換えれば、従来の靴は、力曲線においてより早いピークを示しており、これは、達成可能のために筋肉同調作用を引き起こしており、脚部、胴体及び背中の大きな筋肉群のオーバーワークに繋がっている。ランナーのストライドにおける中間足部分が到達すると、力曲線は収れんしている。しかしながら、ストライド毎に、有害な衝撃力による損傷が生じた。本発明の靴を用いたランナーのストライドでは、第2の力曲線410がより対称的であり、ランナーのストライドの中間足部分においてピークとなっている。第2の力曲線410は、次第に高くなり、より対称的に下降し、これは、典型的な走行よりも楕円形的なトレーニングシューズのような感じを幾分与える。筋肉同調作用は、神経筋肉の疲労の軽減に応じて減衰する。
【0060】
第1及び第2のサスペンション要素170,180を備えた本発明の靴100の好ましい実施形態は、ミッドソールがランナーの典型的なストライドの間歪んでいる間に、線形的な加重速度を与えるように設計されている。第2の力曲線410に関連づけられるこのより低い加重速度及び同時的な「サスペンションによる移動」は、歩行及びランニングにおける筋肉同調作用の期間及び程度を小さくするように作用する。これらの実施形態の1つの目的は、サスペンション要素のみがストライドの間歪むことである。ミッドソールの残りの部分のような靴の他の部分は、効率を高めるためには、極小的に圧縮され得るものである。衝撃力及び他の障害に対する「筋肉同調」反応を軽減することを試みる場合、この構成が好ましい。
【0061】
図12〜33は、本発明の靴の様々な実施形態において用いるためのサスペンション要素170,180(またはサスペンション部材300,310,320,330)の他の様々な実施形態を示す。これらの実施形態の全ては、第1の上方サスペンションアーム500及び第2の下方サスペンションアーム510を有するものとみなされ得る。各サスペンションアーム500,510は、第1の端部520と第2の端部530とを有しており、各第1の端部520及び各第2の端部530あるいは第1,第2のアーム500,510は、第1,第2の側方部540,542を形成するように相互に接続されており、かつこれらの間の中空サスペンション領域550がサスペンション要素170,180の第1の側方部540から第2の側方部542に延びている。サスペンション要素170,180は、第1,第2のアーム500,510のそれぞれを用意し、次に、第1,第2の端部520,530においてアーム500,510を接合することにより製造され得る。しかしながら、代わりに、サスペンション要素170,180は、以下においてより詳細に説明されかつ図27において示されているように、単一の一体的なピースまたは構造として製造される。サスペンション要素170,180のそれぞれは、圧縮中心560を有する。これらの図面に示されているサスペンション要素170,180の実施形態は、平面視した場合全体が矩形の形状を有するが、サスペンション要素170,180は異なる形状を有していてもよい。例えば、サスペンション要素170,180は、平面視した場合、平行四辺形の形状を有していてもよく、これは、第1,第2の端部352,354及び圧縮中心350を備えている図8のサスペンション要素170についての代わりの実施例としてより好ましいものである。
【0062】
サスペンション要素170,180は、楕円形状または長楕円形状のような様々な横断面形状を有していてもよい。図12に示すように、横断面形状は、第1,第2のアーム500,510が第1,第2の端部520,530においてある点を形成するという、端部が点となった形状を有する。多くの図面に示されているように、端部520,530も丸みをつけられていてもよい。様々な形状の組み合わせも可能である。
【0063】
図14、21、29及び30を参照して、サスペンション要素170,180についての他の実施形態が示されており、それぞれは、第1の開口580及び第2の開口590を有している。図14の実施形態では、第1,第2の開口580,590が、それぞれ、上方アーム500内において、第1,第2の側方部540,542に隣接して配置されている。これらの開口580,590は、上方サスペンションアーム500の第1の端部520から第2の端部530に向かって延びている。図21の実施形態では、第1,第2の開口580,590は、第1,第2の側方部540,542間の中点に向かって位置されているが、改善された加重効率を得るために設計者及びユーザーの要求を受け入れるように、十分な支持及び 性を与えるように、開口580,590間が十分に分離されている。開口580,590は、上方サスペンションアーム500の第1のアーム520及び第2のアーム530から内側に隔てられている位置から延びている。図14及び図21においては、第1,第2の開口580,590はほぼ矩形の形状を有しているが、サスペンション要素170,180の中央点600において、必要な圧縮抵抗及び加重特性を調整することを可能とするために他の形状が用いられてもよい。サスペンション要素全体の幅を狭める代わりに、上方アーム500内に開口580,590を設けることは、少なくとも、靴の側方部に向かう靴100の安定性を高める。図29の実施形態は、第1,第2の開口580,590が、それぞれ、靴の孔596から構成され得ることを示しており、これらの孔は、図示されている開口と同様の作用を有する。図30の実施形態は、それぞれ、第1,第2の端部520,530に位置されている開口580,590を示している。開口580,590は、互いに対称に配置され、かつ対称な寸法とされていてもよく、一方が他方よりも大きく(幅広及び/または長く)されていてもよく、並びに/または、互いにずらされていてもよい。図30は、図31の内容に則して以下において説明される。
【0064】
図15及び図28を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。本実施形態の中央サスペンション領域550は、各第1,第2の端部520,530に向かって配置された第1の補強部材554及び第2の補強部材556を有している。これらの補強部材554,556は、サスペンション要素170,180の内面に、サスペンション要素170,182にこれらの補強部材を一体化するための接着法などにより接合されている。これらの補強部材554,556は、サスペンション要素170,180に対して、構造的な一体性及び長い寿命を与え得る。補強部材554,556は、円筒状の形状または他の形状を有することができ、このような他の形状として、例えば、部分円もしくは部分楕円断面(図示せず)を有する細長い形状が挙げられる。補強部材554,556は、木、金属、プラスチック、及び/または他の剛性もしくは半剛性かつ軽量の材料により形成され得る。あるいは、補強部材は、円筒状の形状を必ずしも有する必要はないが、これらの部材と同一もしくは類似の位置に配置された低密度発泡体のような発泡体であってもよい。図28は、図15の部材554,556と同様の位置に配置されている、第1,第2の発泡部材554,556を示している。
【0065】
図16、17、34及び35を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。各実施形態における中央サスペンション領域550は、低密度発泡体610または他の同様な材料により少なくとも部分的に充填されており、この材料は、サスペンション要素170,180の特性に影響を与えない。しかしながら、サスペンション要素170,180の特性を変化するのに、並びに高めるのに役立つように、より高い密度の発泡体のような材料を用いてもよい。少なくとも図16及び図17の実施形態では、発泡体610は、くずが第1,第2の側部540,542に入るのを防止するために、第1,第2の側部540,542を閉成している。サスペンション要素170,180の中央サスペンション領域550は、様々な領域を有するものとみなされ得る。例えば、図16、17及び35に示されているように、第1の側方部542に向かう発泡体610は、中央サスペンション領域550内の第1の領域に位置されており、第2の側方部542に向かう発泡体610は中央サスペンション領域550内において第2の領域内に位置されており、さらに、第3の領域は、第1,第2の領域間に位置されており、かついずれかの発泡体を含んでいない。ある領域におけるサスペンション要素170,180の特性に影響を与えず、他の領域における加重能もしくは加重安定性を高めるために、異なる値の発泡密度を異なる領域について選択することができる。例えば、設計者は、ユーザーの前方側において靴のユーザーにおける安定性を改善するために、ユーザーの足の前方に向かうように位置された領域内において、発泡体610の密度を高めてもよく、しかしながら、中央サスペンション領域550の他の副領域内におけるサスペンション要素170,180の特性に影響を与えることなく、くずが中央サスペンション領域550内に入ることを防止するような他の機能を与えるために、ユーザーの足の内部に向かうような他の領域内に図示された発泡体610は、より低い(すなわち、異なる)密度を有することができる。このような構成は、発泡体610が中央サスペンション領域の全体に渡り配置されていることを除いては、図34の実施形態において一般的に示されている。特に、第1の領域内に位置された発泡体612は、サスペンション要素170,180の特性と組み合わされて改善された安定性を与え、かつごみが中央サスペンション領域550に侵入するのを防止する、第1の密度を有することができる。また、第2の領域に配置された発泡体614は、サスペンション要素170,180の特性と組み合わさって安定性を高める第2の密度、ただし発泡体612よりも低い第2の密度を有し得る。第3の領域に配置された発泡体618は、第3の領域がユーザーの足の外部に向かうように位置されているので、サスペンション要素170,180の特性と組み合わさって安定性を高め、かつくずが中央サスペンション領域550に侵入するのを防止する第3の密度を有し得る。
【0066】
図31を参照して、サスペンション要素170,180の追加的な実施形態が示されており、この実施形態も発泡体を用いている。本実施形態の中央サスペンション領域550は、サスペンション要素170,180の特性に影響を与えない低密度発泡体618または他の同様の材料により少なくとも部分的に充填されている。しかしながら、高密度発泡体618のような材料が、サスペンション要素170,180の特性を変化させかつ高めることを補助するために用いられてもよい。この実施形態の発泡要素618は、(図示されず−他の図面参照されたい)、第1の側方部540から圧縮中心(図示されず−他の図参照)を通って第2の側方部542に延びている。本実施形態は、図30に示されている、発泡要素すなわち緩衝要素618′を形成するための発泡要素618の高さを低くすることにより若干変形され得る。より具体的には、緩衝要素618′は、緩衝材または過剰な圧縮を支持し、もしくは停止するように機能し得る適切な特性を備えたより高密度の発泡体もしくは他の材料からなるものであってもよい。緩衝材618は、第1の側方部540から第2の側方部542に向かって延び得る。緩衝材618′は、また、以下において述べる、図32の実施形態のように、1より多くの部材により形成され得る。緩衝材618′は、また、サスペンション要素170,180の全幅に至っておらずともよい。さらに、緩衝材618′は、端部520から端部530の方向に向いていてもよい(図示せず)。
【0067】
図32を参照して、サスペンション要素170,180についての他の実施形態が示されており、この実施形態も発泡体を用いている。本実施形態の中央サスペンション領域550は、サスペンション要素170,180の特性に影響を与えない、低密度発泡体674,684または他の同様の材料により少なくとも部分的に充填されている。しかしながら、より高い密度の発泡体674,684のような材料が、サスペンション要素170,180の特性を変化させかつ高めるのに役立つように用いられてもよい。発泡体674,684からなる第1,第2のカラムが、運動制御機能及び耐加重能を高めることを可能とするために、サスペンション要素の側部540,542(図示せず)もしくはその近傍または端部520,530(図示せず)において用いられ得る。(注サスペンション要素の)これらのカラムは、屈曲部分からの延長によるサスペンション要素の弾性を少なくとも極小化するために、サスペンション要素170,180の内部サスペンション領域550の下面678,688及び上面676,686に接合され得る。特性を調整するために、このカラムは、除去可能であってもよく、あるいは変更可能であってもよい。高い弾性を有するウレタン発泡体が好ましい。これらのカラムは、圧縮性能を変化させ、従ってサスペンション要素の装着品質を変化させるために、単純な円筒形状、あるいは他の複雑な中空もしくはアコーディオンのプリーツ形状とされてもよい。
【0068】
図18、19及び23を参照して、サスペンション要素170,180についての他の実施形態が示されている。サスペンション要素170,180のそれぞれの下方アーム510は、平面視した場合に全体がコーンケーブ状の形状を備えた突出部700を有している。図18及び図19の下方突出部700は、サスペンション要素170,180の側方の幅方向に延びており、他方、図23の実施形態の突出部700は、第1,第2の側方部540,542のそれぞれにおいて始まっており、かつ側方部540,542間の中点に向かって移動しており、円錐断面形状内において下方アーム510の底面に至っている。さらに、図18のサスペンション要素は、図5においても要素280として示されているように、平坦な上方領域710を有している。
【0069】
図20、22、24、25及び26を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。サスペンション要素170,180(及びサスペンション部材)は、賦形された金属材料もしくは複合材料、エンジニアリング・ポリマーもしくはグラファイト、ガラス、カーボン及び/またはセラミックファイバーまたは樹脂などの材料からなる繊維を用いて成形された複合材料からなり得る。これらの繊維または樹脂はサスペンション要素170,180の特性を変化させるために、様々な繊維の配向、密度及び/または厚みを乱すように調製され得る。図20,22,25及び26を参照して、これらのサスペンション要素170,180のそれぞれは、複数の第1の繊維を有しており、この第1の繊維は、第1の端部520から第2の端部530に向かい、第1,第2の側方部540,542にほぼ平行に配置された方向にほぼ延びている。図22及び26の実施形態では、各サスペンション要素170,180は、複数の第2のファイバー770を有しており、これらの第2のファイバー770は、複数の第1の繊維760に対して直交する方向にほぼ延びており、かつ第1,第2の側方部540,542にほぼ直交している。第1,第2の繊維760,770は、直交方向以外(すなわち、例えば90°以外の)角度をなすように配置され得る。
【0070】
図20、図22及び図25を参照して、第1の繊維760が、このようなファイバーの密度を変化させるような形態で配置されている。特に、図20及び図22の実施形態では、これらの図面においてより多い直線及びより少ない直線で示されているように、第1の繊維760の密度は、第1の側方部540に向かう密度に対して、第2の側方部542に向かうにつれて高くなっている。図25の実施形態では、第1の繊維760の繊維密度は、サスペンション要素170,180の第1,第2の側部540,542間の中点における繊維密度に対して、第1及び第2の側方部540,542に隣接する部分でより高くされている。
【0071】
図24及び図27のサスペンション要素170,180の実施形態を参照して、第1,第2の繊維760,770は、それぞれ、側方部540,542にほぼ平行ではないように向けられているが、互いにはほぼ90°のような角度をなしている。図27は、図24のサスペンション要素170,180の実施形態の1つの製造方法を示す。特に、図27は、靴100のためのサスペンション要素170,180を製造する1つの方法を示している。この方法は、長さ860、幅870及び厚み880を有するダイすなわち、成形型800を用いる工程、すなわち供給する工程を含む。上記長さ860は複数のサスペンション要素170,180受け入れる。複数の繊維は、サスペンション要素170,180を形成するための成形型の幅870の周りに巻回される。図27の実施形態では、繊維は、ダイの側部(及びサスペンション要素の側部)に対してある角度で巻回されている。これらの繊維は、乾燥されてもよく、あるいは乾燥工程において乾燥され得る。複数のサスペンション要素170,180を有する一体的なピースが、次に、個々のサスペンション要素170,180に分割するためにダイから取り除かれることができ、あるいはダイ上にそのまま位置決めされた状態で分割され得る。あるいは、繊維は、ダイ800の幅870に平行な方向に巻回されることができる。ダイの形状は、図示した、及び本明細書において述べられている全てのサスペンション要素の実施形態を含む、サスペンション要素の形状を典型的に決定する。従って、例えば、ダイ800は、幅870及び厚み880方向の切断面から見た場合長楕円形状を有し得る。図18のサスペンション要素170,180の実施形態を製造するためのさらに他の例として、ダイ800の上面は、幅870及び厚み880方向の断面から見た場合、平坦部分及び凸状部分を有し得る。以下においてさらに説明するように、サスペンション要素170,180は、第1及び/または第2の側部540,542の輪郭に応じた形状を有し得る。他の製造方法が必要とされ得るが、上述したサスペンション要素170,180についての繊維の変形例と同じ目的を達成するために厚み及び密度を変化させるに際しては、チタンのような他の材料が用いられ、かつ繊維に置き換えられてもよい。
【0072】
図33を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。このサスペンション要素170,180は、サスペンション要素170,180の外側表面に取り付けられた第1,第2の縁部536,538を有している。本実施形態における各縁部536,538は、第1の端部520から第2の端部530側に向かって延びており、しかしながら、サスペンション要素の周りに完全に延びていてもよく、サスペンション要素の周囲の半分より多くの部分に渡っていてもよく、あるいはサスペンション要素(もしくは各縁部についてのこれらの組み合わせ)の周囲の半分より少ない部分に渡っていてもよい。縁部536,538は、互いに対称に配置されていてもよく、あるいは非対称に配置されていてもよい(図示せず)。これらの縁部は、また、図示されているよりも狭くともよく、広くともよい。
【0073】
さらに、縁部536,538は、第1の側部540から第2の側部542に向かって延びる経路、あるいは図24のサスペンション要素の繊維の経路と類似した経路を通って配置され得る。これらの縁部536,538は、金属、他の剛性材料あるいは半剛性材料により形成され得る。
【0074】
図34〜41を参照して、サスペンション要素170,180の他の実施形態が示されている。特に、サスペンション要素170,180の第1,第2の側方部540,542は、靴の重量を軽量化し、他方、靴に側方及び/または斜め方向から見た場合の美的な外観を与えることも果たすために、サスペンション要素170,180の寸法を例えば小さくするような、様々な目的を達成するためにその外形が形づくられ得る。図41及び他の図面において概略的に示すように、サスペンション要素の側方部540,542の内の一方または双方は、ミッドソール166の側方輪郭の少なくとも一部に続き得る。さらに、図34〜39に示されているように、サスペンション要素170,180の第1,第2の側方部540,542は、靴100のミッドソール166の横幅900を超えて延ばされ得る。さらに、図36、37及び38に示されているように、下方アーム510の第1の側部540は、ミッドソール166の横幅並びにサスペンション要素の上方アーム500の第1の側部540を超えて延ばされ得る。図38はさらに他の2つの実施形態を示しており、一方の実施形態は、サスペンション要素170,180の上方アーム500に平行にほぼ追随している下方アーム510を示しており、他方の実施形態は、端部520,530で上方アーム500に出会っている下方アーム510′を示している。
【0075】
さらに、図36は、サスペンション要素170,180の実施形態を示しており、本実施形態は、第1,第2の側部540,542に近接しているモールディング910,920を有する。モールディング910,920は、サスペンション要素170,180の第1,第2の側部540,542に強度及び耐久性を加えるための複合材料または他の材料からなる追加の層から形成されている。さらに、図38は、第1,第2の側部540,542に近接したモールディング910,920を有するサスペンション要素170,180の実施形態を示している。
【0076】
図40及び図42を参照して、上で議論したように、ある実施形態では、サスペンション要素170,180は、靴100の前方領域140の幅340を横切っており、サスペンション要素170,180による横断部は、靴100を幅方向に横切る第1の端部342及び第2の端部344により示されている。本実施形態では、サスペンション要素170,180の圧縮中心340は、靴100の長さ方向に延びている直線960に直交している。他の実施形態では、サスペンション要素170,180は、靴100の前方領域を横切っており、サスペンション要素170による横断部は、代わりに、靴100を幅方向に横切っている第1の端部352と第2の端部354とにより示されているが、靴100の前方領域140の幅340に対して角度982をなしている。本実施形態では、サスペンション要素170の圧縮中心350は、靴100の長さ方向に延びる直線960に直交している方向以外の角度980(端部352とともに図示されている)をなしている。この変形例では、圧縮中心350は、疲労軽減改善効果及び靴100の効率改善効果を果たすために、ユーザーの足の自然な屈曲に追随する。
【0077】
図43を参照して、ある実施形態では、サスペンション要素170,180は、靴100の前方領域140の幅340を横切っており、サスペンション要素170,180による横断部は、靴100を幅方向に横切る第1の端部342及び第2の端部344により示されている。横断及びストライド1060の中心線が、示されており、これは、ユーザーの足の母指球の位置からユーザーの外側踵の位置まで延びる直線である。本実施形態では、圧縮中心340及びサスペンション要素170,180の端部344は、靴100の長さ方向に延びるストライド1060の中心に対して角度1080をなしている。他の実施形態では、サスペンション要素170,180は靴100の前方領域140を横切っており、かつサスペンション要素170による横断部は、代わりに、(圧縮中心1050とともに)靴100の幅を横切る第1の端部1052及び第2の端部1054により示されている。本実施形態では、サスペンション要素170の圧縮中心1050が角度1082をなしており、この圧縮中心1050は、靴100の長さ方向に延びるストライド1060の中心に対して直交している。図42に示した実施形態とは逆に、本変形例では、疲労軽減効果を改善するため並びに靴100のストライド経路に沿う効率を改善するために、圧縮中心1050は、ストライドの中心1060に直交する直線に沿って圧縮する経路に延びているが、ユーザーの足の自然な屈曲には必要ではない。ヒンジ190(及び対応する開放可能なギャップ194)は、本実施形態の圧縮中心1050に追随する経路に沿ってあるいは該経路近傍に位置され得る。同様に、後方サスペンション要素180の圧縮中心182が、ストライド1060の中心に対してほぼ直交する直線となるように延び得る。
【0078】
図44及び図45を参照して、本発明の靴100のさらに他の実施形態が示されている。図44は、ハイキングシューズ及び/またはクロストレーニング用シューズについての実施形態を示しており、これは、本明細書において述べられている本発明の他のもしくは全ての概念を包含するものである。図45は、ブーツの実施形態を示しており、これもまた、本明細書で述べられている発明の幾つか及び全ての概念を包含し得るものである。アウトソール168及びミッドソール166は、本発明の幾つかの及び全ての実施形態並びに他の実施形態についての単一の一体的な構造として形成され得ることを理解すべきである。
【0079】
サスペンション要素170,180のための材料は、様々な製造メーカー及び製造源から入手し得る。例えば、93012カリフォルニア州、カマリロ、コールスエルテ1150に所在のパフォーマンス・マテリアルズ・コーポレーションからこの材料を入手することができる。情報は、
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においてこの企業の材料について入手することができ、このホームページに記載の内容を本明細書に援用することとする。この材料は、熱可塑性複合材料であってもよく、該熱可塑性複合材料は、ユーザー及び潜在的な購入者に対して美的に魅力的な外観を与えるが、本質的に機能的でもあるパターン及び色を有する熱可塑性複合材料であってもよい。これらのパターンまたはパターンの組み合わせは、特に、靴の側面から観察可能な場合(くずや中央サスペンション領域550に入ることを防止するための発泡体が存在しない場合)、サスペンション要素170,180の内面または中央サスペンション領域550内において少なくとも用いられ得る。これらのパターン及び該パターンの組み合わせは、また、ユーザーによって観察可能なサスペンション要素170,180の任意の部分、例えばミッドソール166の側部と同一平面上に位置しており、あるいは靴100のミッドソール166の横幅の少なくとも一部の横方向幅を超えて延びる、サスペンション要素170,180の側方部540,542の一部が挙げられる。
【0080】
本明細書において述べられている各実施形態では、アッパー110は、ほぼ水平方向に延びる底部壁120を有し得る。底部壁120は、上面130と下面132とを有する。アッパー110は、前方加重中心142を有する前方領域140と、後方加重中心152を有する後方領域150とを備え得る。上面120は、前方受け入れ領域(図示せず)と、後方受け入れ領域(図示せず)とを有することができ、これらの受け入れ領域のそれぞれは、上面120の他の領域よりも低くされており、かつこれらの受け入れ領域のそれぞれは、足の球及び獅子の踵をより自然に受け入れるように構成されており、これらの受け入れ領域は、BIRKENSTOCK靴のような従来靴の受け入れ領域と類似している。
【0081】
本発明は、この精神及び中心的な特徴を逸脱することなく他の形態で具体化され得ることを理解すべきである。従って、上記実施形態は全ての点において例示的であり、かつ非限定的であると見なされるべきであり、本発明は本明細書に与えられている詳細な内容に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、本発明の靴の一実施形態の側面図である。
【図2】図2は、図1の靴の側面図であり、ここでは、靴の踵は上方位置にある。
【図3】図3は、本発明の靴の他の実施形態の側面図であり、ここでは、後方サスペンション要素の一例と、ヒンジすなわち開放可能なギャップの一例とが備えられている。
【図4】図4は、図3の靴の側面図であり、ただし、ヒンジすなわち開放可能なギャップの他の例が備えられている。
【図5】図5は、本発明の靴の他の実施形態の側面図であり、ここでは、前方サスペンション要素の一例と、ヒンジすなわち開放可能なギャップの一例とが備えられている。
【図6】図6は、本発明の靴の他の実施形態の側面図であり、ここでは、前方サスペンション要素がアウトソール及びアッパーに相対的に位置決めされている。
【図7】図7は、本発明の靴の他の実施形態の側面図であり、ここでは、前方サスペンション要素、後方サスペンション要素及びヒンジすなわち開放可能なギャップの一例が備えられている。
【図8】図8は、本発明の靴の他の実施形態の斜視図であり、前方サスペンション要素の位置決めを行うための2つの可能性のある配向方向を示す。
【図9】本発明の他の実施形態の斜視図であり、ここでは、前方サスペンション要素、後方サスペンション要素及びヒンジすなわち開放可能なギャップの一例が備えられている。
【図10】前方サスペンション要素の一例及びヒンジすなわち開放可能なギャップの一例が備えられた本発明のさらに他の実施形態の靴の側面図。
【図11】図11は、本発明の靴の理論的な性能に対して、従来の靴の性能を比較するグラフを示す図である。
【図12】図12は、本発明のサスペンション要素の一例の斜視図。
【図13】図13は、本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図14】図14は、本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図15】図15は、本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図16】本発明のサスペンション要素の一実施例の平面図である。
【図17】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図18】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図19】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図20】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図21】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図22】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図23】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図24】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図25】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図26】本発明のサスペンション要素の一実施形態の斜視図である。
【図27】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図28】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図29】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図30】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図31】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図32】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図33】1以上の実施形態のサスペンション要素の製造に際して用いられ得る製造装置の一実施形態の斜視図であり、ここでは、製造装置から分離されて1つの最終的に得られたサスペンション要素が示されている。
【図34】図34は、本発明の靴の部分平面図であり、ここでは、前方サスペンション要素内の密度変化領域を有する発泡体のような材料を備えた前方サスペンション要素の一例が備えられている。
【図35】前方サスペンション要素内のある領域内に発泡体のような材料が備えられた前方サスペンション要素の一実施形態が備えられた本発明の靴の平面図。
【図36】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図37】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図38】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図39】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図40】前方サスペンション要素の2つの例が備えられており、各サスペンション要素が、ミッドソールの前方部分内で異なる向きに配置されている、本発明の靴の部分平面図。
【図41】前方サスペンション要素の側方輪郭部及び/または側方形状の一例を有する前方サスペンション要素が備えられた本発明の靴の部分平面図。
【図42】前方及び後方サスペンション要素の向きが様々な方向とされている実施形態を示す、本発明の靴の一実施形態の底面図。
【図43】前方及び後方サスペンション要素の向きが他の向きとされている実施形態を示す、本発明の靴の一実施形態の底面図。
【図44】本発明の多目的用途用靴の一例の斜視図。
【図45】本発明の靴すなわちブーツの一実施形態の斜視図。
【図46】少なくとも図2のミッドソールの一例を示す側面図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁は、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、該ミッドソールは、略水平方向に延びる前記底部壁の下面に少なくとも一部において接続されている、全体が細長い形状を有するサスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、圧縮中心を有しており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている、靴。
【請求項2】
前記アウトソールが、前記ミッドソールの前記サスペンション要素の下方外表面に接続されている、請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記サスペンション要素が、第1の端部及び第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを備えており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、前記サスペンション要素を形成するように相互に連結されており、かつ開かれた第1,第2の側方部と、これらの間の中空中央サスペンション領域とを形成している、請求項1に記載の靴。
【請求項4】
前記中空中央サスペンション領域が、ごみが前記第1,第2の側方部に入ることを防止するために前記第1,第2の側方部を閉成するように発泡体により少なくとも部分的に充填されている、請求項3に記載の靴。
【請求項5】
前記ソールが、該ソールの横幅に渡って延び、略垂直方向に延びるヒンジスリットを備えており、該ヒンジスリットが水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、該ヒンジスリットは、前記ソールの底面から、ソールの垂直部の少なくとも20%を通り、前記ヒンジスリットの水平方向成分の少なくとも一部が、底面視した場合、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、請求項1に記載の靴。
【請求項6】
前記ソールが、前記ソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップを備えており、該開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、かつ前記ソールの底面から始まり、垂直方向において該ソールの少なくとも10%を通る圧縮要素の上面の少なくとも一部にほぼ追随する経路に沿って延びており、前記開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が底面視した場合に、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、請求項1に記載の靴。
【請求項7】
前記ソールが、該ソールの横幅に沿って延びる開放可能なギャップを備えており、該開放可能なギャップは水平方向部分と、垂直方向部分とを有しており、かつソールの底面から始まり、垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る経路に沿って延びており、開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が、底面視した場合に、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、
請求項1に記載の靴。
【請求項8】
前記ソールは、該ソールの横幅に沿って延びる開放可能なギャップを備えており、該開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、かつサスペンション要素の上面の少なくとも一部にほぼ延びる経路に沿って延びている、請求項1に記載の靴。
【請求項9】
前記サスペンション要素は、ごみがサスペンション要素の内側のスペースに入ることを防止するために、発泡体により少なくとも部分的に充填されている、請求項1に記載の靴。
【請求項10】
前記サスペンション要素は、複数の発泡体領域を備えており、各発泡体領域は、少なくとも1つの他の発泡体領域に対して異なる密度の発泡体を有している、請求項9に記載の靴。
【請求項11】
前記サスペンション要素は、楕円形状、長楕円形状、端部が点とされている形状、端部が丸みを帯びた形状、平坦な上面を有する形状及び/または底面に突出部を有する形状の少なくとも1つからなる断面形状を有している、請求項1に記載の靴。
【請求項12】
前記後方サスペンション要素は、全体が楕円形状を有しており、かつ前記アウトソールは、後方加重中心からミッドソールの後方端部に至るほぼ楕円形の形状に続いている、請求項1に記載の靴。
【請求項13】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、前記サスペンション要素の上部において、少なくとも一方の側方部に隣接して配置された開口とを備えている、請求項1に記載の靴。
【請求項14】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、前記サスペンション要素の頂部において、前記側方部間に位置されている開口とを備える、請求項1に記載の靴。
【請求項15】
前記開口がほぼ矩形の形状を有する、請求項14に記載の靴。
【請求項16】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、これらの側方部に平行な向きにほぼ配置されている複数の繊維とを備える、請求項1に記載の靴。
【請求項17】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、前記側方部に直交する方向にほぼ配置された複数の繊維とを備える、請求項1に記載靴。
【請求項18】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、第1の方向にほぼ配置された第1の複数の繊維と、第1の複数の繊維に対してある角度を成す第2の向きに配置された第2の複数の繊維とを備える、請求項1に記載の靴。
【請求項19】
前記角度が90°である、請求項18に記載の靴。
【請求項20】
前記ミッドソールが、側方輪郭部を備えており、前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部を有しており、少なくとも一方の側方部が、ミッドソールの前記側方輪郭部の少なくとも一部に連なっている、請求項1に記載の靴。
【請求項21】
前記ミッドソールが、側方輪郭部を備えており、前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部を有しており、少なくとも一方の側方部が、前記ミッドソールの前記側方輪郭部の少なくとも一部を越えて横方向に延びている、請求項1に記載の靴。
【請求項22】
前記サスペンション要素が、上方及び下方側方部を備えており、前記下方側方部の少なくとも1つが、前記上方側方部の少なくとも1つを越えて横方向に延びている、請求項1に記載の靴。
【請求項23】
前記ミッドソールが、側方輪郭部を備えており、前記上方側方部の少なくとも1つが、前記ミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部に追随している、請求項22に記載の靴。
【請求項24】
ブーツ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、ランニングシューズ、クロストレーニング用シューズ及びウォーキングシューズの内の少なくとも1つである、請求項1に記載の靴。
【請求項25】
全体が細長い形状を有し、第1の圧縮中心を有する第2のサスペンション要素をさらに備えており、第2のサスペンション要素が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方に対する他方にほぼ整列されている、請求項1に記載の靴。
【請求項26】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソール及びアウトソールを備えるソールをさらに備えており、該ミッドソールが、全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えており、前記圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記サスペンション要素は、さらに、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを備えており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部は、前記サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、中央サスペンション領域が、発泡体により少なくとも部分的に充填されている、靴。
【請求項27】
前記発泡体が、ごみが前記第1,第2の側方部に入るのを防止するために、前記第1,第2の側方部の少なくとも一方を閉成している、請求項26に記載の靴。
【請求項28】
前記中央サスペンション領域は、複数の領域を備えており、該複数の領域の内少なくとも2つの領域が、相互に密度が異なる発泡体を有している、請求項26に記載の靴。
【請求項29】
全体が細長い形状を有し、第2の圧縮中心と、第2の中央サスペンション領域とを有する第2のサスペンション要素をさらに備えており、前記第2のサスペンション要素は、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方の内の他方にほぼ整列されており、前記第2の中央サスペンション領域は、発泡体により少なくとも部分的に充填されている、請求項26に記載の靴。
【請求項30】
前記第2のサスペンション領域内の発泡体は、ごみが前記第2の中央サスペンション領域に入るのを防止する、請求項29に記載の靴。
【請求項31】
前記第2の中央サスペンション領域は、複数の領域を備えており、前記第2の中央サスペンション領域の内少なくとも2つの領域は、相互に密度が異なる発泡体を有している、請求項29に記載の靴。
【請求項32】
前記ソールが、前記アッパーの前方加重中心の略下方に位置する前方領域と、後方加重中心の略下方に位置する後方領域とを備えており、該ソールは、ソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップをさらに備えており、該開放可能なギャップは水平方向部分と垂直方向部分とを有し、かつ前記ソールの底面から始まり、垂直方向においてソールの少なくとも10%通る経路に沿って延びており、前記開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、請求項26に記載の靴。
【請求項33】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、該ミッドソールが、全体が細長い形状を有し、圧縮中心を有するサスペンション要素を備えており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部をさらに有しており、第1,第2の側方部の内の一方の少なくとも一部が、平面視した場合に、靴を長さ方向に通る直線に向かって内側に向かう略コーンケーブ形状を有している、靴。
【請求項34】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、該ミッドソールが、全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えており、該圧縮中心は、前記アッパーの第1,第2の加重中心の内の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記ほぼ細長い形状が平坦な上方領域を有している、靴。
【請求項35】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記下方サスペンションアームが、前記第1,第2の側方部間のある距離の少なくとも一部に渡る、下方にコンベックス状の領域を有している、靴。
【請求項36】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、該ミッドソールがサスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が前記サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側方部と第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記サスペンション要素が、複数の繊維と、繊維密度体とを備えており、該繊維密度体は、前記サスペンション要素の少なくとも一方の位置内の繊維密度体に対し、前記第1,第2の側方部の少なくとも一方により高く隣接されている、靴。
【請求項37】
前記繊維密度体が、前記第1,第2の側方部に同じようにほぼ隣接されている、請求項36に記載の靴。
【請求項38】
前記複数の繊維が、前記第1,第2の側方部に平行な向きにほぼ配置されている、請求項36に記載の靴。
【請求項39】
前記複数の繊維が、前記第1,第2の側方部に直交する向きにほぼ配置されている、請求項36に記載の靴。
【請求項40】
前記複数の繊維が、複数の第1の繊維であり、前記サスペンション要素が、第2の複数の繊維を備えており、前記第1の複数の繊維が第1の向きにほぼ配置されており、前記第2の複数の繊維が、前記第1の複数の繊維の向きに対してある角度である第2の向きに配置されている、請求項36に記載の靴。
【請求項41】
前記角度が90°である、請求項40に記載の靴。
【請求項42】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記サスペンション要素が、複数の繊維及び繊維密度体を備えており、前記複数の繊維が、前記第1,第2の側方部に対して平行な方向及び直交する方向の少なくとも一方にほぼ配置されている、靴。
【請求項43】
前記複数の繊維が、複数の第1の繊維であり、前記サスペンション要素が、第2の複数の繊維を備えており、前記第1の複数の繊維が第1の向きにほぼ配置されており、前記第2の複数の繊維が、前記第1の複数の繊維の向きに対してある角度である第2の向きに配置されている、請求項42に記載の靴。
【請求項44】
前記角度が90°である、請求項43に記載の靴。
【請求項45】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記サスペンション要素は、前記第1の上方サスペンションアーム内の前記第1,第2の側方部の少なくとも一方に隣接するように位置された開口をさらに備えている、靴。
【請求項46】
前記開口が、前記第1の上方サスペンション要素の前記第1の端部から第2の端部に向かって延びている、請求項45に記載の靴。
【請求項47】
前記開口が矩形の形状である、請求項45に記載の靴。
【請求項48】
前記開口が第1の開口であり、前記サスペンション要素が、前記第1,第2の側方部の他方に隣接された第1の上方サスペンションアーム内に設けられた第2の開口をさらに備える、請求項45に記載の靴。
【請求項49】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記サスペンション要素が、前記第1,第2の側方部の内の少なくとも一方に近接配置された第1のモールディングをさらに備えている、靴。
【請求項50】
前記第1,第2の側方部の他方に近接するように位置された第2のモールディングをさらに備える、請求項49に記載の靴。
【請求項51】
前記第1のモールディングが、第1の上方サスペンションアームの前記第1の端部から前記第2の端部に向かって延びる、請求項50に記載の靴。
【請求項52】
前記第1の上方サスペンションアーム及び前記第2の下方サスペンションアームが、単一の一体的な構造として形成されている、請求項49に記載の靴。
【請求項53】
前記アウトソール及び前記ミッドソールが、単一の一体的な構造として形成されている、請求項49に記載の靴。
【請求項54】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、前記ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、圧縮中心と、第1のサスペンション部材と、第2のサスペンション部材とを備えており、各サスペンション部材は、細長い全体形状と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンション部材の各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部は、各サスペンション部材を形成するように相互に接続されており、かつ第1,第2の側方部と、各サスペンション部材のそれぞれについて、第1,第2の側方部と、中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記サスペンション要素の前記第1,第2のサスペンション部材間の加重を分散させるために、前記サスペンション要素と前記アッパーとの間位置されている縁部材をさらに備える、靴。
【請求項55】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、前記ミッドソールは、少なくとも一部が前記アウトソールに接続されている細長い全体形状を有しており、前記サスペンション要素は、圧縮中心を有しており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている、靴。
【請求項56】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、該ミッドソールが、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記ミッドソールは、側方輪郭部を備えており、前記側方部の少なくとも一方が、前記ミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部に追随している、靴。
【請求項57】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、該ミッドソールが、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記ミッドソールが側方輪郭部を有し、前記側方部の少なくとも一方が、前記ミッドソールの前記側方輪郭部の少なくとも一部を越えて横方向に延びている、靴。
【請求項58】
前記ミッドソールが側方輪郭部を有し、前記下方側方部の少なくとも一方が、上方側方部の少なくとも一方を越えて横方向に延びている、靴。
【請求項59】
前記上方側方部の少なくとも一方が、前記ミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部に追随している、請求項58に記載の靴。
【請求項60】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備え、該底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域を備えており、前方領域が、幅を有しており、前記前方加重中心が、該幅からある角度で前方加重中心の幅を横切っている直線により表されており、前記アッパーが、後方加重中心を有する後方領域を備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、該ミッドソールが、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、第1の側方部から第2の側方部に向かってサスペンション要素を横切っている、靴。
【請求項61】
前記角度が0より大きく、20°より小さく、前記圧縮中心が、前記前方加重中心にほぼ整列されている、請求項60に記載の靴。
【請求項62】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
前記アッパーに接続されたソールをさらに備え、該ソールがソールの横幅に向かって延びるほぼ垂直方向のヒンジスリットを備え、該ヒンジスリットが水平方向部と、垂直方向部とを有しており、該ヒンジスリットが、ソールの底面からソールの垂直成分の少なくとも20%を通って延びており、前記ヒンジスリットの水平方向成分の少なくとも一部が、底面視した場合に、前方加重中心及び後方加重中心間の中点と前方加重中心との間に位置されている、靴。
【請求項63】
前記ミッドソールが、細長い全体形状と圧縮中心とを有するサスペンション要素をさらに備え、前記圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている、請求項62に記載の靴。
【請求項64】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
前記アッパーに接続されたソールをさらに備え、該ソールがソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップを備え、前記開放可能なギャップが水平方向部と垂直方向部とを有しており、前記ソールの底面から始まり、垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る圧縮要素の上面の少なくとも一部にほぼ追随する経路に沿って延びており、前記開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が底面視した場合に、前方加重中心及び後方加重中心間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、靴。
【請求項65】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
前記アッパーに接続されたソールをさらに備え、該ソールがソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップを備え、前記開放可能なギャップが水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、前記ソールの底面から始まり、垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る経路に沿って延びており、前記開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が底面視した場合に、前方加重中心及び後方加重中心間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、靴。
【請求項66】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
前記アッパーに接続されたソールをさらに備え、該ソールは、ソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップを備えており、前記開放可能なギャップは、水平方向部と垂直方向部とを有しており、かつサスペンション要素の上面の少なくとも一部にほぼ追随する経路に沿って延びていている、靴。
【請求項67】
前記ミッドソールが、細長い全体形状及び圧縮中心を有するサスペンション要素をさらに備えており、前記圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている、請求項66に記載の靴。
【請求項68】
靴のためのサスペンション要素を製造する方法であって、長さ、幅及び厚みを有し、該長さが複数のサスペンション要素を受け入れる長さとされているダイを供給する工程と、
サスペンション要素を形成するために、前記ダイの幅の周りに複数本のコーティングされた繊維を巻回する工程と、
前記繊維をほぼ一体的な形態を得るために硬化する工程と、
複数のサスペンション要素を、独立したサスペンション要素に分離する工程とを備えるサスペンション要素の製造方法。
【請求項69】
前記巻回工程が、前記ダイの幅に平行な向きに前記繊維を巻回する工程を備える、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ダイが、幅及び厚み方向に沿う断面において楕円形状である、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記ダイが、上面と下面とを備えており、前記上面が、幅及び厚み方向断面において平坦部分を備えている、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記ダイが上面と下面とを備えており、前記下面が、前記幅及び厚み方向断面においてコンベックス部分を備えている、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記分離工程が、靴のミッドソールの輪郭に倣う、複数のサスペンション要素の内の2つの間の分離により生み出される第1,第2の側方部を形成する工程を備える、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記分離工程が、分離前にミッドソールの少なくとも一部よりも幅広の前記長さ方向の一部を測定する工程を備える、請求項68に記載の方法。
【請求項75】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記サスペンション要素が第1,第2の端部の少なくとも一方に隣接するように配置された開口をさらに備える、靴。
【請求項76】
前記開口が矩形の形状である、請求項75に記載の靴。
【請求項77】
前記開口が第1の開口であり、前記サスペンション要素が、前記第1,第2の端部の他方に隣接するように配置された第2の開口を備える、請求項75に記載の靴。
【請求項78】
ソールをさらに備え、該ソールがソールの少なくとも踵部分のためのミッドソール及びアウトソールを備えており、前記アウトソールの踵部分が側面視した場合に湾曲部と後方端部とを有し、前記湾曲部が前記後方加重中心から前記後方端部に向かうほぼ連続的な弧状の形状を有する、靴。
【請求項79】
前記弧状が、約85mmの半径を有する、請求項78に記載の靴。
【請求項1】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁は、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、該ミッドソールは、略水平方向に延びる前記底部壁の下面に少なくとも一部において接続されている、全体が細長い形状を有するサスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、圧縮中心を有しており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている、靴。
【請求項2】
前記アウトソールが、前記ミッドソールの前記サスペンション要素の下方外表面に接続されている、請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記サスペンション要素が、第1の端部及び第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1の端部及び第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを備えており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、前記サスペンション要素を形成するように相互に連結されており、かつ開かれた第1,第2の側方部と、これらの間の中空中央サスペンション領域とを形成している、請求項1に記載の靴。
【請求項4】
前記中空中央サスペンション領域が、ごみが前記第1,第2の側方部に入ることを防止するために前記第1,第2の側方部を閉成するように発泡体により少なくとも部分的に充填されている、請求項3に記載の靴。
【請求項5】
前記ソールが、該ソールの横幅に渡って延び、略垂直方向に延びるヒンジスリットを備えており、該ヒンジスリットが水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、該ヒンジスリットは、前記ソールの底面から、ソールの垂直部の少なくとも20%を通り、前記ヒンジスリットの水平方向成分の少なくとも一部が、底面視した場合、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、請求項1に記載の靴。
【請求項6】
前記ソールが、前記ソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップを備えており、該開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、かつ前記ソールの底面から始まり、垂直方向において該ソールの少なくとも10%を通る圧縮要素の上面の少なくとも一部にほぼ追随する経路に沿って延びており、前記開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が底面視した場合に、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、請求項1に記載の靴。
【請求項7】
前記ソールが、該ソールの横幅に沿って延びる開放可能なギャップを備えており、該開放可能なギャップは水平方向部分と、垂直方向部分とを有しており、かつソールの底面から始まり、垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る経路に沿って延びており、開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が、底面視した場合に、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、
請求項1に記載の靴。
【請求項8】
前記ソールは、該ソールの横幅に沿って延びる開放可能なギャップを備えており、該開放可能なギャップは、水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、かつサスペンション要素の上面の少なくとも一部にほぼ延びる経路に沿って延びている、請求項1に記載の靴。
【請求項9】
前記サスペンション要素は、ごみがサスペンション要素の内側のスペースに入ることを防止するために、発泡体により少なくとも部分的に充填されている、請求項1に記載の靴。
【請求項10】
前記サスペンション要素は、複数の発泡体領域を備えており、各発泡体領域は、少なくとも1つの他の発泡体領域に対して異なる密度の発泡体を有している、請求項9に記載の靴。
【請求項11】
前記サスペンション要素は、楕円形状、長楕円形状、端部が点とされている形状、端部が丸みを帯びた形状、平坦な上面を有する形状及び/または底面に突出部を有する形状の少なくとも1つからなる断面形状を有している、請求項1に記載の靴。
【請求項12】
前記後方サスペンション要素は、全体が楕円形状を有しており、かつ前記アウトソールは、後方加重中心からミッドソールの後方端部に至るほぼ楕円形の形状に続いている、請求項1に記載の靴。
【請求項13】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、前記サスペンション要素の上部において、少なくとも一方の側方部に隣接して配置された開口とを備えている、請求項1に記載の靴。
【請求項14】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、前記サスペンション要素の頂部において、前記側方部間に位置されている開口とを備える、請求項1に記載の靴。
【請求項15】
前記開口がほぼ矩形の形状を有する、請求項14に記載の靴。
【請求項16】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、これらの側方部に平行な向きにほぼ配置されている複数の繊維とを備える、請求項1に記載の靴。
【請求項17】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、前記側方部に直交する方向にほぼ配置された複数の繊維とを備える、請求項1に記載靴。
【請求項18】
前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部と、第1の方向にほぼ配置された第1の複数の繊維と、第1の複数の繊維に対してある角度を成す第2の向きに配置された第2の複数の繊維とを備える、請求項1に記載の靴。
【請求項19】
前記角度が90°である、請求項18に記載の靴。
【請求項20】
前記ミッドソールが、側方輪郭部を備えており、前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部を有しており、少なくとも一方の側方部が、ミッドソールの前記側方輪郭部の少なくとも一部に連なっている、請求項1に記載の靴。
【請求項21】
前記ミッドソールが、側方輪郭部を備えており、前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部を有しており、少なくとも一方の側方部が、前記ミッドソールの前記側方輪郭部の少なくとも一部を越えて横方向に延びている、請求項1に記載の靴。
【請求項22】
前記サスペンション要素が、上方及び下方側方部を備えており、前記下方側方部の少なくとも1つが、前記上方側方部の少なくとも1つを越えて横方向に延びている、請求項1に記載の靴。
【請求項23】
前記ミッドソールが、側方輪郭部を備えており、前記上方側方部の少なくとも1つが、前記ミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部に追随している、請求項22に記載の靴。
【請求項24】
ブーツ、ハイキングシューズ、ハイキングブーツ、ランニングシューズ、クロストレーニング用シューズ及びウォーキングシューズの内の少なくとも1つである、請求項1に記載の靴。
【請求項25】
全体が細長い形状を有し、第1の圧縮中心を有する第2のサスペンション要素をさらに備えており、第2のサスペンション要素が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方に対する他方にほぼ整列されている、請求項1に記載の靴。
【請求項26】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソール及びアウトソールを備えるソールをさらに備えており、該ミッドソールが、全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えており、前記圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記サスペンション要素は、さらに、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを備えており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部は、前記サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、中央サスペンション領域が、発泡体により少なくとも部分的に充填されている、靴。
【請求項27】
前記発泡体が、ごみが前記第1,第2の側方部に入るのを防止するために、前記第1,第2の側方部の少なくとも一方を閉成している、請求項26に記載の靴。
【請求項28】
前記中央サスペンション領域は、複数の領域を備えており、該複数の領域の内少なくとも2つの領域が、相互に密度が異なる発泡体を有している、請求項26に記載の靴。
【請求項29】
全体が細長い形状を有し、第2の圧縮中心と、第2の中央サスペンション領域とを有する第2のサスペンション要素をさらに備えており、前記第2のサスペンション要素は、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方の内の他方にほぼ整列されており、前記第2の中央サスペンション領域は、発泡体により少なくとも部分的に充填されている、請求項26に記載の靴。
【請求項30】
前記第2のサスペンション領域内の発泡体は、ごみが前記第2の中央サスペンション領域に入るのを防止する、請求項29に記載の靴。
【請求項31】
前記第2の中央サスペンション領域は、複数の領域を備えており、前記第2の中央サスペンション領域の内少なくとも2つの領域は、相互に密度が異なる発泡体を有している、請求項29に記載の靴。
【請求項32】
前記ソールが、前記アッパーの前方加重中心の略下方に位置する前方領域と、後方加重中心の略下方に位置する後方領域とを備えており、該ソールは、ソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップをさらに備えており、該開放可能なギャップは水平方向部分と垂直方向部分とを有し、かつ前記ソールの底面から始まり、垂直方向においてソールの少なくとも10%通る経路に沿って延びており、前記開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が、前方加重中心と後方加重中心との間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、請求項26に記載の靴。
【請求項33】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、該ミッドソールが、全体が細長い形状を有し、圧縮中心を有するサスペンション要素を備えており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記サスペンション要素が、第1,第2の側方部をさらに有しており、第1,第2の側方部の内の一方の少なくとも一部が、平面視した場合に、靴を長さ方向に通る直線に向かって内側に向かう略コーンケーブ形状を有している、靴。
【請求項34】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、該ミッドソールが、全体が細長い形状を有し、かつ圧縮中心を有するサスペンション要素を備えており、該圧縮中心は、前記アッパーの第1,第2の加重中心の内の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記ほぼ細長い形状が平坦な上方領域を有している、靴。
【請求項35】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記下方サスペンションアームが、前記第1,第2の側方部間のある距離の少なくとも一部に渡る、下方にコンベックス状の領域を有している、靴。
【請求項36】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、該ミッドソールがサスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が前記サスペンション要素を形成するように接続されており、かつ第1,第2の側方部と第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記サスペンション要素が、複数の繊維と、繊維密度体とを備えており、該繊維密度体は、前記サスペンション要素の少なくとも一方の位置内の繊維密度体に対し、前記第1,第2の側方部の少なくとも一方により高く隣接されている、靴。
【請求項37】
前記繊維密度体が、前記第1,第2の側方部に同じようにほぼ隣接されている、請求項36に記載の靴。
【請求項38】
前記複数の繊維が、前記第1,第2の側方部に平行な向きにほぼ配置されている、請求項36に記載の靴。
【請求項39】
前記複数の繊維が、前記第1,第2の側方部に直交する向きにほぼ配置されている、請求項36に記載の靴。
【請求項40】
前記複数の繊維が、複数の第1の繊維であり、前記サスペンション要素が、第2の複数の繊維を備えており、前記第1の複数の繊維が第1の向きにほぼ配置されており、前記第2の複数の繊維が、前記第1の複数の繊維の向きに対してある角度である第2の向きに配置されている、請求項36に記載の靴。
【請求項41】
前記角度が90°である、請求項40に記載の靴。
【請求項42】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記サスペンション要素が、複数の繊維及び繊維密度体を備えており、前記複数の繊維が、前記第1,第2の側方部に対して平行な方向及び直交する方向の少なくとも一方にほぼ配置されている、靴。
【請求項43】
前記複数の繊維が、複数の第1の繊維であり、前記サスペンション要素が、第2の複数の繊維を備えており、前記第1の複数の繊維が第1の向きにほぼ配置されており、前記第2の複数の繊維が、前記第1の複数の繊維の向きに対してある角度である第2の向きに配置されている、請求項42に記載の靴。
【請求項44】
前記角度が90°である、請求項43に記載の靴。
【請求項45】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記サスペンション要素は、前記第1の上方サスペンションアーム内の前記第1,第2の側方部の少なくとも一方に隣接するように位置された開口をさらに備えている、靴。
【請求項46】
前記開口が、前記第1の上方サスペンション要素の前記第1の端部から第2の端部に向かって延びている、請求項45に記載の靴。
【請求項47】
前記開口が矩形の形状である、請求項45に記載の靴。
【請求項48】
前記開口が第1の開口であり、前記サスペンション要素が、前記第1,第2の側方部の他方に隣接された第1の上方サスペンションアーム内に設けられた第2の開口をさらに備える、請求項45に記載の靴。
【請求項49】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記サスペンション要素が、前記第1,第2の側方部の内の少なくとも一方に近接配置された第1のモールディングをさらに備えている、靴。
【請求項50】
前記第1,第2の側方部の他方に近接するように位置された第2のモールディングをさらに備える、請求項49に記載の靴。
【請求項51】
前記第1のモールディングが、第1の上方サスペンションアームの前記第1の端部から前記第2の端部に向かって延びる、請求項50に記載の靴。
【請求項52】
前記第1の上方サスペンションアーム及び前記第2の下方サスペンションアームが、単一の一体的な構造として形成されている、請求項49に記載の靴。
【請求項53】
前記アウトソール及び前記ミッドソールが、単一の一体的な構造として形成されている、請求項49に記載の靴。
【請求項54】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、前記ミッドソールは、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素は、圧縮中心と、第1のサスペンション部材と、第2のサスペンション部材とを備えており、各サスペンション部材は、細長い全体形状と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンション部材の各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部は、各サスペンション部材を形成するように相互に接続されており、かつ第1,第2の側方部と、各サスペンション部材のそれぞれについて、第1,第2の側方部と、中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、前記サスペンション要素の前記第1,第2のサスペンション部材間の加重を分散させるために、前記サスペンション要素と前記アッパーとの間位置されている縁部材をさらに備える、靴。
【請求項55】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備え、前記ミッドソールは、少なくとも一部が前記アウトソールに接続されている細長い全体形状を有しており、前記サスペンション要素は、圧縮中心を有しており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている、靴。
【請求項56】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、該ミッドソールが、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記ミッドソールは、側方輪郭部を備えており、前記側方部の少なくとも一方が、前記ミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部に追随している、靴。
【請求項57】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、該ミッドソールが、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えており、該圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記ミッドソールが側方輪郭部を有し、前記側方部の少なくとも一方が、前記ミッドソールの前記側方輪郭部の少なくとも一部を越えて横方向に延びている、靴。
【請求項58】
前記ミッドソールが側方輪郭部を有し、前記下方側方部の少なくとも一方が、上方側方部の少なくとも一方を越えて横方向に延びている、靴。
【請求項59】
前記上方側方部の少なくとも一方が、前記ミッドソールの側方輪郭部の少なくとも一部に追随している、請求項58に記載の靴。
【請求項60】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備え、該底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域を備えており、前方領域が、幅を有しており、前記前方加重中心が、該幅からある角度で前方加重中心の幅を横切っている直線により表されており、前記アッパーが、後方加重中心を有する後方領域を備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、該ミッドソールが、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の側方部とを有するサスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、第1の側方部から第2の側方部に向かってサスペンション要素を横切っている、靴。
【請求項61】
前記角度が0より大きく、20°より小さく、前記圧縮中心が、前記前方加重中心にほぼ整列されている、請求項60に記載の靴。
【請求項62】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
前記アッパーに接続されたソールをさらに備え、該ソールがソールの横幅に向かって延びるほぼ垂直方向のヒンジスリットを備え、該ヒンジスリットが水平方向部と、垂直方向部とを有しており、該ヒンジスリットが、ソールの底面からソールの垂直成分の少なくとも20%を通って延びており、前記ヒンジスリットの水平方向成分の少なくとも一部が、底面視した場合に、前方加重中心及び後方加重中心間の中点と前方加重中心との間に位置されている、靴。
【請求項63】
前記ミッドソールが、細長い全体形状と圧縮中心とを有するサスペンション要素をさらに備え、前記圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている、請求項62に記載の靴。
【請求項64】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
前記アッパーに接続されたソールをさらに備え、該ソールがソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップを備え、前記開放可能なギャップが水平方向部と垂直方向部とを有しており、前記ソールの底面から始まり、垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る圧縮要素の上面の少なくとも一部にほぼ追随する経路に沿って延びており、前記開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が底面視した場合に、前方加重中心及び後方加重中心間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、靴。
【請求項65】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
前記アッパーに接続されたソールをさらに備え、該ソールがソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップを備え、前記開放可能なギャップが水平方向部分と垂直方向部分とを有しており、前記ソールの底面から始まり、垂直方向においてソールの少なくとも10%を通る経路に沿って延びており、前記開放可能なギャップの水平方向部分の少なくとも一部が底面視した場合に、前方加重中心及び後方加重中心間の中点と、前方加重中心との間に位置されている、靴。
【請求項66】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、該底部壁が、上面と下面とを有し、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
前記アッパーに接続されたソールをさらに備え、該ソールは、ソールの横幅に渡って延びる開放可能なギャップを備えており、前記開放可能なギャップは、水平方向部と垂直方向部とを有しており、かつサスペンション要素の上面の少なくとも一部にほぼ追随する経路に沿って延びていている、靴。
【請求項67】
前記ミッドソールが、細長い全体形状及び圧縮中心を有するサスペンション要素をさらに備えており、前記圧縮中心が、前記アッパーの第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されている、請求項66に記載の靴。
【請求項68】
靴のためのサスペンション要素を製造する方法であって、長さ、幅及び厚みを有し、該長さが複数のサスペンション要素を受け入れる長さとされているダイを供給する工程と、
サスペンション要素を形成するために、前記ダイの幅の周りに複数本のコーティングされた繊維を巻回する工程と、
前記繊維をほぼ一体的な形態を得るために硬化する工程と、
複数のサスペンション要素を、独立したサスペンション要素に分離する工程とを備えるサスペンション要素の製造方法。
【請求項69】
前記巻回工程が、前記ダイの幅に平行な向きに前記繊維を巻回する工程を備える、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ダイが、幅及び厚み方向に沿う断面において楕円形状である、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記ダイが、上面と下面とを備えており、前記上面が、幅及び厚み方向断面において平坦部分を備えている、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記ダイが上面と下面とを備えており、前記下面が、前記幅及び厚み方向断面においてコンベックス部分を備えている、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記分離工程が、靴のミッドソールの輪郭に倣う、複数のサスペンション要素の内の2つの間の分離により生み出される第1,第2の側方部を形成する工程を備える、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記分離工程が、分離前にミッドソールの少なくとも一部よりも幅広の前記長さ方向の一部を測定する工程を備える、請求項68に記載の方法。
【請求項75】
略水平方向に延びる底部壁を有するアッパーを備えており、前記底部壁が、上面と下面とを有しており、前記アッパーが、前方加重中心を有する前方領域と、後方加重中心を有する後方領域とを備えており、
ミッドソールとアウトソールとを備えるソールをさらに備えており、前記ミッドソールが、サスペンション要素を備えており、該サスペンション要素が、細長い全体形状と、圧縮中心と、第1,第2の端部を有する第1の上方サスペンションアームと、第1,第2の端部を有する第2の下方サスペンションアームとを有しており、各第1,第2のサスペンションアームの各第1,第2の端部が、サスペンション要素を形成するように接続されておりかつ第1,第2の側方部と、第1,第2の側方部間の中央サスペンション領域とを形成しており、前記圧縮中心が、前記アッパーの前記第1,第2の加重中心の少なくとも一方にほぼ整列されており、
前記サスペンション要素が第1,第2の端部の少なくとも一方に隣接するように配置された開口をさらに備える、靴。
【請求項76】
前記開口が矩形の形状である、請求項75に記載の靴。
【請求項77】
前記開口が第1の開口であり、前記サスペンション要素が、前記第1,第2の端部の他方に隣接するように配置された第2の開口を備える、請求項75に記載の靴。
【請求項78】
ソールをさらに備え、該ソールがソールの少なくとも踵部分のためのミッドソール及びアウトソールを備えており、前記アウトソールの踵部分が側面視した場合に湾曲部と後方端部とを有し、前記湾曲部が前記後方加重中心から前記後方端部に向かうほぼ連続的な弧状の形状を有する、靴。
【請求項79】
前記弧状が、約85mmの半径を有する、請求項78に記載の靴。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
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【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【公表番号】特表2008−501482(P2008−501482A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527635(P2007−527635)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/019915
【国際公開番号】WO2005/120272
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(506405530)エナジー マネージメント アスレティックス エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/019915
【国際公開番号】WO2005/120272
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(506405530)エナジー マネージメント アスレティックス エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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