化粧部材の取付構造
【課題】
従来の嵌め込み式の化粧部材の取付構造の不具合を解消する。
【解決手段】
部材810を壁面7に装着する螺子から選択された螺子9の頭部90を部材810から突出させる。化粧部材10は、長尺状の面部100を備え、面部100の裏面側にはポケットPを形成するように第1片101と第2片102が離間対向して形成されており、これらの片の対向する端縁間には、開口溝103が形成されており、ポケットPは螺子頭部90の高さ方向の移動を許容させる寸法を備えており、開口溝103は螺子軸部91の外径よりも大きく、螺子頭部90の外径よりも小さい幅寸法を備えており、開口溝103には、ポケットP内に螺子頭部90を受け入れる少なくとも一つの受入部105が形成されており、受入部105から螺子頭部90をポケットP内に受け入れて、化粧部材10を高さ方向にスライドさせて所定位置に移動させ、化粧部材10を落下防止手段によって維持した。
従来の嵌め込み式の化粧部材の取付構造の不具合を解消する。
【解決手段】
部材810を壁面7に装着する螺子から選択された螺子9の頭部90を部材810から突出させる。化粧部材10は、長尺状の面部100を備え、面部100の裏面側にはポケットPを形成するように第1片101と第2片102が離間対向して形成されており、これらの片の対向する端縁間には、開口溝103が形成されており、ポケットPは螺子頭部90の高さ方向の移動を許容させる寸法を備えており、開口溝103は螺子軸部91の外径よりも大きく、螺子頭部90の外径よりも小さい幅寸法を備えており、開口溝103には、ポケットP内に螺子頭部90を受け入れる少なくとも一つの受入部105が形成されており、受入部105から螺子頭部90をポケットP内に受け入れて、化粧部材10を高さ方向にスライドさせて所定位置に移動させ、化粧部材10を落下防止手段によって維持した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧部材の取付構造に係り、好ましくは、窓シャッターのガイドレール下地材に対して取り付けられる化粧部材の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓シャッターは、窓障子によって開閉される窓開口部の外側にさらにシャッター装置を備えたシャッター装置である。窓シャッターは、既設の窓開口部に対して後付けで取り付けられる場合が多い。具体的には、窓開口部上方にシャッターケースを取り付け、外壁面から持ち出し状にガイドレール下地材を取り付け、ガイドレール下地材に対してシャッターカーテンの幅方向両端を案内するガイドレールが取り付けられる。
【0003】
ここで、ガイドレール下地材は螺子を用いて外壁に取り付けられるので、螺子を隠蔽する必要がある。従来は、螺子の頭に位置して嵌合受け部材を取り付け、この嵌合受け部材に対して化粧カバーを嵌合することで螺子を隠蔽している(特許文献1)。この嵌め込み式の化粧カバーは、特許文献2(例えば、当該文献の図6)にも開示されている。
【0004】
このような従来の化粧部材の嵌め込み式の取付構造は、化粧部材を嵌め込むための嵌合受け部材を別に用意する必要があるため、部品点数が多くなってしまう。さらに、部材同士を適切に嵌合させるためには、化粧部材及び嵌合受け部材を正確な寸法に形成する必要があり、また、嵌め込み時には、所要の大きな力をかけて嵌め込む必要があり、取り付けが手間であり、また、嵌合状態がズレた場合の調整も手間である。さらに、化粧部材や嵌合受け部材の寸法精度が悪かったり、これらの部材が温度変化によって熱変形したりすると、嵌め込み部が外れて化粧部材が落下転倒するおそれもある。
【特許文献1】特開2002−213159
【特許文献2】特開2002−89152
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の嵌め込み式の化粧部材の取付構造の不具合を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
壁面に装着された部材の化粧部材の取付構造において、
前記部材は、高さ方向に間隔を存して設けた複数の螺子によって前記壁面に装着されており、
前記部材には、前記化粧部材が取り付けられる位置に対応して一つあるいは複数の化粧部材取付用の螺子頭部が突出しており、
前記化粧部材は、高さ方向に延出する長尺状の面部を備え、当該面部の裏面側には高さ方向に延出する中空部が形成されており、前記中空部の後壁には、前記螺子頭部を正面から前記中空部内に受け入れる一つあるいは複数の受入部が形成されており、前記中空部は螺子頭部の高さ方向の移動を許容させる寸法を備えており、前記受入部の上下の少なくとも一方は、螺子軸部の外径よりも大きく、螺子頭部の外径よりも小さい幅寸法を備えている幅狭開口に連通しており、
前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記幅狭開口を介して前記化粧部材を高さ方向にスライドして所定の装着位置に移動させてなる、化粧部材の取付構造、である。
【0007】
1つの態様では、前記螺子頭部は、高さ方向に間隔を存して複数突出しており、前記受入部は、各螺子頭部を受け入れるように前記後壁の高さ方向に間隔を存して複数形成されており、前記幅狭開口は、各受入部の上側に連通させてそれぞれ形成されており、前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記化粧部材を下方にスライドして各幅狭開口の上縁を各螺子軸部に支持させてなる。
さらなる1つの態様では、前記螺子軸部には、螺子頭部に近接して、螺子軸部の外径よりも大きく、螺子頭部の外径よりも小さいスペーサが設けてあり、前記スペーサが前記部材の部分(螺子を挿通させる孔部の周面や化粧部材に対向する部材の面部等)に当接することで前記螺子頭部の突出寸法を決定すると共に、前記スペーサは、前記化粧部材を下方にスライドした時に、前記幅狭開口に密着するような寸法を有している。
【0008】
1つの態様では、前記幅狭開口は、前記後壁の高さ方向に亘って延出する開口溝であり、前記受入部は、前記開口溝と連通しており、前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部(ポケット)内に受け入れた状態で、前記開口溝を介して前記化粧部材を高さ方向にスライドして所定の装着位置に移動させ、化粧部材の装着位置を落下防止手段によって維持してなる。
換言すると、当該面部の裏面側には高さ方向に延出する中空部(ポケット)を形成するように第1片と第2片(第1片と第2片が後壁となる)が離間対向して形成されており、前記第1片と前記第2片の対向する端縁間には、高さ方向に延出する開口溝が形成されている。
前記受入部は、より具体的な態様では、前記第1片あるいは/および第2片の開口溝に臨む端縁に、前記ポケット内に螺子頭部を受け入れることができる形状・寸法を備えた少なくとも一つの受入部を形成するように切り欠きを設けることで形成される。
一つの態様では、前記落下防止手段は、化粧部材を壁面に装着する1本の螺子である。あるいは、前記部材あるいは前記壁面に設けた受け部材から前記落下防止手段を構成してもよい。あるいは、前記頭部が突出した螺子の本数及び受入部の数を多くすることで、螺子頭部とポケットとの摩擦を大きくすることで前記落下防止手段としてもよい。各螺子頭部の角度が互いに若干異なり得ることを利用することで、螺子頭部とポケット内壁との摩擦を大きくすることができる。あるいは、一つの態様では、前記落下防止手段は、前記壁面あるいは前記壁面に装着された部材に取り付けられた受け部材であり、前記受け部材が前記化粧部材の下端を支承する。このものでは、化粧部材を壁面に装着する螺子を必要としないので、螺子が外部に露出するようなことがない。
【0009】
一つの態様では、前記螺子頭部は、前記部材を前記壁面に装着する複数の螺子から選択された一つあるいは複数の螺子の頭部である。あるいは、一つの態様では、前記螺子頭部は、前記部材を前記壁面に装着する複数の螺子とは別の化粧部材取付専用螺子の頭部でもよい。また、一つの態様では、前記化粧部材は、前記長尺状の面部の幅方向および/あるいは厚さ方向に撓むような可撓性を備えている。したがって、突出する螺子頭部を受入部に入れる時に、化粧部材を撓ませることができるため、螺子頭部同士の高さ方向の間隔と受入部同士の高さ方向の間隔とを一致させる必要はない。
【0010】
螺子によって壁面に装着される部材は、一つの典型的な内容では、窓シャッターにおけるガイドレール下地材である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る化粧部材の取付構造によれば、化粧部材の取付性を向上させることができる。従来は、化粧部材を嵌め込むための嵌合受け部材を設けるのに対して、本発明の取付構造は、前記化粧部材が取り付けられる位置に対応して一つあるいは複数の化粧部材取付用の螺子頭部を突設すればよい。すなわち、螺子を装着する際に頭部を突出させておけばよい。特に、前記螺子頭部として、部材を壁面に装着するための螺子の頭部を用いることでより少ない部品点数で取付構造を構成することができる。本発明の化粧部材は、中空部内に螺子頭部を受け入れて、高さ方向にスライドさせ、化粧部材の落下を防止すればよいので、従来のように化粧部材を嵌め込む作業が必要がないため、取り付けが容易である。
【0012】
本発明に係る化粧部材の取付構造によれば、安全性を向上させることができる。従来の嵌め込み式の場合には、化粧部材と嵌合受け部材の形状や寸法精度により嵌合部が外れて、化粧部材が落下転倒するおそれがある。本発明では、幅狭開口の幅寸法よりも大径の螺子頭部が中空部内に位置するので化粧部材が転倒することがない。
特に、請求項2に記載されたものでは、中空部内に螺子頭部を受け入れて、高さ方向にスライドさせることで、化粧部材の転倒が防止されると共に、幅狭開口の上縁が螺子軸部により支持されるので化粧部材の落下が防止される。
さらに、請求項3に記載されたものでは、スペーサによって螺子頭部の突出寸法を決定できるので、当該螺子の位置決めが容易であり、また、各螺子頭部の突出寸法を容易に一致させることができる。化粧部材の取付構造においてスペーサが幅狭開口に密着するので、化粧部材が幅方向にブレることが防止される。
【0013】
本発明に係る化粧部材の取付構造では、部材を外壁に装着する螺子は化粧部材に覆い隠されるため意匠性に優れる。また、落下防止手段を螺子から構成する場合でも、1本の螺子で済むので意匠性を損ねることはない。本発明の取付構造では、嵌合受け部材を設ける必要が無いので、化粧部材の全体の厚みを薄く形成することができ、見た目にもスッキリする。また、螺子軸部で化粧部材を支持するものや、落下防止手段を、前記壁面あるいは前記壁面に装着された部材に取り付けられた受け部材から構成し、前記受け部材が前記化粧部材の下端を支承するものでは、化粧部材を壁面に装着する螺子が不要となり、螺子が外部に露出することがないので意匠性に優れる。
【0014】
部材が壁面に先付けされている場合であっても、部材を壁面に装着する既設の螺子の頭部を突出させ、あるいは、螺子頭部が突出するように化粧部材専用取付螺子を設け、化粧部材を追加するだけでよいので、化粧部材の後付けが容易である。また、本発明では、頭部を突出させる螺子は少なくとも1本以上、例えば、2本で良いので、既設の複数の螺子の取付間隔が異なる場合であっても、化粧部材を上下にスライドさせ、あるいは、必要であれば、化粧部材の撓みを利用して、螺子頭部を受入部から中空部に受け入れれば良いので、既存の螺子の取付間隔が異なっていても、共通の化粧部材で対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1Aは、窓シャッターの正面図、図1Bは、窓シャッターの縦断面図であり、窓シャッターは、窓開口部の屋外側を開閉するシャッターカーテン1と、窓開口部の左右に持ち出し状に立設され、シャッターカーテン1の幅方向両端部を案内するガイドレール2と、窓開口部の上方に設けたシャッターケース3と、を備えており、シャッターケース3内には巻取りシャフト4が設けてある。
【0016】
図2は、窓シャッターの一方の端部の横断面図であり、図中、参照番号5は窓障子、参照番号6は窓開口部の一方の縦枠、参照番号7は外壁を示している。ガイドレール2は、ガイドレール下地材8を介して外壁7に対して持ち出し状に取り付けられる。ガイドレール下地材8は、外壁7に対して略垂直状に延出する見込片80と、外壁7の面に沿って延出する見付片81と、から全体としてL形状に形成されており、見込片80の先端にはガイドレール装着部800が一体形成され、見付片81の先端にはフィン810が一体形成されている。ガイドレール下地材8のフィン810を外壁7に当接させて、高さ方向に間隔を存して複数の螺子9で外壁7に固定し、ガイドレール装着部800にガイドレール2を装着する(図1C参照)。
【0017】
ガイドレール下地材8のフィン810を覆うように化粧部材10を取り付けることでフィン810を外壁に固定する螺子9を隠蔽する。化粧部材10は、高さ方向に延出する長尺部材であり、好適にはアルミ型材から形成される。図4に化粧部材10の断面を示す。化粧部材10は、高さ方向に延出する長尺状の面部100を備え、面部100の裏面側には高さ方向に延出するポケットPが形成されている。ポケットPを画定する前壁は、面部100からなる。ポケットPを画定する側壁および後壁は、面部100の裏面側に離間対向して延出形成された第1片101と第2片102とからなる。第1片101、第2片102は、化粧部材10の高さ方向に延出する。
【0018】
第1片101は、面部100の幅方向一端側(見付片81の基端側)を後方に湾曲させてなる湾曲部101Aと、湾曲部101Aからさらに、面部100に対向して平行に延出する第1後壁部101Bと、からなるレ状の片である。湾曲部101AがポケットPの一方の側壁、第1後壁部101BがポケットPの後壁、となっている。
【0019】
第2片102は、面部100の裏面から面部100に略鉛直状に延出する部分102Aと、面部100に対向して平行に延出する第2後壁部102Bと、からなるL形状の片である。部分102AがポケットPの他方の側壁、第2後壁部102BがポケットPの後壁、となっている。
【0020】
第1片101の第1後壁部101Bの端縁と、第2片102の第2後壁部102Bの端縁とは、その間に化粧部材10の長さ方向(高さ方向)に延出する開口溝103を形成するように離間している。開口溝103はポケットPと連通している。面部100の幅方向他端側(見付片81の先端側)は後方に向かって湾曲し、ガイドレール下地材8のフィン810を覆うように延出する湾曲部104となっている。
【0021】
また、化粧部材10の面部に、湾曲部104から分岐するようにコーキング用のフィン(図示せず)を延出形成してもよい。図示の例では、化粧部材100は、皿状の断面形状を備えているが、面部100の裏面側に開口溝103を備えたポケットPを形成したものであれば、化粧部材100の形状は限定されない。例えば、第1片101、第2片102は、共に、断面視L形状の片でもよく、あるいは、第1片101、第2片102を全体として円弧状の湾曲片から形成してもよい。
【0022】
ポケットPは、螺子9の頭部90の高さ方向の移動を許容する寸法を備えている。より具体的には、図2Bに示すように、ポケットPの幅寸法は、螺子9の頭部90の外径よりも大きい寸法を備えている。ポケットPの奥行きは、単独であるいは開口溝103と一体で螺子9の頭部90を受け入れることができる寸法を備えていればよく、図示の例では、ポケットPと開口溝103とが一体となって螺子9の頭部90を受け入れている。開口溝103の幅寸法は、螺子9の軸部91の外径よりも大きく、螺子9の頭部90の外径よりも小さい幅寸法を備えている。
【0023】
第1片101の第1後壁部101Bあるいは/および第2片102の後壁部102Bの開口溝103に臨む端縁には、これらの対向する端縁間に、少なくとも一つの螺子頭部の受入部105を形成するように切り欠きCが形成されており、切り欠きCは、受入部105が螺子9の頭部90を、正面からポケットP内に挿通させることができるような形状・寸法を備えている。より具体的には、一方の端縁に形成された切り欠きCと他方の端縁との間に形成された受入部105、あるいは、両方の端縁に形成された切り欠きC間に形成された受入部105が、幅方向及び高さ方向において、螺子9の頭部90の外径よりも大きい寸法を備えている。
【0024】
図示の例では、第1片101の第1後壁部101Bに切り欠きCを形成することで螺子9の頭部90の受入部105が形成されている。切り欠きCの高さ方向の寸法は螺子9の頭部90の外径よりも大きい寸法を備えている。また、切り欠きCの深さは、受入部105の幅寸法(切り欠きCの底と第2片102の後壁部102Bの端縁との間の幅方向の寸法)が、螺子9の頭部90の外径よりも大きくなるような寸法となっている。
【0025】
ガイドレール下地材8のフィン810を外壁7に固定する複数の螺子9において、所定の螺子9を選択して、選択した螺子9の頭部90は、フィン810の外面から突設するように設けられる(図2B)。選択されなかった螺子9´を図3Aに示す。選択されない螺子9´の頭部90´は突出せずに、ガイドレール下地材8のフィン810内に位置している。化粧部材10には、選択された螺子9の本数に対応する数の受入部105を形成しておく。選択された螺子9同士の高さ方向の間隔寸法と受入部105の高さ方向の間隔寸法を対応させることが望ましいが、化粧部材10は比較的薄肉で長尺のアルミ型材から形成されているため、長尺状の面部100の幅方向および/あるいは厚さ方向に撓むような所要の可撓性を備えている。したがって、受入部105に螺子9の頭部90を受け入れる際に、化粧部材10を撓ませながら作業することができ、上記間隔寸法が正確に対応してなくてもよい。すなわち、受入部105が2つ以上有る場合に、その間隔は、螺子頭部90の間隔に対応する必要は必ずしもない。
【0026】
ガイドレール下地材8を壁面7に装着するための高さ方向に間隔を存して設けた複数の螺子9から選択された螺子の頭部90をガイドレール下地材8から突出させて化粧部材10の取付用の螺子頭部を形成する態様について説明したが、図3Bに示すように、これらの螺子9とは別の化粧部材10の取付専用螺子9Aを設けて、当該螺子9Aの頭部90Aをガイドレール下地材8のフィン810から突出させて化粧部材10の取付用の螺子頭部を形成してもよい。取付専用螺子9Aの螺子頭部90A及び軸部91Aと、化粧部材10との関係は、上記図2Bに関する記載を援用することができる。
【0027】
図5に示すように、切り欠きCにより形成された受入部105から選択された螺子9の頭部90をポケットP内に受け入れ、螺子9によって固定されたフィン810に対して、化粧部材10を相対的に高さ方向(図示の例では下側)にスライドさせる。化粧部材10の面部100には、一つの螺子穴106が形成されている。螺子穴106は、望ましくは、下端あるいは上端に近い部位に形成される。化粧部材10を所定の位置までスライドさせて、落下防止手段としての螺子11を螺子穴106からガイドレール下地材8、あるいは、ガイドレール下地材及び外壁7を貫設するように取り付ける。
【0028】
図7に、他の落下防止手段を示す。図示のように、ガイドレール下地材8の見付片81あるいは壁面7に化粧部材10の下端に位置するように受け金具12を設ける。受け金具12は、垂直板状の装着部120と、装着部120の下端から水平状に延出する支承部121と、支承部121の上面に上方に向かって突設された挿入部122と、挿入部122の面部に突設された係止突起123と、を備えている。受け金具12は、化粧部材10の取付位置に合わせて、支承部121が化粧部材10の下端を支承するように位置決めして、図示しない螺子で装着部120を壁面7あるいはガイドレール下地材8の見付片81に固定することで装着される。挿入部122の断面形状・寸法は、化粧部材10のポケットP内に下方から挿入係止できるような形状・寸法となっている。化粧部材10の面部100には、係止突起123に対応して係止孔が形成されている。受け金具12が化粧部材10の下端を支承することで、化粧部材10の落下を防止する。このものでは、化粧部材10を壁面に装着する螺子11を必要としないので、螺子11が外部に露出するようなことがなく、意匠性に優れる。
【0029】
本発明のさらなる他の実施形態について、図8乃至図12に基づいて説明する。本明細書全体を通して同一の部材には同一の参照番号を付しており、本実施形態において、同一の参照番号が付された部材の説明(例えば、窓シャッターの基本構造やガイドレール下地材の構成)については既述の説明を援用することができる。
【0030】
図8は、窓シャッターの一方の端部の横断面図であり、図2Aに対応している。図9は、ガイドレール下地材8のフィン810の外壁7への取付状態を示す横断面図(A)および正面図(B)である。ガイドレール下地材8のフィン810は、高さ方向に間隔を存して複数設けた螺子9´、螺子15を用いて外壁7に取り付けられる。図10(A)、(B)は、図9(A)に類似の図であり、図10(A)は螺子9´の部分、図10(B)は螺子15の部分をそれぞれ示している。
【0031】
螺子9´、螺子15を隠蔽するための化粧部材13は、高さ方向に延出する長尺部材であり、好適にはアルミ型材から形成される。図11に化粧部材13の断面を示す。化粧部材13は、高さ方向に延出する長尺状の面部130を備え、面部130の裏面側には高さ方向に延出する中空部Hが形成されている。中空部Hは、面部130の部分からなる前壁131と、前壁131に対向する後壁132と、前壁131と後壁132とを接続する左右の側壁133、134と、からなる。面部130において、中空部Hの前壁131を形成しない部位は後方に向かって折曲しており、ガイドレール下地材8のフィン810を覆うように延出する折曲部135となっている。
【0032】
図12(A)の上図は、化粧部材13の縦断面図を示しており、具体的には、図12(A)の下図に示すa−a線から見た縦断面図である。図12(B)は、図12(A)の上図の状態から化粧部材13を下方にスライドさせた状態を示す縦断面図である。図12(C)は、螺子頭部150を除いた化粧部材13のみの縦断面図を示している。
【0033】
図12(C)に示すように、化粧部材13の後壁132には、高さ方向に間隔を存して複数の開口14が穿設されている。図示の態様では、後壁132の上方部位、下方部位、中間部位にそれぞれ位置して3つの開口14が設けてある。開口14は、互いに連通する下側の大径部140と上側の小径部141とから達磨様の形状を有している。
【0034】
ガイドレール下地材8のフィン810を外壁7に固定する複数の螺子9´、15において、螺子15の頭部150は、フィン810の外面から突設するように設けられる(図8、図9、図10(B))。螺子9´の頭部90´は突出せずに、ガイドレール下地材8のフィン810内に位置している(図10(A))。ガイドレール下地材8のフィン810には予め螺子9´の皿状の頭部90´を面一に受け入れるための逆截頭円錐状の孔部が形成されている。図示の例では、螺子9´のみならず、螺子15もこの孔部を用いている。図10(B)に孔部の斜面を参照番号811で示す。
【0035】
化粧部材13の後壁132に形成された開口14の数は、突出する螺子頭部150を備えた螺子15の本数に対応している。開口14の下側の大径部140は、螺子15の螺子頭部150の外径よりも大きい寸法を有しており、螺子頭部150を正面から中空部H内に受け入れることができる受入部を形成している。中空部Hは、内部に受け入れた螺子頭部150の高さ方向の移動を許容させる寸法を有している。
【0036】
開口14の上側の小径部141は、螺子軸部151の外径よりも大きく、螺子頭部150の外径よりも小さい幅寸法を備えた幅狭開口となっている。したがって、開口14の下側の大径部140から中空部内に螺子頭部150を挿入して(図12(A))、化粧部材13を下方にスライドさせると(図12(B))、螺子頭部150の高さ位置と大径部140の高さ位置とがズレて、螺子頭部150が中空部Hの後壁132に内側から当接することで、化粧部材13が外れて転倒することがないようになっている。
【0037】
螺子15の軸部151には、螺子頭部150に近接して管状のスペーサ152が外装されている。管状スペーサ152は、螺子軸部151の外径よりも大きく、螺子頭部150の外径よりも小さい外径を備えている。典型的には、スペーサ152は、螺子15とは別部材で用意され、螺子15の軸部151に外装されるが、スペーサが一体的に形成された螺子15を用意してもよい。
【0038】
スペーサ152の機能について説明する。螺子15は、ガイドレール下地材8のフィン810に予め穿孔されている螺子9´を受け入れるための孔部と同一の孔部を用いてフィン810を貫通させて外壁7に螺着される。図10(B)に示すように、スペーサ152の縁部(軸部151の先端側の縁部)は、孔部の斜面811に当接しており、螺子15の螺子頭部150の突出寸法が決定される。各螺子15をフィン810の孔部を通して、スペーサ152が孔部の斜面811に当接するまで、外壁7に螺入して行くことで、螺子頭部150の位置決めが容易にできると共に、各螺子15の頭部150の突出寸法を一致させることもできる。
【0039】
そして、大径部140から螺子頭部150を中空部H内に受け入れた状態で、化粧部材13を下方にスライドして落とし込んだ時に、スペーサ152に小径部141の上縁が当接することで、化粧部材13が軸部151に外装したスペーサ152に支持されるため、化粧部材13が落下するようなことがない。尚、図示の例ではスペーサ152に支持されるが、螺子15にスペーサ152を用いない態様では、化粧部材13が軸部151に直接支持される。
【0040】
また、スペーサ152は、開口14の小径部141と略同じ寸法を有している。したがって、大径部(受入部)140から螺子頭部150を中空部H内に受け入れた状態で、化粧部材13を下方にスライドした時に、スペーサ152が小径部(幅狭開口)141に密着するため、化粧部材13が幅方向にブレることが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、後付けの窓シャッターに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1A】窓シャッターの正面図である。
【図1B】窓シャッターの縦断面図である。
【図1C】窓シャッターの下地部材の装着を示す縦断面図である。
【図2A】窓シャッターの一方の端部の横断面である。
【図2B】図2Aの部分拡大図である。
【図3A】図2と類似の図であって、頭部が突出しない螺子を示している。
【図3B】図2Bと類似の図であって、化粧部材取付専用螺子を示している。
【図4】化粧部材の断面図である。
【図5】化粧部材の取り付けを説明する図であり、化粧部材を裏面側から見た図である。
【図6】ガイドレール下地材に取り付けられた化粧部材の正面図である。
【図7】化粧部材の落下防止手段としての受け金具を示す図である。
【図8】窓シャッターの一方の端部の横断面図である。
【図9】ガイドレール下地材8のフィン810の外壁7への取付状態を示す図であり、(A)は横断面図、(B)は正面図である。
【図10】図9(A)に類似の図であり、図10(A)は螺子9´の部分を示し、図10(B)は螺子15の部分を示す。
【図11】化粧部材の断面図である。
【図12】図12(A)の上図は、下図のa−a線から見た縦断面図である。図12(B)は、図12(A)の上図の状態から化粧部材を下方にスライドさせた状態を示す縦断面図である。図12(C)は、化粧部材のみの縦断面図である。
【符号の説明】
【0043】
8 ガイドレール下地材
9 螺子
90 頭部
91 軸部
9A 化粧部材取付専用螺子
10 化粧部材
100 面部
101B 第1後壁部
102B 第2後壁部
103 開口溝
P ポケット
C 切り欠き
105 螺子頭部の受入部
11 螺子
12 受け金具
13 化粧部材
132 後壁
14 開口
140 大径部(受入部)
141 小径部(幅狭開口)
15 螺子
150 頭部
151 軸部
152 スペーサ
H 中空部
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧部材の取付構造に係り、好ましくは、窓シャッターのガイドレール下地材に対して取り付けられる化粧部材の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓シャッターは、窓障子によって開閉される窓開口部の外側にさらにシャッター装置を備えたシャッター装置である。窓シャッターは、既設の窓開口部に対して後付けで取り付けられる場合が多い。具体的には、窓開口部上方にシャッターケースを取り付け、外壁面から持ち出し状にガイドレール下地材を取り付け、ガイドレール下地材に対してシャッターカーテンの幅方向両端を案内するガイドレールが取り付けられる。
【0003】
ここで、ガイドレール下地材は螺子を用いて外壁に取り付けられるので、螺子を隠蔽する必要がある。従来は、螺子の頭に位置して嵌合受け部材を取り付け、この嵌合受け部材に対して化粧カバーを嵌合することで螺子を隠蔽している(特許文献1)。この嵌め込み式の化粧カバーは、特許文献2(例えば、当該文献の図6)にも開示されている。
【0004】
このような従来の化粧部材の嵌め込み式の取付構造は、化粧部材を嵌め込むための嵌合受け部材を別に用意する必要があるため、部品点数が多くなってしまう。さらに、部材同士を適切に嵌合させるためには、化粧部材及び嵌合受け部材を正確な寸法に形成する必要があり、また、嵌め込み時には、所要の大きな力をかけて嵌め込む必要があり、取り付けが手間であり、また、嵌合状態がズレた場合の調整も手間である。さらに、化粧部材や嵌合受け部材の寸法精度が悪かったり、これらの部材が温度変化によって熱変形したりすると、嵌め込み部が外れて化粧部材が落下転倒するおそれもある。
【特許文献1】特開2002−213159
【特許文献2】特開2002−89152
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の嵌め込み式の化粧部材の取付構造の不具合を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
壁面に装着された部材の化粧部材の取付構造において、
前記部材は、高さ方向に間隔を存して設けた複数の螺子によって前記壁面に装着されており、
前記部材には、前記化粧部材が取り付けられる位置に対応して一つあるいは複数の化粧部材取付用の螺子頭部が突出しており、
前記化粧部材は、高さ方向に延出する長尺状の面部を備え、当該面部の裏面側には高さ方向に延出する中空部が形成されており、前記中空部の後壁には、前記螺子頭部を正面から前記中空部内に受け入れる一つあるいは複数の受入部が形成されており、前記中空部は螺子頭部の高さ方向の移動を許容させる寸法を備えており、前記受入部の上下の少なくとも一方は、螺子軸部の外径よりも大きく、螺子頭部の外径よりも小さい幅寸法を備えている幅狭開口に連通しており、
前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記幅狭開口を介して前記化粧部材を高さ方向にスライドして所定の装着位置に移動させてなる、化粧部材の取付構造、である。
【0007】
1つの態様では、前記螺子頭部は、高さ方向に間隔を存して複数突出しており、前記受入部は、各螺子頭部を受け入れるように前記後壁の高さ方向に間隔を存して複数形成されており、前記幅狭開口は、各受入部の上側に連通させてそれぞれ形成されており、前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記化粧部材を下方にスライドして各幅狭開口の上縁を各螺子軸部に支持させてなる。
さらなる1つの態様では、前記螺子軸部には、螺子頭部に近接して、螺子軸部の外径よりも大きく、螺子頭部の外径よりも小さいスペーサが設けてあり、前記スペーサが前記部材の部分(螺子を挿通させる孔部の周面や化粧部材に対向する部材の面部等)に当接することで前記螺子頭部の突出寸法を決定すると共に、前記スペーサは、前記化粧部材を下方にスライドした時に、前記幅狭開口に密着するような寸法を有している。
【0008】
1つの態様では、前記幅狭開口は、前記後壁の高さ方向に亘って延出する開口溝であり、前記受入部は、前記開口溝と連通しており、前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部(ポケット)内に受け入れた状態で、前記開口溝を介して前記化粧部材を高さ方向にスライドして所定の装着位置に移動させ、化粧部材の装着位置を落下防止手段によって維持してなる。
換言すると、当該面部の裏面側には高さ方向に延出する中空部(ポケット)を形成するように第1片と第2片(第1片と第2片が後壁となる)が離間対向して形成されており、前記第1片と前記第2片の対向する端縁間には、高さ方向に延出する開口溝が形成されている。
前記受入部は、より具体的な態様では、前記第1片あるいは/および第2片の開口溝に臨む端縁に、前記ポケット内に螺子頭部を受け入れることができる形状・寸法を備えた少なくとも一つの受入部を形成するように切り欠きを設けることで形成される。
一つの態様では、前記落下防止手段は、化粧部材を壁面に装着する1本の螺子である。あるいは、前記部材あるいは前記壁面に設けた受け部材から前記落下防止手段を構成してもよい。あるいは、前記頭部が突出した螺子の本数及び受入部の数を多くすることで、螺子頭部とポケットとの摩擦を大きくすることで前記落下防止手段としてもよい。各螺子頭部の角度が互いに若干異なり得ることを利用することで、螺子頭部とポケット内壁との摩擦を大きくすることができる。あるいは、一つの態様では、前記落下防止手段は、前記壁面あるいは前記壁面に装着された部材に取り付けられた受け部材であり、前記受け部材が前記化粧部材の下端を支承する。このものでは、化粧部材を壁面に装着する螺子を必要としないので、螺子が外部に露出するようなことがない。
【0009】
一つの態様では、前記螺子頭部は、前記部材を前記壁面に装着する複数の螺子から選択された一つあるいは複数の螺子の頭部である。あるいは、一つの態様では、前記螺子頭部は、前記部材を前記壁面に装着する複数の螺子とは別の化粧部材取付専用螺子の頭部でもよい。また、一つの態様では、前記化粧部材は、前記長尺状の面部の幅方向および/あるいは厚さ方向に撓むような可撓性を備えている。したがって、突出する螺子頭部を受入部に入れる時に、化粧部材を撓ませることができるため、螺子頭部同士の高さ方向の間隔と受入部同士の高さ方向の間隔とを一致させる必要はない。
【0010】
螺子によって壁面に装着される部材は、一つの典型的な内容では、窓シャッターにおけるガイドレール下地材である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る化粧部材の取付構造によれば、化粧部材の取付性を向上させることができる。従来は、化粧部材を嵌め込むための嵌合受け部材を設けるのに対して、本発明の取付構造は、前記化粧部材が取り付けられる位置に対応して一つあるいは複数の化粧部材取付用の螺子頭部を突設すればよい。すなわち、螺子を装着する際に頭部を突出させておけばよい。特に、前記螺子頭部として、部材を壁面に装着するための螺子の頭部を用いることでより少ない部品点数で取付構造を構成することができる。本発明の化粧部材は、中空部内に螺子頭部を受け入れて、高さ方向にスライドさせ、化粧部材の落下を防止すればよいので、従来のように化粧部材を嵌め込む作業が必要がないため、取り付けが容易である。
【0012】
本発明に係る化粧部材の取付構造によれば、安全性を向上させることができる。従来の嵌め込み式の場合には、化粧部材と嵌合受け部材の形状や寸法精度により嵌合部が外れて、化粧部材が落下転倒するおそれがある。本発明では、幅狭開口の幅寸法よりも大径の螺子頭部が中空部内に位置するので化粧部材が転倒することがない。
特に、請求項2に記載されたものでは、中空部内に螺子頭部を受け入れて、高さ方向にスライドさせることで、化粧部材の転倒が防止されると共に、幅狭開口の上縁が螺子軸部により支持されるので化粧部材の落下が防止される。
さらに、請求項3に記載されたものでは、スペーサによって螺子頭部の突出寸法を決定できるので、当該螺子の位置決めが容易であり、また、各螺子頭部の突出寸法を容易に一致させることができる。化粧部材の取付構造においてスペーサが幅狭開口に密着するので、化粧部材が幅方向にブレることが防止される。
【0013】
本発明に係る化粧部材の取付構造では、部材を外壁に装着する螺子は化粧部材に覆い隠されるため意匠性に優れる。また、落下防止手段を螺子から構成する場合でも、1本の螺子で済むので意匠性を損ねることはない。本発明の取付構造では、嵌合受け部材を設ける必要が無いので、化粧部材の全体の厚みを薄く形成することができ、見た目にもスッキリする。また、螺子軸部で化粧部材を支持するものや、落下防止手段を、前記壁面あるいは前記壁面に装着された部材に取り付けられた受け部材から構成し、前記受け部材が前記化粧部材の下端を支承するものでは、化粧部材を壁面に装着する螺子が不要となり、螺子が外部に露出することがないので意匠性に優れる。
【0014】
部材が壁面に先付けされている場合であっても、部材を壁面に装着する既設の螺子の頭部を突出させ、あるいは、螺子頭部が突出するように化粧部材専用取付螺子を設け、化粧部材を追加するだけでよいので、化粧部材の後付けが容易である。また、本発明では、頭部を突出させる螺子は少なくとも1本以上、例えば、2本で良いので、既設の複数の螺子の取付間隔が異なる場合であっても、化粧部材を上下にスライドさせ、あるいは、必要であれば、化粧部材の撓みを利用して、螺子頭部を受入部から中空部に受け入れれば良いので、既存の螺子の取付間隔が異なっていても、共通の化粧部材で対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1Aは、窓シャッターの正面図、図1Bは、窓シャッターの縦断面図であり、窓シャッターは、窓開口部の屋外側を開閉するシャッターカーテン1と、窓開口部の左右に持ち出し状に立設され、シャッターカーテン1の幅方向両端部を案内するガイドレール2と、窓開口部の上方に設けたシャッターケース3と、を備えており、シャッターケース3内には巻取りシャフト4が設けてある。
【0016】
図2は、窓シャッターの一方の端部の横断面図であり、図中、参照番号5は窓障子、参照番号6は窓開口部の一方の縦枠、参照番号7は外壁を示している。ガイドレール2は、ガイドレール下地材8を介して外壁7に対して持ち出し状に取り付けられる。ガイドレール下地材8は、外壁7に対して略垂直状に延出する見込片80と、外壁7の面に沿って延出する見付片81と、から全体としてL形状に形成されており、見込片80の先端にはガイドレール装着部800が一体形成され、見付片81の先端にはフィン810が一体形成されている。ガイドレール下地材8のフィン810を外壁7に当接させて、高さ方向に間隔を存して複数の螺子9で外壁7に固定し、ガイドレール装着部800にガイドレール2を装着する(図1C参照)。
【0017】
ガイドレール下地材8のフィン810を覆うように化粧部材10を取り付けることでフィン810を外壁に固定する螺子9を隠蔽する。化粧部材10は、高さ方向に延出する長尺部材であり、好適にはアルミ型材から形成される。図4に化粧部材10の断面を示す。化粧部材10は、高さ方向に延出する長尺状の面部100を備え、面部100の裏面側には高さ方向に延出するポケットPが形成されている。ポケットPを画定する前壁は、面部100からなる。ポケットPを画定する側壁および後壁は、面部100の裏面側に離間対向して延出形成された第1片101と第2片102とからなる。第1片101、第2片102は、化粧部材10の高さ方向に延出する。
【0018】
第1片101は、面部100の幅方向一端側(見付片81の基端側)を後方に湾曲させてなる湾曲部101Aと、湾曲部101Aからさらに、面部100に対向して平行に延出する第1後壁部101Bと、からなるレ状の片である。湾曲部101AがポケットPの一方の側壁、第1後壁部101BがポケットPの後壁、となっている。
【0019】
第2片102は、面部100の裏面から面部100に略鉛直状に延出する部分102Aと、面部100に対向して平行に延出する第2後壁部102Bと、からなるL形状の片である。部分102AがポケットPの他方の側壁、第2後壁部102BがポケットPの後壁、となっている。
【0020】
第1片101の第1後壁部101Bの端縁と、第2片102の第2後壁部102Bの端縁とは、その間に化粧部材10の長さ方向(高さ方向)に延出する開口溝103を形成するように離間している。開口溝103はポケットPと連通している。面部100の幅方向他端側(見付片81の先端側)は後方に向かって湾曲し、ガイドレール下地材8のフィン810を覆うように延出する湾曲部104となっている。
【0021】
また、化粧部材10の面部に、湾曲部104から分岐するようにコーキング用のフィン(図示せず)を延出形成してもよい。図示の例では、化粧部材100は、皿状の断面形状を備えているが、面部100の裏面側に開口溝103を備えたポケットPを形成したものであれば、化粧部材100の形状は限定されない。例えば、第1片101、第2片102は、共に、断面視L形状の片でもよく、あるいは、第1片101、第2片102を全体として円弧状の湾曲片から形成してもよい。
【0022】
ポケットPは、螺子9の頭部90の高さ方向の移動を許容する寸法を備えている。より具体的には、図2Bに示すように、ポケットPの幅寸法は、螺子9の頭部90の外径よりも大きい寸法を備えている。ポケットPの奥行きは、単独であるいは開口溝103と一体で螺子9の頭部90を受け入れることができる寸法を備えていればよく、図示の例では、ポケットPと開口溝103とが一体となって螺子9の頭部90を受け入れている。開口溝103の幅寸法は、螺子9の軸部91の外径よりも大きく、螺子9の頭部90の外径よりも小さい幅寸法を備えている。
【0023】
第1片101の第1後壁部101Bあるいは/および第2片102の後壁部102Bの開口溝103に臨む端縁には、これらの対向する端縁間に、少なくとも一つの螺子頭部の受入部105を形成するように切り欠きCが形成されており、切り欠きCは、受入部105が螺子9の頭部90を、正面からポケットP内に挿通させることができるような形状・寸法を備えている。より具体的には、一方の端縁に形成された切り欠きCと他方の端縁との間に形成された受入部105、あるいは、両方の端縁に形成された切り欠きC間に形成された受入部105が、幅方向及び高さ方向において、螺子9の頭部90の外径よりも大きい寸法を備えている。
【0024】
図示の例では、第1片101の第1後壁部101Bに切り欠きCを形成することで螺子9の頭部90の受入部105が形成されている。切り欠きCの高さ方向の寸法は螺子9の頭部90の外径よりも大きい寸法を備えている。また、切り欠きCの深さは、受入部105の幅寸法(切り欠きCの底と第2片102の後壁部102Bの端縁との間の幅方向の寸法)が、螺子9の頭部90の外径よりも大きくなるような寸法となっている。
【0025】
ガイドレール下地材8のフィン810を外壁7に固定する複数の螺子9において、所定の螺子9を選択して、選択した螺子9の頭部90は、フィン810の外面から突設するように設けられる(図2B)。選択されなかった螺子9´を図3Aに示す。選択されない螺子9´の頭部90´は突出せずに、ガイドレール下地材8のフィン810内に位置している。化粧部材10には、選択された螺子9の本数に対応する数の受入部105を形成しておく。選択された螺子9同士の高さ方向の間隔寸法と受入部105の高さ方向の間隔寸法を対応させることが望ましいが、化粧部材10は比較的薄肉で長尺のアルミ型材から形成されているため、長尺状の面部100の幅方向および/あるいは厚さ方向に撓むような所要の可撓性を備えている。したがって、受入部105に螺子9の頭部90を受け入れる際に、化粧部材10を撓ませながら作業することができ、上記間隔寸法が正確に対応してなくてもよい。すなわち、受入部105が2つ以上有る場合に、その間隔は、螺子頭部90の間隔に対応する必要は必ずしもない。
【0026】
ガイドレール下地材8を壁面7に装着するための高さ方向に間隔を存して設けた複数の螺子9から選択された螺子の頭部90をガイドレール下地材8から突出させて化粧部材10の取付用の螺子頭部を形成する態様について説明したが、図3Bに示すように、これらの螺子9とは別の化粧部材10の取付専用螺子9Aを設けて、当該螺子9Aの頭部90Aをガイドレール下地材8のフィン810から突出させて化粧部材10の取付用の螺子頭部を形成してもよい。取付専用螺子9Aの螺子頭部90A及び軸部91Aと、化粧部材10との関係は、上記図2Bに関する記載を援用することができる。
【0027】
図5に示すように、切り欠きCにより形成された受入部105から選択された螺子9の頭部90をポケットP内に受け入れ、螺子9によって固定されたフィン810に対して、化粧部材10を相対的に高さ方向(図示の例では下側)にスライドさせる。化粧部材10の面部100には、一つの螺子穴106が形成されている。螺子穴106は、望ましくは、下端あるいは上端に近い部位に形成される。化粧部材10を所定の位置までスライドさせて、落下防止手段としての螺子11を螺子穴106からガイドレール下地材8、あるいは、ガイドレール下地材及び外壁7を貫設するように取り付ける。
【0028】
図7に、他の落下防止手段を示す。図示のように、ガイドレール下地材8の見付片81あるいは壁面7に化粧部材10の下端に位置するように受け金具12を設ける。受け金具12は、垂直板状の装着部120と、装着部120の下端から水平状に延出する支承部121と、支承部121の上面に上方に向かって突設された挿入部122と、挿入部122の面部に突設された係止突起123と、を備えている。受け金具12は、化粧部材10の取付位置に合わせて、支承部121が化粧部材10の下端を支承するように位置決めして、図示しない螺子で装着部120を壁面7あるいはガイドレール下地材8の見付片81に固定することで装着される。挿入部122の断面形状・寸法は、化粧部材10のポケットP内に下方から挿入係止できるような形状・寸法となっている。化粧部材10の面部100には、係止突起123に対応して係止孔が形成されている。受け金具12が化粧部材10の下端を支承することで、化粧部材10の落下を防止する。このものでは、化粧部材10を壁面に装着する螺子11を必要としないので、螺子11が外部に露出するようなことがなく、意匠性に優れる。
【0029】
本発明のさらなる他の実施形態について、図8乃至図12に基づいて説明する。本明細書全体を通して同一の部材には同一の参照番号を付しており、本実施形態において、同一の参照番号が付された部材の説明(例えば、窓シャッターの基本構造やガイドレール下地材の構成)については既述の説明を援用することができる。
【0030】
図8は、窓シャッターの一方の端部の横断面図であり、図2Aに対応している。図9は、ガイドレール下地材8のフィン810の外壁7への取付状態を示す横断面図(A)および正面図(B)である。ガイドレール下地材8のフィン810は、高さ方向に間隔を存して複数設けた螺子9´、螺子15を用いて外壁7に取り付けられる。図10(A)、(B)は、図9(A)に類似の図であり、図10(A)は螺子9´の部分、図10(B)は螺子15の部分をそれぞれ示している。
【0031】
螺子9´、螺子15を隠蔽するための化粧部材13は、高さ方向に延出する長尺部材であり、好適にはアルミ型材から形成される。図11に化粧部材13の断面を示す。化粧部材13は、高さ方向に延出する長尺状の面部130を備え、面部130の裏面側には高さ方向に延出する中空部Hが形成されている。中空部Hは、面部130の部分からなる前壁131と、前壁131に対向する後壁132と、前壁131と後壁132とを接続する左右の側壁133、134と、からなる。面部130において、中空部Hの前壁131を形成しない部位は後方に向かって折曲しており、ガイドレール下地材8のフィン810を覆うように延出する折曲部135となっている。
【0032】
図12(A)の上図は、化粧部材13の縦断面図を示しており、具体的には、図12(A)の下図に示すa−a線から見た縦断面図である。図12(B)は、図12(A)の上図の状態から化粧部材13を下方にスライドさせた状態を示す縦断面図である。図12(C)は、螺子頭部150を除いた化粧部材13のみの縦断面図を示している。
【0033】
図12(C)に示すように、化粧部材13の後壁132には、高さ方向に間隔を存して複数の開口14が穿設されている。図示の態様では、後壁132の上方部位、下方部位、中間部位にそれぞれ位置して3つの開口14が設けてある。開口14は、互いに連通する下側の大径部140と上側の小径部141とから達磨様の形状を有している。
【0034】
ガイドレール下地材8のフィン810を外壁7に固定する複数の螺子9´、15において、螺子15の頭部150は、フィン810の外面から突設するように設けられる(図8、図9、図10(B))。螺子9´の頭部90´は突出せずに、ガイドレール下地材8のフィン810内に位置している(図10(A))。ガイドレール下地材8のフィン810には予め螺子9´の皿状の頭部90´を面一に受け入れるための逆截頭円錐状の孔部が形成されている。図示の例では、螺子9´のみならず、螺子15もこの孔部を用いている。図10(B)に孔部の斜面を参照番号811で示す。
【0035】
化粧部材13の後壁132に形成された開口14の数は、突出する螺子頭部150を備えた螺子15の本数に対応している。開口14の下側の大径部140は、螺子15の螺子頭部150の外径よりも大きい寸法を有しており、螺子頭部150を正面から中空部H内に受け入れることができる受入部を形成している。中空部Hは、内部に受け入れた螺子頭部150の高さ方向の移動を許容させる寸法を有している。
【0036】
開口14の上側の小径部141は、螺子軸部151の外径よりも大きく、螺子頭部150の外径よりも小さい幅寸法を備えた幅狭開口となっている。したがって、開口14の下側の大径部140から中空部内に螺子頭部150を挿入して(図12(A))、化粧部材13を下方にスライドさせると(図12(B))、螺子頭部150の高さ位置と大径部140の高さ位置とがズレて、螺子頭部150が中空部Hの後壁132に内側から当接することで、化粧部材13が外れて転倒することがないようになっている。
【0037】
螺子15の軸部151には、螺子頭部150に近接して管状のスペーサ152が外装されている。管状スペーサ152は、螺子軸部151の外径よりも大きく、螺子頭部150の外径よりも小さい外径を備えている。典型的には、スペーサ152は、螺子15とは別部材で用意され、螺子15の軸部151に外装されるが、スペーサが一体的に形成された螺子15を用意してもよい。
【0038】
スペーサ152の機能について説明する。螺子15は、ガイドレール下地材8のフィン810に予め穿孔されている螺子9´を受け入れるための孔部と同一の孔部を用いてフィン810を貫通させて外壁7に螺着される。図10(B)に示すように、スペーサ152の縁部(軸部151の先端側の縁部)は、孔部の斜面811に当接しており、螺子15の螺子頭部150の突出寸法が決定される。各螺子15をフィン810の孔部を通して、スペーサ152が孔部の斜面811に当接するまで、外壁7に螺入して行くことで、螺子頭部150の位置決めが容易にできると共に、各螺子15の頭部150の突出寸法を一致させることもできる。
【0039】
そして、大径部140から螺子頭部150を中空部H内に受け入れた状態で、化粧部材13を下方にスライドして落とし込んだ時に、スペーサ152に小径部141の上縁が当接することで、化粧部材13が軸部151に外装したスペーサ152に支持されるため、化粧部材13が落下するようなことがない。尚、図示の例ではスペーサ152に支持されるが、螺子15にスペーサ152を用いない態様では、化粧部材13が軸部151に直接支持される。
【0040】
また、スペーサ152は、開口14の小径部141と略同じ寸法を有している。したがって、大径部(受入部)140から螺子頭部150を中空部H内に受け入れた状態で、化粧部材13を下方にスライドした時に、スペーサ152が小径部(幅狭開口)141に密着するため、化粧部材13が幅方向にブレることが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、後付けの窓シャッターに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1A】窓シャッターの正面図である。
【図1B】窓シャッターの縦断面図である。
【図1C】窓シャッターの下地部材の装着を示す縦断面図である。
【図2A】窓シャッターの一方の端部の横断面である。
【図2B】図2Aの部分拡大図である。
【図3A】図2と類似の図であって、頭部が突出しない螺子を示している。
【図3B】図2Bと類似の図であって、化粧部材取付専用螺子を示している。
【図4】化粧部材の断面図である。
【図5】化粧部材の取り付けを説明する図であり、化粧部材を裏面側から見た図である。
【図6】ガイドレール下地材に取り付けられた化粧部材の正面図である。
【図7】化粧部材の落下防止手段としての受け金具を示す図である。
【図8】窓シャッターの一方の端部の横断面図である。
【図9】ガイドレール下地材8のフィン810の外壁7への取付状態を示す図であり、(A)は横断面図、(B)は正面図である。
【図10】図9(A)に類似の図であり、図10(A)は螺子9´の部分を示し、図10(B)は螺子15の部分を示す。
【図11】化粧部材の断面図である。
【図12】図12(A)の上図は、下図のa−a線から見た縦断面図である。図12(B)は、図12(A)の上図の状態から化粧部材を下方にスライドさせた状態を示す縦断面図である。図12(C)は、化粧部材のみの縦断面図である。
【符号の説明】
【0043】
8 ガイドレール下地材
9 螺子
90 頭部
91 軸部
9A 化粧部材取付専用螺子
10 化粧部材
100 面部
101B 第1後壁部
102B 第2後壁部
103 開口溝
P ポケット
C 切り欠き
105 螺子頭部の受入部
11 螺子
12 受け金具
13 化粧部材
132 後壁
14 開口
140 大径部(受入部)
141 小径部(幅狭開口)
15 螺子
150 頭部
151 軸部
152 スペーサ
H 中空部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面に装着された部材の化粧部材の取付構造において、
前記部材は、高さ方向に間隔を存して設けた複数の螺子によって前記壁面に装着されており、
前記部材には、前記化粧部材が取り付けられる位置に対応して一つあるいは複数の化粧部材取付用の螺子頭部が突出しており、
前記化粧部材は、高さ方向に延出する長尺状の面部を備え、当該面部の裏面側には高さ方向に延出する中空部が形成されており、前記中空部の後壁には、前記螺子頭部を正面から前記中空部内に受け入れる一つあるいは複数の受入部が形成されており、前記中空部は螺子頭部の高さ方向の移動を許容させる寸法を備えており、前記受入部の上下の少なくとも一方は、螺子軸部の外径よりも大きく、螺子頭部の外径よりも小さい幅寸法を備えている幅狭開口に連通しており、
前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記幅狭開口を介して前記化粧部材を高さ方向にスライドして所定の装着位置に移動させてなる、化粧部材の取付構造。
【請求項2】
前記螺子頭部は、高さ方向に間隔を存して複数突出しており、
前記受入部は、各螺子頭部を受け入れるように前記後壁の高さ方向に間隔を存して複数形成されており、
前記幅狭開口は、各受入部の上側に連通させてそれぞれ形成されており、
前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記化粧部材を下方にスライドして各幅狭開口の上縁を各螺子軸部に支持させてなる、請求項1に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項3】
前記螺子軸部には、螺子頭部に近接して、螺子軸部の外径よりも大きく、螺子頭部の外径よりも小さいスペーサが設けてあり、前記スペーサが前記部材の部分に当接することで前記螺子頭部の突出寸法を決定すると共に、前記スペーサは、前記化粧部材を下方にスライドした時に、前記幅狭開口に密着するような寸法を有している、請求項2に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項4】
前記幅狭開口は、前記後壁の高さ方向に亘って延出する開口溝であり、
前記受入部は、前記開口溝と連通しており、
前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記開口溝を介して前記化粧部材を高さ方向にスライドして所定の装着位置に移動させ、化粧部材の装着位置を落下防止手段によって維持してなる、請求項1に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項5】
前記落下防止手段は、化粧部材を壁面に装着する1本の螺子である、請求項4に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項6】
前記落下防止手段は、前記壁面あるいは前記壁面に装着された部材に取り付けられた受け部材であり、前記受け部材が前記化粧部材の下端を支承する、請求項4に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項7】
前記螺子頭部は、前記部材を前記壁面に装着する複数の螺子から選択された一つあるいは複数の螺子の頭部である、請求項1乃至6いずれかに記載の化粧部材の取付構造。
【請求項8】
前記螺子頭部は、前記部材を前記壁面に装着する複数の螺子とは別の化粧部材取付専用螺子の頭部である、請求項1乃至6いずれかに記載の化粧部材の取付構造。
【請求項9】
前記化粧部材は、前記長尺状の面部の幅方向および/あるいは厚さ方向に撓むような可撓性を備えている、請求項1乃至8いずれかに記載の化粧部材の取付構造。
【請求項1】
壁面に装着された部材の化粧部材の取付構造において、
前記部材は、高さ方向に間隔を存して設けた複数の螺子によって前記壁面に装着されており、
前記部材には、前記化粧部材が取り付けられる位置に対応して一つあるいは複数の化粧部材取付用の螺子頭部が突出しており、
前記化粧部材は、高さ方向に延出する長尺状の面部を備え、当該面部の裏面側には高さ方向に延出する中空部が形成されており、前記中空部の後壁には、前記螺子頭部を正面から前記中空部内に受け入れる一つあるいは複数の受入部が形成されており、前記中空部は螺子頭部の高さ方向の移動を許容させる寸法を備えており、前記受入部の上下の少なくとも一方は、螺子軸部の外径よりも大きく、螺子頭部の外径よりも小さい幅寸法を備えている幅狭開口に連通しており、
前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記幅狭開口を介して前記化粧部材を高さ方向にスライドして所定の装着位置に移動させてなる、化粧部材の取付構造。
【請求項2】
前記螺子頭部は、高さ方向に間隔を存して複数突出しており、
前記受入部は、各螺子頭部を受け入れるように前記後壁の高さ方向に間隔を存して複数形成されており、
前記幅狭開口は、各受入部の上側に連通させてそれぞれ形成されており、
前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記化粧部材を下方にスライドして各幅狭開口の上縁を各螺子軸部に支持させてなる、請求項1に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項3】
前記螺子軸部には、螺子頭部に近接して、螺子軸部の外径よりも大きく、螺子頭部の外径よりも小さいスペーサが設けてあり、前記スペーサが前記部材の部分に当接することで前記螺子頭部の突出寸法を決定すると共に、前記スペーサは、前記化粧部材を下方にスライドした時に、前記幅狭開口に密着するような寸法を有している、請求項2に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項4】
前記幅狭開口は、前記後壁の高さ方向に亘って延出する開口溝であり、
前記受入部は、前記開口溝と連通しており、
前記受入部から前記螺子頭部を前記中空部内に受け入れた状態で、前記開口溝を介して前記化粧部材を高さ方向にスライドして所定の装着位置に移動させ、化粧部材の装着位置を落下防止手段によって維持してなる、請求項1に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項5】
前記落下防止手段は、化粧部材を壁面に装着する1本の螺子である、請求項4に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項6】
前記落下防止手段は、前記壁面あるいは前記壁面に装着された部材に取り付けられた受け部材であり、前記受け部材が前記化粧部材の下端を支承する、請求項4に記載の化粧部材の取付構造。
【請求項7】
前記螺子頭部は、前記部材を前記壁面に装着する複数の螺子から選択された一つあるいは複数の螺子の頭部である、請求項1乃至6いずれかに記載の化粧部材の取付構造。
【請求項8】
前記螺子頭部は、前記部材を前記壁面に装着する複数の螺子とは別の化粧部材取付専用螺子の頭部である、請求項1乃至6いずれかに記載の化粧部材の取付構造。
【請求項9】
前記化粧部材は、前記長尺状の面部の幅方向および/あるいは厚さ方向に撓むような可撓性を備えている、請求項1乃至8いずれかに記載の化粧部材の取付構造。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−97329(P2009−97329A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−245384(P2008−245384)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(307038540)三和シヤッター工業株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(307038540)三和シヤッター工業株式会社 (273)
【Fターム(参考)】
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