説明

原稿処理装置

【課題】液滴噴射不良を防止しつつ装置の小型化を図ることができる液滴噴射装置及びシート情報読取装置を提供する。
【解決手段】装置本体に設けられ且つ搬送路に沿ってシートを略垂直に立てた起立姿勢で搬送する搬送手段と、搬送路の一方側に配置され且つ搬送路を通過するシートに向かってノズルから液滴を噴射する液滴噴射ヘッドと、液滴噴射ヘッドに対向する部分で且つ搬送路の他方側に配置されて液滴噴射ヘッドからの液滴を回収する液滴回収部材とを備え、液滴回収部材は、有底容器形状からなり、装置本体に設けられた装着部に着脱自在であると共に、搬送路側に開口して液滴噴射ヘッドからの液滴を取り込むための液滴取込口と、液滴取込口に対向する液滴回収壁とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、インク等の液滴を噴射する液滴噴射装置及びこの液滴噴射装置を搭載したシート情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴を噴射する液滴噴射装置としては、例えば、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが知られている。このようなインクジェット式記録ヘッドは、複数のノズルからインク滴を吐出することによりシート等に所定の記録を行うことができる。
【0003】
一般的に、このようなインクジェット式記録ヘッドにおいては、ノズル(インク吐出口)近傍への紙粉や埃等の付着、インク詰まり、あるいはノズル内でのインクの増粘や空気混入等、様々な要因からインク吐出不良が発生し、ドット欠けやヨレ等の画像不良を招くことがある。
【0004】
そこで、このようなインク吐出不良を防止するために、記録動作に入る前に予備吐出処理を行うことが望ましい。予備吐出時のインク滴を受けるためには、記録ヘッドに対向する位置にインク吸収体及びこれを保持する部材等を配置する必要がある。しかしながら、装置の小型化を進める際、インク吸収体等の設置スペースも省スペース化の対象となる。
【0005】
ここで、上述したインクジェット式記録ヘッドは、シートを搬送しながらシートの画像を読み取る情報読取装置に印刷ヘッドとして実装され、例えば、情報として画像を読み取ったシートに対する印刷処理に使用される(特許文献1参照)。具体的には、この特許文献1に開示された読取装置は、磁気インク文字等の磁気パターンを読み取って磁気インク文字データを取得するための磁気インク文字読取装置である。
【0006】
なお、このような磁気インク文字読取装置は、用紙を略垂直に立てて装置の外周を囲むように搬送しながら、その用紙に付された磁気インク文字を読み取り、その後、用紙の裏面に所定の印刷を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−065779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に開示の磁気インク文字読取装置では、用紙の搬送路の片側に印刷ヘッドを配置する構成となる。しかし、印刷ヘッドとして上記インクジェット式記録ヘッドを採用した場合、インク吐出不良を防止するために、記録ヘッドに対向してインク吸収体を設置する必要性がでてくる。このような事情から、磁気インク文字読取装置の小型化、特に装置の幅寸法を小さくするのが難しいという問題がある。
【0009】
一方、印刷ヘッドから顔料等のインクを用いて予備吐出を行う場合、始めのうちはインク吸収体によってインクの吸収は効率よく行われるが、時間が経過するにしたがってインク吸収体の表面でインクが乾燥して堆積し始める。この原因としては、インク吸収体が吸収したインクが乾燥して吸収の妨げとなったり、あるいはインク吸収体がインクの溶媒(水分等)を積極的に吸収したりするためと考えられる。
【0010】
ここで、例えば、磁気インク文字読取装置のような構造において小型化を図るため印刷ヘッドとインク吸収体との距離を小さくすると、インク吸収体に堆積したインク堆積物がシートの搬送路内に突出し易い状況となり、インク堆積物とシートとが接触してシートの端部等が汚れてしまうという懸念がある。
【0011】
なお、上述した問題は、磁気インク文字読取装置に限って発生するものではなく、その他の読取装置、シート処理装置等に液滴噴射ヘッドを搭載して液滴噴射不良を防止しつつ装置の小型化を図ろうとする場合においても同様に発生するおそれがある。
【0012】
本発明の目的は、液滴噴射不良を防止しつつ装置の小型化を図ることができる液滴噴射装置及びシート情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成する本発明の液滴噴射装置は、装置本体の端部に沿って形成された搬送路と、前記装置本体に設けられ且つ前記搬送路に沿ってシートを略垂直に立てた起立姿勢で搬送する搬送手段と、前記搬送路の一方側に配置され且つ前記搬送路を通過するシートに向かってノズルから液滴を噴射する液滴噴射ヘッドと、前記液滴噴射ヘッドに対向する部分で且つ前記搬送路の他方側に配置されて前記液滴噴射ヘッドからの液滴を回収する液滴回収部材とを備え、前記液滴回収部材は、有底容器形状からなり、前記装置本体に設けられた装着部に着脱自在であると共に、前記搬送路側に開口して前記液滴噴射ヘッドからの液滴を取り込むための液滴取込口と、前記液滴取込口に対向する液滴回収壁とを有することを特徴とする。また、本発明は、このような液滴噴射装置を備えたシート情報読取装置についても広く対象としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液滴噴射ヘッドに対向して液滴回収部材を省スペースで配置し、且つ液滴堆積物がシートの搬送路内に突出するのを有効に防止しつつ、また液滴噴射不良を防止して装置の小型化を比較的容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る情報読取装置を説明するための概略斜視図である。
【図2】図1に示す情報読取装置の搬送路の展開図である。
【図3】銀行等の金融機関で扱われる手形等の原稿の一例を示す図である。
【図4】印字ユニット周辺の概略斜視図である。
【図5】印字ユニット周辺の一部断面図である。
【図6】インク滴回収部材の変形例を示す概略図である。
【図7】インク滴回収部材の変形例を示す概略図である。
【図8】インク滴回収部材の変形例を示す概略図である。
【図9】第1の実施の形態に係る情報読取装置の動作例について説明するためのフローチャートである。
【図10】給送した原稿が第2搬送路の搬送路長さよりも長い場合の例を説明するための図である。
【図11】給送した原稿が第2搬送路の搬送路長さよりも短い場合の例を説明するための図である。
【図12】給送した次原稿が第1搬送路で停止したときの例を説明するための図である。
【図13】図9のステップS1247における第1搬送路での原稿の停止判定処理を説明するためフローチャートである。
【図14】図9のステップS1251における第2搬送路での原稿の停止判定処理を説明するためフローチャートである。
【図15】ホストコンピュータの動作例を説明するためのフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る情報読取装置の動作例について説明するためのフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態に係る情報読取装置の動作例を説明するための搬送路の展開図である。
【図18】情報読取装置の動作例をさらに説明するための搬送路の展開図である。
【図19】図16のステップS1207における第1搬送路での原稿の停止判定処理を説明するためフローチャートである。
【図20】図16のステップS1210における第2搬送路での原稿の停止判定処理を説明するためフローチャートである。
【図21】本発明の第3の実施の形態に係る原稿処理装置の一例である情報読取装置を説明するための斜視図である。
【図22】図16における情報読取装置の平面図である。
【図23】図16における情報読取装置の搬送路の展開図である。
【図24】図21における情報読取装置の開閉機構を説明するための平面図である。
【図25】図24の情報読取装置における開閉機構の枢軸位置を説明するための平面図である。
【図26】第3の実施の形態に係る情報読取装置の動作を示すフローチャートである。
【図27】第3の実施の形態に係る情報読取装置の動作例を説明するための搬送路の展開図である。
【図28】情報読取装置の動作例をさらに説明するための搬送路の展開図である。
【図29】情報読取装置の動作例をさらに説明するための搬送路の展開図である。
【図30】図26のステップS2247における湾曲搬送路での原稿の停止判定処理を示すフローチャートである。
【図31】図26のステップS2251における下流搬送路での原稿の停止判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態
に係る情報読取装置を説明するための概略斜視図、図2は図1に示す情報読取装置の搬送路の展開図である。また、図3は、原稿の一例を示す概略平面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る情報読取装置1300は、チェックスキャナ装置の一例であって、原稿の束を立てた状態で載置する載置ユニット1100、搬送路1110、第1排紙ユニット1102、及び第2排紙ユニット1103を備え、通信ケーブル1302等の通信ユニットを介してホストコンピュータ1301(情報処理装置)と通信可能に接続される。
【0018】
ここで、本実施形態の情報読取装置1300で読み取る原稿の一例について説明する。具体的には、図3に示す原稿は、銀行等の金融機関で扱われる手形等である。この原稿1090には、磁気インクによってMICR(Magnetic ink Character Recognition)文字1091が印字され、このMICR文字1091を情報読取装置(原稿処理装置)で読み取ることにより、複数の原稿を銀行別・口座別・金額別・支払日別等に分類している。そして、原稿1090の画像やMICR文字1091の情報を電子ファイルとして集中センタに設置されたホストコンピュータに転送し、集中センタでホストコンピュータが受信した情報を基に金額の支払処理等が行われている。
【0019】
ところで、上述の一連の処理は、利用者から原稿を預かってから、例えば1日以内という短期間に終了させる必要があり、迅速な処理が求められる。そのため、多くの金融機関では各本店又は支店毎の原稿処理を行わず、原稿だけを専門に扱う、例えば集中センタと呼ばれる部署を設け、該集中センタにおいて高速処理可能な大型の情報読取装置を用いて大量の原稿を一括処理することがある。
【0020】
一方、近年の通信技術の発達により、各支店毎に原稿のMICR文字及び画像はじめとする個別情報を読み取り、読み取った情報を電子ファイルとして集中センタに伝送し、集中センタで電子ファイルと個別情報を基に、原稿が集中センタに届く前に、金額の支払処理等を済ませようとする業務形態が取られるようになった。このような電子データを利用した処理は、例えば顧客から受け取った原稿そのものをその日のうちに集中センタに集める必要がなくなり、集中センタと各支店とにおける手形の運搬業務が減少するので、コストの削減が可能となるだけでなく、原稿の迅速処理が可能となる。
【0021】
このような業務に対応するために、本実施形態では、原稿に表された磁気インク文字を磁気ヘッドにより読取った読取信号波形と、磁気インク文字認証用の基本波形データとを照合して文字認識を行って、原稿の迅速処理を実現している。そして、詳細は後述するが、文字認識を行った後、磁気ヘッドの下流側に配置された印刷機構により、磁気インク文字が読み取られた原稿に、電子決済済み等の印刷(予め決められた所定の印字等)を行うことができるようになっている。
【0022】
図1に戻り、このような原稿1090を搬送する搬送路1110には、第1搬送路1116及び第2搬送路1118が配置されている。第1搬送路1116よりも上流には、分離ローラ1107と給送ローラ1105とのローラ対、搬送ローラ対1104a、前段のレジストセンサ1112、MICR読取ユニット1106、及び読取ユニット1108が下流側に向けて順番に配置されている。なお、本実施形態では、給送ローラ1105及び分離ローラ1107等により本発明の給送手段(給送ユニット)を構成している。
【0023】
第2搬送路1118には、搬送ローラ対1104b、原稿有無センサ1109が配置され、第2搬送路1118よりも下流には、後段のレジストセンサ1113、印字ユニット1114及び読取ユニット1115が配置されている。また、情報読取装置1300には、搬送ローラ対1104a等を駆動する不図示の第1搬送機構、及び搬送ローラ対1104b等を駆動する不図示の第2搬送機構が配置されている。
【0024】
なお、本実施形態では、MICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108により本発明の第1処理ユニットを構成し、印字ユニット1114及び読取ユニット1115により本発明の第2処理ユニットを構成する。また、原稿1090には、図3で説明したように、磁気インクによってMICR文字1091が印字されている。
【0025】
ここで、第1搬送路1116は、搬送路1100のうち、読取ユニット1108から第2搬送路1118の上流端である搬送ローラ対1104bの手前までの領域である。第1搬送路1116の搬送路長は、手形専用の情報読取装置が搬送する原稿の最長の長さ(ビジネスチェックの長さ213mm)に原稿の停止に必要な制動距離を加えた長さとする。
【0026】
また、第2搬送路1118は、搬送路1110のうち、搬送ローラ対1104bから印字ユニット1114の直前にある後段レジストセンサ1113の手前までの領域である。第2搬送路1118の搬送路長は、ビジネスチェックの長さよりも短く、少なくともパーソナルチェック(又はアメリカンチェック)と呼ばれる長さ152mmに加速距離を加えた長さとする。
【0027】
ここで、図4及び図5を参照して、印字ユニット1114及びその周辺の構成について詳細に説明する。なお、図4は、印字ユニット周辺の概略斜視図であり、図5は、図4の一部断面図である。
【0028】
図4及び図5に示すように、印字ユニット1114は、搬送路1110を挟んでその一方側に配置されてノズルからインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド(以下記録ヘッドともいう)10と、この記憶ヘッド10に対向して搬送路1110の他方側に配置されてインク滴を回収するインク滴回収部材20とを有する。
【0029】
ここで、記録ヘッド10は、原稿1090に対してインク滴を吐出する印刷処理(印字処理)と、原稿1090が対向して存在しないタイミングでインク滴回収部材20に向けてインク滴を吐出する予備吐出処理とを実行可能である。この記録ヘッド10の予備突出処理によって記録ヘッド10のインク滴吐出を最適な状態(即ち、例えば、ノズル状態が最適な状態)に保つことができ、インク吐出不良を防ぐことができる。そして、装置のインク汚れ等を防ぐためには、記録ヘッド10に対向する位置においてインク滴回収部材20が必要となる。
【0030】
このようなインク滴回収部材20は、本実施形態では、記録ヘッド10からのインク滴を回収する有底容器形状で形成された部材からなる。また、このようなインク滴回収部材20は、上述した情報読取装置1300の本体に形成された装着部(図示しない)に着脱自在に設けられる。
【0031】
さらに、インク滴回収部材20は、情報読取装置1300の本体(具体的には装着部)に装着した状態で、搬送路1100側に開口して記録ヘッド10からのインク滴を取り込むためのインク滴取込口21と、このインク滴取込口21に対向するインク滴回収壁22とを有する。具体的には、インク滴回収部材20は、上端部が開口しており、当該上端部からスリット状に底部20a側に向かって切り欠かれることでインク滴取込口21が設けられている。なお、このインク滴取込口21は、インク滴回収部材20の底部20aに達する少し手前まで設けられている。即ち、インク滴回収部材20は、底部20a側において外周が壁に囲まれた容器部を構成している。
【0032】
また、インク滴取込口21は、記録ヘッド10のノズルが複数配列された領域を含むインク滴吐出領域10aよりも大きく且つインク滴回収壁22よりも小さい開口形状からなる。即ち、インク滴取込口21は、間口がインク滴を最低限取り込める程度に極力小さく設けられている。これにより、インク滴回収部材20内に取り込んだインク滴がインク滴回収壁22に衝突したその反動によって、インク滴取込口21からインク滴回収部材20の外側に飛散することを有効に防ぐことができる。
【0033】
また、インク滴回収壁22は、本実施形態では、記録ヘッド10のインク吐出面と略平行に設けられた垂直壁として設けられている。これにより、このインク滴回収壁22に衝突したインク滴は、壁面に付着すると共に自重によってインク滴回収部材20の底側に向かって流れ落ちることになる。このため、インク滴が多少堆積したとしても、インク滴回収壁22とインク滴取込口21との間の寸法をある程度確保できれば、原稿1090の搬送路1100に突出することを有効に防止することができる。即ち、本実施形態では、従来技術のようなインク吸収体を必要とせず、部品点数を少なくしつつ、比較的簡単な構造で、情報読取装置1300を小型化できて、しかも大量のインク滴を回収することができ、原稿1090がインクで汚れることを有効に防ぐことができる。
【0034】
特に、本実施形態のように、インク滴回収部材20が情報読取装置1300の端部、具体的には、搬送路1100の外側に配置されているので、情報読取装置1300の幅寸法を小さくすることができる。記録ヘッド10を小型化することよりも、インク滴回収部材20の構造の方が簡略化し易く、情報読取装置1300の幅寸法を効果的に小さくすることができる。
【0035】
なお、上述したようにインク滴回収壁22は、インク滴を受け、底部20a側にインクを流す役割を担うことから、そのような壁面は、撥水処理が施された撥水面とするのが好ましい。これにより、インク滴の堆積量が実質的に緩和され、より大量のインク滴を回収することができる。撥水処理としては、例えば、フッ素樹脂等で被膜を形成してもよいし、フッ素樹脂テープを貼り付けて形成してもよいが、材料等についてはインクの種類等によって適宜調整すればよい。また、このような撥水処理は、インク滴回収壁22だけでなく、インク滴回収部材20の内面の最適な領域又は全面に適宜施すことができる。
【0036】
また、本実施形態では、記録ヘッド10を上下方向に可動式としている。記録ヘッド10の移動機構は特に限定されないが、レバー等で手動により行うようにしてもよいし、モータ等で自動的に移動するようにしてもよい。このため、記録ヘッド10のインク滴吐出領域10aが記録ヘッド10自体の上下動に伴って動くため、印字領域を変えることができるようになっている。したがって、本実施形態では、上述したインク滴取込口21を、記録ヘッド10の可動範囲に対応して所定の寸法で形成している。このように記録ヘッド10を可動式とすることにより、インク滴の堆積エリアを分散させることができる他、ユーザが原稿1090への印字領域を適宜変更したりすることができ、印字領域を変更してもインク滴回収部材20を交換しなくてもよく経済的である。
【0037】
なお、ここで、図6,図7及び図8を参照して、上述したインク滴回収部材20の変形例について説明する。図6〜図8は、インク滴回収部材の変形例を示す概略図である。
【0038】
図6に示すように、インク滴回収部材20において、インク滴回収部材20の底部20a側にインク吸収体30を配置してもよい。これにより、インク滴回収壁22を流れ落ちるインクをインク吸収体30によって確実に回収することができる。インク吸収体30は、少なくともインク滴回収壁22側に当接させておくことがインクを直ぐに回収できる点で好ましい。なお、このような構成の場合には、インク滴回収壁22の壁面を撥水処理しておくことでインク吸収体30によるインクの回収効率をさらに高めることができる。いずれにしても、インク滴をインク吸収体30によって直接受け止めることがないため、インク吸収体30上でインクが堆積しても問題がない。
【0039】
また、図7に示すように、インク滴回収部材20Aにおいて、インク滴回収部材20Aの底面20aとインク滴回収壁22aの壁面とのなす角を鋭角としてもよい。これにより、インクはインク滴回収壁22aに沿って流れ落ち易くなり、またインク滴の堆積物も底面20a側に落下し易くなるため、インクの堆積物が搬送路側に飛び出したり原稿を汚したりすることを防ぐことができる。
【0040】
さらに、図8に示すように、インク滴回収部材20Bにおいて、その内部空間(各壁によって画成された空間)Xがインク液滴取込口21からインク滴回収壁22に向かって拡開するようにインク滴回収壁22の両端側の側壁23をテーパ状に配置してもよい。これにより、インク滴回収部材20B内に一旦取り込んだインク滴、あるいはインク滴回収壁22に衝突することで生成するインクミスト等のインク成分を側壁23に付着させて回収することにより、インク滴取込口21から搬送路側に飛散することを有効に防ぐことができる。特に、原稿が印字位置を通過する際の風圧差で、インク滴回収部材20B内のインクが搬送路に吸い出されず、より確実にインク滴回収部材20B内でインク回収を行うことができる。したがって、インクで原稿が汚れてしまうことを有効に防止することができる。
【0041】
次に、図9〜図14を参照して、本実施形態に係る情報読取装置1300の動作例について説明する。図9での各処理は、情報読取装置1300の不図示のROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが不図示のRAMにロードされて、不図示のCPU(以下、CPU1300Aという)により実行される。
【0042】
図9において、ステップS1241では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から通信ケーブル1302を介して読取処理の開始指示を受信すると、不図示の原稿検知センサを介して載置ユニット1100に原稿1090が載置されているか否かを判断する。
【0043】
そして、CPU1300Aは、載置ユニット1100に原稿1090が載置されている場合は、ステップS1242に進む。
【0044】
ステップS1242では、CPU1300Aは、載置ユニット1100から給送を始める原稿1090の給送開始が可能であるか否かを判定し、給送可能である場合は、ステップS1243に進む。
【0045】
ここで、CPU1300Aが原稿1090の給送開始が可能であると判定を行う場合は、給送しようとしている原稿が次の3つの条件のいずれかを満たしているときである。
【0046】
(1)給送しようとしている原稿が1枚目の原稿であること。給送しようとしている原稿が、1枚目であれば、第1搬送路1116、第2搬送路1118中に原稿が存在していないので原稿1090を給送しても他原稿と衝突することは無い。
【0047】
(2)給送しようとしている原稿が2枚目の原稿であり、且つ1枚目の原稿のサイズが第2搬送路1118の長さよりも短い原稿であること。原稿のサイズは、原稿1090の搬送速度をv、前段のレジストセンサ1112を原稿先端が通過してから原稿後端が通過するまでの時間をtとすれば、vtとして検出することができる。
【0048】
給送しようとしている原稿が2枚目の場合、1枚先行した原稿(1枚目の原稿)に対する印字情報及び振分先判定結果をホストコンピュータ1301から受信していないと、1枚目の原稿を第2搬送路1118まで搬送した後、停止させなければならない。
【0049】
ここで、1枚目の原稿1090aがパーソナルチェックよりも長い原稿の場合、1枚目の原稿1090aが第2搬送路1118で停止した状態のとき、図10に示すように、原稿後端が第1搬送路1116内にあり、新たに原稿を給送すると衝突するおそれがあるので給送を不可とする。しかし、図11に示すように、1枚目の原稿1090aがパーソナルチェックよりも短い場合は、新たに原稿1090bを給送しても1枚目の原稿1090aに衝突することはなく、図12に示すように、新たな原稿1090bを第1搬送路1116で停止させることができる。
【0050】
(3)3枚目以降の原稿で、2枚先行した原稿に対するホストコンピュータ1301からの印字情報及び振分先の判定結果を受信済で印字ユニット1114及び読取ユニット1115での処理を開始でき、且つ1枚先行した原稿の長さが第2搬送路1118の長さよりも短いこと。
【0051】
給送しようとしている原稿が、3枚目以降の場合、2枚先行した原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していないと、2枚先行した原稿を第2搬送路1118まで搬送させた後、停止させなければならない。
【0052】
そして、たとえ2枚先行した原稿がパーソナルチェックよりも短く、1枚先行した原稿を給送できたとしても、1枚先行した原稿を第1搬送路1116まで搬送した後、停止させなければならない。このため、更に原稿を給送した場合は、給送した原稿が1枚先行した原稿に衝突するおそれがある。
【0053】
その為、原稿を給送するには、2枚先行した原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信済で印字ユニット1114及び読取ユニット1115での処理を開始できていなければならない。また、1枚先行した原稿の長さも第2搬送路1118の長さより短くないと、第1搬送路1116にはみ出して停止する可能性もある。
【0054】
CPU1300Aは、上記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことによって、載置ユニット1100に載置された原稿1090に対して給送開始が可能であると判定する。
【0055】
これにより、1枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していないとしても、給送した原稿に対してはMICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108での処理を先行して行うことができる。
【0056】
ステップS1243では、CPU1300Aは、載置ユニット1100に載置された原稿1090を分離ローラ1107で一枚ずつ分離しながら給送ローラ1105により第1搬送路1116に給送し、ステップS1244に進む。なお、以降の説明では、原稿1090を図11の原稿1090bとする。
【0057】
ステップS1244では、CPU1300Aは、MICR読取ユニット1106により第1搬送機構が搬送している原稿1090bに印字されているMICR文字1091を読み取り、ステップS1245に進む。
【0058】
ここで、前段レジストセンサ1112とMICR読取ユニット1106間の距離をL1、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L1/v後に原稿1090bがMICR読取ユニット1106に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL1/v経過後に、MICR読取ユニット1106により原稿1090bのMICR文字1091の読取を行う。
【0059】
ステップS1245では、CPU1300Aは、読取ユニット1108により原稿1090bの表面の画像を読み取り、ステップS1246に進む。
【0060】
ここで、前段レジストセンサ1112と読取ユニット1108間の距離をL2、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L2/v後に原稿1090bは読取ユニット1108に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL2/v経過後に読取ユニット1108により原稿1090bの表面の画像の読み取りを開始する。
【0061】
ステップS1246では、CPU1300Aは、読み取った原稿1090bのMICR情報と原稿1090bの表面の画像情報を、通信ケーブル1302を介してホストコンピュータ1301へ転送し、ステップS1247に進む。
【0062】
ステップS1247では、CPU1300Aは、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS1248に進む。
【0063】
図13は、図9のステップS1247における第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を説明するためフローチャート図である。
【0064】
図13において、ステップS1271では、CPU1300Aは、1枚先行して搬送した原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ1301から受信したかどうか判断する。
【0065】
ここでの原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(制御情報)は、ステップS1246で、ホストコンピュータ1301に転送された1枚先行した原稿1090aのMICR情報と表面の画像情報を基に、ホストコンピュータ1301により生成される。
【0066】
CPU1300Aは、1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先判定結果をホストコンピュータ1301から受信していた場合或いは原稿1090bが1枚目であった場合は、原稿1090bを停止させることなく、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0067】
一方、CPU1300Aは、1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していない場合、ステップS1273に進む。
【0068】
ステップS1273では、CPU1300Aは、第1搬送機構により搬送されている原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達するまで、ホストコンピュータ1301から1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
【0069】
ここで、前段レジストセンサ1112と第1搬送路1116の停止位置間の距離をL3、原稿1090の搬送速度をvとすると、L3/v後に原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090の先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL3/v経過後に原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達したと判断する。なお、ここでは第1搬送路1116の停止位置は、搬送ローラ対1104bの直前に設定する。
【0070】
そして、CPU1300Aは、原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達してもホストコンピュータ1301から1枚手前の原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS1274に進む。
【0071】
ステップS1274では、CPU1300Aは、原稿1090aを第2搬送路1118で停止させているか、又は停止させることになるため、原稿1090bを第1搬送路1116で停止させるように第1搬送機構を制御し、ステップS1275に進む。
【0072】
ステップS1275では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS1276に進む。
【0073】
ステップS1276では、CPU1300Aは、原稿1090bの搬送を再開してもよいか否かを判断し、原稿1090bの搬送を再開してもよい場合は、ステップS1277に進む。
【0074】
ステップS1276において、CPU1300Aは、第2搬送路1118に原稿1090aが無い場合、又は1枚先行した原稿1090aの第2搬送機構による搬送が再開され、原稿1090bを搬送させても原稿1090aに衝突しない場合に、第1搬送機構による原稿1090bの搬送を再開してもよいと判断する。
【0075】
ステップS1277では、CPU1300Aは、第1搬送機構による原稿1090bの搬送を再開し、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0076】
図9に戻って、ステップS1248ではCPU1300Aは、搬送した原稿1090bの長さとパーソナルチェックのサイズと比較する。
【0077】
ここで、原稿1090bの長さは、原稿1090の搬送速度をv、前段レジストセンサ1112を原稿先端が通過してから原稿後端が通過するまでの時間をtとすると、vtとして算出できる。
【0078】
そして、CPU1300Aは、搬送した原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズ以下の場合は、ステップS1249に進み、搬送した原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、ステップS1249をスキップしてステップS1250に進む。
【0079】
ステップS1249では、CPU1300Aは、次原稿の給送を許可し、ステップS1250に進む。
【0080】
ここで、載置ユニット1100から次原稿が搬送路1110に給送されたとき、給送された次原稿についてステップS1241からの処理が開始される。また、CPU1300Aは、原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、次原稿の給送の許可を行わない。
【0081】
ステップS1250では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118へ搬送し、ステップS1251に進む。
【0082】
ステップS1251では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送機構により搬送しながら第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS1252に進む。
【0083】
図14は、図9のステップS1251における第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を説明するためフローチャート図である。
【0084】
図14において、ステップS1281では、CPU1300Aは、原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信したかどうか判断する。
【0085】
ここでの原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果は、ステップS1246で、ホストコンピュータ1301に転送された原稿1090bのMICR情報と表面の画像情報の少なくとも一方の情報を基に、ホストコンピュータ1301により生成される。
【0086】
そして、CPU1300Aは、原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ1301から受信していた場合は、原稿1090bを停止させることなく、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0087】
一方、CPU1300Aは、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していない場合、ステップS1283に進む。
【0088】
ステップS1283では、CPU1300Aは、第2搬送機構により原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達するまで搬送を続けながら、ホストコンピュータ1301から原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。ここでは、第2搬送路1118の停止位置は、印字ユニット1114の直前にある後段レジストセンサ1113の手前とする。
【0089】
ここで、原稿有無センサ1109と第2搬送路1118の停止位置間の距離をL4、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L4/v後に原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿有無センサ1109を原稿1090bの先端が通過した時間からL4/v経過後に原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達したと判断する。
【0090】
そして、CPU1300Aは、原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達してもホストコンピュータ1301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS1284に進む。
【0091】
ステップS1284では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118で停止させ、その後、ステップS1285に進む。
【0092】
ステップS1285では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS1286に進む。
【0093】
ステップS1286では、CPU1300Aは、第2搬送機構による原稿1090bの搬送を再開し、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0094】
図9に戻って、ステップS1252では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118よりも下流側に搬送し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113を通過するのを検知して、ステップS1253に進む。
【0095】
ステップS1253では、CPU1300Aは、原稿1090bが第2搬送路1118から更に下流に搬送され、また、次原稿が第1搬送路1116から第2搬送路1118へ搬送されるので、載置ユニット1100に載置されている原稿の給送を許可し、ステップS1254に進む。
【0096】
ここで、載置ユニット1100から原稿が給送されたとき、給送された原稿について、ステップS1241からの処理が開始される。
【0097】
ステップS1254では、CPU1300Aは、印字ユニット1114により原稿1090bに対してホストコンピュータ1301から受信した印字情報の印字を行い、ステップS1255に進む。
【0098】
ここで、後段レジストセンサ1113と印字ユニット1114間の距離をL5、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L5/v後に原稿1090bが印字ユニット1114に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113が通過した時間からL5/v経過後に、印字ユニット1114によりホストコンピュータ1301から受信した印字情報の印字を原稿1090bの裏面(磁気インク文字が印字された表面面とは反対側の面)に対して行う。なお、このような印字動作の前後、即ち、原稿が印字ユニットに対向する領域に存在していない時点で、ノズルからインク滴の予備吐出動作を行う。本実施形態では、通常読取モードにおいて、ステップS1242で給送開始できる状態になった後で実際に原稿の給送を開始する前に、印字ユニット1114でインク滴の予備吐出を実行する。
【0099】
ここで、予備吐出のタイミングは、上記の通常読取モードに限定されず、原稿にインクが付着しないタイミングであればよい。また、原稿を高速搬送する場合には、原稿の給送タイミングと連動、即ち、原稿給送開始の直前等で予備吐出を行うことができる。さらに、
例えば、読取待機モード(又はスリープモード)の場合には、省電力モードに移行していることから、印字ユニット1114に駆動電力を再供給して駆動可能するまでの時間がある程度必要となることがある。このため、印字ユニット1114が駆動可能な状態となった後に給送開始することが望ましいが、例えば、本実施形態では、第1搬送路1116又は第2搬送路1117で原稿の搬送を停止可能な構成であることから、少しでも前に原稿を搬送することが可能となる。即ち、印字ユニット1114が駆動可能な状態となるまで待つことなく、例えば、印字ユニット1114の手前、即ち、第1搬送路1116又は第2搬送路1117まで段階的に給送することができる。これにより、印字ユニット1114が駆動可能な状態となるまで給送を止めておく場合と比べて、少しでも原稿を前に送って磁気インク文字等の読取処理をできる限り行っておくことにより、全体の読取効率を向上することができる。
【0100】
なお、第2搬送路1117まで給送しても印字ユニット1114が駆動可能な状態となっていない場合には、第2搬送路1117で原稿を待機させ、印字ユニット1114が駆動可能な状態となった後、第2搬送路1117から原稿の搬送を再開(ステップS1252を実行)することにより、原稿に高品質な印字を行うことができる。
【0101】
勿論、このように第2搬送路1117まで原稿を搬送した場合には、第2搬送路1117内で原稿(先行原稿)を待機させているか否かにかかわらず、第1搬送路1116まで原稿(後続原稿)を搬送しておくことにより、全体の読取効率を向上することができる。
【0102】
このように印字ユニット1114が印字動作を実行できない間であっても原稿を印字エリア近くまで搬送制御することは、上述した読取待機モードに限定されず、例えば、記録ヘッドのインクタンク交換又は記録ヘッド自体の交換時においても適用することができる。このような新しい記録ヘッドにおいては、予備吐出におけるインク滴の吐出回数やインク吐出量は通常の予備吐出よりも多めに行う必要があり、予備吐出開始からその完了までにある程度の時間を要するためである。このようにインク交換作業後の予備吐出処理においても、本実施形態によれば、原稿を少しでも前に送りながら確実にインクの予備吐出を実行することができる構成であるため、インク吐出不良を防ぎつつ全体の読取効率を向上することができる。
【0103】
ステップS1255では、CPU1300Aは、読取ユニット1115により原稿1090bの裏面の画像を読み取り、読み取った裏面画像情報を、通信ケーブル1302を介してホストコンピュータ1301に送信し、ステップS1256に進む。
【0104】
ここで、後段レジストセンサ1113と読取ユニット1115間の距離をL6とすると、L6/v後に原稿1090bは、読取ユニット1115に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113を通過した時間からL6/v経過後に読取ユニット1115による原稿1090bの裏面画像の読み取りを開始する。
【0105】
ステップS1256では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から受信した原稿1090bの振分先の判定結果に基づいて、原稿1090bを第1排紙ユニット1102若しくは第2排紙ユニット1103へ振分けて搬送し、処理を終了する。
【0106】
次に、図15を参照して、ホストコンピュータ1301の動作例について説明する。図15の処理は、ホストコンピュータ1301の不図示のROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが不図示のRAMにロードされて、不図示のCPU(以下、CPU1301Aとする)により実行される。
【0107】
図15において、ステップS1401では、CPU1301Aは、情報読取装置1300に対して読取指示を行い、ステップS1402に進む。
【0108】
ステップS1402では、CPU1301Aは、情報読取装置1300からMICR情報を取得するまで待機し、取得した場合は、ステップS1403に進む。
【0109】
ステップS1403では、CPU1301Aは、情報読取装置1300から原稿1090bの表面の画像情報を取得したかを判断し、取得した場合は、ステップS1404に進む。
【0110】
ステップS1404では、CPU1301Aは、取得したMICR情報及び表画の画像情報を基に原稿1090bの処理が行われた事を示す為に原稿1090bの裏面に印字される印字情報を生成し、ステップS1405に進む。
【0111】
ステップS1405では、CPU1301Aは、ステップS1404で生成した印字情報を、ケーブル1302を介して情報読取装置1300に転送し、ステップS1406に進む。
【0112】
ステップS1406では、CPU1301Aは、取得したMICR情報及び表画の画像情報を基に原稿1090bの排紙先の判定を行い、ステップS1407に進む。
【0113】
ステップS1407では、CPU1301Aは、ステップS1406での原稿1090bの排紙先の判定結果(振分指示)を、通信ケーブル1302を介して情報読取装置1300に転送し、ステップS1408に進む。
【0114】
ステップS1408では、CPU1301Aは、情報読取装置1300から原稿1090bの裏面の画像情報を取得するまで待機し、取得した場合は、ステップS1409に進む。
【0115】
ステップS1409では、CPU1301Aは、原稿1090bが最終原稿か否か判断し、最終原稿でなければ、次原稿の処理を引き続き行うためにステップS1402に戻り、原稿1090bが最終原稿である場合は、本処理を終了する。
【0116】
以上説明したように、本実施形態では、MICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108を原稿後端が通過した後、情報読取装置1300は、ホストコンピュータ1301から転送される情報を受信することなく、載置ユニット1100から次原稿の給送を開始することが可能となる。これにより、原稿の処理能力、特に原稿の処理速度を大幅に高めることができる。
【0117】
また、本実施形態では、第1搬送路1116の読取ユニット1108から第2搬送路1118の始点である搬送ローラ1104までの搬送路長は最大サイズの原稿の1枚分以上あるため、ホストコンピュータ1301の処理時間を多く確保することができる。これにより、搬送路1110で原稿が停止する頻度を低く抑えることができ、結果として原稿の処理速度を高めることが可能となる。
【0118】
(実施形態2)
次に、図16〜図20を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る情報読取装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。また、ホストコンピュータ1301の動作については、上記第1の実施の形態(図15)と同様であるのでその説明を省略するまた、印字領域におけるインク滴回収の構造、予備吐出のタイミング等は上述した実施形態1と同様にすることが可能であるから、その説明は省略する。
【0119】
本実施形態では、図17、図18に示すように、第2搬送路1118の搬送ローラ対1104bから印字ユニット1114の直前にある後段レジストセンサ1113までの搬送路長は、手形専用の情報読取装置が搬送する原稿の最長の長さ(ビジネスチェックの長さ213mm)以上とする。
【0120】
図16は、本実施形態に係る情報読取装置1300の動作例を説明するためのフローチャートである。図16の処理は、情報読取装置1300の不図示のROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが不図示のRAMにロードされて、不図示のCPU(以下、CPU1300Aという)により実行される。
【0121】
図16において、ステップS1201では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から通信ケーブル1302を介して読取処理の開始指示を受信すると、不図示の原稿検知センサを介して載置ユニット1100に原稿1090が載置されているか否かを判断する。
【0122】
そして、CPU1300Aは、載置ユニット1100に原稿1090が載置されている場合は、ステップS1202に進む。
【0123】
ステップS1202では、CPU1300Aは、載置ユニット1100から給送を始める原稿1090に対して給送開始が可能であるか否かを判定し、給送可能である場合は、ステップS1203に進む。
【0124】
ここで、ステップS1202での判定は、給送しようとする原稿が1枚目か2枚目である場合、若しくは既に給送された2枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信している場合に、給送開始が可能であると判定される。
【0125】
これは、給送しようとしている原稿が1枚目であれば、第1搬送路1116、第2搬送路1118に原稿が存在していないので原稿1090を給送しても他原稿と衝突することは無い為である。
【0126】
また、給送しようとしている原稿が2枚目である場合、1枚目の原稿の印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していなくても、1枚目の原稿は第2搬送路1118まで搬送されて停止されても第1搬送路1116にはみ出すことはない。従って、第1搬送路1116は空いており、給送した2枚目の原稿を第1搬送路1116で停止させることができるためである。
【0127】
更に、搬送された2枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果を既にホストコンピュータ1301から受信している場合は、情報読取装置1300は、第2搬送路1118で2枚先行した原稿の搬送を開始することができる。
【0128】
従って、第1搬送路1116にある1枚先行した原稿も第2搬送路1118へ搬送できるので、第1搬送路1116が空くことから、1枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果を受信していなくとも、給送した原稿を第1搬送路1116で停止させることができる。
【0129】
上記条件のいずれかを満たすことにより、1枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信しなかったとしても、給送した原稿に対してはMICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108での処理を先行して行うことができる。
【0130】
ステップS1203では、CPU1300Aは、載置ユニット1100に載置された原稿1090を分離ローラ1107で一枚ずつ分離しながら給送ローラ1105により第1搬送路1116に給送し、ステップS1204に進む(図17)。なお、以降の説明では、原稿1090を図17の原稿1090bとする。
【0131】
ステップS1204では、CPU1300Aは、MICR読取ユニット1106により原稿1090bに印字されているMICR文字1091を読み取り、ステップS1205に進む。
【0132】
ここで、前段レジストセンサ1112とMICR読取ユニット1106間の距離をL1、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L1/v後に原稿1090bがMICR読取ユニット1106に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL1/v経過後に、MICR読取ユニット1106により原稿1090bのMICR文字1091の読み取りを行う。
【0133】
ステップS1205では、CPU1300Aは、読取ユニット1108により原稿1090bの表面の画像を読み取り、ステップS1206に進む。
【0134】
ここで、前段レジストセンサ1112と読取ユニット1108間の距離をL2、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L2/v後に原稿1090bは読取ユニット1108に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL2/v経過後に読取ユニット1108により原稿1090bの表面の画像の読み取りを開始する。
【0135】
ステップS1206では、CPU1300Aは、読み取った原稿1090bのMICR情報と原稿1090bの表面の画像情報を通信ケーブル1302を介してホストコンピュータ1301へ転送し、ステップS1207に進む。
【0136】
ステップS1207では、CPU1300Aは、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を行い(図18)、ステップS1208に進む。
【0137】
図19は、図16のステップS1207における第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を説明するためフローチャート図である。
【0138】
図19において、ステップS1221では、CPU1300Aは、1枚先行して搬送した原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ1301から受信したかどうか判断する。
【0139】
ここでの原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果は、図16のステップS1206で、ホストコンピュータ1301に転送された1枚先行した原稿1090aのMICR情報と表面の画像情報を基に、ホストコンピュータ1301により生成される。
【0140】
そして、CPU1300Aは、1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先判定結果をホストコンピュータ1301から受信していた場合、若しくは原稿1090bが1枚目であった場合は、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0141】
一方、CPU1300Aは、1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していない場合、ステップS1223に進む。
【0142】
ステップS1223では、CPU1300Aは、原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達するまで、ホストコンピュータ1301から1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
【0143】
ここで、前段レジストセンサ1112と第1搬送路1116の停止位置間の距離をL3、原稿1090の搬送速度をvとすると、L3/v後に原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090の先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL3/v経過後に原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達したと判断する。
【0144】
そして、CPU1300Aは、原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達してもホストコンピュータ1301から1枚手前の原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS1224に進む。
【0145】
ステップS1224では、CPU1300Aは、原稿1090aを第2搬送路1118で停止させているか、又は停止させることになるため、原稿1090bを第1搬送路1116で停止させるように第1搬送機構を制御し、ステップS1225に進む。
【0146】
ステップS1225では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS1226に進む。
【0147】
ここで、情報読取装置1300が搬送可能な最長の長さの原稿が第1搬送路1116で停止しても、原稿後端がMICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108を通過している必要がある。
【0148】
このため、本実施形態では、第1搬送路1116の搬送路長は、情報読取装置1300が搬送可能な原稿の最長の長さ以上とする。
【0149】
具体的には、手形専用の情報読取装置が搬送する原稿の最長の長さはビジネスチェックである213mmである。従って、本実施形態では、読取ユニット1108の下流端から第1搬送路1116の下流端である搬送ローラ対1104bの手前までの搬送路長は、213mmに原稿を停止するのに必要な制動距離を加えた長さとしている。
【0150】
ステップS1226では、CPU1300Aは、原稿1090bの搬送を再開してもよいかを判定し、原稿1090bの搬送を再開してもよい場合は、ステップS1227に進む。
【0151】
ここで、CPU1300Aは、第2搬送路1118に原稿1090aが無い場合、又は1枚先行した原稿1090aの搬送が再開され、原稿1090bを搬送させても原稿1090aに衝突しない場合に、原稿1090bの搬送を再開してもよいと判断する。
【0152】
ステップS1227では、CPU1300Aは、原稿1090bの搬送を再開し、第1搬送路1116で原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0153】
図16に戻って、ステップS1208では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118へ搬送し、ステップS1209に進む。
【0154】
ステップS1209では、CPU1300Aは、原稿1090bが第1搬送路1116から第2搬送路1118へ搬送されて、第1搬送路1116に原稿が存在しなくなるので、次原稿の給送を許可し、ステップS1210に進む。
【0155】
ここで、載置ユニット1110から次原稿が給送されたとき、給送された次原稿について、ステップS1201からの処理が開始される。
【0156】
ステップS1210では、CPU1300Aは、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS1211に進む。
【0157】
図20は、図16のステップS1210における第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を説明するためフローチャート図である。
【0158】
図20において、ステップS1231では、CPU1300Aは、原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ1301から受信したかどうか判断する。
【0159】
ここでの原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先判定結果は、図16のステップS1206でホストコンピュータ1301に転送された原稿1090bのMICR情報と表面の画像情報の少なくとも一方の情報を基に、ホストコンピュータ1301により生成される。
【0160】
そして、CPU1300Aは、原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していた場合は、原稿1090bを停止させることなく、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0161】
一方、CPU1300Aは、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していない場合、ステップS1233に進む。
【0162】
ステップS1233では、CPU1300Aは、原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達するまで搬送を続けながら、ホストコンピュータ1301から原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
【0163】
ここで、原稿有無センサ1109と第2搬送路1118の停止位置間の距離をL4、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L4/v後に原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿有無センサ1109を原稿1090bの先端が通過した時間からL4/v経過後に原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達したと判断する。
【0164】
そして、CPU1300Aは、原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達してもホストコンピュータ1301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS1234に進む。
【0165】
ステップS1234では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118で停止させ、ステップS1235に進む。
【0166】
ステップS1235では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS1236に進む。
【0167】
ここで、情報読取装置1300が搬送可能な最長の長さの原稿が第2搬送路1118で停止した場合に、原稿後端が搬送ローラ対1104bを通過しているように、第2搬送路1118の搬送路長は、情報読取装置1300が搬送可能な原稿の最長の長さ以上である必要がある。
【0168】
その為、本実施形態では、前述したように、第2搬送路1118の上流端である搬送ローラ1104から印字ユニット1114の上流端までの搬送路長は、手形専用の情報読取装置が搬送する原稿の最長の長さ(ビジネスチェックの長さ213mm)以上としている。なお、原稿が定速で後段レジストセンサ1113を通過する必要がある場合は、更に原稿の搬送速度が定速に至るまでの加速距離を加えた長さとすることが望ましい。
【0169】
ステップS1236では、CPU1300Aは、原稿1090bの搬送を再開し、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0170】
図16に戻って、ステップS1211では、CPU1300Aは、原稿1090bを下流側に搬送し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113を通過するのを検知して、ステップS1212に進む。
【0171】
ステップS1212では、原稿1090bが第2搬送路1118よりも更に下流に搬送され、また、次原稿が第1搬送路1116から第2搬送路1118へ搬送されるので、CPU1300Aは、載置ユニット1100に載置されている原稿の給送を許可し、ステップS1213に進む。
【0172】
ここで、載置ユニット1100から原稿が給送されたとき、給送された原稿について、ステップS1201からの処理が開始される。
【0173】
ステップS1213では、CPU1300Aは、印字ユニット1114により原稿1090bに対してホストコンピュータ1301から受信した印字情報の印字を行い、ステップS1214に進む。
【0174】
ここで、後段レジストセンサ1113と印字ユニット1114間の距離をL5、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L5/v後に原稿1090bが印字ユニット1114に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113が通過した時間からL5/v経過後に、印字ユニット1114によりホストコンピュータ1301から受信した印字情報の印字を原稿1090bに対して行う。
【0175】
ステップS1214では、CPU1300Aは、読取ユニット1115により原稿1090bの裏面の画像を読み取り、読み取った裏面画像情報を、通信ケーブル1302を介してホストコンピュータ1301に送信し、ステップS1215に進む。
【0176】
ここで、後段レジストセンサ1113と読取ユニット1115間の距離をL6とすると、L6/v後に原稿1090bは、読取ユニット1115に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113を通過した時間からL6/v経過後に読取ユニット1115による原稿1090bの裏面画像の読み取りを開始する。
【0177】
ステップS1215では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から受信した原稿1090bの振分先の判定結果に基づいて、原稿1090bを第1排紙ユニット1102若しくは第2排紙ユニット1103へ振分けて搬送し、処理を終了する。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0178】
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0179】
図21は、本発明の第3の実施の形態に係る原稿処理装置の一例である情報読取装置を説明するための斜視図であり、図22は、図21における情報読取装置の平面図であり、図23は、図21における情報読取装置の搬送路の展開図である。
【0180】
図21において、本実施形態に係る原稿処理装置の一例である情報読取装置2300は、例えば、図3に示す原稿1090の所定位置に磁気インクによって印字されたMICR文字1091を磁気的又は光学的に読み取るチェックスキャナ装置である。また、印字領域におけるインク滴回収の構造、予備吐出のタイミング等は上述した実施形態1と同様にすることが可能であるから、その説明は省略する。
【0181】
具体的には、情報読取装置2300は、載置ユニット2100、搬送路2110、第1排紙ユニット2102及び第2排紙ユニット2103を備え、通信ケーブル2302を介してホストコンピュータ2301(情報処理装置)と通信可能に接続されて原稿処理システムの一例である画像読取システムを構成する。搬送路2110は、湾曲搬送路2120、上流搬送路2121、下流搬送路2122から主として構成されている。なお、情報読取装置2300とホストコンピュータ2301との接続は、通信ケーブル2302等の有線接続でもよいが、無線接続としてもよい。
【0182】
図22及び図23において、上流搬送路2121は、搬送路2110のうち、分離ローラ2107と給送ローラ2105とからなるローラ対から搬送ローラ対2104aの前流までの領域であり、湾曲搬送路2120は、搬送ローラ対2104aの前流から搬送ローラ対2104bの後流までの領域である。また、下流搬送路2122は、搬送ローラ対2104bの後流から排紙ローラ対2127までの領域である。このような搬送路2110は、例えば、本実施形態では、装置本体の上部に開口するスリット形状で設けられている。
【0183】
湾曲搬送路2120の搬送路長は、情報読取装置2300が搬送可能な原稿の最長長さ(ビジネスチェックの長さ213mm)の2倍以上であり、通常、装置の大型化を防止するため、搬送可能な原稿の最長長さの2倍以上、5倍以下の長さに設定されることが好ましいが、より好ましくは、2倍以上3倍以下の長さに設定するのがよい。この搬送路長は、例えば、情報読取装置2300が搬送する原稿の最長長さの2倍に原稿の停止に必要な制動距離を加えた長さよりも長い。また、下流搬送路2122の搬送路長は、ビジネスチェックの長さよりも短く、パーソナルチェック(又はアメリカンチェック)と呼ばれる長さ152mmに加速距離を加えた長さに設定される。
【0184】
このような湾曲搬送路2120は、例えば、本実施形態では、M字型を形成しており、第1Uターンユニット2120a、第2Uターンユニット2120b及び第3Uターンユニット2120cを備えている。第2Uターンユニット2120bは、第1Uターンユニット2120aとは逆方向にUターンし、第3Uターンユニット2120cは、第2Uターンユニット2120bと逆方向にUターンしている。
【0185】
湾曲搬送路2120の上流側の上流搬送路2121には、分離ローラ2107と給送ローラ2105とのローラ対が配置されており、分離ローラ2107及び給送ローラ2105により給送ユニットを構成している。また、分離ローラ2107と給送ローラ2105とのローラ対に隣接して、MICR文字読取ユニット2106及び読取ユニット2108が配置されている。また、MICR文字読取ユニット2106及び読取ユニット2108(第1読取ユニット)により第1処理ユニット2125を構成している。また、分離ローラ2107と給送ローラ2105とのローラ対と第1処理ユニット2125との間には、原稿の到達及び通過を検知する前段のレジストセンサ2112が設置されている。なお、MICR文字読取ユニット2106と画像の読取ユニット2108とを逆に配置してもよい。
【0186】
さらに、湾曲搬送路2120の第1Uターンユニット2120a及び第3Uターンユニット2120cには、それぞれ第1搬送ユニットとしての搬送ローラ対2104a及び第2搬送ユニットとしての搬送ローラ対2104bが配置されている。
【0187】
また、湾曲搬送路2120の下流側の下流搬送路2122には、印刷ユニットとしての印字ユニット2114及び第2読取ユニットとしての読取ユニット2115が配置されており、印字ユニット2114と読取ユニット2115により第2処理ユニット2126を構成している。搬送ローラ対2104bと第2処理ユニット2126との間には、原稿1090の搬送方向に沿って順次原稿有無センサ2109及び後段レジストセンサ2113が配置されている。
【0188】
分離ローラ2107と給送ローラ2105とのローラ対の上流には、原稿1090を搬送路2110に給送する原稿の載置ユニット2100が設けられており、第2処理ユニット2126の下流には排紙ローラ対2127が配置されている。排紙ローラ対2127は各種処理が施された原稿1090を原稿排紙ユニットとしての第1排紙ユニット2102又は第2排紙ユニット2103に排紙する。
【0189】
情報読取装置2300は、搬送ローラ対2104a及び搬送ローラ対2104bをそれぞれ別個独立に駆動する図示省略した制御ユニット、及び第1処理ユニット2125で取得した原稿1090の情報を外ユニット機器としての情報処理装置に送信する送信ユニットを備えている。
【0190】
ここで、給送される原稿1090は、レジストセンサ2112を通過した後、MICR文字読取ユニット2106によってMICR文字1091が読み取られた後、読取ユニット2108によって表面の画像が読み取られる。このとき、画像読取装置2300は、原稿1090の先端がレジストセンサ2112に到達した際の信号を基に、MICR文字読取ユニット2106によるMICR文字の読取開始のタイミング及び読取ユニット2108による表面画像の読取開始タイミングを算出する。そして、当該タイミングで原稿1090の表面の下端に印字されているMICR文字1091の読み取り及び表面画像の読み取りを行う。
【0191】
情報読取装置2300の送信ユニットは、第1処理ユニット2125で読み取ったMICR情報及び表面画像情報を、通信ケーブル2302を介してホストコンピュータ2301へ送信する。
【0192】
ホストコンピュータ2301は、情報読取装置2300から送信されたMICR情報及び表面画像情報に基づいて、原稿1090の処理が行われたことを示すために原稿1090の裏面に印字される印字情報を生成し、原稿1090の排紙先を判定する。生成された印字情報と原稿1090の排紙先の判定結果は、ホストコンピュータ2301から通信ケーブル2302を介して情報読取装置2300に送信される。
【0193】
一方、印字情報と排紙先の判定結果を受信した情報読取装置2300は、原稿1090の先端が後段レジストセンサ2113に到達した際の信号を基に、印字ユニット2114による印字情報の印字開始のタイミングを算出し、当該タイミングにより印字を行う。また、情報読取装置2300は、原稿1090の先端が後段レジストセンサ2113に到達した際の信号を基に、裏面画像の読取ユニット2115によって原稿1090の裏面画像読み取りタイミングを算出し、当該タイミングにより裏面画像の読み取りを行う。
【0194】
その後は、情報読取装置2300は、ホストコンピュータ2301から受信した原稿1090の排紙先の判定結果に基づいて、裏面の画像が読み取られた後の原稿1090を第1排紙ユニット2102又は第2排紙ユニット2103に振分けて搬送する。
【0195】
そして、このような搬送経路を形成する本実施形態の情報読取装置2300においては、湾曲搬送路2120をはじめとする搬送路が、装置本体に開閉可能に設けられた開閉ユニットに形成されている。具体的には、湾曲搬送路2120、上流搬送路2121及び下流搬送路2122を形成する開閉ユニットは、情報読取装置2300を構成する構成部材としてのケーシングを有し、このケーシングは、装置本体に対して開閉可能に設けられている。そして、このような開閉ユニットは、各搬送路に沿って分解及び組み立て可能な開閉機構の一部を構成している。
【0196】
図24は、図21における情報読取装置の開閉機構を説明するための平面図である。
【0197】
図24において、上流搬送路2121を形成するケーシングユニット2121dは、載置ユニット2100の近傍に設けられた枢軸(以下、「ヒンジ軸」という)2129を回転軸とする枢着ユニットによって水平方向に沿って回動自在に装置本体に係止されている。これによって上流搬送路2121が搬送路の開閉ユニット2130に沿って分解、組み立て可能、すなわち開閉自在となる。また、湾曲搬送路2120に対応する搬送路構成部材としてのケーシングユニット2120dは、湾曲搬送路2120と下流搬送路2122との境界部に設けられたヒンジ軸2128を回転軸として水平方向に開閉自在に設けられており、これによって湾曲搬送路2120が湾曲搬送路の開閉ユニット2130に沿って分解、組み立て可能となる。また、下流搬送路2122を形成するケーシングユニット2122dは、湾曲搬送路のケーシング2120dと同様の回転軸(同軸)である、下流搬送路2122と湾曲搬送路2120との境界部に設けられたヒンジ軸2128を回転軸として開閉自在に設けられており、これによって下流搬送路2122が搬送路の開閉ユニット2130に沿って分解、組み立て可能となる。
【0198】
図24では、湾曲搬送路2120のケーシング2120d、上流搬送路2121のケーシング2121d、及び下流搬送路2122のケーシング2122dはそれぞれ開閉機構によって開かれている。各搬送路のケーシングを、搬送路を開閉可能に形成することによって、メンテナンス性が向上し、ローラの清掃や搬送不良時におけるジャム処理を容易に行うことができる。
【0199】
次に、湾曲搬送路2120のケーシング2120dと、下流搬送路2122のケーシング2122との共通のヒンジ軸2128の配置位置について図面を参照して説明する。
【0200】
図25は、図24の情報読取装置における開閉機構の枢軸位置を説明するための平面図である。
【0201】
図25において、一点鎖線Aは湾曲搬送路2120の第2Uターンユニット2120bの入口部分に垂直で、かつ第2Uターンユニット2120bを形成する円弧の中心aを通る直線である。一方、一点鎖線Bは第3Uターンユニット2120cの入口部分に垂直で、かつ第3Uターンユニット2120cを形成する円弧の中心bを通る直線である。図25中、一点鎖線Aと一点鎖線Bとの交点cの下方であって、一点鎖線Aと一点鎖線Bとで挟まれた領域(ハッチング領域)内にヒンジ軸を設けることにより、湾曲搬送路2120のケーシング2120dが、装置本体と干渉することなく回動自在となる。本実施形態においては、装置全体の小型化を図るために、湾曲搬送路2120のケーシング2120dの回転の中心であるヒンジ軸2128を、一点鎖線Aと一点鎖線Bとの交点c上に配置している。
【0202】
次に、図26〜図31を参照して、本実施形態における情報読取装置2300の動作について説明する。
【0203】
図26は、情報読取装置の動作を示すフローチャート図であり、図27〜図29は、画像読取装置の動作例を説明するための搬送路の展開図である。図26における処理は、情報読取装置2300の図示省略したROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが図示省略したRAMにロードされて、図示省略したCPU(以下、CPU2300Aという)により実行される。
【0204】
図26において、先ずステップS2241では、CPU2300Aは、ホストコンピュータ2301から通信ケーブル2302を介して読取処理の開始指示を受信すると、図示省略した原稿検知センサを介して載置ユニット2100に原稿1090aが載置されているか否かを判断する(図27)。
【0205】
そして、載置ユニット2100に原稿1090aが載置されている場合は、ステップS2242に進む。
【0206】
ステップS2242では、CPU2300Aは、載置ユニット2100から給送を始める原稿1090aに対して給送開始が可能であるか否かを判定し、給送可能である場合は、ステップS2243に進む。
【0207】
ここで、CPU2300Aが原稿1090aの給送開始が可能であると判定を行う場合は、上述した第1の実施の形態においてCPU1300Aが原稿1090の給送開始が可能であると判定を行う場合(条件(1)〜(3))と同じである。
【0208】
なお、本実施形態において制御情報としては、MICR判定結果だけの情報でもよいし、印字情報だけでもよいし、振分先情報だけでもよい。印字情報や振分先情報は、例えば、MICR判定結果に基づいて情報読取装置2300内の制御ユニット等で生成するようにしてもよい。振分先は、例えば、本実施形態では、2つの排紙ユニットとしたが、1つでもよいし、あるいは3つ以上としてもよい。また、振分先とは、例えば、本実施形態では、原稿を排出する第1排紙ユニット2102、第2排紙ユニット2103のことである。この振分先は、ホストコンピュータ2301の判定によって、第1排紙ユニット2102又は第2排紙ユニット2103のどちらかとなる。例えば、第1排紙ユニット2102にMICR文字1091の判定結果が完了した原稿を排出し、第2排紙ユニット2103にMICR文字1091の判定結果が完了していない原稿を排出するように設定することができる。
【0209】
CPU2300Aは、上記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことによって、載置ユニット2100に載置された原稿1090aに対して給送開始が可能であると判定する。
【0210】
次に、ステップS2243では、CPU2300Aは、載置ユニット2100に載置された原稿1090aを分離ローラ2107で一枚ずつ分離しながら給送ローラ2105により上流搬送路2121に給送し(図28)、ステップS2244に進んで、所定の処理を行う。なお、以下、説明の対象となる原稿を図28の原稿1090bとして説明する。
【0211】
ステップS2244では、CPU2300Aは、MICR文字読取ユニット2106により給紙ローラ105が搬送している原稿1090bに印字されているMICR文字1091を読み取り、ステップS2245に進む。
【0212】
ここで、MICR文字読取ユニット2106による原稿1090bのMICR文字1091の読み取りタイミングは、上記第1の実施の形態におけるMICR読取ユニット1106による原稿1090bのMICR文字1091の読み取りタイミングと同じである。
【0213】
ステップS2245では、CPU2300Aは、読取ユニット2108により原稿1090bの表面の画像を読み取り、ステップS2246に進む。
【0214】
ここで、読取ユニット2108による原稿1090bの表面の画像の読み取りタイミングは、上記第1の実施の形態における読取ユニット1108による原稿1090bの表面の画像の読み取りタイミングと同じである。
【0215】
ステップS2246では、CPU2300Aの送信ユニットは、読み取った原稿1090bのMICR情報と原稿1090bの表面の画像情報を、通信ケーブル2302を介してホストコンピュータ2301へ転送し、ステップS2247に進む。
【0216】
ステップS2247では、CPU2300Aは、湾曲搬送路2120での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS2248に進む。
【0217】
図30は、図26のステップS2247における湾曲搬送路2120での原稿1090bの停止判定処理を示すフローチャート図である。
【0218】
図30において、ステップS271では、CPU2300Aは、1枚先行して搬送した原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ2301から受信したかどうか判断する。
【0219】
原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(制御情報)は、ステップS2246で、ホストコンピュータ2301に転送された1枚先行した原稿1090aのMICR情報と表面の画像情報を基に、ホストコンピュータ2301により生成される。
【0220】
CPU2300Aは、1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先判定結果をホストコンピュータ2301から受信していた場合又は原稿1090bが1枚目である場合は、原稿1090bを停止させることなく、湾曲搬送路2120での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0221】
一方、CPU2300Aは、1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ2301から受信していない場合、ステップS273に進む。
【0222】
ステップS273では、CPU2300Aは、搬送ローラ対2104aにより搬送されている原稿1090bが湾曲搬送路2120の停止位置に到達するまで、ホストコンピュータ2301から1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
【0223】
ここで、前段レジストセンサ2112と湾曲搬送路2120の停止位置との距離をL7、原稿1090の搬送速度をvとすると、L7/v後に原稿1090bが湾曲搬送路2120の停止位置に到達する。従って、CPU2300Aは、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿1090の先端が前段レジストセンサ2112を通過した時間からL7/v経過後に原稿1090bが湾曲搬送路2120の停止位置に到達したと判断する。なお、ここでは湾曲搬送路2120の停止位置は、搬送ローラ対2104bの直前に設定する。
【0224】
そして、CPU2300Aは、原稿1090bが湾曲搬送路2120の停止位置に到達してもホストコンピュータ2301から1枚手前の原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS2274に進む。
【0225】
ステップS2274では、CPU2300Aは、原稿1090aを下流搬送路2122で停止させているか、又は停止させることになるため、原稿1090bを湾曲搬送路2120で停止させるように搬送ローラ対2104aを制御し、ステップS2275に進む。
【0226】
ここで、原稿1090a又は1090bを下流搬送路2122や湾曲搬送路2120等で停止させるとは、これら搬送路に停止位置をそれぞれ設けて、その停止位置の手前で原稿1090a又は1090bを停止させるようにすることをいう。例えば、上記「原稿の先端部を停止位置で停止させる」とは、原稿の先端部が停止位置又はその手前、すなわち、停止位置を実質的に超えないように、原稿の搬送速度を制御して原稿の搬送を停止させることを含むものとする。また、上記「原稿の搬送を停止させる」とは、原稿の搬送を完全停止させて原稿を搬送路内に静止状態とする場合だけでなく、原稿を搬送路内に静止状態とせず低速搬送の場合も含むものとする。
【0227】
ステップS2275では、CPU2300Aは、ホストコンピュータ2301から1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果U(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS2276に進む。
【0228】
ステップS2276では、CPU2300Aは、原稿1090bの搬送を再開してもよいか否かを判断し、原稿1090bの搬送を再開してもよい場合は、ステップS2277に進む。なお、搬送を再開する場合には、原稿1090bの搬送速度を定常速度に戻す等により実行することができる。
【0229】
CPU2300Aは、下流搬送路2122に原稿1090aが無い場合、又は1枚先行した原稿1090aの下流搬送路2122による搬送が再開され、原稿1090bを搬送させても原稿1090aに衝突しない場合に、搬送ローラ対2104aによる原稿1090bの搬送を再開してもよいと判断する。
【0230】
ステップS2277では、CPU2300Aは、搬送ローラ対2104aによる原稿1090bの搬送を再開し、湾曲搬送路2120での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0231】
図26に戻って、ステップS2248において、CPU2300Aは、搬送した原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズ以下の場合は、ステップS2249に進み、搬送した原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、ステップS2249をスキップしてステップS2250に進む。
【0232】
ステップS2249では、CPU2300Aは、次原稿の給送を許可し、ステップS2250に進む。
【0233】
ここで、載置ユニット2100から次原稿が搬送路2110に給送されたとき、給送された次原稿についてステップS2241からの処理が開始される。また、CPU2300Aは、原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、次原稿の給送の許可を行わない。
【0234】
ステップS2250では、CPU2300Aは、原稿1090bを下流搬送路2122へ搬送し、ステップS2251に進む。
【0235】
ステップS2251では、CPU2300Aは、原稿1090bを搬送ローラ対2104bにより搬送しながら下流搬送路2122での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS2252に進む。
【0236】
図31は、図26のステップS2251における下流搬送路2122での原稿1090bの停止判定処理を示すフローチャート図である。
【0237】
図31において、ステップS2281では、CPU2300Aは、原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ2301から受信したかどうか判断する。
【0238】
原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果は、図26のステップS2246で、ホストコンピュータ2301に転送された原稿1090bのMICR情報と表面の画像情報の少なくとも一方の情報を基に、ホストコンピュータ2301により生成される。
【0239】
そして、CPU2300Aは、原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ2301から受信していた場合は、原稿1090bを停止させることなく、下流搬送路2122での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0240】
一方、CPU2300Aは、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ2301から受信していない場合、ステップS2283に進む。
【0241】
ステップS2283では、CPU2300Aは、搬送ローラ対2104bにより原稿1090bが下流搬送路2122の停止位置に到達するまで搬送を続けながら、ホストコンピュータ2301から原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。下流搬送路2122の停止位置は、印字ユニット2114の直前にある後段レジストセンサ2113の手前とする。
【0242】
ここで、原稿有無センサ2109と下流搬送路2122の停止位置との距離をL8、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L8/v後に原稿1090bが下流搬送路2122の停止位置に到達する。従って、CPU2300Aは、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿有無センサ2109を原稿1090bの先端が通過した時間からL8/v経過後に原稿1090bが下流搬送路2122の停止位置に到達したと判断する。
【0243】
そして、CPU2300Aは、原稿1090bが下流搬送路2122の停止位置に到達してもホストコンピュータ2301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS2284に進む。
【0244】
ステップS2284では、CPU2300Aは、原稿1090bを下流搬送路2122で停止させ、ステップS2285に進む。
【0245】
ステップS2285では、CPU2300Aは、ホストコンピュータ2301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS2286に進む。
【0246】
ステップS2286では、CPU2300Aは、搬送ローラ対2104bによる原稿1090bの搬送を再開し、下流搬送路2122での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
【0247】
図26に戻って、ステップS2252では、CPU2300Aは、原稿1090bを下流側に搬送し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ2113を通過するのを検知して、ステップS2253に進む。
【0248】
ステップS2253では、CPU2300Aは、原稿1090bが下流搬送路2122から更に下流に搬送され、また、次原稿が湾曲搬送路2120から下流搬送路2122へ搬送されるので、載置ユニット2100に載置されている原稿の給送を許可し、ステップS2254に進む。
【0249】
載置ユニット2100から原稿が給送されたとき、給送された原稿について、ステップS2241からの処理が開始される。
【0250】
ステップS2254では、CPU2300Aは、印字ユニット2114により原稿1090bに対してホストコンピュータ2301から受信した印字情報の印字を行い、ステップS2255に進む。
【0251】
ここで、印字ユニット2114によるホストコンピュータ2301から受信した印字情報の印字を原稿1090bに対して行うタイミングは、上記第1の実施の形態における印字ユニット1114による印字情報の印字を原稿1090bに対して行うタイミングと同じである。
【0252】
ステップS2255では、CPU2300Aは、読取ユニット2115により原稿1090bの裏面の、例えば、印刷面の画像を読み取り、読み取った裏面画像情報を送信ユニットから通信ケーブル2302を介してホストコンピュータ2301に送信し、ステップS2256に進む。
【0253】
ここで、読取ユニット2115による原稿1090bの裏面画像の読み取りを開始するタイミングは、上記第1の実施の形態における読取ユニット1115による原稿1090bの裏面画像の読み取りを開始するタイミングと同じである。
【0254】
ステップS2256では、CPU2300Aは、ホストコンピュータ2301から受信した原稿1090bの振分先の判定結果に基づいて、原稿1090bを第1排紙ユニット2102もしくは第2排紙ユニット2103へ振分けて搬送し、処理を終了する。
【0255】
本実施形態によれば、第1処理ユニット2125を原稿1090aの後端が通過した後、ホストコンピュータ2301から転送される原稿1090aの制御情報を受信することなく、次の原稿1090bの給送を開始することが可能となるので、原稿の処理能力、特に原稿の処理速度を高めることができる。
【0256】
なお、本実施形態におけるホストコンピュータ1301の動作については、上記第1の実施の形態(図15)と同様であるのでその説明を省略する。
【0257】
本実施形態における情報読取装置2300は、原稿の先端部が第2処理ユニット2126の手前に位置している状態で、印字情報及び振分先の判定結果を受信済みである限り、原稿は搬送路2110内で搬送停止することなく第1処理ユニット2125及び第2処理ユニット2126により連続的に高速処理されることになる。
【0258】
すなわち、本実施形態では、一の原稿が第1処理ユニット2125を通過した後、該一の原稿の処理に関する制御情報を受信する時点で、一の原稿の先端部が第2処理ユニット2126の手前に位置するように搬送制御しているので、ホストコンピュータ2301から一の原稿の制御情報を受信することなく、次の原稿の給送を開始することが可能となる。また、一の原稿の制御情報を受信後、直ぐに第2処理を開始することができるので、これによって、複数の原稿を連続的に処理する場合であっても処理能力を向上させることができる。
【0259】
また、本実施形態によれば、搬送路2110の一部に湾曲搬送路2120を設け、且つその湾曲搬送路2120を、情報読取装置の一部に開閉可能に設けられた開閉ユニット2130に形成するようにしたので、メンテナンス性を向上することができる。例えば、原稿の搬送不良(例えば、ジャム等の紙詰まり)が生じた場合においては、開閉ユニット2130を開状態とすることで湾曲搬送路2120の全体を一度に開放することができる。これにより、例えば、損傷等した原稿を取り出し易くなり、メンテナンス性を向上することができる。
【0260】
また、湾曲搬送路2120のケーシング2120dを水平方向に沿って開閉自在に構成したので、ケーシングを閉じた組み立て状態における搬送ローラ対2104a及び104bの押圧力を上下方向に均一にすることができ、これによって、原稿の搬送状態が安定する。
【0261】
また、本実施形態によれば、湾曲搬送路2120のケーシング2120dと下流搬送路2122のケーシング2122dのヒンジ軸を同一軸2128としたので、部品点数の削減及び、さらなる装置の小型化を図ることができる。
【0262】
さらに、本実施形態によれば、湾曲搬送路2120の搬送路長を搬送可能な最長の原稿の搬送路に沿った長さの2倍以上としたので、ホストコンピュータ2301の処理時間を多く確保することができ、これにより、搬送路2110で原稿が待機、停止する頻度を低く抑えることができ、結果として原稿の処理速度を高めることが可能となる。また、搬送路2110の一部を湾曲搬送路としたので、装置全体を大型化することなく、むしろ小型化することができる。すなわち、搬送路2110の一部に、第1Uターンユニット2120a、第2Uターンユニット2120b、及び第3Uターンユニット2120cを有するので、搬送路が長くなるにも関わらず装置の小型化を図ることができる。
【0263】
また、本実施形態によれば、第1搬送ユニット及び第2搬送ユニットとしての搬送ローラ対2104a及び搬送ローラ対2104bとして同型のものを適用することができるので部品点数が減少し、紙ストレスの均一化及びコストの低減を図ることができる。
【0264】
本実施形態において、湾曲搬送路2120の形状を、Uターンユニットを3個有するM字形状にしたが、本発明は、これに限定されるものではなく、開閉機構に影響を与えない範囲で、Uターンユニットを4個以上有する形状にしてもよい。また、搬送される原稿1090が上下に揺動することを防止するために、任意の従動ローラを上下方向に沿って傾けるようにしてもよい。
【0265】
本実施形態において、湾曲搬送路2120のケーシング2120dのヒンジ軸と下流搬送路2122のケーシング2122dのヒンジ軸とを同一としたが、これに限定されるものではなく、湾曲搬送路2120のケーシング2120dのヒンジ軸と上流搬送路2121のケーシング2121dのヒンジ軸とを同一としてもよい。
【0266】
なお、上述した本実施形態では、ホストコンピュータ2301から原稿の振分先や印字情報等の指示情報を含む制御情報(制御信号)を受信するようにしたが、このような制御信号を情報読取装置2300内で生成するようにしてもよい。
【0267】
また、上述した本実施形態では、チェックスキャナを例示して説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、原稿(シート)の画像読取や画像形成等の各種処理を施す原稿処理装置及び原稿処理システムに適用することができる。
【0268】
また、本実施形態において、搬送ローラ対2104a及び104bにおける原稿1090の搬送速度は、常に一定の定常速度vに調整される。
【0269】
本発明において、制御ユニットは、制御情報を受け取るまでに一の原稿を第2処理ユニットより手前の位置まで搬送すると共に、受け取った制御情報に基づいて第2処理ユニットに原稿を搬送するよう搬送ユニットを制御するようにしてもよい。これにより、原稿の更なる高速処理を行うことができる。制御ユニットは、一の原稿が第2処理ユニットの手前の位置に到達する前に制御情報を受け取った場合においては、一の原稿の搬送を第2処理ユニットの手前で停止させることなく、そのまま第2処理ユニットに原稿を連続的に搬送するよう搬送ユニットを制御する。これにより、原稿の高速処理を実現することができる。
【0270】
以上、本発明を各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、第2処理ユニットの手前に、第1処理ユニットで処理された一の原稿を収容できるスペースを搬送路に確保した構造を有する原稿処理装置だけでなく、このような原稿処理装置を制御するための制御方法、当該制御方法を実行するための制御プログラム(制御プログラム製品)、原稿処理装置と情報処理装置(ホストコンピュータ)とを接続して構成される原稿処理システム等についても広く展開可能である。
【符号の説明】
【0271】
10 インクジェット式記録ヘッド(記録ヘッド)
20,20A,20B インク滴回収部材
21 インク滴取込口
22 インク滴回収壁
23 側壁
1090 原稿
1090a 原稿
1090b 原稿
1091 MICR文字
1100 載置ユニット
1102 第1排紙ユニット
1103 第2排紙ユニット
1104a 搬送ローラ対
1104b 搬送ローラ対
1105 給送ローラ
1106 MICR読取ユニット
1107 分離ローラ
1108 読取ユニット
1109 原稿有無センサ
1110 搬送路
1112 前段レジストセンサ
1113 後段レジストセンサ
1114 印字ユニット
1115 読取ユニット
1116 第1搬送路
1118 第2搬送路
1300 情報読取装置
1301 ホストコンピュータ
1302 通信ケーブル
2100 載置ユニット
2102 第1排紙ユニット
2103 第2排紙ユニット
2104a 搬送ローラ対
2104b 搬送ローラ対
2105 給送ローラ
2106 MICR文字読取ユニット
2107 分離ローラ
2108 読取ユニット
2109 原稿有無センサ
2110 搬送路
2112 前段レジストセンサ
2113 後段レジストセンサ
2114 印字ユニット
2115 読取ユニット
2120 湾曲搬送路
2120a 第1Uターンユニット
2120b 第2Uターンユニット
2120c 第3Uターンユニット
2120d ケーシングユニット
2121 上流搬送路
2122 下流搬送路
2128 ヒンジ軸
2130 開閉ユニット
2300 情報読取装置
2301 ホストコンピュータ
2302 通信ケーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の端部に沿って形成された搬送路と、
前記装置本体に設けられ且つ前記搬送路に沿ってシートを略垂直に立てた起立姿勢で搬送する搬送手段と、
前記搬送路の一方側に配置され且つ前記搬送路を通過するシートに向かってノズルから液滴を噴射する液滴噴射ヘッドと、
前記液滴噴射ヘッドに対向する部分で且つ前記搬送路の他方側に配置されて前記液滴噴射ヘッドからの液滴を回収する液滴回収部材とを備え、
前記液滴回収部材は、有底容器形状からなり、前記装置本体に設けられた装着部に着脱自在であると共に、前記搬送路側に開口して前記液滴噴射ヘッドからの液滴を取り込むための液滴取込口と、前記液滴取込口に対向する液滴回収壁とを有することを特徴とする液滴噴射装置。
【請求項2】
シートが前記液滴噴射ヘッドに対向するタイミングでシートに向けて液滴噴射を行う印刷処理と、前記液滴取込口に対向する部分にシートが存在しないタイミングで前記液滴回収壁に向けて液滴を噴射する予備噴射処理とを実行可能であることを特徴とする請求項1記載の液滴噴射装置。
【請求項3】
前記液滴回収壁は、垂直壁であることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴噴射装置。
【請求項4】
前記液滴回収部材の底面と前記液滴回収壁の壁面とのなす角が鋭角であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液滴噴射装置。
【請求項5】
前記液滴回収壁の壁面は、撥水処理が施された撥水面を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液滴噴射装置。
【請求項6】
前記液滴取込口は、前記液滴噴射ヘッドのノズルが複数配列された領域を含む液滴噴射領域よりも大きく且つ前記液滴回収壁よりも小さい開口形状からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液滴噴射装置。
【請求項7】
前記液滴回収部材は、内部空間が前記液滴取込口から前記液滴回収壁に向かって拡開していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液滴噴射装置。
【請求項8】
前記液滴回収部材の底部側には、前記液滴回収壁に当接するように液滴吸収体が配設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液滴噴射装置。
【請求項9】
前記液滴噴射ヘッドは、前記液滴回収壁に沿って移動自在に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液滴噴射装置。
【請求項10】
装置本体の外周部に沿って当該装置本体の内側を取り囲むように形成された搬送路と、
前記装置本体に設けられ且つ前記搬送路に沿ってシートを略垂直に立てた起立姿勢で搬送する搬送手段と、
前記搬送路の上流側で且つ当該搬送路の外側に設けられてシートの磁気情報を読み取る磁気ヘッドと、
前記搬送路の下流側に設けられてシートの画像を読み取る画像読取ヘッドと、
前記装置本体に設けられて前記搬送路に沿って搬送されるシートに向かって液滴を噴射する液滴噴射装置とを備え、
前記液滴噴射装置は、前記搬送路の内側に配置され且つ前記搬送路を通過するシートに向かってノズルから液滴を噴射する液滴噴射ヘッドと、前記液滴噴射ヘッドに対向する部分で且つ前記搬送路の他方側に配置されて前記液滴噴射ヘッドからの液滴を回収する液滴回収部材とを有し、
前記液滴回収部材は、有底容器形状からなり、前記装置本体に設けられた装着部に着脱自在であると共に、前記搬送路側に開口して前記液滴噴射ヘッドからの液滴を取り込むための液滴取込口と、前記液滴取込口に対向する液滴回収壁とが設けられていることを特徴とするシート情報読取装置。
【請求項11】
前記液滴噴射装置は、前記搬送路に配置される前記磁気ヘッドよりも下流側に配置されて、前記磁気ヘッドで読み取った磁気情報の読取結果に基づいてシートに所定の情報を印刷する印刷装置であることを特徴とする請求項10記載のシート情報読取装置。
【請求項12】
前記液滴噴射装置は、シートが前記液滴噴射ヘッドに対向するタイミングでシートに向けて液滴噴射を行う印刷処理と、前記液滴取込口に対向する部分にシートが存在しないタイミングで前記液滴回収壁に向けて液滴を噴射する予備噴射処理とを実行可能であることを特徴とする請求項10又は11記載のシート情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2011−245770(P2011−245770A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122017(P2010−122017)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】