説明

包装材料、ラベル材料、ラベル貼付法及び両面画像部材の形成方法

【課題】 包装材料に真珠外観を有する高品位画像を付与すること。
【解決手段】 感光性ハロゲン化銀を含む少なくとも1つの層と、真珠光沢顔料を含む少なくとも1つの層と、感圧接着剤を含む少なくとも1つの層とを含んで成る包装材料。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装材料に関する。好適な態様として、本発明は、包装材料に適用される字句、図式及び画像を印刷するためにハロゲン化銀感圧ラベルを使用することに関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀反射画像又はインクジェット反射画像のような従来技術の反射画像形成用出力材料は、画像形成層を白色反射ベース材料に適用してなるものが典型的である。白色反射ベースは、周囲光を観測者の目に入るように反射させて、脳内に画像を形成させる。従来技術のベース材料は、TiO2や硫酸バリウムのような白色反射性顔料をポリマーマトリックスに含めて白色反射ベース材料を形成したものが典型的である。また、従来技術の反射印画紙は、ハロゲン化銀画像形成層直下の支持体に白色顔料を含めて画像露光の際の画像白色度及び鮮鋭さを得ている。これは、白色顔料が、セルロース紙コアにより散乱される露光エネルギー量を低下させるためである。ハロゲン化銀画像の鮮鋭さ及び白色度を得るために高充填同時押出層中に白色顔料を使用することについての詳細が、米国特許第5,466,519号に記載されている。
【0003】米国特許第5,866,282号(Bourdelaisら)に、写真画像形成材料として二軸延伸ポリオレフィンシート積層体を有する複合支持体材料を利用することが提案されている。米国特許第5,866,282号の場合、二軸延伸ポリオレフィンシートをセルロース紙に押出積層してハロゲン化銀画像形成層の支持体を製作する。米国特許第5,866,282号に記載されているに二軸延伸シートは、ミクロボイドを含む層を有し、その上下にTiO2のような白色顔料を含む同時押出層が組み合わされている。米国特許第5,866,282号に記載されている複合画像形成支持体構造は、従来技術のセルロース紙にポリエチレン層を流延溶融押出被覆した印画紙支持体よりも耐久性があり、鮮鋭性が高く、しかも明るいことがわかった。
【0004】米国特許第6,071,680号(Bourdelaisら)に、写真出力材料として使用するために感光性ハロゲン化銀画像形成層を被覆したボイド含有ポリエステルシートを使用することが提案されている。米国特許第6,071,680号に記載のボイド含有層は、従来技術のポリエチレン溶融押出被覆セルロース紙ベース材料と比べ、不透明性、画像明度及び画像明るさを改良する。米国特許第6,071,680号に提案されている画像ベースは、ハロゲン化銀画像形成層の処理時及び製造時に画像形成層の密着性を助長するための一体ポリオレフィンスキン層をも含有する。
【0005】しかしながら、依然として画像形成用出力材料の外観を改良する必要がある。需要者は、反射性出力材料の他、真珠光沢画像をも好むことが示されている。真珠光沢画像は、真珠様又は真珠光沢、真珠のような色のちらつき、そして立体的に見える明るい艶を示す。真珠外観は、Turbo Marmoratusの殻を磨き上げたもの又は真珠を検査すれば、自然に見いだすことができる。
【0006】米国特許第5,888,681号(Gulaら)に、乳光を示すミクロボイド含有シートを具備した真珠光沢写真要素が記載されている。米国特許第5,888,681号の場合、セルロース紙ベースと現像ハロゲン化銀画像形成層との間に配置されたミクロボイド含有ポリマー層を具備したミクロボイド含有ポリマーシートにより、乳光外観を有する画像が得られる。当該真珠外観は、米国特許第5,888,681号の場合、ポリマーシートのボイド含有層において多重内部反射を提供することにより生み出されている。その乳光外観は画像内に存在するため、白色反射性ベース上に形成された典型的な写真画像と比べ、画像は、画像鮮鋭性又はアキュータンスの損失、最低濃度水準の上昇及び印刷速度の低下のため悪化する。印刷速度を改良し、鮮鋭性を高め、しかも濃度最低値を低下させつつ画像の乳光外観を維持することができれば望ましい。また、ボイド含有ポリマーは確かに優れた真珠光沢画像を提供するものの、ボイド含有層は、それが予め破損するため、永久歪をうけやすく、このため画質が低下する。
【0007】白色顔料は、反射消費写真に使用される他、照明光源を拡散するために写真表示材料にも用いられる。白色顔料を表示材料に使用すると確かに所望の拡散及び反射特性が得られるとはいえ、白色顔料は、現像写真表示画像の色素の色相角を変更させやすい。色素の色相角は、色スペクトルの領域と関連させることができるカラービジョンの側面のCIElab色空間における測定値である。カラー写真系の場合、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色素について好ましい知覚色素色相角が存在する。白色顔料を含む支持体上に写真用色素を塗被すると、現像された画像の色相角が、透明支持体上に塗被された色素の色相角と比べて、変化することが認められた。白色顔料の存在が原因となる写真色素の色相角変化は、実質的に白色顔料を含まない透明ベース上に塗被された色素セットと比較して、色素の知覚品位を往々にして低下させる。反射支持体材料上に塗被された現像写真色素セットが、透明支持体上に塗被された同一の色素セットと有意に相違しない色素色相角を有することができれば望ましい。
【0008】塗料やプラスチックのようなマトリックスに添加された真珠光沢顔料は、真珠外観を示すことが知られている。従来技術の真珠光沢顔料の使用は、塗料、印刷用インク、プラスチック、化粧品及びセラミックスやガラスの上薬を着色するためであった。真珠光沢顔料はマトリックスに分散させた後、支持体上に塗被又は印刷される。二酸化チタンを含む真珠光沢顔料が長年にわたり首尾よく使用されている。それらは層支持体素材に従い構築され、支持体としては事実上例外なくマイカが用いられている。
【0009】印刷工業、コーティング工業、美容術及びポリマー加工において、マイカ顔料が広く用いられている。マイカ顔料は干渉色及び高光沢により区別される。しかしながら、極薄層の形成にはマイカ顔料は適していない。これは、マイカ自身、顔料の金属酸化物層の基材として、200〜1200 nmの厚さを有するためである。さらなる欠点は、小板サイズにより規定される特定分率内のマイカ小板の厚さが、場合によって、平均値について顕著に変動することである。その上、マイカは天然鉱物であるため、外来イオンにより汚染されている。さらにまた、技術的に高度で複雑な時間のかかる処理工程、具体的には摩砕及び分級が必要である。
【0010】厚いマイカ小板に基づき、かつ、金属酸化物で被覆された真珠光沢顔料は、その縁部の厚さにより、特に20μm未満の比較的微細な粒径分布の場合に、顕著な散乱フラクションを有する。マイカの代替物として、ガラス溶融体をロール処理した後に摩砕することにより得られた薄いガラスフレークを使用することが提案されている。実際、このような材料に基づく干渉顔料は、従来のマイカ系顔料よりも優れた色効果を示す。しかしながら、欠点として、ガラスフレークは、平均厚さが約10〜15μmと非常に厚く、また厚さ分布(典型的には4〜20μm)も非常に幅広いということがある。一方、干渉顔料の厚さは3μmを超えないことが典型的である。
【0011】米国特許第5,340,692号(Vermeulenら)に、銀塩拡散法によりコントーン(contone)画像を得るための真珠光沢顔料を含む画像形成受容材料が記載されている。米国特許第5,340,692号に記載されている方法によると、真珠光沢顔料を画像形成受容層に含めるか、又は支持体と画像受容層との間に配置することにより、特殊な処理液を使用しなくても、銀塩拡散転移法によりアンティークな外観を有するコントーン画像を得ることができる。使用されているハロゲン化銀画像形成層は、銀を保持したまま作られているので、半透明ではない。使用されている真珠光沢顔料は、画像形成受容層に含まれており、ハロゲン化銀画像形成層には含まれていないので、画像形態は均一な真珠外観を有しない。これは、転移したハロゲン化銀画像の濃度が、真珠光沢顔料からの多重反射を遮断するからである。さらに、使用されている真珠光沢顔料は、ハロゲン化銀画像形成層に含めるには大きすぎ、かつ、濃度が高すぎ、表面が粗くなり、画像の所望の真珠外観が損なわれるであろう。米国特許第5,340,692号の実施例に用いられている金フレークは、画像形成層の処理後処理中に得られる従来技術の黒白写真「Sepatone」外観を模倣しようとするものである。当該実施例の画像は確かにアンティークな外観を有するとはいえ、該画像は真珠外観を呈さない。
【0012】米国特許第4,269,916号(Bilofskyら)並びに関連米国特許第4,288,524号及び同第4,216,018号に、レメラ(lemellar)干渉顔料を含む反射層を有するインスタント写真製品が記載されている。レメラ顔料を使用する意図は、青味剤を必要とせずにベース材料に好ましい白色反射外観を付与することである。球形TiO2粒子の代替物として、塩に金属酸化物をコーティングし、その後その塩を溶解して薄いフレーク状の金属酸化物を残すことにより調製した金属酸化物の平らな粒子が提案されている。二酸化チタン粒子は、写真分野では、プリント材料を観察するための白色反射面を作り出すために用いられることが典型的である。米国特許第4,269,916号の目的は、角度観察外観及び一致したL*を有しない白色反射面を提供することにあるため、該発明の材料は真珠外観を示さない。米国特許第4,269,916号の実施例は、各種集束角における高い反射率を示しており、集束角の関数として反射率が変化する真珠外観とは正反対である。さらに、レメラ顔料は、ハロゲン化銀画像形成層にも、該発明に用いられるベース材料にも、存在しない。
【0013】米国特許第5,858,078号(Andesら)に、印刷インク、プラスチック、化粧品及び食料に使用するための、基材を含まない小板状TiO2顔料の製法が記載されている。米国特許第5,733,658号(Schmidら)に、塗料、インク、プラスチック、ガラス、セラミック製品及び美容化粧品の着色に有用なものとして、チタニア被覆シリケート系小板を、気化した有機化合物及びアンモニアを含むガス混合物によって400〜900℃で処理することにより得られる光沢顔料が記載されている。
【0014】米国特許第6,146,744号(Freedman)に、複合フェースストック(facestock)及びライナーシートに高アスペクト比充填剤粒子を添加することにより、充填剤粒子を含まないポリマーフェースストック及びライナー材料よりも機械的剛性を改良することが記載されている。高アスペクト比充填剤粒子をベース層に5〜40質量%の量で添加すると確かにライナー及びフェースストックの剛性が改良されるが、当該充填剤粒子は真珠外観を提供しない。さらに、該高アスペクト比粒子はフェースストック及びライナーのコアに添加されているが、印刷された層には添加されていない。フェースストックのコアに添加された高アスペクト比粒子は、色素系画像形成システムとの組み合わせで十分な多重反射面を提供しないため、所望の真珠外観が得られない。高アスペクト比粒子は、色素系画像形成層に隣接配置された時に真珠外観を提供する。さらに、高アスペクト比粒子の反射性を向上させようとする試みは一切なく、写真画像の形成に適することもない。
【0015】画像形成支持体が長期間にわたり周囲条件の変動を受けると、画像含有層及び樹脂層が悪化して亀裂のかたまりとなり、美観を損ねやすく、極端な場合には、それがプリント全体に広がって画像を破壊することもある。元来どのポリマーも化学的に劣化しやすく、物理特性を損なうこととなりやすい。ポリマーは、薄膜の押出工程のような処理中に熱劣化を受けたり、長期の露光による光酸化的劣化を受けたりする。米国特許第5,858,078号及び同第5,733,658号に使用されているTiO2は熱劣化及び光酸化的劣化のどちらをも触媒し、助長する。樹脂被覆画像形成紙の分野では、溶融ポリマーは高温で押出され、さらに高せん断力を受ける。これらの条件は、ポリマーを劣化させ、ダイ表面の劣化材料付着物からの押出フィルムに、脱色や炭化をもたらし、ポリマーのスラグ又は「ゲル」を形成させ、そして線や縞を形成させることとなる場合がある。さらに、熱劣化したポリマーは、劣化していないポリマーよりも長期安定性が低くなり、ひいてはプリントの寿命を縮めかねない。
【0016】画像形成層(ハロゲン化銀、インクジェット、フレキソグラフィ、レーザートナー、等)を真珠光沢ベース材料に適用した場合、当該画像形成層が半透明色素を含有するときに、画像の真珠外観が最適化されることが示された。画像形成層に着色インク及び色素を使用すると、画像の真珠外観を低下させやすい。米国特許第6,071,654号(Campら)の場合、半透明なハロゲン化銀画像形成層を、ボイド含有ポリマー層を含む真珠光沢支持体の上に塗被している。ボイド含有ポリマー層は、互いに平行に配向した平らな小板を生ぜしめる。目に到達する反射は主として正反射である。それは奥底で生じるが、これは各透明ポリマー小板が、入射光の一部を反射し、その残りを反射するからである。米国特許第6,071,654号における画像は真珠外観を呈する。
【0017】写真材料は、誕生日や休暇のような特別な出来事の思い出を保存するためプリントとして使用されることが知られている。写真材料は、広告に用いられる大きな表示材料としても利用されている。これらの材料は、高価で、しかも摩擦、水又はブレンドにより汚損されやすいことから、いくらかデリケートな高品位製品として知られている。写真は、伝統的に、その脆くてデリケートな性質やその価値に鑑み、フレームやフォトアルバムの中に、また保護材料の裏側に、配置される。写真は、需要者にとって、重要な出来事を記録して保存するためのぜいたく品と考えられている。写真はまた、広告用としては高価な表示材料として考えられている。そのぜいたく品としてのステータスのため、写真は他の商業領域では利用されていない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】小売りでの製品ブランドを高めるため、高品位グラフィクス及び画像を有する包装材料に対するニーズが存在する。さらに、グラフィクス及び画像の品位を維持しながら小売りでの需要者の注意を引き付けるための包装に対するニーズも存在する。高品位であると同時に短時間運転の場合にも経済的な包装へ適用するための感圧ラベルに対するニーズが存在する。さらに、真珠外観を呈する画像に対するニーズも存在する。
【0019】本発明の目的は、包装材料に高品位画像を付与することにある。本発明の別の目的は、明るく、鮮鋭な真珠光沢画像を有するハロゲン化銀画像形成系ラベルを提供することにある。本発明の別の目的は、真珠外観を有するラベルベース材料を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の上記その他の目的は、感光性ハロゲン化銀を含む少なくとも1つの層と、真珠光沢顔料を含む少なくとも1つの層と、感圧接着剤を含む少なくとも1つの層とを含んで成る包装材料によって達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明には、従来技術の印刷感圧ラベルを凌駕する有利な効果がいくつかある。本発明の反射材料によると、効率的な光反射性、鮮鋭性及び写真感度を維持しつつも真珠外観を呈する写真ラベルが得られる。画像鮮鋭性及び白色度を維持することは重要である。需要者はハロゲン化銀画像の高画質を期待するからである。さらに、効率的な写真処理にとってプリントスピードを維持することは重要である。プリンタースピードが著しく低下すると、ラベルのコストを増大させかねないからである。本発明のハロゲン化銀形成画像形成層は半透明であるため、当該画像形成層を真珠光沢ベース又はコーティングと組み合わせて使用することができ、真珠光沢ベース又はコーティングを有効利用することができない、包装ラベル印刷用の着色印刷インクとは対照的である。
【0022】本発明の真珠光沢画像形成材料は目立つ外観を提供するので、需要者の注意を喚起する必要がある画像形成用途において特に望ましいものとなる。一例として、バス停、駅又は空港のような公共場面において公衆に広告メッセージを送るための表示材料がある。真珠光沢画像は、従来技術の材料とは外観が異なるため、需要者の注意を捕捉することができる派手さや華やかさを提供する。真珠光沢画像に感圧接着剤を付与することにより、タフで耐久性のある真珠光沢画像を各種表面、特に若者市場に望まれるものに、適用することができる。
【0023】包装市場において用いられる本発明の写真真珠光沢ラベルは、店頭棚の上で差別化された外観及び需要者向けアピールを可能にする。薄くて柔軟性がある強靭なハロゲン化銀材料を使用することにより、多くの優れた特性を有する包装材料が得られる。本発明の包装材料は、現存する包装材料ではかなわない奥行きのある画像を有する。本発明の包装材料は、シャンプーボトル、香水ボトル及びフィルムボックスのような適当な感圧ラベリングである各種包装材料に利用することができる。本発明の包装材料は、優れた画像の利点を有しつつ、優れた不透明性及び強度を提供しながらコストの低い薄いベース材料上で利用することができる。本発明の包装材料は、フラッシュ露光又はデジタルプリントにより画像形成可能であるため、短時間運転で形成することができ、またある画像から次の画像へ遅れることなく迅速に切り換えることができる。
【0024】本明細書中の用語「上部」、「上方」、「乳剤側」及び「表面」は、写真部材の画像形成層を担持している側又はその方向を意味する。用語「底部」、「下方」及び「裏面」は、写真部材の感光性画像形成層又は現像された画像を担持している側とは反対の側又はその方向を意味する。真珠外観は、真珠様の光沢を有するメタリックな光彩である。真珠外観の特徴的特性は、角度依存性のある画角である。
【0025】本発明の包装材料の場合、画像形成層の上部と感圧接着剤層の底部との間に、真珠光沢顔料からなる少なくとも1つの層が配置されている。画像形成層の上部と接着剤層の底部との間に真珠光沢顔料を配置することにより、ハロゲン化銀形成画像が真珠外観を呈し、包装ラベルとしての価値が高くなる。本発明では、写真要素が真珠光沢顔料を含む。このような写真ラベル要素は、顔料着色インクを使用する従来の印刷ラベルや商用表示では実現できない、特別な光彩を有する画像を保存することができるユニークな性能を有する。本発明の好ましい実施態様は、白色反射ラベルベースの上の写真層に真珠光沢材料を含む。白色反射ラベルベースは、ラベルを観察しながら、優れた表面及びバックグラウンドを提供する。具体的には、白色反射ベースのL*が92よりも高いことが望ましい。92よりも高いL*が望まれる理由は、当該画像に良好なコントラストを付与し、かつ、需要者にとって好ましいからである。L*又は明るさ及び不透明さは、Spectrogard分光光度計(CIE系、D6500光源使用)を使用して測定した。
【0026】本発明のさらに別の実施態様では、ポリマーフェースストックに真珠光沢顔料が添加される。フェースストックへの添加により、本発明のラベルフェースストック材料の製造において使用される配向工程の際に真珠光沢顔料が整列するので、ハロゲン化銀包装ラベルにユニークな外観が付与される。配向中に真珠光沢顔料が整列すると、キャスト塗布フェースストック材料の約50%未満の使用量でありながら、真珠光沢画像を形成するための多重反射面を提供することが示された。さらに、フェースストック及びハロゲン化銀画像形成層へ真珠光沢顔料を添加すると、画像形成層内の真珠光沢顔料は散乱性が高くなり(当該顔料はランダム配向しやすいため)、また、フェースストック内の真珠光沢顔料は配向されているために正反射性が高くなるので、2段階化された外観を提供する。この2段階化された外観は、乳剤中の真珠光沢顔料とフェースストック中の真珠光沢顔料との結果として得られる。
【0027】当該真珠顔料要素は包装体のラベリングに向けられるので、真珠光沢顔料の色域は、ゼラチンバインダーの固有黄色を相殺する青味付け剤及び白色で反射性の顔料を使用することが典型的である伝統的画像形成材料の色域を越えて拡張される。本発明の真珠光沢顔料の好適な色は、(CIELAB色空間による)a=−20〜+20及びb=−20〜+20の範囲内の色を包含する。この範囲内の真珠光沢顔料は、顕著な商業価値を有するいくつかの色位置を提供する。一例として、a値が+18、b値が−8、そして色相角が320度である酸化物被覆マイカ顔料が挙げられる。この真珠光沢顔料は、感圧ラベルに適用された時に、瓶詰赤ワインにアクセントを付ける真珠光沢のバラ色/赤ワイン色を有する。
【0028】本発明の目的のため、写真要素はハロゲン化銀乳剤を含む。当該ハロゲン化銀乳剤は2以上の層を構成することができる。また、複数の層の一部が感光性ハロゲン化銀材料を構成し、他の層が感光性材料を含まないことが可能であることにも留意すべきである。
【0029】本発明において、写真ラベル要素は真珠光沢顔料を含む。当該要素は、ハロゲン化銀乳剤を含む層に真珠光沢顔料を有すること、すなわち、真珠光沢顔料を感光性ハロゲン化銀乳剤を有する単数又は複数の層と同一の層に含めることができる。ハロゲン化銀を露光して処理した後、真珠光沢顔料は、画像にユニークな外観を付与する追加の分光反射のソースを提供する。ハロゲン化銀乳剤は2以上の層を有し、またカラー乳剤の場合には各層が波長の異なる光を捕捉することができる3以上の層が存在し得るため、当該真珠光沢顔料を1又は2以上の層に含めることができる。このため、特定の色のみについて、又はすべての色について、真珠外観を露呈させることができる。
【0030】用語「真珠光沢」は、真珠様の艶のある光沢外観を意味する。これは、メタリックで、輝かしく、多少の玉虫色効果を含むことができる。この真珠光沢効果は、構造が小板状である干渉顔料から得られる。典型的には、これらは、マイカ、長石及び石英のようなシリケート系材料の細長い小板状構造体である。これらの顔料は、正反射及び拡散反射を引き起こす傾向があり、また一部の光を透過する。塗料及び印刷工業における真珠光沢顔料の使用は、典型的には、各種の目立つ色を作り出すように設計される。これらの材料は、典型的には、暗い黒色背景上に被覆され、目立つような光学効果にアクセントを付けるのに役立つ。特殊な金属酸化物コーティングが極薄層としてマイカ粒子に適用される。これにより、光の一部を屈折させる一方、他の光をマイカ粒子の近隣透明層に透過させ若干異なる角度で屈折させることができる。これらの顔料は、屈折率のさらに異なるバインダーポリマー中に懸濁されるため、多重光屈折が存在し、輝かしい艶のある外観が生み出される。さらに、マイカ粒子に適用されるコーティングの化学特性を変更することにより各種の色を生み出すこともできる。
【0031】本発明の実施態様に使用することができる金属酸化物コーティングには、チタン、鉄、クロム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、バナジン酸ビスマス、チタン酸ニッケル、チタン酸クロム、鉛、等が含まれる。これらは写真や画像形成の分野において多少エキサイティングな色を生成するが、伝統的なプリント材料は白色背景を有する。さらに、マイカ上の金属酸化物コーティングの厚さも色に影響を及ぼし得ることに留意すべきである。本発明の好適な実施態様において、マイカ粒子上の金属酸化物コーティングはチタン、アルミニウム及び/又はバリウムを含むことができる。これらの材料が好ましい理由は、これらの材料で実現し得る一層伝統的な白色背景を有することが望まれるからである。最も好適な金属酸化物は、その卓越した白色度によりチタンである。典型的には、青白い外観を実現するため、金属酸化物コーティングの厚さを120ナノメートル未満に制御することが重要である。
【0032】画像形成用途に用いられる真珠光沢顔料については、白色真珠外観を生み出すため、不均一な小板厚さ及び小さな粒子を有することが望ましい。異なる外観が望まれる画像形成用途では、互いに間隔がより均一な小板及びより厚い粒子を使用すると、真珠層により特徴的な色の干渉が創生される。一般に、本発明において参照されている光沢顔料は、平らなマイカ小板に二酸化チタンその他の金属酸化物を被覆してなる顔料である。それらは、形状が不規則であり、また厚さも0.1〜0.5μmの範囲内で変動し得るが、個々の粒子についてはより厚いものもあり得る。粒子の長さは最長で500μmにもなり得る。マイカ粒子に適用されるコーティングは厚さを制御すべきであるが、その全体厚が、全体の色外観を制御する1つのパラメータである。各透明コーティングは真珠光沢の創生を助長する。
【0033】これらの顔料の粒子は、真珠光沢効果の知覚テクスチャーに影響を及ぼし、また新次元の美しさと品質を画像に付与する。コーティングは、適合する他の透明顔料及び色素で着色されてもよい。いくらか銀白色顔料について少量のカーボンブラックを添加することにより、メタリック効果を装うことができる。見える色は、色及び輝きのある光沢が、光の吸収又は反射ではなく、光の干渉により得られる点で、着色顔料や色素とは異なる。これは、ハロゲン化銀写真及び画像形成の分野には意外なほどユニークな特質である。真珠光沢顔料の使用により、多くの屈折界面が存在し、画像形成要素にユニークな外観を与え得る。真珠光沢のある小板を含む層に当たった光線は、小板を取り囲んでいる比較的屈折率の小さいバインダーポリマーの実質的に透明な層を通過し、そして、その光線は小板表面の金属酸化物コーティングにより部分的に反射される。光線の残りの部分は、金属酸化物コーティング層内を透過して雲母粒子との界面でそのコーティング層から出る際に再び反射される。コーティングが非常に薄く、雲母小板が実質的に透明なため、残りの光は様々な角度で反射される多くの機会を有する。これは光彩を放つ真珠光沢外観を提供すること、及び画像に三次元的な品質を与えることを助ける。結果として得られる色彩効果は、界面からの光の反射や雲母粒子上のコーティングの種類に依存する。複数の界面が、位相が若干異なる反射光をもたらす。照明角度に基づいて色が変わること及び玉虫色に変化する効果が見られることにも注意されたい。
【0034】この効果の制御は、画像によって伝えられるべき効果に依存することが望ましい。上記のように、雲母粒子上のコーティングの厚さ及び種類は、考慮する必要のある因子である。さらに、この効果を制御するために粒子サイズも使用できる。写真要素で使用するには、滑らかな表面を有することが望ましい。これを実現するには、小さな粒子が最良であるが、顔料が懸濁されているバインダーポリマーの層厚みを増大させてもよく、また透明オーバーコートを適用してもよい。視覚的にインパクトのあるボールド効果(bold effect)が望ましい場合には、より大きい粒子が望ましい。粒子サイズ、金属酸化物コーティングの厚さ及び種類、並びに顔料の濃度を調節することにより真珠光沢効果を変化させることができる。一般的に、三次元的効果を生じさせる場合には低い顔料添加レベルが好ましい。この効果は、真珠光沢顔料の上に厚い透明層を適用することにより高めることができる。よりメタリックな輝きが望ましい場合には、より高い顔料添加レベルが好ましい。他の透明顔料及び染料を層に加えることによって様々な効果を達成できることにも注意されたい。感光性写真層は、半透明な色素カプラーを生じ、また、典型的には顔料粒子を含まないため、感光性写真層は真珠光沢顔料との相乗効果を生じるように独特に配置される。
【0035】真珠光沢顔料は、比較的安定で、概してアルカリや酸に対する抵抗性に加え、耐熱性を有する。真珠光沢顔料は、ほとんどの分散媒(バインダーポリマー)中に分散できる。粒子は実質的に透明なため、分散媒(これも透明)の使用は最大の効果を与える。より半透明の分散媒を使用する場合には、同じ程度の真珠光沢外観を達成するには、より真珠光沢のある顔料を使用する必要があるであろう。
【0036】用途によっては、導電性でもある真珠光沢顔料を含めることが望ましいことがある。導電性の真珠光沢顔料を使用することには、感光性層を使用する写真の分野で幾つかの独特の利点がある。帯電及び放電はかぶった層をもたらすことがある。電荷の蓄積を防ぐことを助ける導電路を設けられることは画像形成媒体にとって重要な要素である。これは、感光性層の光カブリを防ぐのを助けるだけでなく、帯電やシートが互いにくっついたりすることなく、シートを互いに滑らしたりシートを様々な装置の部品の上で滑らせることができる。この種の顔料は、写真要素の乳剤側に導電性を付与する手段でもある。導電性真珠光沢顔料は、TiO2、SiO2等の材料で被覆され、さらに導電性の無機混合金属酸化物の外部緻密層で被覆された小板状雲母の内部コアから成る。典型的な材料は、アンチモンをドープした二酸化錫である。雲母の細長い粒子は、粒子が接触している場合に導電路を与えるのに有用である。
【0037】本物の真珠の美しさの起源は十分に示されている。真珠の光沢及び色は多数の滑らかな同心円状の真珠層、すなわち炭酸カルシウム層、有機成分(コンキオリン)層に由来することが知られている。これらの層の各々は、光を部分的に反射及び透過する。従って、反射の際に深み及び光沢が観察される。真珠の視覚的効果をまねた顔料は真珠箔顔料又は真珠光沢顔料と呼ばれる。最初の真珠光沢顔料は天然真珠である。商用銘柄の真珠光沢顔料は、高屈折率の薄い透明小板から作られる。これらの顔料は、多数回の反射及び透過が生じ、その結果として総体的な反射画像で深みが得られるように設計される。顔料の特性は、光の干渉により色が生じる(この場合、特に干渉顔料と呼ばれる)かどうか又は全く色が生じない(この場合、白色真珠光沢顔料と呼ばれる)かを決める。
【0038】初期の真珠光沢顔料の幾つかは、平板状オキシ塩化ビスマス結晶及び塩基性炭酸鉛であった。これらの顔料はパールエッセンス結晶と同様に光を反射する。鉛の毒性のため、オキシ塩化ビスマス(BiOCl)結晶の使用が市場において増大している。BiOClは概して、溶液から粒子サイズ5μm〜15μmの滑らかな薄い小板に結晶化させる。
【0039】他の通常使用されている真珠光沢顔料は、二酸化チタン(米国特許第4,040,859号)、酸化鉄(米国特許第3,087,829号)、二酸化ジルコニウム(米国特許第3,087,828号)、又は他の高屈折率材料でコーティングされた雲母から作られたものである。雲母は、光が透過し、また、極めて薄い鱗片に劈開することができるため、雲母が使用される。真珠光沢顔料に適する雲母の例には、白雲母(muscovite)、ソーダ雲母(paragonite)、金雲母(phlogopite)、黒雲母(biotite)及びリシア雲母(lepidolite)がある。次に、雲母小板に高屈折率無機酸化物の薄い単層又は複数の層をコートする。反射効率は、雲母小板と無機酸化物コーティングとの屈折率の差に大きく依存する。この層状構造は、雲母が真珠光沢顔料のように機能することを可能にする。酸化物コーティングは、光沢、干渉反射色(酸化物コーティングが十分に厚い場合)及び吸収色(酸化物が着色材料を含む場合)のような光学的効果を与える。雲母粒子のサイズも最終的な反射画像を決定することに重要な役割を果たす。顔料中の雲母の質量は、通常40%〜90%の間、たいていの場合は60%〜80%の間である。二酸化チタンがコーティングとして使用され、そのコーティングの厚さが増大すると、玉虫色効果(玉虫色)が観察される。本発明において使用される真珠光沢顔料の寸法は、5μm〜400μmの間であり、好ましくは5μm〜100μmの間であることができる。なぜなら、5μm未満の粒子は真珠光沢外観を生じさせるのにあまり有効でなく、一方、100μmを超える粒子では粗さが累増するからである。表面の粗さが過度に大きいと、真珠光沢外観がなくなる傾向がある。顔料の厚さは好ましくは0.1μm〜0.6μmの間であり、より好ましくは0.2μm〜0.4μmの間である。長さ5μm未満または幅0.2μm未満の粒子は典型的には十分に高い真珠光沢外観を持たず、一方、長さ400μm超または幅0.6μm超の粒子は典型的には非常に大きく、真珠光沢効果が無くなり始める粗さを生じる傾向がある。
【0040】適切に使用される他の光学的に変化する顔料は、酸化アルミニウム(5nm及び10nm)又は二酸化チタンの薄い層を被覆した酸化ケイ素であり、クロムで被覆されたフッ化マグネシウム結晶も使用されている。これらの顔料の構造は米国特許第3,438,796号明細書で示されている。被覆された小板様金属基材をベースとした新たな光学的に変化する顔料の構造は米国特許第5,364,467号及び米国特許第5,662,738号明細書に開示されている。米国特許第5,976,511号明細書には、硫酸バリウム粒子からなり、酸化亜鉛、酸化セリウム又は二酸化チタンで被覆された顔料であって、真珠光沢を有するものが開示されている。
【0041】本発明の写真ラベル要素は、費用のかかる下引きコーティングを必要とせずに、製造及び画像の湿式処理の間に、乳剤を支持体材料に結合させるのを可能にする一体的な乳剤結合層を利用することができる。好適な乳剤結合層は、密度が0.88〜0.94g/ccの範囲内にあるポリエチレンを含む。上記密度範囲内のポリエチレンは、ゼラチン系接着層によるコーティング前にポリエチレンをコロナ放電処理すると、ゼラチンに対して優れた密着性を提供することが示された。
【0042】好ましいさらなる態様において、真珠光沢顔料は、ハロゲン化銀乳剤を含まない写真ラベル要素の層中に存在してよい。写真乳剤が複数の層を有し、これら複数の層において感光性層は中間層により分離されており、そして感光性でないサイズオーバーコートを最上部の位置に有することは周知の事項である。この態様において、真珠光沢材料は、ハロゲン化銀をさらに含む1つの層又は複数の層の上方又は下方に位置する。真珠光沢顔料はハロゲン化銀乳剤と完全に混和性でなくてよく、画像の現像又は保存を妨げる傾向が小さいため、この態様が好ましい。真珠光沢外観は、画像が形成され現像された後でも存在する。さらなる態様において、真珠光沢顔料は、前記写真要素の表面上又は表面に隣接する層中に存在する。この態様において、露光され現像された画像の反射光は画像に真珠光沢外観をもたらす。写真要素のさらに好ましい態様において、真珠光沢顔料は、ハロゲン化銀を含む最下層の下方にある層中に存在する。この態様は、光が層を透過する際にハロゲン化銀を露光するが、ベースから反射した二次光が真珠光沢顔料に当たるため好ましい。これによって、非常にソフトな真珠光沢外観が画像に与えられる。
【0043】本発明の好ましい態様において、真珠光沢顔料は雲母を含んで成る。被覆された雲母は、小板構造を有し、金属酸化物で被覆された場合に、画像に目立つ非常に特異な外観を与える真珠光沢外観を有するため、被覆された雲母が好ましい。さらに、被覆された雲母は、ハロゲン化銀乳剤を含まない又は少なくとも実質的に含まない層に加えてハロゲン化銀乳剤を含む1つの層又は複数の層に容易に分散させたりコートできる。本発明の目的上、「雲母」なる用語は、真珠光沢材料を意味し、雲母、長石、石英、ケイ酸塩、変性雲母、及び金属酸化物で被覆された雲母、屈折率の差が0.2よりも大きい材料で被覆された雲母を包含する、雲母材料は、半透明な有機及び/又は無機材料であってよく、様々な角度から見た場合に真珠光沢効果を発揮することができる。
【0044】本発明の他の適切な態様において、真珠光沢顔料を、セッケンラベルの場合に水又は取扱いの損傷から写真ラベルを保護するために用いられるサイズオーバーコート及び感光性乳剤層の一方及び両方に組み込んでもよい。真珠光沢顔料は、紫外線を選択的に除く有効な手段であることが判った。このことは、写真の色素退色を最低限に抑えるという顕著な利点を有する。
【0045】本発明のさらなる態様において、真珠光沢顔料を含む写真ラベル要素は、1013logΩ/□未満の電気抵抗をさらに有する。感光性層にカブリをもたらすことのある帯電や放電を防止するには1013logΩ/□未満の電気抵抗が望ましい。
【0046】本発明のさらなる態様にいて、写真ラベル要素は0.5〜50マイクロメートルの間の平均粒子サイズを有する真珠光沢顔料を含む。サイズが0.5マイクロメートル未満である粒子は、強い真珠光沢外観を生じるのに十分な小板構造を有しない傾向がある。上記の好ましい範囲内にある小さな粒子サイズは、感光性層に対する散乱の影響が小さく、そのためハロゲン化銀の露光及び鮮鋭度への妨害が最低限に抑えられる。比較的薄い写真乳剤層の場合には、過度の光散乱をもたらすことのある粗さを最低限に抑えるために、より小さい粒子サイズがさらに望ましい。より有効な真珠光沢外観を得るにはより大きな粒子が望ましいが、50マイクロメートルを超える粒子は粗すぎるため、感光性層中または感光性層の周りに組み込むことが困難である。典型的には、大きな粒子は、その粒子よりも厚い層で数回塗布されるべきである。
【0047】本発明の1つの好ましい態様において、写真ラベル要素は、10未満のb*を有する。従来より、消費者は白く見えるプリントを期待するため、10未満のb*が写真プリント材料にとって望ましい。さらに、10未満のb*は他の色に対する優れたコントラストを与える。白の色合いは数多くある。白色がより白色に見えるには青白色が望ましく、一方、より暖かみのある画像に対してはあまり青くない又はより黄色っぽい白色が望ましい。他の白の色合いに対しては他の色味剤を使用できるが、白色をより青く見せるように真珠光沢顔料に蛍光増白剤を併用してもよい。特別な効果または色の構成を生じさせるために、白色以外の色を有する真珠光沢顔料を使用してもよい。
【0048】本発明において、真珠光沢顔料は、写真ラベル要素1m2当たり0.5〜1000mgの量で存在する。1m2当たり0.5mg未満の真珠光沢顔料のレベルは、検出するのが困難であり、また、概して真珠光沢効果を有しない。1m2当たり1000mgを超える真珠光沢顔料のレベルでは、追加の費用に釣り合った真珠光沢外観の向上が得られない。さらに、1m2当たり1000mgを超えるレベルでは、真珠光沢顔料が垂直方向で積み重なる傾向があるため、それらの効果は低減する。本発明の好ましい態様において、真珠光沢顔料は1m2当たり7〜250mgの間の量で存在する。1m2当たり7mg未満では、真珠光沢外観を見ることは困難であり、一方、1m2当たり250mgを超えると、追加の費用に釣り合った真珠光沢外観の顕著な向上が得られない。真珠光沢顔料をハロゲン化銀層中及び/又はハロゲン化銀の上に組み込んだ場合、真珠光沢顔料の量は、画像露光に及ぼす影響が最低限に抑えられるように少量に保たれるべきである。上記の好ましい範囲内のより高いレベルでは、特定のディスプレー用途で又は変わった外観がもてはやされる若者をターゲットにした市場で望まれる強い真珠光沢外観を有する傾向がある。本発明の好ましい態様において、真珠光沢顔料は写真要素の0.1〜9体積%を構成すべきである。0.1体積%未満のレベルでは、ごくわずかに真珠光沢が見え、9体積%を超えるレベルでは、真珠光沢外観を妨げる傾向のある小板の過度の積み重なりが生じる。さらに、実質的に透明なポリマー中に真珠光沢顔料が唯一の顔料として存在することが望ましい。他の固体粒子を含めると、光がより散乱して真珠光沢効果が低減する傾向がある。
【0049】真珠光沢または真珠箔外観を呈する媒体は、商業的観点から非常に望ましいものであることが示されている。実質的に透明な基材に真珠光沢顔料を含めることまたは特定の幾何学的構造、配向及び配合の局所的ボイドを含む複合材料の構造体は、「着色」真珠光沢媒体及び「白色」真珠光沢媒体の両方を与える。両方のタイプで、真珠光沢効果は、深みがあり、光沢があるメタリックな外観をもたらす。確実な設計のためには、これらの材料を正確に測定する必要がある。
【0050】顔料法及びボイド法の両方で、「白色」の真珠光沢の輝きは、材料の、配向や、間隔及び組成の関数である。媒体の光沢及び深みのある外観は主に眼に達する反射光によるものである。真珠光沢外観を与える顔料及びボイドは共に、互いに平行に配向した実質的に透明な小板として機能する。この結果、各小板が入射光の一部を反射し、その残りの光を透過させるため、深みが生じる。表面欠陥または小板やボイドの配列のずれによる不完全度は、非鏡面反射方向に光を散乱させ、材料の真珠光沢外観を低減する。
【0051】さらに、小板またはボイドの配列及び間隔に関するランダムさの自然な傾向は、媒体を、光の干渉により色を発生できないものにする。ある配列及び間隔によって生じるいかなる色も、他の生じた配列及び間隔によって打ち消される傾向がある。しかしながら、小板またはボイドの総体的な幾何学的な配列のずれは、望ましいとは言えない機能をもたらし、この不具合を評価する方法も必要である。
【0052】フロップ(FLOP)は、目的の材料の真珠光沢の特性を評価するために使用される方法である。45度入射光を、鏡面反射角から10度、45度及び110度で集める。分光光度計出力、例えばCIE L*(それぞれL1*,L2*,L3*)を以下のように用いる:FLOP=15(L1*−L3*1.11/L2*0.86ここで、10未満のフロップ値では真珠光沢外観を示さず、10を超えるフロップ値では真珠光沢外観を示す。
【0053】さらに、これらの真珠光沢材料の品質を評価することは、1つ以上の半透明な色形成色素層と組み合わせた場合、常用の0/45配置の反射濃度計を用いて求められた測定値の有用性に制限を課す。これは、これらの媒体の角度依存性に起因する。媒体のこの観察角依存性及びその構造の固有のランダムさは、任意のある集光角度での媒体の可変性(variability)のために、形成された色素を「計測する」際に誤差をもたらす。これらの非常に鏡面反射性が高く半透明な材料は、角度に依存する非鏡面反射方向にも幾らかの光を反射する。0/45での入射光と集光は、フロップに対する濃度最低値の予測を可能にするが、カラー色素形成層が媒体に加えられると濃度が濃度最低から濃度最大まで増加するため、これらの値はもはや予測に使用できないことが判った。
【0054】これは、色素濃度の関数として説明できる。濃度が増加すると、媒体中で多数回反射する能力が低下する。反射のパスが1つのパスに集約すると、真珠光沢外観はもはや見えなくなる。変角分光測定法(Spectrogoniometric measurements)を用いて様々な角度で測定を行なうことができるが、変角分光測定は冗長であり、その装置は高価である。塗布され、その後処理された色形成層の量を評価する代替的な品質評価法が有用であろう。カラー写真塗布作業の間、色形成カプラーのレベルの固有の製造上の変動性を減らす必要があり、常用の反射式0/45濃度計によりこのデータの収集は、真珠光沢媒体に固有の変動性により妨げられる。ベース媒体の反射性の僅かな変化は、濃度計に達する光を多少とも変化させ、そして形成された色素についての間違った計測値をもたらすことがある。
【0055】塗布作業の間に正確な評価を得るための1つのそのような方法は、媒体の真珠光沢特性を除去することである。これは、真珠光沢層の寄与を最低限に抑えるグレーズ角(grazing angle)で作製した試料からの光を集めることにより達成できる。拡散8度球型光学配置ハンドヘルド式分光光度計はこの要件に適合することが判っている。
【0056】本発明の1つの好ましい態様において、写真要素は真珠光沢顔料を含み、2〜65の間のフロップ測定値を有する。2未満のフロップ測定値はほとんど又は全く真珠光沢外観を有さず、一方、65を超えるフロップ測定値は真珠光沢顔料を用いて達するのが困難である。
【0057】本発明のさらなる態様において、写真ラベル要素は、白色反射性ベースをさらに含み、この白色反射性ベースはさらに0.8マイクロメートル未満の表面粗さを有する。表面粗さが0.8マイクロメートルを超える反射性ベースは、往々にして真珠光沢外観を大幅に低減する粗さを示す傾向にある。0.8マイクロメートル未満の粗さを有するベースは、総体的な外観で概して光沢のあるものとなり、画像形成プリントにおける真珠光沢外観を高める傾向がある。
【0058】本発明の1つの好ましい態様において、写真ラベル要素は真珠光沢顔料を含み、さらに、少なくとも2つの露光され現像された画像を含む。この要素を、画像側が外側になるように折り畳み、非画像支持側を接着してアルバムページを形成する。この態様は、真珠光沢外観をアルバムページに利用できるため、好ましい。真珠光沢顔料を含む1枚の写真ラベル要素の上に多数の画像を露光し現像でき、次に折り畳み接着して簡便なディスプレーを形成する。次にページに孔を開け、アルバムページの一部として使用する。さらなる態様において、露光され現像された写真要素を、画像支持シートからアルバムリーフを作製するための装置を使用して折り畳むことができる。このシートは画像支持側と非画像支持側を有し、この装置は、前記画像支持シートを駆動するための第1ローラー;前記第1ローラーとの間に第1ニップを形成するように前記第1ローラーに隣接して配置された第2ローラーであって、接着シートを前記第1ニップに送り込み、前記第1ローラーにより駆動された前記画像支持シートに対向させるために使用される第2ローラー;前記第1ローラーとの間に第2ニップを形成するように前記第1ローラーに隣接して配置された第3ローラーであって、当該第3ローラーと前記第1ローラーとが、前記画像支持シートが前記接着シートを挟んで堅固に折り畳まれるようにするとともにアルバムリーフを形成するように前記画像支持シートを前記第2ニップに通過させるようにする方向に動く第3ローラを具備する。
【0059】本発明の画像形成要素は、写真ディスプレーフィルムや印画紙のような写真ラベル要素であって、画像形成層が輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤層であるものである。そのような乳剤層は、典型的には、皮膜形成性の親水性コロイドを含む。皮膜形成性の親水性コロイドのうちで最も一般的に使用されているものはゼラチンであり、ゼラチンは本発明で使用するのに特に好ましい材料である。本発明において有用な真珠光沢顔料のほとんどは、ゼラチン中に容易に分散する。ゼラチンまたは他の親水性コロイドに補足的な分散助剤を使用してもよい。顔料及びペイントの分野で知られているほとんどの水性分散助剤が有用である。有用なゼラチン類としては、アルカリ処理ゼラチン(牛骨もしくは獣皮のゼラチン)、酸処理ゼラチン(豚皮ゼラチン)、及びゼラチン誘導体、例えばアセチル化ゼラチン、フタル酸化ゼラチン等が挙げられる。単独でまたはゼラチンと組み合わせて使用できる他の親水性コロイドとしては、デキストラン、アラビアゴム、ゼイン、カゼイン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジオン、寒天、アロールートデンプン(arrowroot)、アルブミン等が挙げられる。さらに他の有用な親水性コロイドとしては、水溶性ポリビニル化合物、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(ビニルピロリドン)等が挙げられる。
【0060】本発明の写真ラベル要素は、支持体と、その支持体に支持されている感光性ハロゲン化銀乳剤の単層を含んで成る単純な黒白要素またはモノクロ要素であることができ、または本発明の写真要素は多層及び多色要素であることができる。本発明のカラー写真ラベル要素は、典型的には、スペクトルの3つの主な領域のそれぞれに感受性である複数の色素画像形成ユニットを含む。各ユニットは、スペクトルの所定の領域に感受性の単一のハロゲン化銀乳剤層または複数の乳剤層を含んで成ることができる。画像形成ユニットを構成する層を包含する要素を構成する層は、当該技術分野で知られているように様々な順序で配列できる。
【0061】乳剤層に加えて、写真層は写真ラベル要素で一般的な、オーバーコート層、スペーサー層、フィルター層、中間層、ハレーション防止層、pH低減層(往々にして酸層及び中和層と呼ばれる)、タイミング層、不透明反射層、不透明光吸収層等の補助層を含んでよい。支持体は、本発明に関して述べるような適切な支持体のいずれであってもよい。典型的な支持体としては、ポリマーフィルム、他のポリマーに積層されたポリマーフィルム、ガラス等が挙げられる。反射性であるとともに拡散性である半透明支持体であることが重要である。本発明の写真要素で使用される感光性ハロゲン化銀乳剤は、粗い、通常の、または微粒子のハロゲン化銀結晶またはそれらの混合物を含むことができ、塩化銀、臭化銀、臭ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩臭ヨウ化銀及びそれらの混合物等のハロゲン化銀を含んで成ることができる。乳剤は、例えば平板状粒子感光性ハロゲン化銀乳剤であることができる。この乳剤はネガ型または直接ポジ型乳剤であることができる。乳剤は、主にハロゲン化銀粒子の表面またはハロゲン化銀粒子の内部に潜像を形成する。乳剤を通常行なわれているように化学増感しても分光増感してもよい。乳剤は、典型的には、ゼラチン乳剤であるが、他の親水性コロイドを通常行なわれているように使用してもよい。ハロゲン化銀乳剤についての詳細は、Kenneth Mason Publications, Ltd.(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth,Hampshire PO 10 7DQ, ENGLAND)により刊行されたリサーチディスクロージャー(Research Disclosure),1994年9月,第36544項,セクションI、及びリサーチディスクロージャー,2000年9月,第36544項、並びにそれらの中で引用されている文献、さらには、リサーチディスクロージャー,2000年9月,第437013項に記載されている。
【0062】本発明において使用される写真ハロゲン化銀乳剤は、写真業界で常用されている他の添加剤を含んでよい。有用な添加剤は、例えばKenneth Mason Publications, Ltd.(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO 10 7DQ,ENGLAND)により刊行されたリサーチディスクロージャー,1994年9月,第36544項、及びリサーチディスクロージャー,2000年9月,第437013項に記載されている。有用な添加剤としては、分光増感色素、減感剤、カブリ防止剤、マスキングカプラー、DIRカプラー、DIR化合物、帯電防止剤、画像色素安定化剤、フィルター色素及び紫外線吸収剤等の吸収性材料、光散乱剤、塗布助剤、可塑剤、並びに滑剤等が挙げられる。
【0063】写真ラベル要素に使用される色素画像を提供する材料に応じて、色素画像を提供する材料をハロゲン化銀乳剤層または乳剤層と関連する別個の層中に組み込むことができる。色素画像を提供する材料は、当該技術分野で知られている多数あるもののうちのいずれであってもよく、例えば色素形成カプラー、漂白可能な色素、色素現像主薬、及び酸化還元色素放出剤であることができ、使用される特定のものは、要素の性質及び所望の画像のタイプに依存する。
【0064】別個の溶液を用いる処理に合わせて設計された常用のカラー材料と併用される色素画像を提供する材料は、好ましくは色素形成カプラー、すなわち現像主薬酸化体とカップルして色素を形成する化合物である。シアン色素画像を形成する好ましいカプラーはフェノール類及びナフトール類である。マゼンタ色素画像を形成する好ましいカプラーはピラゾロン類及びピラゾロトリアゾール類である。イエロー色素画像を形成する好ましいカプラーはベンゾイルアセトアニリド類及びピバリルアセトアニリド類である。
【0065】典型的な写真ラベル要素は、サイズオーバーコートと、発色色素を有する3種の感光性ハロゲン化銀乳剤ユニットと、各種感光層を分離するための中間層と、感圧ラベルベースとを含む。本発明の目的のため、真珠光沢材料を、各感光性乳剤及び中間層に個別に添加するか、又は2以上の層に任意の組合せで添加することができる。さらに、真珠光沢材料を、乳剤の下方の層、例えば、ゼラチン下塗層もしくはプライマー層又は独立した追加の層に添加してもよい。
【0066】感圧写真真珠光沢ラベルを製造するため、感圧接着剤、フェースストック及びハロゲン化銀画像形成層を担持するライナー材料は、製造、画像プリント、画像現像、ラベル変換及びラベル貼付装置において効率的な搬送を可能ならしめることが必要である。ハロゲン化銀画像形成層、ベース及び該ベースに接着剤で結合されている剥離可能なライナーを含む真珠光沢ラベルにおいて、該ベースの剛性は15〜60ミリニュートンの範囲内にあり、かつ、Lは92.0よりも高く、さらに該ライナーの剛性は40〜120ミリニュートンの範囲内にあることが好ましい。本発明の写真ラベルは、その白色で高剛性のライナーにより写真プリントや処理装置内の効率搬送が可能となると同時に、第2露光への寄与がほとんどない褐色又は透明の典型的ライナー材料と比較してプリントスピードが改良されるので好ましい。
【0067】パッケージへラベルを接着するのに必要な感圧接着剤はライナーなしではラベル貼付装置内を移送できないので、剥離可能なライナー又は裏地が好ましい。ライナーは、搬送のための強度を付与し、かつ、パッケージに貼付する前の感圧接着剤を保護する。好適なライナー材料はセルロース紙である。セルロース紙ライナーは柔軟性があり、強く、しかもポリマー基材に比べ低コストである。さらに、セルロース紙基材により、包装用途によっては望ましいことがある表面模様付きラベルが可能となる。紙に防水性を付与するコーティングを紙に施すこともできる。本発明の写真要素は薬品水溶液中で処理して画像を現像する必要があるからである。紙に適用される適当な防水コーティングの一例として、アクリル系ポリマー、溶融押出ポリエチレン及び配向ポリオレフィンシートを紙に積層したものが挙げられる。紙には水分と塩分が含まれ、ハロゲン化銀画像層の静電増感を防止する帯電防止特性を提供する点でも好ましく、パッケージと感圧ラベルとの間の忌避性を抑制することにより高速ラベル貼付装置でのラベル貼付性が向上することが示された。セルロース紙に添加される塩分の好適な範囲は、紙繊維に対して0.5〜2.0質量%である。0.4質量%未満では、静電気の散逸性がほとんど改良されない。2.5質量%を超えても静電気減少量がほとんど改良されないので、コスト的に正当化されない。
【0068】さらに、サイズ剤を含有する紙は、印画紙分野で知られ、米国特許第6,093,521号に開示されているように、ハロゲン化銀画像処理薬剤の縁浸透を防止する。縁浸透は8mm未満であることが好ましい。処理薬剤が12mmよりも深く紙中に浸透すると、膨潤のため、フェースストックマトリックスをダイ裁断してライナーから剥ぎ取ったときにダイ裁断問題を引き起こす。また、処理薬剤が12mmよりも深く浸透すると、処理における薬剤使用量が増加し、処理コストが増加することにもなる。
【0069】別の好ましいライナー材料又は剥離可能な裏地は、ポリマーの配向シートである。当該ライナーは、延伸処理で発達する強度及び靭性のため、配向ポリマーであることが好ましい。ライナー基材として好ましいポリマーにはポリオレフィン、ポリエステル及びナイロン(商品名)が含まれる。好適なポリオレフィン系ポリマーにはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリブチレン及びこれらの混合物が含まれる。プロピレン及びエチレン、例えば、ヘキセン、ブテン及びオクテンのコポリマーをはじめとするポリオレフィン系コポリマーも有用である。ポリエステルが最も好適である。というのは、高速ラベル貼付装置におけるハロゲン化銀感圧ラベルライナーの効率輸送に必要な望ましい強度及び靭性を有するからである。
【0070】別の好適な実施態様において、ライナーは、紙心材に、配向ポリマーシートを積層してなるものである。積層紙ライナーが好ましい理由は、ポリマー配向シートが引張強度を与えるため、ライナーをコーテッド紙よりも薄くすることができ、また配向ポリマーシートは、ハロゲン化銀処理における乾燥及び製造時のカールを防止するからである。
【0071】ライナーの引張強さ又は基材破断点引張応力は重要な搬送及び形成パラメータである。引張強度はASTM D882試験法で測定される。引張強度は120MPaよりも高いことが好ましい。これは、110MPa未満のライナーは自動化包装装置における搬送中、形成中、さらにパッケージへの貼付中に、破損しはじめるからである。
【0072】ハロゲン化銀画像形成層を含むライナーの摩擦係数、すなわちCOFは、自動化ラベル貼付装置における搬送及び形成効率に関連するため、重要な特性である。COFは、ある表面上を移動する物品の質量の、当該表面と当該物品との間の接触を維持する力に対する比率である。以下にCOFの数式表現を示す。COF=μ=(摩擦力/法線力)
【0073】ライナーのCOFは、ステンレススチールスレッドを使用するASTM D-1894試験法により測定してライナーの静的及び動的の両方のCOFを測定する。本発明のライナーの好適な静的COFは0.2〜0.6の範囲内である。一例として、ピック・アンド・プレース用途で用いられるラベルの上のコーティングには、0.2のCOFが必要である。ラベルを拾い上げそれを別の場所に移動させる機械装置を使用する運転には、当該ラベルがその下方のラベルの表面上を容易に滑るように、低いCOFが必要である。その反対に、ブックカバーのような大きなシートは、保管時に上下に積み重ねた際に横滑りしないように0.6のCOFが必要となる。時には、片面のCOFが高く、反対面のCOFが低いことが要求される特殊な材料もある。通常は、プラスチックフィルム、箔又は紙基材のようなベース材料自体が片面に必要なCOFを提供する。適当なコーティングを適用することで、画像面の値を高くしたり低くしたりすることができる。想像できるように、いずれの側のものについても2種のコーティングを使用することができる。COFは静的であっても動的であってもよい。静摩擦係数は、2つの表面間の移動が起こりそうで実際には起こらない時点での値である。動的摩擦係数は、2つの表面が互いに対して一定速度で実際にスライドしている時の場合をさす。COFは通常は表面上に配置されたスレッドを使用して測定される。スライド開始時に要する力は静的COFの測定値を与える。スレッドを一定速度で一定距離引っ張ると、動的摩擦力の測定値が得られる。
【0074】本発明のライナーの好適な厚さは75〜225μmの範囲内にある。ライナーの厚さは、引張強さ又は機械的弾性率で表現されるライナーの強度が、コスト効率のよい設計が実現されるようにライナーの厚さとのバランスがとれなければならない点で、重要である。例えば、強度の高い厚いライナーは、ロール径を一定とした場合、薄いライナーに比べてロール長が短くなるので、コスト効率が低くなる。ライナー厚が60μm未満になると、エッジ案内式ハロゲン化銀プリンタにおいて搬送故障を引き起こすことが示された。ライナー厚が250μmを超えると、コスト効果のない、しかも現存のハロゲン化銀プリンタでは搬送が困難な設計となる。
【0075】本発明のライナーは20%未満の光透過率を有することが好ましい。ハロゲン化銀ラベルのプリントに際し、フェースストック/ライナー組合せからの反射により第2露光を発生させる露光エネルギーが必要である。この第2露光はプリント生産性を高い水準で維持する上で重要である。光透過率が25%を超えるライナーは、ハロゲン化銀ラベルのプリント速度を有意に低下させることが示された。さらに、「ラベルのない外観」を提供する透明なフェースストック材料は、プリント速度を維持するためだけでなく、現存するハロゲン化銀プリンタのプリントプラテンからの望ましくない反射を防止するためにも、不透明ライナーを必要とする。
【0076】本発明の感光性ハロゲン化銀層は、製造時、プリント時及び処理時に静電放電による望ましくない露光を被るおそれがあるため、ライナーは1011Ω/□未満の抵抗率を有することが好ましい。帯電防止層に多種多様な導電性材料を含めることにより広範囲にわたる導電性を得ることができる。これらは広く2つのグループ:(1)イオン伝導体及び(2)電子伝導体にわけることができる。イオン伝導体の場合、電解質の中を荷電種がバルク拡散することにより電荷が移動する。ここでは、帯電防止層の抵抗率は温度と湿度とに依存する。このカテゴリーには、従来の特許文献に記載されているように、単純無機塩、界面活性剤のアルカリ金属塩、イオン伝導性ポリマー、アルカリ金属塩を含む高分子電解質及びコロイド金属酸化物ゾル(金属塩で安定化されたもの)を含有する帯電防止層が含まれる。しかしながら、用いられる無機塩、高分子電解質及び低分子量界面活性剤の多くは水溶性であり、処理の際に帯電防止層から滲出するので、帯電防止機能が低下してしまう。電子伝導体を使用する帯電防止層の導電性は、イオン移動度ではなく電子移動度に依存するため、湿度の影響を受けない。共役ポリマー、半導体金属ハロゲン化物塩、半導体金属酸化物粒子、等を含有する帯電防止層が従来より知られている。しかしながら、これらの帯電防止層に含まれる電子伝導性材料の体積%が一般に高いことから、往々にしてコストが高く、しかも着色、高脆性、帯電防止層に対する密着性の悪さ、等の望ましくない物理特性を付与することが多い。
【0077】本発明の好ましい実施態様では、ラベルは、ライナーに内蔵された又はライナー上に塗被された、帯電防止材を有する。電気表面抵抗率が1011Ω/□以上である帯電防止剤を有することが望ましい。最も好適な実施態様では、該帯電防止剤は、酸化錫及び五酸化バナジウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の材料を含む。
【0078】本発明の別の好適な実施態様では、帯電防止剤が感圧接着剤層に内蔵される。感圧接着剤層に内蔵された帯電防止剤は、ハロゲン化銀層に静電保護を提供し、かつ、ラベル上の静電気を減少させるので、高速ラベル貼付装置における容器のラベル貼付を助長することが示された。帯電防止層を含むライナーへの追加又は独立したものとして、感圧接着剤はさらに、導電性金属酸化物、カーボン粒子及び合成スメクタイトクレーからなる群より選択された帯電防止剤を含むか、又は固有導電性ポリマーで多層化されていてもよい。好適な実施態様の1つでは、帯電防止剤は金属酸化物である。金属酸化物が好ましい理由は、熱可塑性接着剤に容易に分散され、しかも当該技術分野で知られている任意の手段によりポリマーシートに適用できるためである。本発明において有用な導電性金属酸化物は、ドープ型金属酸化物、酸素欠失を含む金属酸化物、金属アンチモン酸塩、導電性窒化物、炭化物又はホウ化物、例えば、TiO2、SnO2、Al2O3、ZrO3、In2O3、MgO、ZnSb2O4、TiB2、ZrB2、NbB2、TaB2、CrB2、MoB、WB、LaB6、ZrN、TiN、TiC及びWC、をはじめとする導電性粒子からなる群より選択される。最も好適な材料は、優れた導電性を提供し、かつ、透明であることから、酸化錫及び五酸化バナジウムである。
【0079】本発明の柔軟性基材は、高速ラベル貼付装置における画像の適用及び効率的輸送を可能ならしめるために必要な引張強さ特性及び摩擦特性を有する。本発明の基材は、感圧接着剤を含有する柔軟性ラベルストックに感光性ハロゲン化銀画像形成層を適用することにより形成される。画像形成層、フェースストック及び感圧接着剤は、強靭なライナー材料を使用して、ラベル貼付装置内で支持され搬送される。感光性ハロゲン化銀画像形成層は水、コーヒー及び皮脂のような環境溶剤に弱いため、画像を現像した後に感光性ハロゲン化銀画像層に環境保護層を適用することが好ましい。
【0080】図1に、紙ライナーを積層したハロゲン化銀感圧ラベルを示す。現像されたハロゲン化銀画像層10がフェースストック12に付着されている。真珠光沢マイカ顔料を含有するフェースストック12の現像ハロゲン化銀画像層とは反対側に感圧層14が付着されている。感圧層14と積層紙ライナー18との間にシリコーン層16が配置されている。ラベルのダイ裁断工程中、ハロゲン化銀層10、フェースストック12及び接着剤層14がダイで裁断される。ハロゲン化銀ラベルをパッケージに適用するに際し、シリコーン層16と積層紙ライナー18を剥離して感圧層14を露出させ、そして感圧接着剤層をパッケージ表面に接するように配置することにより、本発明の写真ラベルをパッケージに付着する。
【0081】環境保護層は、真珠光沢画像を環境溶剤から保護し、耐スクラッチ性を示し、しかも画質を損ねないような適当な材料からなることができる。環境保護層は、典型的なハロゲン化銀画像形成プロセスを使用して画像の現像に必要な処理薬液が画像形成層の表面を効率的に浸透してハロゲン化銀及びカプラーと接することができなければならないので、画像の現像後に写真画像に適用することが好ましい。環境保護層は、一般に、現像処理薬剤を透過しないであろう。環境保護層は、透明ポリマー粒子を電場の存在下で画像形成層の最上面に適用して該最上層に融着させて透明ポリマー粒子から連続高分子層を形成させるものが好適である。静電写真用トナーに適用されるポリマーは、写真ラベルに薄い環境保護層を設ける有効な方法であって、環境溶剤や取扱いによる損傷に耐えることが示されたので、好適である。
【0082】別の実施態様では、処理後の融着工程において、露光及び処理に耐え、かつ、連続した水不透過性保護層を形成する環境保護層が水溶液から塗布される。環境保護層は、増感写真製品の乳剤側に、ポリマーラテックスバインダーと一緒に平均粒径0.1〜50μmのポリマービーズ又は粒子を塗布することにより形成することが好ましい。任意に、当該層に少量の水溶性塗布助剤(増粘剤、界面活性剤)を含めてもよいが、それらは処理に際してコーティングから滲出することが必要である。露光及び処理後、画像を有する製品に、加熱及び/又は加圧(融着)、溶剤処理その他の所望の連続した水不透過性保護層を形成する手段により、コートしたポリマービーズの融着及び凝集を起こさせるような処理を施す。
【0083】環境保護層に用いられるポリマー粒子に好適なポリマーの例として、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(塩化ビニル−コ−塩化ビニリデン)、塩素化ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル−コ−酢酸ビニル)、ポリ(塩化ビニル−コ−酢酸ビニル−コ−無水マレイン酸)、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ(アクリル酸)エステル、アマニ油変性アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリ(ビニルブチラール)、ポリイソシアネート樹脂、ポリウレタン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアミド、クロマン樹脂、ダンマル樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、ビニルポリマー、例えば、ポリスチレン及びポリビニルトルエン又はビニルポリマーとメタクリレート若しくはアクリレートとのコポリマー、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、低分子量ポリエチレン、フェノール変性ペンタエリトリトールエステル、ポリ(スチレン−コ−インデン−コ−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−コ−インデン)、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリ(メチルメタクリレート)を配合したポリ(ステアリルメタクリレート)、シロキサンとポリアルケンとのコポリマー、等が挙げられる。これらのポリマーは、単独で使用しても、併用してもよい。本発明の好ましい実施態様では、ポリマーは、ポリエステル又はポリ(スチレン−コ−ブチルアクリレート)を含む。好ましいポリエステルは、エトキシル化及び/又はプロポキシル化ビスフェノールAとテレフタル酸、ドデセニルコハク酸及びフマル酸の1種以上とをベースにしたものである。これは、一般に包装ラベルの過酷さに耐える好ましい環境保護層を形成するからである。
【0084】環境保護層の耐磨耗性を高めるため、架橋又は枝分かれしているポリマーを使用することができる。例えば、ポリ(スチレン−コ−インデン−コ−ジビニルベンゼン)、ポリ(スチレン−コ−アクリロニトリル−コ−ジビニルベンゼン)又はポリ(スチレン−コ−ブタジエン−コ−ジビニルベンゼン)を使用することができる。
【0085】環境保護層のためのポリマー粒子は透明でなければならず、また無色であることが好ましい。しかしながら、画像が当該オーバーコートを通して観察可能である限り、色補正や特殊な効果を目的としてポリマーが多少の色を有してもよいことが具体的には企図される。このように、色を付与するポリマー粒子色素の導入も可能である。さらに、当該オーバーコートに所望の特性を付与する添加物を当該ポリマー粒子に内蔵させることもできる。例えば、UV吸収剤をポリマー粒子に導入することにより当該オーバーコートをUV吸収性にすることができ、したがってUVによる退色から画像を保護することができ、また、青味剤をポリマー粒子に導入することにより、ハロゲン化銀画像形成層に用いられるゼラチンの固有黄色を相殺することも可能である。
【0086】環境保護層を形成するポリマー粒子の他に、当該要素の表面特性を改質する他の粒子を当該ポリマー組成物に組み合わせることができる。このような粒子は、当該ポリマー粒子が融着される条件下で固体であり、かつ、非融着性であり、そして、融着工程の際に溶融せずに当該オーバーコートに表面粗さを付与する、メチルメタクリレートビーズのような有機粒子及び、シリカのような無機粒子を含む。
【0087】環境保護層の表面特性は、トナーを形成するポリマーの物理特性及び非融着性固体粒子の有無に大部分左右される。しかしながら、オーバーコートの表面特性は、当該表面が融着される条件によって変性されることもある。例えば、トナーを融着して連続オーバーコート層を形成するのに用いられる融着部材の表面特性を、当該要素の表面に所望の程度の滑らかさ、テクスチャ又はパターンを付与するように選ぶことができる。このように、高度に滑らかな融着部材は画像形成要素に光沢面を与え、テクスチャ化融着部材は当該要素にマットその他のテクスチャ面を与え、パターン化融着部材は当該要素の表面にパターンを付与する。
【0088】ポリマーラテックスバインダーの好適例として、ブチルアクリレート、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホネート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートのラテックスコポリマーが挙げられる。有用な他のラテックスポリマーとして、直径20〜10,000nmのTgが60℃未満のポリマーを水にコロイド懸濁液として懸濁させたものが挙げられる。
【0089】環境保護層に好適な塗布助剤の例として、塗布懸濁液に多少の粘度を付与する水溶性ポリマーその他の材料のいずれでも挙げられ、例えば、高分子量多糖類〔例、キサンタンガム、グアガム、アラビアガム、Keltrol(Merck社製アニオン性多糖類)、高分子量ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸とその塩、ポリアクリルアミド、等〕が挙げられる。界面活性剤には、コーティング調製物の表面張力を、エッジの引け(edge withdrawal)、剥離その他の塗布欠陥を防止するに十分な低さに下げる表面活性剤のすべてが含まれる。これらには、アルキルオキシ−もしくはアルキルフェノキシポリエーテル又はポリグリシドール誘導体とそれらの硫酸塩、例えば、Olin Matheson社より市販されているノニルフェノキシポリ(グリシドール)又はオクチルフェノキシポリ(エチレンオキシド)硫酸ナトリウム、有機硫酸塩又はスルホン酸塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(Aerosol OT)、及びアルキルカルボキシレート塩、例えば、デカン酸ナトリウム、が含まれる。
【0090】現像後のハロゲン化銀画像形成層の最外層に紫外線重合性モノマー及びオリゴマーを適用して輻射線照射により架橋保護薄層を形成することが好ましい。UV硬化性ポリマーは、ハロゲン化銀画像形成層の最外層に容易に適用することができるので好ましく、そしてハロゲン化銀ラベル材料に好ましい保護層を提供することが示された。好適なUV硬化性ポリマーとして、脂肪族ウレタン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリイソシアネート及びヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。好適な光開始剤はベンジルジメチルケタールである。好適な輻射線強度は0.1〜1.5ミリワット/cm2の範囲内である。0.05未満では、架橋が不十分となり、パッケージのラベル貼付に十分な保護を付与する保護層が得られない。
【0091】現像後のラベルハロゲン化銀画像の最外層に予備形成ポリマーを適用することにより環境保護層を形成することが最も好ましい。予備形成シートの適用が好ましい理由は、予備形成シートは強靭で耐久性があり、環境溶剤やハロゲン化銀画像化ラベルに加わる取扱い外力に容易に耐えられるからである。予備形成ポリマーシートの適用は、現像後、積層工程により実施することが好ましい。2つの表面を密着させ、画質を劣化させ得る空気の捕捉を排除する加圧ニップの前に、予備形成ポリマーシート又は写真ラベルのいずれかに接着剤を適用する。
【0092】予備形成シートは、配向過程で強度及び靭性が発生することから、配向ポリマーであることが好ましい。柔軟性基材に好適なポリマーとして、ポリオレフィン、ポリエステル及びナイロン(商品名)が挙げられる。好適なポリオレフィンにはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリブチレン及びこれらの混合物が含まれる。ヘキセン、ブテン及びオクテンのようなエチレンとプロピレンとのコポリマーをはじめとするポリオレフィンコポリマーも有用である。ポリプロピレンは、感圧ラベルに必要な所望の強度及び靭性を有し、しかも低コストであることから、最も好ましい。
【0093】現像後のハロゲン化銀ラベル画像に合成ラテックスを適用したものは、別の好ましい環境保護層である。合成ラテックスコーティングは、許容できる環境保護層を提供することが示され、また水溶液でコーティングすることができるため、溶剤への暴露が排除される。ラテックスのコーティングは、ハロゲン化銀包装ラベルに好ましい環境保護層を提供することが示された。環境保護層に好適な合成ラテックスは、スチレンブタジエン系コポリマー、アクリレート樹脂及びポリ酢酸ビニルから乳化重合法により製造される。合成ラテックスの好適な粒径は0.05〜0.15μmの範囲内にある。合成ラテックスは、ハロゲン化銀画像形成層の最外層に、ロッドコーティング、ロールコーティング及びホッパーコーティングをはじめとする公知の塗布法により適用される。合成ラテックスは、適用後に乾燥されなければならず、またハロゲン化銀の画質を損ねないように乾燥透明でなければならない。
【0094】フェースストック材料、又は感光性ハロゲン化銀画像形成層が適用される本発明に用いられる柔軟性基材は、ハロゲン化銀画像形成層を妨害してはならない。さらに、本発明のフェースストック材料は、ハロゲン化銀画像形成システムの性能を最適化する必要もある。好適な柔軟性基材は、ラベルを各種容器に貼付するための自動化包装装置において効率的に性能を発揮することも必要である。好適な柔軟性基材はセルロース紙である。セルロース紙基材は柔軟性があり、強く、そしてポリマー基材と比べて低コストである。さらに、セルロース紙基材は、いくつかの包装用途において望まれ得るテクスチャ付ラベル表面を可能にする。本発明の写真要素はハロゲン化銀を現像するために水性薬液で処理しなければならないため、紙に防水性を付与するコーティングを紙に設けることができる。好適なコーティングの一例として、アクリル系又はポリエチレン系のポリマーが挙げられる。
【0095】ポリマー基材は、耐引裂性を有し、コンフォーマル性に優れ、耐薬品性が良好で、しかも強度が高いので、別の好ましいフェースストック材料である。好ましいポリマー基材として、ポリエステル、配向ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、流延ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン、ポリスチレン、アセテート及びビニルが挙げられる。ポリマーは、強くて柔軟性があり、しかもハロゲン化銀画像形成層のコーティングとして優れた表面を提供するので、好ましい。真珠光沢顔料は、フェースストックの配向ポリマー層に添加されることが好ましい。真珠光沢顔料をフェースストックに添加することにより、本発明の真珠光沢顔料は、真珠光沢のあるハロゲン化銀形成画像を提供する多重反射面を作り出す。真珠光沢顔料は、所望の真珠外観を提供するため、表皮層及び/又はコア層に添加されることが好ましい。コアに添加された真珠光沢顔料よりも、画像形成層に隣接配置された真珠光沢顔料の方が有効である。真珠光沢顔料を配向ポリマー表皮層又は隣接ポリマー層に添加する場合、その添加量を1〜4質量%の範囲内にすることが好ましい。0.5質量%未満であると画像のFLOP値が5未満となり、また添加量が5質量%を超えると、顔料濃度が配向ポリマーシートを暗くし始めるため、当該シートの望ましい白色位置が低下する。
【0096】二軸延伸ポリオレフィンシートは、コストが低く、ハロゲン化銀系を最適化する優れた光学特性を有し、しかも高速ラベル貼付装置においてパッケージに適用することができるため、好ましい。ミクロボイドを有する複合二軸延伸シートは、そのボイド含有層が不透明性及び明るさを、TiO2を必要とすることなく付与するので、最も好ましい。また、ミクロボイドを有する二軸延伸シートのボイド含有層は、ハロゲン化銀画像形成層の感圧性を顕著に低下させることが示されている。ミクロボイドを有する二軸延伸シートは、コアと表面層を同時押出した後に二軸延伸することによりコア層に含まれるボイド発生材料の周囲にボイドを形成させることによって便利に製造される。このような複合シートは米国特許第4,377,616号、同第4,758,462号、同第4,632,869号及び同第5,866,282号に記載されている。必要であれば、二軸延伸ポリオレフィンシートを紙シートの片面又は両面に積層することにより剛性のより高いラベルを形成することもできる。
【0097】柔軟性真珠光沢ポリマーフェースストック基材は、2以上の層を含有することができる。柔軟性基材の表皮層は、先にコアマトリックスについて記載したものと同一の高分子材料から製造することができる。当該複合シートは、コアマトリックスと同一の高分子材料の表皮で製造してもよいし、またコアマトリックスとは異なる高分子組成物の表皮で製造してもよい。適合性を考慮し、表皮層とコア層との密着性を高めるための補助層を使用してもよい。
【0098】ボイドを有する二軸延伸ポリオレフィン真珠光沢シートは、感光性ハロゲン化銀画像形成層のコーティングとして好適な柔軟性フェースストック基材である。ボイド含有フィルムは、不透明性、白色度及び画像鮮鋭性を画像に付与するので好ましい。本明細書中の用語「ボイド」は、添加された固体又は液体物質を含まないことを意味するが、「ボイド」が気体を含有することはあり得る。包装シート完成品のコアに残存するボイド発生粒子は、直径が0.1〜10μmの範囲内にあるべきで、所望の形状及び大きさのボイドを発生させるため丸い形状を有することが好ましい。ボイドの大きさは、縦方向及び横方向の配向度合いにも左右される。理想的には、ボイドは、複数の凹形ディスクを接触させる向かい合う2つの縁部によって画定される形状を有するであろう。換言すれば、ボイドはレンズ又は両凸形状を有する傾向がある。シートの縦方向及び横方向に2つの主要寸法が整列するようにボイドは配向する。Z方向軸は副次寸法となり、概してボイド化粒子の横直径の大きさとなる。一般に、ボイドは独立気泡になりやすく、したがって、ボイド含有コアの面の一方から他方へ気体や液体が横断し得る開放路は実質的にない。
【0099】柔軟性フェースストック基材のためのボイド発生材料は、各種材料から選ぶことができ、そしてコアマトリックスポリマーの質量に対して約5〜50質量%の量で存在させるべきである。好ましくは、ボイド発生材料は高分子材料を含む。高分子材料を使用する場合、それは、コアマトリックスを製造するポリマーと溶融混合されることができ、かつ、当該懸濁液を冷却したときに分散球形粒子を形成することができるポリマーであることができる。この例として、ポリプロピレンに分散されるナイロン(商品名)、ポリプロピレンに分散されるポリブチレンテレフタレート又はポリエチレンテレフタレートに分散されるポリプロピレンが挙げられる。該ポリマーを予備付形してマトリックスポリマーに配合する場合、重要な特性は当該粒子の大きさと形状である。球形が好適であり、またそれは中空体であっても中実体であってもよい。これらの球体は、一般式Ar-C(R)=CH〔式中、Arは芳香族炭化水素基又はベンゼン系列の芳香族ハロ炭化水素基を表し、Rは水素又はメチル基を表す。〕を有するアルケニル芳香族化合物;式CH=C(R’)-C(O)(OR)〔式中、Rは水素及び炭素原子数約1〜12のアルキル基からなる群より選ばれ、R’は水素及びメチルからなる群より選ばれる。〕のモノマーをはじめとするアクリレート系モノマー;塩化ビニル及び塩化ビニリデン、アクリロニトリル及び塩化ビニル、臭化ビニル、式CH=CH(O)COR〔式中、Rは炭素原子数2〜18のアルキル基である。〕を有するビニルエステルのコポリマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、オレイン酸、ビニル安息香酸;テレフタル酸及びテレフタル酸ジアルキル又はそのエステル形成性誘導体を、HO(CHOH系列〔式中、nは2〜10の範囲内の整数である。〕のグリコールと反応させて調製された合成ポリエステル樹脂であって、該ポリマー分子内に反応性オレフィン結合を有し、最大で20質量%の反応性オレフィン系不飽和を有する第2酸又はそのエステル及びその混合物の共重合体を含み、かつ、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート及びこれらの混合物からなる群より選択された架橋剤を含むもの、から成る群より選択された部材である架橋ポリマーから製造することができる。
【0100】架橋ポリマーボイド発生粒子を製造するのに典型的なモノマーの例として、スチレン、ブチルアクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ビニルピリジン、酢酸ビニル、メチルアクリレート、塩化ビニルベンジル、塩化ビニリデン、アクリル酸、ジビニルベンゼン、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニルトルエン、等が挙げられる。当該架橋ポリマーがポリスチレン又はポリ(メチルメタクリレート)であることが好ましい。当該架橋ポリマーがポリスチレンであり、かつ、当該架橋剤がジビニルベンゼンであることが最も好ましい。
【0101】当該技術分野で周知の方法により、広い粒径分布を特徴とする大きさが不均一なボイド発生粒子が得られる。得られるビーズを当初の粒径分布範囲に及びスクリーニングすることにより、分級することができる。懸濁重合法、限定凝集法、等のような他の方法により、大きさが非常に均一な粒子が直接得られる。
【0102】ボイド発生材料は、ボイド形成を促進する剤で被覆されていてもよい。好適な剤又は潤滑剤として、コロイドシリカ、コロイドアルミナ並びに酸化錫及び酸化アルミニウムのような金属酸化物が挙げられる。好適な剤はコロイドシリカ及びアルミナであり、最も好ましくはシリカである。剤のコーティングを有する架橋ポリマーは、当該技術分野で周知の方法により調製することができる。例えば、従来の懸濁重合法において当該剤を懸濁液に添加する方法が好適である。当該剤としては、コロイドシリカが好適である。
【0103】ボイド発生粒子は、中実もしくは中空ガラス球体をはじめとする無機球体、金属もしくはセラミックビーズ又はクレー、タルク、硫酸バリウムもしくは炭酸カルシウムのような無機粒子であってもよい。重要なことは、当該材料がコアマトリックスポリマーと化学反応を起こすことにより、(a)当該マトリックスポリマーの結晶化動力学を変更してその配向を困難にすること、(b)当該コアマトリックスポリマーを破壊すること、(c)当該ボイド発生粒子を破壊すること、(d)当該ボイド発生粒子を当該マトリックスポリマーに密着させること、又は(e)有毒成分や着色成分など望ましくない反応生成物を生ぜしめること、という問題を1つ以上引き起こすことがあってはならないことである。ボイド発生材料は、二軸延伸ポリオレフィンシートが用いられている写真要素の性能を劣化させたり、又は写真学的に活性であったりしてはならない。
【0104】高分子フェースストック基材の最上表皮層の全厚は0.20μm〜1.5μm、好ましくは0.5〜1.0μmの範囲内であることができる。0.5μm未満であると、同時押出表皮層に固有の非平面性が許容できない色のばらつきをもたらす場合がある。表皮が1.0μmより厚いと、画像解像度のような写真光学特性が低下する。表皮が1.0μmより厚いと、クランプ又は不十分な着色顔料分散のような汚染についてフィルタに対する材料体積も大きくなる。
【0105】画像形成要素の色を変更するために柔軟性フェースストック基材の最上表皮層に添加物を添加することができる。ラベル貼付用途の場合、若干青味を帯びた白色基材が好まれる。薄い青味付与剤の添加は、押出前に着色濃縮物を機械的に配合して所望の配合比で予め配合された青着色剤を溶融押出する方法をはじめとする当該技術分野で知られているいずれの方法によっても行うことができる。表皮層の同時押出には320℃を上回る温度が必要となるため、320℃を上回る押出温度に耐えられる着色顔料が好ましい。本発明に用いられる青着色剤は、画像形成要素に悪影響を及ぼさないものであればどのような着色剤であってもよい。好適な青着色剤として、フタロシアニン系青色顔料、クロモフタル系青色顔料、イルガジン系青色顔料及びイルガライト有機青色顔料が挙げられる。蛍光増白剤を表皮層に添加することによりUVエネルギーを吸収して青色域で広く発光させることもできる。表皮層にTiO2を添加してもよい。本発明の薄い表皮層にTiO2を添加しても当該シートの光学性能に顕著に寄与することはないが、押出ダイラインやスポットのような製造上の問題をいくつか引き起こす可能性はある。実質的にTiO2を含まない表皮層が好ましい。0.20〜1.5μmの範囲内の層に添加されたTiO2は、実質的に当該支持体の光学特性を改良することはなく、設計コストを増大させ、しかも押出プロセスにおいて望ましくない顔料ラインを引き起こすことになる。
【0106】柔軟性基材の光学特性を改良するために、コアマトリックス及び/又は1以上の表皮層に添加物を添加することができる。二酸化チタンが好ましく、画像鮮鋭性又はMTF、不透明性及び白色度を改良するため本発明において用いられる。用いられるTiO2はアナターゼ形であってもルチル形であってもよい。さらに、アナターゼ形とルチル形のTiO2を両方配合することにより白色度と鮮鋭性の双方を改良することもできる。写真系に許容できるTiO2の例は、DuPont Chemical社R101ルチル形TiO2及びDuPont Chemical社R104ルチル形TiO2である。当該技術分野において写真光学応答を改良することが知られているその他の顔料を本発明に使用することもできる。当該技術分野で白色度を改良することが知られているその他の顔料の例として、タルク、カオリン、CaCo3、BaSO4、ZnO、TiO2、ZnS及びMgCO3が挙げられる。好適なTiO2のタイプはアナターゼである。というのは、アナターゼ形TiO2は、ボイド含有層を含む場合の画像白色度及び鮮鋭性を最適化することが見いだされたからである。
【0107】二軸延伸シートを表面から見た場合に、当該画像形成要素が紫外線照射時に可視スペクトルで発光するように、本発明の柔軟性フェースストック基材に添加物を添加することができる。可視スペクトルでの発光により、紫外エネルギー存在下、所望のバックグラウンド色を有する支持体を可能ならしめる。このことは、画像を屋外で観察する場合に特に有用である。というのは、太陽光は紫外エネルギーを含み、これを利用することにより需要者及び商業用途向けに画質を最適化することが可能となるからである。
【0108】当該技術分野において青色スペクトルの可視光を発する添加物が好適である。一般に需要者は、現像後の画像の最低濃度部分が若干青味を帯びていることを好み、このことは、b1単位が零の範囲内にあるbとして定義される中性濃度最低値に対してbが負であるものとして定義される。bはCIE(国際照明委員会)色空間の黄色/青色測定値である。bが正値であると黄色を示し、一方、bが負値であると青色を示す。青色スペクトルで発光する添加物を添加することにより、画像の白色度を低下させ得る着色剤を添加することなく、支持体に色味をつけることが可能である。好適な発光は、Δb単位で1〜5の範囲内である。Δbは、ある試料を紫外光源で照明した時と、有意な紫外エネルギーを一切含まない光源で照明した時とで測定されたbの差として定義される。Δbは、本発明の最上部二軸延伸シートに蛍光増白剤を添加する正味の効果を求める好ましい測定値である。1b単位未満の発光はほとんどの顧客に認識され得ないため、bの変化量が1b単位未満である場合には、二軸延伸シートに蛍光増白剤を添加してもコスト的に有効ではない。5b単位を超える発光は、画像の色バランスを損ね、ほとんどの需要者に青味の強すぎる白色外観を与えてしまうであろう。
【0109】好適な添加物は蛍光増白剤である。蛍光増白剤は、紫外光を吸収してそれを青色可視光として発する無色の蛍光性有機化合物である。その一例として、4,4’-ジアミノスチルベン-2,2’-ジスルホン酸、4-メチル-7-ジエチルアミノクマリンのようなクマリン誘導体、1,4-ビス(O-シアノスチリル)ベンゾール及び2-アミノ-4-メチルフェノールが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0110】ボイドは、柔軟性基材に不透明性を追加する。このボイド含有層は、TiO2、CaCO3、クレー、BaSO4、ZnS、MgCO3、タルク、カオリンその他の2層以上の層のフィルムに高度反射性白色層を提供する材料からなる群より選ばれる少なくとも一種の顔料を含有する層との併用も可能である。顔料着色層をボイド含有層と組み合わせることにより、最終画像の光学性能に有利な効果が得られる。
【0111】柔軟性フェースストック基材のボイド含有層は、亀裂の発生や、隣接層からの離層といった機械的破損を中実層よりも受け易い。TiO2を含有する又はTiO2を含有する層に近接しているボイド含有構造体は、長期の露光により、機械特性の損失や機械的破損を特に受け易い。TiO2粒子がポリプロピレンの光酸化的分解を開始し、促進するからである。多層二軸延伸フィルムの1層以上にヒンダードアミン安定剤を添加すること、好ましい実施態様ではTiO2を含有する層に、さらに最も好ましい実施態様ではTiO2を含有する層とその隣接層とに添加することは、明所及び暗所の双方の画像安定性を改良する。
【0112】蛍光増白剤は、多層同時押出型柔軟性フェースストック基材のいずれの層に添加されていてもよい。好ましい添加場所は、該シートの露出表面層の中又はその隣接部である。これにより、蛍光増白剤の効率的濃度が可能となる。
【0113】望ましい質量%の添加量の蛍光増白剤が、蛍光増白剤が支持体表面に移行して画像形成層に結晶を形成する濃度に近づき始める場合には、露出層に隣接する層に蛍光増白剤を添加することが好ましい。蛍光増白剤を使用する従来技術の支持体では、画像形成層中への移行を防止するため高価なグレードの蛍光増白剤を使用する。感光性ハロゲン化銀画像形成システムの場合と同様に、蛍光増白剤の移行が問題となる場合には、好適な露出層は、実質的に蛍光増白剤を含まないポリエチレンを含む。この場合、露出層に隣接する層からの移行は、露出表面層が蛍光増白剤の移行に対する障壁として作用するので、著しく抑えられ、画質を最適化するために用いられる蛍光増白剤のレベルをはるかに高めることができる。さらに、蛍光増白剤を露出層に隣接する層に配置することにより、実質的に蛍光増白剤を含まない露出層が当該蛍光増白剤の有意な移行を防止するので、より安価な蛍光増白剤の使用が可能となる。本発明の二軸延伸シートにおける望ましくない蛍光増白剤の移行を抑制する別の好適な方法として、露出表面に隣接する層にポリプロピレンを使用する方法がある。
【0114】柔軟性フェースストック基材の同時押出、急冷、延伸及びヒートセットは、フラットシート法又はバブルもしくはチューブラ法のような配向シートを製造するための当該技術分野で知られている方法のいずれによっても実施することができる。フラットシート法は、配合物をスリットダイを介して押出し、押出されたウェブを冷却流延用ドラム上で急冷することにより、シートのコアマトリックスポリマー成分と表皮成分とをそのガラス凝固温度未満に急冷する方法である。次いで、急冷されたシートを、ガラス転移温度より高いがマトリックスポリマーの溶融温度よりも低い温度において、互いに直交する方法に延伸することにより、二軸配向させる。シートの延伸は、一方向で行ってから第2の方向で行ってもよいし、両方向同時に行ってもよい。シートを延伸した後、両方の延伸方向でのシート収縮をある程度抑えながら、当該ポリマーを結晶化又はアニールさせるのに十分な温度に加熱することにより、シートをヒートセットする。
【0115】ミクロボイドを有するコアの上にボイドを含まない表皮を1層以上設けることにより、柔軟性フェースストック基材の引張強度が高まり、シートの製造適性も高くなる。引張強度が高くなると、すべての層がボイドを有するシートの場合に比べ、シート幅を拡張したり、延伸比を高めることも可能となる。複数の層を同時に押出することにより、製造プロセスがさらに簡素化される。
【0116】本発明の別の実施態様において、透明な柔軟性真珠光沢ラベルベースが好適である。透明柔軟性ラベルベースを使用して、パッケージの内容物をラベルを通して見ることができるラベル貼付用途に特に有用な透明感厚ラベルを提供する。例として、透明又は着色ガラスを利用するワインボトルのラベル貼付、シャンプーボトルのラベル貼付及び飲料ボトルが挙げられる。本発明の場合、「透明」材料とは、分光透過率が90%を超える材料として定義される。画像形成要素の場合、分光透過率は透過パワーの入射パワーに対する比率であり、以下のように%で表現される。
RGB=10-D×100上式中、Dは、X-Rite型式310(又は同等品)写真透過濃度計により測定された赤、緑及び青のステータスA透過濃度応答である。
【0117】ほとんどの用途について、光透過率が20%未満の柔軟性ラベルベースが好適である。光透過率が20%未満であると、反射性の高い優れた不透明ハロゲン化銀感圧ラベルが得られる。不透明な高反射性ラベルは、暗くて画質を損なうであろうバックグラウンドに対する感圧ラベル貼付に有用である。一例として、黒色パッケージのラベル貼付が挙げられる。光透過率が20%よりも高いラベルベースは画像を暗くし、顔の細部の内容のような低濃度詳細部を損なうであろう。
【0118】本発明において感圧写真真珠光沢ラベル接着剤を使用することにより、現像されたハロゲン化銀包装ラベルをパッケージの表面に、典型的には高速包装装置により付着させることができる。「剥離可能な分離」又は「剥離強度」又は「分離力」は、ハロゲン化銀ラベルを該ラベルが適用されているパッケージから分離するのに要する力の定量測定値である。剥離強度は、原子価力もしくはかすがい作用又はその両方からなる写真ラベル接着剤の内部力により互いに保持されている2つの表面を分離させるのに要する力である。剥離強度は、インストロンゲージを使用し、試料をクロスヘッド速度1.0m/分で180度方向に剥離することにより測定される。試料の幅は5cmとし、剥離距離は10cmとする。
【0119】剥離可能な写真真珠光沢ラベル接着剤を使用することにより、需要者は該ラベルをパッケージから分離することが可能となる。ラベルをパッケージから分離することにより、例えば、パッケージに割引クーポンを取り付けたり販促用に使用したりすることができる。剥離可能な写真ラベル接着剤について、ハロゲン化銀感圧ラベルとパッケージとの間の好適な剥離強度は80グラム/cm以下である。剥離強度が100グラム/cmを上回ると、需要者は、画像をパッケージから分離することが困難になり始める。さらに、110グラム/cmを上回る剥離強度では、紙基材の内部強度に近づき始めるため、画像を分離する前に紙基材が望ましくない破損を起こすことがある。
【0120】画像を基材から分離するに当たり、本発明の剥離可能な写真真珠光沢ラベル接着剤は20〜100グラム/cmの範囲内の好適な再配置剥離強度を有する。再配置剥離強度は、23℃、50%RHの条件下で、写真ラベル接着剤を含有する分離された画像をステンレススチールから剥離するのに要する力である。再配置剥離強度が15グラム/cm未満であると、写真ラベル接着剤は、冷蔵庫やフォトアルバムのような各種表面に付着したままでいられるのに十分な剥離強度に欠ける。剥離強度が120グラム/cmを上回ると、本発明の写真ラベル接着剤は強力すぎて、需要者は後で画像を再配置することができない。
【0121】本発明の剥離可能な写真真珠光沢ラベル接着剤は、単層であっても2層以上であってもよい。写真ラベル接着剤層が2層以上ある場合、その1層が優先的にラベルベースに密着する。画像を基材を分離すると、本発明の写真ラベル接着剤を再配置のためラベルベースに付着させることができる。
【0122】再配置する写真ラベル接着剤のためのレリース層を含む基材が好適である。レリース層により、写真ラベル接着剤を写真ラベル接着剤とベースとの界面で均一に分離させることができる。レリース層は、レリース層を基材に適用するため当該技術分野で知られているいずれの方法によっても、ライナーに適用することができる。例として、シリコーンコーティング、テトラフルオロエチレンフルオロカーボンコーティング、フッ素化エチレンプロピレンコーティング及びステアリン酸カルシウムが挙げられる。
【0123】本発明の好適な写真ラベル接着剤は、感光性ハロゲン化銀画像形成システムと相互作用することにより画質が損なわれるようなことがあってはならない。さらに、本発明の写真要素は写真処理されなければならないため、本発明の写真ラベル接着剤の性能が写真処理薬剤によって低下してもならない。好適な写真ラベル接着剤は、画像を所望の表面に表面付着により結合させることができるものであれば、無機又は有機の天然物又は合成物であることができる。無機写真ラベル接着剤の例として、可溶性シリケート、セラミック及び熱硬化性粉末ガラスが挙げられる。有機写真ラベル接着剤は天然物であっても合成物であってもよい。天然有機写真ラベル接着剤の例として、骨グルー、大豆デンプンセルロース類、ラテックスゴム、ガム、テルペン、ゴム糊及び炭化水素樹脂が挙げられる。合成有機写真ラベル接着剤の例として、エラストマー溶剤、ポリスルフィドシーラント、熱可塑性樹脂、例えば、イソブチレン及びポリ酢酸ビニル、熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルブチラールおよびシアノアクリレート並びにシリコーンポリマーが挙げられる。
【0124】単層又は多層写真ラベル接着剤系の場合、好ましい写真ラベル接着剤組成物は、天然ゴム、合成ゴム、アクリル樹脂、アクリルコポリマー、ビニルポリマー、酢酸ビニル−ウレタン−アクリレート系材料、塩化ビニル−酢酸ビニルのコポリマー混合物、ポリビニリデン、酢酸ビニル−アクリル酸系コポリマー、スチレンブタジエン、カルボキシル化スチレンブタジエン系コポリマー、エチレン系コポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエステル及びコポリマー、セルロース及び変性セルロース、デンプン及び変性デンプン化合物、エポキシ、ポリイソシアネート、及びポリイミドからなる群より選ばれる。
【0125】単層又は多層写真ラベル接着剤系の場合、好ましい永久写真真珠光沢ラベル接着剤組成物は、エポキシ、フェノールホルムアルデヒド、ポリビニルブチラール、シアノアクリレート、ゴム系写真ラベル接着剤、スチレン/ブタジエン系写真ラベル接着剤、アクリル系及びビニル誘導体からなる群より選ばれる。剥離可能な写真ラベル接着剤と永久写真ラベル接着剤とを、写真支持構造体における異なる場所において又は同一層内において組み合わせて使用することができる。写真ラベル接着剤を組み合わせた構造の一例として、剥離可能な写真ラベル接着剤を上部二軸延伸シートとベース材料との間に配置し、かつ、永久写真ラベル接着剤を底部二軸延伸シートとベース材料との間に配置したものが挙げられる。透明なフェースストックの場合、接着剤が真珠光沢顔料を含有することが好ましい。感圧接着剤層に添加された真珠光沢顔料及び透明フェースストックを提供することにより、真珠光沢写真ラベルが形成される。
【0126】感圧基材上のハロゲン化銀画像形成層は、自動化ラベル貼付装置において各種パッケージに適用されることが好ましい。好ましいパッケージのタイプとして、ボトル、缶、起立パウチ、ボックス及びバッグが挙げられる。パッケージは、販売用パッケージを必要とする材料を含有することができる。包装される好適な材料には液状物及び粒状物が含まれる。
【0127】本発明のハロゲン化銀包装ラベルは、厚さが600μm未満であることが好ましい。650μmよりも厚いハロゲン化銀包装ラベルでは、画質又は包装ラベル性能のいずれにおいても顕著な改良が得られない。さらに、写真ラベルが650μmより厚くなると、高速包装装置内での搬送が困難となり、また、写真ラベルが700μmより厚くなると、ベルヌーイ法を利用して写真ラベルを剥ぎ取ることが困難となる。
【0128】以下、最外ハロゲン化銀画像形成層に環境保護層(EPL)を適用した好適な真珠光沢不透明反射性ハロゲン化銀感圧ラベル構造体の一例を示す。ポリエチレン層及びポリプロピレン層を一体二軸延伸シートとし、これに感圧接着剤とライナー材料を積層してから感光性ハロゲン化銀画像形成層をコーティングしたものである。
7.5μm粉砕スチレンブチルアクリレート融着EPL金属酸化物被覆型マイカを含むハロゲン化銀形成画像層密度0.925g/ccのポリエチレン12%TiO及び蛍光増白剤を含むポリプロピレン密度0.50g/ccのポリプロピレンボイド含有層ポリプロピレンアクリル系感圧接着剤セルロース紙剥離可能裏地
【0129】以下、現像後の最外ハロゲン化銀画像形成層に環境保護層(EPL)を適用した好適な真珠光沢透明ハロゲン化銀感圧ラベル構造体の一例を示す。ポリエチレン層及びポリプロピレン層を一体二軸延伸シートとし、これに感圧接着剤とライナー材料を積層してから感光性ハロゲン化銀画像形成層をコーティングしたものである。
配向ポリプロピレンEPLアクリル系感圧接着剤ハロゲン化銀形成画像層青味剤を含む密度0.925g/ccのポリエチレン蛍光増白剤及び金属酸化物被覆型マイカを含むポリプロピレンポリプロピレンアクリル系感圧接着剤及び金属酸化物被覆型マイカポリエステル剥離可能裏地
【0130】
【実施例】下記の実施例は本発明の実施を例示するものであり、本発明の可能なバリエーションのすべてを排出するものではない。部及び%は、特に示した場合を除き、質量を基準とする。本例では、典型的な感光性ハロゲン化銀乳剤におけるいくつかの位置に真珠光沢顔料を添加する。真珠光沢顔料を含む画像形成層を、パッケージのラベル貼付に適したベース材料に適用する。ハロゲン化銀画像形成層へ真珠光沢顔料を添加することにより、ハロゲン化銀画像に真珠外観が付与される。本例は、真珠光沢顔料を含まないハロゲン化銀画像形成層との比較において、真珠光沢画像のFLOP値の向上を示すものである。
【0131】例1〜10例1〜10は、上述したように調製した3色乳剤を含む。感光性乳剤を写真ラベルベース材料上に後述のように塗布した。
二軸延伸ポリオレフィンフェースストックミクロボイドを有する配向ポリプロピレンコア(全シート厚の約60%)の各面にホモポリマーのミクロボイドを含まない配向ポリプロピレン層を配置してなる複合ポリオレフィンシート(厚さ70μm)(d=0.68 g/cc)を調製した。ボイド発生材料としてはポリ(ブチレンテレフタレート)を使用した。当該ポリオレフィンシートに、ポリエチレンと青色顔料とからなる表皮層を設けた。ボイドを有する層に隣接するポリプロピレン層にルチル形TiO2を8%含有させた。この青味を帯びたポリエチレン表皮層にハロゲン化銀画像形成層を適用した。
【0132】感圧接着剤厚さ12μmの溶剤系永久アクリル接着剤を調製した。
積層紙ライナーセルロース紙コア(厚さ80μm)の上にポリプロピレンの二軸延伸シートを押出してなる積層ライナーを、LDPE樹脂を利用して裏面に押出積層した。裏面配向ポリプロピレンに、写真プリント装置における効率的搬送を可能ならしめるため、粗面層を含めた。該粗面層は、ポリエチレン及びポリプロピレンの不相溶性ポリマーの混合物からなるものとした。ライナーの上面に、シリコーンホールドアウト(hold out)のためのLDPEを押出積層した。セルロース紙には、導電性を担う8%の湿分と1%の塩が含まれていた。積層紙ライナーの全厚は128μmであり、またその剛性は縦方向、横方向共に80ミリニュートンであった。当該紙ライナーの押出LDPE層に隣接するようにシリコーンレリースコートを被覆した。
【0133】以下に、本例の写真包装ラベル材料のベース構造を示す。
ボイド含有ポリプロピレンシートアクリル系感圧接着剤シリコーンコーティング積層紙ライナー
【0134】対照及び例7においては、いずれの層にも真珠光沢顔料は含まれていない。一方、例1〜6及び8〜10においては、少なくとも1つの層に真珠光沢顔料が配置されている。下記表1に、真珠光沢顔料を含む層を示す。真珠光沢顔料としては、EMインダストリー社より供給された微粒子青白色顔料Afflair 110を使用した。当該顔料を典型的な混合法でゼラチンに分散させた。ゼラチン塗被量は約39g/m2とし、各層における顔料塗被量は19.4g/m2とし、そして第2系列は190g/m2で塗被した。コーティング層を乾燥した後、画像を露光してRA-4薬剤で現像した。
【0135】サイズオーバーコート赤増感シアン色素画像形成性ハロゲン化銀乳剤ユニット中間層緑増感マゼンタ色素画像形成性ハロゲン化銀乳剤ユニッ中間層青増感イエロー色素画像形成性ハロゲン化銀乳剤ユニッポリプロピレンフェースストックアクリル系感圧接着剤シリコーンレリース積層紙ライナー
【0136】例11は、最底位の乳剤コーティングに追加層を1層含有することを除き、他の例と同一とした。この層は、約45g/m2のフォトグレードゼラチンと、上記の同一の真珠光沢顔料0.5体積%とを含有した。
【0137】
【表1】


表中、「Y」は真珠光沢顔料の存在を、「N」はその不在を、それぞれ示す。
【0138】画像の露光及び現像後、各試料を、典型的な室内光条件である冷白色蛍光灯の下目視検査法で観察した。目視検査の結果を表2に示す。試料を観察するときには、観察者から0〜70度の入射角範囲にわたりプリントを回転させた。観察者は華美な輝きのある外観を探した。
【0139】表2 真珠外観の有無1 有2 有3 有4 有5 有6 有7 無8 有9 有10 有11 有対照 無
【0140】表2のデータが示すように、真珠光沢顔料が1層の乳剤層に、さらには乳剤の二次層であってもこれに、存在することにより、いつでも真珠外観が観測された。当該観測は、反射光による試料の目視評価とした。例1〜10の画像はすべて真珠外観を示したので、高品位ハロゲン化銀画像と、包装ラベルとして顕著な商業価値を有する魅力的な真珠外観とが結合されている。さらに、真珠光沢顔料を含むハロゲン化銀画像形成層がラベル材料に適用されたので、ベルヌーイラベル剥離法を使用する高速ラベル貼付法をはじめとする各種ラベル貼付技法を利用してパッケージに真珠光沢画像を適用することができる。例1〜6及び8〜10はすべて真珠外観を呈したが、対照試料(試料11)は乳剤中に真珠光沢顔料を含まないため、真珠外観を示さなかった。
【0141】本例は、真珠光沢顔料をハロゲン化銀画像形成層に添加することにより形成されたハロゲン化銀真珠光沢画像に向けられているが、真珠外観ラベルは、真珠光沢顔料をフェースストック及び/又は感圧接着剤に添加することからも得ることができる。本発明の真珠外観を呈するラベルは、真珠光沢顔料をフェースストック及び/又は接着剤に配置し、かつ、真珠光沢顔料をハロゲン化銀画像形成層に配置することからも得ることができる。本例の真珠光沢材料がパッケージのラベル貼付に有用となるためには、当該ラベルが、スクラッチ、水分及び指紋に対する保護を必要とすることは理解される。真珠光沢ハロゲン化銀画像層を保護するためには、印刷ラベルを保護するために当該技術分野で知られている方法が有用である。最後に、本発明はパッケージ、ボトル及びバッグへのラベル貼付に適した真珠光沢感圧ラベルに向けられているが、本発明の真珠光沢ハロゲン化銀ラベルは、特に若者市場向けの商業用ディスプレイ及びステッカープリントにも有用である。
【0142】
【発明の効果】本発明によると、包装材料のための画質が向上する。本発明には、包装材料のための真珠光沢ハロゲン化銀感圧ラベルを形成するためにネガ型光学装置または光学デジタル印刷装置を使用して字句、図式及び画像を印刷することができる印刷方法が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙ライナー上の画像化真珠光沢ハロゲン化銀感圧ラベルの構造を示す略図である。
【符号の説明】
10…現像後ハロゲン化銀画像層
12…フェースストック
14…感圧接着剤
16…シリコーン層
18…積層紙ライナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 感光性ハロゲン化銀を含む少なくとも1つの層と、真珠光沢顔料を含む少なくとも1つの層と、感圧接着剤を含む少なくとも1つの層とを含んで成る包装材料。
【請求項2】 前記真珠光沢顔料が、ハロゲン化銀乳剤を含む層中に存在している、請求項1記載の包装材料。
【請求項3】 前記真珠光沢顔料が、ハロゲン化銀乳剤を含まない層中に存在している、請求項1記載の包装材料。
【請求項4】 前記真珠光沢顔料が、前記写真要素の表面上の層に、又は該表面に隣接する層に、存在している、請求項1記載の包装材料。
【請求項5】 前記真珠光沢顔料が、前記ハロゲン化銀を含む層の最底層の下の層に存在している、請求項1記載の包装材料。
【請求項6】 前記真珠光沢顔料がマイカを含む、請求項1記載の包装材料。
【請求項7】 前記真珠光沢顔料が0.5〜50μmの平均粒径を有する、請求項1記載の包装材料。
【請求項8】 前記真珠光沢顔料が0.5〜1000mg/m2の量で存在している、請求項1記載の包装材料。
【請求項9】 前記真珠光沢顔料が7〜400mg/m2の量で存在している、請求項1記載の包装材料。
【請求項10】 前記真珠光沢顔料が、色素生成カプラーを含む複数の層の間の中間層の2以上に存在している、請求項1記載の包装材料。
【請求項11】 前記真珠光沢顔料が、ハロゲン化銀乳剤を含有する底層の下の層に存在している、請求項1記載の包装材料。
【請求項12】 前記真珠光沢顔料が、マイカ、変性マイカ、長石及び石英からなる群より選ばれた少なくとも1種の部材を含む、請求項1記載の包装材料。
【請求項13】 前記真珠光沢顔料が着色されている、請求項1記載の包装材料。
【請求項14】 前記真珠光沢顔料のLが92よりも高い、請求項13記載の包装材料。
【請求項15】 前記要素のFLOPが2〜65の範囲内である、請求項1記載の包装材料。
【請求項16】 前記変性マイカが該マイカの表面に金属酸化物を含む、請求項12記載の包装材料。
【請求項17】 前記金属酸化物が、チタン、アルミニウム、バリウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、ビスマス、バナデート、ニッケルチタネート及びクロムチタネートからなる群より選ばれた少なくとも1種の部材を含む、請求項16記載の包装材料。
【請求項18】 前記金属酸化物がチタン、アルミニウム又はバリウムを含む、請求項17記載の包装材料。
【請求項19】 0.2以上の屈折率差を有する材料で被覆されたシリケートを含む、請求項1記載の包装材料。
【請求項20】 前記真珠光沢顔料が画像層の0.1〜9体積%を構成する、請求項1記載の包装材料。
【請求項21】 さらに1013logΩ/□未満の電気抵抗を有する、真珠光沢顔料を含む請求項1記載の包装材料。
【請求項22】 前記真珠光沢顔料がさらに紫外線保護を含む、請求項1記載の包装材料。
【請求項23】 感光性ハロゲン化銀を含む少なくとも1つの層と、真珠光沢顔料を含む少なくとも1つの層と、ベースと、該ベースに接着剤で結合された剥離ライナーとを含んで成り、該ベースが15〜60ミリニュートンの剛性を有し、Lが92.0より高く、かつ、該ライナーが40〜120ミリニュートンの剛性を有することを特徴とするラベル材料。
【請求項24】 前記ベースの厚さが40〜75μmである、請求項23記載のラベル材料。
【請求項25】 前記ライナーがセルロース繊維紙を含む、請求項24記載のラベル材料。
【請求項26】 前記紙の縁浸透が8mm未満である、請求項25記載のラベル材料。
【請求項27】 前記ベースがさらに真珠光沢顔料を該ベースポリマーの1〜4質量%の量で含む、請求項24記載のラベル材料。
【請求項28】 前記ラベル材料のFLOPが2〜65の範囲内にある、請求項24記載のラベル材料。
【請求項29】 前記ライナーの引張強度が120MPaよりも高い、請求項24記載のラベル材料。
【請求項30】 前記ライナーがその接着剤側にシリコーンコーティングを有する、請求項24記載のラベル材料。
【請求項31】 前記接着剤が真珠光沢顔料を含有する、請求項24記載のラベル材料。
【請求項32】 前記ベースが配向ポリオレフィン又は配向ポリエステルを含む、請求項24記載のラベル材料。
【請求項33】 前記ベースが、ボイド含有層を有する配向ポリマー及びハロゲン化銀画像形成層に隣接する表面と該ボイド含有層との間に二酸化チタンを含む少なくとも1つの層を含む、請求項24記載のラベル材料。
【請求項34】 前記ライナーがセルロース繊維紙及び二軸延伸ポリマーシートを含む、請求項24記載のラベル材料。
【請求項35】 前記ライナーの摩擦係数が0.20〜0.60の範囲内にある、請求項24記載のラベル材料。
【請求項36】 前記ベースが、ボイド含有層を有する配向ポリマー及び前記感光層とボイド含有層との間に真珠光沢顔料を含有する層を含む、請求項24記載のラベル材料。
【請求項37】 感光性ハロゲン化銀を含む少なくとも1つの層と、真珠光沢顔料を含む少なくとも1つの層と、ベースと、該ベースに接着剤で結合された剥離ライナーとを含んで成り、該ベースが15〜60ミリニュートンの剛性を有し、Lが92.0より高く、かつ、該ライナーが40〜120ミリニュートンの剛性を有するラベル材料を用意し、該ハロゲン化銀画像形成層を平行な化学線ビームで像様露光し、現像し、該ライナーを剥離し、そして該ラベルをパッケージに接着することを特徴とするラベル貼付法。
【請求項38】 前記ライナーを剥離する前に、前記現像された画像に環境保護層を適用する、請求項37記載の方法。
【請求項39】 前記現像後、該画像及びベースをダイ裁断し、そしてマトリックス材料を除去する、請求項38記載の方法。
【請求項40】 現像されたハロゲン化銀画像にさらにインクジェット印刷領域を設ける、請求項38記載の方法。
【請求項41】 現像されたハロゲン化銀画像にさらにフレキソグラフィ印刷領域を設ける、請求項38記載の方法。
【請求項42】 感光性ハロゲン化銀を含む少なくとも1つの層と、真珠光沢顔料を含む少なくとも1つの層と、ベースと、該ベースに接着剤で結合された剥離ライナーとを含んで成り、該ベースが15〜60ミリニュートンの剛性を有し、Lが92.0より高く、かつ、該ライナーが40〜120ミリニュートンの剛性を有するラベル材料を用意し、該ハロゲン化銀画像形成層を平行な化学線ビームで像様露光することにより複数の画像を形成し、該画像を現像し、少なくとも2つの画像を有する該画像形成部材の一部を裁断し、該ライナーを剥離し、そして該裁断部分を各面に少なくとも1つの画像が存在するように折り曲げることを特徴とする両面画像部材の形成方法。
【請求項43】 さらにアルバムへの挿入に適した孔を打ち抜くことを含む、請求項42記載の方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2003−98638(P2003−98638A)
【公開日】平成15年4月4日(2003.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−236949(P2002−236949)
【出願日】平成14年8月15日(2002.8.15)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】