説明

双輪キャスター

【課題】キャスターボルト3に対するキャスター本体5の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うリンク機構をシンプルにし、小型化する。
【解決手段】車軸7を隔ててキャスターボルト3の反対側に車輪8-1,8-2の回転をロックするブレーキヘッド10を配置し、キャスターボルト3のまわりに概略放射状に延びている係合溝2aを車軸7よりも上側に形成し、係合溝2aと係合してキャスター本体5の旋回をロックする係合突起9a1を有するロック部材9を車軸7のほぼ真上に配置し、操作レバー12の回転中心軸5h,5iをブレーキヘッド10のほぼ真上に配置し、概略コ字状の操作レバー12の中央部12aに当接する当接突起9a2をロック部材9の係合突起9a1と回転中心軸9b1,9c1との間に形成し、ブレーキヘッド10を駆動するカム小径部12b3,12c3およびカム大径部12b4,12c4を操作レバー12の側壁部12b,12cに形成した双輪キャスター100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車軸に対する右車輪の回転、車軸に対する左車輪の回転、および、キャスターボルトに対するキャスター本体の旋回のロック/アンロックを切り換えることができる双輪キャスターに関する。
【0002】
特に、本発明は、キャスターボルトに対するキャスター本体の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うリンク機構をシンプルにし、小型化することができる双輪キャスターに関する。
【0003】
更に、本発明は、キャスターボルトに対するキャスター本体の旋回のロック/アンロックの切り換え操作の信頼性を向上させることができる双輪キャスターに関する。
【0004】
また、本発明は、双輪キャスター全体の組立性を向上させることができる双輪キャスターに関する。
【背景技術】
【0005】
従来から、車軸に対する右車輪の回転、車軸に対する左車輪の回転、および、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックを切り換えることができる双輪キャスターが知られている。この種の双輪キャスターの例としては、例えば特開2007−106184号公報に記載されたものがある。
【0006】
特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、水平方向に延びている車軸が、キャスター本体(ヨーク部)によって支持されている。また、車軸に対して右車輪が回転できるように、右車輪が車軸に取り付けられている。更に、車軸に対して左車輪が回転できるように、左車輪が車軸に取り付けられている。
【0007】
また、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、鉛直方向に延びているキャスターボルト(竪軸)に対してキャスター本体(ヨーク部)が旋回できるように、キャスター本体(ヨーク部)がキャスターボルト(竪軸)に取り付けられている。更に、右車輪の内周面に複数の係合溝が形成されている。また、左車輪の内周面に複数の係合溝が形成されている。
【0008】
更に、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、右車輪の係合溝と係合するための右側の係合突起(制動用係合部)と、左車輪の係合溝と係合するための左側の係合突起(制動用係合部)とを有する車輪制動片が、車軸よりも上側であって、車軸を隔ててキャスターボルト(竪軸)の反対側に配置されている。また、右車輪の係合溝および左車輪の係合溝に近づく側に車輪制動片を付勢するための圧縮コイルバネが設けられている。
【0009】
また、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、車輪制動片の右側の係合突起(制動用係合部)が右車輪の係合溝と係合する状態であって車輪制動片の左側の係合突起(制動用係合部)が左車輪の係合溝と係合する状態で車輪制動片が突き当てられる低位先端カム面が操作レバー(操作部材)に形成されている。
【0010】
更に、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、キャスターボルト(竪軸)のまわりに概略放射状に延びており、キャスターボルト(竪軸)に対して回転できないように構成されている複数の係合溝(竪軸係合部)が、設けられている。また、キャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)と係合するための係合突起(旋回ロック片)を有する作動片が、車輪制動片からキャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)まで車軸を跨いで延ばされている。
【0011】
また、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、キャスター本体(ヨーク部)に対する作動片の回転中心軸P2が、車輪制動片を隔ててキャスターボルト(竪軸)の反対側に配置されている。更に、作動片の係合突起(旋回ロック片)がキャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)と係合する側に作動片を付勢するためのねじりコイルバネが、作動片の回転中心軸P2のまわりに配置されている。
【0012】
更に、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、車軸に対する右車輪の回転のロック/アンロック、車軸に対する左車輪の回転のロック/アンロック、および、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックを切り換えるための操作レバー(操作部材)が設けられている。
【0013】
また、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、操作レバー(操作部材)の回転中心軸P1が、車輪制動片の斜め上側であって、車輪制動片を隔ててキャスターボルト(竪軸)の反対側に配置されている。更に、操作レバー(操作部材)に当接するための当接面が、車輪制動片の上面に形成されている。また、操作レバー(操作部材)の回転中心軸P1のまわりに低位先端カム面と高位先端カム面とが形成されている。
【0014】
更に、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、車軸に対する右車輪の回転、車軸に対する左車輪の回転、および、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回が、ロック状態からアンロック状態に切り換えられる時には、操作レバー(操作部材)の回転中心軸P1を中心に操作レバー(操作部材)がキャスターボルト(竪軸)に近づく側に回動される。それにより、操作レバー(操作部材)の高位先端カム面が車輪制動片の当接面に当接し、圧縮コイルバネに抗して車輪制動片が押し下げられる。その結果、車輪制動片の右側の係合突起(制動用係合部)が右車輪の係合溝と係合しなくなり、車輪制動片の左側の係合突起(制動用係合部)が左車輪の係合溝と係合しなくなる。更に、車輪制動片が作動片に当接し、ねじりコイルバネに抗して作動片が作動片の回転中心軸P2を中心に回動する。その結果、作動片の係合突起(旋回ロック片)が、キャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)と係合しなくなる。
【0015】
一方、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、車軸に対する右車輪の回転、車軸に対する左車輪の回転、および、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回が、アンロック状態からロック状態に切り換えられる時には、操作レバー(操作部材)の回転中心軸P1を中心に操作レバー(操作部材)がキャスターボルト(竪軸)から遠ざかる側に回動され、それにより、操作レバー(操作部材)の高位先端カム面が車輪制動片の当接面に当接しなくなり、操作レバー(操作部材)の低位先端カム面が車輪制動片の当接面に当接する。その結果、圧縮コイルバネによって車輪制動片が押し上げられ、車輪制動片の右側の係合突起(制動用係合部)が右車輪の係合溝と係合する側に付勢され、車輪制動片の左側の係合突起(制動用係合部)が左車輪の係合溝と係合する側に付勢される。更に、車輪制動片が作動片に当接しなくなり、ねじりコイルバネによって、作動片が作動片の回転中心軸P2を中心に回動する。その結果、作動片の係合突起(旋回ロック片)がキャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)と係合する側に付勢される。
【0016】
換言すれば、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、車軸に対する右車輪の回転、車軸に対する左車輪の回転、および、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うために、車輪制動片の当接面に当接する高位先端カム面および低位先端カム面のみが操作レバー(操作部材)に設けられており、操作レバー(操作部材)が作動片に直接当接しないように構成されている。
【0017】
詳細には、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、キャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)と係合する作動片の係合突起(旋回ロック片)と、作動片のうち、車輪制動片に当接する部分との間に車軸が配置されている。
【0018】
そのため、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、キャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)と係合する作動片の係合突起(旋回ロック片)と、作動片のうち、車輪制動片に当接する部分とを近接して配置することができない。
【0019】
つまり、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、車輪制動片からキャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)まで車軸を跨いで延びるように、リンク機構構成部品としての作動片を形成しなければならない。それゆえ、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うリンク機構が複雑になり、大型化してしまう。
【0020】
更に、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行う作動片が、操作レバー(操作部材)に直接当接するのではなく、車輪制動片を介して操作レバー(操作部材)に駆動連結されている。
【0021】
そのため、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックの切り換え操作の信頼性が低下してしまう。
【0022】
また、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、車軸を跨ぐように作動片が取り付けられると共に、ねじりコイルバネが作動片の回転中心軸P2のまわりに取り付けられている。つまり、特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターでは、車軸の組立順序と作動片の組立順序とねじりコイルバネの組立順序とに制約ができてしまい、双輪キャスター全体の組立性が低下してしまう。
【0023】
【特許文献1】特開2007−106184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
前記問題点に鑑み、本発明は、キャスターボルトに対するキャスター本体の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うリンク機構をシンプルにし、小型化することができる双輪キャスターを提供することを目的とする。
【0025】
更に、本発明は、キャスターボルトに対するキャスター本体の旋回のロック/アンロックの切り換え操作の信頼性を向上させることができる双輪キャスターを提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明は、双輪キャスター全体の組立性を向上させることができる双輪キャスターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
請求項1に記載の発明によれば、水平方向に延びている車軸(7)をキャスター本体(5)によって支持し、
車軸(7)に対して右車輪(8−1)が回転できるように、右車輪(8−1)を車軸(7)に取り付け、
車軸(7)に対して左車輪(8−2)が回転できるように、左車輪(8−2)を車軸(7)に取り付け、
鉛直方向に延びているキャスターボルト(3)に対してキャスター本体(5)が旋回できるように、キャスター本体(5)をキャスターボルト(3)に取り付け、
右車輪(8−1)の内周面に複数の係合溝(8−1a)を形成し、
左車輪(8−2)の内周面に複数の係合溝(8−2a)を形成し、
右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合するための右係合突起(10a)と、左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合するための左係合突起(10b)とを有するブレーキヘッド(10)を、車軸(7)とほぼ同じ高さであって、車軸(7)を隔ててキャスターボルト(3)の反対側に配置し、
右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)および左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)に近づく側にブレーキヘッド(10)を付勢するためのブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)を設け、
ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合しない状態であってブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合しない状態でブレーキヘッド(10)が突き当てられる第1突き当て面(5e3)をキャスター本体(5)に形成し、
ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合する状態であってブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合する状態でブレーキヘッド(10)が突き当てられる第2突き当て面(5e4)を第1突き当て面(5e3)の下側に形成し、
ブレーキヘッド(10)およびブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)を収容するためのブレーキボックス(11)を設け、
ブレーキボックス(11)を上側に付勢するためのブレーキボックス用圧縮コイルバネ(18)を設け、
キャスターボルト(3)のまわりに概略放射状に延びており、キャスターボルト(3)に対して回転できないように構成されている複数の係合溝(2a)を、車軸(7)よりも上側に形成し、
キャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合するための係合突起(9a1)を有するロック部材(9)を車軸(7)のほぼ真上に配置し、
キャスター本体(5)に対するロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)を、ロック部材(9)のうち、係合突起(9a1)の反対側に配置し、
ロック部材(9)の係合突起(9a1)がキャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合する側にロック部材(9)を付勢するためのロック部材用圧縮コイルバネ(17’)を設け、
車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転のロック/アンロック、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転のロック/アンロック、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回のロック/アンロックを切り換えるための操作レバー(12)を設け、
概略コ字状の断面形状を有するように、中央部(12a)と右側壁部(12b)と左側壁部(12c)とを操作レバー(12)に設け、
操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)をブレーキヘッド(10)およびブレーキボックス(11)のほぼ真上に配置し、
操作レバー(12)の中央部(12a)に当接するための当接突起(9a2)を、ロック部材(9)の係合突起(9a1)と回転中心軸(9b1,9c1)との間に形成し、
操作レバー(12)の右側壁部(12b)および左側壁部(12c)に当接するための当接面(11e)をブレーキボックス(11)の上面に形成し、
操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)のまわりに、右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)およびカム大径部(12b4)と、左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)およびカム大径部(12c4)とを形成し、
車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回が、ロック状態からアンロック状態に切り換えられる時には、操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)を中心に操作レバー(12)がキャスターボルト(3)に近づく側に回動され、それにより、操作レバー(12)の中央部(12a)がロック部材(9)の当接突起(9a2)に当接し、ロック部材用圧縮コイルバネ(17’)に抗してロック部材(9)がロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)を中心に回動し、その結果、ロック部材(9)の係合突起(9a1)が、キャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合しなくなり、更に、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)および操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)がブレーキボックス(11)の当接面(11e)に当接し、それにより、ブレーキボックス(11)が上側に移動し、ブレーキヘッド(10)がキャスター本体(5)の第1突き当て面(5e3)に突き当てられ、その結果、ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合しなくなり、ブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合しなくなり、
車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回が、アンロック状態からロック状態に切り換えられる時には、操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)を中心に操作レバー(12)がキャスターボルト(3)から遠ざかる側に回動され、それにより、操作レバー(12)の中央部(12a)がロック部材(9)の当接突起(9a2)に当接しなくなり、その結果、ロック部材用圧縮コイルバネ(17’)によって、ロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)を中心にロック部材(9)が回動し、ロック部材(9)の係合突起(9a1)がキャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合する側に付勢され、更に、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム大径部(12b4)および操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム大径部(12c4)がブレーキボックス(11)の当接面(11e)に当接し、それにより、ブレーキヘッド(10)がキャスター本体(5)の第2突き当て面(5e4)の高さに位置するまで、ブレーキボックス(11)が下側に移動し、その結果、ブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)によって、ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合する側に付勢され、ブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合する側に付勢されることを特徴とする双輪キャスター(100)が提供される。
【0028】
請求項2に記載の発明によれば、弾性変形可能な材料によってロック部材(9)を形成し、
概略コ字状の断面形状を有するように、中央部(9a)と右側壁部(9b)と左側壁部(9c)とをロック部材(9)に設け、
ロック部材(9)の回転中心軸の一部を構成する右突起(9b1)をロック部材(9)の右側壁部(9b)に形成し、
ロック部材(9)の回転中心軸の一部を構成する左突起(9c1)をロック部材(9)の左側壁部(9c)に形成し、
ロック部材(9)およびロック部材用圧縮コイルバネ(17’)を収容するためのロック部材収容穴(5f)をキャスター本体(5)に形成し、
ロック部材(9)の右突起(9b1)を収容するための右突起収容穴(5f4)をロック部材収容穴(5f)の壁面に形成し、
ロック部材(9)の右突起(9b1)をガイドするための右突起ガイド溝(5f5)をキャスター本体(5)の外周面(5g)から右突起収容穴(5f4)まで延ばし、
ロック部材(9)の右突起(9b1)の先端にテーパ面(9b1a)を形成し、
ロック部材(9)の左突起(9c1)を収容するための左突起収容穴(5f6)をロック部材収容穴(5f)の壁面に形成し、
ロック部材(9)の左突起(9c1)をガイドするための左突起ガイド溝(5f7)をキャスター本体(5)の外周面(5g)から左突起収容穴(5f6)まで延ばし、
ロック部材(9)の左突起(9c1)の先端にテーパ面(9c1a)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の双輪キャスター(100)が提供される。
【0029】
請求項3に記載の発明によれば、弾性変形可能な材料によって操作レバー(12)を形成し、
操作レバー(12)の回転中心軸の一部を構成する右突起(5h)をキャスター本体(5)に形成し、
操作レバー(12)の回転中心軸の一部を構成する左突起(5i)をキャスター本体(5)に形成し、
キャスター本体(5)の右突起(5h)を収容するための右突起収容穴(12b1)を操作レバー(12)の右側壁部(12b)に形成し、
キャスター本体(5)の右突起(5h)をガイドするための右突起ガイド溝(12b2)を操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)から右突起収容穴(12b1)まで延ばし、
キャスター本体(5)の左突起(5i)を収容するための左突起収容穴(12c1)を操作レバー(12)の左側壁部(12c)に形成し、
キャスター本体(5)の左突起(5i)をガイドするための左突起ガイド溝(12c2)を操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)から左突起収容穴(12c1)まで延ばしたことを特徴とする請求項2に記載の双輪キャスター(100)が提供される。
【発明の効果】
【0030】
請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、水平方向に延びている車軸(7)が、キャスター本体(5)によって支持されている。また、車軸(7)に対して右車輪(8−1)が回転できるように、右車輪(8−1)が車軸(7)に取り付けられている。更に、車軸(7)に対して左車輪(8−2)が回転できるように、左車輪(8−2)が車軸(7)に取り付けられている。
【0031】
また、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、鉛直方向に延びているキャスターボルト(3)に対してキャスター本体(5)が旋回できるように、キャスター本体(5)がキャスターボルト(3)に取り付けられている。更に、右車輪(8−1)の内周面に複数の係合溝(8−1a)が形成されている。また、左車輪(8−2)の内周面に複数の係合溝(8−2a)が形成されている。
【0032】
更に、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合するための右係合突起(10a)と、左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合するための左係合突起(10b)とを有するブレーキヘッド(10)が、車軸(7)とほぼ同じ高さであって、車軸(7)を隔ててキャスターボルト(3)の反対側に配置されている。
【0033】
また、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)および左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)に近づく側にブレーキヘッド(10)を付勢するためのブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)が設けられている。
【0034】
更に、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合しない状態であってブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合しない状態でブレーキヘッド(10)が突き当てられる第1突き当て面(5e3)がキャスター本体(5)に形成されている。
【0035】
また、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合する状態であってブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合する状態でブレーキヘッド(10)が突き当てられる第2突き当て面(5e4)が第1突き当て面(5e3)の下側に形成されている。
【0036】
更に、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、ブレーキヘッド(10)およびブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)を収容するためのブレーキボックス(11)が設けられている。また、ブレーキボックス(11)を上側に付勢するためのブレーキボックス用圧縮コイルバネ(18)が設けられている。
【0037】
また、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、キャスターボルト(3)のまわりに概略放射状に延びており、キャスターボルト(3)に対して回転できないように構成されている複数の係合溝(2a)が、車軸(7)よりも上側に形成されている。更に、キャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合するための係合突起(9a1)を有するロック部材(9)が、車軸(7)のほぼ真上に配置されている。
【0038】
更に、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、キャスター本体(5)に対するロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)が、ロック部材(9)のうち、係合突起(9a1)の反対側に配置されている。また、ロック部材(9)の係合突起(9a1)がキャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合する側にロック部材(9)を付勢するためのロック部材用圧縮コイルバネ(17’)が設けられている。
【0039】
また、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転のロック/アンロック、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転のロック/アンロック、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回のロック/アンロックを切り換えるための操作レバー(12)が設けられている。更に、概略コ字状の断面形状を有するように、中央部(12a)と右側壁部(12b)と左側壁部(12c)とが、操作レバー(12)に設けられている。
【0040】
また、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)がブレーキヘッド(10)およびブレーキボックス(11)のほぼ真上に配置されている。更に、操作レバー(12)の中央部(12a)に当接するための当接突起(9a2)が、ロック部材(9)の係合突起(9a1)と回転中心軸(9b1,9c1)との間に形成されている。また、操作レバー(12)の右側壁部(12b)および左側壁部(12c)に当接するための当接面(11e)がブレーキボックス(11)の上面に形成されている。
【0041】
更に、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)のまわりに、右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)およびカム大径部(12b4)と、左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)およびカム大径部(12c4)とが形成されている。
【0042】
また、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回が、ロック状態からアンロック状態に切り換えられる時には、操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)を中心に操作レバー(12)がキャスターボルト(3)に近づく側に回動される。それにより、操作レバー(12)の中央部(12a)がロック部材(9)の当接突起(9a2)に当接し、ロック部材用圧縮コイルバネ(17’)に抗してロック部材(9)がロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)を中心に回動する。その結果、ロック部材(9)の係合突起(9a1)が、キャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合しなくなる。更に、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)および操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)がブレーキボックス(11)の当接面(11e)に当接する。それにより、ブレーキボックス(11)が上側に移動し、ブレーキヘッド(10)がキャスター本体(5)の第1突き当て面(5e3)に突き当てられる。その結果、ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合しなくなり、ブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合しなくなる。
【0043】
一方、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回が、アンロック状態からロック状態に切り換えられる時には、操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)を中心に操作レバー(12)がキャスターボルト(3)から遠ざかる側に回動される。それにより、操作レバー(12)の中央部(12a)がロック部材(9)の当接突起(9a2)に当接しなくなる。その結果、ロック部材用圧縮コイルバネ(17’)によって、ロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)を中心にロック部材(9)が回動し、ロック部材(9)の係合突起(9a1)がキャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合する側に付勢される。更に、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム大径部(12b4)および操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム大径部(12c4)がブレーキボックス(11)の当接面(11e)に当接する。それにより、ブレーキヘッド(10)がキャスター本体(5)の第2突き当て面(5e4)の高さに位置するまで、ブレーキボックス(11)が下側に移動する。その結果、ブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)によって、ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合する側に付勢され、ブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合する側に付勢される。
【0044】
換言すれば、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うために、ブレーキボックス(11)の当接面(11e)に当接する右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)およびカム大径部(12b4)並びに左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)およびカム大径部(12c4)と、ロック部材(9)の当接突起(9a2)に当接する中央部(12a)とが、操作レバー(12)に別個に設けられている。
【0045】
詳細には、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合するブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)、および、左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合するブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)と、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)およびカム大径部(12b4)並びに左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)およびカム大径部(12c4)に当接するブレーキボックス(11)の当接面(11e)とが、近接して配置されている。
【0046】
その上、請求項1に記載の双輪キャスター(100)では、キャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合するロック部材(9)の係合突起(9a1)と、操作レバー(12)の中央部(12a)に当接するロック部材(9)の当接突起(9a2)とが、近接して配置されている。
【0047】
そのため、請求項1に記載の双輪キャスター(100)によれば、車軸に対する右車輪の回転、車軸に対する左車輪の回転、および、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うために1箇所のみの当接部(先端カム面)が操作レバー(操作部材)に設けられている特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターよりも、キャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合するロック部材(9)の係合突起(9a1)と、操作レバー(12)の中央部(12a)に当接するロック部材(9)の当接突起(9a2)とを近接して配置することができる。
【0048】
その結果、請求項1に記載の双輪キャスター(100)によれば、リンク機構構成部品としての作動片が、車輪制動片からキャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)まで車軸を跨いで延ばされている特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターよりも、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うリンク機構をシンプルにし、小型化することができる。
【0049】
更に、請求項1に記載の双輪キャスター(100)によれば、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行う作動片が、操作レバー(操作部材)に直接当接するのではなく、車輪制動片を介して操作レバー(操作部材)に駆動連結されている特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターよりも、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回のロック/アンロックの切り換え操作の信頼性を向上させることができる。
【0050】
また、請求項1に記載の双輪キャスター(100)によれば、車軸を跨ぐように取り付けられる部品や、その部品の回転中心軸のまわりに取り付けられるねじりコイルバネが用いられている特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターよりも、双輪キャスター(100)全体の組立性を向上させることができる。
【0051】
請求項2に記載の双輪キャスター(100)では、弾性変形可能な材料によってロック部材(9)が形成されている。詳細には、概略コ字状の断面形状を有するように、中央部(9a)と右側壁部(9b)と左側壁部(9c)とがロック部材(9)に設けられている。更に、ロック部材(9)の回転中心軸の一部を構成する右突起(9b1)が、ロック部材(9)の右側壁部(9b)に形成されている。また、ロック部材(9)の回転中心軸の一部を構成する左突起(9c1)が、ロック部材(9)の左側壁部(9c)に形成されている。
【0052】
そのため、請求項2に記載の双輪キャスター(100)によれば、ロック部材(9)とロック部材(9)の回転中心軸とが別個の部品として形成され、それらが組み立てられる場合よりも、双輪キャスター(100)全体の組立コストを抑制することができる。
【0053】
更に、請求項2に記載の双輪キャスター(100)では、ロック部材(9)およびロック部材用圧縮コイルバネ(17’)を収容するためのロック部材収容穴(5f)が、キャスター本体(5)に形成されている。
【0054】
また、請求項2に記載の双輪キャスター(100)では、ロック部材(9)の右突起(9b1)を収容するための右突起収容穴(5f4)が、ロック部材収容穴(5f)の壁面に形成されている。更に、ロック部材(9)の右突起(9b1)をガイドするための右突起ガイド溝(5f5)が、キャスター本体(5)の外周面(5g)から右突起収容穴(5f4)まで延ばされている。また、ロック部材(9)の右突起(9b1)の先端にテーパ面(9b1a)が形成されている。
【0055】
更に、請求項2に記載の双輪キャスター(100)では、ロック部材(9)の左突起(9c1)を収容するための左突起収容穴(5f6)が、ロック部材収容穴(5f)の壁面に形成されている。また、ロック部材(9)の左突起(9c1)をガイドするための左突起ガイド溝(5f7)が、キャスター本体(5)の外周面(5g)から左突起収容穴(5f6)まで延ばされている。更に、ロック部材(9)の左突起(9c1)の先端にテーパ面(9c1a)が形成されている。
【0056】
つまり、請求項2に記載の双輪キャスター(100)では、ロック部材(9)がキャスター本体(5)に取り付けられる時に、ロック部材(9)の右突起(9b1)が、キャスター本体(5)の外周面(5g)から右突起ガイド溝(5f5)にガイドされて右突起収容穴(5f4)と嵌合せしめられると共に、ロック部材(9)の左突起(9c1)が、キャスター本体(5)の外周面(5g)から左突起ガイド溝(5f7)にガイドされて左突起収容穴(5f6)と嵌合せしめられる。
【0057】
そのため、請求項2に記載の双輪キャスター(100)によれば、冶具を用いることなく、スナップフィットによりロック部材(9)をキャスター本体(5)に取り付けることができる。
【0058】
請求項3に記載の双輪キャスター(100)では、弾性変形可能な材料によって操作レバー(12)が形成されている。詳細には、操作レバー(12)の回転中心軸の一部を構成する右突起(5h)が、キャスター本体(5)に形成されている。また、操作レバー(12)の回転中心軸の一部を構成する左突起(5i)が、キャスター本体(5)に形成されている。
【0059】
そのため、請求項3に記載の双輪キャスター(100)によれば、キャスター本体(5)と操作レバー(12)の回転中心軸とが別個の部品として形成され、それらが組み立てられる場合よりも、双輪キャスター(100)全体の組立コストを抑制することができる。
【0060】
更に、請求項3に記載の双輪キャスター(100)では、キャスター本体(5)の右突起(5h)を収容するための右突起収容穴(12b1)が、操作レバー(12)の右側壁部(12b)に形成されている。また、キャスター本体(5)の右突起(5h)をガイドするための右突起ガイド溝(12b2)が、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)から右突起収容穴(12b1)まで延ばされている。
【0061】
また、請求項3に記載の双輪キャスター(100)では、キャスター本体(5)の左突起(5i)を収容するための左突起収容穴(12c1)が、操作レバー(12)の左側壁部(12c)に形成されている。更に、キャスター本体(5)の左突起(5i)をガイドするための左突起ガイド溝(12c2)が、操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)から左突起収容穴(12c1)まで延ばされている。
【0062】
つまり、請求項3に記載の双輪キャスター(100)では、操作レバー(12)がキャスター本体(5)に取り付けられる時に、キャスター本体(5)の右突起(5h)が、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)から右突起ガイド溝(12b2)にガイドされて右突起収容穴(12b1)と嵌合せしめられると共に、キャスター本体(5)の左突起(5i)が、操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)から左突起ガイド溝(12c2)にガイドされて左突起収容穴(12c1)と嵌合せしめられる。
【0063】
そのため、請求項3に記載の双輪キャスター(100)によれば、冶具を用いることなく、スナップフィットにより操作レバー(12)をキャスター本体(5)に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
以下、本発明の双輪キャスターの第1の実施形態について説明する。図1および図2は第1の実施形態の双輪キャスター100を示した図である。詳細には、図1(A)は第1の実施形態の双輪キャスター100の正面図、図1(B)は第1の実施形態の双輪キャスター100の左側面図、図2(A)は図1(A)のA−A線に沿った断面図、図2(B)は右車輪8−1および左車輪8−2の回転、並びに、キャスターボルト3に対するキャスター本体5の旋回のアンロック状態における双輪キャスター100の斜視図、図2(C)は右車輪8−1および左車輪8−2の回転、並びに、キャスターボルト3に対するキャスター本体5の旋回のロック状態における双輪キャスター100の斜視図である。
【0065】
図3は左後側かつ上側から見た第1の実施形態の双輪キャスター100の分解斜視図、図4は右後側かつ上側から見た第1の実施形態の双輪キャスター100の分解斜視図である。図5〜図7は第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するキャスター本体5の部品図である。詳細には、図5(A)はキャスター本体5の平面図、図5(B)はキャスター本体5の右側面図、図5(C)はキャスター本体5の後側面図、図6(A)はキャスター本体5の左側面図、図6(B)は左後側かつ上側から見たキャスター本体5の斜視図、図7(A)は図5(B)のB−B線に沿った断面図、図7(B)は図5(B)のC−C線に沿った断面図である。
【0066】
図8は第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するロック部材9の部品図である。詳細には、図8(A)はロック部材9の右側面図、図8(B)はロック部材9の平面図、図8(C)はロック部材9の左側面図、図8(D)はロック部材9の底面図、図8(E)は左前側かつ上側から見たロック部材9の斜視図、図8(F)はロック部材9の正面図、図8(G)は図8(B)のD−D線に沿った断面図である。
【0067】
図9は第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するブレーキヘッド10の部品図である。詳細には、図9(A)はブレーキヘッド10の平面図、図9(B)は右後側かつ上側から見たブレーキヘッド10の斜視図、図9(C)はブレーキヘッド10の正面図、図9(D)はブレーキヘッド10の右側面図、図9(E)は図9(C)のE−E線に沿った断面図である。
【0068】
図10は第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するブレーキボックス11の部品図である。詳細には、図10(A)はブレーキボックス11の後側面図、図10(B)はブレーキボックス11の左側面図、図10(C)は図10(A)のF−F線に沿った断面図、図10(D)はブレーキボックス11の底面図、図10(E)は左後側かつ上側から見たブレーキボックス11の斜視図である。
【0069】
図11および図12は第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成する操作レバー12の部品図である。詳細には、図11(A)は操作レバー12の右側面図、図11(B)は操作レバー12の平面図、図11(C)は操作レバー12の左側面図、図11(D)は操作レバー12の底面図、図11(E)は操作レバー12の正面図、図12(A)は図11(B)のG−G線に沿った断面図、図12(B)は図11(B)のH−H線に沿った断面図、図12(C)は左前側かつ上側から見た操作レバー12の斜視図である。
【0070】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)、図3および図4に示すように、水平方向に延びている車軸7が、キャスター本体5の車軸収容穴5aに挿入され、キャスター本体5によって支持されている。第1の実施形態の双輪キャスター100では、車軸7が金属によって形成されている。また、キャスター本体5が、例えばPAなどの樹脂、アルミダイキャストなどによって形成されている。
【0071】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図3および図4に示すように、車軸7に対して右車輪8−1が回転できるように、右車輪8−1が車軸7に取り付けられている。更に、車軸7に対して左車輪8−2が回転できるように、左車輪8−2が車軸7に取り付けられている。第1の実施形態の双輪キャスター100では、右車輪8−1および左車輪8−2の外周部分(地面に接地する部分)が、例えばPA、PURなどの樹脂によって形成されている。また、右車輪8−1および左車輪8−2の内側部分(ハブ)が、例えばPAなどの樹脂によって形成されている。
【0072】
詳細には、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図3に示すように、車軸7に対する右車輪8−1の回転をロックするために、右車輪8−1の内周面に複数の係合溝8−1aが形成されている。また、図4に示すように、車軸7に対する左車輪8−2の回転をロックするために、左車輪8−2の内周面に複数の係合溝8−2aが形成されている。
【0073】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)、図3および図4に示すように、鉛直方向に延びているキャスターボルト3に対してキャスター本体5が旋回できるように、キャスター本体5がキャスターボルト3に取り付けられている。詳細には、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)、図3および図4に示すように、キャスターボルト3の円柱状部3aと、キャスター本体5のキャスターボルト収容穴5b(図7参照)とによって、隙間嵌めが構成されている。その結果、キャスター本体5がキャスターボルト3に対して旋回することができる。
【0074】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)、図3および図4に示すように、家具などの底面の雌ねじ部(図示せず)に対してキャスターボルト3の雄ねじ部3fを螺合させることにより、双輪キャスター100が家具などの底面に取り付けられる。詳細には、キャスターボルト3を家具などの底面にねじ止めする時に、キャスターボルト3のナット状部3d,3eが用いられる。
【0075】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)、図3および図4に示すように、雄ねじ部3fがキャスターボルト3に設けられているが、第2の実施形態の双輪キャスター100では、代わりに、雄ねじ部3fを省略し、板状部材(図示せず)を家具などの底面に取り付け、その板状部材とキャスターボルト3とを連結することにより、双輪キャスター100を家具などの底面に取り付けることも可能である。
【0076】
詳細には、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図2(A)、図3および図4に示すように、キャスターボルト3がワッシャー4に挿入され、ワッシャー4の上面がキャスターボルト3のナット状部3dの下面に突き当てられる。更に、キャスターボルト3がローレットパーツ1に挿入され、ローレットパーツ1のワッシャー収容凹部1cの上面がワッシャー4の下面に突き当てられる。
【0077】
次いで、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図2(A)、図3および図4に示すように、キャスターボルト3がギアボルト2の角柱状穴2cに挿入され、キャスターボルト3の角柱状部3cとギアボルト2の角柱状穴2cとが嵌合せしめられる。その結果、ギアボルト2は、キャスターボルト3に対して上下方向に摺動可能であるが、キャスターボルト3に対して回転できなくなる。第1の実施形態の双輪キャスター100では、キャスターボルト3のまわりに概略放射状に延びている複数の係合溝2aがギアボルト2に形成されており、これらの係合溝2aもキャスターボルト3に対して回転することができない。
【0078】
次いで、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図2(A)、図3および図4に示すように、ローレットパーツ1のローレット部1aが把持され、ローレットパーツ1の雌ねじ部1bと、ギアボルト2の雄ねじ部2bとが螺合せしめられる。詳細には、第1の実施形態の双輪キャスター100では、ローレットパーツ1がギアボルト2およびキャスターボルト3に対して一方の向きに回転せしめられると、ギアボルト2が、ローレットパーツ1、ワッシャー4およびキャスターボルト3に対して上向きに移動する。一方、ローレットパーツ1がギアボルト2およびキャスターボルト3に対して逆向きに回転せしめられると、ギアボルト2が、ローレットパーツ1、ワッシャー4およびキャスターボルト3に対して下向きに移動する。
【0079】
次いで、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図2(A)、図3および図4に示すように、キャスターボルト3の円柱状部3aが、キャスター本体5のキャスターボルト収容穴5bに挿入され、次いで、バネ座19、圧縮コイルバネ16およびワッシャー14に挿入される。次いで、Eリング15がキャスターボルト3のEリング溝3bに装着される。その結果、第1の実施形態の双輪キャスター100では、圧縮コイルバネ16によって上向きに付勢されたバネ座19が、キャスター本体5のバネ座当接面5d(図7参照)に当接せしめられ、それにより、キャスター本体5が上向きに付勢され、キャスター本体5のギアボルト当接面5c(図5、図6および図7参照)がギアボルト2に当接せしめられている。
【0080】
つまり、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図1、図2、図3および図4に示すように、ローレットパーツ1がギアボルト2およびキャスターボルト3に対して一方の向きに回転せしめられると、ギアボルト2が、ローレットパーツ1、ワッシャー4およびキャスターボルト3に対して上向きに移動し、その結果、右車輪8−1の接地面8−1b(図1および図2参照)および左車輪8−2の接地面8−2b(図1参照)とキャスターボルト3の雄ねじ部3fの上端3f1(図1(B)中の実線)との間隔が小さくなる。一方、ローレットパーツ1がギアボルト2およびキャスターボルト3に対して逆向きに回転せしめられると、ギアボルト2が、ローレットパーツ1、ワッシャー4およびキャスターボルト3に対して下向きに移動し、その結果、右車輪8−1の接地面8−1b(図1および図2参照)および左車輪8−2の接地面8−2b(図1参照)とキャスターボルト3の雄ねじ部3fの上端3f1(図1(B)中の破線)との間隔が大きくなる。
【0081】
すなわち、第1の実施形態の双輪キャスター100では、双輪キャスター100によって支持される家具などの高さを調整することができる。第1の実施形態の双輪キャスター100では、家具などの高さの調整機構が設けられているが、第3の実施形態の双輪キャスター100では、家具などの高さの調整機構を省略することも可能である。詳細には、第3の実施形態の双輪キャスター100では、ギアボルト2が省略され、キャスターボルト3のまわりに概略放射状に延びている複数の係合溝2aが、キャスターボルト3と一体的に形成されている。
【0082】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図1、図2、図3および図4に示すように、リング状のダンパー6が、キャスター本体5のダンパー収容溝5kに装着されている。第4の実施形態の双輪キャスター100では、代わりに、ダンパー6を省略することも可能である。
【0083】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、ローレットパーツ1が例えばPAなどの樹脂によって形成されている。また、ギアボルト2が例えばPOMなどの樹脂によって形成されている。更に、キャスターボルト3が例えばPOMなどの樹脂、金属などによって形成されている。更に、ワッシャー4,14が金属によって形成され、バネ座19が例えばPOMなどの樹脂によって形成されている。また、ダンパー6が例えばウレタンゴムなどの樹脂によって形成されている。
【0084】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図2(A)、図3および図4に示すように、右車輪8−1の係合溝8−1aと係合するための右係合突起10a(図9参照)と、左車輪8−2の係合溝8−2aと係合するための左係合突起10b(図9参照)とを有するブレーキヘッド10と、圧縮コイルバネ17とが、ブレーキボックス11の収容穴11a(図10参照)に挿入される。詳細には、ブレーキヘッド10の右係合突起10a(図9参照)の右端がブレーキボックス11の右係合突起ガイド溝11b(図10参照)よりも右側に突出するように、かつ、ブレーキヘッド10の左係合突起10b(図9参照)の左端がブレーキボックス11の左係合突起ガイド溝11c(図10参照)よりも左側に突出するように、ブレーキヘッド10および圧縮コイルバネ17が、ブレーキボックス11の収容穴11aに挿入される。その結果、圧縮コイルバネ17の後端(図2(A)および図3の左端、図4の右端)がブレーキヘッド10のバネ座部10c(図9参照)に当接せしめられ、圧縮コイルバネ17の前端(図2(A)および図3の右端、図4の左端)がブレーキボックス11の収容穴11a(図10参照)のバネ座部11a1(図10参照)に当接せしめられる。
【0085】
次いで、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図2(A)、図3および図4に示すように、ブレーキヘッド10および圧縮コイルバネ17が挿入されたブレーキボックス11と、圧縮コイルバネ18とが、キャスター本体5の収容穴5eに挿入される。その結果、圧縮コイルバネ18の下端がキャスター本体5の収容穴5eのバネ座面5e1(図6および図7参照)に当接せしめられ、圧縮コイルバネ18の上端がブレーキボックス11のバネ座部11d(図10参照)に当接せしめられる。そのため、ブレーキボックス11が、圧縮コイルバネ18によって上向きに付勢される。更に、圧縮コイルバネ17によって、ブレーキボックス11が前向き(図2(A)および図3の右向き、図4の左向き)に付勢され、ブレーキボックス11がキャスター本体5の収容穴5eのブレーキボックスガイド面5e2(図5、図6および図7参照)に突き当てられる。また、圧縮コイルバネ17によって、ブレーキヘッド10が後向き(図2(A)および図3の左向き、図4の右向き)に付勢され、ブレーキヘッド10の後端(図3の左端、図4の右端)がキャスター本体5の収容穴5eの第1突き当て面5e3(図5、図6および図7参照)に突き当てられる。
【0086】
次いで、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図3に示すように、パネルキャップ13の突起13aがキャスター本体5の突起収容穴5jに圧入され、キャスター本体5の収容穴5eの一部がパネルキャップ13によって覆われる。
【0087】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、ブレーキヘッド10が、例えばPOMなどのような樹脂によって形成されている。また、ブレーキボックス11が、例えばPOMなどのような樹脂によって形成されている。更に、パネルキャップ13が、例えばPAなどのような樹脂によって形成されている。
【0088】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図2(A)、図3および図4に示すように、ギアボルト2の係合溝2aと係合するための係合突起9a1(図8参照)を有するロック部材9と圧縮コイルバネ17’とが、キャスター本体5の収容穴5fに開口5f1(図7参照)を介して挿入される。
【0089】
次いで、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図3に示すように、ロック部材9の右側壁部9b(図8参照)の右突起9b1(図8参照)が、キャスター本体5の収容穴5fの右突起ガイド溝5f5によってガイドされ、右突起収容穴5f4に挿入されると共に、図4に示すように、ロック部材9の左側壁部9c(図8参照)の左突起9c1(図8参照)が、キャスター本体5の収容穴5fの左突起ガイド溝5f7によってガイドされ、左突起収容穴5f6に挿入される。また、図2(A)、図3および図4に示すように、ロック部材9の係合突起9a1(図8参照)が、キャスター本体5の開口5f2(図5、図6および図7参照)の位置に配置され、ギアボルト2の係合溝2aと対向せしめられる。それにより、圧縮コイルバネ17’の下端がキャスター本体5の収容穴5fのバネ座面5f3(図5および図7参照)に当接せしめられ、圧縮コイルバネ17’の上端がロック部材9の中央部9a(図8参照)のバネ座部9a3(図8参照)に当接せしめられる。その結果、ロック部材9の係合突起9a1が、ギアボルト2の係合溝2aと係合する側(図2(A)、図3および図4の上側)に圧縮コイルバネ17’によって付勢される。
【0090】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、ロック部材9が、例えばPOMなどのような樹脂によって形成され、例えば赤色などのような目立つ色に着色されている。
【0091】
次いで、第1の実施形態の双輪キャスター100の組立時には、図4に示すように、キャスター本体5の右突起5hが、操作レバー12の右側壁部12b(図11および図12参照)の右突起ガイド溝12b2(図11および図12参照)によってガイドされ、右突起収容穴12b1(図11および図12参照)に挿入されると共に、図3に示すように、キャスター本体5の左突起5iが、操作レバー12の左側壁部12c(図11および図12参照)の左突起ガイド溝12c2(図11および図12参照)によってガイドされ、左突起収容穴12c1(図11および図12参照)に挿入される。次いで、図3および図4に示すように、右車輪8−1が車軸7に取り付けられると共に、左車輪8−2が車軸7に取り付けられる。その結果、図1および図2に示すような第1の実施形態の双輪キャスター100が完成する。
【0092】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、操作レバー12が、例えばPAなどのような樹脂によって形成されている。
【0093】
詳細には、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図1(B)、図2(B)および図2(C)に示すように、キャスター本体5の右突起5h(図4参照)および左突起5i(図3参照)によって一部が構成されている操作レバー12の回転中心軸を中心に、操作レバー12が回動可能に構成されている。
【0094】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)および図2(B)に示すように、操作レバー12のハンドル部12a4(図11および図12参照)が操作され、操作レバー12がキャスターボルト3に近づく側(図2(A)の右側、双輪キャスター100の前側)に回動されると、概略コ字状の断面形状を有する操作レバー12の中央部12a(図11および図12参照)の当接部12a1(図11および図12参照)が、ダンパー6に突き当たり、操作レバー12がアンロック位置に配置され、着色されているロック部材9が操作レバー12によって覆い隠される。
【0095】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)および図2(B)に示すように、操作レバー12がアンロック位置に配置されている時には、操作レバー12の中央部12a(図11および図12参照)の当接部12a3(図11および図12参照)が、ロック部材9の中央部9a(図8参照)の当接突起9a2(図8参照)に当接している。そのため、ロック部材9の右側壁部9b(図8参照)の右突起9b1(図8参照)と左側壁部9c(図8参照)の左突起9c1(図8参照)とによって一部が構成されているロック部材9の回転中心軸を中心に、ロック部材9が、圧縮コイルバネ17’に抗して下向き(図2(A)の時計回り)に回動している。その結果、ロック部材9の中央部9a(図8参照)の係合突起9a1(図8参照)が、ギアボルト2の概略放射状の係合溝2aと係合していない。それゆえ、キャスター本体5がキャスターボルト3に対して自由に旋回することができる。
【0096】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)および図2(B)に示すように、操作レバー12がアンロック位置に配置されている時には、操作レバー12の右側壁部12b(図11および図12参照)のカム小径部12b3(図11および図12参照)および左側壁部12c(図11および図12参照)のカム小径部12c3(図11および図12参照)が、圧縮コイルバネ16によって上向きに付勢されているブレーキボックス11の当接面(上面)11e(図10参照)に当接している。そのため、ブレーキヘッド10が、圧縮コイルバネ17によって、キャスター本体5の第2突き当て面5e4(図6および図7参照)よりも上側の第1突き当て面5e3(図5、図6および図7参照)に突き当てられている。その結果、ブレーキヘッド10の右係合突起10a(図9参照)が右車輪8−1の係合溝8−1aと係合せず、右車輪8−1が車軸7に対して自由に回転することができる。また、ブレーキヘッド10の左係合突起10b(図9参照)が左車輪8−2の係合溝8−2a(図4参照)と係合せず、左車輪8−2が車軸7に対して自由に回転することができる。
【0097】
一方、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(C)に示すように、操作レバー12のハンドル部12a4(図11および図12参照)が操作され、操作レバー12がキャスターボルト3から遠ざかる側(図2(C)の左側、双輪キャスター100の後側)に回動されると、概略コ字状の断面形状を有する操作レバー12の中央部12a(図11および図12参照)の当接部12a2(図11および図12参照)が、キャスター本体5の外周面5g(図5、図6および図7参照)に突き当たり、操作レバー12がロック位置に配置され、着色されているロック部材9が露出せしめられる。
【0098】
第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(C)に示すように、操作レバー12がロック位置に配置されている時には、操作レバー12の中央部12a(図11および図12参照)の当接部12a3(図11および図12参照)が、ロック部材9(図2(A)参照)の中央部9a(図8参照)の当接突起9a2(図8参照)に当接していない。そのため、ロック部材9(図2(A)参照)の右側壁部9b(図8参照)の右突起9b1(図8参照)と左側壁部9c(図8参照)の左突起9c1(図8参照)とによって一部が構成されているロック部材9(図2(A)参照)の回転中心軸を中心に、ロック部材9(図2(A)参照)が、圧縮コイルバネ17’(図2(A)参照)によって、上向き(図2(A)の反時計回り)に回動せしめられ、ロック部材9(図2(A)参照)の中央部9a(図8参照)の係合突起9a1(図8参照)がギアボルト2(図2(A)参照)の概略放射状の係合溝2a(図2(A)参照)と係合する側に付勢されている。
【0099】
その結果、ロック部材9(図2(A)参照)の中央部9a(図8参照)の係合突起9a1(図8参照)が、ギアボルト2(図2(A)参照)の概略放射状の係合溝2a(図2(A)参照)と係合しているか、あるいは、隣接する2個の係合溝2a(図2(A)参照)の境界部分に位置している。ロック部材9(図2(A)参照)の中央部9a(図8参照)の係合突起9a1(図8参照)がギアボルト2(図2(A)参照)の概略放射状の係合溝2a(図2(A)参照)と係合している場合には、キャスター本体5がキャスターボルト3に対して旋回することができない。一方、ロック部材9(図2(A)参照)の中央部9a(図8参照)の係合突起9a1(図8参照)が、ギアボルト2(図2(A)参照)の隣接する2個の係合溝2a(図2(A)参照)の境界部分に位置している場合には、キャスター本体5がキャスターボルト3に対して僅かに旋回すると、ロック部材9(図2(A)参照)の中央部9a(図8参照)の係合突起9a1(図8参照)がギアボルト2(図2(A)参照)の概略放射状の係合溝2a(図2(A)参照)と係合する。その結果、キャスター本体5がキャスターボルト3に対して旋回することができなくなる。
【0100】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(C)に示すように、操作レバー12がロック位置に配置されている時には、操作レバー12の右側壁部12b(図11および図12参照)のカム大径部12b4(図11および図12参照)および左側壁部12c(図11および図12参照)のカム大径部12c4(図11および図12参照)が、圧縮コイルバネ16(図2(A)参照)によって上向きに付勢されているブレーキボックス11(図2(A)参照)の当接面(上面)11e(図10参照)に当接している。そのため、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)が、キャスター本体5の第1突き当て面5e3(図5、図6および図7参照)よりも下側の第2突き当て面5e4(図6および図7参照)の高さに配置されている。更に、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の右係合突起10a(図9参照)が右車輪8−1の係合溝8−1a(図2(A)参照)と係合する側(図2(A)の左側、双輪キャスター100の後側)であって、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の左係合突起10b(図9参照)が左車輪8−2の係合溝8−2a(図4参照)と係合する側(図2(A)の左側、双輪キャスター100の後側)に、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)が圧縮コイルバネ17によって付勢されている。
【0101】
その結果、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の右係合突起10a(図9参照)が、右車輪8−1の係合溝8−1a(図2(A)参照)と係合すると共に、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の左係合突起10b(図9参照)が、左車輪8−2の係合溝8−2a(図4参照)と係合しているか、あるいは、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の右係合突起10a(図9参照)が、右車輪8−1の隣接する2個の係合溝8−1a(図2(A)参照)の境界部分に位置しているか、または、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の左係合突起10b(図9参照)が、左車輪8−2の隣接する2個の係合溝8−2a(図4参照)の境界部分に位置している。
【0102】
ブレーキヘッド10(図2(A)参照)が、圧縮コイルバネ17(図2(A)参照)によってキャスター本体5の第2突き当て面5e4(図6および図7参照)に突き当てられ、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の右係合突起10a(図9参照)が、右車輪8−1の係合溝8−1a(図2(A)参照)と係合すると共に、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の左係合突起10b(図9参照)が、左車輪8−2の係合溝8−2a(図4参照)と係合している場合には、右車輪8−1および左車輪8−2が車軸7(図2(A)参照)に対して回転することができない。
【0103】
一方、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の右係合突起10a(図9参照)が、右車輪8−1の隣接する2個の係合溝8−1a(図2(A)参照)の境界部分に位置している場合には、右車輪8−1が車軸7(図2(A)参照)に対して僅かに回転すると、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の右係合突起10a(図9参照)が右車輪8−1の係合溝8−1a(図2(A)参照)と係合する。その結果、右車輪8−1が車軸7(図2(A)参照)に対して回転することができなくなる。また、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の左係合突起10b(図9参照)が、左車輪8−2の隣接する2個の係合溝8−2a(図4参照)の境界部分に位置している場合には、左車輪8−2が車軸7(図2(A)参照)に対して僅かに回転すると、ブレーキヘッド10(図2(A)参照)の左係合突起10b(図9参照)が左車輪8−2の係合溝8−2a(図4参照)と係合する。その結果、左車輪8−2が車軸7(図2(A)参照)に対して回転することができなくなる。
【0104】
詳細には、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)に示すように、ブレーキヘッド10が、車軸7とほぼ同じ高さであって、車軸7を隔ててキャスターボルト3の反対側(図2(A)の左側、双輪キャスター100の後側)に配置されている。
【0105】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)に示すように、キャスターボルト3のまわりに概略放射状に延びており、キャスターボルト3に対して回転できないように構成されている複数の係合溝2aが、車軸7よりも上側に形成されている。更に、キャスターボルト3のまわりの係合溝2aと係合するための係合突起9a1(図8参照)を有するロック部材9が、車軸7のほぼ真上に配置されている。
【0106】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)に示すように、キャスター本体5に対するロック部材9の回転中心軸の一部を構成する右突起9b1(図8参照)および左突起9c1(図8参照)が、ロック部材9のうち、係合突起9a1(図8参照)の反対側(図2(A)の左側、双輪キャスター100の後側)に配置されている。
【0107】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)、図3および図4に示すように、操作レバー12の回転中心軸の一部を構成するキャスター本体5の右突起5h(図4参照)および左突起5i(図3参照)が、ブレーキヘッド10およびブレーキボックス11のほぼ真上に配置されている。
【0108】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)に示すように、操作レバー12の中央部12a(図11および図12参照)の当接部12a3(図11および図12参照)に当接するための当接突起9a2(図8参照)が、ロック部材9の係合突起9a1(図8参照)と、右突起9b1(図8参照)および左突起9c1(図8参照)との間に形成されている。
【0109】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図11および図12に示すように、操作レバー12の回転中心軸の一部を構成するキャスター本体5(図4参照)の右突起5h(図4参照)を収容するための右側壁部12bの右突起収容穴12b1のまわりにカム小径部12b3およびカム大径部12b4が形成されている。また、操作レバー12の回転中心軸の一部を構成するキャスター本体5(図4参照)の左突起5i(図3参照)を収容するための左側壁部12cの左突起収容穴12c1のまわりにカム小径部12c3およびカム大径部12c4が形成されている。
【0110】
換言すれば、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図11および図12に示すように、車軸7(図2参照)に対する右車輪8−1(図2参照)の回転、車軸7(図2参照)に対する左車輪8−2(図2参照)の回転、および、キャスターボルト3(図2参照)に対するキャスター本体5(図2参照)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うために、ブレーキボックス11(図2参照)の当接面11e(図10参照)に当接する右側壁部12bのカム小径部12b3およびカム大径部12b4並びに左側壁部12cのカム小径部12c3およびカム大径部12c4と、ロック部材9(図2参照)の当接突起9a2(図8参照)に当接する中央部12aの当接部12a3とが、操作レバー12に別個に設けられている。
【0111】
詳細には、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)に示すように、右車輪8−1の係合溝8−1aと係合するブレーキヘッド10の右係合突起10a(図9参照)、および、左車輪8−2(図4参照)の係合溝8−2a(図4参照)と係合するブレーキヘッド10の左係合突起10b(図9参照)と、操作レバー12の右側壁部12b(図11および図12参照)のカム小径部12b3(図11および図12参照)およびカム大径部12b4(図11および図12参照)並びに左側壁部12c(図11および図12参照)のカム小径部12c3(図11および図12参照)およびカム大径部12c4(図11および図12参照)に当接するブレーキボックス11の当接面11e(図10参照)とが、近接して配置されている。
【0112】
その上、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図2(A)に示すように、キャスターボルト3のまわりの係合溝2aと係合するロック部材9の係合突起9a1(図8参照)と、操作レバー12の中央部12a(図11および図12参照)の当接部12a3(図11および図12参照)に当接するロック部材9の当接突起9a2(図8参照)とが、近接して配置されている。
【0113】
そのため、第1の実施形態の双輪キャスター100によれば、車軸に対する右車輪の回転、車軸に対する左車輪の回転、および、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うために1箇所のみの当接部(先端カム面)が操作レバー(操作部材)に設けられている特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターよりも、キャスターボルト3のまわりの係合溝2aと係合するロック部材9の係合突起9a1(図8参照)と、操作レバー12の中央部12a(図11および図12参照)の当接部12a3(図11および図12参照)に当接するロック部材9の当接突起9a2(図8参照)とを近接して配置することができる。
【0114】
その結果、第1の実施形態の双輪キャスター100によれば、リンク機構構成部品としての作動片が、車輪制動片からキャスターボルト(竪軸)のまわりの係合溝(竪軸係合部)まで車軸を跨いで延ばされている特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターよりも、キャスターボルト3に対するキャスター本体5の旋回のロック/アンロックの切り換えを行うリンク機構をシンプルにし、小型化することができる。
【0115】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100によれば、キャスターボルト(竪軸)に対するキャスター本体(ヨーク部)の旋回のロック/アンロックの切り換えを行う作動片が、操作レバー(操作部材)に直接当接するのではなく、車輪制動片を介して操作レバー(操作部材)に駆動連結されている特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターよりも、キャスターボルト3に対するキャスター本体5の旋回のロック/アンロックの切り換え操作の信頼性を向上させることができる。
【0116】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100によれば、車軸を跨ぐように取り付けられる部品や、その部品の回転中心軸のまわりに取り付けられるねじりコイルバネが用いられている特開2007−106184号公報に記載された双輪キャスターよりも、双輪キャスター100全体の組立性を向上させることができる。
【0117】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100では、弾性変形可能な樹脂材料によってロック部材9が形成されている。詳細には、図8(F)に示すように、概略コ字状の断面形状を有するように、中央部9aと右側壁部9bと左側壁部9cとがロック部材9に設けられている。更に、ロック部材9の回転中心軸の一部を構成する右突起9b1が、ロック部材9の右側壁部9bに形成されている。また、ロック部材9の回転中心軸の一部を構成する左突起9c1が、ロック部材9の左側壁部9cに形成されている。
【0118】
そのため、第1の実施形態の双輪キャスター100によれば、ロック部材9とロック部材9の回転中心軸とが別個の部品として形成され、それらが組み立てられる場合よりも、双輪キャスター100全体の組立コストを抑制することができる。
【0119】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図3および図4に示すように、ロック部材9および圧縮コイルバネ17’を収容するための収容穴5fが、キャスター本体5に形成されている。
【0120】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図3に示すように、ロック部材9の右突起9b1(図8参照)を収容するための右突起収容穴5f4が、収容穴5fの壁面に形成されている。また、ロック部材9の右突起9b1(図8参照)をガイドするための右突起ガイド溝5f5が、キャスター本体5の外周面5gから右突起収容穴5f4まで延ばされている。更に、図8に示すように、ロック部材9の右突起9b1の先端にテーパ面9b1aが形成されている。
【0121】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図4に示すように、ロック部材9の左突起9c1(図8参照)を収容するための左突起収容穴5f6が、収容穴5fの壁面に形成されている。更に、ロック部材9の左突起9c1(図8参照)をガイドするための左突起ガイド溝5f7が、キャスター本体5の外周面5gから左突起収容穴5f6まで延ばされている。また、図8に示すように、ロック部材9の左突起9c1の先端にテーパ面9c1aが形成されている。
【0122】
つまり、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図3、図4および図8に示すように、ロック部材9がキャスター本体5に取り付けられる時に、ロック部材9の右突起9b1が、キャスター本体5の外周面5gから右突起ガイド溝5f5にガイドされて右突起収容穴5f4と嵌合せしめられると共に、ロック部材9の左突起9c1が、キャスター本体5の外周面5gから左突起ガイド溝5f7にガイドされて左突起収容穴5f6と嵌合せしめられる。
【0123】
そのため、第1の実施形態の双輪キャスター100によれば、冶具を用いることなく、スナップフィットによりロック部材9をキャスター本体5に取り付けることができる。
【0124】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、弾性変形可能な樹脂材料によって操作レバー12が形成されている。詳細には、図4に示すように、操作レバー12の回転中心軸の一部を構成する右突起5hが、キャスター本体5に形成されている。また、図3に示すように、操作レバー12の回転中心軸の一部を構成する左突起5iが、キャスター本体5に形成されている。
【0125】
そのため、第1の実施形態の双輪キャスター100によれば、キャスター本体5と操作レバー12の回転中心軸とが別個の部品として形成され、それらが組み立てられる場合よりも、双輪キャスター100全体の組立コストを抑制することができる。
【0126】
更に、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図4、図11および図12に示すように、キャスター本体5の右突起5hを収容するための右突起収容穴12b1が、操作レバー12の右側壁部12bに形成されている。また、キャスター本体5の右突起5hをガイドするための右突起ガイド溝12b2が、操作レバー12の右側壁部12bのカム小径部12b3から右突起収容穴12b1まで延ばされている。
【0127】
また、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図3、図11および図12に示すように、キャスター本体5の左突起5iを収容するための左突起収容穴12c1が、操作レバー12の左側壁部12cに形成されている。更に、キャスター本体5の左突起5iをガイドするための左突起ガイド溝12c2が、操作レバー12の左側壁部12cのカム小径部12c3から左突起収容穴12c1まで延ばされている。
【0128】
つまり、第1の実施形態の双輪キャスター100では、図3、図4、図11および図12に示すように、操作レバー12がキャスター本体5に取り付けられる時に、キャスター本体5の右突起5hが、操作レバー12の右側壁部12bのカム小径部12b3から右突起ガイド溝12b2にガイドされて右突起収容穴12b1と嵌合せしめられると共に、キャスター本体5の左突起5iが、操作レバー12の左側壁部12cのカム小径部12c3から左突起ガイド溝12c2にガイドされて左突起収容穴12c1と嵌合せしめられる。
【0129】
そのため、第1の実施形態の双輪キャスター100によれば、冶具を用いることなく、スナップフィットにより操作レバー12をキャスター本体5に取り付けることができる。
【0130】
第5の実施形態では、上述した第1から第4の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】第1の実施形態の双輪キャスター100を示した図である。
【図2】第1の実施形態の双輪キャスター100を示した図である。
【図3】左後側かつ上側から見た第1の実施形態の双輪キャスター100の分解斜視図である。
【図4】右後側かつ上側から見た第1の実施形態の双輪キャスター100の分解斜視図である。
【図5】第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するキャスター本体5の部品図である。
【図6】第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するキャスター本体5の部品図である。
【図7】第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するキャスター本体5の部品図である。
【図8】第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するロック部材9の部品図である。
【図9】第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するブレーキヘッド10の部品図である。
【図10】第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成するブレーキボックス11の部品図である。
【図11】第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成する操作レバー12の部品図である。
【図12】第1の実施形態の双輪キャスター100の一部を構成する操作レバー12の部品図である。
【符号の説明】
【0132】
1 ローレットパーツ
1a ローレット部
1b 雌ねじ部
1c ワッシャー収容凹部
2 ギアボルト
2a 係合溝
2b 雄ねじ部
2c 角柱状穴
3 キャスターボルト
3a 円柱状部
3b Eリング溝
3c 角柱状部
3d,3e ナット状部
3f 雄ねじ部
3f1 上端
4 ワッシャー
5 キャスター本体
5a 車軸収容穴
5b キャスターボルト収容穴
5c ギアボルト当接面
5d バネ座当接面
5e 収容穴
5e1 バネ座面
5e2 ブレーキボックスガイド面
5e3 第1突き当て面
5e4 第2突き当て面
5f 収容穴
5f1,5f2 開口
5f3 バネ座面
5f4 右突起収容穴
5f5 右突起ガイド溝
5f6 左突起収容穴
5f7 左突起ガイド溝
5g 外周面
5h 右突起
5i 左突起
5j 突起収容穴
5k ダンパー収容溝
6 ダンパー
7 車軸
8−1 右車輪
8−1a 係合溝
8−1b 接地面
8−2 左車輪
8−2a 係合溝
8−2b 接地面
9 ロック部材
9a 中央部
9a1 係合突起
9a2 当接突起
9a3 バネ座部
9b 右側壁部
9b1 右突起
9b1a テーパ面
9c 左側壁部
9c1 左突起
9c1a テーパ面
10 ブレーキヘッド
10a 右係合突起
10b 左係合突起
10c バネ座部
11 ブレーキボックス
11a 収容穴
11a1 バネ座部
11b 右係合突起ガイド溝
11c 左係合突起ガイド溝
11d バネ座部
11e 当接面
12 操作レバー
12a 中央部
12a1,12a2,12a3 当接部
12a4 ハンドル部
12b 右側壁部
12b1 右突起収容穴
12b2 右突起ガイド溝
12b3 カム小径部
12b4 カム大径部
12c 左側壁部
12c1 左突起収容穴
12c2 左突起ガイド溝
12c3 カム小径部
12c4 カム大径部
13 パネルキャップ
13a 突起
14 ワッシャー
15 Eリング
16,17,17’,18 圧縮コイルバネ
19 バネ座
100 双輪キャスター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に延びている車軸(7)をキャスター本体(5)によって支持し、
車軸(7)に対して右車輪(8−1)が回転できるように、右車輪(8−1)を車軸(7)に取り付け、
車軸(7)に対して左車輪(8−2)が回転できるように、左車輪(8−2)を車軸(7)に取り付け、
鉛直方向に延びているキャスターボルト(3)に対してキャスター本体(5)が旋回できるように、キャスター本体(5)をキャスターボルト(3)に取り付け、
右車輪(8−1)の内周面に複数の係合溝(8−1a)を形成し、
左車輪(8−2)の内周面に複数の係合溝(8−2a)を形成し、
右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合するための右係合突起(10a)と、左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合するための左係合突起(10b)とを有するブレーキヘッド(10)を、車軸(7)とほぼ同じ高さであって、車軸(7)を隔ててキャスターボルト(3)の反対側に配置し、
右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)および左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)に近づく側にブレーキヘッド(10)を付勢するためのブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)を設け、
ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合しない状態であってブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合しない状態でブレーキヘッド(10)が突き当てられる第1突き当て面(5e3)をキャスター本体(5)に形成し、
ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合する状態であってブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合する状態でブレーキヘッド(10)が突き当てられる第2突き当て面(5e4)を第1突き当て面(5e3)の下側に形成し、
ブレーキヘッド(10)およびブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)を収容するためのブレーキボックス(11)を設け、
ブレーキボックス(11)を上側に付勢するためのブレーキボックス用圧縮コイルバネ(18)を設け、
キャスターボルト(3)のまわりに概略放射状に延びており、キャスターボルト(3)に対して回転できないように構成されている複数の係合溝(2a)を、車軸(7)よりも上側に形成し、
キャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合するための係合突起(9a1)を有するロック部材(9)を車軸(7)のほぼ真上に配置し、
キャスター本体(5)に対するロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)を、ロック部材(9)のうち、係合突起(9a1)の反対側に配置し、
ロック部材(9)の係合突起(9a1)がキャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合する側にロック部材(9)を付勢するためのロック部材用圧縮コイルバネ(17’)を設け、
車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転のロック/アンロック、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転のロック/アンロック、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回のロック/アンロックを切り換えるための操作レバー(12)を設け、
概略コ字状の断面形状を有するように、中央部(12a)と右側壁部(12b)と左側壁部(12c)とを操作レバー(12)に設け、
操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)をブレーキヘッド(10)およびブレーキボックス(11)のほぼ真上に配置し、
操作レバー(12)の中央部(12a)に当接するための当接突起(9a2)を、ロック部材(9)の係合突起(9a1)と回転中心軸(9b1,9c1)との間に形成し、
操作レバー(12)の右側壁部(12b)および左側壁部(12c)に当接するための当接面(11e)をブレーキボックス(11)の上面に形成し、
操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)のまわりに、右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)およびカム大径部(12b4)と、左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)およびカム大径部(12c4)とを形成し、
車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回が、ロック状態からアンロック状態に切り換えられる時には、操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)を中心に操作レバー(12)がキャスターボルト(3)に近づく側に回動され、それにより、操作レバー(12)の中央部(12a)がロック部材(9)の当接突起(9a2)に当接し、ロック部材用圧縮コイルバネ(17’)に抗してロック部材(9)がロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)を中心に回動し、その結果、ロック部材(9)の係合突起(9a1)が、キャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合しなくなり、更に、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)および操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)がブレーキボックス(11)の当接面(11e)に当接し、それにより、ブレーキボックス(11)が上側に移動し、ブレーキヘッド(10)がキャスター本体(5)の第1突き当て面(5e3)に突き当てられ、その結果、ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合しなくなり、ブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合しなくなり、
車軸(7)に対する右車輪(8−1)の回転、車軸(7)に対する左車輪(8−2)の回転、および、キャスターボルト(3)に対するキャスター本体(5)の旋回が、アンロック状態からロック状態に切り換えられる時には、操作レバー(12)の回転中心軸(5h,5i)を中心に操作レバー(12)がキャスターボルト(3)から遠ざかる側に回動され、それにより、操作レバー(12)の中央部(12a)がロック部材(9)の当接突起(9a2)に当接しなくなり、その結果、ロック部材用圧縮コイルバネ(17’)によって、ロック部材(9)の回転中心軸(9b1,9c1)を中心にロック部材(9)が回動し、ロック部材(9)の係合突起(9a1)がキャスターボルト(3)のまわりの係合溝(2a)と係合する側に付勢され、更に、操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム大径部(12b4)および操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム大径部(12c4)がブレーキボックス(11)の当接面(11e)に当接し、それにより、ブレーキヘッド(10)がキャスター本体(5)の第2突き当て面(5e4)の高さに位置するまで、ブレーキボックス(11)が下側に移動し、その結果、ブレーキヘッド用圧縮コイルバネ(17)によって、ブレーキヘッド(10)の右係合突起(10a)が右車輪(8−1)の係合溝(8−1a)と係合する側に付勢され、ブレーキヘッド(10)の左係合突起(10b)が左車輪(8−2)の係合溝(8−2a)と係合する側に付勢されることを特徴とする双輪キャスター(100)。
【請求項2】
弾性変形可能な材料によってロック部材(9)を形成し、
概略コ字状の断面形状を有するように、中央部(9a)と右側壁部(9b)と左側壁部(9c)とをロック部材(9)に設け、
ロック部材(9)の回転中心軸の一部を構成する右突起(9b1)をロック部材(9)の右側壁部(9b)に形成し、
ロック部材(9)の回転中心軸の一部を構成する左突起(9c1)をロック部材(9)の左側壁部(9c)に形成し、
ロック部材(9)およびロック部材用圧縮コイルバネ(17’)を収容するためのロック部材収容穴(5f)をキャスター本体(5)に形成し、
ロック部材(9)の右突起(9b1)を収容するための右突起収容穴(5f4)をロック部材収容穴(5f)の壁面に形成し、
ロック部材(9)の右突起(9b1)をガイドするための右突起ガイド溝(5f5)をキャスター本体(5)の外周面(5g)から右突起収容穴(5f4)まで延ばし、
ロック部材(9)の右突起(9b1)の先端にテーパ面(9b1a)を形成し、
ロック部材(9)の左突起(9c1)を収容するための左突起収容穴(5f6)をロック部材収容穴(5f)の壁面に形成し、
ロック部材(9)の左突起(9c1)をガイドするための左突起ガイド溝(5f7)をキャスター本体(5)の外周面(5g)から左突起収容穴(5f6)まで延ばし、
ロック部材(9)の左突起(9c1)の先端にテーパ面(9c1a)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の双輪キャスター(100)。
【請求項3】
弾性変形可能な材料によって操作レバー(12)を形成し、
操作レバー(12)の回転中心軸の一部を構成する右突起(5h)をキャスター本体(5)に形成し、
操作レバー(12)の回転中心軸の一部を構成する左突起(5i)をキャスター本体(5)に形成し、
キャスター本体(5)の右突起(5h)を収容するための右突起収容穴(12b1)を操作レバー(12)の右側壁部(12b)に形成し、
キャスター本体(5)の右突起(5h)をガイドするための右突起ガイド溝(12b2)を操作レバー(12)の右側壁部(12b)のカム小径部(12b3)から右突起収容穴(12b1)まで延ばし、
キャスター本体(5)の左突起(5i)を収容するための左突起収容穴(12c1)を操作レバー(12)の左側壁部(12c)に形成し、
キャスター本体(5)の左突起(5i)をガイドするための左突起ガイド溝(12c2)を操作レバー(12)の左側壁部(12c)のカム小径部(12c3)から左突起収容穴(12c1)まで延ばしたことを特徴とする請求項2に記載の双輪キャスター(100)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−36783(P2010−36783A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−203647(P2008−203647)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(591220665)株式会社石黒製作所 (18)