説明

区間式水圧マッサージ機

【課題】
水槽上面の区間毎に任意の刺激付与を行い水槽上面に臥す患者に対して好適なマッサージを施すことができる区間式水圧マッサージ機を提供すること。
【解決手段】
水槽(2)上面に張設した可撓膜(7)上に患者が臥し可撓膜(7)を介してノズル(3)から噴射される水圧によりマッサージを行なう水圧マッサージ機(34)において、水槽(2)の長手方向に複数個の区間(58)を設定し、水槽(2)内を長手方向に移動するノズル(3)に付いて、前記各区間(58)毎に、付与刺激の諸要素が任意に設定され、各区間(58)に対応する患者の各部位に、所期のマッサージが付与されるものである区間式水圧マッサージ機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージを受けようとする臥姿勢の人体(=以下患者という)の首、肩、背、腰、下肢及び全身を、噴射水圧によりマッサージする区間式水圧マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術は、再生する音楽の強弱に比例してノズルの噴射圧が変わるものであり、慢性化を防止でき、又、リラックスした状態でマッサージを受けることができる。
しかし、音楽と噴射圧は連携されるが、複数の治療部位に係る区間(即ち、首、肩、背、腰、下肢及び全身の治療部位に係る区間)毎の噴射圧の変更を行なう構成は開示されておらず、治療部位に係る区間毎に好適なマッサージを施すことはできない。
【特許文献1】特開2004−180679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、従来技術では治療部位に係る区間毎に好適なマッサージを施すことはできないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、上記要望に応えたものであり、水槽上面の区間毎に任意の刺激付与を行い水槽上面に臥す患者に対して好適なマッサージを施すことができる区間式水圧マッサージ機を提供することにある。
即ち本発明は、水槽(2)上面に張設した可撓膜(7)上に患者が臥し可撓膜(7)を介してノズル(3)から噴射される水圧によりマッサージを行なう水圧マッサージ機(34)において、水槽(2)の長手方向に複数個の区間(58)を設定し、水槽(2)内を長手方向に移動するノズル(3)に付いて、前記各区間(58)毎に、付与刺激の諸要素が任意に設定され、各区間(58)に対応する患者の各部位に、所期のマッサージが付与される区間式水圧マッサージ機である。
又、付与刺激の諸要素はノズル(3)の移動速さであり、区間(58)毎に、ノズル(3)の移動速さを任意に設定するものである。
或いは、付与刺激の諸要素はノズル(3)の噴射圧であり、区間(58)毎に、ノズル(3)の噴射圧を任意に設定するものである。
更に、ノズル(3)がいずれの区間に在るかの位置検出は、台車(9)を動かすモータ(17)の回転した数を、モータ(17)の入力に接続されたパルスカウンター(43)で計数し、計数した値をもとに制御部(32)で、ノズル(3)の位置を算出する。
更に又、ノズル(3)がいずれの区間に在るかの位置検出は、台車(9)を動かすネジ軸(16)に連動して設けられたポテンショメータ(51)で検出し、検出した値をもとに制御部(32)で、ノズル(3)の位置を算出する。
又、ノズル(3)がいずれの区間に在るかの位置検出は、水槽(2)の側壁に区間(58)毎に設けた近接スイッチ群(52)で検出する。
更に、水槽2の長手方向に移動しているノズル(3)が当該区間(58)に入る直前に、当該区間(58)に付いて予め設定された付与刺激の度合いをアナウンスするアナウンス部(46)が付加設置される。
更に又、区間(58)毎に予め設定した所定の音楽音声を発生する音楽音声発生部(47)が付加設置され、音楽音声発生部(47)は、水槽2の長手方向に移動しているノズル(3)が当該区間に滞在している間前記設定した所定の音楽音声を発生する。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、水槽(2)上面の長手方向に複数個の区間58を設定し、水槽2内を長手方向に移動するノズルに付いて、区間58毎に、付与刺激の諸要素が任意に設定され、各区間58に対応する患者の各部位に、所期のマッサージが付与されるものであるから、患者に、それぞれの部位に要求される態様のマッサージを満足して施すことが出来、好都合である。
【0006】
本発明は、付与刺激の諸要素はノズル3の移動速さであり、区間58毎に、ノズル3の移動速さを任意に設定するものであるから、念入りにマッサージしたい区間58は、ノズル3をゆっくり移動させ、念入りなマッサージを施すことができ、軽くマッサージしたい区間58はノズル3を早く移動させ、軽いマッサージを施すことができ、患者の要求を満たすマッサージを実施でき、好都合である。
【0007】
本発明は、付与刺激の諸要素はノズル3の噴射圧であり、区間58毎に、ノズル3の噴射圧を任意に設定するものであるから、強い刺激でマッサージしたい区間58は、ノズル3の噴射圧を強くし、強い刺激でマッサージを施すことができ、弱い刺激でマッサージしたい区間58はノズル3の噴射圧を弱くし、弱い刺激でマッサージを施すことができ、患者の要求を満たすマッサージを実施でき、好都合である。
【0008】
本発明に係るノズル3がいずれの区間に在るかの位置検出は、台車9を動かすモータ17の回転した数を、モータ17の入力に接続されたパルスカウンター43で計数し、計数した値をもとに制御部32で、ノズル3の位置を算出するものであるから、電子部品による電気的な計算で正確に位置を特定でき、検出機構を安価に製作でき、機械部品の磨耗による故障は少なく、好都合である。
【0009】
本発明に係るノズル3がいずれの区間に在るかの位置検出は、台車9を動かすネジ軸16に連動して設けられたポテンショメータ51で検出し、検出した値をもとに制御部32で、ノズル3の位置を算出するものであるから、
使用するモータ17に左右されず、前記検出に係る構成を設計・製作し易すく安価にでき、ノズルの位置を正確に計測でき、好都合である。
【0010】
本発明に係るノズル3の位置検出は、区間58毎に設けた近接スイッチ群52で検出するものであるから、製作時に近接スイッチ群52の取り付け位置と区間58とが目視でき、近接スイッチ群52の取り付けに係る製作や、区間58の幅調節がし易く、磨耗箇所が無く耐久性に優れ、好都合である。
【0011】
本発明は、水槽2の長手方向に移動しているノズル3が当該区間58に入る直前に、当該区間58に付いて予め設定された付与刺激の度合いをアナウンスするアナウンス部46が付加設置されるものであるから、
患者を驚愕させることなく、安心してマッサージを施すことができ、好都合である。
【0012】
本発明は、区間58毎に予め設定した所定の音楽音声を発生する音楽音声発生部47が付加設置され、音楽音声発生部47は、水槽2の長手方向に移動しているノズル3が当該区間に滞在している間前記設定した所定の音楽音声を発生するものであるから、患者は、音楽又は音声からノズル3が区間を移ることが分かり安心でき、又、音楽又は音声を聞くことが退屈凌ぎとなり、又、治療時間の経過とマッサージの進展を知り満足感を得ることが出来、好都合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
水槽上面の区間毎に任意の刺激付与を行い水槽上面に臥す患者に対して好適なマッサージを施すことができるものを、水槽2上面の長手方向に複数個の区間58を設定し、区間58毎にノズル3の移動速さが設定されるものにして実現した。
【実施例1】
【0014】
図1、4、7、8に本発明の区間式水圧マッサージ機1の実施例1を示している。
実施例1は、水圧マッサージ機34において、水槽2に複数個の区間58を設け、マッサージ刺激の諸要素を区間58毎に任意に設定できる構成を設けてなる区間式水圧マッサージ機1である。
実施例1は、水を満たす水槽2と、該水槽2内にあって水を噴射するノズル3と、ノズル3を支持し該ノズル3を水槽2の長手方向及び横方向に移動させるノズル機構4と、ノズル3に水を供給する水供給部5と、水槽2の開口部6を水密に覆う可撓膜7とからなる。
【0015】
水槽2は平面視長方形の容器であり、水を収容する。水槽2の上面は開口してなる開口部6である。
前記可撓膜7は、伸縮材で製作され、水槽2の全周縁に止着される。
【0016】
前記ノズル機構4の機械的構成は、水槽2の底壁8に載置され水槽2の長手方向(=臥す患者の身長方向)に移動可能な台車9と、台車9の上部に形成されるノズル3と、台車9を水槽2の長手方向に移動させる縦移動機構10と、ノズル3を水槽2の横方向(=臥す患者の横幅方向、短手方向)に移動させる横移動機構11とからなる。
【0017】
台車9にはノズルベース12が回動可能に設けられ、該ノズルベース12にノズル3が開設される。
台車9の側部には、水槽2の側面に取着された初期位置近接スイッチ13を作動させるための、磁石28を先端に支持したアーム14が突設され、更に、取水口31が設けられる。台車9の下部には底壁8上を転動する車輪15が設けられる。
【0018】
縦移動機構10は、水槽2の長手方向に掛け渡され台車9を長手方向に移動させるネジ軸16と、ネジ軸16を回動させ水槽2の外側に設けられるモータ17とからなる。
ネジ軸16は、台車9に設けられる雌螺子18に螺合される。
【0019】
横移動機構11は、水槽2の長手方向に掛け渡されノズルベース12を回転させる回転用軸19と、回転用軸19を回動させ水槽2の外側に設けられる回転移動モータ20とからなる。
回転用軸19は、ノズルベース12に設けられるウォームギア21に係合されるウォーム22を有する。
【0020】
水供給部5の機械的構成は、ポンプ23と、循環管路24と、ホース25とからなり、水槽2内の水をポンプ23で吸入し圧縮し、ノズル3へ付与し、循環させるものである。
前記ポンプ23は、水槽2内の水を、底壁8に開設された吸入口27から循環管路24を介して吸入し加圧し、加圧した加圧水を前記ノズル3へ付与し、ノズル3から噴射させるものである。
【0021】
ホース25の基端は、ポンプ23の吐水口29に取着され、該ホース25の先端は、底壁8の出水口30を貫通し台車9の取水口31に接続される。
前記加圧水は、台車9の内部においてノズル3に導かれる。
前記ノズル3から加圧水が上向きに噴射され、この噴射水は、可撓膜7を介して患者に当たり、患者を押圧刺激しマッサージする。
【0022】
図1の電気的構成を示したブロック図を説明する。電気的構成は、制御部32と、操作部33と、ノズル機構4と、水供給部5と、表示部36と、検出部37とからなる。
【0023】
制御部32は、手動入力された移動速さに係る信号を記憶し、且つ、手動入力された噴射圧に係る信号を記憶している。制御部32は、操作部33の前記信号の上に、検出部37の信号を得てそれらの信号に基づき、水供給部5及びノズル機構4を駆動制御する。
制御部32は、ポンプ23の水圧が予め区間58毎に設定された水圧になるよう水供給部5を駆動制御し、又、ノズル3の移動速さが予め区間58毎に設定された移動速さになるようノズル機構4を駆動制御する。
前記区間58には、首、肩、背、腰、下肢の各区間と、これらの五区間を一連にして一区間とする全身区間との六個の区間がある。
尚、下肢区間は、更に、上腿区間58f、膝区間58g、下腿区間58hに細分してもよい。
【0024】
操作部33は、区間式水圧マッサージ機1の電気的作動を操作するものであり、区間式水圧マッサージ機1の一回の施療に係る作動時間を設定する時間設定器38と、区間式水圧マッサージ機1を始動又は停止させる開始停止スイッチ39と、区間58毎のノズル3の移動速さを設定する区間速度設定器40と、区間58毎のマッサージの強さを設定する区間強さ設定器41と、区間58毎のマッサージの態様を設定する区間ノズル移動態様設定器66とからなる。マッサージの強さの設定は、ノズル3へ供給する水の圧力の設定である。水の前記圧力は、ノズル3が水を噴射する噴射圧に比例する。
【0025】
ノズル機構4の電気的構成は、前記縦移動機構10に係るモータ17と、前記横移動機構11に係る回転移動モータ20と、移動速度制御機能42とからなる。
【0026】
移動速度制御機能42は、制御部32の指示のもとモータ17の回転速度を決定し決定した回転速度で当該モータ17を回転させるものである。検出部37は、初期位置近接スイッチ13と、パルスカウンター43とからなる。
【0027】
初期位置近接スイッチ13は、水槽2の側壁に取着され、ノズル3が水槽2の長手方向に移動する際の基準となる初期位置に有ることを検出するものである。この検出信号はモータ17の回転の数を0にリセットする。
【0028】
パルスカウンター43は、モータ17の入力に接続され、モータ17の入力電力のパルスの数を計数するものであり、この計数から、モータ17の回転の数を知り、ノズル3が水槽2のどの位置に居るかを判断する。
尚、パルスカウンター43の他の実施例として、パルスカウンター43で台車9を動かすネジ軸16の回転の数を検出してもよい。上述のノズル3の位置に係る検出信号は、制御部32で区間58毎の回転数信号に変換され、該回転数信号は移動速度制御機能42を介して、区間58毎にモータ17の回転数を変える。
【0029】
区間58毎にモータ17の回転数が変わることによって、区間58毎にノズル3の移動速さが変わる。ノズル3の移動速さは、付与刺激の要素の一つであり、区間速度設定器40により六区間に付きそれぞれ区間内でのノズル3の移動速さが設定される。
【0030】
水供給部5の電気的構成は、ノズル3に加圧水を供給するものであり、噴射圧制御機能44と、周波数変換器45及びポンプ23からなる。前述のノズル3の位置に係る検出信号は、制御部32で区間58毎の噴射圧信号に変換され、該噴射圧信号は噴射圧制御機能44及び周波数変換器45を介して、区間58毎にポンプ23の毎分回転数を変える。
【0031】
区間58毎にポンプ23の毎分回転数が変わることによって、ノズル3への供給水の圧力が変わり、区間58毎にノズル3から噴射する水の噴射強さが変わる。即ち、ポンプ23の毎分回転数を大きくすればノズル3へ付与する水圧が高くなり、ノズル3から噴射する水の噴射圧が大きくなり噴射強さが強くなる。
ノズル3の噴射圧の大きさは付与刺激の要素の一つであり、区間強さ設定器41により六個区間に付きそれぞれ区間内でのノズル3の噴射圧の大きさが設定される。
モータ17の毎分回転数の制御と、ポンプ23の毎分回転数の制御とは、個別に制御される。両部材の制御を適宜組み合わせれば、ノズル3を遅い長手方向移動で強い噴射圧とし、患者に、念入りな強い刺激を付与したり、ノズル3を速い長手方向移動で弱い噴射圧とし、患者に、軽く弱い刺激を付与したり出来る。
【0032】
表示部36は、アナウンス部46と、音楽音声発生部47と、スピーカー48とからなる。アナウンス部46は、ノズル3が他の区間58へ移る度に、他の区間58へ入る直前に、区間58毎に設定したマッサージの度合いをアナウンスするものである。付与刺激の度合い(=マッサージの度合い)は、ノズル3の噴射圧が高いものを強いマッサージと言い、ノズル3の噴射圧がやや高いものをやや強いマッサージと言い、噴射圧が低いものを弱いマッサージと言う。
【0033】
又、ノズル3の移動速さが遅いものを入念なマッサージと言い、ノズル3の移動速さがやや遅いものをやや入念なマッサージと言い、ノズル3の移動速さが早いものを軽いマッサージと言う。
例えば、予め腰の区間58のノズル3の噴射圧を高く設定すると共に移動速さを遅く設定しておくと、ノズル3が腰の区間58に入る時は、「腰を強めに入念にマッサージします」とアナウンスする。
【0034】
音楽音声発生部47は、区間58毎に設定した音楽又は音声を、ノズル3が当該区間58に在る時に、発生するものである。
尚、耳の不自由な患者の為に表示部36のスピーカー48に、電光文字、で表示する電光文字板を付加設置する。或いは、発光する色変化をもって表示する発光色表示板を、或いは、抽象化した特定図形を発光表示する発光図形板を、付加設置してもよい。
【0035】
図1中、50は電源、図4中、26は水位センサ、49は底壁8に設けられ水槽2内の水温を図る温度センサ、図7中、35はベアリング、60は止め具、61は歯車部、62は縦レール、63は水平輪、64は空洞室、65はノズル軸、図8中、59はリモコンである。
【0036】
実施例1を使用する際は、先ず、水槽2に水を満たす。次に、患者は、水槽2の開口部6を覆った可撓膜7上に乗る。開口部6に張設されている可撓膜7の張力、及び水槽2内の水の浮力が、患者を支持する。
【0037】
続いて、ポンプ23を駆動させると、該ポンプ23は吸入口27から水槽2内の水を吸入し、吸入した水をノズル3から上方向へ噴射する。
可撓膜7は、伸縮性を有しているので、患者に押されて自在に変形し患者外形状によく添うと共に、噴射水の圧力を受けて自在に凸状に変形する。
【0038】
可撓膜7に噴射水が衝突し該膜7は上方に瞬時突出変形し、可撓膜7を介して患者を押圧しマッサージ刺激を与える。可撓膜7は、噴射水の衝撃に係るエネルギーの減衰を少なくして、当該エネルギーを患者に伝導する。
【0039】
前記ノズル3は、台車9の移動に伴って水槽2の長手方向に移動し、ノズルベース12の回動に伴って回転しながら横方向に移動する。
ノズル3がいずれの区間に在るかの位置検出は、始動に先立ち初期位置を初期位置近接スイッチ13で検出し、初期位置を検出した後は台車9を動かすモータ17の回転した数をパルスカウンター43で計数し、初期位置に係る信号、及び計数値に係る信号を得る制御部32で、ノズル3の位置を算出する。
【0040】
マッサージ態様例を示すと、区間速度設定器40で、首区間58aを速く、肩区間58bを遅く、背区間58cを速く、腰区間58dを遅く、下肢区間58eを速く、移動するよう設定する。
前述の設定をすると、制御部32の指示によりモータ17が所定の毎分回転数で駆動しその駆動に伴い、長手方向に移動するノズル3が、首区間58aに在る時は速く移動し、肩区間58bに在る時は遅く移動し、背区間58cに在る時は速く移動し、腰区間58dに在る時は遅く移動し、下肢区間58eに在る時は速く移動する。
【0041】
又、区間ノズル移動態様設定器66の操作により、区間毎にノズル3の移動態様を所定の態様に設定する。ノズル移動態様には、平面方向でのノズル3の回転の正転、逆転、停止、又は、小刻み、大刻み、1回転毎、複数回転毎等に正転・逆転を繰り返す等がある。区間毎にノズル移動態様を変えることによって、部位に応じた適切な範囲をマッサージでき、又、マッサージパターンに変化を付けることができるので馴れを防止できる。
【0042】
又、ポンプ23とモータ17の両部材の制御を適宜組合わせることにより「入念な強いマッサージ」や、「軽く弱いマッセージ」等、様々なマッサージ態様を作ることができる。
尚、ノズル3の移動速さ及びノズル3の噴射圧は当該作動中に変化させることも可能である。即ち、ノズル3を徐々に速く又は遅く動かしたり、又、ノズル3の噴射圧を徐々に強く又は弱く変化させることが可能である。
【0043】
アナウンス部46は、首区間58aに入る直前に「首を軽くマッサージします」と発声し、肩区間58bに入る直前に「肩を入念にマッサージします」と発声し、背区間58cに入る直前に「背を軽くマッサージします」と発声し、腰区間58dに入る直前に「腰を入念にマッサージします」と発声し、下肢区間58eに入る直前に「下肢を軽くマッサージします」と発声する。音楽音声発声部47は、ノズル3が他の区間58へ移る時に、区間58毎に予め設定した音楽を発生する。
【0044】
他のマッサージ態様例を示すと、区間強さ設定器41で、首区間58aを弱く、肩区間58bを強く、背区間58cを弱く、腰区間58dを強く、下肢区間58eを弱く、マッサージするよう設定する。
前述の設定をすると、制御部32の指示によりポンプ23が所定の毎分回転数に駆動しその駆動に伴い、長手方向に移動するノズル3が、首区間58aに在る時は、水圧の低い噴射圧で弱くマッサージし、肩区間58bに在る時は水圧の高い噴射圧で強くマッサージし、背区間58cに在る時は弱くマッサージし、腰区間58dに在る時は強くマッサージし、下肢区間58eに在る時は弱くマッサージする。
【0045】
アナウンス部46は、長手方向に移動しているノズル3が、首区間58aに入る直前に「首を弱くマッサージします」と発声し、肩区間58bに入る直前に「肩を強くマッサージします」と発声し、背区間58cに入る直前に「背を弱くマッサージします」と発声し、腰区間58dに入る直前に「腰を強くマッサージします」と発声し、下肢区間58eに入る直前に「下肢を弱くマッサージします」と発声する。
【実施例2】
【0046】
図2、5、7、8に示す実施例2は、実施例1のパルスカウンター43を、ポテンショメータ51に変えたものである。
ポテンショメータ51はネジ軸16に連動して設けられており、ネジ軸16の回転する数を計数するものである。ポテンショメータ51の抵抗値をもとに制御部32は、ノズル3の位置を判断し、更に、ノズル3の居る区間58に対応して、ノズル機構4及び水供給部5を所定の駆動態様に制御する。
【実施例3】
【0047】
図3、6、7、8に示す実施例3は、実施例1のパルスカウンター43を、近接スイッチ群52に変えたものである。
近接スイッチ群52は、水槽2の側壁に設けられ、台車9の磁石28付のアーム14の接近により作動するスイッチであり、ノズル3の位置を検出するものである。近接スイッチ群52は、長手方向に移動するノズル3が、首区間58aの上限位置で作動する首近接スイッチ53、肩区間58bの上限位置で作動する肩近接スイッチ54、背区間58cの上限位置で作動する背近接スイッチ55、腰区間58dの上限位置で作動する腰近接スイッチ56、下肢区間58eの上限位置で作動する下肢近接スイッチ57を有する。
【産業上の利用可能性】
【0048】
水槽2上面の長手方向に複数個の区間58を設定し、区間58毎に任意に設定したノズル移動速さで動く区間式水圧マッサージ機1によって、水槽2に臥した患者における首、肩、背、腰、下肢等の部位毎に好適なマッサージを施す用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例2の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例3の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例1の側面断面図である。
【図5】本発明の実施例2の側面断面図である。
【図6】本発明の実施例3の側面断面図である。
【図7】本発明の実施例1、2、3の正面断面図である。
【図8】本発明の実施例1、2、3の斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 区間式水圧マッサージ機
2 水槽
3 ノズル
7 可撓膜
9 台車
13 初期位置検出スイッチ
16 ネジ軸
32 制御部
34 水圧マッサージ機
43 パルスカウンター
46 アナウンス部
47 音楽音声発生部
51 ポテンショメータ
52 近接スイッチ群
58 区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽(2)上面に張設した可撓膜(7)上に患者が臥し可撓膜(7)を介してノズル(3)から噴射される水圧によりマッサージを行なう水圧マッサージ機(34)において、
水槽(2)の長手方向に複数個の区間(58)を設定し、水槽(2)内を長手方向に移動するノズル(3)に付いて、前記各区間(58)毎に、付与刺激の諸要素が任意に設定され、各区間(58)に対応する患者の各部位に、所期のマッサージが付与される区間式水圧マッサージ機。
【請求項2】
付与刺激の諸要素はノズル(3)の移動速さであり、区間(58)毎に、ノズル(3)の移動速さを任意に設定するものであることを特徴とする請求項1記載の区間式水圧マッサージ機。
【請求項3】
付与刺激の諸要素はノズル(3)の噴射圧であり、区間(58)毎に、ノズル(3)の噴射圧を任意に設定するものであることを特徴とする請求項1記載の区間式水圧マッサージ機。
【請求項4】
ノズル(3)がいずれの区間に在るかの位置検出は、台車(9)を動かすモータ(17)の回転した数を、モータ(17)の入力に接続されたパルスカウンター(43)で計数し、計数した値をもとに制御部(32)で、ノズル(3)の位置を算出することを特徴とする求項1記載の区間式水圧マッサージ機。
【請求項5】
ノズル(3)がいずれの区間に在るかの位置検出は、台車(9)を動かすネジ軸(16)に連動して設けられたポテンショメータ(51)で検出し、検出した値をもとに制御部(32)で、ノズル(3)の位置を算出することを特徴とする請求項1記載の区間式水圧マッサージ機。
【請求項6】
ノズル(3)がいずれの区間に在るかの位置検出は、水槽(2)の側壁に区間(58)毎に設けた近接スイッチ群(52)で検出することを特徴とする請求項1記載の区間式水圧マッサージ機。
【請求項7】
水槽(2)の長手方向に移動しているノズル(3)が当該区間(58)に入る直前に、当該区間(58)に付いて予め設定された付与刺激の度合いをアナウンスするアナウンス部(46)が付加設置されることを特徴とする請求項1記載の区間式水圧マッサージ機。
【請求項8】
区間(58)毎に予め設定した所定の音楽音声を発生する音楽音声発生部(47)が付加設置され、音楽音声発生部(47)は、水槽2の長手方向に移動しているノズル(3)が当該区間に滞在している間前記設定した所定の音楽音声を発生することを特徴とする請求項1記載の区間式水圧マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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