説明

危険性物質を収容する方法および装置

本発明のさまざまな局面に従った危険性物質を収容する方法および装置が、二つの区画を有する容器と連結して動作する。第一の区画は、危険性物質を収容するように構成され、第二の区画は、危険制御物質を収容する。容器は、第一の区画を第二の区画から分離する壁をさらに備え得る。壁は、トリガー事象の発生時に開くように構成されている。一実施形態において、容器は、第一の区画を第二の区画から分離する壁をさらに備え、壁の結合性は、衝撃に応答して少なくとも部分的に開くように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2007年7月13日に出願された米国仮特許出願第60/949,599号の利益を主張し、同出願の開示を参照により援用する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
可燃性危険性物質または別な危険性物質が、多くの人々の日常生活において重要な役割を果たしている。多くの人々は、可燃性物質(例えば、ガソリン、エンジンオイル、ディーゼル燃料、および天然ガス)と危険性なしに遭遇する。可燃性物質は収容されているので、可燃性物質は、典型的には近くにいる人々に対して問題を提示しない。
【0003】
時として、危険性物質を収容するために用いられる容器(vessel)が破裂し、危険性物質が流出する。例えば、軍用車両における燃料タンクは、発射体によって衝突されるときに破裂して、燃料または関連した蒸気が漏出することをもたらし得る。収容されていない燃料および蒸気は、燃料の燃焼、毒性フューム、外側の他の物質との不都合な化学反応を含む多数の危険性を有し得る。
【0004】
多様なシステムが、開発されて、収容されていない危険性物質に関連した問題を改善している。これらのシステムは、概して、危険制御物質(例えば、危険性物質容器の近くに位置決めされた消火剤)の容器を含む。危険制御物質は、次いで手動でまたは自動的に適用されて、危険性物質の危険性を低減する。これらの危険制御システムは、概してスタンドアローンユニットおよび/または以前から存在する危険性物質容器に適用されるアフターマーケットシステムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のさまざまな局面に従った危険性物質を収容する方法および装置が、二つの区画を有する容器と連結して動作する。第一の区画は、危険性物質を収容するように構成され、第二の区画は、危険制御物質を収容する。容器は、第一の区画を第二の区画から分離する壁をさらに備え得る。壁は、トリガー事象の発生時に開くように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の例示的な図と結びつけて考慮されるときに、本発明のより完全な理解が、詳細な説明および特許請求の範囲を参照することによって得られ得る。以下の図において、同様の参照番号は、図の全体にわたって類似の要素およびステップを指す。
【図1A】図1A−Bは、本発明のさまざまな局面に従った、容器の上部破断図および側面破断図である。
【図1B】図1A−Bは、本発明のさまざまな局面に従った、容器の上部破断図および側面破断図である。
【図2】図2は、一実施形態の正投影破断図であり、第二の区画は、少なくとも部分的に第一の区画を囲み、第二の区画は、少なくとも一つの経路を含む。
【図3】図3は、本発明の実施形態の正投影破断図であり、第二の区画および第三の区画は、少なくとも部分的に第一の区画を囲む。
【図4】図4は、一実施形態の正投影破断図であり、第二の区画および第三の区画は、少なくとも部分的に第一の区画を囲み、第二の区画および第三の区画は、それぞれ少なくとも一つの経路を含む。
【図5】図5は、容器の断面図であり、容器は、第一の区画に隣接する複数の付加的な区画を含む。
【図6A】図6A−Cは、入射発射体に応答する容器の動作を図示する。
【図6B】図6A−Cは、入射発射体に応答する容器の動作を図示する。
【図6C】図6A−Cは、入射発射体に応答する容器の動作を図示する。
【0007】
図における要素およびステップは、単純さおよび明快さのために図示され、必ずしも任意の具体的な順番に従って行われていない。例えば、同時にまたは異なる順序で実行され得るステップは、図に例示され、本発明の実施形態の理解を向上することを助け得る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(例示的な実施形態の詳細な説明)
本発明は、機能ブロックの構成要素およびさまざまな処理ステップの点から説明され得る。そのような機能ブロックは、任意の数の構成要素によって実現され得、任意の数の構成要素は、特定の機能を実行し、さまざまな結果を達成するように構成されている。例えば、本発明は、さまざまな危険性物質、危険制御物質、容器材料、加圧、寸法、および幾何学形状を使用し得、それらは、特定の危険状況、用途、または環境に適した多様な動作を行い得る。加えて、本発明は、危険性物質および/または危険制御物質を用いた動作のために構成されている任意の数のシステムと連結して実施され得、説明されるシステムは、本発明に関する一つの例示的な用途にすぎない。さらには、本発明は、危険制御、危険防止、リスク低減などのための任意の数の従来技術を使用し得る。
【0009】
図1A−Bを参照すると、本発明のさまざまな局面に従って危険性物質を収容するための方法および装置が、容器100と連結して動作し、収容された危険性物質105の危険性を低減する。例えば、図1を参照すると、容器100は、危険性物質105を第一の区画115の中に、危険制御物質107を第二の区画125の中に収容し得る。容器100は、危険状況に応答して危険制御物質107を放出するように構成され得、その結果、危険性物質105は、より危険が少ないか、または実質的に無害にされる。
【0010】
容器100は、任意の態様で構成され得、関連する危険状況に応答して危険制御物質107を放出する。例えば、容器100は、第一の区画115の少なくとも一部分を規定する第一の表面110、第二の区画125の少なくとも一部分を規定する第二の表面120、および危険状況に対応するトリガー事象に応答して結合性を失うように構成されている壁150を備え得る。第二の区画125は、第一の区画115を少なくとも部分的に囲み得る。容器100は、スタンドアローン貯蔵システムまたは自動車両のための燃料タンクを含む多様な環境で実装され得る。
【0011】
一実施形態において、容器は、燃料タンクまたは燃料缶を備え得、第一の区画115は、燃料および関連した蒸気を貯蔵し、第二の区画は、消火剤を収容する。容器100は、消火剤を放出して、第一の区画115の中の蒸気または燃料と混合し、蒸気の燃焼に干渉し得る。容器100が例えば発射体による貫通のような危険状況を経験する場合には、壁150は、少なくとも部分的に開くか、あるいは別なように消火剤を放出して燃料の燃焼性を低減する。この方法で、燃料タンクの中に火球を作る確率が低減され、車両の動作に関連したリスクが減少する。
【0012】
第一の区画115は、危険性物質105を収容し得、危険性物質105は、無力化されるか、あるいは別なように、より危険性を少なくされる必要があり得る任意の物質を備え得る。例えば、危険性物質105は、燃焼エンジン用燃料、電池用化学製品、溶剤、ブレーキ流体、トランスミッション流体、ジェット燃料、廃棄生成物(例えば、放射性廃棄物および/または生物学的廃棄物)などを備え得る。加えて、危険性物質105は、例えば、液体、蒸気、固体、粉末、粒状、および/または他の形態のような、任意の形態で存在し得る。危険性物質105は、例えば、燃焼性、化学反応性、毒性、放射能、酸性度、接触伝染性などのような制御されるべき特性を示し得る。
【0013】
第一の区画115は、危険性物質105を収容するように構成され得る。車両燃料タンクのための一実施形態において、第一の区画115は、車両の必要な燃料を受容する十分な容量を提供するように構成され得る。さらには、第一の区画115は、車両の燃料区画領域の中にはめ込まれるような形状にされ得る。加えて、第一の区画115は、危険性物質105を受容する任意の適切な材料を備え得る。例えば、第一の区画115を規定する表面は、材料を備え得るか、または材料に沿って並べられ得、材料は、危険性物質105に反応せず、危険性物質105の周りにシールドを提供するか、あるいは熱絶縁および/または電気絶縁を提供する。
【0014】
第一の区画115はまた、用途および/または環境に適合され得る。さまざまな実施形態において、第一の区画は、バッフルまたは一つ以上の副区画を含み得、バッフルまたは一つ以上の副区画は、互いに相互接続されたり、または隔離されたりし得る。さらには、第一の区画115は、入口108および出口109を含み得、例えば、燃料が燃料タンクに追加されるか、または燃料タンクから除去されることを可能にする。第一の区画115は、容器100の用途および環境に従って別なように構成され得る。
【0015】
第二の区画125は、危険制御物質107を収容する。第二の区画125は、危険制御物質107を収容する任意の態様で構成され得、例えば、環境、用途、危険制御物質107、危険性物質105、および/または他の関連する要素に従って構成され得る。例えば、第二の区画125は、適切な容量を提供して、予想された危険に従って十分な危険制御物質107を収容し得る。さらには、第二の区画125は、車両の燃料区画領域の中にはめ込まれて、第一の区画115の外側の断面と係合するような形状にされ得る。加えて、第二の区画125は、任意の適切な物質を含み、危険制御物質107を収容し得る。例えば、少なくとも部分的に第二の区画125を規定する第二の表面120は、危険制御物質107に反応せず、危険制御物質107の周りにシールドを提供するか、あるいは熱絶縁および/または電気絶縁を提供する材料を備え得るか、またはその材料に沿って並べられ得る。第二の表面120は、外部の物体(例えば、弾丸または榴散弾弾子)、あるいは、内部の物体(例えば、クラッパー、爆薬、または他のアクチュエーター)からの衝撃または力を受ける際に開くように、さらに構成され得る。第二の表面120が開くこと、または他の分解は、危険制御物質107の周囲の環境への放出を促進する。
【0016】
本実施形態において、第二の区画125は、第一の区画115に隣接して位置決めされ、例えば壁150のような一つ以上の表面によって第一の区画115と分離されている。第二の区画125は、一つ以上の分離した副区画、または相互接続された半ば分離した副区画を含み得る。加えて、第二の区画125は、少なくとも一つの水平または垂直な仕切111あるいは第二の区画125の周りの危険制御物質107の分布を維持し、そして/または構造的支持を提供する他の機構を含み得る。第二の区画は、他の要素(例えば、少なくとも一つの入口、少なくとも一つの出口、少なくとも一つの狭窄の個所など)を含み得る。
【0017】
第二の区画125は、さまざまな構造および/または機構を備え得、さまざまな構造および/または機構は、関連する危険状況に応答して危険制御物質107を配備するように構成されている。例えば、仕切111は、第二の区画125の中に危険制御物質107の分布を維持する。加えて、図2を参照すると、第二の区画125は、副区画間の相互接続270を備え得、その結果、例えば、副区画間の危険制御物質107の移送を促進する(例えば、最初に、第二の区画を危険制御物質107で満たす)。第二の区画125はまた、アクチュエーター(例えば、電子的システム、空気式システム、および/または水力式システム)を含み得、副区画間の危険制御物質107の流れおよび/または関連する危険状況に応答して危険制御物質107を配備することを作動する。第二の区画125はまた、圧力を掛けられて危険制御物質107の分散を強め得る。
【0018】
危険制御物質107は、危険状況の場合に、危険性物質105によって提示された危険を無力化するか、または別なように低減するための物質を備えている。危険制御物質107は、任意の適切な物質を備えて危険性物質105の影響を制御または低減し得、任意の適切な物質は、例えば、消火剤、酸中和剤、または危険性物質105に従って選択された他の危険制御物質107であり得る。例えば、危険制御物質107は、危険性物質105が可燃性の場合には、消火剤を含み得る。本実施形態において、危険制御物質107は、Firetrace Aerospace,LLC.から入手可能なBlack WidowTM消火剤を備えている。別の例として、危険性物質が化学反応性がある場合には、危険制御物質107は、危険性物質105の化学反応性を低減または希薄化し得る。さらに別の例として、危険性物質が放射性である場合には、危険制御物質は、放射線の伝送を阻止し得る。代わりに、危険性物質105が生物学的危険または有毒物質を提示する場合には、危険制御物質107は、生物学的危険または毒性を無力化するか、その脅威を低減するか、視覚マーカーを作るか、または対抗し得る。危険制御物質107の特性は、危険性物質105に従って選択され得る。
【0019】
危険制御物質107は、実質的に固体の物質(例えば、粒状の物質または粉末)、そして実質的に流体の物質(例えば、液体、気体、および蒸気)を備え得る。危険制御物質107は、さまざまな相の物質を同時に備え得る。加えて、危険制御物質107は、複数の物質を備えて、複数の危険性物質105に対抗し得る。
【0020】
容器100は、具体的な危険状況に応答して危険制御物質107を放出し得る。危険状況は、任意の適切なトリガー事象(例えば、収容された危険制御物質105の状態)によって表現され得る。例えば、トリガー事象は、危険性物質105または第一の区画115の気温または圧力の変化、別の物体による衝撃、突然の加速または減速、または危険性物質105の放出、漏出、または汚染を含み得る。容器100は、任意の適切な態様で危険状況を検出および/または危険状況に反応し得る。例えば、容器100は、危険検出器(例えば、圧力センサー、温度センサー、放射線センサー、化学センサーなど)およびアクチュエーターを含み得、アクチュエーターは、危険検出器に応答して第二の区画から危険制御物質107を配備するように構成されている。例えば、アクチュエーターは、第二の区画125または壁150の結合性を危険にさらして第二の区画125のバルブを開き得るか、あるいは別なように第二の区画125から危険制御物質107を放出し得る。
【0021】
本実施形態において、破裂が危険性物質105の放出をもたらすか、または危険な状況をもたらす可能性があるとき、容器100は、容器100の機械的破裂に応答して危険制御物質107を放出し、その結果、第二の区画125は、危険制御物質107を放出する。例えば、第二の区画125を規定する一つ以上の表面は、破れるか、引き裂けるか、穴が開けられるか、砕けるか、分解するか、溶解するか、または結合性を失うかして、危険制御物質107の放出を促進し得る。
【0022】
本実施形態において、容器100は、少なくとも一つの壁150を含み、少なくとも一つの壁150は、第一の区画115を第二の区画125から分離させている。壁150は、第一の区画115と第二の区画125との間の任意の仕切を備え得、任意の仕切は、危険状況に応答して結合性を失う。本実施形態において、壁150は、外部の物体(例えば、弾丸または榴散弾弾子)あるいは内部の物体(例えば、クラッパー、爆薬、または他のアクチュエーター)からの衝撃または力を受ける際に開くように構成されている。壁150が開くことまたは他の分解は、危険制御物質107の放出(例えば、危険性物質105の領域内への放出)を促進する。壁150は、壁150の中に局所的に開いて比較的小さい穴を作り得るか、またはより実質的に(例えば、実質的に完全に)開いて、危険制御物質107の最大量を放出し得る。
【0023】
壁150は、第一の区画115および第二の区画125に対して任意の位置に配置されて、危険制御物質107の配備を促進し得る。本実施形態において、壁150は、第二の表面120内で同心に配置され、壁150と第二の表面120との間の空間として第二の区画125を規定し、壁150内の空間として第一の区画115を規定する。壁150は、連続的であり得、その結果、第一の区画115は、壁150によって完全に規定され、第一の区画115は、第二の区画125内に完全に囲まれる。こうして、第一の区画115を貫通する任意の外部の物体は、最初に第二の区画125および壁150を貫通せねばならず、壁150が開いて危険制御物質115を配備することをもたらす。
【0024】
あるいは、壁150は、部分的に第一の区画115を規定し得るにすぎず、例えば第一の表面110のような一つ以上の表面が、第一の区画115の残りの部分を規定し得る。壁150は、壁150によって囲まれていない、囲まれていない領域160を規定し得る。囲まれていない領域160は、容器100の一部分の中に所在し得、その容器100の一部分は、危険状況の影響を受けにくい。例えば、容器100が他のシステムと重ねられている場合には、第一の区画115の部分を第二の区画125によって囲まれないままにすることが許容可能であり得る。第一の表面110および壁150は、複数の囲まれていない領域160を規定するように構成され得る。例えば、図2を参照すると、囲まれていない領域160は、第二の区画125のくぼみを備え得、第二の区画125のくぼみは、容器100を特定の他のシステムの中(例えば、車両の中)に適合させるように構成されている。さらに別の例として、図3を参照すると、囲まれていない領域160は、容器100の外部の連続した部分であり得、壁150の二つ以上の表面に延び得る。
【0025】
壁150は、危険制御物質107を任意の適切な態様で配備し得る。本実施形態において、壁150は、危険状況に応答して(例えば、衝撃に応答して)、開くように構成され得る。例えば、壁150は、破壊可能な物質(例えば、ガラス、セラミック、アクリル、プラスチック、金属、または他の十分に不浸透性でない物質)を備え得る。壁150は、開くように構成され得、その結果、危険状況に応答して実質的に第二の区画125の内容物のすべてが放出される。例えば、壁150は、応力点(例えば、溝またはハッチングの形態である壁150のより薄いセクション)を備え、危険制御物質107の完全な配備および/または指向性配備を促進し得る。同様に、壁150の物質は、グレーンを示し得、その結果、壁150は、グレーンを横切ってまたはグレーンに沿って、開くかまたは分離する傾向がある。
【0026】
壁150は、危険制御物質107を任意の適した態様で放出し得る。本実施形態において、壁150は、物体(例えば、弾丸、榴散弾弾子、またはミサイル)による衝撃の際に危険にさらされる。しかしながら、壁150は、危険制御物質107を放出するように構成され得、それは、危険状況を示す任意の適切なトリガー事象(例えば、壁150の中のまたは壁150の上の特定の応力、圧力、または温度)、あるいは具体的な物質(例えば、危険状況に対応する具体的な物質)の発生に応答して、壁150の一部分によって放出される。さらには、容器100は、付加的なシステムを含んで壁150を破ることを促進する。例えば、容器100は、制御システムを含んで壁150の結合性を制御し得る。制御システムは、任意の適切な構成要素(例えば、一つ以上のセンサー)を含み得て、危険状況を検出し、一つ以上のアクチュエーター(例えば、水力式アクチュエーター、空気式アクチュエーター、および/または電磁弁)を含み得、センサーからの信号に応答して壁150の結合性を危険にさらすか、または壁150を破るか、あるいは危険制御物質107を配備する。
【0027】
別の実施形態において、容器100は、第一の区画115と第二の区画125との間に位置決めされた膜をさらに備え得る。あるいは、膜は、第二の区画125の外部表面に沿ってのみ配置され得る。膜は、小さな穴または穿孔をシールし、小さな穴または穿孔は、即座に危険な状況につながらない、危険性物質105の少量の漏出につながり得る。膜は、任意の適した自己シールシステム(例えば、第一の区画115と第二の区画125との間にはめ合うように構成されている単一部品のシステム)あるいは第一の区画115および/または第二の区画125に塗布されたコーティングを備え得る。膜は、任意の適した物質(例えば、ゲル、ポリウレタン、ゴム化アスファルト、エラストマーコーティング、発泡体など)を備え得る。例えば、膜は、小型武器の射撃による穴をシールするのに適しているように構成された自己シールコーティングを備え得、自己シールコーティングは、第二の区画125が第一の区画115の周りに位置決めされる前に、第一の区画115に塗布される。
【0028】
容器100は、複数の、第一の区画115および第二の区画125を含み得る。例えば、図2−4を参照すると、容器100は、一つ以上の付加的な区画135を含み得る。区画は、隔れられ得る(図3)か、または一つ以上の相互接続270(図2および図4)によって相互接続され得る。壁150は、付加的な区画135を第一の区画115から分離し得る。第二の区画125および付加的な区画135は、完全に第一の区画115を囲み得るか、または部分的に第一の区画115を囲んで、囲まれていない領域160を形成し得る。付加的な区画135は、任意の関連する付加的な機構(例えば、入口、出口、副区画、経路、弁、狭窄の個所など)を含み得る。
【0029】
付加的な区画135は、任意の適切な物質を収容し得る。本実施形態において、付加的な区画135は、危険制御物質107を収容する。あるいは、付加的な区画135は、さまざまな危険制御物質を収容してさまざまな危険に対処し得る。加えて、付加的な区画135は、多かれ少なかれ危険制御物質107を収容し、危険制御物質107を選択された方向にまたは選択された態様で配備し、または(例えば、予想された攻撃の角度に従う)選択された危険状況に反応するように構成され得る。さらには、付加的な区画135は、さまざまな危険状況に応答して(例えば、さまざまな区画135に関連づけられた壁150の厚さまたは材料を変えることによって)、危険制御物質107を配備し得る。
【0030】
区画115、125、135は、例えば、複数の危険制御物質107を配備するか、または異なる入射角から生じる危険状況に応答して危険制御物質107を配備するように任意の構成で配列され得る。例えば、図5を参照すると、付加的な区画135は、第一の区画115と第二の区画125との間にはさまれ得、その結果、両方の区画125、135は、第一の区画115と外部環境との間に配置される。あるいは、付加的な区画135は、少なくとも部分的に第二の区画125を囲み得る。
【0031】
図6A−Bを参照すると、動作中に、容器100が最初に形成され、第二の区画125が危険制御物質107によって満たされる。容器100は、適切な環境または用途において設置され得、例えば、車両の中でまたはスタンドアローン貯蔵システムとして一般的な用途に用いられ得る。本実施形態において、容器100は、車両の中に燃料タンクとして設置され得る。燃料は、可燃性燃料(例えば、従来のガソリンまたはジェット燃料)を含み得る。
【0032】
容器100は、危険状況に対応するトリガー事象に応答する。容器100は、任意の態様で危険事象を検出して応答し得る。本実施形態において、発射体122は、第二の表面120を突き刺し、危険制御物質107を通り抜ける(図6B)。発射体122は、次いで壁150に衝突し、例えば穴を開けることによって壁150が破損することをもたらす。本実施形態において、壁150の大部分は、破れて開き、第二の区画125(図6C)の複数の副区画から第一の区画115の中と周りの環境の中との両方に、危険制御物質107を放出する。壁150の破損は、危険性物質105からの危険制御物質107の分離を低減するか、またはなくす。
【0033】
発射体122が第一の区画115の中に入って進むとき、発射体122は、危険性物質105を放出および/または点火するか、あるいは危険状況を発生させる傾向があり得る。しかし、壁150の破損は、危険制御物質107を放出し、危険制御物質107は、発射体122が第一の区画に入った後に危険性物質105と混合し得る。加えて、危険性物質105が第一の区画から出る場合には、危険制御物質107は、危険性物質105に伴い得る。こうして、危険制御物質107は、トリガー事象に続く危険性物質105によって提示される危険を軽減する傾向がある。
【0034】
図示され説明される特定の実装は、発明およびその最良の様態を図示しており、本発明の範囲を任意の方法で別なように制限するようには意図されていない。実際に、簡潔さのために、システムの従来の製造、接続、調整、および他の機能的局面は、詳細に説明されない可能性がある。さらには、さまざまな図に図示され得る接続ラインは、例示的な機能関係および/またはさまざまな要素間の物理的結合を表すように意図されている。多くの代わりのまたは付加的な機能関係または物理的接続は、実践的システムの中に存在し得る。具体的な実施形態に関して上記に説明されている、利益、他の利点および問題への解決策は、重大な、要求されたまたは本質的な機構または構成要素として解釈されるべきではない。例示的な実施形態に対する変更および修正が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。これらおよび他の変更および修正は、以下の特許請求の範囲に表現されるとき、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。
【0035】
上記の説明において、発明が特定の例示的な実施形態を参照して説明されているが、さまざまな修正および変更が、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得る。説明および図は、制限的ではなく説明的であると見なされるべきであり、すべてのそのような修正は、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。したがって、本発明の範囲は、単に上記で説明された特定の例によってはでなく、説明された一般的な実施形態およびその法的な均等物によって決定されるべきである。例えば、任意の方法または処理実施形態において列挙されるステップは、任意の順序で実施され得、特定の例において提示された明白な順序に限定されるべきではない。加えて、任意の装置実施形態において列挙される構成要素および/または要素は、多様な並べ替え順で組み立てられるか、別なように動作的に構成され得て、本発明と実質的に同じ結果を生成し、したがって特定の例において列挙される特定の構成に制限されるべきではない。
【0036】
用語「備える、含む、包含する(comprise)」、「備える、含む、包含する(comprising)」、または任意のその変化形は、排他的でない包含を言い、その結果、要素のリストを備えている処理、方法、物品、構成または装置は、列挙されたそれらの要素のみを含むのでなく、明示的でなくリストされたか、またはそのような処理、方法、物品、構成または装置に固有の他の要素をも含み得る。本発明の実践において用いられる、上記で説明された構造、配列、用途、比率、要素、物質または構成要素の他の組み合わせおよび/または修正は、特定的に列挙されていないものに加えて、上記同一のものの一般的原則から逸脱することなく、変えられ得るか、または特定の環境、製造仕様、設計パラメーターまたは他の動作要件に対して、別なように具体的に適合され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の区画を規定する第一の表面であって、該第一の区画は、危険性物質を収容する、第一の表面と、
該第一の区画に隣接する第二の区画を規定する第二の表面であって、該第二の区画は、危険制御物質を収容し、衝撃に応答して少なくとも部分的に開くように構成されている、第二の表面と
を備えている、容器。
【請求項2】
前記第一の区画を前記第二の区画から分離する壁をさらに備え、該壁の結合性は、衝撃に応答して少なくとも部分的に開くように構成されている、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第二の区画は、少なくとも部分的に前記第一の区画を囲む、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記第二の区画内に仕切をさらに備え、該仕切は、該第二の区画内に少なくとも二つの副区画を規定する、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記少なくとも二つの副区画の間の相互接続をさらに備えている、請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記危険制御物質は、消火剤を備えている、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記第一の区画および前記第二の区画は、燃料タンクとして車両の中に設置されるように構成されている、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記壁は、該壁の周囲の領域よりも薄い該壁のセクションを規定する表面を含む、請求項2に記載の容器。
【請求項9】
前記第一の表面と前記第二の表面とのうちの少なくとも一つに沿って配置された膜をさらに備えている、請求項1に記載の容器。
【請求項10】
車両用燃料タンクシステムであって、
該車両の燃料を収容するように構成されている第一の区画を規定する第一の表面と、
該第一の区画に隣接する第二の区画を規定する第二の表面であって、該第二の表面は、消火剤を収容し、衝撃に応答して少なくとも部分的に開くように構成されている、第二の表面と
を備えている、車両用燃料タンクシステム。
【請求項11】
前記第一の区画を前記第二の区画から分離する壁をさらに備え、該壁の結合性は、衝撃に応答して少なくとも部分的に開くように構成されている、請求項10に記載の燃料タンクシステム。
【請求項12】
前記第二の区画は、少なくとも部分的に前記第一の区画を囲む、請求項10に記載の燃料タンクシステム。
【請求項13】
前記第二の区画内に仕切をさらに含み、該仕切は、該第二の区画内に少なくとも二つの副区画を規定する、請求項10に記載の燃料タンクシステム。
【請求項14】
前記少なくとも二つの副区画の間の相互接続をさらに備えている、請求項13に記載の燃料タンクシステム。
【請求項15】
前記壁は、該壁の表面において規定された複数の溝を含む、請求項11に記載の燃料タンクシステム。
【請求項16】
前記第一の表面と前記第二の表面とのうちの少なくとも一つに沿って配置された膜をさらに備えている、請求項10に記載の燃料タンクシステム。
【請求項17】
危険性物質を制御する方法であって、
第一の区画を規定する第一の表面を提供することであって、該第一の区画は、該危険性物質を収容するように構成されている、ことと、
該第一の区画に隣接する第二の区画を規定する第二の表面を配置することであって、該第二の区画は、危険制御物質を収容し、衝撃に応答して少なくとも部分的に開くように構成されていることと
を包含する、方法。
【請求項18】
壁が前記第一の区画を前記第二の区画から分離することをさらに包含し、該壁の結合性は、衝撃に応答して少なくとも部分的に開くように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記壁は、該壁の周囲の領域よりも薄い該壁のセクションを規定する表面を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第一の表面と前記第二の表面とのうちの少なくとも一つに沿って膜を配置することをさらに包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記危険制御物質を前記第二の区画の中に挿入することをさらに包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第二の区画は、少なくとも部分的に前記第一の区画を囲む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第二の区画内に仕切を提供することをさらに包含し、該仕切は、該第二の区画内に少なくとも二つの副区画を規定する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも二つの副区画の間の相互接続をさらに備えている、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記危険制御物質は、消火剤を備えている、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記第一の区画および前記第二の区画は、燃料タンクとして車両内に設置されるように構成されている、請求項17に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate


【公表番号】特表2010−534164(P2010−534164A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516275(P2010−516275)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/069816
【国際公開番号】WO2009/012160
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(510011640)ファイアートレース ユーエスエー, エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】