説明

印刷機のインキ装置およびインキ装置の作動方法

【課題】最高の印刷品質を提供できる印刷機、特にオフセット印刷機のインキ装置を提供する。
【解決手段】本発明は、印刷機、特にオフセット印刷機のインキ装置1に関するものであって、一つのインキ出しローラ2、一つのインキ練りローラ5、一つのインキ移しローラ8を備えている。該インキ移しローラ8はインキ練りローラ5と常時回転接触するよう配置されており、また、インキ移しローラ8とインキ出しローラ2が同期して協働することを実現し、インキ移しを行う移動装置9が備わっている。本発明はさらに、これに対応する方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つのインキ出しローラ、一つのインキ練りローラ、一つのインキ移しローラを備える、印刷機、特にオフセット印刷機のインキ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した種類のインキ装置は特許文献1から公知である。インキ装置のインキ溝に割り当てられたインキ出しローラは、往復運動するよう取り付けられたインキ移しローラと協同し、このインキ移しローラは、インキ出しローラからインキを着けられ、往復運動をしながらインキ練りローラにインキを移す。高品質印刷にとって常に障害の原因となるのが、印刷の際に発生するトルク衝撃であるが、これは、インキ移しローラと、インキ出しローラまたはインキ練りローラの回転数が異なるために発生する。この問題は、いわゆる短縮インキ装置では特に明確に見られるが、それは、インキ装置のローラ数が少ないために、それに対応して、インキ層厚みを薄くしたり均一にしたりすることが少数のローラに限定されるからである。インキ装置ローラが少ないため、インキ用の隙間ポイントの数も少ないため、インキ移しローラにより行われたインキ計量に対応して薄いインキ層厚みが求められる。
【特許文献1】独国特許第198 01 623号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、最高の印刷品質を提供できる印刷機、特にオフセット印刷機のインキ装置を提供することであり、特に本発明は、特に反応が素早く、望ましくは非常に高速で運転される短縮インキ装置にも導入可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するために、本発明では、インキ移しローラが常時インキ練りローラと回転接触するように配置されており、また、インキ移しローラとインキ出しローラが同期して協働するのを可能にし、インキ移しを行う移動装置を備えることにより解決できる。インキ移しローラは常時インキ練りローラに接触しているため、インキ移しローラの周速度がインキ練りローラの周速度に対応し、回転数に差が生じない。そのため、印刷品質に悪影響を与えるトルク衝撃は生じない。インキ移しローラがインキ練りローラと常時接触しているため、インキ移しローラはラインスピードで駆動される。インキ出しローラからインキ移しローラへの同期したインキ移しを一時的に行うため、移動装置はそれに対応してローラを移動させる。該移動装置によりインキ移しローラとインキ出しローラの一時的協働が可能になり、インキ移動(インキ移しローラによるインキ筋)を計量して行える。
【0005】
このとき、移動装置が自動調心軸受装置であるよう、つまり、インキ移しローラの移動運動が往復運動となるよう特に考慮されている。
【0006】
望ましくは自動調心軸受装置がインキ練りローラの回転軸の周りを回転するよう取り付けることができる。これによりインキ移しローラの往復運動がインキ練りローラの回転軸を中心に行われるため、インキ移しローラの往復運動の際に、インキ移しローラとインキ練りローラに対する回転軸の相対的位置が変化しない。これによりインキ移しローラはインキ練りローラと常時接触でき、しかもインキ出しローラと協働するための往復運動も行える。
【0007】
本発明の一つの発展形においては、インキ出しローラのジャケット面とインキ移しローラのジャケット面との間に、両者が最も近づいた位置に隙間を形成するためのストッパ装置が設けられている。そのためインキ移しローラとインキ出しローラのジャケット面は、一時的なインキ移しでは接触せず、インキ出しローラ上に存在するインキ層が、隙間のサイズに依存した層厚でインキ移しローラに移される(インキ移しローラによるインク筋)よう、非常に近くまで接近するだけである。これにより一方では、比較的ゆっくりと回転するインキ出しローラと、これより早く回転するインキ移しローラとの間のトルク衝撃を避けることができ、もう一方では、比較的薄いインキ層厚みでのインキ計量が可能で、これは特に反応の速い短縮インキ装置にとって長所である。
【0008】
本発明の一つの発展形では、隙間のサイズを調整するためにストッパ装置が調整可能なストッパ装置として構成されている。インキ出しローラからインキ移しローラに移されたインキ量は隙間サイズの調整により変えられる。したがって、現在の縁の条件と希望の印刷品質とを問題なく適合させることができる。
【0009】
ストッパ装置は、インキ出しローラに接して回転するローラとして構成することができる。これにより、インキ出しローラとインキ移しローラとの間に、これらのローラが最も接近した位置に常時隙間を保つことができるが、これは、インキ出しローラの回転が真円でないかインキ出しローラが真円でない場合でも、ローラをインキ出しローラに押し付けることにより、形成された隙間が一定になるからである。したがって、再現可能な比率が得られる。
【0010】
自動調心軸受装置は、望ましくはばね装置によりインキ出しローラに向かう方向に予め荷重が掛けられているため、ストッパにばね装置のばね力が掛けられており、ローラの接近条件と遠ざかり条件は常に一定である。
【0011】
すでに述べたように、本発明は通常のインキ装置でも、インキローラの数が少ないためにそれに応じて隙間ポイント数も少ない短縮インキ装置でも実現することができる。
【0012】
本発明はさらに、一つのインキ出しローラ、一つのインキ練りローラ、一つのインキ移しローラを備える、印刷機、特にオフセット印刷機のインキ装置の作動方法に関するものであり、それは、インキ移しローラがインキ移しローラ周速度で運転し、その速度はインキ練りローラのインキ練りローラ周速度と同じであり、インキ移しローラとインキ練りローラは互いに常時回転接触して運転され、インキ移しローラとインキ出しローラがインキ移しのために一時的に協働する方法である。インキ練りローラとインキ移しローラの間には、これにより連続式インキ装置の場合と同様の比率が存在する。一方で、インキ移しローラとインキ出しローラとの間にはインキ出しローラタイプのインキ装置の比率が存在する。しかしインキ移しローラがインキ出しローラに最も接近した位置において、インキ出しローラとの間隔がインキ出しローラ上のインキ層の厚みより小さいことが望ましいため、インキ移しローラが当たることはないが、これは、インキ移し時には機械的な接触が起こらないためである。これは特に、インキ出しローラがゆっくり回転し、インキ移しローラが速く回転する場合に長所となる(すべりインキ移しローラ)。
【0013】
インキ移しローラのインキ移しローラサイクル と、印刷機の版胴の一回転のサイクルとの比率が、1:1またはおよそ1:1であることが望ましい。インキ移しローラがインキ練りローラと常時接触しているため、非常に高速のインキ移しローラサイクルを実現できるようなインキ移しローラの動作回数は比較的少ない。従来のインキ装置のインキ移しローラサイクルは1:3、つまり、印刷機の版胴が完全に3回転する間にインキ移しローラが一往復するが、この比率は本発明の対象では1:1にできる。この、いわゆるワンサイクルのインキ移しローラにより、各印刷工程、特にシート印刷機の場合は各全紙において、インキ装置のインキ溝からインキ装置ローラ装置へのインキ供給が行われるため、特にシートの場合の印刷工程におけるインキ厚の変動が減少するかまたはこれを防止することができる。
【0014】
特に、インキ出しローラは個別に駆動され、印刷機のメイン駆動装置により駆動されることはない。
【0015】
インキ出しローラの回転数を制御または調整して一定の値を保ったり、または、変化する条件に適合させたりできる。
【0016】
インキ移し時に形成されたインキ移しローラによるインキ筋は、印刷機のラインスピードが変化しても一定またはほぼ一定に保たれることが望ましい。
【0017】
さらに、インキ練りローラとインキ移しローラは望ましくは印刷機のラインスピードで駆動されることが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1では、実施例をもとに本発明が図式化されており、この図1は、オフセット印刷機として構成された印刷機のインキ装置の側面を図式化したものである。
【0019】
図には、オフセット印刷機として構成された印刷機のインキ装置1が示されている。インキ出しローラ2は、内部にインキ4を蓄えるインキ溝3と協働する。インキ溝3には、ゾーンごとのインキフィルム計量を行うためにゾーンごとのドクターブレードがある。インキ出しローラ2には、図示されていないが独立した駆動装置があり、印刷機のメイン駆動装置では駆動されない。
【0020】
インキ装置1にはさらに、一つのインキ練りローラ5が備わっており、これは多数のインキ装置ローラ6と協働しており、そのうちのいくつかが印刷機の一つの版胴7に接触して、そこに巻かれた刷版にインキ4を移す。インキ練りローラ5は、一緒に協働するその他のインキ装置ローラ6と同様、版胴7の周速度を持っている。
【0021】
インキ練りローラ5として示したインキ装置ローラは、インキ練り駆動装置を持たないインキ装置ローラとして実施することができる。この場合も版胴7の周速度で駆動される。
【0022】
インキ出しローラ2とインキ練りローラ5との間にインキ移しローラ8が配置されており、これは、インキ出しローラ2からインキ練りローラ5へ一時的に同期したインキ移しを行う。該インキ移しローラ8は、自動調心軸受装置10として構成された移動装置9の上に配置されている。これは、インキ移しローラ8の両端の範囲に割り当てられた、2つのアームを持つインキ移しローラレバー11を備えており、その回転軸12は、インキ練りローラ5の回転軸13と一致する。インキ移しローラ8は、それぞれ同様に調整されたインキ移しローラレバー11のアームに、回転軸14を中心として回転できるように取り付けられている。インキ移しローラ8のジャケット面とインキ練りローラ5のジャケット面とは常に回転接触している。インキ移しローラ8の表面は、たとえばスチールやリルサン(Rilsan)など変形しない材料でできており、インキ練りローラ5の表面は変形可能、つまり弾力的に構成されている。この表面はたとえばゴム製である。インキ移しローラ8は印刷機のラインスピードで駆動される。
【0023】
移動装置9はさまざまな方法で駆動される。そのために、インキ移しローラ8のベアリングの向かい側にあるインキ移しローラレバー11のもう一方のアームの少なくとも一つに、それぞれ一つのカムローラ15が備わっており、これがそれぞれ一つのカム機構16の上を移動する。
【0024】
第1の実施例においては、該カム機構16は片面に配置されている。この場合、インキ移しローラレバー11は、これを結合している固定軸にインキ練りローラ5内でスイング可能なように取り付けられる。駆動は、カム機構16とインキ移しローラレバー11のカムローラ15を介して行われる。
【0025】
第2の実施例においては、インキ装置の両側に、インキ移しローラ8駆動用のそれぞれ一つのカム機構16が備わっている。その場合、各インキ移しローラレバー11にカムローラ15が配置されており、これが、それぞれ対応するカム機構16と協働する。この場合、インキ練りローラ5内に、インキ移しローラレバー11を結合する軸を取り付けるという煩雑さを避けられる。
【0026】
インキ移しローラ8を取り付けているインキ移しローラレバー11のアームには、それぞれ一つのローラ17が備わっており、それぞれ偏心ベアリング18である。これら偏心ベアリング18は、インキ移しローラ8の回転軸14に関してローラ17の位置を調整することができる。
【0027】
カム機構16はラインスピードで駆動される。自動調心軸受装置10は、ばね装置19により、インキ出しローラ2に示した矢印20の方向に予め負荷が掛けられており、これによりカムローラ15がカム機構16に押し付けられている。
【0028】
インキ装置1のいくつかのローラの回転方向は、図においてそれぞれ回転矢印で示されている。
【0029】
これにより以下のような機能が生まれる:
インキ装置1が備わった印刷機の運転において、カムローラ15が一つまたは複数のカム機構16上を移動することにより、自動調心軸受装置10が回転軸12の周りを周期的に往復し、これによりインキ移しローラ8が同期してインキ出しローラ2に接近し、また、これから遠ざかる。インキ移しローラ8がインキ出しローラ2に接近するとローラ17がインキ出しローラのジャケット面2に対して近づき、このときローラ17の位置は、インキ移しローラ8のジャケット面に対して、インキ移しローラ8とインキ出しローラ2が最も接近したときにも隙間が保たれるように調整することができる。偏心ベアリング18により、この隙間はたとえば0.003mmに調整することができる。これにより、個別に駆動される、ゆっくりと回転するインキ出しローラ2と、これより早く回転するインキ移しローラ8との間に機械的な回転接触は生じないが、インキ出しローラ2上のインキ層厚みが隙間のサイズより大きいために、インキ出しローラのジャケット面2に存在するインキ4が、インキ移しローラ8のジャケット面に移される。したがって移されるインキ層厚みは、隙間の調整により決定できる。この点では、すべりインキ移しローラの機能が実現されている。インキ移しローラ8は連続式インキ装置のようにインキ練りローラ5に永続的にインキを移すが、これは、これら2つのローラが常時回転接触しているからである。インキは、インキ練りローラ5から、インキプロフィールの調整にしたがって、その他のインキ装置ローラ6や版胴7に移される。したがってこの運転中、インキ移しローラ8とインキ練りローラ5との間には常時ジャケット面の接触があるが、インキ移しローラ8とインキ出しローラ2は同期的にのみ接近するため、同期したインキ移しが行われる。
【0030】
本発明に基づき特に短縮インキ装置であっても優れた印刷品質を得ることができる。短縮インキ装置においては隙間ポイント数が少ないため、本発明のインキ移しローラ装置は、すでにインキ移しローラ8上に薄く計量されたインキ層厚みを実現することができる。特に、インキ移しローラによるインキ筋の幅を、インキ出しローラ2の回転数を制御または調整することにより設定できるようになっている。インキ出しローラ2上のインキ層厚み範囲において、インキ出しローラ2とインキ移しローラ8との間の隙間のサイズより大きい範囲のみが移される。ゆっくりと回転するインキ出しローラ2と早く回転するインキ移しローラ8との間には、インキ移しの際に機械的接触は起こらないため、インキ移しローラが当たることはない。インキ移しローラ8はインキ出しローラ2からおよそ0.2mm離れているのが望ましい。一つのまたは複数のカムローラ15と一つのまたは複数のカム機構16により実現されたこの距離は非常に狭いため、インキ移しローラの移動は非常にわずかだけ行う必要があり、そのため、それに対応した早いインキ移しローラサイクルが可能であり、印刷機の版胴7の1回転に対して1:1の比率を示すことができる。ラインスピードが変化してもインキ出しローラ2に対するインキ移し角度(インキ移しローラによるインキ筋)を一定またはほぼ一定に保つために、それぞれ駆動されるインキ移しローラレバー11において、2つのカムローラ15および、2つのディスクカムを備えるカム機構16が備わっているのが望ましく、カム機構16のディスクカムが互いに相対的に位相シフト可能であり、自動調心軸受装置10の動きをそれに対応して変更することができる。インキ移しローラ8は、従来の技術とは異なり、インキ練りローラ5と同期して動作するのではなく、永続的に回転接触しているため、動作に必要な時間が必要なくなり、これをインキ輸送のために利用できるため、インク供給を非常に均一に行うことができる。インキ輸送が中断されると、自動調心軸受装置10が固定されてインキ移しローラの往復運動8が停止する。そのために、ストッパブレード(図示されず)が備わっている。本発明の対象は、図より見て取れるインキ装置の幾何学的構成または短縮インキ装置に限定されるものではなく、任意のインキ装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】オフセット印刷機として構成された印刷機のインキ装置の概略側面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 インキ装置
2 インキ出しローラ
3 インキ溝
4 インキ
5 インキ練りローラ
6 インキ装置ローラ
7 版胴
8 インキ移しローラ
9 移動装置
10 自動調心軸受装置
11 インキ移しローラレバー
12,13,14 回転軸
15 カムローラ
16 カム機構
17 ローラ
18 偏心ベアリング
19 ばね装置
20 矢印
s 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機、特にオフセット印刷機のインキ装置であって、版胴に接しており、一つのインキ出しローラと、少なくともほぼ版胴の周速度で駆動されるインキ装置ローラと、一つのインキ移しローラとを備え、
該インキ移しローラ(8)はインキ装置ローラ(5)と常時回転接触するよう配置されていること、および
インキ移しローラ(8)とインキ出しローラ(2)とが同期して協働することによりインキ移しを行う移動装置(9)が備わっていることを特徴とするインキ装置。
【請求項2】
移動装置(9)が自動調心軸受装置(10)であることを特徴とする請求項1に記載のインキ装置。
【請求項3】
自動調心軸受装置(10)が、インキ装置ローラ(5)の回転軸(13)を中心に回転可能なように取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインキ装置。
【請求項4】
インキ出しローラのジャケット面(2)とインキ移しローラ(8)のジャケット面との間の、それらが最も接近した位置において隙間を形成するストッパ装置を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のインキ装置。
【請求項5】
隙間のサイズを調整するためのストッパ装置が、調整可能なストッパ装置として構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のインキ装置。
【請求項6】
ストッパ装置が、インキ出しローラに接して回転するローラ(17)として構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のインキ装置。
【請求項7】
ローラ(17)が偏心ベアリングで取り付けられたローラとして構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のインキ装置。
【請求項8】
自動調心軸受装置(10)は一つのばね装置(19)によりインキ出しローラ(2)に向かう方向に予め負荷が掛けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のインキ装置。
【請求項9】
短縮インキ装置として構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のインキ装置。
【請求項10】
インキ装置ローラ(5)がインキ練りローラ(5)として構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のインキ装置。
【請求項11】
印刷機、特にオフセット印刷機のインキ装置の作動方法であって、版胴に接しており、一つのインキ出しローラと、少なくとも一つのほぼ版胴の周速度で駆動されるインキ装置ローラと、一つのインキ移しローラとを備え、
インキ移しローラ(8)がインキ移しローラの周速度で運転され、その周速度はインキ装置ローラ(5)の周速度と同じであり、インキ移しローラ(8)とインキ装置ローラ(5)は互いに常時回転接触して運転されており、インキ移しローラ(8)はインキ移しのためにインキ出しローラ(2)と一時的に協働することを特徴とするインキ装置の作動方法。
【請求項12】
インキ移しローラ(8)がインキ出しローラ(2)に最も接近した位置において、インキ出しローラ(2)に対してインキ出しローラ(2)上のインキ層の厚さより小さい間隔を保つことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
インキ移しローラ(8)のインキ移しローラサイクルと、印刷機の版胴(7)が完全に一回転するサイクルとの比率が、1:1またはおよそ1:1であることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
インキ出しローラ(2)が独立して駆動されることを特徴とする請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
インキ出しローラ(2)の回転数が制御または調整されることを特徴とする請求項11ないし請求項14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
インキ移しの際に形成されたインキ移しローラによるインキ筋が、印刷機のラインスピードが変化しても一定またはほぼ一定に保たれることを特徴とする請求項11ないし請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
インキ装置ローラ(5)が軸方向に往復移動する動きで駆動されるインキ練りローラ(5)として構成されていること、および
インキ練りローラ(5)とインキ移しローラ(8)が印刷機のラインスピードで駆動されることを特徴とする請求項11ないし請求項16のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−150941(P2006−150941A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300770(P2005−300770)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(599011584)エム・アー・エヌ・ローラント・ドルックマシーネン・アクチエンゲゼルシャフト (257)
【Fターム(参考)】