説明

医療用検査台、医療用検査台とともに使用される検査着、内視鏡、内視鏡補助具およびこれらを備えた医療用検査台システム

【課題】被検者の準備、交代が容易で時間がかからず、被検者の不安、恐怖心を和らげ、被検者が抱く羞恥心を緩和できる医療用検査台を提供する。
【解決手段】被検者が座る座面および座面を支持する脚部を備えた椅子型の医療用の医療用検査台であって、前記脚部は、前記座面の下部を囲んで形成され、座面にはその略中央に座面開口が開けられ、前記脚部の一部に検査開口が開けられ、前記座面開口と検査開口との間を空間によって連通した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用、特に泌尿器科、産婦人科に適した医療用検査台、医療用検査台とともに使用される検査着、内視鏡、内視鏡補助具および医療用検査台システムに関する。
【背景技術】
【0002】
産婦人科または泌尿器科において使用されている医療用検診、検査台(以下「検査台」という)は、被検者または被検者を検査台に座らせて俯仰させ、開脚させて患部を露出させ、その状態で検診、検査または処置をする方式のものであった。
【0003】
着座可能位置に回転させることができる検診台が開発されているが(特許文献1)、着座可能位置で洗浄等を行い、被検者の乗り降りを行うが、検診の際は仰向けの位置まで回転させる構成であった。
【特許文献1】特開2001-120610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の検査台または処置台では、被検者の交代に時間がかかり、検査台の準備に時間がかかり、被検者は検査台に固定され、足が床面に着かないので不安定であり不安感が大きく、恐怖心を感じる、羞恥心を感じる、などの問題があった。
【0005】
被検者が座った状態で検診検査できる検査台が無かった。
【0006】
本発明は、かかる従来の産婦人科、泌尿器科において使用されている検査台の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、
被検者の準備、交代が容易で時間がかからず、
足が床に着いて安定性が得られ、
被検者の不安、恐怖心を和らげ、
被検者が抱く羞恥心を緩和しやすい、
医療用検査台、医療用検査台とともに使用される検査着、内視鏡、内視鏡補助具およびこれらを備えた医療用検査台システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決する本発明は、被検者が座る座面および座面を支持する脚部を備えた椅子型の医療用の医療用検査台であって、前記脚部は、前記座面の下部を囲んで形成され、座面にはその略中央に座面開口が開けられ、前記脚部の一部に検査開口が開けられ、前記座面開口と検査開口との間が空間によって連通されていることに特徴を有する。
【0008】
前記脚部は、高さの中間部分が外方に膨出した樽型であることが好ましい。
前記脚部は前記空間の底面となる底部を有し、前記底面は、前記座面開口から前記検査開口に向かって滑らかに下る斜面であることが好ましい。前記検査開口は、通常は後部側に形成される。
【0009】
前記座面は、水平でもよいが、前下がりに傾斜していることが好ましい。被検者が前傾姿勢をとりやすくなる。
前記座面の後方部分には上方に突出した隆起部または背当てが形成される。被検者が着座する位置を決めやすくなる。
【0010】
前記座面と脚部との境界部分は内方に凹んだくびれ部分を形成することが好ましい。検査台カバーを止め易くなる。
前記座面は、前記脚部に対して着脱自在に形成してもよい。
前記医療用検査台の空間内に照明装置を設けてもよい。
【0011】
好ましい実施形態では、前記医療用検査台の空間には、前記検査開口から挿入された内視鏡を、その先端硬性部が前記座面開口に向く方向に可撓部または湾曲部を湾曲させて支持する内視鏡支持具を設ける。内視鏡の位置決めが容易になり、かつ操作する医師の負担が軽減される。
【0012】
さらに好ましい実施形態では、前記医療用検査台には、前記座面に被せられる縁部を有し、底部が前記検査開口に臨み、該検査開口に臨む部分に、処置具を挿入する挿入部が形成されている袋状の検査台カバーが被せられる。
前記挿入部は、スリット、蓋付きの穴、または切断容易な切れ目であって、さらに前記検査開口に臨む位置に、検査台カバーを前記検査開口から引き抜く牽引具を装着することが好ましい。
【0013】
前記医療用検査台の検査において被検者が着用する検査着であって、着座時に前記医療用検査台に被さるスカート状であることに特徴を有する。前記検査着は巻スカート状であって、腰部分には、着用位置を示す印を付し、面ファスナーを装着することが好ましい。
【0014】
医療用検査台とともに使用される内視鏡に関する発明は、先端硬性部と、操作部に接続された硬性部とを有し、前記先端硬性部と硬性部との間に、予め所定方向に湾曲した湾曲部が設けられていることに特徴を有する。
【0015】
前記湾曲部を、独立して湾曲操作可能な二つ以上の部分で形成することが好ましい。前記湾曲部を前記先端硬性部に接続し、前記湾曲部と硬性部との間に可撓部を備えてもよい。前記湾曲部は前記先端硬性部に接続し、前記湾曲部に接続される硬性部を、湾曲部と同一の曲率で湾曲させてもよい。前記操作部には、前記湾曲部とは反対方向に延びるグリップを設けることが好ましい。
【0016】
さらに別の観点からなる、医療用検査台とともに使用される内視鏡に関する発明は、先端硬性部と、操作部に接続された硬性部とを有し、前記先端硬性部と硬性部との間に、可撓部が設けられ、前記硬性部に対してスライド自在に設けられ、先端部が所定方向に湾曲した曲がり部を有するスライドガイドが設けられ、該スライドガイドがスライドすると、前記曲がり部によって前記可撓部の曲がり具合が変化することに特徴を有する。
【0017】
前記内視鏡には、前記先端硬性部には、開脚操作自在な、常時は閉じた開脚アームを備えることが好ましい。より実際的には、前記開脚アームは、後端部がヒンジを介して先端硬性部に対して回動自在に連結され、閉じたときに前記先端硬性部を覆う筒状となる半割り筒状であって、各先端部は、前記先端部硬性部の端面が露出する開口を備える。開脚アームの駆動手段は種々あるが、その後端部に連結されたケーブルによって開閉駆動、端硬性部との間に配置されたバルーンの膨張、収縮によって開閉駆動する。
【0018】
さらに別の実施形態の前記開脚アームは、パイプの先端部に連結形成され、さらに前記開脚アームの内面に突起が形成され、前記開脚アームは、パイプが少なくとも前記先端硬性部に被せられて前記先端硬性部から突出した状態では閉じていて、前記パイプが先端硬性部に対して引き込まれたときに前記突起が前記先端硬性部の角部から外周面に摺接して開くようにした。
開脚アームは前記先端硬性部を覆うように装着され、前記先端硬性部後方の太径部内から引き出されたワイヤの先端部に突起が固定され、前記開脚アームの先端部近傍の内面には前記突起を収容する凹部が形成され、前記ワイヤが牽引されたときに前記凹部から突起が出て、該突起が前記開脚アームの内周面と摺接しながら開放方向に押圧して開脚させる構成とした。
【0019】
さらに別の実施形態では、前記湾曲部よりも先端の先端硬性部には、ドーナツ型のバルーンが装着されていて、該バルーンは、送気されたときに膨張して先端硬性部よりも大径となるように形成した。
【0020】
シースと、シース内に摺動自在に挿通された軸とを有し、該シースと軸との間には、前記シースと軸の相対移動によって開閉する少なくとも一対の開脚アームを備えることもできる。
【0021】
請求項1乃至10記載の医療用検査台において使用される内視鏡を体腔内に挿入する際に補助する内視鏡補助具に関する発明は、閉じたときに先細の筒状となり、後端で軸支されて先端部が開閉する一対の半割り先細筒状部材と、該半割り先細筒状部材の先端部を開閉駆動する一対の取っ手を備え、前記一対の半割り先細筒状部材の先端部には内視鏡が通る穴を形成したことに特徴を有する。
好ましい実施形態において、前記取っ手は、前記管状部の長手方向に沿って形成する。
【0022】
請求項1乃至10のいずれか一項記載の医療用検査台が収容された被検者室を有する医療用検査台ユニットに関する発明は、所定の高さに支持され、前記医療用検査台が固定された床と、該床を囲む壁および戸によって外部と遮断され、該壁または床には、前記医療用検査台の検査開口と合致する検査窓を有することに特徴を有する。
【0023】
好ましい実施形態において、前記医療用検査台は後部に前記検査用開口を有し、該医療用検査台は後部を後方壁に当て付けて固定され、該後方壁に前記検査用開口と合致する検査窓が設けられている。前記被検者室内には、前記医療用検査台の前方に、該医療用検査台に着座した患者がもたれることができるもたれ部材を設けることが好ましい。さらに、前記もたれ部材は、患者が肘を着くことができる一対のクッションと、該クッションの間にディスプレイを設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
検査台が椅子型なので、被検者の交代時間や検査台の準備時間が短縮される。
被検者の脚が床面に着いた状態なので被検者の姿勢が安定する。
被検者の身体が拘束されないので不安、恐怖心が軽減される。
検査台カバーにより検診台が清潔に保たれ、準備時間が短縮される。
被検者から検査医師が見えないので、被検者の羞恥心が軽減される。
内視鏡操作部にガングリップタイプのグリップを設けたので、水平または上方に挿入しやすい。
検査台に内視鏡ガイドを設けたので挿入が容易になる。内視鏡ガイドにより内視鏡が支持されるので、検査中の検査医師の負担が軽減される。
補助具に貫通穴等が設けられたので、内視鏡が挿入しやすい。
補助具の開閉ハンドルを握った手で同時に内視鏡を支えることができるので、操作および挿入が容易になる。
検査台および検査室をユニット構成したので、設置が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である検査台システムの実施形態を示す側面図である。この検査台システムは、建物内に設置された、個室様式のユニット検査室10を備えている。検査医師Dは、このユニット検査室10の外であって、ユニット検査室10の後方に設けられた検査医室100において検査、検診等を行う。被検者と検査医師D師等を分離することで、被検者の羞恥心を和らげることができる。
【0026】
ユニット検査室10は、被検者室内11の床12が、設置された建物の床よりも高くなるように形成されている。この床12を囲む壁14(前方壁14a、後方壁14b、左右の側壁14c)、および天井13によって囲まれた個室としてある。そうして床12の上に椅子型の医療用検査台20が設置されている。天井13はなくてもよいが、プライバシーを保護するためには設けた方が好ましい。
【0027】
前方壁14aには、詳細は図示しないが被検者用扉が設けられ、被検者用扉の外側に、昇降手段として階段15が配置されている。被検者は、この階段15を昇降して、被検者用扉11aからユニット検査室10に出入りする。被検者用扉11aはユニット検査室の正面の左右一方に偏った位置に設けられる。被検者用扉11aは、スライドドア、またはアコーデオンドアにすれば立ちスペースを節約できる。
階段15はスロープでもよく、また階段15とスロープを並設してもよい。ユニット検査室10の被検者検査室内11が広い場合は、階段15またはスロープを被検者検査室11内に設けてもよい。
【0028】
ユニット検査室10の被検者室内11には椅子型の医療用検査台20が、被検者が前方壁14aに向かって着座する向きに後方壁14bに密着させて配置されている。さらに前方壁14aには、医師または看護士が被検者の様子を観察できるビデオカメラ16a、被検者の声が聞けるマイクロフォン16bが装着されている。これらのビデオカメラ16a、マイクロフォン16bは、通常はユニット検査室10の後方に設けられる検査医室100内に配置されたディスプレイ、スピーカーに接続されている。なお、図示しないが、照明器具は天井13等に設けられ、空調装置、換気装置も設けられる。
【0029】
前方壁14aと椅子型の医療用検査台20の間には、被検者が前傾姿勢をとり、肘をついてもたれ掛かることができるもたれ板30が設けられている。もたれ板30は、椅子型の医療用検査台20の前方の床12に、被検者が椅子型の医療用検査台20に着座、離座可能な間隔を空けて固定され、床12から鉛直に延びる幅狭な基部31aと、前方壁14aに方向に屈曲して延びる幅広の肘当て部31bとを備え、この肘当て部31bに、座面21に着座した被検者Pが肘を着いてもたれかかれることができるように形成してある。この肘当て部31bには、被検者が肘を当て易くかつ圧力が分散されるように肘当てクッション32を設ける。この肘当てクッション32は、被検者の肩幅程度離反させて一対設け、一対の肘当てクッション32の間に、モニタディスプレイ33を設けてある(図2参照)。このモニタディスプレイ33には、検査における被検者側の手順、検査、検診段階、または医者の指示を表示し、あるいは、被検者が安心できる映像などを表示する。
【0030】
さらにこの肘当て部31bには、被検者の顔を撮影できるビデオカメラ、被検者の声を拾うことができるマイクや、被検者に指示を出すことや被検者がリラックスできる音楽を流せるスピーカーを設けてもよい。
【0031】
また、この肘当て部31bには、肘当てクッション32の上方に、被検者が前頭部を載せることができる枕クッションを設けてもよい。特に枕クッションを設ける構成の場合は、肘当て部31bを凹ませる、あるいは開口部を設けるなどして、被検者Pが頭部を枕クッションに乗せた状態で、被検者Pの視線上で眼から十分離れた位置にモニタディスプレイ33を配置する。
【0032】
もたれ板30、特に肘当て部31bは、被検者の体格等に合わせて、手動または電動で、高さ、前後位置、角度調整可能にすることが好ましい。
【0033】
椅子型の医療用検査台20は、座面21が樽形状の脚部22に支持されていて、座面21の略中央に開けられた座面開口21aから、脚部22の内部の空間24、空間24の後部の検査開口23、さらに後方壁14bに開けられた検査窓14dまで連通している(図5参照)。検査医師Dは、ユニット検査室10の外であって、後方壁14bの外から、検査窓14dを通して、被検者Pの患部を検診し、また検査窓14dから内視鏡120などの検査器具を挿入し、検査開口23、空間24、座面開口21a(図5参照)を通して被検者Pの検査、検診、処置を行う。
【0034】
椅子型の医療用検査台20の空間24内には、内視鏡120を保持する内視鏡保持具40が設けられている。内視鏡保持具40は、空間24内の傾斜底面24c(図6参照)に支持された支持脚41と、この支持脚41の先端部に連結された内視鏡受け42とを備えている。この支持脚41は、傾斜底面24cに対していずれの方向にも傾き、軸回りに回転できるように、例えばピボット軸受することが好ましい。支持脚41と内視鏡受け42とは、例えば自在継ぎ手によって自由に向き、角度変更可能に連結することが好ましい。さらに支持脚41はいずれかの方向に傾いても直立状態に戻るように自立させることが好ましいが、内視鏡受け42を検査台カバー50に支持させてもよい。
【0035】
支持脚41の下端部をピボット軸受する構成としては、例えば、傾斜底面24cに、支持脚41の先端部をピボット支持できる凹みを設ける。あるいは支持脚41の下端部が移動するのを阻止する突起をU字形に設けてもよい。吸盤を支持脚41の先端部に装着して、吸盤を傾斜底面24cに吸着させてもよい。傾斜底面24cには、吸盤を吸着させる位置決めの目安となるマークを付しておくことが好ましい。
【0036】
内視鏡受け42は、検査開口23から挿入された内視鏡を座面開口21aに向かって導けるように、J字形状に湾曲され、配置されている。この内視鏡受け42は、内視鏡を挿入できるパイプでもよく、内視鏡を乗せることができるハーフパイプ形状でもよい。また、内視鏡受け42を内視鏡に固定し、検査の際に内視鏡受け42に支持脚41を連結し、支持脚41の先端部を傾斜底面24cにピボット軸受するように乗せる構成としてもよい。
【0037】
この実施形態では支持脚41を傾斜底面24cに立てる支持脚41としたが、空間24を規制する左右の内面に係合部を設けて、物干し竿のように引っかける水平の支持脚としてもよい。
【0038】
椅子型の医療用検査台20には、着脱自在な検査台カバー50が装着されている。この検査台カバー50は、座面21を覆うように着脱自在に被せられる袋状であって、底部には内視鏡受け42を支持し、内視鏡受け42を介して内視鏡120を挿入できる穴51を有する。着脱自在の検査台カバー50を設けることで、椅子型の医療用検査台20を常に清潔に保ち、かつ清掃、準備時間を短縮できる。
【0039】
このユニット検査室10で検査を受ける被検者Pは、スカート状の検査着60を着用し、この検査着60で椅子型の医療用検査台20を覆うように座面21に着座する。被検者は、自身の足、患部などが検査着60で隠されるので、羞恥心等を生じ難い。
【0040】
検査窓14dは所定の高さ、検査医師Dが椅子103に腰掛けた状態で使用しやすい高さに形成されている。検査医室100内には、種々の検査装置、器具、用具が置かれるが、図には、内視鏡プロセッサ装置111および内視鏡用モニタディスプレイ112などが乗せられた、キャスターによって自在に移動できる内視鏡キャリッジ110および内視鏡プロセッサ装置111に接続された内視鏡120を示した。内視鏡120は、操作部125からユニバーサルコード127が延びていて、ユニバーサルコード127の先端部に設けられたコネクタ128が内視鏡プロセッサ装置111のコネクタ111aに着脱自在に接続されている。
【0041】
電子内視鏡で撮像した映像を表示する内視鏡用モニタディスプレイ112は、検査窓14dの上下左右のいずれか近傍に位置調整可能に配置することが好ましいが、内視鏡用モニタディスプレイ112とは別個のモニタディスプレイをそのように配置してもよい。さらに、被検者室内11を撮像した映像を表示するモニタディスプレイを検査窓14dの近傍に設けるか、あるいは内視鏡用モニタディスプレイ112に表示してもよい。
【0042】
図3には、被検者室内11の後方壁14bを示した。後方壁14bには、点検等のために病院スタッフが出入りできる扉17a、17bが2枚設けられている。椅子型の医療用検査台20の上部には、椅子型の医療用検査台20の状態等をチェックできる小さな扉17aが、椅子型の医療用検査台20の横方向には、検査医師Dや看護士など病院スタッフが出入りできる大きな扉17bが設けられている。
床12は検査医室100の床面101よりも高い位置に設定されているので、大きな扉17bの外には踏み台または階段を配置して、病院スタッフが容易に被検者室内11内に出入りできるようにしておくことが好ましい。
【0043】
被検者室内11を壁14a乃至14cで囲んで外部と遮断したが、壁に代えて、床12の四角に柱を立てて、梁を渡して、柱の間をカーテン、アコーデオンカーテン等で囲んでもよい。
【0044】
被検者室内11の配置に関する他の実施形態を図4に示した。この実施形態では、前方壁14aに棚を一体に形成し、この棚の上にモニタディスプレイ331、カメラ16a、スピーカー16cなどを設置する構成とした。さらにこの棚の下に、被検者が肘を乗せ、寄りかかりまたは抱くことができるクッションを、棚下に納まる収納位置から引き出して使用できるように形成してもよい。
【0045】
『設置』
以上の構成からなるユニット検査室10は単独で設置することもできるが、複数を、例えば横一列に並べてもよいし、さらに検査開口を対向させて二列に並べてもよい。あるいは、ユニット検査室10(の床面)を扇型に形成して、複数を扇形に並べてもよい。
【0046】
ユニット検査室10を一列に並べた場合は、複数人の検査医師D師が互いに干渉せずに検診、検査することが可能であり、二列または円形に並べた場合は、検査医師D師が移動する距離が短くなる。
【0047】
この医療用検査台システムを構成する要素の詳細について、さらに図5乃至図30を参照して説明する。
【0048】
『椅子型の医療用検査台』
図5乃至図7は、椅子型の医療用検査台20の実施形態を示す図である。図5において、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図、(D)は平面図である。図6は、図5(A)の切断線IV-IVに沿った縦断面図、図7は、椅子型の医療用検査台の他の実施例に関する背面図である。
【0049】
この椅子型の医療用検査台20は、被検者Pが着座する座面21と、座面21を支持する脚部22を備えている。座面21は、座面開口21aを有する平面U字形状を呈し、被検者Pが開脚して座れる幅、奥行きに形成されている。座面21の左右の後端部には上方に延びる隆起部21bが形成されていて、左右の隆起部21bの間は開放されている。隆起部21bは、被検者が座面21に座る位置の目安となる。
【0050】
脚部22は、座面21から下の前面および左右両側面を覆い、高さ方向の中間部(上下の中間部)が最も膨出した膨出部22aを成す樽形を呈している。この膨出部22aは、平面視において座面21の外輪郭よりも外方に突出している。被検者は、座面21に隆起部21bに触れる位置間で深く座ることにより、両脚で膨出部22aを挟み込むようになるので、自然に開脚姿勢をとり、座面開口21aに対して患部が位置するように座ることができる。
脚部22の後部は開放されていて、座面21および脚部22の後部の開放部によって検査開口23が形成されている。
【0051】
椅子型の医療用検査台20の内部には、座面開口21aおよび検査開口23を連通する空間24が形成されていて、空間24は、前方の直立面24aからなだらかな曲面24bを介して、後方に向かって下る傾斜底面24cを有している。図示しないが、空間24の両側面24dも座面21から傾斜底面24cに向かってなだらかに下る斜面となっている。傾斜底面24cの後端縁部は、検査開口23の下端縁部を構成している。
【0052】
座面21と脚部22の境界部の外周面には、溝状に凹んだくびれ部22bが形成されている。このくびれ部22bは、この椅子型の医療用検査台20に被せられる検査台検査台カバーを止める係合部として機能する。
【0053】
また、脚部22の底部には、安定性を高めるために、図示しないが、例えば外方に延びるフランジ部または複数の脚部を形成し、フランジ部と床12とを例えばボルト締めによって固定する。別の実施形態では、脚部22の後端面(検査開口23を規制する端部外周)から外方に延びるフランジ部を設け、このフランジ部を後方壁14bに密着させてボルト等によって後方壁14bに固定してもよい。
【0054】
椅子型の医療用検査台20(座面21および脚部22)は、薬品に強く、汚れが不着し難く、洗浄が容易な素材、例えば合成樹脂、セラミックによって形成することが好ましい。表面をフッ素樹脂加工してもよい。図示実施形態は、座面21および脚部22がセラミックにより一体形成されている。
座面21の上面には、検査台カバーのなじみを促進し、減菌を可能にする、ヒーター25を、貼り付けまたは埋め込みなどによって設けることが好ましい。ヒーター25のオン/オフ、温度調整は、検査医室100に設けたスイッチ操作によって行う。
【0055】
図示実施形態の座面21は水平であるが、図5(B)に一点鎖線で示したように他の実施形態では座面21の後方を高くして前下がりの傾斜面としてもよい。前下がりの傾斜面にすると被検者が前傾姿勢となり、患部が検査開口23に向きやすくなる。また、傾斜角調整可能にしてもよい。
【0056】
検査開口23は上部が開放されたスリット状としたが、図7に示すように、隆起部21b1をブリッジ状に繋いで穴としてもよい。
【0057】
また、隆起部21bに代えて、背もたれを形成してもよい。背もたれを前傾させることで、患者が自然に前傾姿勢をとれるようになる。さらに背もたれを角度調整可能に形成してもよい。
【0058】
椅子型の医療用検査台20に座ったときに、足を乗せる足置きを設けてもよい。足置きも設けることで、患者は足の位置を迷うことがなくなる。足置きをスリッパ状にすると、足がふらつかず、被検者は安心感が得られる。好ましくは、患者の体格に合った位置に足が置けるように足置きの位置調整を可能にする。
【0059】
さらに、椅子型の医療用検査台20の両横に、肘当てを設けてもよい。被検者は、座るときおよび立ち上がるときに肘当てに手をつくことが可能になり、さらに検査中は肘当てに肘を乗せて身体を支えて、前傾姿勢を容易にとることができる。
【0060】
図8乃至図10には、椅子型の医療用検査台のさらに別の実施形態を示した。
図8に示した実施形態は、座面211を脚部221に対して着脱可能に形成したことに特徴を有する。この実施形態では、座面211を外して検査台カバーを座面211に被せ、検査台カバーの口縁部を座面211に巻き込んでから座面211を脚部221に装着する。検査台カバー50を座面211と脚部221で挟むことができるので、検査台カバー501を確実に固定することができる。
【0061】
座面211および脚部221の後端部には、座面211と脚部221との位置決めを容易にする切欠211cおよび切欠211cが嵌る突部221cを設けてあるので、座面211を脚部221に位置決めして被せる操作が容易である。座面211および脚部221の他の構成は座面21および脚部22と同様である。
【0062】
図9に示した座面の実施形態は、後方の膨出部212aを座面212および脚部222とは別体として形成し、座面212または脚部222にヒンジで回動自在に連結して、検査開口232が大きく開く方向に回動するように形成した。医療用検査台20の後部を大きく開くことができるので、清掃等の作業が容易になる。
【0063】
図10は、医療用検査台20の空間24に照明器具を装着した実施形態である。この実施形態は、傾斜底面24cに照明器具を埋め込む凹部を形成し、この凹部に、発光素子として蛍光管を備えた照明器具26を埋め込んである。この照明器具26およびその配線も密封されていて、さらにこの照明器具と凹部との間も密封されている。
【0064】
空間24に照明器具26を設けたので、被検者が座面21に座って座面開口21aが塞がれても、座面開口21aを塞ぐ部分がその照明器具で照明されるので、検診、検査が容易にできる。
【0065】
照明手段としては、発光素子として複数のLED、有機ELまたは無機ELを、空間24を形成するいずれか一つまたは複数の面に設けてもよい。
さらに別の実施形態では、発光素子としてのLED、有機ELまたは無機ELを、検査台カバーの内部に設ける。LED、有機ELまたは無機ELおよびその配線は、防水加工により絶縁する。
【0066】
『検査台カバー』
検査台カバーの他の実施形態について、さらに図11乃至図14を参照して説明する。この検査台カバーは、椅子型の医療用検査台20の被検者と接触する部分を覆って清潔を保つとともに、空間24内を覆い、さらに検査開口23側に開口を有することを基本構成としている。
【0067】
図11に示した検査台カバー501は、内視鏡保持具40を使用しない場合の検査台カバーである。この検査台カバー501は、座面21に被せる折り返し部511を有し、底部521が検査開口23内に臨む袋状である。折り返し部511は座面21および隆起部21bを覆い、折り返し部511がくびれ部22bに嵌合される。この実施例では検査台カバー501のずれを防止するために、検査台カバー501の前縁部および後縁部に固定具531を装着してある。
【0068】
検査開口23に臨む検査台カバー501の底部521には、検査医師D師が内視鏡等を挿入するために、スリット541(図12(A))、蓋551または弁、引きはがし容易なシールで封鎖された穴、紐等で絞られて開放可能な開口が形成されている。スリット等を設けずに、容易に貫通可能な素材または切れ目を形成してもよい。さらにスリット541はゴムによって弾性的に開放可能に閉鎖してもてよく、蓋551は、扉、シャッタ状、引き戸、観音開き戸などでもよい。底部521は、スリット541周辺等を透明または半透明に形成してもよい。
【0069】
検査台カバー501の底部521外面には、検査台カバー501を引き抜くための牽引具561が取り付けられている。牽引具561は、スリット541または蓋551を挟んで一対設けることが好ましいが、スリット541または蓋551を跨ぐように1個だけ設けてもよい。
【0070】
検査台カバー501は、座面21と接触する部分を硬性部材で形成し、空間24に収納される部分を軟性部材で形成してもよい。検査台への着脱が容易になる。
検査台カバー501の袋状内面に、座面開口21aから検査開口23に向かって接近する複数のリブを設けてもよい。排出物が集まり易くなる。
【0071】
検査台カバーを椅子型の医療用検査台20に装着する構造の別の実施形態を図13に示した。この実施形態は、検査台カバー502の折り返し部512の開口縁部に紐512aを通して、くびれ部22bに締め付ける巾着構造としてある。紐512aに代えてゴムを通し、ゴムの弾性力でくびれ部22bを締め付ける構造としてもよい。
【0072】
検査台カバーとは別個に、座面開口21aを塞ぐ座面開口カバーを設けてもよい。この座面開口カバーは、内視鏡等を容易に通すことができる素材で形成するか、スリット等を形成する。
【0073】
図14には、検査台カバー503内に排出物溜まり503a、523aを設けた実施形態を示した。図には、検査台に装着された際に傾斜底面24cに対向する位置に傾斜底面24cに向かって(外方に)膨出する膨出部として形成された第1排出部溜まり503aと、検査開口23に面する底部523から垂下した第2排出物溜まり523aを示したが、一方だけでもよい。
【0074】
第1排出物溜まり503aには、第1排出物溜まり503aに入った排出物が出ないようにする蓋503bを設けることが好ましい。また、この第1排出物溜まり503aには、スリット543から吸引器(吸引ノズル)が差し込まれ、溜まった排出部が吸引される。スリット543またはスリット近傍に、吸引器を固定するための固定器具503cを設けることが好ましい。
【0075】
第2排出物溜まり523aは、スリット543より下方に形成された穴から外方に膨出形成され、垂下している。検査台カバー503内を流れ下ってきた排出物は、穴から第2排出物溜まり523aに落ちて溜まる。
検査台カバー503は、筒状に形成して、第1、第2排出物溜まり503a、523aが底(最低部)となるように形成されている。
【0076】
『検査着』
検査着60の実施形態を図15に示した。この検査着60は、巻きスカート状に形成されていて、腰部分61には、着衣するときの位置が容易に分かるように前位置の目印61aが付されていて、被検者Pの胴に巻き付けて簡単に止められるように面ファスナー61bが取り付けられている。この検査着60は、後側が開くように着用される。
【0077】
検査着60の内側下部には、固定具としてフック63aが取り付けられている。一方、医療用検査台20には、フック63aを係合する固定具63bが装着される。この検査着60を着た被検者Pは、医療用検査台20に、検査着60の後側の裾62a、62bを開いて座り、フック63aを固定具63bに引っ掛ける。この引っ掛けにより、検査着60がずれたり開いたりするおそれが無くなる。なお、フック63a、固定具63bは設けなくてもよい。
【0078】
検査着60の裾62a、62bの合わせ部分は左右で色を異ならせ、あるいは矢印等を付して左右が分かりやすくしておくことが好ましい。さらに裾62a、62bを重くすれば、座ったときに裾62a、62bが床12に落ちやすくなる。
【0079】
図16に、検査着の他の実施形態を示した。この検査着601は、背後に、穴をあけ易い材質で穴あけ部分621を形成してある。被検者Pがこの検査着601を着用して座面21に座ると、穴あけ部分621が座面21の座面開口21aに位置するように形成してある。検査医師Dは、内視鏡などの検査器具でこの穴あけ部分621を破って検査する。
【0080】
検査着の他の実施形態としては、全体を伸縮性素材で形成したもの、プリーツを施したもの、後部に裂けやすい材質で裂け目を形成したものなどがある。いずれの検査着も、着用時の方向、位置決めが容易なように、腰部分等に目印を付しておくことが好ましい。検査着は、巻く、穿く、あるいは被って着用する様式のものでもよい。
【0081】
『室内構造』
ユニット検査室10の被検者室内11の他の実施形態を図17に示した。この実施形態では、もたれ板30に代えて、椅子型の医療用検査台20の前方にベッド70を配置してある。医療用検査台20の前方にベッド70が存在することで、被検者が前屈の姿勢を自然かつ自発的にとりやすくなる。
さらにベッド70が椅子型の医療用検査台20と対向する上面71の角部は突出させてあおり部72とし、あおり部72より下方の対向面は凹ませて、くびれ部73としてある。くびれ部73によって被検者の足の逃げ場が確保され、安定化する。
【0082】
また、ベッド70を上下動可能に形成すれば、上面71の高さを調整して被検者が楽にうつぶせになれる高さに設定できる。ベッド70と医療用検査台20との間隔調整可能に形成すれば、より好ましい。
なお、このベッド70は、椅子型の医療用検査台20に座った被検者が倒れ込むことができればよいので、被検者の上半身を乗せることができる長さあればよく、被検者が横になれる長さはなくてもよい。
【0083】
ベッドを使用する別の実施形態を図18および図19に示した。この実施形態では、椅子型の医療用検査台201の検査開口231をベッド701側(正面側)に設け、ベッド701と座面211とを接触させた。そうしてベッド701の下には、この検査開口231と連通する空間702を設け、この空間および検査開口から検診、検査を行う。検査医師Dは前方から検査ができる。被検者が前傾姿勢をとらなくてよいので、楽な姿勢で検査を受けることができる。
【0084】
ベッド701と座面211との間にくびれ部703を設けた。このくびれ部703に検査着を掛けることが可能になる。
【0085】
『内視鏡』
この検診台システムに適した内視鏡の実施形態について、図20および図21を参照して説明する。
【0086】
図20示した内視鏡120は、体内挿入部の先端部から、先端硬性部121、第1、第2湾曲部122、123、硬性部124および操作部125を備え、操作部125にガングリップタイプのグリップ126が固定されている。さらに操作部125からはユニバーサルコード127が延びていて(図1参照)、ユニバーサルコード127の先端部に設けられたコネクタ128が内視鏡プロセッサ装置111のコネクタ111aに着脱自在に接続されている。
【0087】
第1、第2湾曲部122、123は予め、先端硬性部121が硬性部124に対して略直交方向を向くように湾曲されていて、この湾曲状態からそれぞれが独立して湾曲操作できるように形成されている。これらの第1、第2湾曲部122、123を湾曲操作する第1、第2湾曲操作レバー122a、123aが、操作部125とグリップ126との連結部であって、親指または人差し指で操作できる位置に設けられている。さらにグリップ126の前面には、グリップ126を握った状態で人差し指で操作できる位置に2個の操作ボタン129aが設けられ、第1、第2湾曲操作レバー122a、123aの近傍にも2個の操作ボタン129bが設けられている。これらの操作ボタン129a、129bは、この内視鏡120のカメラ操作などに利用される。
【0088】
この内視鏡120は予め湾曲した第1、第2湾曲部122、123を有するので、内視鏡保持具40が不要になり、検査窓14dから楽な姿勢で検査を行うことが可能になった。さらにこの実施形態では2個の第1、第2湾曲部122、123を設けたので、先端硬性部121の方向決めの自由度が高くなり、検査医師D師はより自由に操作することができる。
【0089】
湾曲部は第1湾曲部122相当部分だけとし、第2湾曲部123相当部分は湾曲した硬性部としてもよい。あるいは1湾曲部は第1湾曲部122相当部分だけとし、第2湾曲部123相当部分は予め湾曲した可撓部としてもよい。あるいは、第1、第2湾曲部を1個の湾曲部としてもよい。
【0090】
内視鏡の他の実施形態を図21(A)、(B)に示した。内視鏡は、先端側から先端硬性部131、可撓部133、硬性部134、操作部135およびグリップ136を備えている。この実施形態では、横断面半円形状のパイプであって、先端に曲がり部141aを有して全体としてJ字形状を成すスライド内ガイド141を内視鏡の硬性部124にスライド自在に装着してある。操作部125には硬性部124との間に隙間を有する太径の固定外ガイド142の一端部を固定し、固定外ガイド142と硬性部124の隙間に、スライド内ガイド141が進退可能に挿入されている。スライド内ガイド141の先端の曲がり部141aが内視鏡の可撓部133を規制している。
【0091】
このスライド内ガイド141は、ワイヤ143に牽引されていて、このワイヤ143を操作部135のレバー137を操作して引くことにより、スライド内ガイド141が進退動して、可撓部133の曲がり具合の調整ができる。図21(A)はスライド内ガイド141を最も延びた自然状態であり、図21(B)はスライド内ガイド143を最も縮めた状態である。この実施形態では、スライド内ガイド143を縮めることにより、スライド内ガイド141先端から先端硬性部131および可撓部133が突出し、可撓部133が湾曲して先端硬性部131が任意の方向を向く。
【0092】
この実施形態の内視鏡は、スライド内ガイド141を備えているので、内視鏡保持具40が不要になる。
【0093】
スライド内ガイド141の伸縮は、検査医師D師が手で前後移動させる構成が最も単純である。この場合、スライド内ガイド141が不用意に移動しないように固定するストッパ部材を設けることが好ましい。例えば、スライド内ガイド141と固定外ガイド142との間にスライド内ガイドが移動しないように止めるストッパを設け、スライド調整する際にはストッパを解除してスライド内ガイドをスライド移動させ、調整が終了したらストッパを設定してスライド内ガイドが移動しないように固定する。
【0094】
また、先端硬性部131と可撓部133の間に湾曲部を設けて湾曲操作可能にしてもよい。
【0095】
先端硬性部121(131)は、図22(A)に示した球面形状が好ましく、この球面には、イメージガイド121aおよびライトガイド121bが臨んでいる。イメージガイド121aおよびライトガイド121bは、図示しないが公知の通り、先端硬性部121、第1、第2湾曲部122、123、硬性部124、操作部125内を導かれ、さらに操作部125からユニバーサルコード127内を導かれて、内視鏡プロセッサ装置111に導かれている。詳細は図示しないが公知の通り、内視鏡プロセッサ装置111内に設けられた光源からの照明光がライトガイドに導かれて先端硬性部から射出されて被検者を照明する。照明された被検者の像がイメージガイドによって取り込まれ、操作部内に設けられた撮像素子で映像信号に変換されて、内視鏡プロセッサ装置111内に入力され、所定の映像処理が施されて、内視鏡用モニタディスプレイ112に表示される。
【0096】
内視鏡120の照明系、撮像系の構成はこれに限定されず、公知の構成を適用できる。
【0097】
図23(A)、(B)には、拡大機構を備えた内視鏡先端部151の一例を示した。この開脚アーム152は、閉じたときに内視鏡先端部151を覆う筒状を呈していて(図23(B))、後端部の円周方向中央位置において内視鏡先端部151に可撓性部材によって枢支されていて、後端部に接続されたワイヤ153によって先端部が拡径するように開閉駆動されるように形成されている。
【0098】
また、各開脚アーム152は、閉じたときに内視鏡先端部151を筒状に覆う半割り筒状であって、さらに各先端部は丸みを帯びていて、かつ内視鏡先端部151が露出する開口152aを有している。
【0099】
『内視鏡先端拡径構造』
次に、内視鏡先端部の拡径構造の実施形態について、図24乃至図27を参照して説明する。
【0100】
図24(A)、(B)に示した内視鏡は、開脚アーム155を開放駆動する駆動手段として、バルーン156を使用している。開脚アーム155は少なくとも一対で構成され、各開脚アーム155の後端部が内視鏡先端部151に可撓性のヒンジで連結され、閉じた状態で内視鏡先端部151を筒状に包むように形成されている。これらの開脚アーム155と内視鏡先端部151との間にバルーン156を配置し、バルーン156を膨らませることにより開脚アーム155を開脚させる構成である。バルーン156は、内視鏡内を導かれたエアーパイプに接続されていて、このエアーパイプに内視鏡プロセッサ装置内のエアーポンプから空気を送り込み、膨張させて、開脚アーム155を開脚させる(図24(B))。バルーン156の空気を抜いて縮ませると、開脚アーム155が閉じる(図24(A))。なお開脚アーム155と内視鏡先端部151とを接続するヒンジは、開脚アーム155を常時閉じる方向に弾性的に付勢することが好ましい。
【0101】
図25(A)、(B)に示した実施形態は、一対の開脚アーム161をパイプ162の先端部を縦割りにして形成し、パイプ162内に内視鏡先端部151を挿通可能に挿入してある。開脚アーム161にはパイプ162との連結部近傍の内側に突起161aが設けられている。内視鏡先端部151を突起161aよりも引き込むことで開脚アーム161が閉じ(図25(A))、内視鏡先端部151を突起161aよりも突出させることで、内視鏡先端部151の外周面によって突起161aが押され、開脚アーム161が開く(図25(B))。検査医師Dが手でパイプ162を内視鏡に対して移動させることで、開脚アーム161開閉駆動させることができる。
【0102】
図26(A)、(B)に示した実施形態は、一対の開脚アーム165をワイヤ166によって開脚駆動する他の実施形態である。少なくとも一対の開脚アーム165の後端部が内視鏡先端部151に対してヒンジを介して連結され、開脚アームが閉じた状態で内視鏡先端部151を包んで筒状を成すように形成されている(図26(B))。開脚アーム165と内視鏡先端部151との間には、内視鏡先端部151に収納されたワイヤ166が突出している。ワイヤ166の先端部にはピラミッド状の突起166aが固定されていて、開脚アーム165の先端部の内面には突起166aを収容できる凹み165aが設けられている。ワイヤ166の他端は、図示しないが、内視鏡の操作部に導かれ、操作ダイヤルの軸(プーリー)に巻かれている。
【0103】
操作ダイヤルが操作されてワイヤ166が牽引されると、突起166aが凹み165aから出て、開脚アーム165の内面を摺接しながら押して開脚アーム165開脚させる(図26(B))。操作ダイヤルがフリーになると、ワイヤ166が引き出されて、開脚アームが閉じるように形成されている(図26(A))。
【0104】
図27(A)に示した内視鏡は、開脚アームに代えて、ドーナツ型バルーン171を内視鏡先端部151に嵌めた実施形態である。このドーナツ型バルーン171に送気して膨らませ、排気して萎ませる。
【0105】
図27(B)は、ド内視鏡先端部151から突出した鉗子176にドーナツ型バルーン175を設けた実施形態である。鉗子176はエアーパイプであって、この鉗子176からエアーの吸排気が行われる。
【0106】
図28および図29には、鉗子口を有する内視鏡で使用される拡大鉗子の実施形態を示した。この実施形態は、シース183内に軸184が挿入され、この軸184をシース183先端から出し入れすることで、シース183先端部に装着されたパンタグラフを開閉する構造である。
【0107】
シース183の先端面には、中心を挟んで一対のL字形のリンク182のそれぞれの一方の端部が軸183aによって連結されている。一方、軸184の先端には、一対の開脚アーム181の一方の端部が軸181aを介して連結されている。そうしてこの開脚アーム181の軸181aより先端側に、リンク182の先端部が軸182aを介して連結されて、軸184をスライダとする四節リンクが構成されている。
【0108】
この構成により、軸184がシース183内に引き込まれると一対の開脚アーム181は閉じ(図28(A))、軸184がシース183から突き出されると開脚アーム181は開く(図28(B))。
【0109】
この拡大鉗子は、開脚アーム181を閉じた状態で内視鏡185の鉗子チャネルに挿通され、先端部から突出させて使用される(図29)。
【0110】
『内視鏡補助具』
内視鏡保持具40を使用しない場合に特に有用な、内視鏡補助具の実施形態について、図30(A)、(B)、(C)を参照して説明する。この内視鏡補助具190は、閉じたときに先細の筒状となる一対の半割り先細筒状部191の先端部に内視鏡を挿通する穴192を形成し、さらに半割り先細筒状部191を開閉する取っ手193を、片手で内視鏡と一緒に把持できるように、半割り先細筒状部191と平行に設けたことに特徴を有する。
【0111】
一対の半割り先細筒状部191の一方の先端部には、内視鏡を挿通できる穴192が開けられている。一対の半割り先細筒状部191は、その太径部側の内面において、一対の取っ手193の先端部に固定されている。一対の取っ手193は、その途中部分において軸194によって揺動自在に連結されていて、一対の取っ手193を握ると、つまり取っ手193の間隔を狭めると一対の半割り先細筒状部191の先端が開き、取っ手193を開くと一対の半割り先細筒状部191が閉じるようにリンクされている。
【0112】
さらに一対の取っ手193は、内視鏡を穴192に通し易くするために、一対の半割り先細筒状部191を合わせたときの中心線よりも、一方に偏った位置に設けられている。
【0113】
半割り先細筒状部191の全体、少なくとも半割り先細筒状部191の先端部を透明部材で形成することが好ましい。補助具を通して視野が確保されるからである。穴192に代えて、一対の半割り先細筒状部191の先端部それぞれの対向部に、合わせると略円形となる半円の切欠を設けてもよい。この構成によれば、内視鏡を一対の半割り先細筒状部191の中央に位置させることができる。なお、この切欠は、合わせたときの直径が内視鏡の直径より小さくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明を適用した医療用検査台システムの実施形態を一部縦断して示す側面図である。
【図2】同医療用検査台システムのユニット検査室内の後方壁を示す図である。
【図3】同ユニット検査室内に設けられるもたれ板の実施形態を示す正面図である。
【図4】同ユニット検査室内の他の実施形態を示す側面図である。
【図5】同ユニット検査室に装備された椅子型の医療用検査台の実施形態を示す、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は背面図、(D)は平面図である。
【図6】図5(A)の切断線IV-IVに沿った縦断面図である。
【図7】本発明の椅子型の医療用検査台の第2の実施形態の背面図である。
【図8】同椅子型の医療用検査台の第3の実施形態を示す側面図であって、(A)は座面を取り外した状態を示す図、(B)は座面を装着した状態を示す図である。
【図9】同椅子型の医療用検査台の第四の実施形態を示す側面図である。
【図10】同椅子型の医療用検査台の第五の実施形態を示す縦断面図である。
【図11】同椅子型の医療用検査台に被せられる検査台カバーの第2の実施形態示す図であって、(A)は縦断面図、(B)は平面図である。
【図12】同椅子型の医療用検査台に被せられる検査台カバーの、(A)は第2の実施形態の背面を示す図、(B)は第3の実施形態の背面を示す図、(C)は第4の実施形態を示す平面図である。
【図13】同椅子型の医療用検査台に被せられる検査台カバーの第5の実施形態を示す平面図である。
【図14】同椅子型の医療用検査台に被せられる検査台カバーの第6の実施形態を示す、(A)は縦断面図、(B)は背面図である。
【図15】本発明の医療用検査台システムで使用される検査着の第1の実施形態を示す図である。
【図16】同医療用検査台システムで使用される検査着の第2の実施形態を示す背面図である。
【図17】本発明のユニット検査室内の他の実施形態を示す側面図である。
【図18】本発明のユニット検査室および椅子型の医療用検査台のさらに他の実施形態を示す側面図である。
【図19】図18に示した椅子型の医療用検査台の平面図である。
【図20】本発明の医療用検査台システムで使用される内視鏡の実施形態を示す側面図である。
【図21】同医療用検査台システムで使用される内視鏡の他の実施形態を示していて、(A)、(B)はそれぞれ異なる状態を示す図である。
【図22】同内視鏡の先端部の実施形態を示す図である。
【図23】同内視鏡の先端部に拡大機構を備えた先端部の構造を示す、(A)は開いた状態を示す断面図、(B)は閉じた状態を示す斜視図である。
【図24】同拡大機構の第2の実施形態を示す図であって、(A)は閉じた状態を、(B)は開脚した状態を示す図である。
【図25】同拡大機構の第3の実施形態を示す図であって、(A)は閉じた状態を、(B)は開脚した状態を示す図である。
【図26】同拡大機構の第4の実施形態を示す図であって、(A)は閉じた状態を、(B)は開脚した状態を示す図である。
【図27】同拡大機構の、(A)は第5の実施形態を示す図であって、(B)は第6の実施形態を示す図である。
【図28】同拡大機構を有する鉗子の実施形態を示す図であって、(A)は閉じた状態を、(B)は開脚した状態を示す図である。
【図29】同実施形態を内視鏡に適用して開脚した状態で示す図である。
【図30】本発明の医療用検査台システムで使用される内視鏡補助具の実施形態を示す、(A)は開いた状態を示す図、(B)は先端部を示す図、(C)は使用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0115】
10 ユニット検査室
11 被検者室内
12 床
14 壁
14a 前方壁
14b 後方壁
14d 検査窓
15 階段
17a 17b 扉
20 医療用検査台
21 座面
21a 座面開口
21b 隆起部
22 脚部
22a 膨出部
22b くびれ部
23 検査開口
24 空間
24c 傾斜底面
25 ヒーター
26 照明器具
30 もたれ板
31a 基部
31b 肘当て部
33 モニタディスプレイ
40 内視鏡保持具
41 支持脚
42 内視鏡受け
50 検査台カバー
51 穴
60 検査着
61 腰部分
61a 目印
61b 面ファスナー
601 検査着
621 穴あけ部分
100 検査医室
120 内視鏡
121 先端硬性部
122 第1湾曲部
123 第2湾曲部
124 硬性部
125 操作部
126 グリップ
131 先端硬性部
133 可撓部
134 硬性部
141 スライド内ガイド
142 固定外ガイド
151 内視鏡先端部
155 開脚アーム
156 バルーン
161 開脚アーム
162 パイプ
165 開脚アーム
165a 凹み
166 ワイヤ
166a 突起
171 ドーナツ型バルーン
181 開脚アーム
182 リンク
183 シース
184 軸
191 半割り先細筒状部
192 穴
193 取っ手
201 医療用検査台
211 座面
211c 切欠
212 座面
212a 膨出部
221 脚部
221c 突部
222 脚部
231 検査開口
501 検査台カバー
551 蓋
561 牽引具
502 検査台カバー
503 検査台カバー
503a 第1排出部溜まり
523a 第2排出物溜まり
503b 蓋
512 折り返し部
512a 紐
521 底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者が座る座面および座面を支持する脚部を備えた椅子型の医療用の医療用検査台であって、
前記脚部は、前記座面の下部を囲んで形成され、
座面にはその略中央に座面開口が開けられ、
前記脚部の一部に検査開口が開けられ、
前記座面開口と検査開口との間が空間によって連通されていることを特徴とする医療用検査台。
【請求項2】
前記脚部は、高さの中間部分が外方に膨出した樽型である請求項1記載の医療用検査台。
【請求項3】
前記脚部は前記空間の底面となる底部を有し、前記底面は、前記座面開口から前記検査開口に向かって滑らかに下る斜面である請求項1または2記載の医療用検査台。
【請求項4】
前記検査開口は、後部側に形成されている請求項1乃至3のいずれか一項記載の医療用検査台。
【請求項5】
前記座面は、水平または前下がりに傾斜している請求項1乃至4のいずれか一項記載の医療用検査台。
【請求項6】
前記座面の後方部分には上方に突出した隆起部または背当てが形成されている請求項1乃至5のいずれか一項記載の医療用検査台。
【請求項7】
前記座面と脚部との境界部分は内方に凹んだくびれ部分である請求項1乃至6のいずれか一項記載の医療用検査台。
【請求項8】
前記座面は、前記脚部に対して着脱自在に形成されている請求項1乃至7のいずれか一項記載の医療用検査台。
【請求項9】
前記医療用検査台の空間内に照明装置が装着されている請求項1乃至8のいずれか一項記載の医療用検査台。
【請求項10】
前記医療用検査台の空間には、前記検査開口から挿入された内視鏡を、その先端硬性部が前記座面開口に向く方向に可撓部または湾曲部を湾曲させて支持する内視鏡支持具が備えられている請求項1乃至9のいずれか一項記載の医療用検査台。
【請求項11】
前記医療用検査台には、前記座面に被せられる縁部を有し、底部が前記検査開口に臨み、該検査開口に臨む部分に、処置具を挿入する挿入部が形成されている袋状の検査台カバーが被せられる請求項1乃至10のいずれか一項記載の医療用検査台。
【請求項12】
前記挿入部は、スリット、蓋付きの穴、または切断容易な切れ目であって、さらに前記検査開口に臨む位置に、検査台カバーを前記検査開口から引き抜く牽引具が装着されている請求項11記載の医療用検査台。
【請求項13】
請求項1乃至12に記載の医療用検査台の検査において被検者が着用する検査着であって、着座時に前記医療用検査台に被さるスカート状であること、を特徴とする検査着。
【請求項14】
前記検査着は巻スカート状であって、腰部分には、着用位置を示す印が付され、面ファスナーが装着されている請求項13記載の検査着。
【請求項15】
請求項1乃至12記載の医療用検査台とともに使用される内視鏡であって、
先端硬性部と、操作部に接続された硬性部とを有し、
前記先端硬性部と硬性部との間に、予め所定方向に湾曲した湾曲部が設けられていることを特徴とする内視鏡。
【請求項16】
前記湾曲部は、独立して湾曲操作可能な二つ以上の部分からなる請求項15記載の内視鏡。
【請求項17】
前記湾曲部は前記先端硬性部に接続され、前記湾曲部と硬性部との間に可撓部を備えている請求項15記載の内視鏡。
【請求項18】
前記湾曲部は前記先端硬性部に接続され、前記湾曲部に接続される硬性部が、湾曲部と同一の曲率で湾曲している請求項15記載の内視鏡。
【請求項19】
請求項1乃至12記載の医療用検査台とともに使用される内視鏡であって、
先端硬性部と、操作部に接続された硬性部とを有し、
前記先端硬性部と硬性部との間に、可撓部が設けられ、
前記硬性部に対してスライド自在に設けられ、先端部が所定方向に湾曲した曲がり部を有するスライドガイドが設けられ、
該スライドガイドがスライドすると、前記曲がり部によって前記可撓部の曲がり具合が変化することを特徴とする内視鏡。
【請求項20】
前記操作部には、前記湾曲部とは反対方向に延びるグリップが固定されている請求項15乃至19のいずれか一項記載の内視鏡。
【請求項21】
前記先端硬性部には、開脚操作自在な、常時は閉じた開脚アームが備えられている請求項15乃至20のいずれか一項記載の内視鏡。
【請求項22】
前記開脚アームは、後端部がヒンジを介して先端硬性部に対して回動自在に連結され、閉じたときに前記先端硬性部を覆う筒状となる半割り筒状であって、各先端部は、前記先端部硬性部の端面が露出する開口を有する請求項21記載の内視鏡。
【請求項23】
前記開脚アームは、その後端部に連結されたケーブルによって開閉駆動される請求項21または22記載の内視鏡。
【請求項24】
前記開脚アームは、先端硬性部との間に配置されたバルーンの膨張、収縮によって開閉駆動する請求項21または22記載の内視鏡。
【請求項25】
前記開脚アームは、パイプの先端部に連結形成され、さらに前記開脚アームの内面に突起が形成され、前記開脚アームは、パイプが少なくとも前記先端硬性部に被せられて前記先端硬性部から突出した状態では閉じていて、前記パイプが先端硬性部に対して引き込まれたときに前記突起が前記先端硬性部の角部から外周面に摺接して開く請求項21または22記載の内視鏡。
【請求項26】
前記開脚アームは前記先端硬性部を覆うように装着され、前記先端硬性部後方の太径部内から引き出されたワイヤの先端部に突起が固定され、前記開脚アームの先端部近傍の内面には前記突起を収容する凹部が形成され、前記ワイヤが牽引されたときに前記凹部から突起が出て、該突起が前記開脚アームの内周面と摺接しながら開放方向に押圧して開脚させる請求項21記載の内視鏡。
【請求項27】
前記湾曲部よりも先端の先端硬性部には、ドーナツ型のバルーンが装着されていて、該バルーンは、送気されたときに膨張して先端硬性部よりも大径となる請求項15乃至20のいずれか一項記載の内視鏡。
【請求項28】
請求項1乃至12記載の医療用検査台とともに使用される内視鏡であって、
シースと、シース内に摺動自在に挿通された軸とを有し、該シースと軸との間には、前記シースと軸の相対移動によって開閉する少なくとも一対の開脚アームが設けられている内視鏡。
【請求項29】
請求項1乃至10記載の医療用検査台において使用される内視鏡を体腔内に挿入する際に補助する内視鏡補助具であって、
閉じたときに先細の筒状となり、後端で軸支されて先端部が開閉する一対の半割り先細筒状部材と、
該半割り先細筒状部材の先端部を開閉駆動する一対の取っ手を備え、
前記一対の半割り先細筒状部材の先端部には内視鏡が通る穴が形成されていることを特徴とする内視鏡補助具。
【請求項30】
前記取っ手は、前記管状部の長手方向に沿って形成されている請求項29記載の内視鏡補助具。
【請求項31】
請求項1乃至10のいずれか一項記載の医療用検査台が収容された被検者室であって、
所定の高さに支持され、前記医療用検査台が固定された床と、
該床を囲む壁および戸によって外部と遮断され、
該壁または床には、前記医療用検査台の検査開口と合致する検査窓を有すること、を特徴とする医療用検査台システム。
【請求項32】
前記医療用検査台は後部に前記検査用開口を有し、該医療用検査台は後部を後方壁に当て付けて固定され、該後方壁に前記検査用開口と合致する検査窓が設けられている請求項31記載の医療用検査台システム。
【請求項33】
前記被検者室内には、前記医療用検査台の前方に、該医療用検査台に着座した患者がもたれることができるもたれ部材が設けられている請求項32記載の医療用検査台システム。
【請求項34】
前記もたれ部材は、患者が肘を着くことができる一対のクッションと、該クッションの間にディスプレイが設けられている請求項33記載の医療用検査台システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2008−119021(P2008−119021A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302691(P2006−302691)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(590001452)国立がんセンター総長 (80)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【出願人】(506374384)株式会社柿沼製作所 (3)
【Fターム(参考)】