動物用トイレ砂及びこれを用いた動物用トイレ
【課題】優れた吸収力及び脱臭力を有し、転がり難くて広範囲に拡散し難いうえ、動物の足の裏に付着し難く、動物がトイレ砂を収容する容器に出入りする際に容器外にトイレ砂が持ち出され難いトイレ砂を提供する。
【解決手段】シリカゲル粉末に、微粉末樹脂、又は、シリカゾルを主成分とする接着剤を混合して圧縮成型することにより、優れた吸収力及び脱臭力を有し、転がり難くて広範囲に拡散し難いうえ、動物の足の裏に付着し難く、動物がトイレ砂を収容する容器に出入りする際に容器外にトイレ砂が持ち出され難いトイレ砂を提供することができる。
【解決手段】シリカゲル粉末に、微粉末樹脂、又は、シリカゾルを主成分とする接着剤を混合して圧縮成型することにより、優れた吸収力及び脱臭力を有し、転がり難くて広範囲に拡散し難いうえ、動物の足の裏に付着し難く、動物がトイレ砂を収容する容器に出入りする際に容器外にトイレ砂が持ち出され難いトイレ砂を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネコや犬などの愛玩動物のトイレに敷設される敷材に関し、特に、複数の粒状物から成る動物用トイレ砂に関する。
【背景技術】
【0002】
室内で飼育されるネコや犬などの動物のトイレとして、プラスチック製の箱状の容器に「動物用トイレ砂」または「ネコ砂」などと呼ばれる粒状物が敷設されたものが使用されている。通常、このような動物用トイレ砂(以下、単に「トイレ砂」という場合がある)としては、液体を吸収できるベントナイトや紙、または脱臭力を備えたゼオライトなどを、直径が数mm〜数cm程度の略球状に成型したものが用いられている。
【0003】
これに関して、近年、トイレ砂として、動物の排泄物の吸収力および脱臭力に優れた素材であるシリカゲルを成型したものが提案されている。例えば、特許文献1には、シリカゲル粉末に、シリカゾル(コロイダルシリカ)を含む接着剤を混合し、成球機で成球した後、得られた造粒物を乾燥させたトイレ砂が開示されている。この特許文献1に記載されたトイレ砂は、多孔質であり、動物の排泄物の吸収力および脱臭力に優れる。また、このトイレ砂は、球状であり、強度および耐水性が高く、動物の排泄物を吸収しても割れ難く、長期間使用することができる。
【特許文献1】特開平9−271283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたトイレ砂は、動物の尿を素早く吸収することを目的として、直径が2mm〜6mm程度の小球形に成型されているため、プラスチック製の容器外へ飛散し易く、また転がり易い。このため、動物の足の裏に付着するなどして容器外へ持ち出されたトイレ砂は、広範囲に拡散し易い。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、優れた吸収力及び脱臭力を有するとともに、転がり難くて広範囲に拡散し難い動物用のトイレ砂を提供することを目的とする。本発明はまた、動物の足の裏に付着し難く、動物がトイレ砂を収容する容器に出入りする際、容器外にトイレ砂が持ち出され難いトイレ砂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、シリカゲルを主体とする粒状物を非球状に成型することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0007】
(1) 複数の粒状物から成る動物用トイレ砂であって、前記粒状物は、非球状である動物用トイレ砂。
【0008】
本発明に係る動物用トイレ砂を構成する粒状物の形状は、「非球状」であり、意図的に「非球状」に成型したものの他、結果的に「非球状」の形状を有するに至ったものも本発明に包含される。本発明でいう「非球状」とは、トイレ砂を置いた平板を任意の方向に動かしたときに、任意の方向に転がらない形状であることを意味する。粒状物の形状を「非球状」とすることにより、転がり難く、広範囲に拡散しない動物用トイレ砂を提供することができる。
【0009】
(2) 前記粒状物は、最大の外径が3mm以上20mm以下である(1)記載の動物用トイレ砂。
【0010】
粒状物の大きさは、特に限定されないが、最大の外径が3mm以上20mm以下であることが好ましく、6mm以上10mm以下であることがさらに好ましい。最大の外径がおよそ10mm程度であれば粒状物同士の隙間が大きいため、動物の尿はこの隙間を透過して、粒状物の下に配置された吸液シートへ素早く移行するので特に好ましい。また、動物の足裏に付着し難く、動物が粒状物を収容する容器に出入りする際に、粒状物が容器外へ持ち出されるおそれを低減することもできる。一方、粒状物が小さすぎると、粒状物同士の隙間が小さくなって液通過性が低下してしまい、トイレ砂の寿命が短くなってしまう。なお、粒状物の厚みは、5mm以上12mm以下が好ましく、5mm以上9mm以下がさらに好ましい。
【0011】
(3) 前記粒状物は、略円柱状であり、両端面の中央が膨出している(1)又は(2)記載の動物用トイレ砂。
【0012】
粒状物の具体的な形状は、特に限定されないが、粒状物同士が擦れ合って磨耗し、粉塵が発生することを防止するため、粒状物の形状は角が少ない形状であることが好ましい。具体的に例を挙げると、側断面が三角型、四角形、星型、ドーナツ型、菱型、六角形等の多角柱形状、正四面体、正六面体等の多面体、及びそれらの角を取った形状、略円柱状の形状、略円柱状の両端面の中央が膨出している中央部膨出型の形状、略円柱状の両端面の中央が陥没している中央部陥没型などである。中央部が平面であると、粒状物の平面部分で互いに密着し、液通過性が悪くなる。また、中央部が陥没していると、液が窪みに溜まり、液通過性が悪くなる。そのため、略円柱状の両端面の中央が膨出している中央部膨出型の形状であることが好ましい。
【0013】
(4) 前記粒状物は、3秒間あたりの液吸収量が最大液吸収量の20%以上70%以下であり、かつ、前記最大液吸収量が前記粒状物の重量の0.3倍以上4.0倍以下である(1)から(3)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0014】
トイレ砂を構成する個々の粒状物は、液体の吸収速度が抑えられている。このため、液体はまず、粒状物同士の隙間を縫ってすばやく通過していく。そして、粒状物の表面に残った液体は、時間の経過と共に粒状物中に吸収されていく。従って、粒状物の表面に水分が残留しにくく、さらさらとした状態を維持しやすい。
【0015】
本明細書における「3秒間あたりの液吸収量」は、例えば、下記の手順1)から5)で測定される値である。
1)図11に示すように粒状物10の100gを秤量して水切り容器402(例えばざる)に入れて、重石となる板403(例えばステンレス板)で上から押さえ、
2)生理食塩水404を満たした水槽401内に、粒状物10が充分に浸かる深さまで水切り容器402ごと浸漬して3秒間浸し、
3)水切り容器402を取り出し、板403を取り除き、粒状物を充分な量の紙製タオル(保水倍率が4倍以上のものを使用する。スポイトで落とした水が溜まらずに直ちに吸収されるものであることが必要である。例えば、キムタオル:登録商標、クレシア社製、が好ましく用いられる。)で挟み込み、表面についた余分な水滴を取り除き、
4)もう一度新しい紙製タオルへ移しなおし水滴を取り除き(3秒間測定の場合、表面に残った水滴の吸収により測定誤差が生じる為速やかにふき取りを行う。測定時間は表1に示す時間で行う。)、
5)ふき取り後の重量−100gを粒状物100gあたりの液吸収量とする。
【0016】
また、「最大液吸収量」とは、「10分間あたりの液吸収量」であり、上記の「3秒間」を「10分間」に変えた以外は同様の方法で求められる。
【0017】
【表1】
【0018】
(5) 前記複数の粒状物全体の液通過率は、60%以上である(1)から(4)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0019】
従来のトイレ砂の液通過率は、(a)固まるタイプの紙砂(パルプと高吸収性樹脂とデンプンとからなる)の場合は27%、(b)固まらないタイプ(パルプと炭酸カルシウムとからなる)の場合は50%、(c)初期含水率5%、粒径3mmから3.5mmの耐水シリカゲルの場合は7%である。これに対して本発明では、粒状物全体の液通過率は60%以上であるため、粒状物同士の隙間を液体が通過しやすく、特に、吸液シートと併用して用いた場合に有効である。なお、より好ましくは、本発明のトイレ砂の液通過率は70%以上であり、更に好ましくは80%以上である。
【0020】
〔液通過率の試験方法〕
本明細書における「液通過率」は、例えば、下記の手順1)から6)で測定される値である。
1)図12に示すように、ペットシート503(後述する物性を備えることが好ましい。例えば、「デオシート」:登録商標、ユニ・チャームペットケア株式会社製、が好ましく用いられる)の重量Aを測定し、
2)円筒501(深さ30mmに粒状物10を敷き詰めるため、例えば直径75mm×深さ30mmの円筒を準備する)内に粒状物10をすりきりで充填し、
3)生理食塩水404を、漏斗502で粒状物の中心部付近の高さ30mmの位置から、20.0gを10秒間の速度で滴下し、
4)滴下後に粒状物10と円筒501を取り除き(取り除く際は、粒状物10とペットシート503との間で余分な水分移行がおこらないように円筒上部にプラスチックの平板を乗せペットシート503ごと反転させ、その後に粒状物10と円筒501を取り除く)、
5)ペットシート503の重量Bを測定し、
6)100×(B−A)/20=液吸通過率とする。
【0021】
ペットシート503は、図13に示すように、45度の傾斜504に沿って配置し、5mlの生理食塩水を高さ5cmから1秒間で滴下した際に、液の流れた長さwが100mm以内のものを使用することが好ましい。また、生理食塩水に10分間シートをドブ漬けした後、引き上げて10分間吊り下げて水を切り、その後、脱水機(90G)で90秒間脱水した後の重量から、脱水前の重量を引いた保水量が45cm×34cmサイズの製品で200g以上のものを使用することが好ましい。
【0022】
なお、トイレ砂は、本来はトイレ砂が入ったスノコの下にシートを敷いて使用するため、粒のサイズに合わせた、液の抜けが一番よいスノコを作成し、粒状物を30mm敷き詰めた状態で上記の液通過率を測定してもよい。
【0023】
(6) 前記粒状物は、25℃、湿度50%雰囲気下で24時間放置後の含水率が3重量%以上15重量%以下である(1)から(5)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0024】
前記粒状物の初期含水率を3重量%以上15重量%以下、好ましくは4重量%以上10重量%以下に保つことによって、粒状物が液体をすばやく通過させると共に、粒状物上に残った水分を吸収することを可能としている。これによって、粒状物の表面をさらさらとした状態に保つことを容易なものとし、長期間繰り返し使えることができる。
【0025】
(7) 前記粒状物は、シリカゲル粉末と、シリカゾルを主成分とする接着剤との混合物を圧縮成型したものである(1)から(6)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0026】
粒状物の主成分としては、シリカゲル(A型、B型、C型)、及びベントナイト、カオリン、ゼオライト等の、微粉砕木粉、微粉砕パルプ等の天然繊維などが使用できる。特に好ましいのは、吸液した鉱物が、自然な室内条件(25℃、湿度50%)で水分の放出を行うものであり、B型シリカゲルや、C型シリカゲル、ゼオライト、木粉、パルプ粉である。これは、ペットシートと併用して使用するという特性上、より長期間使用するために、一度吸収した液を放出し繰り返し使用できるほうが良いためである。
【0027】
なかでも、粒状物は、シリカゲル粉末と、シリカゾルを主成分とする接着剤とを混合した混合物を圧縮成型することが好ましい。これにより、非球状でも高い強度を有するトイレ砂を得ることができる。また、シリカゲルを用いているため、吸収性、脱臭性、及び、液通過性に優れている。このようにして非球状に圧縮成型されたトイレ砂は、混合物を転動造粒したトイレ砂に比して形状が一定であり、動物の排泄物の透過性能および吸収性能が安定している。このようなシリカゲル粉末と、シリカゾルを主成分とする接着剤とを混合して圧縮成型したものは、耐水シリカゲル(FNGシリカゲル)と同等の吸収性能を有し、吸水しても割れることはない。従って、本発明に係るトイレ砂は、吸液シートと併用すると特に有効である。
【0028】
(8) 前記混合物は、繊維長が20μm以上500μm以下の繊維状物質をさらに含む(7)記載の動物用トイレ砂。
【0029】
繊維状物質の使用は必須ではないが、粒状物に繊維状物質を混合した場合には、バインダーとして機能するため、トイレ砂の形状を保持し、強度を高めることができる。さらには、圧縮成型機から取り出す際の破砕率を大きく低減することができる。この点、繊維状物質に代えてホットメルト型の接着剤をシリカゲル粉末に混合することもできるが、ホットメルト型の接着剤は、添加量が少な過ぎると、接着剤としての機能を発揮できず、添加量が多過ぎると、トイレ砂の吸収性能が低下してしまう。これに対して、繊維状物質は吸水性を備えるため、繊維状物質の混合割合を調整することで、トイレ砂の吸収性を調整することができる。但し、繊維状物質の使用は、液通過性を低下させることにもなるため、吸収性と液通過性とのバランスを考慮しながら、繊維状物質の混合割合を調整することが必要である。
【0030】
繊維状物質の好ましい繊維長は、20μm以上500μm以下であり、さらに好ましくは、50μm以上150μm以下である。繊維長が長くなり過ぎると、シリカゲル粉末と均一に混合し難くなり、トイレ砂の形状保持力の低下を招く。具体的な繊維状物質の例としては、パルプの他、PP繊維、PET繊維、および、レーヨンなどが挙げられる。例えば、100メッシュパス95%以上、即ち、孔径が0.15mmの篩を通過するものの割合が95%以上であるパルプが特に好ましく用いられる。また、これら繊維状物質の混合割合は、シリカゲル粉末に対し、1重量%以上10重量%以下が好ましく、2重量%以上5重量%以下がさらに好ましい。
【0031】
(9) 前記粒状物は、シリカゲル粉末と、微粉末樹脂との混合物を圧縮成型したものである(1)から(8)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0032】
また、本発明に係る粒状物は、シリカゲル粉末と、微粉末樹脂とを混合した混合物を圧縮成型することによって製造することができる。この場合には、微粉末樹脂がシリカゲル粉末間を繋ぎとめる接着剤の役割を果たす。シリカゲル粉末としては、上記のシリカゾルを用いた場合と同様に、B型若しくはC型シリカゲルを用いることができ、粒径は20μm以上500μm以下が好ましく、40μm以上150μm以下であることがさらに好ましい。微粉末樹脂としては、アクリル樹脂の他、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、酢酸ビニル、ポバール樹脂等が挙げられ、これら微粉末樹脂の平均粒径は0.1μm以上500μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.5μm以上250μm以下、さらに好ましいのは0.5μm以上10μm以下のものが良い。粒子径が細かいほど、ハンドプレス、打錠機やブリケット方式での加圧時に十分に延伸され、微粉末材料との接着面積や隣り合う樹脂との結合を得られやすく、粒の成形性に優れる。なお、シリカゲル粉末に対する微粉末樹脂の混合率は、1重量%以上40重量%以下が好ましく、2重量%以上10重量%以下であることがさらに好ましい。
【0033】
(10) 前記粒状物は、嵩比重が0.3g/cm3以上1.0g/cm3以下である(1)から(9)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0034】
粒状物の嵩比重は、0.3g/cm3以上1.0g/cm3以下が好ましく、0.6g/cm3以上0.8g/cm3以下がさらに好ましい。粒状物の嵩比重が大き過ぎると、購入後の持ち帰りが不便であるうえ、使用後には廃棄物の重量が増加してしまう。さらには、粒状物自体が締まり過ぎているため、液吸収性が悪くなる。一方、粒状物の嵩比重が小さ過ぎると、飛散し易くなる。
【0035】
(11) 動物の体液を吸収する吸液シートの上に配置される(1)から(10)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0036】
本発明に係るトイレ砂が有する良好な吸収性、脱臭性、及び、液通過性といった効果は、専用のスノコ付きトイレにおいて、スノコを介して、動物の体液を吸収する吸液シートの上に配置されて使用されたときに大きく発揮される。即ち、動物が排泄した尿は、粒状物の隙間を透過して、素早く吸液シートに移行する一方で、粒状物の表面に付着、残存した尿は素早く吸収される。このため、悪臭の発生を効果的に防止でき、トイレ内を清潔に保つことができる。
【0037】
(12) 複数の粒状物から成る動物用トイレ砂の製造方法であって、シリカゲル粉末に、微粉末樹脂、又は、シリカゾルを主成分とする接着剤を混合してこれらの混合物を得る混合工程と、前記混合物を圧縮成型して非球状の粒状物を得る成型工程と、を含む動物用トイレ砂の製造方法。
【0038】
シリカゲル粉末と、微粉末樹脂、又は、シリカゾルを主成分とする接着剤とを混合する混合工程では、シリカゲル粉末が局所的に固まって小塊を生じないように、シリカゲル粉末に微粉末樹脂又は接着剤を少量ずつ添加して十分に攪拌する必要がある。なお、シリカゲル粉末と、微粉末樹脂又は接着剤との混合物は、水分の蒸発を防ぐために密閉容器に収容し、およそ24時間程度放置して養生することが好ましい。養生することにより、微粉末樹脂又は接着剤がシリカゲル粉末に十分になじみ、トイレ砂の強度を高めることができる。また、圧縮成型は、ブリケット式の圧縮成型機または打錠機などを用い、10KN/cm2〜30KN/cm2程度の圧力で、シリカゲル粉末と微粉末樹脂又は接着剤との混合物を略円柱状などの所定の形状に成型する。
【0039】
上記の粒状物を構成する材料の平均粒度は、1〜1000μmが好ましく、さらに好ましくは20〜500μm、さらに好ましいのは40〜150μmである。粒度が1000μmを超えて荒い場合は、後述する樹脂等のバインダーの接着面積が同重量では相対的に小さくなり、充分な接着強度が得られない。また、粒度が1μm未満で細かい場合は、流動性が悪くなり、生産性が落ちる。特に、後述するように粒状物を打錠機で生産する場合は定量供給することが重要であり、流動性が悪く安息角が大きい粒状物の場合、ブリッジを起こしてしまい生産性の悪化が問題となる。なお、臼16、16aから杵15、15aを取り出し易くするため、潤滑剤として機能するステアリン酸マグネシウム等を加えても良い。潤滑剤を加えることで、打錠機で成型するときに杵からの粒の抜け性が向上し、粒の成型安定性や機械への負担の軽減効果がある。
【0040】
(13) 動物が出入りするための開口と、動物用トイレ砂が敷設される液通過性の底面部と、を備えた動物用トイレ砂収納容器と、この動物用トイレ砂収納容器の前記底面部の下方に位置し、かつ、吸液シートが配置される吸液シート収納容器とからなる動物用トイレにおいて、前記動物用トイレ砂は(1)から(12)いずれか記載の動物用トイレ砂である動物用トイレ。
【0041】
本発明の動物用トイレは、動物用のトイレ砂を収納する収納容器及び吸液シートを敷く収納容器との二重構造から成っている。このため、動物用トイレ砂上に排泄された排泄物からそれに含有されている液体を、速やかに吸液シートへと移行させることが可能となっている。また、動物用トイレ砂収納容器の底面部を吸液シート収納容器内の吸液シートと離間させるようにすることにより、吸液シートへと移行した液体が、動物用のトイレ砂に逆戻りしてしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、転がり難く、且つ、強度に優れ、長期間使用できる動物用トイレ砂が得られる。また、尿などの動物の排泄物の吸収力と脱臭力に優れ、トイレ砂の下に配置される吸液シートへ尿を速やかに移行させ、悪臭の発生を予防できるトイレ砂を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0044】
<第1実施形態>
[形状]
第1実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物10の斜視図を図1に、図1における粒状物10をX1−X2方向に切断したときの断面図を図2に示す。図1及び図2に示す通り、第1実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物10は、略円柱状である。この粒状物の最大の外径は、10mm、厚みは7mmである。また、端面の中央は膨出しており、曲率半径は10mmである。
【0045】
[製造方法]
第1実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物10の製造方法は、混合工程と成型工程とを含み、より詳しくは次の通りである。
【0046】
〔混合工程〕
先ず、B型若しくはC型シリカゲル粉末50重量部に、繊維長の短いパルプ5重量部を混合した後、これにシリカゾルを主成分とする接着剤45重量部を徐々に加え、大きな塊が生じないように十分攪拌する。十分攪拌して得た混合物を、水分が揮散しないように容器に入れ、1日放置して接着剤をなじませる。
【0047】
〔成型工程〕
1日放置した後、図3に示すようなハンドプレス機101を用いて、圧力をかけて略円柱状に成型する。具体的には、臼16の中に混合物を投入した後、杵15に圧力をかけて圧縮成型する。圧縮成型後は、ハンドプレス機101から成型品を取り出し、水分含有量が重量比で10%以下になるまで乾燥させる。最後に篩をかけ、微粉末や粉砕品を取り除いて略円柱状の粒状物10を得る。圧縮成型の際の圧力は、成型機からの取り出し性、粒状物の強度、乾燥性等を考慮して適宜調整される。圧力が強すぎると尿等の吸収性が悪くなり、逆に圧力が弱すぎると粒状物の形状を保持することが困難となる。具体的には、最大の外径が10mmの粒状物を得るのに適したサイズのハンドプレス機、即ち、杵15の内径が10mmのハンドプレス機を用いる場合には、圧力を10KN/cm2〜30KN/cm2かけることによって、所望の略円柱状の粒状物を得ることができる。
【0048】
<第2実施形態>
[形状]
第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20の斜視図を図4に、図4における粒状物20をX3−X4方向に切断したときの断面図を図5に示す。図4及び図5に示す通り、第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20は、略アーモンド状である。この粒状物20の最大の外径は、10mm、厚みは7mmである。この第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20は、エッジ部が無いため、磨耗し難く、強度に優れる。
【0049】
[製造方法]
第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20の製造方法は、第1実施形態と同様に、混合工程と成型工程とを含み、より詳しくは次の通りである。
【0050】
〔混合工程〕
先ず、B型若しくはC型シリカゲル粉末に対して、微粉末アクリル樹脂等の微粉末樹脂を重量比で2%〜10%の割合で混合する。シリカゲル粉末と微粉末樹脂との混合割合は、圧縮成型したときの成型機からの取り出し性、粒状物の強度、乾燥性等を考慮して適宜調整される。
【0051】
〔成型工程〕
図6に示すようなブリケット式圧縮成型機(ホソカワ/ビーペックス製ブリケットマシン)102を用いて、略アーモンド状に成型する。具体的には、ホッパ11に混合物1を供給し、縦型の押し込みスクリュー12により脱気と予備圧縮を行いながら、回転する2個のロール13の間に供給され、ロール13の表面に備えられた成型物の母型であるポケット14により、圧縮成型される。圧縮成型後は、圧縮成型機から成型品を取り出し、篩をかけ、微粉末や粉砕品を取り除いて略アーモンド状の粒状物20を得る。
【0052】
なお、このように水を使用しないタイプの粒状物の成型においては、上記のハンドプレス機を用いて略円柱状のような粒状物を製造することもできる。具体的には、B型若しくはC型シリカゲル粉末に微粉末アクリル樹脂を重量比で10%添加して十分に混合したものを、ハンドプレス機で圧力をかけて圧縮成型することで製造することができる。より詳しくは、最大の外径が10mmの粒状物を得るのに適したサイズのハンドプレス機、即ち、杵15の内径が10mmのハンドプレス機を用いる場合には、圧力を15KN/cm2かけることによって、所望の形状を有する粒状物を得ることができる。
【0053】
<使用態様>
第1実施形態及び第2実施形態の粒状物を用いた動物用トイレの斜視図を図7、使用方法を示す分解斜視図を図8、トイレ砂10及び吸液シート206を収納した図7に示す動物用トイレの一部断面図を図9に示す。
【0054】
本発明の動物用トイレは、図7に示すように、多数の粒状物から成るトイレ砂を貯留する箱状のトイレ砂収納容器201と、前記収納容器201の下方に位置し出し入れ自在に組み込まれた吸液シートを収納する吸液シート収納容器202と、前記トイレ砂収納容器201の上部に側面を覆うようにして設置された側面カバー203とを主要素として構成されている。前記トイレ砂収納容器201の底面部204は、複数の空孔205を有している。この空孔205は、多面体又は円形であることが好ましく、トイレ砂10が抜け落ちない大きさであることが好ましい。
【0055】
図8に示すように、トイレ砂収納容器201の底面部204の上面には、トイレ砂10を所定量敷いて層状に敷設する。また、吸液シート収納容器202内に、吸液シート206を敷設する。
【0056】
図9は、本発明のトイレ砂10及び吸液シート206を収納したトイレの断面を示す。動物が排泄した時には、液体207はまず、トイレ砂10の間を通ってトイレ砂収納容器201の底面部204に設置されている空孔205を通過し、吸液シート収納容器202に敷かれている吸液シート206に吸収される。そして、前記トイレ砂10中に残った液体207は、時間の経過と共に前記トイレ砂10中に吸収されていく。
【実施例】
【0057】
まず、質量%で、C型シリカゲル微粉末92.5%、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)樹脂(平均体積粒子径は4.3μ、日本NSC社FX2350)7.0%、ステアリン酸マグネシウム0・5%の割合で、材料を充分な均等性が得られるまで攪拌・混合を行った。C型シリカゲルは粒度分布体積平均粒子径で25μmのものを使用した。C型シリカゲル微粉末及びEVA樹脂の粒径は、日揮装株式会社マイクロトラック粒子側測定器HRA(X−100)にて測定した。
【0058】
次に、上記の混合物を、打錠機(株式会社畑鉄工所社製打錠機:型番HT-T18)を使用して打錠した。なお、打錠機は、株式会社菊水製作所の打錠機:型番VIRGO 0518SSでも同じように生産が可能であった。
【0059】
打錠機の型は、図10に示すように、円柱状の中空部を有する臼16aと、その中空内を上下に摺動可能な杵15a、17aからなり、円柱状の両端面の中央が膨出している中央部膨出型の形状を成型可能であり、円柱部の直径が9mm、中央の膨出部のRが13mm、膨出部周縁の平端部は0.1mm、中央の膨出部の高さが0.77mmの型を用いた。また、製造条件は、混合物を0.26〜0.30g/個供給し、圧力は20〜35KNになるように加圧した。
【0060】
その結果、図1、2に示すような中央部膨出型の粒状物10が得られた。この粒状物10の最大の外径は9mm、厚みは5.7mm以上6.0mm以下、重量は0.26〜0.30gであった。
【0061】
この実施例で得られた粒状物の性能は表2に示す。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物10の斜視図である。
【図2】図1における粒状物10をX1−X2方向に切断したときの断面図である。
【図3】本発明に係るトイレ砂の製造装置であるハンドプレス機の概略構成図である。
【図4】第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20の斜視図である。
【図5】図4における粒状物20をX3−X4方向に切断したときの断面図である。
【図6】本発明に係るトイレ砂の製造装置であるブリケット式圧縮成型機の概略構成図である。
【図7】本発明の動物用トイレの一実施形態を示す図である。
【図8】図7における動物用トイレの使用方法を示す分解斜視図である。
【図9】図7における動物用トイレの一部断面図である。
【図10】実施例における打錠機の型の形状を示す図である。
【図11】液吸収量の測定方法を示す図である。
【図12】液通過率の測定方法を示す図である。
【図13】ペットシートの選択にあたり保水量の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 混合物
10、20 粒状物
11 ホッパ
12 押し込みスクリュー
13 ロール
14 ポケット
15、15a、17、17a 杵
16、16a 臼
101 ハンドプレス機
102 ブリケット式圧縮成型機
200 動物用トイレ
201 動物用トイレ砂収納容器
202 吸収シート収納容器
203 側面カバー
204 底面部
205 空孔
206 吸液シート
207 液体
401 水槽
402 水切り容器
403 板
404 生理食塩水
501 円筒
502 漏斗
503 ペットシート
504 傾斜
W 長さ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネコや犬などの愛玩動物のトイレに敷設される敷材に関し、特に、複数の粒状物から成る動物用トイレ砂に関する。
【背景技術】
【0002】
室内で飼育されるネコや犬などの動物のトイレとして、プラスチック製の箱状の容器に「動物用トイレ砂」または「ネコ砂」などと呼ばれる粒状物が敷設されたものが使用されている。通常、このような動物用トイレ砂(以下、単に「トイレ砂」という場合がある)としては、液体を吸収できるベントナイトや紙、または脱臭力を備えたゼオライトなどを、直径が数mm〜数cm程度の略球状に成型したものが用いられている。
【0003】
これに関して、近年、トイレ砂として、動物の排泄物の吸収力および脱臭力に優れた素材であるシリカゲルを成型したものが提案されている。例えば、特許文献1には、シリカゲル粉末に、シリカゾル(コロイダルシリカ)を含む接着剤を混合し、成球機で成球した後、得られた造粒物を乾燥させたトイレ砂が開示されている。この特許文献1に記載されたトイレ砂は、多孔質であり、動物の排泄物の吸収力および脱臭力に優れる。また、このトイレ砂は、球状であり、強度および耐水性が高く、動物の排泄物を吸収しても割れ難く、長期間使用することができる。
【特許文献1】特開平9−271283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたトイレ砂は、動物の尿を素早く吸収することを目的として、直径が2mm〜6mm程度の小球形に成型されているため、プラスチック製の容器外へ飛散し易く、また転がり易い。このため、動物の足の裏に付着するなどして容器外へ持ち出されたトイレ砂は、広範囲に拡散し易い。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、優れた吸収力及び脱臭力を有するとともに、転がり難くて広範囲に拡散し難い動物用のトイレ砂を提供することを目的とする。本発明はまた、動物の足の裏に付着し難く、動物がトイレ砂を収容する容器に出入りする際、容器外にトイレ砂が持ち出され難いトイレ砂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、シリカゲルを主体とする粒状物を非球状に成型することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0007】
(1) 複数の粒状物から成る動物用トイレ砂であって、前記粒状物は、非球状である動物用トイレ砂。
【0008】
本発明に係る動物用トイレ砂を構成する粒状物の形状は、「非球状」であり、意図的に「非球状」に成型したものの他、結果的に「非球状」の形状を有するに至ったものも本発明に包含される。本発明でいう「非球状」とは、トイレ砂を置いた平板を任意の方向に動かしたときに、任意の方向に転がらない形状であることを意味する。粒状物の形状を「非球状」とすることにより、転がり難く、広範囲に拡散しない動物用トイレ砂を提供することができる。
【0009】
(2) 前記粒状物は、最大の外径が3mm以上20mm以下である(1)記載の動物用トイレ砂。
【0010】
粒状物の大きさは、特に限定されないが、最大の外径が3mm以上20mm以下であることが好ましく、6mm以上10mm以下であることがさらに好ましい。最大の外径がおよそ10mm程度であれば粒状物同士の隙間が大きいため、動物の尿はこの隙間を透過して、粒状物の下に配置された吸液シートへ素早く移行するので特に好ましい。また、動物の足裏に付着し難く、動物が粒状物を収容する容器に出入りする際に、粒状物が容器外へ持ち出されるおそれを低減することもできる。一方、粒状物が小さすぎると、粒状物同士の隙間が小さくなって液通過性が低下してしまい、トイレ砂の寿命が短くなってしまう。なお、粒状物の厚みは、5mm以上12mm以下が好ましく、5mm以上9mm以下がさらに好ましい。
【0011】
(3) 前記粒状物は、略円柱状であり、両端面の中央が膨出している(1)又は(2)記載の動物用トイレ砂。
【0012】
粒状物の具体的な形状は、特に限定されないが、粒状物同士が擦れ合って磨耗し、粉塵が発生することを防止するため、粒状物の形状は角が少ない形状であることが好ましい。具体的に例を挙げると、側断面が三角型、四角形、星型、ドーナツ型、菱型、六角形等の多角柱形状、正四面体、正六面体等の多面体、及びそれらの角を取った形状、略円柱状の形状、略円柱状の両端面の中央が膨出している中央部膨出型の形状、略円柱状の両端面の中央が陥没している中央部陥没型などである。中央部が平面であると、粒状物の平面部分で互いに密着し、液通過性が悪くなる。また、中央部が陥没していると、液が窪みに溜まり、液通過性が悪くなる。そのため、略円柱状の両端面の中央が膨出している中央部膨出型の形状であることが好ましい。
【0013】
(4) 前記粒状物は、3秒間あたりの液吸収量が最大液吸収量の20%以上70%以下であり、かつ、前記最大液吸収量が前記粒状物の重量の0.3倍以上4.0倍以下である(1)から(3)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0014】
トイレ砂を構成する個々の粒状物は、液体の吸収速度が抑えられている。このため、液体はまず、粒状物同士の隙間を縫ってすばやく通過していく。そして、粒状物の表面に残った液体は、時間の経過と共に粒状物中に吸収されていく。従って、粒状物の表面に水分が残留しにくく、さらさらとした状態を維持しやすい。
【0015】
本明細書における「3秒間あたりの液吸収量」は、例えば、下記の手順1)から5)で測定される値である。
1)図11に示すように粒状物10の100gを秤量して水切り容器402(例えばざる)に入れて、重石となる板403(例えばステンレス板)で上から押さえ、
2)生理食塩水404を満たした水槽401内に、粒状物10が充分に浸かる深さまで水切り容器402ごと浸漬して3秒間浸し、
3)水切り容器402を取り出し、板403を取り除き、粒状物を充分な量の紙製タオル(保水倍率が4倍以上のものを使用する。スポイトで落とした水が溜まらずに直ちに吸収されるものであることが必要である。例えば、キムタオル:登録商標、クレシア社製、が好ましく用いられる。)で挟み込み、表面についた余分な水滴を取り除き、
4)もう一度新しい紙製タオルへ移しなおし水滴を取り除き(3秒間測定の場合、表面に残った水滴の吸収により測定誤差が生じる為速やかにふき取りを行う。測定時間は表1に示す時間で行う。)、
5)ふき取り後の重量−100gを粒状物100gあたりの液吸収量とする。
【0016】
また、「最大液吸収量」とは、「10分間あたりの液吸収量」であり、上記の「3秒間」を「10分間」に変えた以外は同様の方法で求められる。
【0017】
【表1】
【0018】
(5) 前記複数の粒状物全体の液通過率は、60%以上である(1)から(4)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0019】
従来のトイレ砂の液通過率は、(a)固まるタイプの紙砂(パルプと高吸収性樹脂とデンプンとからなる)の場合は27%、(b)固まらないタイプ(パルプと炭酸カルシウムとからなる)の場合は50%、(c)初期含水率5%、粒径3mmから3.5mmの耐水シリカゲルの場合は7%である。これに対して本発明では、粒状物全体の液通過率は60%以上であるため、粒状物同士の隙間を液体が通過しやすく、特に、吸液シートと併用して用いた場合に有効である。なお、より好ましくは、本発明のトイレ砂の液通過率は70%以上であり、更に好ましくは80%以上である。
【0020】
〔液通過率の試験方法〕
本明細書における「液通過率」は、例えば、下記の手順1)から6)で測定される値である。
1)図12に示すように、ペットシート503(後述する物性を備えることが好ましい。例えば、「デオシート」:登録商標、ユニ・チャームペットケア株式会社製、が好ましく用いられる)の重量Aを測定し、
2)円筒501(深さ30mmに粒状物10を敷き詰めるため、例えば直径75mm×深さ30mmの円筒を準備する)内に粒状物10をすりきりで充填し、
3)生理食塩水404を、漏斗502で粒状物の中心部付近の高さ30mmの位置から、20.0gを10秒間の速度で滴下し、
4)滴下後に粒状物10と円筒501を取り除き(取り除く際は、粒状物10とペットシート503との間で余分な水分移行がおこらないように円筒上部にプラスチックの平板を乗せペットシート503ごと反転させ、その後に粒状物10と円筒501を取り除く)、
5)ペットシート503の重量Bを測定し、
6)100×(B−A)/20=液吸通過率とする。
【0021】
ペットシート503は、図13に示すように、45度の傾斜504に沿って配置し、5mlの生理食塩水を高さ5cmから1秒間で滴下した際に、液の流れた長さwが100mm以内のものを使用することが好ましい。また、生理食塩水に10分間シートをドブ漬けした後、引き上げて10分間吊り下げて水を切り、その後、脱水機(90G)で90秒間脱水した後の重量から、脱水前の重量を引いた保水量が45cm×34cmサイズの製品で200g以上のものを使用することが好ましい。
【0022】
なお、トイレ砂は、本来はトイレ砂が入ったスノコの下にシートを敷いて使用するため、粒のサイズに合わせた、液の抜けが一番よいスノコを作成し、粒状物を30mm敷き詰めた状態で上記の液通過率を測定してもよい。
【0023】
(6) 前記粒状物は、25℃、湿度50%雰囲気下で24時間放置後の含水率が3重量%以上15重量%以下である(1)から(5)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0024】
前記粒状物の初期含水率を3重量%以上15重量%以下、好ましくは4重量%以上10重量%以下に保つことによって、粒状物が液体をすばやく通過させると共に、粒状物上に残った水分を吸収することを可能としている。これによって、粒状物の表面をさらさらとした状態に保つことを容易なものとし、長期間繰り返し使えることができる。
【0025】
(7) 前記粒状物は、シリカゲル粉末と、シリカゾルを主成分とする接着剤との混合物を圧縮成型したものである(1)から(6)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0026】
粒状物の主成分としては、シリカゲル(A型、B型、C型)、及びベントナイト、カオリン、ゼオライト等の、微粉砕木粉、微粉砕パルプ等の天然繊維などが使用できる。特に好ましいのは、吸液した鉱物が、自然な室内条件(25℃、湿度50%)で水分の放出を行うものであり、B型シリカゲルや、C型シリカゲル、ゼオライト、木粉、パルプ粉である。これは、ペットシートと併用して使用するという特性上、より長期間使用するために、一度吸収した液を放出し繰り返し使用できるほうが良いためである。
【0027】
なかでも、粒状物は、シリカゲル粉末と、シリカゾルを主成分とする接着剤とを混合した混合物を圧縮成型することが好ましい。これにより、非球状でも高い強度を有するトイレ砂を得ることができる。また、シリカゲルを用いているため、吸収性、脱臭性、及び、液通過性に優れている。このようにして非球状に圧縮成型されたトイレ砂は、混合物を転動造粒したトイレ砂に比して形状が一定であり、動物の排泄物の透過性能および吸収性能が安定している。このようなシリカゲル粉末と、シリカゾルを主成分とする接着剤とを混合して圧縮成型したものは、耐水シリカゲル(FNGシリカゲル)と同等の吸収性能を有し、吸水しても割れることはない。従って、本発明に係るトイレ砂は、吸液シートと併用すると特に有効である。
【0028】
(8) 前記混合物は、繊維長が20μm以上500μm以下の繊維状物質をさらに含む(7)記載の動物用トイレ砂。
【0029】
繊維状物質の使用は必須ではないが、粒状物に繊維状物質を混合した場合には、バインダーとして機能するため、トイレ砂の形状を保持し、強度を高めることができる。さらには、圧縮成型機から取り出す際の破砕率を大きく低減することができる。この点、繊維状物質に代えてホットメルト型の接着剤をシリカゲル粉末に混合することもできるが、ホットメルト型の接着剤は、添加量が少な過ぎると、接着剤としての機能を発揮できず、添加量が多過ぎると、トイレ砂の吸収性能が低下してしまう。これに対して、繊維状物質は吸水性を備えるため、繊維状物質の混合割合を調整することで、トイレ砂の吸収性を調整することができる。但し、繊維状物質の使用は、液通過性を低下させることにもなるため、吸収性と液通過性とのバランスを考慮しながら、繊維状物質の混合割合を調整することが必要である。
【0030】
繊維状物質の好ましい繊維長は、20μm以上500μm以下であり、さらに好ましくは、50μm以上150μm以下である。繊維長が長くなり過ぎると、シリカゲル粉末と均一に混合し難くなり、トイレ砂の形状保持力の低下を招く。具体的な繊維状物質の例としては、パルプの他、PP繊維、PET繊維、および、レーヨンなどが挙げられる。例えば、100メッシュパス95%以上、即ち、孔径が0.15mmの篩を通過するものの割合が95%以上であるパルプが特に好ましく用いられる。また、これら繊維状物質の混合割合は、シリカゲル粉末に対し、1重量%以上10重量%以下が好ましく、2重量%以上5重量%以下がさらに好ましい。
【0031】
(9) 前記粒状物は、シリカゲル粉末と、微粉末樹脂との混合物を圧縮成型したものである(1)から(8)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0032】
また、本発明に係る粒状物は、シリカゲル粉末と、微粉末樹脂とを混合した混合物を圧縮成型することによって製造することができる。この場合には、微粉末樹脂がシリカゲル粉末間を繋ぎとめる接着剤の役割を果たす。シリカゲル粉末としては、上記のシリカゾルを用いた場合と同様に、B型若しくはC型シリカゲルを用いることができ、粒径は20μm以上500μm以下が好ましく、40μm以上150μm以下であることがさらに好ましい。微粉末樹脂としては、アクリル樹脂の他、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、酢酸ビニル、ポバール樹脂等が挙げられ、これら微粉末樹脂の平均粒径は0.1μm以上500μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.5μm以上250μm以下、さらに好ましいのは0.5μm以上10μm以下のものが良い。粒子径が細かいほど、ハンドプレス、打錠機やブリケット方式での加圧時に十分に延伸され、微粉末材料との接着面積や隣り合う樹脂との結合を得られやすく、粒の成形性に優れる。なお、シリカゲル粉末に対する微粉末樹脂の混合率は、1重量%以上40重量%以下が好ましく、2重量%以上10重量%以下であることがさらに好ましい。
【0033】
(10) 前記粒状物は、嵩比重が0.3g/cm3以上1.0g/cm3以下である(1)から(9)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0034】
粒状物の嵩比重は、0.3g/cm3以上1.0g/cm3以下が好ましく、0.6g/cm3以上0.8g/cm3以下がさらに好ましい。粒状物の嵩比重が大き過ぎると、購入後の持ち帰りが不便であるうえ、使用後には廃棄物の重量が増加してしまう。さらには、粒状物自体が締まり過ぎているため、液吸収性が悪くなる。一方、粒状物の嵩比重が小さ過ぎると、飛散し易くなる。
【0035】
(11) 動物の体液を吸収する吸液シートの上に配置される(1)から(10)いずれか記載の動物用トイレ砂。
【0036】
本発明に係るトイレ砂が有する良好な吸収性、脱臭性、及び、液通過性といった効果は、専用のスノコ付きトイレにおいて、スノコを介して、動物の体液を吸収する吸液シートの上に配置されて使用されたときに大きく発揮される。即ち、動物が排泄した尿は、粒状物の隙間を透過して、素早く吸液シートに移行する一方で、粒状物の表面に付着、残存した尿は素早く吸収される。このため、悪臭の発生を効果的に防止でき、トイレ内を清潔に保つことができる。
【0037】
(12) 複数の粒状物から成る動物用トイレ砂の製造方法であって、シリカゲル粉末に、微粉末樹脂、又は、シリカゾルを主成分とする接着剤を混合してこれらの混合物を得る混合工程と、前記混合物を圧縮成型して非球状の粒状物を得る成型工程と、を含む動物用トイレ砂の製造方法。
【0038】
シリカゲル粉末と、微粉末樹脂、又は、シリカゾルを主成分とする接着剤とを混合する混合工程では、シリカゲル粉末が局所的に固まって小塊を生じないように、シリカゲル粉末に微粉末樹脂又は接着剤を少量ずつ添加して十分に攪拌する必要がある。なお、シリカゲル粉末と、微粉末樹脂又は接着剤との混合物は、水分の蒸発を防ぐために密閉容器に収容し、およそ24時間程度放置して養生することが好ましい。養生することにより、微粉末樹脂又は接着剤がシリカゲル粉末に十分になじみ、トイレ砂の強度を高めることができる。また、圧縮成型は、ブリケット式の圧縮成型機または打錠機などを用い、10KN/cm2〜30KN/cm2程度の圧力で、シリカゲル粉末と微粉末樹脂又は接着剤との混合物を略円柱状などの所定の形状に成型する。
【0039】
上記の粒状物を構成する材料の平均粒度は、1〜1000μmが好ましく、さらに好ましくは20〜500μm、さらに好ましいのは40〜150μmである。粒度が1000μmを超えて荒い場合は、後述する樹脂等のバインダーの接着面積が同重量では相対的に小さくなり、充分な接着強度が得られない。また、粒度が1μm未満で細かい場合は、流動性が悪くなり、生産性が落ちる。特に、後述するように粒状物を打錠機で生産する場合は定量供給することが重要であり、流動性が悪く安息角が大きい粒状物の場合、ブリッジを起こしてしまい生産性の悪化が問題となる。なお、臼16、16aから杵15、15aを取り出し易くするため、潤滑剤として機能するステアリン酸マグネシウム等を加えても良い。潤滑剤を加えることで、打錠機で成型するときに杵からの粒の抜け性が向上し、粒の成型安定性や機械への負担の軽減効果がある。
【0040】
(13) 動物が出入りするための開口と、動物用トイレ砂が敷設される液通過性の底面部と、を備えた動物用トイレ砂収納容器と、この動物用トイレ砂収納容器の前記底面部の下方に位置し、かつ、吸液シートが配置される吸液シート収納容器とからなる動物用トイレにおいて、前記動物用トイレ砂は(1)から(12)いずれか記載の動物用トイレ砂である動物用トイレ。
【0041】
本発明の動物用トイレは、動物用のトイレ砂を収納する収納容器及び吸液シートを敷く収納容器との二重構造から成っている。このため、動物用トイレ砂上に排泄された排泄物からそれに含有されている液体を、速やかに吸液シートへと移行させることが可能となっている。また、動物用トイレ砂収納容器の底面部を吸液シート収納容器内の吸液シートと離間させるようにすることにより、吸液シートへと移行した液体が、動物用のトイレ砂に逆戻りしてしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、転がり難く、且つ、強度に優れ、長期間使用できる動物用トイレ砂が得られる。また、尿などの動物の排泄物の吸収力と脱臭力に優れ、トイレ砂の下に配置される吸液シートへ尿を速やかに移行させ、悪臭の発生を予防できるトイレ砂を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0044】
<第1実施形態>
[形状]
第1実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物10の斜視図を図1に、図1における粒状物10をX1−X2方向に切断したときの断面図を図2に示す。図1及び図2に示す通り、第1実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物10は、略円柱状である。この粒状物の最大の外径は、10mm、厚みは7mmである。また、端面の中央は膨出しており、曲率半径は10mmである。
【0045】
[製造方法]
第1実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物10の製造方法は、混合工程と成型工程とを含み、より詳しくは次の通りである。
【0046】
〔混合工程〕
先ず、B型若しくはC型シリカゲル粉末50重量部に、繊維長の短いパルプ5重量部を混合した後、これにシリカゾルを主成分とする接着剤45重量部を徐々に加え、大きな塊が生じないように十分攪拌する。十分攪拌して得た混合物を、水分が揮散しないように容器に入れ、1日放置して接着剤をなじませる。
【0047】
〔成型工程〕
1日放置した後、図3に示すようなハンドプレス機101を用いて、圧力をかけて略円柱状に成型する。具体的には、臼16の中に混合物を投入した後、杵15に圧力をかけて圧縮成型する。圧縮成型後は、ハンドプレス機101から成型品を取り出し、水分含有量が重量比で10%以下になるまで乾燥させる。最後に篩をかけ、微粉末や粉砕品を取り除いて略円柱状の粒状物10を得る。圧縮成型の際の圧力は、成型機からの取り出し性、粒状物の強度、乾燥性等を考慮して適宜調整される。圧力が強すぎると尿等の吸収性が悪くなり、逆に圧力が弱すぎると粒状物の形状を保持することが困難となる。具体的には、最大の外径が10mmの粒状物を得るのに適したサイズのハンドプレス機、即ち、杵15の内径が10mmのハンドプレス機を用いる場合には、圧力を10KN/cm2〜30KN/cm2かけることによって、所望の略円柱状の粒状物を得ることができる。
【0048】
<第2実施形態>
[形状]
第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20の斜視図を図4に、図4における粒状物20をX3−X4方向に切断したときの断面図を図5に示す。図4及び図5に示す通り、第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20は、略アーモンド状である。この粒状物20の最大の外径は、10mm、厚みは7mmである。この第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20は、エッジ部が無いため、磨耗し難く、強度に優れる。
【0049】
[製造方法]
第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20の製造方法は、第1実施形態と同様に、混合工程と成型工程とを含み、より詳しくは次の通りである。
【0050】
〔混合工程〕
先ず、B型若しくはC型シリカゲル粉末に対して、微粉末アクリル樹脂等の微粉末樹脂を重量比で2%〜10%の割合で混合する。シリカゲル粉末と微粉末樹脂との混合割合は、圧縮成型したときの成型機からの取り出し性、粒状物の強度、乾燥性等を考慮して適宜調整される。
【0051】
〔成型工程〕
図6に示すようなブリケット式圧縮成型機(ホソカワ/ビーペックス製ブリケットマシン)102を用いて、略アーモンド状に成型する。具体的には、ホッパ11に混合物1を供給し、縦型の押し込みスクリュー12により脱気と予備圧縮を行いながら、回転する2個のロール13の間に供給され、ロール13の表面に備えられた成型物の母型であるポケット14により、圧縮成型される。圧縮成型後は、圧縮成型機から成型品を取り出し、篩をかけ、微粉末や粉砕品を取り除いて略アーモンド状の粒状物20を得る。
【0052】
なお、このように水を使用しないタイプの粒状物の成型においては、上記のハンドプレス機を用いて略円柱状のような粒状物を製造することもできる。具体的には、B型若しくはC型シリカゲル粉末に微粉末アクリル樹脂を重量比で10%添加して十分に混合したものを、ハンドプレス機で圧力をかけて圧縮成型することで製造することができる。より詳しくは、最大の外径が10mmの粒状物を得るのに適したサイズのハンドプレス機、即ち、杵15の内径が10mmのハンドプレス機を用いる場合には、圧力を15KN/cm2かけることによって、所望の形状を有する粒状物を得ることができる。
【0053】
<使用態様>
第1実施形態及び第2実施形態の粒状物を用いた動物用トイレの斜視図を図7、使用方法を示す分解斜視図を図8、トイレ砂10及び吸液シート206を収納した図7に示す動物用トイレの一部断面図を図9に示す。
【0054】
本発明の動物用トイレは、図7に示すように、多数の粒状物から成るトイレ砂を貯留する箱状のトイレ砂収納容器201と、前記収納容器201の下方に位置し出し入れ自在に組み込まれた吸液シートを収納する吸液シート収納容器202と、前記トイレ砂収納容器201の上部に側面を覆うようにして設置された側面カバー203とを主要素として構成されている。前記トイレ砂収納容器201の底面部204は、複数の空孔205を有している。この空孔205は、多面体又は円形であることが好ましく、トイレ砂10が抜け落ちない大きさであることが好ましい。
【0055】
図8に示すように、トイレ砂収納容器201の底面部204の上面には、トイレ砂10を所定量敷いて層状に敷設する。また、吸液シート収納容器202内に、吸液シート206を敷設する。
【0056】
図9は、本発明のトイレ砂10及び吸液シート206を収納したトイレの断面を示す。動物が排泄した時には、液体207はまず、トイレ砂10の間を通ってトイレ砂収納容器201の底面部204に設置されている空孔205を通過し、吸液シート収納容器202に敷かれている吸液シート206に吸収される。そして、前記トイレ砂10中に残った液体207は、時間の経過と共に前記トイレ砂10中に吸収されていく。
【実施例】
【0057】
まず、質量%で、C型シリカゲル微粉末92.5%、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)樹脂(平均体積粒子径は4.3μ、日本NSC社FX2350)7.0%、ステアリン酸マグネシウム0・5%の割合で、材料を充分な均等性が得られるまで攪拌・混合を行った。C型シリカゲルは粒度分布体積平均粒子径で25μmのものを使用した。C型シリカゲル微粉末及びEVA樹脂の粒径は、日揮装株式会社マイクロトラック粒子側測定器HRA(X−100)にて測定した。
【0058】
次に、上記の混合物を、打錠機(株式会社畑鉄工所社製打錠機:型番HT-T18)を使用して打錠した。なお、打錠機は、株式会社菊水製作所の打錠機:型番VIRGO 0518SSでも同じように生産が可能であった。
【0059】
打錠機の型は、図10に示すように、円柱状の中空部を有する臼16aと、その中空内を上下に摺動可能な杵15a、17aからなり、円柱状の両端面の中央が膨出している中央部膨出型の形状を成型可能であり、円柱部の直径が9mm、中央の膨出部のRが13mm、膨出部周縁の平端部は0.1mm、中央の膨出部の高さが0.77mmの型を用いた。また、製造条件は、混合物を0.26〜0.30g/個供給し、圧力は20〜35KNになるように加圧した。
【0060】
その結果、図1、2に示すような中央部膨出型の粒状物10が得られた。この粒状物10の最大の外径は9mm、厚みは5.7mm以上6.0mm以下、重量は0.26〜0.30gであった。
【0061】
この実施例で得られた粒状物の性能は表2に示す。
【表2】
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物10の斜視図である。
【図2】図1における粒状物10をX1−X2方向に切断したときの断面図である。
【図3】本発明に係るトイレ砂の製造装置であるハンドプレス機の概略構成図である。
【図4】第2実施形態に係るトイレ砂を構成する粒状物20の斜視図である。
【図5】図4における粒状物20をX3−X4方向に切断したときの断面図である。
【図6】本発明に係るトイレ砂の製造装置であるブリケット式圧縮成型機の概略構成図である。
【図7】本発明の動物用トイレの一実施形態を示す図である。
【図8】図7における動物用トイレの使用方法を示す分解斜視図である。
【図9】図7における動物用トイレの一部断面図である。
【図10】実施例における打錠機の型の形状を示す図である。
【図11】液吸収量の測定方法を示す図である。
【図12】液通過率の測定方法を示す図である。
【図13】ペットシートの選択にあたり保水量の測定方法を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 混合物
10、20 粒状物
11 ホッパ
12 押し込みスクリュー
13 ロール
14 ポケット
15、15a、17、17a 杵
16、16a 臼
101 ハンドプレス機
102 ブリケット式圧縮成型機
200 動物用トイレ
201 動物用トイレ砂収納容器
202 吸収シート収納容器
203 側面カバー
204 底面部
205 空孔
206 吸液シート
207 液体
401 水槽
402 水切り容器
403 板
404 生理食塩水
501 円筒
502 漏斗
503 ペットシート
504 傾斜
W 長さ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒状物から成る動物用トイレ砂であって、前記粒状物は、非球状である動物用トイレ砂。
【請求項2】
前記粒状物は、最大の外径が3mm以上20mm以下である請求項1記載の動物用トイレ砂。
【請求項3】
前記粒状物は、略円柱状であり、両端面の中央が膨出している請求項1又は2記載の動物用トイレ砂。
【請求項4】
前記粒状物は、3秒間あたりの液吸収量が最大液吸収量の20%以上70%以下であり、かつ、前記最大液吸収量が前記粒状物の重量の0.3倍以上4.0倍以下である請求項1から3いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項5】
前記複数の粒状物全体の液通過率は、60%以上である請求項1から4いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項6】
前記粒状物は、25℃、湿度50%雰囲気下で24時間放置後の含水率が3重量%以上15重量%以下である請求項1から5いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項7】
前記粒状物は、シリカゲル粉末と、シリカゾルを主成分とする接着剤との混合物を圧縮成型したものである請求項1から6いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項8】
前記混合物は、繊維長が20μm以上500μm以下の繊維状物質をさらに含む請求項7記載の動物用トイレ砂。
【請求項9】
前記粒状物は、シリカゲル粉末と、微粉末樹脂との混合物を圧縮成型したものである請求項1から8いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項10】
前記粒状物は、嵩比重が0.3g/cm3以上1.0g/cm3以下である請求項1から9いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項11】
動物の体液を吸収する吸液シートの上に配置される請求項1から10いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項12】
複数の粒状物から成る動物用トイレ砂の製造方法であって、
シリカゲル粉末に、微粉末樹脂、又は、シリカゾルを主成分とする接着剤を混合してこれらの混合物を得る混合工程と、
前記混合物を圧縮成型して非球状の粒状物を得る成型工程と、を含む動物用トイレ砂の製造方法。
【請求項13】
動物が出入りするための開口と、動物用トイレ砂が敷設される液通過性の底面部と、を備えた動物用トイレ砂収納容器と、この動物用トイレ砂収納容器の前記底面部の下方に位置し、かつ、吸液シートが配置される吸液シート収納容器とからなる動物用トイレにおいて、前記動物用トイレ砂は請求項1から12いずれか記載の動物用トイレ砂である動物用トイレ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒状物から成る動物用トイレ砂であって、前記粒状物は、非球状である動物用トイレ砂。
【請求項1】
複数の粒状物から成る動物用トイレ砂であって、前記粒状物は、非球状である動物用トイレ砂。
【請求項2】
前記粒状物は、最大の外径が3mm以上20mm以下である請求項1記載の動物用トイレ砂。
【請求項3】
前記粒状物は、略円柱状であり、両端面の中央が膨出している請求項1又は2記載の動物用トイレ砂。
【請求項4】
前記粒状物は、3秒間あたりの液吸収量が最大液吸収量の20%以上70%以下であり、かつ、前記最大液吸収量が前記粒状物の重量の0.3倍以上4.0倍以下である請求項1から3いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項5】
前記複数の粒状物全体の液通過率は、60%以上である請求項1から4いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項6】
前記粒状物は、25℃、湿度50%雰囲気下で24時間放置後の含水率が3重量%以上15重量%以下である請求項1から5いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項7】
前記粒状物は、シリカゲル粉末と、シリカゾルを主成分とする接着剤との混合物を圧縮成型したものである請求項1から6いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項8】
前記混合物は、繊維長が20μm以上500μm以下の繊維状物質をさらに含む請求項7記載の動物用トイレ砂。
【請求項9】
前記粒状物は、シリカゲル粉末と、微粉末樹脂との混合物を圧縮成型したものである請求項1から8いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項10】
前記粒状物は、嵩比重が0.3g/cm3以上1.0g/cm3以下である請求項1から9いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項11】
動物の体液を吸収する吸液シートの上に配置される請求項1から10いずれか記載の動物用トイレ砂。
【請求項12】
複数の粒状物から成る動物用トイレ砂の製造方法であって、
シリカゲル粉末に、微粉末樹脂、又は、シリカゾルを主成分とする接着剤を混合してこれらの混合物を得る混合工程と、
前記混合物を圧縮成型して非球状の粒状物を得る成型工程と、を含む動物用トイレ砂の製造方法。
【請求項13】
動物が出入りするための開口と、動物用トイレ砂が敷設される液通過性の底面部と、を備えた動物用トイレ砂収納容器と、この動物用トイレ砂収納容器の前記底面部の下方に位置し、かつ、吸液シートが配置される吸液シート収納容器とからなる動物用トイレにおいて、前記動物用トイレ砂は請求項1から12いずれか記載の動物用トイレ砂である動物用トイレ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒状物から成る動物用トイレ砂であって、前記粒状物は、非球状である動物用トイレ砂。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−109832(P2006−109832A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84643(P2005−84643)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(393000283)ユニ・チャームペットケア株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(393000283)ユニ・チャームペットケア株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
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