説明

化粧料組成物

【課題】システインまたはシステイン誘導体の硫黄臭を抑えた化粧料組成物を提供する。
【解決手段】システインまたはシステイン誘導体と、アヤメ科植物ヒオウギから、水、低級アルコール、ポリオール系有機溶媒から選ばれる1種もしくは2種以上を用いて得られる抽出液を含有する化粧料組成物。ヒオウギ抽出物を含有させることで、システイン誘導体の硫黄臭を顕著に抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(A)システインまたはシステイン誘導体と、(B)ヒオウギ抽出物(アヤメ科植物ヒオウギ:Belamcanda chinensis De Candolle)を含有する組成物、さらにトレハロース及び/またはビサボロールを含有する組成物に関する。また、システインまたはシステイン誘導体含有化粧料にヒオウギ抽出物を添加することを特徴とする、システインまたはシステイン誘導体含有化粧料の防臭方法に関する。
【背景技術】
【0002】
システインは、還元作用、美白効果等多くの生理活性を有し、生体に有用なアミノ酸である。皮膚中に存在するヒト色素細胞(メラノサイト)内では、システインやチロシンを利用して皮膚の色を決定するメラニンの産生を行っている。皮膚の色は黒色、黄色、白色といった違いが見られるが、この違いはヒト色素細胞における、メラニンの産生量と原料であるアミノ酸の選択(システイン、チロシン)の違いによるものである。すなわち、メラニン合成時に黒色メラニンの原料であるチロシンをより多く利用すると、黒色メラニンの産生が促進され、皮膚は黒くなる。一方、メラニン合成時にシステインをより多く利用すると、黒色メラニンの産生が抑制され、皮膚は黄色に近づく。従って、メラニン合成時にシステインを供給することにより黒色メラニンの生成が抑制されると考えられる。
【0003】
これまで、システインを利用した美白剤等、システインを化粧品として利用する試みが数多くなされてきた。しかし、システインは酸化されやすく化粧料として配合する場合には、安定性の悪さや、悪臭に課題があった。特にシステイン特有の硫黄臭は、使用時の香りを重視する化粧品においては大きな課題であった。
【0004】
これらの課題を解決する方法として、システインの代替として、より安定性の高いシステイン誘導体、例えばN−アセチルシステインを化粧料に使用する試みがなされている。しかしながら特有の硫黄臭の問題は必ずしも解決されていなかった。
【0005】
一方で、植物抽出液を利用して消臭する方法は、さまざまな種類の植物抽出液でその効果が報告されており、例えば、特開昭64−68264号公報、特開平1−242066号公報、などが挙げられる。しかしながら、システインおよびシステイン誘導特有の硫黄臭の抑制に有効な抽出物は見出されていなかった。
【0006】
一方、アヤメ科植物のヒオウギ(Belamcanda chinensis L.:根茎の乾燥物は、生薬名:射干と呼ばれる)は、消炎、鎮咳・去痰作用、あるいは抗微生物作用といった効果があるとされ、特に、咽痛、喉痺、気管支喘息などの治療に利用されてきた植物であり、化粧料組成物に配合すると、細胞賦活作用により、皮膚の老化を防止し、肌質の改善、創傷の治癒などに有効であることが知られている(特開平7−138179号公報)。さらに、アヤメ属等の植物由来の未分化植物細胞についてはヒトの汗などの体臭を抑える薬剤として報告されている(特開2001−64141号公報)が、システインおよびシステイン誘導体特有の硫黄臭の抑制に有効であるかについては記載がなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭64−68264号公報
【特許文献2】特開平1−242066号公報
【特許文献3】特開平7−138179号公報
【特許文献4】特開2001−64141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、システインまたはシステイン誘導体の硫黄臭を抑えた化粧料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、システインまたはシステイン誘導体を含有する化粧料組成物に、ヒオウギ抽出物を配合することにより化粧料の硫黄臭が著しく抑制されることを見出し、発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)(A)システインまたはシステイン誘導体、(B)ヒオウギ抽出物(アヤメ科植物ヒオウギ:Belamcanda chinensis De Candolle)を含有する化粧料組成物。
(2)(B)ヒオウギ抽出物が、その根茎の乾燥物から、水、低級アルコール、ポリオール系有機溶媒から選ばれる1種もしくは2種以上を用いて得られる抽出物である、上記(1)記載の組成物。
(3)(B)ヒオウギ抽出物が、ヒオウギの根茎の乾燥物から、エタノール及び1,3−ブチレングリコールの1:1混液を用いて得られる抽出物である、上記(1)記載の組成物。
(4)(A)システインまたはシステイン誘導体が、N−アセチル−L−システインである上記(1)から(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)さらに、トレハロース及び/またはビサボロールを含有する請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
(1)(A)システインまたはシステイン誘導体の含有量が0.1〜3重量%であり、ヒオウギ抽出物の含有量が0.05〜3重量%である上記(1)から(5)に記載の組成物。
(6)システインまたはシステイン誘導体含有化粧料組成物にヒオウギ抽出物(アヤメ科植物ヒオウギ:Belamcanda chinensis De Candolle)を添加することを特徴とする、システインまたはシステイン誘導体含有化粧料の防臭方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によりシステインまたはシステイン誘導体の硫黄臭を抑えた化粧料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、(A)システインまたはシステイン誘導体と、(B)ヒオウギ抽出物(アヤメ科植物ヒオウギ:Belamcanda chinensis De Candolle)を含有する化粧料組成物に関する。
【0013】
(A)システインまたはシステイン誘導体
本発明に使用する「システイン」としては、L−システイン、D−システイン、DL−システインが挙げられる。「システイン誘導体」としては、N−アセチル−L−システイン、L−ホモシステイン、L−システイン酸、L−ホモシステイン酸、L−システインスルフィン酸、S−スルフィノ−L−システイン、S−スルホ−L−システイン、シスチン、N,N’−ジアセチルシスチンジメチル等のシスチン誘導体、システインプロドラッグなどを挙げることができる。本願明細書中、「システインプロドラッグ」とは、システインに何らかの修飾を施し、安定性等を向上させた化合物で、生体内にて酵素的もしくは非酵素的に分解され、システインへと変換され、生理活性を示す化合物のことである。また、L−システインおよびその誘導体の塩も含まれ、たとえば塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等とすることができる。これらのうちシステインまたはシステイン誘導体として好ましくは、L−システイン、N−アセチル−L−システイン、L−システイン塩酸塩、シスチン、シスチン誘導体が好ましく、N−アセチル−L−システイン、シスチン誘導体がより好ましく、N−アセチル−L−システインがさらにより好ましい。
【0014】
(A)システインまたはシステイン誘導体を化粧料組成物に配合する場合の下限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、0.0001重量%を下限値とするのが好ましい。有効な効果を発揮し得るという観点で、下限値は、0.001重量%がより好ましく、0.01重量%がさらにより好ましく、0.05重量%がさらに一層好ましく、0.1重量%が殊更好ましく、0.3重量%が特に好ましい。
【0015】
(A)システインまたはシステイン誘導体を化粧料組成物に配合する場合の上限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、20重量%を上限値とするのが好ましい。20重量%を超えると、分離、析出、沈殿する場合がある。上限値は、10重量%がより好ましく、5重量%がさらにより好ましく、3重量%がさらに一層好ましく、1重量%が殊更好ましく、0.5重量%が特に好ましい。
【0016】
(B)ヒオウギ抽出物
本発明に使用する「ヒオウギ抽出物」とは、アヤメ科植物ヒオウギ(Belamcanda chinensis De Candolle)の根茎の乾燥物から、水、低級アルコール、ポリオール系有機溶媒から選ばれる1種もしくは2種以上を用いて得られる抽出物である。
【0017】
抽出に使用される低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールが挙げられ、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましくエタノールがより好ましい。抽出に使用されるポリオール系有機溶媒としては、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコールが挙げられ、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコールが好ましく、1,3−ブチレングリコールがより好ましい。これらは混合して使用することができ、例えば、エタノール及び1,3−ブチレングリコールの1:1混液を使用することができる。
【0018】
ヒオウギ抽出物は、商業的に入手可能であり、例えば、一丸ファルコス株式会社製「ファルコレックス ヒオウギ」(商品名)が挙げられる。
【0019】
ヒオウギ抽出物を化粧料組成物に配合する場合の下限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、0.0001重量%を下限値とするのが好ましい。有効な効果を発揮し得るという観点で、下限値は、0.001重量%がより好ましく、0.01重量%がさらにより好ましく、0.05重量%がさらに一層好ましく、0.1重量%が殊更好ましく、0.2が特に好ましい。
【0020】
ヒオウギ抽出物を化粧料組成物に配合する場合の上限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、10重量%を上限値とするのが好ましい。10重量%を超えると、おりや着色が生じる場合がある。上限値は、5重量%がより好ましく、3重量%が更に一層好ましく、1重量%が殊更好ましく、0.3重量%が特に好ましい。
【0021】
さらに、本発明の化粧料に、トレハロース及び、またはビサボロールを組み合わせることにより、さらに防臭効果を有する化粧料を得ることができる。
【0022】
トレハロースを化粧料組成物に配合する場合の下限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、0.0001重量%を下限値とするのが好ましい。有効な効果を発揮し得るという観点で、0.001重量%がより好ましく、0.05重量%が更に好ましい。
【0023】
トレハロースを化粧料組成物に配合する場合の上限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、20重量%を上限値とするのが好ましい。上限値は10重量%がより好ましく、5重量%が更に一層好ましく、3重量%が殊更好ましく、2重量%が特に好ましい。
【0024】
ビサボロールを化粧料組成物に配合する場合の下限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、0.0001重量%を下限値とするのが好ましい。有効な効果を発揮し得るという観点で、0.001重量%がより好ましく、0.01重量%が更に好ましく、0.1重量%が更に一層好ましい。
【0025】
ビサボロールを化粧料組成物に配合する場合の上限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、10重量%を上限値とするのが好ましい。10重量%を超えると、変臭、使用感を悪化させる場合がある。上限値は5重量%がより好ましく、3重量%がよりさらに好ましい。
【0026】
さらに、硫黄臭抑制助剤として金属イオン封鎖剤を組み合わせることができる。
【0027】
金属イオン封鎖剤としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウムが好ましくエデト酸二ナトリウムがより好ましい。
【0028】
金属イオン封鎖剤を化粧料組成物に配合する場合の下限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、0.0001重量%を下限値とするのが好ましい。有効な効果を発揮し得るという観点で、0.001重量%がより好ましく、0.01重量%が更に一層好ましい。
【0029】
金属イオン封鎖剤を化粧料組成物に配合する場合の上限値は、その効果が発揮されさえすれば特に制限はないが、10重量%を上限値とするのが好ましい。10重量%を超えると、皮膚刺激性を生じさせる場合がある。上限値は5重量%が更に好ましく、3重量%が更に一層好ましく、1重量%が殊更好ましく、0.05重量%が特に好ましい。
【0030】
本発明のシステイン誘導体に加え、通常化粧料、皮膚外用剤、医薬部外品に使用し得る各種成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で配合しても良い。例えば、油性成分、界面活性剤、アミノ酸類、アミノ酸誘導体類、低級アルコール、多価アルコール、糖アルコールおよびそのアルキレンオキシド付加物、水溶性高分子、殺菌剤および抗菌剤、抗炎症剤、鎮痛剤、抗真菌剤、角質軟化剥離剤、皮膚着色剤、ホルモン剤、紫外線吸収剤、育毛剤、美白用薬剤、発汗防止剤および収斂活性成分、汗防臭剤、ビタミン剤、血管拡張剤、生薬、pH調整剤、粘度調整剤、パール化剤、天然香料、合成香料、色素、酸化防止剤、防腐剤、乳化剤、脂肪及びワックス、シリコーン化合物、香油等が挙げられる。
【0031】
油性成分は、飽和または不飽和脂肪酸およびこれから得られる高級アルコール類、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、エルカ酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、エルカ酸イソステアリル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシル、エルカ酸エルシル等の直鎖または分岐鎖の脂肪アルコールのエステル、スクワラン、スクワレン、ヒマシ油および/または水添ひまし油とその誘導体、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド及びこれらのグリセリドのエチレンオキシド1〜30モル付加物等のグリセリド類、ミツロウ、液状および精製ラノリンをふくむラノリン類およびその誘導体、アーモンド油、アボカド油、オリーブ油、菜種油、ココナッツ油、マカデミアナッツ油、ホホバ油、カルナバロウ、ゴマ油、カカオ油、パーム油、ミンク油、木ロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウなどの動植物由来の油性原料、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリン、セレシンなどの石油および鉱物由来の油性原料をはじめ、メチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン、ポリオキシプロピレン・メチルポリオキシシロキサン、ポリ(オキシエチレン、オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、アミノ酸変性ポリシロキサンなどのシリコーンポリマー等のシリコン類、樹脂酸、脂肪酸エステル、ケトン類、等を挙げることができる。
【0032】
界面活性剤は、N−長鎖アシルアミノ酸塩として、N−長鎖アシルグルタミン酸塩やN−長鎖アシルアスパラギン酸塩などのN−長鎖アシル酸性アミノ酸塩やN−長鎖アシルグリシン塩やN−長鎖アシルアラニン塩や、N−長鎖アシルスレオニン塩などのN−長鎖アシル中性アミノ酸塩、N−長鎖脂肪酸アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルサルフェートおよびそのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、脂肪酸の金属塩および弱塩基塩、スルホコハク酸系界面活性剤、アルキルフォスフェートおよびそのアルキレンオキシド付加物、アルキルエーテルカルボン酸などのアニオン界面活性剤;グリセリンエーテルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエーテル型界面活性剤、グリセリンエステルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエステル型界面活性剤、ソルビタンエステルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエーテルエステル型界面活性剤、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリンエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、アシルアミノ酸ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型界面活性剤、アルキルグルコシド類、硬化ヒマシ油ピログルタミン酸ジエステルおよびそのエチレンオキシド付加物、ならびに脂肪酸アルカノールアミドなどの含窒素型の非イオン性界面活性剤などの非イオン性界面活性剤;アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライドなどの脂肪族アミン塩、それらの4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩などの芳香族4級アンモニウム塩、脂肪酸アシルアルギニンエステル、アルキルオキシヒドロキシプロピルアルギニン塩等のカチオン界面活性剤;並びにアルキルベタイン、アルキルアミドベタリン、アミノプロピオネート、カルボキシベタインなどのベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤などの両性界面活性剤等、各種の界面活性剤を添加することができる。
【0033】
アミノ酸類は、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、バリン等が挙げられる。
【0034】
アミノ酸誘導体類は、ピロリドンカルボン酸およびその塩、トリメチルグリシン、ラウロイルリジンなどが挙げられる。
【0035】
低級アルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
【0036】
多価アルコールは、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコールなどが挙げられる。
【0037】
糖アルコールおよびそのアルキレンオキシド付加物は、マンニトール、エリスリトールなどが挙げられる。
【0038】
水溶性高分子は、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸を含むポリアミノ酸およびその塩、ポリエチレングリコール、アラビアゴム類、アルギン酸塩、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、キチン、キトサン、水溶性キチン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウム、ポリビニルピロリドン誘導体四級アンモニウム、カチオン化プロテイン、コラーゲン分解物およびその誘導体、アシル化タンパク、ポリグリセリン、などが挙げられる。
【0039】
殺菌剤及び抗菌剤は、4−ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステル、トリクロサン、クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、メントール、ミント油、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、サリチル酸−N−アルキルアミド等が挙げられる。
【0040】
抗炎症剤、鎮痛剤、抗真菌剤、角質軟化剥離剤、皮膚着色剤、ホルモン剤は、ヒノキチオール、ヒドロコルチゾン(V)、ε−アミノカルボン酸、アズレン、アラントイン、グリチルリチン酸誘導体、β−グリチルレチン酸等が挙げられる。
【0041】
紫外線吸収剤は、例えば、室温で液状または結晶であり、紫外線を吸収して、その吸収したエネルギーをより長波長の放射線(例えば熱)として放出することのできる有機物質(光保護フィルター)である。UV−Bフィルターは、油溶性または水溶性であり得る。油溶性物質としては、例えば、3−ベンジリデンカンファーまたは3−ベンジリデンノルカンファーおよびそれらの誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)−カンファー;4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−2−オクチルエステル、および4−(ジメチルアミノ)−安息香酸アミルエステル;桂皮酸エステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシ桂皮酸プロピルエステル、4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル[オクトクリレン(Octocrylene)];サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル;ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸エステル、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル;トリアジン誘導体、例えば2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、およびオクチル・トリアゾン、またはジオクチル・ブタミド・トリアゾン[Uvasorb(登録商標)HEB];プロパン−1,3−ジオン、例えば1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン;ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体などが挙げられる。適当な水溶性物質は、例えば、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸並びにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)−スルホン酸並びにそれらの塩などが挙げられる。通常のUV−Aフィルターはとりわけ、ベンゾイルメタン誘導体として、例えば1−(4’−t−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)または1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、およびエナミン化合物などが挙げられる。
【0042】
育毛剤は、パントテン酸およびその誘導体、プラセンタエキス、アラントイン等が挙げられる。
【0043】
美白用薬剤は、アルブチン、コウジ酸、ビタミンCおよびその誘導体等が挙げられる。
【0044】
発汗防止剤及び収斂活性成分、汗防臭剤は、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛の塩である、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、ピロリドンカルボン酸亜鉛等が挙げられる。
本発明の化粧料に配合しうるビタミン剤は、ビタミンA、B1、B2、B6、Eおよびその誘導体等が挙げられる。
【0045】
血管拡張剤は、センブリエキス、セファランチン等が挙げられる。
【0046】
生薬は、例えば、アプリコットエキス、アボカドエキス、アロエエキス、ウコンエキス、オレンジエキス、カモミラエキス、キウイエキス、ギンコエキス、紅茶エキス、セージエキス、センブリエキス、トウニンエキス、バラエキス、ヒマワリエキス、ブドウエキス、ヘチマエキス、モモ葉エキス、ユーカリエキス、ラベンダーエキス、緑茶エキス、リンゴエキス、レモンエキス、ローズマリーエキスなどが挙げられる。
【0047】
pH調整剤は、クエン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、リン酸、グルタミン酸、乳酸、硫酸、塩酸、アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニン、ハイドロキノン及びその誘導体、γ−オリザノール等が挙げられる。
【0048】
粘度調整剤は、寒天、有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0049】
パール化剤は、アルキレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸モノグリセリド、脂肪エーテル等が挙げられる。
【0050】
天然香料は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミンなど)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリなど)、果実及び果皮(レモン、オレンジ、アニス)などから抽出される香料などが挙げられる。
【0051】
合成香料は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素型の香料などが挙げられる。
【0052】
色素は、コチニールレッドA(C.I.16255)、パテントブルー(C.I.42051)、クロロフィリン(C.I.75810)等が挙げられる。
【0053】
酸化防止剤は、トコフェロール、亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0054】
防腐剤は、フェノキシエタノール、パラベン、ペンタンジオール等が挙げられる。
【0055】
乳化剤は、例えば、ノニオン性界面活性剤であり、8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、アルキル基に8〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノール、およびアルキル基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルアミンへの、2〜30モルのエチレンオキシドおよび/または0〜5モルのプロピレンオキシドの付加生成物;アルキル(アルケニル)基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、およびそれらのエトキシル化物;ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油のエチレンオキシド1〜15モル付加物;ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油のエチレンオキシド15〜60モル付加物;12〜22個の炭素原子を含む不飽和直鎖または飽和分枝状の脂肪酸並びに/或いは3〜18個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸と、グリセリンおよび/またはソルビタンとの部分エステル、およびそれらと1〜30モルのエチレンオキシドの付加物;ポリグリセリン(2〜8の平均自己縮合度)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、12〜22個の炭素原子を含む飽和および/または不飽和で直鎖または分枝状の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸との部分エステル、およびそれらとエチレンオキシド1〜30モルの付加物;ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸と脂肪アルコールの混合エステル、および/または6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸と、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールとの混合エステル;モノ−、ジ−、トリアルキルホスフェートおよびモノ−、ジ−および/またはトリPEG−アルキルホスフェートおよびそれらの塩;羊毛ろうアルコール;ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマーおよび相当する誘導体;ブロックコポリマー、例えばポリエチレングリコール−30ジポリヒドロキシステアレート;ポリマー乳化剤、例えば、GoodrichのPemulen型(TR−1、TR−2);ポリアルキレングリコール、およびグリセロールカーボネートなどが挙げられる。チレンオキシド付加生成物として、例えば、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、またはヒマシ油の、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物は、既知の市販生成物が挙げられる。アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドとして、例えば、アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドなどが挙げられる。部分グリセリドとして、例えば、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、などが挙げられる。さらに、上記部分グリセリドのエチレンオキシド1〜30モル(好ましくは5〜10モル)付加物も適当である。ソルビタンエステルとして、例えば、ソルビタン モノイソステアレート、ソルビタン セスキイソステアレート、ソルビタン ジイソステアレート、ソルビタン トリイソステアレート、ソルビタン モノオレエート、ソルビタン セスキオレエート、ソルビタン ジオレエート、ソルビタン トリオレエート、ソルビタン モノエルケート、ソルビタン セスキエルケート、ソルビタン ジエルケート、ソルビタン トリエルケート、ソルビタン モノリシノレート、ソルビタン セスキリシノレート、ソルビタン ジリシノレート、ソルビタン トリリシノレート、ソルビタン モノヒドロキシステアレート、ソルビタン セスキヒドロキシステアレート、ソルビタン ジヒドロキシステアレート、ソルビタン トリヒドロキシステアレート、ソルビタン モノタートレート、ソルビタン セスキタートレート、ソルビタン ジタートレート、ソルビタン トリタートレート、ソルビタン モノシトレート、ソルビタン セスキシトレート、ソルビタン ジシトレート、ソルビタン トリシトレート、ソルビタン モノマレエート、ソルビタン セスキマレエート、ソルビタン ジマレエート、ソルビタン トリマレエート、およびそれらの工業用混合物が挙げられる。さらに、上記ソルビタンエステルのエチレンオキシド1〜30モル(好ましくは5〜10モル)付加物も適当である。ポリグリセロールエステルとして、例えば、ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標) PGPH)、ポリグリセリン−3−ジイソステアレート(Lameform(登録商標) TGI)、ポリグリセリル−4 イソステアレート(Isolan(登録商標) GI 34)、ポリグリセリル−3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル−3 ジイソステアレート(Isolan(登録商標) PDI)、ポリグリセリル−3 メチルグルコース ジステアレート(Tego Care(登録商標) 450)、ポリグリセリル−3 蜜蝋(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル−4 カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル−3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標) NL)、ポリグリセリル−3 ジステアレート(Cremophor(登録商標) GS 32) およびポリグリセリル ポリリシノレート(Admul(登録商標) WOL 1403)、ポリグリセリル ダイメレート イソステアレート、並びにそれらの混合物などが挙げられる。他の適当なポリオールエステルとして、例えば、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノ、ジおよびトリエステルであって、場合によりエチレンオキシド1〜30モルと反応したものが挙げられる。
【0056】
脂肪及びワックスは、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸、ラノリン、蜜蝋、キャンデリラロウ、カルナウバロウなどが挙げられる。
【0057】
シリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル−修飾シリコーン化合物(室温で液状または樹脂様であり得るもの)、ジメチルシロキサン単位数200〜300の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンなどが挙げられる。
【0058】
香油は、天然および合成香料の混合物が挙げられる。天然香料として、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン−イラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、ショウブ)、木(マツ、ビャクダン、グアヤク、シーダー、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低木マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナクス)などが挙げられる。動物性原料、例えば、シベットおよびビーバーなどが挙げられる。さらに、芳香成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油として、例えば、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、Boisambrene Forte、Ambroxan、インドール、ヘジオン(Hedione)、サンデリス(Sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロバータル(Cyclovertal)、ラバンジン油、クラリー油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、Vertofix Coeur、Iso−E−Super、Fixolide NP、エバニル、イラルデイン(Iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラート(Romilat)、イロチル(Irotyl)およびフロラマート(Floramat)、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ダイウイキョウ油、キャラウェー油、ユーカリ油、ウイキョウ油、シトラス油、ウィンターグリーン油、丁子油、メントールなどが挙げられる。
【実施例】
【0059】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0060】
[硫黄臭の評価]
表1に示した配合表に基づき、各種植物エキスを含有するクリーム(実施例1から4および比較例1から14)を調製し、40℃の恒温槽にて1ヶ月保存した後、パネル5名を用いて、硫黄臭の官能評価を行った。評価は下記採点表から換算される平均点が4.1以上の場合を◎、3.5〜4.0を○、3.0〜3.4を△、2.9以下を×とした。
【0061】
硫黄臭評価採点表
5:硫黄臭が全くしない
4:ほとんど硫黄臭が感じられないか、かすかに硫黄臭が感じられる
3:やや硫黄臭が感じられる
2:硫黄臭が感じられる
1:強く硫黄臭が感じられる
【0062】
【表1】

【0063】
※1 一丸ファルコス株式会社製 「ファルコレックス ヒオウギ」
※2 リリース科学工業株式会社製 「パンシルCOS−15」
※3 リリース科学工業株式会社製 「パンシルCOS−17」
※4 白井松新薬株式会社製 「カテキン40B」
※5 白井松新薬株式会社製 「フレッシュE」
※6 リリース科学工業株式会社製 「アスパラサスリネアリス」
※7 築野食品工業株式会社製 「γオリザノール」
※8 林原生物化学研究所製 「藍ルーロス」
※9 林原生物化学研究所製 「αグルコシルヘスペリジン」
※10 一丸ファルコス株式会社製 「サクラエキスB」
※11 一丸ファルコス株式会社製 「ニームリーフリキッドB」
※12 一丸ファルコス株式会社製 「ニンジンエキスB」
※13 一丸ファルコス株式会社製 「ルナホワイトB」
※14 大日本住友製薬株式会社製 「Gタンニン酸」
【0064】
ヒオウギ抽出物を用いた本発明の組成物(実施例1から4)は、ヒオウギ抽出物を用いていない組成物(比較例1)および他の植物エキスを用いた組成物(比較例2−14)と比較して、顕著に硫黄臭の発生が抑制された。さらに、トレハロース及び、またはビサボロールを組み合わせることにより、さらに防臭効果を有する化粧料を得ることができた。なお比較例6の組成物は、明確な変色が確認された。
【0065】
表2に示した配合表に基づきヒオウギ抽出物の配合量を変えたクリームを調製し、40℃の恒温槽にて1ヶ月保存した後、パネル5名を用いて、硫黄臭の官能評価を行った。
【0066】
【表2】

【0067】
表2の評価結果から、0.15%以上のヒオウギ抽出物を配合することで、顕著に硫黄臭の発生が抑制された。0.2%以上のヒオウギ抽出物を配合することで、さらに顕著に硫黄臭の発生が抑制された。
【0068】
下記の表に示す処方で定法に従って得られるクリーム、乳液、化粧水、クレンジングフォーム、ヘアオイル、パーマ用第1剤、ヘアカラー、ヘアブリーチ、ジェリー状パック、O/W型ファンデーション、口紅、ネイルトリートメント、シャンプー、リンス、スタイリングジェル、ヘアローション、ヘアエッセンス、ヘアクリーム、ヘアワックスは、いずれも硫黄臭が抑制された組成物である。
【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

【0074】
【表8】

【0075】
【表9】

【0076】
【表10】

【0077】
【表11】

【0078】
【表12】

【0079】
【表13】

【0080】
【表14】

【0081】
【表15】

【0082】
【表16】

【0083】
【表17】

【0084】
【表18】

【0085】
【表19】

【0086】
【表20】

【0087】
【表21】

【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明によれば、システインまたはシステイン誘導体の硫黄臭を抑えた化粧料を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)システインまたはシステイン誘導体、(B)ヒオウギ抽出物(アヤメ科植物ヒオウギ:Belamcanda chinensis De Candolle)を含有する化粧料組成物。
【請求項2】
(B)ヒオウギ抽出物が、その根茎の乾燥物から、水、低級アルコール、ポリオール系有機溶媒から選ばれる1種もしくは2種以上を用いて得られる抽出物である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
(B)ヒオウギ抽出物が、ヒオウギの根茎の乾燥物から、エタノール及び1,3−ブチレングリコールの1:1混液を用いて得られる抽出物である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
(A)システインまたはシステイン誘導体が、N−アセチル−L−システインである請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
さらに、トレハロース及び/またはビサボロールを含有する請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
(A)システインまたはシステイン誘導体の含有量が0.1〜3重量%であり、ヒオウギ抽出物の含有量が0.05〜3重量%である請求項1から5に記載の組成物。
【請求項7】
システインまたはシステイン誘導体含有化粧料組成物にヒオウギ抽出物(アヤメ科植物ヒオウギ:Belamcanda chinensis De Candolle)を添加することを特徴とする、システインまたはシステイン誘導体含有化粧料の防臭方法。

【公開番号】特開2012−131758(P2012−131758A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287318(P2010−287318)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】