説明

印刷はんだ検査装置および印刷はんだ検査方法

【課題】プリント板上の測定しようとするはんだ箇所に対し、高さの基準となる基準面を設定し、その基準面に対するはんだの高さを求めるときに、部品実装後のプリント板を分割するために加工された分割用加工部の影響を受けないようにする技術を提供する。
【解決手段】変位センサがはんだが印刷されたプリント板を光学的に計測し、このプリント板の高さの変位を示す変位情報を出力し、分割ライン決定部がプリント板を分割するための分割用加工部を変位情報に基づき検出し、プリント板の分割ラインを分割ライン情報として出力する。基準面算出領域設定手段は、分割ライン情報を受け分割ラインの内側の領域内に基準面算出領域を設定し、基準面算出手段が基準面算出領域内の変位情報に基づいて、基準面算出領域に形成される平面を基準面として設定する。変位測定部は、はんだ箇所のはんだの高さを、はんだ箇所の変位情報と設定された基準面とから算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品等を表面実装するために表面にクリーム状のはんだが印刷されたプリント板に光を照射して、その反射光を基にはんだの高さ(変位)を測定し、はんだの形成状態を検査する印刷はんだ検査装置及びその方法に関する。
【0002】
本発明における印刷はんだ検査装置は、測定しようとするはんだ箇所に対し、はんだの高さの基準となる基準面を設定し、その基準面に対するはんだの高さを求めるものであるが、本発明は特に、部品実装後のプリント板を分割するために加工された分割用加工部を考慮して、はんだの高さを測定する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
はんだの印刷を行う分野からは、印刷されたはんだ量を正確に知りたい、そのために、はんだを印刷する箇所であるパッドの面(以下、「パッド面」と言う。)からその上に実際に印刷されたはんだの高さを測定したいという要望が、多くなってきた。
【0004】
従来、印刷されたはんだの高さをレジスト部の下部にあるパッド面からの高さとして測定する技術がある(特許文献1、特許文献2)。
【0005】
特許文献1および特許文献2では、測定しようとするはんだの周辺から、レジスト部の下部のパッド面を見つけ、そのパッド面の高さを基準として印刷されたはんだの高さを求める。このとき、高さの基準とするレジスト部の下部のパッド面を、測定しようとするはんだの周囲近傍に求めることを推奨している。これは、測定しようとするはんだから遠いところを高さの基準とすると、プリント板の反りの影響を受けやすいため、その影響を軽減するためである。また、レジスト部の下部のパッド面を、測定しようとするはんだの周囲近傍に複数求め、その平均値を高さの基準とすることを推奨し、より正確な測定を行なうようにしている。
【0006】
プリント板の反りのほかに、測定に影響を与えるものとして、部品実装後のプリント板分割のために加工された分割用加工部がある。プリント板分割のための分割用加工部の一つであるV溝の有無を検出する技術がある(特許文献3)。
【0007】
特許文献3では、プリント板の表面に対して斜めに光ビームを照射すると、V溝が存在するときと存在しない時でその反射の方向が変わるので、この光ビームの反射光の強度を検知することによってV溝の有無を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−44024号公報
【特許文献2】特開2010−139445号公報
【特許文献3】特開平7−142838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
印刷されたはんだの高さをパッド面からのはんだの高さとして測定する場合、その高さの基準となるレジスト部の下部のパッド面を測定しようとするはんだの周辺近傍に求めたいが、一般的にプリント板上でパッド面が占める面積は少ない。
【0010】
したがって、特許文献1や特許文献2により、測定しようとするはんだの周辺近傍に高さの基準となるレジスト部の下部のパッド面を求め、はんだの高さを測定しようとしても、測定しようとするはんだの周辺近傍には、レジスト部の下部のパッド面が存在せず、離れた位置のレジスト部の下部のパッド面を選択せざるを得ない場合がある。
【0011】
離れた位置のレジスト部の下部のパッド面を選択した場合、部品実装後のプリント板分割のために加工された分割用加工部があると、その影響によりプリント板に局部的な傾斜が生じ測定に影響を与え、正しく測定できない可能性がある。
【0012】
部品実装後のプリント板分割のために加工された分割用加工部としては、V溝加工機により断面がV字型に加工されたV溝や、ルータなどによりプリント板の裏面まで穴状に貫通したスリット等がある(以下、プリント板分割のために加工された分割用加工部を「加工溝」ともいう)。
【0013】
本発明の目的は、はんだの高さを測定する際に部品実装後のプリント板を分割するために加工された加工溝の影響を受けないようにする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、はんだが印刷されたプリント板を光学的に計測し、該はんだが印刷されたプリント板の高さの変位を示す変位情報を出力する変位センサ(2)と、
前記プリント板上に印刷された検査対象であるはんだ箇所を含む領域を、基準面を算出するための領域となる基準面算出領域として設定する基準面算出領域設定手段(60)と、
前記基準面算出領域設定手段で設定された前記基準面算出領域内の前記変位情報に基づいて、前記基準面算出領域に変位情報の基準となる平面を算出し基準面として設定する基準面算出手段(70)と、
前記プリント板上に印刷された検査対象であるはんだ箇所のはんだの高さを前記基準面算出手段で設定された前記基準面からの高さとして、前記プリント板上に印刷されたはんだ箇所の前記変位情報と前記基準面とから算出する変位測定部(10)とを備えた印刷はんだ検査装置において
前記プリント板を分割するために加工された分割用加工部を前記変位情報に基づき検出し、該プリント板の分割ラインを決定し分割ライン情報として出力する分割ライン決定部(50)を備え、
前記基準面算出領域設定手段(60)は、前記分割ライン決定部が出力した前記分割ライン情報を受けて前記プリント板の分割ラインの内側の領域内に前記基準面算出領域を設定することを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記分割ライン決定部は、前記プリント板を分割するために加工された分割用加工部を前記変位情報に基づき検出する加工溝検出手段(50a)と、前記加工溝検出手段で検出された分割用加工部に基づき、分割前のプリント板を固定するために分割用加工部が加工されず結合されている箇所を検出し、当該箇所を分割用加工部とみなす加工溝連結手段(50b)とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、表示手段(6c)と操作手段(6b)と、
該表示手段に、前記基準面算出領域を表示させるとともに、該操作手段により入力された該基準面算出領域から対象外とする領域を指定する境界線を表示させ、さらに該境界線の位置を示す境界線情報を出力する表示制御手段(6a)とを備え、
前記基準面算出領域設定手段は、前記表示制御手段から前記境界線情報を受け、前記操作手段により指定された境界線の内側の領域内に前記基準面算出領域を設定することを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3に記載の発明において、前記変位センサは、はんだが印刷されたプリント板に光を照射する光源(OS)と、該プリント板上の照射位置の反射光を検出し、当該照射位置の高さの変位を示す変位情報を出力する受光手段(D)とを含んで成る。
【0018】
請求項5に記載の発明は、はんだが印刷されたプリント板を光学的に計測し、該プリント板上の高さの変位を示す変位情報を出力する段階と、
前記プリント板上に印刷された検査対象であるはんだ箇所を含む領域を、基準面を算出するための領域となる基準面算出領域として設定する段階と、
設定された前記基準面算出領域内の前記変位情報に基づいて、前記基準面算出領域に変位情報の基準となる平面を算出し基準面として設定する段階と、
前記プリント板上に印刷された検査対象であるはんだ箇所のはんだの高さを前記基準面からの高さとして、前記プリント板上に印刷されたはんだ箇所の前記変位情報と前記基準面とから算出する段階とを備えた印刷はんだ検査方法において
前記プリント板を分割するために加工された分割用加工部を前記変位情報に基づき検出し、該プリント板の分割ラインを決定し分割ライン情報として出力する段階を備え、
前記基準面算出領域を設定する段階は、前記分割ライン情報を受けて前記プリント板の分割ラインの内側の領域内に前記基準面算出領域を設定することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記分割ラインを出力する段階は、前記プリント板を分割するために加工された分割用加工部を前記変位情報に基づき検出する段階と、該検出された分割用加工部に基づき、分割前のプリント板を固定するために分割用加工部が加工されず結合されている箇所を検出し、当該箇所を分割用加工部とみなす段階とを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載の発明において、前記基準面算出領域を表示させるとともに、該基準面算出領域から対象外とする領域を指定するために入力された境界線を表示させ、さらに該境界線の位置を示す境界線情報を出力する段階とを備え、
前記基準面算出領域を設定する段階は、前記境界線情報を受け、前記指定された境界線の内側の領域内に前記基準面算出領域を設定することを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項5から請求項7に記載の発明において、前記変位情報を出力する段階は、前記はんだが印刷されたプリント板に光を照射する段階と、該プリント板上の照射位置の反射光を検出し、当該照射位置の高さの変位を示す変位情報を出力する段階とを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、部品実装後のプリント板を分割するために加工された分割用加工部を考慮して基準面を設定するので、分割用加工部によりプリント板に生ずる局部的な傾斜の影響を受けず正確にはんだの高さを測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】印刷はんだ検査装置の実施形態の機能構成を示す図である。
【図2】図1の測定検査部の変位測定部の機能構成を示す図である。
【図3】分割基板固定のための結合箇所を検出するフローを示す図である。
【図4】加工溝を考慮した基準面を算出するフローを示す図である。
【図5】加工溝を考慮した基準面算出領域の設定を説明するための図である。
【図6】図1の検査部の機能構成を示す図である。
【図7】基準面算出領域および入力された境界線の表示手段への表示例を示す図である。
【図8】格子縞投影法による変位センサの機能構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明に係る印刷はんだ検査装置の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、印刷はんだ検査装置の機能構成を示す図である。図2は、図1の測定検査部の変位測定部の機能構成を示す図である。図3は、分割基板固定のための結合箇所を検出するフローを示す図である。図4は、加工溝を考慮した基準面を算出するフローを示す図である。図5は、加工溝を考慮した基準面算出領域の設定を説明するための図である。図6は、図1の検査部の機能構成を示す図である。図7は、基準面算出領域および入力された境界線の表示手段への表示例を示す図である。図8は、格子縞投影法による変位センサの機能構成を示す図である。
【0025】
図1に示すように、変位センサ2は光源OSと受光手段DTとで構成され、さらに、一枚の板状のプリント板(以下「基板」と言う)1あるいは平板上の基台(以下、「基台」と言う。不図示)に、第1の近赤外光源OS1aと、第1の受光手段D1と、第2の受光手段D2と、第2の近赤外光源OS2aと、第3の受光手段D3と、を互いの位置関係を測定可能に固定して形成されている。
【0026】
第1の近赤外光源OS1aは、波長が0.76〜0.9μm内のいずれかの光を発生し、基板1の表面の測定点を垂直方向から第1光軸に沿って光(以下、光のビームであるが「光」と称する。)を照射する位置にある。第1の近赤外光源OS1aの波長を0.76〜0.9μmとしたのは、レジスト1aを垂直に入射した場合にそのレジスト1aを透過する波長であること(ほぼ0.76μm以上)、そして、入手しやすい或いは安価なものであること(ほぼ0.9μm以下、)からである。ここに例示した波長は一例であり、当該目的(レジストを透過し、入手しやすい或いは安価)を満足できれば限定されるものではない。さらにレジストを透過させる必要がない場合には、波長の条件はこの限りではない。
【0027】
第1の受光手段D1は測定点にて該第1の光軸に対して第1の角度θ1で形成される第1の散乱反射光路上に配置されている。第2の受光手段D2は、第1の光軸に対して第1の散乱反射光路と反対側に第2の角度θ2で形成される第2の散乱反射光路上に配置されている。第1の受光手段D1及び第2の受光手段D2は、散乱反射光を受光している(以上が「第1のセンシング手段」である)。第2の近赤外光源OS2aは、波長が0.76〜0.9μm内のいずれかの光(ビーム)を発生し、第1の光軸に対して斜めの角度θ3を成す第2の光軸の光で測定点を照射する。そして第3の受光手段D3は、測定点にて第2の光源の第2の光軸に対して第3の角度2θ3で形成される正反射光路上に配置され、正反射光を受光している(以上が、「第2のセンシング手段」である。)。
【0028】
また、第1の受光手段D1、第2の受光手段D2のそれぞれは、所定長さの受光面を有し、測定点からの散乱反射光を受光したときの該所定長さ方向における受光位置に応じて光変位情報を検出する位置検出器(PSD:Position Sensitive Detector)が用いられている。PSDは、長さ方向に光検出素子が配置され、その長さ方向の両端からの位置を示す情報としてそれらの各端部からその位置に応じた電気量である出力A、出力Bが出力されるとその変位情報は(A−B)/(A+B)で示される。PSDは、測定点の変位により受光位置が変わり、その受光位置に応じた電気量を出力する素子、つまり変位を電気量に表して出力する素子である。PSDの代わりに、フォトダイオード・アレイやCCD等で直接、受光位置の変位を示す情報として出力する構成としても良い。
【0029】
第1の受光手段D1、第2の受光手段D2のそれぞれは、測定点がはんだ1bの場合は、その表面からの反射光を受けてその変位を検出し、測定点が透過性を有するレジスト1aの場合は、その底部の変位、つまり底部にあるパッド1c、もしくはパッド1cが無い基板1そのものの表面の変位を検出することになる。
【0030】
また、測定点がV溝の場合は、加工溝の底部からの反射光を受けてその変位を検出し、測定点がスリットの場合は、基板1の裏面まで貫通しているため、反射がおこらず、反射光が検出されない。
【0031】
第1の受光手段D1の出力A1,B1、第2の受光手段D2の出力A2,B2は、変位測定部10で高さデータの算出に用いられる。
【0032】
また、第1の受光手段D1、第2の受光手段D2のそれぞれは、測定点における光量情報(輝度データ)も併せて、変位測定部10へ出力する。これらを、変位測定部10は、レジスト1aの下部にパッド1cが在るか無いか(無い場合は、基板1そのものの表面になる。)どうかの判定に利用する。
【0033】
さらに、第3の受光手段D3は、斜めに照射された光は測定点がはんだ1bであるか、レジスト1aであるかに拘わらずそれらの表面(透過しない)で反射するのでその反射光量を測定して光量情報(輝度データ)を変位測定部10へ出力する。この光量情報は、変位測定部10で測定点がレジスト1aかはんだ1bかの判定に用いられる。
【0034】
なお、図1で、走査機構30は、不図示の駆動機構を有し、基板1,もしくは変位センサ2、或いはそれらの双方を相対的に移動させることにより、光の照射位置(測定位置)を走査させる。図1において変位センサ2を、第1の受光手段D1等の各要素が配列された配列方向と直交する方向(図1の紙面に直交する奥行き方向)へ主走査させながら変位測定をさせ、主走査を終了すると、次に配列方向(図1の紙面に平行な方向)に移動(副走査)して、位置を変えて主走査して変位測定を行う。この動作を繰り返すことにより、基板1の、所望範囲についての変位測定を行わせる。なお、走査方向は一例であり、他の方向であっても良い。
【0035】
制御部40は、ユーザインターフェース6等からの指示により、例えば、はんだが印刷された基板1の所望測定範囲の指示を受け、その所望範囲についての走査指示を走査機構30へ送って上記のように光の照射位置(測定位置)を走査させる。走査にあたっては、第1の近赤外光源OS1aと第2の近赤外光源OS2aが同一波長の光源を利用した場合であって正反射光と散乱反射光との相互干渉の問題が無ければそれらの光源による同時照射でもよい。この相互干渉が問題になる場合は、基板1上の同一の走査位置(測定点)で第1の近赤外光源OS1aと第2の近赤外光源OS2aを交互に切り替える構成とする。異なる波長の光源を利用した場合は、波長選択フィルターで区別して検出できるので必ずしも切り替える必要はなく、同時に出力させる構成としても良い。
【0036】
変位測定部10は、図2に示すように、データ処理部11、測定点判定部12、及び測定演算部13で構成される。
【0037】
データ処理部11及び測定演算部13は、各受光手段からの出力を基に測定点における変位(データ)を算出している。そして、測定点判定部12によりレジスト1aとはんだ1bが識別されて、かつ基準面算出手段70から受けた、高さを求めようとするはんだ1b(以下、「高さを求めようとするはんだ1b」を「測定対象はんだ箇所」という。)に対して算出された基準面からのはんだ高さを算出している。なお、基準面の説明は後述する。
【0038】
変位測定部10は、具体的には、加算器11a、加算器11b、演算部11c、メモリ11d、測定点判定部12及び測定演算部13が、次の(1)〜(4)の動作を行う。
(1)変位センサ2が走査機構30の制御により、基板1上を相対的に走査する。そして、上記の第1の受光手段D1と第2の受光手段D2で受光する。加算器11aは、第1の受光手段D1の出力A1及び第2の受光手段D2が出力するA2を受けて、Ax=A1+A2を算出して出力する。加算器11bは、第1の受光手段D1の出力B1及び第2の受光手段D2が出力するB2を受けて、Bx=B1+B2を算出して出力する。
【0039】
(2)演算部11cは、Ax=A1+A2及びBx=B1+B2より、変位出力Lx=(Ax−Bx)/(Ax+Bx)を算出し、これを制御部40の指示で変位センサ2を走査している走査機構30の測定点(走査位置)に対応して、メモリ11dに記憶させる。
このとき、測定点がレジスト1aである場合における変位出力は、レジスト1aの底部における変位を示す。その底部にパッド1cがある場合はそのパッド1cの変位であり、基板1そのものであればその表面の変位である。
【0040】
つまり、上記したように、第1の近赤外光源OS1aの波長が0.76〜0.9μmとされ、レジスト1aを垂直に入射した場合には、そのレジスト1aを透過しパッド1cもしくは基板1で反射した反射光を受けて測定された変位であるからである。
また、測定点が加工溝の場合、次のようになる。加工溝がV溝である場合の変位出力は、V溝の底部における変位を示す。加工溝がスリットである場合の変位出力は、値なし(ゼロ)となる。これは、測定点がスリットである場合には、基板1の裏面まで加工溝が貫通しているため、反射がおこらず、反射光が検出されないからである。
【0041】
(3)一方、測定点判定部12は、第3の受光手段D3の出力(輝度データ)を受けて、測定点がはんだ1bとレジスト1aとでは、反射光の光量(輝度)が違うことを利用して、変位センサ2の測定点(走査位置)がはんだ1bであるか、レジスト1aであるかを識別している。
【0042】
つまり、測定点判定部12は、予めはんだ1bを特定するための輝度の閾値(或いは閾値範囲)と、レジスト1aを特定するための輝度の閾値(或いは閾値範囲)を記憶しておいて、第3の受光手段D3の出力とそれらの閾値を比較して、はんだ1bとレジスト1aとを識別している。
さらに、第1の受光手段D1又は/及び第2の受光手段D2からの光量情報を受けて、レジスト1aと識別された測定点について、レジスト1aの底部にパッド1cがあるかどうかを識別している。
【0043】
つまり、パッド1cがある場合は光量が大きくなり、パッド1cがない場合は、光量が小さいので、予めそれらを識別する閾値(或いは閾値範囲)を記憶しておいて、測定点がレジスト1aであるところの第1の受光手段D1又は/及び第2の受光手段D2からの光量情報と比較して識別している。
【0044】
そしてその識別結果を受けて、測定点の位置情報、その測定点における変位出力Lx、及びその測定点の識別結果をメモリ11dに記憶させている。したがって言い方を換えれば、変位出力Lxを、はんだ1bの変位出力をLh、レジスト1aの底部にパッド1cがあるときの変位出力をLrpと区別して記憶されている。
【0045】
(4)測定演算部13は、後述する基準面算出手段70から測定対象はんだ箇所の基準面の変位出力Lbを受けておく。
そして、測定対象はんだ箇所が測定点であったときの変位出力Lhをメモリ11dから読み出して、測定対象はんだ箇所における、基準面の変位出力Lbを基準とするはんだ1bの高さL=Lh−Lbを求める。
【0046】
分割ライン決定部50は、図1で示す様に加工溝検出手段50aと加工溝連結手段50bとで構成される。
【0047】
加工溝検出手段50aは、図2に示す変位測定部10内のデータ処理部11のメモリ11dに記憶された測定点の位置情報とその測定点における変位出力を読み出し、測定点がはんだ1bもしくはレジスト1aである場合と加工溝である場合とでは、変位出力の範囲が違うことを利用して、測定点に加工された加工溝を検出する。
【0048】
つまり、測定点が加工溝である場合は、測定点がはんだ1bもしくはレジスト1aである場合に比べて測定点の高さが低く、または測定できなくなるので、予め、はんだ1bもしくはレジスト1aと、加工溝とを識別するための変位出力の閾値(或いは閾値範囲)を記憶しておいて、測定点における変位出力と比較して、加工溝を検出している。
【0049】
加工溝検出手段50aによる加工溝の検出に続く処理を図1を用いて説明する。加工溝検出手段50aで加工溝と検出された測定点は、その測定点の位置情報を加工溝連結手段50bへ出力する。
この加工溝の検出は、変位測定部10内のデータ処理部11のメモリ11d(図2に図示)に記憶された測定点の全てについて行う。ただし、ユーザインターフェース6等からの指示により、基板1の所望測定範囲の指示を受け、その所望範囲についてのみ行っても良い。
【0050】
加工溝連結手段50bは、加工溝検出手段50aで検出された加工溝に基づき、本来ならば分割のために加工溝が加工される箇所であるが、分割前の基板1を固定するために加工溝が加工されていない箇所(以下、「本来ならば分割のために加工溝が加工される箇所であるが、分割前の基板1を固定するために加工溝が加工されていない箇所」を、「分割基板固定のための結合箇所」という)を検出し、この検出した箇所を加工溝とみなし、加工溝検出手段50aで加工溝と検出された測定点の位置情報と、加工溝連結手段50bで加工溝とみなさた箇所の位置情報とを、後述する基準面算出領域設定手段60および、基準面算出領域設定手段60を通じてユーザインターフェース6へ、分割ライン情報として出力する。なお、V溝のように、分割基板固定のための結合箇所がない場合には、加工溝検出手段50aで検出された測定点の位置情報のみ基準面算出領域設定手段60へ出力すればよい。
【0051】
ここで、加工溝連結手段50bは、分割基板固定のための結合箇所を検出するための加工溝の終端間の距離の閾値(あるいは閾値範囲)と角度の閾値(あるいは閾値範囲)とを予め記憶しておき、加工溝検出手段50aで検出された加工溝の位置情報から加工溝の終端を検出し、その終端間の距離と角度を予め記憶しておいた閾値(あるいは閾値範囲)と比較して、分割基板固定のための結合箇所を検出する。
【0052】
つまり、加工溝連結手段50bは、分割基板固定のための結合箇所は、その両端に加工溝が加工されており、その加工溝の終端間の距離はある距離よりも短く、かつ、終端間の角度はある範囲内となることを利用して、分割基板基板固定のための結合箇所を検出する。
【0053】
ここで、加工溝検出手段50aで検出された加工溝に基づき、加工溝連結手段50bにより分割基板固定のための結合箇所を検出する処理を図3を用いて説明する。
加工溝検出手段50aで加工溝と検出された測定点の位置情報を収集する(S10)。
次に、収集した測定点の位置情報を用いて、検出された加工溝の終端を検出する。複数ある場合は全ての加工溝の終端を検出する(S20)。次に、検出した加工溝の終端間の距離と角度を算出する(S30)。そして、この算出した加工溝の終端間の距離が、予め記憶しておいて距離より短く、かつ、加工溝の終端間の角度が、予め記憶していた角度の範囲にあるという条件を満たす加工溝の終端間(分割基板固定のための結合箇所)を検出する。複数ある場合は全ての分割基板固定のための結合箇所を検出する(S40)。
【0054】
図1に示す基準面算出手段70は、後述する基準面算出領域設定手段60で設定された基準面算出領域を受け、変位測定部10内のデータ処理部11のメモリ11d(図2に図示)から、基準面算出領域内に対応する測定点のうち、レジスト1aの底部にパッド1cがあるときの変位出力Lrpを収集し、収集した変位出力Lrpとその位置情報とに基づき、基準面算出領域内にレジスト1aの底部のパッド1cで仮想的に形成される平面を基準面とし、その変位出力を基準面の変位出力Lbとして算出する。
【0055】
なお、基準面の変位出力Lbの算出には、収集した変位出力Lrpの平均値を求めることにより算出しても良いが、収集した変位出力Lrpとその位置情報に基づき補間処理を行い平面を算出し、この平面の変位出力とすることが好ましい。なお、平面の算出は、収集した変位出力Lrpが最低3ヶあれば可能である。
【0056】
基準面算出領域設定手段60は、変位測定部10から受ける高さを求めようとするはんだ1b(測定対象はんだ箇所)の位置情報に対し、前述の分割ライン決定部50から出力される分割ライン情報、および後述するユーザインターフェース6から設定される境界線情報に基づき、基板1に加工された加工溝を考慮した基準面を算出するための領域である基準面算出領域を設定する。
【0057】
基準面算出領域設定手段60により基準面算出領域を設定し、設定された基準面算出領域を受け、基準面算出手段70により基準面の変位を算出する手順について図4を用いて説明する。
【0058】
変位測定部10から測定対象はんだ箇所の位置情報を受ける(S100)。次に、この測定対象はんだ箇所を中心とする、予め記憶されている大きさの基準面算出領域(初期基準面算出領域)を設定する(S110)。ここで、初期基準面算出領域としては四角形を基本するが、円形やその他の形であっても良い。
【0059】
次に、設定された基準面算出領域から、分割ライン決定部50で決定された分割ラインおよび、後述するユーザインターフェース6で設定される境界線を越えた範囲を基準面算出領域から対象外とし、分割ライン決定部50で決定された分割ラインおよび、後述するユーザインターフェース6で設定される境界線の内側に新たな基準面算出領域を設定する(S120)。ここで、設定された基準面算出領域から分割ラインおよび境界線を越えた領域を対象外とし、分割ライン決定部50で決定された分割ラインおよび、後述するユーザインターフェース6で設定される境界線の内側に新たな基準面算出領域を設定することは、分割ラインおよび境界線で囲まれた範囲内に新たな基準面算出領域を限定することと同じことでもある。
【0060】
次に、変位測定部10内のデータ処理部11のメモリ11dを検索し、設定された基準面算出領域内の測定点の内、レジスト1aの底部にパッド1cがある測定点の数を計数する(S130)。次に、計数した測定点の数が予め記憶されている目標測定点数を越えているか判定する。ここで、目標測定点数を越えているときは、この設定された基準面算出領域が、決定された基準面算出領域となる(S140)。
【0061】
(1)判定の結果、目標測定点数を越えているとき
決定された基準面算出領域内に対応する測定点のうち、レジスト1aの底部にパッド1cがあるときの変位出力Lrpを変位測定部10内のデータ処理部11のメモリ11dから収集し、収集した変位出力Lrpとその位置情報とに基づき、基準面算出領域内にレジスト1aの底部のパッド1cで仮想的に形成される平面を基準面とし、その変位出力を基準面の変位出力Lbとして算出する(S160)。
【0062】
(2)判定の結果、目標測定点数をこえていないとき
設定されている基準面算出領域を、予め記憶されている値だけ拡大し、拡大した基準面算出領域を設定し、S120へ戻る(S150)。ここで、予め記憶されている値としては、面積や、縦方向・横方向にのばす大きさなどがある。
【0063】
次に、測定対象はんだ箇所について、基準面算出領域を設定する流れの例を図5を用いて説明する。
変位測定部10から受けた測定対象はんだ箇所(A)について、基準面算出領域設定手段60がこの測定対象はんだ箇所を中心とし、予め記憶されている大きさの基準面算出領域(初期基準面算出領域(B))を設定する。
【0064】
次に、設定された基準面算出領域から、分割ライン決定部50で決定された分割ライン(C)を越えた範囲があった場合、基準面算出領域の対象外とするが、初期基準面算出領域には、加工溝を越えた範囲がないので、変位測定部10内のデータ処理部11のメモリ11dを検索し、設定された基準面算出領域内の測定点の内、レジスト1aの底部にパッド1cがある測定点の数を計数し、計数した測定点の数が予め記憶されている目標測定点数を越えているか判定する。(この例の場合、目標測定点数を超えていないものとする。)
【0065】
設定されている基準面算出領域を、予め記憶されている値だけ拡大し、拡大した基準面算出領域を設定する(拡大した基準面算出領域(D))。
次に、拡大した基準面算出領域から、分割ライン決定部50で決定された分割ライン(C)を越えた範囲を対象外とし、分割ライン決定部50で決定された分割ラインの内側に新たな基準面算出領域を設定する(新たな基準面算出領域(E))。
【0066】
この新たな基準面算出領域内の測定点の内、レジスト1aの底部にパッド1cがある測定点の数を計数し、計数した測定点の数が予め記憶されている目標測定点数を越えているか判定する。(この例の場合、目標測定点数をこえているものとする。)この新たな基準面算出領域が、決定された基準面算出領域となる(決定された基準面算出領域(F))。
【0067】
なお、基準面算出領域設定手段60は、分割ライン決定部50で決定された分割ラインおよび、後述するユーザインターフェース6で設定される境界線の内側に基準面算出領域を設定するときに、分割ライン決定部50で決定された分割ラインおよび、後述するユーザインターフェース6で設定される境界線の内側であって、測定点が加工溝にあたる箇所を変位測定部10内のデータ処理部11のメモリ11dから検索し、その測定点を算出に使用しないようにする。または、分割ライン決定部50で決定された分割ラインおよび、後述するユーザインターフェース6で設定される境界線の内側であって、測定点が加工溝にあたる箇所を変位測定部10内のデータ処理部11のメモリ11dから検索し、その測定点のさらに内側に基準面算出領域を設定するようにする。なお、基準面算出領域設定手段60において、他の方法により測定点が加工溝にあたる箇所を算出に使用しないようにしても良い。
【0068】
次に図6を用いて、検査部20の機能構成を説明する。この図6で画像処理部21は、制御部40から基板1のレイアウト情報(配置図)と走査して測定しているときの位置情報とを受け、変位測定部10内の測定演算部13(図2に図示)からその位置情報における高さ(変位出力)Lを受けて、レイアウト上に変位に応じてはんだ1bの量的な形状を表す立体画像を形成することにより、画像として再現出力する。
【0069】
例えば、画像処理部21は、変位測定部10内の測定演算部13(図2に図示)の変位出力Lと、制御部40からの基板1の測定点(測定点の座標)とから測定したエリア(測定点の集合領域:例えば、基板1上に印刷されたクリームはんだ1b面)における面積(例えば、はんだ印刷された面積)や体積(例えば、はんだ量)を表す画像データを生成する。比較部22は、制御部40からそのエリアにおける、設計値(面積や体積)等をレファレンスとして受けて、画像データとレファレンスとの差を演算し出力する。なお、画像データに変換することなく、その測定点において測定した変位(高さ:例えば、はんだ1bの高さ)とレファレンス(この場合は、例えば、測定点における設計上の高さ)との差を出力しても良い。上記では、はんだ1bの面積や体積の例で説明したが、はんだ1bの位置ズレ等の判定も可能である。
【0070】
判定部23は、レファレンスに対応する許容値を制御部40から受けて、比較部22からの出力と比較し、比較部22の出力が、許容値内であれば合格とし、許容値外であれば不良(否)と判定する。
【0071】
図1に示すようにユーザインターフェース6は、表示制御手段6a、操作手段6b、表示手段6cとで構成されている。測定検査部100の各部で記憶されている値、閾値(あるいは閾値範囲)をマウスやキーボード等の操作手段6bを介して設定可能としている。
【0072】
次に、基準面算出領域設定手段60により設定された測定対象はんだ箇所毎の基準面算出領域、操作手段6bにより入力された境界線の液晶モニタ等の表示手段6cへの表示例を図7に示す。表示制御手段6aは表示手段6cに測定対象はんだ箇所毎の基準面算出領域を識別可能に表示する。そして、ユーザは表示手段6cに表示された基準面算出領域を確認し、基準面算出領域を規制するための境界線を操作手段6bにより入力する。入力された境界線を表示制御手段6aは境界線情報として、位置情報とともに基準面算出領域設定手段60へ出力する。ここで、分割ライン決定部50で決定された加工溝情報を受けて、表示制御手段6aは表示手段6cに加工溝を識別可能に表示してもよい。
【0073】
また、判定部23の判定結果や、制御部40からレイアウト情報(例えば、プリント基板のはんだ箇所の配置図)を受けて表示し、レイアウトのどの位置におけるはんだ1bが不良(否)であり、合格であるかを識別可能に表示してもよい。また、それらと別に或いは併せて、画像処理部21で生成した画像データに基づく画像を表示させて、どの箇所のはんだ状態が不良であり、合格であるかを識別可能に表示させることもできる。
【0074】
ここまで説明してきた発明を実施するための最良の形態では、測定精度の高いパット面の変位情報を基に基準面を算出するように説明を行ってきた。しかし、本発明は、例えばレジスト面を基準とした測定や、その他プリント板の一部の変位情報を基準とする同様な方法に適用できることは言うまでもない。
【0075】
また、ここまで説明してきた発明を実施するための最良の形態では、変位センサ2は、第1の近赤外光源OS1aと、第1の受光手段D1と、第2の受光手段D2と、第2の近赤外光源OS2aと、第3の受光手段D3とにより形成されている変位センサ2について説明を行ってきた。しかし、図8に示す様な、カメラとプロジェクタと格子パターンとを用いた格子縞投影法を用いた変位センサや、光切断法や、ステレオ法や、白色干渉法を用いる変位センサに適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0076】
1 基板(プリント板)、 2 変位センサ、 6 ユーザインターフェース、
6a 表示制御手段、 6b 操作手段、 6c 表示手段、 10 変位測定部、11 データ処理部、11a、11b 加算器、 11c演算部、
11d メモリ、 20 検査部、 30 走査機構、 40 制御部、
13 測定演算部、 21 画像処理部、 22 比較部、 23 判定部、
30 走査機構、 40 制御部、 50 分割ライン決定部、
50a 加工溝検出手段、 50b 加工溝連結手段、
60 基準面算出領域設定手段、70 基準面算出手段、
DT 受光手段、D1 第1の受光手段、D2 第2の受光手段、D3 第3の受光手段、
OS 光源、OS1a 第1の近赤外光源、 OS2a 第2の近赤外光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだが印刷されたプリント板を光学的に計測し、該はんだが印刷されたプリント板の高さの変位を示す変位情報を出力する変位センサ(2)と、
前記プリント板上に印刷された検査対象であるはんだ箇所を含む領域を、基準面を算出するための領域となる基準面算出領域として設定する基準面算出領域設定手段(60)と、
前記基準面算出領域設定手段で設定された前記基準面算出領域内の前記変位情報に基づいて、前記基準面算出領域に変位情報の基準となる平面を算出し基準面として設定する基準面算出手段(70)と、
前記プリント板上に印刷された検査対象であるはんだ箇所のはんだの高さを前記基準面算出手段で設定された前記基準面からの高さとして、前記プリント板上に印刷されたはんだ箇所の前記変位情報と前記基準面とから算出する変位測定部(10)とを備えた印刷はんだ検査装置において
前記プリント板を分割するために加工された分割用加工部を前記変位情報に基づき検出し、該プリント板の分割ラインを決定し分割ライン情報として出力する分割ライン決定部(50)を備え、
前記基準面算出領域設定手段(60)は、前記分割ライン決定部が出力した前記分割ライン情報を受けて前記プリント板の分割ラインの内側の領域内に前記基準面算出領域を設定することを特徴とする印刷はんだ検査装置。
【請求項2】
前記分割ライン決定部は、前記プリント板を分割するために加工された分割用加工部を前記変位情報に基づき検出する加工溝検出手段(50a)と、前記加工溝検出手段で検出された分割用加工部に基づき、分割前のプリント板を固定するために分割用加工部が加工されず結合されている箇所を検出し、当該箇所を分割用加工部とみなす加工溝連結手段(50b)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷はんだ検査装置。
【請求項3】
表示手段(6c)と操作手段(6b)と、
該表示手段に、前記基準面算出領域を表示させるとともに、該操作手段により入力された該基準面算出領域から対象外とする領域を指定する境界線を表示させ、さらに該境界線の位置を示す境界線情報を出力する表示制御手段(6a)とを備え、
前記基準面算出領域設定手段は、前記表示制御手段から前記境界線情報を受け、前記操作手段により指定された境界線の内側の領域内に前記基準面算出領域を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷はんだ検査装置。
【請求項4】
前記変位センサは、はんだが印刷されたプリント板に光を照射する光源(OS)と、該プリント板上の照射位置の反射光を検出し、当該照射位置の高さの変位を示す変位情報を出力する受光手段(DT)とを含んで成る請求項1から3に記載の印刷はんだ検査装置。
【請求項5】
はんだが印刷されたプリント板を光学的に計測し、該プリント板上の高さの変位を示す変位情報を出力する段階と、
前記プリント板上に印刷された検査対象であるはんだ箇所を含む領域を、基準面を算出するための領域となる基準面算出領域として設定する段階と、
設定された前記基準面算出領域内の前記変位情報に基づいて、前記基準面算出領域に変位情報の基準となる平面を算出し基準面として設定する段階と、
前記プリント板上に印刷された検査対象であるはんだ箇所のはんだの高さを前記基準面からの高さとして、前記プリント板上に印刷されたはんだ箇所の前記変位情報と前記基準面とから算出する段階とを備えた印刷はんだ検査方法において
前記プリント板を分割するために加工された分割用加工部を前記変位情報に基づき検出し、該プリント板の分割ラインを決定し分割ライン情報として出力する段階を備え、
前記基準面算出領域を設定する段階は、前記分割ライン情報を受けて前記プリント板の分割ラインの内側の領域内に前記基準面算出領域を設定することを特徴とする印刷はんだ検査方法。
【請求項6】
前記分割ラインを出力する段階は、前記プリント板を分割するために加工された分割用加工部を前記変位情報に基づき検出する段階と、該検出された分割用加工部に基づき、分割前のプリント板を固定するために分割用加工部が加工されず結合されている箇所を検出し、当該箇所を分割用加工部とみなす段階とを備えることを特徴とする請求項5に記載の印刷はんだ検査方法。
【請求項7】
前記基準面算出領域を表示させるとともに、該基準面算出領域から対象外とする領域を指定するために入力された境界線を表示させ、さらに該境界線の位置を示す境界線情報を出力する段階とを備え、
前記基準面算出領域を設定する段階は、前記境界線情報を受け、前記指定された境界線の内側の領域内に前記基準面算出領域を設定することを特徴とする請求項5または6に記載の印刷はんだ検査方法。
【請求項8】
前記変位情報を出力する段階は、前記はんだが印刷されたプリント板に光を照射する段階と、該プリント板上の照射位置の反射光を検出し、当該照射位置の高さの変位を示す変位情報を出力する段階とを有する請求項5から7に記載の印刷はんだ検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−98230(P2012−98230A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248050(P2010−248050)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】