取引装置
【課題】取引画像情報が表示されるエリア及び取引画像情報以外の各種情報が表示されるエリアに従来よりも多様な情報を表示することが可能な、新規かつ改良された紙葉類取引装置等を提供する。
【解決手段】紙葉類取引装置1は、操作者との間で取引の制御を行う取引制御部40と、前記取引のに関する取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示する制御と、前記取引画像情報以外の各種情報を前記取引画像情報表示エリア以外の各種情報表示エリアに表示する表示制御部60と、前記取引画像表示エリアと各種情報表示エリアの大きさを前記取引の状況に応じて調整する制御を行う調整制御部50を備える。
【解決手段】紙葉類取引装置1は、操作者との間で取引の制御を行う取引制御部40と、前記取引のに関する取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示する制御と、前記取引画像情報以外の各種情報を前記取引画像情報表示エリア以外の各種情報表示エリアに表示する表示制御部60と、前記取引画像表示エリアと各種情報表示エリアの大きさを前記取引の状況に応じて調整する制御を行う調整制御部50を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示されるように、取引に関する取引画像情報を表示するメインディスプレイと、当該メインディスプレイの上方に設けられ、広告情報を表示するサブディスプレイとを備える自動取引装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−59109号公報
【特許文献2】特開2009−237641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この技術では、サブディスプレイがメインディスプレイの上方にあるので、操作者は、自動取引装置の操作中(取引中)にサブディスプレイを見ないことが多かった。このため、サブディスプレイが有効に活用されていなかった。すなわち、この技術では、サブディスプレイに広告情報が掲載されても、この情報を操作者に十分に視認してもらうことができなかった。
【0005】
このような問題に対し、特許文献2に記載されているような技術が提案されている。この技術に係る自動取引装置では、1つの表示画面内に取引画像情報と広告情報とが両方表示される。この技術であれば、操作者は、取引中であっても広告情報を視認することができる。
【0006】
しかし、この技術では、取引状況によらず、取引画像情報が表示されるエリア及び広告情報が表示されるエリアの大きさが固定されていたので、これらのエリアに表示可能な情報に限界があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、取引画像情報が表示されるエリア及び取引画像情報以外の各種情報が表示されるエリアに従来よりも多様な情報を表示することが可能な、新規かつ改良された取引装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、操作者との間で行われる取引の制御を行う取引制御部と、操作者と前記取引制御部との間で行われる取引に関する取引画像情報を表示画面内の表示エリアである取引画像情報表示エリアに表示する制御と、前記表示画面のうち前記取引画像情報表示エリア以外の表示エリアである各種情報表示エリアに前記取引画像情報以外の各種情報を表示する制御とを行う表示制御部と、前記取引画像情報表示エリア及び前記各種情報表示エリアの大きさを前記取引の状況に応じて調整する制御を行う調整制御部とを備え、前記表示制御部は、操作者が媒体の投入操作を行うまで前記取引制御部が待機する場合、前記取引画像情報として、前記媒体の投入を促す情報を前記取引画像情報表示エリアに表示する制御を行ない、前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを前記各種情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、取引装置が提供される。
【0009】
ここで、前記調整制御部は、前記各種情報表示エリアの大きさをゼロとする制御を行うようにしてもよい。
【0010】
また、表示制御部は、取引制御部が操作者の入力操作を待機している間に、入力操作を案内する案内情報を各種情報表示エリアに表示する制御を行ない、調整制御部は、取引制御部が操作者の入力操作を待機している入力操作待機時間が所定の入力操作待機基準時間以上となった場合に、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0011】
また、前記表示制御部は、取引画像情報表示エリアを前記表示画面の全面に表示する制御を行うようにしてもよい。
【0012】
また、前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリアと第2取引画像情報表示エリアに分割する制御を行うようにしてもよい。
【0013】
また、前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリアと第2取引画像情報表示エリアに分割し、前記第1取引画像情報表示エリアを前記第2取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0014】
また、前記調整制御部は、操作者による媒体の投入が無い場合、前記第2取引画像情報表示エリアを前記第1画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0015】
前記調整制御部は、操作者が前記媒体の投入操作を行うまで前記取引制御部が待機する時間が経過するほど、前記第2取引画像情報表示エリアを前記第1取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、取引装置は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを取引の状況に応じて調整するので、取引の各段階でこれらのエリアの大きさを変化させることができる。例えば、取引のある段階よりも他の段階の方が取引画像情報の情報量が少なくてすむ場合には、取引装置は、ある段階での取引画像情報表示エリアよりも他の段階での取引画像情報表示エリアを小さくし、その分だけ各種情報表示エリアを大きくすることができる。これにより、取引装置は、他の段階にて、より多くの各種情報を表示することができる。一方、取引装置は、ある段階にて、より多くの取引画像情報を表示することができる。したがって、取引装置は、これらのエリアに従来よりも多様な情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る紙葉類取引装置の外観を示す正面図である。
【図2】同実施形態に係る紙葉類取引装置の機能ブロック図である。
【図3】同実施形態に係る紙葉類取引装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】同実施形態に係る紙葉類取引装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態に係る紙葉類取引装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図7】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図8】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図9】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図10A】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図10B】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図11A】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図11B】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図12】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図13】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[紙葉類取引装置1の外観]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る紙葉類取引装置1の外観構成について説明する。紙葉類取引装置1は、筐体2と、ディスプレイ3と、レシート排出口4と、カード入出口5と、硬貨入出口6と、紙幣入出口7と、テンキー8と、タッチパネル9とを備える。
【0020】
筐体2は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、通信装置等のハードウェア構成を内蔵している。ディスプレイ3は、筐体2の上側部分に設けられており、操作者との間で行われる取引に関する取引画像情報や、取引画像情報以外の各種情報を表示する。ディスプレイ3は、略長方形となっており、長辺L1が筐体2の高さ方向(即ち紙葉類取引装置1の高さ方向)に伸びており、短辺L2が略水平方向に伸びている。長辺L1は、鉛直方向に伸びていてもよいが、鉛直方向から傾く方向に伸びていてもよい。このように、ディスプレイ3は、いわゆる縦長画面となっている。
【0021】
レシート排出口4からは、取引の結果等が記載されたレシートが排出される。カード入出口5にクレジットカード等のカード類が挿入され、カード入出口5からカード類が排出される。硬貨入出口6に硬貨が投入され、硬貨入出口6から硬貨が排出される。紙幣入出口7に紙幣が投入され、紙幣入出口7から紙幣が排出される。なお、投入された紙幣及び硬貨は、筐体2内に設けられた格納部に格納される。なお、硬貨入出口6、及び紙幣入出口7と格納部との間で紙幣等を搬送させる装置は筐体2に内蔵される。
【0022】
テンキー8は、例えば操作者が取引金額を入力するために使用される。タッチパネル9は、ディスプレイ3の表面に設けられ、例えば操作者がディスプレイ3に表示されたボタンを押す(触れる)ために使用される。テンキー8及びタッチパネル9は、操作者による操作内容に応じた操作情報を出力する。
【0023】
図2は、紙葉類取引装置1の内部構成を含めた構成を示す機能ブロック図である。紙葉類取引装置1は、上述した構成の他、レシート印刷部10と、媒体検出部20と、入出口制御部30と、取引制御部40と、調整制御部50と、表示制御部60と、通信部70とを備える。レシート印刷部10と、媒体検出部20と、入出口制御部30と、取引制御部40と、調整制御部50と、表示制御部60と、通信部70とは、筐体2に内蔵されたハードウェア構成によって実現される。通信部70は、ネットワーク80を介してセンタ90に接続されている。センタ90は、顧客(ここでは紙葉類取引装置1の操作者)の口座に関する情報等を管理している。
【0024】
レシート印刷部10は、取引制御部40による制御により、取引の結果等が印刷されたレシートを作成し、レシート排出口4から外部に排出する。媒体検出部20は、カード入出口5、硬貨入出口6、及び紙幣入出口7から投入された媒体(即ちカード類、硬貨及び紙幣)を検出し、検出結果に関する検出情報を取引制御部40に出力する。
【0025】
入出口制御部30は、取引制御部40による制御により、カード入出口5、硬貨入出口6、及び紙幣入出口7を開閉する。また、入出口制御部30は、取引制御部40の指示に基づいて、取引制御部40が指示した金額の紙幣及び硬貨を格納部と硬貨入出口6、及び紙幣入出口7との間で搬送させる制御を行う。
【0026】
取引制御部40は、操作者と紙葉類(ここでは紙幣及び硬貨)を取引する制御を行う。具体的には、取引制御部40は、テンキー8、タッチパネル9、及び媒体検出部20からの情報を取得し、これらの情報に応じた処理を行う。
【0027】
例えば、取引制御部40は、取引が開始されるまで待機し、操作者に取引の内容を選択させ、操作者に各種の情報(取引金額や振り込み口座等)を入力させ、操作者に紙葉類またはカード類を投入させ、取引金額の金銭を指定の口座に振り込む等の処理を行う。
【0028】
また、取引制御部40は、現在の取引の状況(すなわち、現在の取引制御部40の状態)を示す取引進捗情報を生成し、調整制御部50に出力する。ここで、取引制御部40の状態としては、例えば、操作者が取引の内容を選択するまで待機する状態、操作者が媒体を投入するまで待機する状態、操作者が取引金額を入力するまで待機する状態、及び操作者による入力操作が不要な処理を行っている状態等が考えられる。
【0029】
また、取引制御部40は、操作者に紙葉類を投入させる必要がある場合には、入出口制御部30に、硬貨入出口6及び紙幣入出口7を開放させる。同様に、取引制御部40は、操作者にカード類を投入させる必要がある場合には、入出口制御部30に、カード入出口5を開放させる。
【0030】
また、取引制御部40は、センタ90への問い合わせが必要な場合には、問い合わせの内容が記述された通信情報を生成し、通信部70に出力する。
【0031】
また、取引制御部40は、レシートの排出が必要な場合には、レシート印刷部10にレシートを印刷させ、レシート排出口4から排出させる。
【0032】
調整制御部50は、取引制御部40から与えられた取引進捗情報に基づいて(即ち、取引の状況に応じて)、取引に関する取引画像情報が表示される取引画像情報表示エリア、及び取引画像情報以外の各種情報が表示される各種情報表示エリアの大きさを決定する。例えば、調整制御部50は、操作者が取引の内容を選択するまで取引制御部40が待機する場合には、操作者にとって取引画像情報の方が各種情報よりも重要であり、情報量が多くなるので、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくする。
【0033】
なお、調整制御部50は、各種情報表示エリアの大きさをゼロとすることもありうる。この場合、各種情報表示エリアは表示されない。また、本実施形態では、各種情報表示エリアには、広告情報の他、操作者による入力操作を案内する案内情報が表示される。
【0034】
調整制御部50は、各エリアの大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0035】
表示制御部60は、取引進捗情報に基づいて、取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。例えば、表示制御部60は、操作者が取引の内容を選択するまで取引制御部40が待機する場合には、取引制御部40が処理可能な取引の種類がそれぞれ描かれたボタンを含む取引画像情報を生成する。また、表示制御部60は、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報または案内情報を生成する。
【0036】
表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報または案内情報を表示する制御を行う。ディスプレイ3は、表示制御部60による制御により、取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示し、広告情報または案内情報を各種情報表示エリアに表示する。
【0037】
通信部70は、ネットワーク80を介してセンタ90に接続されており、取引制御部40から与えられた通信情報をネットワーク80経由でセンタ90に出力し、センタ90からネットワーク80経由で与えられた情報を取引制御部40に出力する。
【0038】
次に、調整制御部50及び表示制御部60による処理の手順を図3〜図5に示すフローチャートに沿って説明する。取引制御部40は、電源投入後に、取引の開始を待機する処理に移行し、調整制御部50及び表示制御部60は、図3に示す処理を開始する。取引制御部40は、調整制御部50及び表示制御部60による処理に並行して、操作者との間で取引を行ない、取引の状況を示す取引進捗情報を調整制御部50に出力する。また、調整制御部50は、タイマを有しており、電源投入時や、図3に示す処理の開始時にタイマをゼロにリセットし、タイマによる計時を開始する。タイマの値は、後述するいくつかの処理において使用される。
【0039】
図3に示すステップS10において、調整制御部50は、取引が開始されるまで待機している旨の取引進捗情報を取引制御部40から取得する。なお、取引制御部40は、取引が開始されるまで待機している場合には、その旨の取引進捗情報を調整制御部50に出力する。
【0040】
調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを決定する。ここでは、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくする。この段階では、取引が直ちに開始される可能性があるので、取引画像情報をより多く表示することが望ましいからである。例えば、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの60%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの40%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0041】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。取引画像情報には、取引を開始するための取引開始ボタンや、紙葉類取引装置1が紙葉類の取引を行う装置であることを告知する告知情報が含まれる。
【0042】
また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリアをディスプレイ3の下方に配置し、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアの上方に配置する。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。
【0043】
図6(a)に、このときの表示例を示す。取引画像情報表示エリアAには、取引画像情報として、取引開始ボタンa1及び告知情報(ここでは、「銀行ATM」の文字が描かれた大きなアイコン)が表示され、各種情報表示エリアBには、「住宅ローンお申し込み受付中!!」という文字情報からなる広告情報が表示される。
【0044】
ステップS20において、調整制御部50は、取引が開始された旨の取引進捗情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、ステップS30に進み、取得したと判定しない場合には、ステップS100に進む。なお、取引制御部40は、タッチパネル9から与えられた操作情報に基づいて、取引開始ボタンa1が押されたかを判定し、押されたと判定した場合には、取引を開始する。そして、取引制御部40は、取引が開始された旨の取引進捗情報を生成し、調整制御部50に出力する。
【0045】
ステップS30において、調整制御部50は、取引制御部40から与えられた取引進捗情報に基づいて、現在の取引の状況が、操作者が入力操作を行うまで取引制御部40が待機している状況であるかを判定し、このような状況であると判定した場合には、ステップS40に進み、判定しない場合には、ステップS50に進む。ここで、調整制御部50は、例えば、操作者が取引を選択するまで取引制御部40が待機している旨の取引進捗情報を取得した場合に、現在の取引の状況が、操作者が入力操作を行うまで取引制御部40が待機している状況であると判定する。
【0046】
ステップS40において、調整制御部50及び表示制御部60は、図4に示す入力操作待機処理を行う。入力操作待機処理は、概略的には、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくし、操作者による要求に応じて案内情報を各種情報表示エリアに表示する処理である。
【0047】
ステップS50において、調整制御部50は、取引制御部40から与えられた取引進捗情報に基づいて、現在の取引の状況が、操作者が媒体を投入するまで取引制御部40が待機している状況であるかを判定し、このような状況であると判定した場合には、ステップS60に進み、判定しない場合には、ステップS70に進む。ここで、調整制御部50は、例えば、操作者が紙葉類を投入するまで取引制御部40が待機している旨の取引進捗情報を取得した場合に、現在の取引の状況が、操作者が媒体を投入するまで取引制御部40が待機している状況であると判定する。
【0048】
ステップS60において、調整制御部50及び表示制御部60は、図5に示す媒体投入待機処理を行う。媒体投入待機処理は、概略的には、操作者に媒体の投入を促す処理である。
【0049】
ステップS70において、調整制御部50は、現在の取引の状況が、取引制御部40が操作者による入力操作が不要な処理を行っている状況であるかを判定し、このような状況であると判定した場合には、ステップS80に進み、判定しない場合には、ステップS90に進む。ここで、ここで、調整制御部50は、例えば、取引制御部40がセンタ90に問い合わせている旨の取引進捗情報を取得した場合に、現在の取引の状況が、取引制御部40が操作者による入力操作が不要な処理を行っている状況であると判定する。
【0050】
ステップS80において、調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを決定する。ここでは、調整制御部50は、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。この段階では、他の段階、例えば操作者が入力操作を行う段階よりも、取引画像情報の情報量が少なくてすむからである。例えば、調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの40%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの60%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0051】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。ここでは、取引画像情報には、取引制御部40が処理を終了するまでに掛かる時間を示す情報が含まれる。なお、当該情報は、取引進捗情報に含まれる。また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。
【0052】
次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。ディスプレイ3は、表示制御部60による制御により、取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示し、広告情報を各種情報表示エリアに表示する。
【0053】
図7に、このときの表示例を示す。取引画像情報表示エリアAには、取引制御部40が処理を終了するまでに掛かる時間を示す情報として、タイムゲージa10が表示される。このタイムゲージa10は、白以外の色で着色されたブロックa11及び白色のブロックa12とで構成され、処理が進むに連れて、ブロックa11がタイムゲージa10に占める割合が大きくなる。また、各種情報表示エリアBには、図6(a)よりも詳細な広告情報が表示される。図7の各種情報表示エリアBは、図6(a)のものよりも大きいので、このような広告表示が可能となる。
【0054】
ステップS90において、調整制御部50は、取引が終了した旨の取引進捗情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアと同じ大きさとし、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。一方、調整制御部50は、取得したと判定しない場合には、ステップS30に戻る。
【0055】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。取引画像情報には、取引が終了した旨の文字情報、例えば「お取引が終了しました。ご利用ありがとうございました」等の文字情報が含まれる。また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。
【0056】
次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。ディスプレイ3は、表示制御部60による制御により、取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示し、広告情報を各種情報表示エリアに表示する。その後、調整制御部50及び表示制御部60は、図3に示す処理を終了する。
【0057】
ステップS100において、調整制御部50は、タイマが示す時間が所定の取引開始待機基準時間(例えば10分)以上であるかを判定し、所定時間以上であると判定した場合には、ステップS110に進み、判定しない場合には、ステップS10に戻る。なお、調整制御部50は、ステップS110に進む場合には、タイマをゼロにリセットし、計時を再度行う。
【0058】
ステップS110において、調整制御部50は、各種情報表示エリアが取引画像情報表示エリアよりも大きくなるように、それぞれのエリアの大きさを決定する。この段階では、取引がすぐに開始される可能性が低いので、他の段階、例えばステップS10の段階よりも取引画像情報の情報量を少なくしても支障がないからである。例えば、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの30%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの70%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0059】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。取引画像情報には、上述した取引開始ボタンの他、上述した告知情報を簡略化したものが含まれる。また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。ここでの広告情報には、紙葉類取引装置1が使用されていないことを示す情報、例えば「空」の文字情報が含まれる。
【0060】
次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。ディスプレイ3は、表示制御部60による制御により、取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示し、広告情報を各種情報表示エリアに表示する。
【0061】
図6(b)に、このときの表示例を示す。取引画像情報表示エリアAには、取引開始ボタンa1及び「いらっしゃいませ」という文字情報(告知情報を簡略化したもの)が表示され、各種情報表示エリアBには、図6(a)よりも詳細な広告情報が表示される。図6(b)の各種情報表示エリアBは、図6(a)のものよりも大きいので、このような広告表示が可能となる。また、各種情報表示エリアBの上端部には、「空」の文字情報が表示される。「空」の文字が各種情報表示エリアBの上端部、即ちディスプレイ3の上端部に表示されるので、「空」の文字が目立つようになる。これにより、例えば、紙葉類取引装置が複数台設置され、他の装置に人が並んでいるが、紙葉類取引装置1だけが空いている場合、他の装置に並んでいる人は、紙葉類取引装置1が空いていることをいち早く認識し、紙葉類取引装置1を利用することができる。
【0062】
ステップS120において、調整制御部50は、取引が開始された旨の取引進捗情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、ステップS30に進み、取得したと判定しない場合には、ステップS130に進む。
【0063】
ステップS130において、調整制御部50は、タイマが示す時間が所定のスリープモード移行基準時間(例えば20分)以上であるかを判定し、スリープモード移行基準時間以上であると判定した場合には、ステップS140に進み、判定しない場合には、ステップS110に戻る。
【0064】
ステップS140において、調整制御部50及び表示制御部60はスリープモードに移行する。具体的には、調整制御部50は、スリープモードに移行する旨のスリープモード移行情報を表示制御部60に出力し、表示制御部60は、この情報に従って、ディスプレイ3を暗転させる。なお、調整制御部50は、スリープモード移行情報を取引制御部40にも出力する。これにより、取引制御部40は、調整制御部50等がスリープモードに移行したことを認識し、取引開始まで待機している旨の取引進捗情報の出力を停止する。
【0065】
ステップS150において、調整制御部50は、スリープモードからの復帰を要求する旨の復帰要求情報を取得するまで待機し、取得したらステップS160に進む。なお、取引制御部40は、タッチパネル9の操作があった旨の操作情報がタッチパネル9から与えられた場合に、復帰要求情報を調整制御部40に出力する。
【0066】
ステップS160において、調整制御部50は、復帰要求情報を表示制御部60に出力する。表示制御部60は、復帰要求情報に基づいて、ディスプレイ3の一部に取引画像情報表示エリアを設定し、この取引画像情報表示エリアを時間の経過に応じて徐々に大きくする制御を行う。さらに、表示制御部60は、取引画像情報表示エリアの大きさに応じた取引画像情報(ここでは、取引開始ボタン及び告知情報を簡略化したものを含むもの)を生成し、取引画像情報表示エリアに表示する制御を行う。
【0067】
図8(a)、(b)に表示例を示す。この例に示されるように、時間の経過に応じて、取引画像情報表示エリアAが大きくなる。
【0068】
表示制御部60は、取引画像情報表示エリアの大きさがディスプレイ3全体の60%になった時点で、各種情報表示エリアも表示する制御を行う。その後、調整制御部50は、タイマをゼロにリセットし、計時を再開する。次いで、調整制御部50は、ステップS10に戻る。
【0069】
図4は、図3に示す入力操作待機処理の手順を示すフローチャートである。ステップS200において、調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを決定する。ここでは、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアが各種情報表示エリアよりも大きくなるように、各エリアの大きさを決定する。この段階では、操作者が入力操作を行う必要があるので、より多くの取引画像情報を表示する必要があるからである。例えば、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの60%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの40%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0070】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。ここでは、取引画像情報には、取引の内容等が記載された選択ボタン、取引を取り消す取消ボタン、及び案内情報を要求するための操作ナビボタン等が含まれる。ここで、選択ボタンの種類は、取引の段階に応じて異なる。また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。
【0071】
次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。
【0072】
図9、図10A(a)に、このときの表示例を示す。図9は、取引が開始された直後に表示される例である。取引画像情報表示エリアAには、取引の種類が描かれた選択ボタンa2、取消ボタンa3、操作ナビボタンa4が表示される。図10A(a)は、図9において「残高照会」が描かれた選択ボタンa2が押され、その後にカード類の投入、暗証番号の入力等が行われた場合に表示される例である。この例では、取引の種類が描かれた選択ボタンa2、取消ボタンa3、操作ナビボタンa4の他に、操作者の口座の預金残高を表示する残高表示エリアa5が表示される。
【0073】
ステップS210において、調整制御部50は、操作ナビの表示を要求する旨の操作ナビ表示要求情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、ステップS220に進み、取得したと判定しない場合には、入力操作待機処理を終了する。なお、取引制御部40は、タッチパネル9から与えられた操作情報に基づいて、操作ナビボタンが押されたかを判定し、押されたと判定した場合には、操作ナビ表示要求情報を調整制御部50に出力する。
【0074】
ステップS220において、調整制御部50は、タイマをゼロにリセットし、計時を再開する。さらに、調整制御部50は、操作ナビ表示要求情報を表示制御部60に出力する。
【0075】
表示制御部60は、取引進捗情報、調整情報及び操作ナビ表示要求情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさ及び現在の処理の段階に応じた案内情報を生成する。この案内情報には、操作方法を説明する文字情報、実際の操作を例示する動画情報、手数料を表示させるための手数料表示ボタン、文字情報を拡大させるための虫眼鏡ボタン等が含まれる。次いで、表示制御部60は、各種情報表示エリアに案内情報を表示する制御を行う。
【0076】
図10A(b)に、このときの表示例を示す。図10A(b)は、図10A(a)の表示例に対して、操作者が操作ナビボタンa4を選択したときに表示される例である。
【0077】
取引画像情報表示エリアAには、取引の種類等が描かれた選択ボタンa2、取消ボタンa3、残高表示エリアa5が表示される。各種情報表示エリアBには、操作方法を説明する文字情報、実際の操作を例示する動画情報が表示される案内情報表示エリアb1、手数料表示ボタンb2、虫眼鏡ボタンb3が表示される。
【0078】
ステップS230において、調整制御部50は、タイマが示す時間が所定の入力操作待機基準時間(例えば1分)となるまでに、操作者による入力操作がなされた旨の入力操作確認情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、入力操作待機処理を終了し、取得したと判定しない場合には、ステップS240に進む。なお、取引制御部40は、操作者による入力操作(テンキー8やタッチパネル9を用いた入力操作)がなされるまで待機し、入力操作があった場合には、その入力操作に応じた処理を行う一方で、入力操作確認情報を調整制御部50に出力する。
【0079】
ステップS240において、調整制御部50は、各種情報表示エリアが取引画像情報表示エリアよりも大きくなるように各エリアの大きさを決定する。この段階では、操作者が入力操作に手間取っている可能性があるので、各種情報表示エリアを拡大し、より分かりやすい案内情報を表示することが望ましいからである。例えば、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの30%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの70%に決定する。調整制御部50は、各エリアの大きさに関する調整情報を生成し、表示制御部60に出力する。
【0080】
表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行う。表示例を図10B(c)に示す。図10B(c)は、図10A(b)において、操作者が入力操作待機基準時間以上入力操作を行わなかったときに表示される例である。この例に示されるように、各種情報表示エリアBは、図10A(b)に示されるものよりも大きくなっている。
【0081】
ステップS250において、調整制御部50は、操作者により虫眼鏡ボタンが押された旨の拡大要求情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、ステップS260に進み、取得したと判定しない場合には、入力操作待機処理を終了する。なお、取引制御部40は、タッチパネル9からの操作情報に基づいて、虫眼鏡ボタンが押されたかを判定し、押されたと判定した場合には、拡大要求情報を調整制御部50に出力する。なお、調整制御部50及び表示制御部60は、ステップS250の処理によって入力操作待機処理を終了し、その後、操作者による入力操作がない状態で、再度入力操作待機処理を行う場合には、ステップS250から処理を開始する。
【0082】
ステップS260において、調整制御部50は、拡大要求情報を表示制御部60に出力し、表示制御部60は、拡大要求情報に基づいて、案内情報表示エリアおよび当該エリア内の情報を拡大する制御を行う。表示例を図10B(d)に示す。図10B(d)は、図10B(c)において虫眼鏡ボタンb3が押されたときに表示される例である。なお、調整制御部50及び表示制御部60は、ステップS260の処理の後に入力操作待機処理を終了し、その後、操作者による入力操作がない状態で、再度入力操作待機処理を行う場合には、ステップS260から処理を開始する。
【0083】
このように、本実施形態では、表示制御部60は、各種情報表示エリアを拡大したときに文字情報及び動画情報を拡大可能とする。これは、文字情報及び動画情報を拡大するためには、その分だけ各種情報表示エリアを広くする必要があるからである。
【0084】
なお、手数料表示ボタンが押された場合には、取引制御部40は、その旨の手数料表示要求情報を、調整制御部50を介して表示制御部60に出力する。表示制御部60は、手数料表示要求情報に基づいて、現在の取引に掛かる手数料をディスプレイ3に表示する。表示するエリアは、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアのいずれであってもよい。
【0085】
図5は、図3に示す媒体投入待機処理の手順を示すフローチャートである。ステップS270において、調整制御部50は、タイマをリセットし、計時を再開する。さらに、調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを決定する。ここでは、調整制御部50は、各種情報表示エリアの大きさをゼロとする。また、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリア及び第2取引画像情報表示エリアに分割し、第1取引画像情報表示エリアが第2取引画像情報表示エリアよりも大きくなるように、各取引画像情報表示エリアの大きさを決定する。例えば、調整制御部50は、第1取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの60%、第2取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの40%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0086】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。ここでは、取引画像情報は、第1取引画像情報表示エリアに表示される第1取引画像情報、第2取引画像情報表示エリアに表示される第2取引画像情報に区分される。第1取引画像情報には、媒体の投入を促す文字情報や、取引を停止する取消ボタン等が含まれる。第2取引画像情報には、タイムアウトまでの残り時間(取引中止までの残り時間)に関する情報、媒体の投入を促す矢印(媒体を投入する入出口を示す矢印)が含まれる。なお、タイムアウトまでの残り時間に関する情報は、取引進捗情報に含まれる。
【0087】
次いで、表示制御部60は、各取引画像情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、第2取引画像情報表示エリアは、第1取引画像情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、第1取引画像情報表示エリアに第1取引画像情報を表示し、第1取引画像情報表示エリアに第1取引画像情報を表示する制御を行う。
【0088】
図11Aに、このときの表示例を示す。図11Aは、操作者がカード類を投入するまで取引制御部40が待機する場合に表示される例である。取引画像情報表示エリアAは、第1取引画像情報表示エリアA1、第2取引画像情報表示エリアA2に区分される。第1取引画像情報表示エリアA1には、操作者にカード類の投入を促す文字情報と、取消ボタンa3が表示され、第2取引画像情報表示エリアA2には、タイムアウトまでの時間を表示するタイムゲージa22と、カード入出口5を示す矢印a13とが表示される。タイムゲージa22は、白以外の色で着色されたブロックa21及び白色のブロックa22とで構成され、タイムアウトまでの残り時間が少なくなるに連れて、ブロックa21がタイムゲージa20に占める割合が大きくなる。
【0089】
なお、紙葉類取引装置1は、媒体の投入が一定時間(例えば10秒)なかった場合に、第2取引画像情報表示エリアを表示するようにしても良い。また、第1取引画像情報表示エリアの代わりに各種情報表示エリアを表示するようにしても良い。
【0090】
ステップS280において、調整制御部50は、タイマが示す時間が所定の投入待機基準時間(例えば30秒。この時間は、取引制御部40が媒体の投入を待機する処理を開始してからタイムアウトするまでの時間よりも短い)となるまでに、操作者による媒体の投入がなされた旨の媒体投入確認情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、媒体投入待機処理を終了し、取得したと判定しない場合には、ステップS290に進む。なお、取引制御部40は、操作者による媒体の投入がなされるまで(即ち、媒体検出部20から検出信号が与えられるまで)待機し、媒体の投入があった場合には、その投入操作に応じた処理を行う一方で、媒体投入確認情報を調整制御部50に出力する。
【0091】
ステップS290において、調整制御部50は、第2取引画像情報表示エリアが1段階(たとえば図11Aの上方向に2〜3cm)大きくなるように、第2取引画像情報表示エリアの大きさを決定する。調整制御部50は、第2取引画像情報表示エリアの大きさに関する調整情報を生成し、表示制御部60に出力する。その後、調整制御部50は、タイマをゼロにリセットし、計時を再開する。
【0092】
表示制御部60は、調整情報に基づいて、第2取引画像情報表示エリアを1段階拡大する制御を行う。表示例を図11Bに示す。図11Bは、図11Aにおいて、操作者が媒体を投入待機基準時間以上投入しなかったときに表示される例である。この例に示されるように、第2取引画像情報表示エリアA2は、第1取引画像情報表示エリアA1よりも大きくなっている。また、これに応じて矢印a13が図11Aに示すものよりも大きくなっている。なお、調整制御部50及び表示制御部60は、ステップS290の処理によって媒体投入待機処理を終了し、その後、直ちに(ステップS40、S60、S80の処理を行わずに)、再度媒体投入待機処理を再度行う場合には、ステップS280から処理を開始する。これにより、操作者による媒体の投入がない場合には、時間の経過に応じて第2取引画像情報表示エリアが徐々に大きくなる。
【0093】
以上により、第1の実施形態では、紙葉類取引装置1は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを取引の状況に応じて調整するので、取引の各段階でこれらのエリアの大きさを変化させることができる。例えば、取引のある段階よりも他の段階の方が取引画像情報の情報量が少なくてすむ場合には、紙葉類取引装置1は、ある段階での取引画像情報表示エリアよりも他の段階での取引画像情報表示エリアを小さくし、その分だけ各種情報表示エリアを大きくすることができる。これにより、紙葉類取引装置1は、他の段階にて、より多くの各種情報を表示することができる。一方、紙葉類取引装置1は、ある段階にて、より多くの取引画像情報を表示することができる。したがって、紙葉類取引装置1は、これらのエリアに従来よりも多様な情報を表示することができる。
【0094】
また、紙葉類取引装置1は、操作者が入力操作を行うまで待機する場合に、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくする。すなわち、操作者が入力操作を行うまで待機する場合、操作者にとっては、取引画像情報表示エリアの方が各種情報表示エリアよりも重要になる。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくすることで、取引画像情報表示エリアにより多くの取引画像情報を表示する。これにより、操作者は、より正確に入力操作を行うことができる。
【0095】
また、紙葉類取引装置1は、操作者が入力操作を行うまで待機する場合に、入力操作を案内する案内情報を各種情報表示エリアに表示する。そして、紙葉類取引装置1は、操作者が入力操作を行うまで待機する入力操作待機時間が所定の入力操作待機基準時間以上となった場合に、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。
【0096】
すなわち、操作者が入力操作を行うまで待機する入力操作待機時間が所定の入力操作待機基準時間以上となった場合には、操作者が入力操作に手間取っていることが考えられる。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、各種情報表示エリアを拡大し、より多くの案内情報を表示する。これにより、操作者は、より正確に入力操作を行うことができる。
【0097】
また、紙葉類取引装置1は、操作者による入力操作が不要な処理を行っている場合に、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。このような場合、操作者は、取引に関して特段すべきことがないので、各種情報表示エリアに興味を向けることが予想される。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、各種情報表示エリアを拡大する。これにより、紙葉類取引装置1は、より多くの広告情報を表示することができるので、操作者は、より多くの広告情報を視認することができる。
【0098】
また、紙葉類取引装置1は、取引の開始まで待機する取引開始待機時間が所定の取引開始待機基準時間未満である場合には、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくし、取引開始待機時間が所定の取引開始待機基準時間以上となった場合には、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。
【0099】
すなわち、取引の開始まで待機する取引開始待機時間が所定の取引開始待機基準時間未満である場合には、取引がすぐにでも開始される可能性がある。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくするので、操作者が取引を開始しやすくすることができる。一方、取引開始待機時間が所定の取引開始待機基準時間以上となった場合には、取引が当面の間開始されないことが予想される。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。これにより、紙葉類取引装置1は、より多くの広告情報を各種情報表示エリアに表示することができるので、紙葉類取引装置1の近くにいる人等は、多くの広告情報を視認することができる。
【0100】
また、紙葉類取引装置1は、操作者が紙葉類を含む媒体の投入操作を行うまで待機する場合に、取引画像情報として、媒体の投入を促す情報を第2取引画像情報表示エリアに表示する。そして、紙葉類取引装置1は、操作者が紙葉類を含む媒体の投入操作を行うまで待機する時間が経過するほど、取引画像情報表示エリアを大きくする。これによって、紙葉類取引装置1は、操作者に対し、媒体の投入を強く促すことができる。また、紙葉類取引装置1は、第2取引画像情報表示エリアの拡大にともなって、矢印を拡大して表示するので、この点でも、操作者に対し、媒体の投入を強く促すことができる。
【0101】
また、ディスプレイ3は略長方形となっており、ディスプレイ3の長辺L1は、紙葉類取引装置1の高さ方向に伸びている。そして、紙葉類取引装置1は、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも下方に配置する。これにより、紙葉類取引装置1は、取引画像情報表示エリアを操作者以外の人から視認されることを防止することができるとともに、各エリアの上下方向(図1の上下方向。すなわち紙葉類取引装置1の高さ方向)の幅に余裕をもたせることができる。
【0102】
次に、他の表示例を説明する。
【0103】
図12(a)は、ステップS200の処理により表示される画像の例の一つであり、図9において「残高照会」が描かれた選択ボタンa2が押され、その後にカード類の投入、暗証番号の入力等が行われた場合に表示される例である。この例では、取引画像情報表示エリアAに、「内訳」または「印刷」の文字が記載された選択ボタンa2、取消ボタンa3の他に、いずれかの選択ボタンa2を押すことを操作者に促す文字情報が表示される。ここで、操作者が「印刷」の選択ボタンa2を押すと、レシート印刷部10は、取引制御部40により制御されて、残高が記載されたレシートを印刷し、レシート排出口4から排出する。
【0104】
一方、操作者が「内訳」の選択ボタンa2を押すと、紙葉類取引装置1は、ステップS200と同様の処理を行うことで、図12(b)に示す画像を表示する。図12(b)に示されるように、各種情報表示エリアBは表示されない。また、残高表示エリアa5がディスプレイ3の中心よりも下方に表示される。この例では、残高表示エリアa5がディスプレイ3の中心よりも下方に表示されるので、残高が操作者以外の人に視認されることが防止される。また、「内訳」の選択ボタンa2が押されない限り、残高が表示されないので、この点でも、残高が操作者以外の人に視認されることが防止される。
【0105】
図13は、ステップS200の処理により表示される画像の例の一つであり、操作者が振込先の銀行を指定する段階で表示される。この例では、各種情報表示エリアBは表示されない。各選択ボタンa2に、互いに異なる金融機関名が記載されており、各選択ボタンa2が、金融機関の種類(すなわち、銀行、信用金庫、その他)に区分され、かつ、あいうえお順にソートされている。なお、スクロールボタンa6も表示されている。操作者がスクロールボタンa6を押すと、ディスプレイ3に表示されていなかった各選択ボタンa2が表示されるようになる。この例では、各選択ボタンa2が、金融機関の種類で区分され、かつ、あいうえお順にソートされているので、操作者は、所望の金融機関を容易に選択することができる。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0107】
例えば、各種情報表示エリアに表示される各種情報は、紙葉類取引装置1の近隣の地図情報や、紙葉類取引装置1の近隣の公共交通機関が運行される状況(例えば時刻表)等であってもよい。また、取引が開始されるまで取引制御部40が待機する場合、取引画像情報表示エリアには、紙葉類取引装置1が処理可能な取引の種類が表示されても良い。
【符号の説明】
【0108】
1 紙葉類取引装置
2 筐体
3 ディスプレイ
4 レシート排出口
5 カード入出口
6 硬貨入出口
7 紙幣入出口
8 テンキー
9 タッチパネル
10 レシート印刷部
20 媒体検出部
30 入出口制御部
40 取引制御部
50 調整制御部
60 表示制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示されるように、取引に関する取引画像情報を表示するメインディスプレイと、当該メインディスプレイの上方に設けられ、広告情報を表示するサブディスプレイとを備える自動取引装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−59109号公報
【特許文献2】特開2009−237641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この技術では、サブディスプレイがメインディスプレイの上方にあるので、操作者は、自動取引装置の操作中(取引中)にサブディスプレイを見ないことが多かった。このため、サブディスプレイが有効に活用されていなかった。すなわち、この技術では、サブディスプレイに広告情報が掲載されても、この情報を操作者に十分に視認してもらうことができなかった。
【0005】
このような問題に対し、特許文献2に記載されているような技術が提案されている。この技術に係る自動取引装置では、1つの表示画面内に取引画像情報と広告情報とが両方表示される。この技術であれば、操作者は、取引中であっても広告情報を視認することができる。
【0006】
しかし、この技術では、取引状況によらず、取引画像情報が表示されるエリア及び広告情報が表示されるエリアの大きさが固定されていたので、これらのエリアに表示可能な情報に限界があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、取引画像情報が表示されるエリア及び取引画像情報以外の各種情報が表示されるエリアに従来よりも多様な情報を表示することが可能な、新規かつ改良された取引装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、操作者との間で行われる取引の制御を行う取引制御部と、操作者と前記取引制御部との間で行われる取引に関する取引画像情報を表示画面内の表示エリアである取引画像情報表示エリアに表示する制御と、前記表示画面のうち前記取引画像情報表示エリア以外の表示エリアである各種情報表示エリアに前記取引画像情報以外の各種情報を表示する制御とを行う表示制御部と、前記取引画像情報表示エリア及び前記各種情報表示エリアの大きさを前記取引の状況に応じて調整する制御を行う調整制御部とを備え、前記表示制御部は、操作者が媒体の投入操作を行うまで前記取引制御部が待機する場合、前記取引画像情報として、前記媒体の投入を促す情報を前記取引画像情報表示エリアに表示する制御を行ない、前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを前記各種情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、取引装置が提供される。
【0009】
ここで、前記調整制御部は、前記各種情報表示エリアの大きさをゼロとする制御を行うようにしてもよい。
【0010】
また、表示制御部は、取引制御部が操作者の入力操作を待機している間に、入力操作を案内する案内情報を各種情報表示エリアに表示する制御を行ない、調整制御部は、取引制御部が操作者の入力操作を待機している入力操作待機時間が所定の入力操作待機基準時間以上となった場合に、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0011】
また、前記表示制御部は、取引画像情報表示エリアを前記表示画面の全面に表示する制御を行うようにしてもよい。
【0012】
また、前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリアと第2取引画像情報表示エリアに分割する制御を行うようにしてもよい。
【0013】
また、前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリアと第2取引画像情報表示エリアに分割し、前記第1取引画像情報表示エリアを前記第2取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0014】
また、前記調整制御部は、操作者による媒体の投入が無い場合、前記第2取引画像情報表示エリアを前記第1画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うようにしてもよい。
【0015】
前記調整制御部は、操作者が前記媒体の投入操作を行うまで前記取引制御部が待機する時間が経過するほど、前記第2取引画像情報表示エリアを前記第1取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、取引装置は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを取引の状況に応じて調整するので、取引の各段階でこれらのエリアの大きさを変化させることができる。例えば、取引のある段階よりも他の段階の方が取引画像情報の情報量が少なくてすむ場合には、取引装置は、ある段階での取引画像情報表示エリアよりも他の段階での取引画像情報表示エリアを小さくし、その分だけ各種情報表示エリアを大きくすることができる。これにより、取引装置は、他の段階にて、より多くの各種情報を表示することができる。一方、取引装置は、ある段階にて、より多くの取引画像情報を表示することができる。したがって、取引装置は、これらのエリアに従来よりも多様な情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る紙葉類取引装置の外観を示す正面図である。
【図2】同実施形態に係る紙葉類取引装置の機能ブロック図である。
【図3】同実施形態に係る紙葉類取引装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】同実施形態に係る紙葉類取引装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】同実施形態に係る紙葉類取引装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図7】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図8】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図9】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図10A】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図10B】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図11A】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図11B】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図12】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【図13】同実施形態に係る紙葉類取引装置のディスプレイに表示される情報の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[紙葉類取引装置1の外観]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る紙葉類取引装置1の外観構成について説明する。紙葉類取引装置1は、筐体2と、ディスプレイ3と、レシート排出口4と、カード入出口5と、硬貨入出口6と、紙幣入出口7と、テンキー8と、タッチパネル9とを備える。
【0020】
筐体2は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、通信装置等のハードウェア構成を内蔵している。ディスプレイ3は、筐体2の上側部分に設けられており、操作者との間で行われる取引に関する取引画像情報や、取引画像情報以外の各種情報を表示する。ディスプレイ3は、略長方形となっており、長辺L1が筐体2の高さ方向(即ち紙葉類取引装置1の高さ方向)に伸びており、短辺L2が略水平方向に伸びている。長辺L1は、鉛直方向に伸びていてもよいが、鉛直方向から傾く方向に伸びていてもよい。このように、ディスプレイ3は、いわゆる縦長画面となっている。
【0021】
レシート排出口4からは、取引の結果等が記載されたレシートが排出される。カード入出口5にクレジットカード等のカード類が挿入され、カード入出口5からカード類が排出される。硬貨入出口6に硬貨が投入され、硬貨入出口6から硬貨が排出される。紙幣入出口7に紙幣が投入され、紙幣入出口7から紙幣が排出される。なお、投入された紙幣及び硬貨は、筐体2内に設けられた格納部に格納される。なお、硬貨入出口6、及び紙幣入出口7と格納部との間で紙幣等を搬送させる装置は筐体2に内蔵される。
【0022】
テンキー8は、例えば操作者が取引金額を入力するために使用される。タッチパネル9は、ディスプレイ3の表面に設けられ、例えば操作者がディスプレイ3に表示されたボタンを押す(触れる)ために使用される。テンキー8及びタッチパネル9は、操作者による操作内容に応じた操作情報を出力する。
【0023】
図2は、紙葉類取引装置1の内部構成を含めた構成を示す機能ブロック図である。紙葉類取引装置1は、上述した構成の他、レシート印刷部10と、媒体検出部20と、入出口制御部30と、取引制御部40と、調整制御部50と、表示制御部60と、通信部70とを備える。レシート印刷部10と、媒体検出部20と、入出口制御部30と、取引制御部40と、調整制御部50と、表示制御部60と、通信部70とは、筐体2に内蔵されたハードウェア構成によって実現される。通信部70は、ネットワーク80を介してセンタ90に接続されている。センタ90は、顧客(ここでは紙葉類取引装置1の操作者)の口座に関する情報等を管理している。
【0024】
レシート印刷部10は、取引制御部40による制御により、取引の結果等が印刷されたレシートを作成し、レシート排出口4から外部に排出する。媒体検出部20は、カード入出口5、硬貨入出口6、及び紙幣入出口7から投入された媒体(即ちカード類、硬貨及び紙幣)を検出し、検出結果に関する検出情報を取引制御部40に出力する。
【0025】
入出口制御部30は、取引制御部40による制御により、カード入出口5、硬貨入出口6、及び紙幣入出口7を開閉する。また、入出口制御部30は、取引制御部40の指示に基づいて、取引制御部40が指示した金額の紙幣及び硬貨を格納部と硬貨入出口6、及び紙幣入出口7との間で搬送させる制御を行う。
【0026】
取引制御部40は、操作者と紙葉類(ここでは紙幣及び硬貨)を取引する制御を行う。具体的には、取引制御部40は、テンキー8、タッチパネル9、及び媒体検出部20からの情報を取得し、これらの情報に応じた処理を行う。
【0027】
例えば、取引制御部40は、取引が開始されるまで待機し、操作者に取引の内容を選択させ、操作者に各種の情報(取引金額や振り込み口座等)を入力させ、操作者に紙葉類またはカード類を投入させ、取引金額の金銭を指定の口座に振り込む等の処理を行う。
【0028】
また、取引制御部40は、現在の取引の状況(すなわち、現在の取引制御部40の状態)を示す取引進捗情報を生成し、調整制御部50に出力する。ここで、取引制御部40の状態としては、例えば、操作者が取引の内容を選択するまで待機する状態、操作者が媒体を投入するまで待機する状態、操作者が取引金額を入力するまで待機する状態、及び操作者による入力操作が不要な処理を行っている状態等が考えられる。
【0029】
また、取引制御部40は、操作者に紙葉類を投入させる必要がある場合には、入出口制御部30に、硬貨入出口6及び紙幣入出口7を開放させる。同様に、取引制御部40は、操作者にカード類を投入させる必要がある場合には、入出口制御部30に、カード入出口5を開放させる。
【0030】
また、取引制御部40は、センタ90への問い合わせが必要な場合には、問い合わせの内容が記述された通信情報を生成し、通信部70に出力する。
【0031】
また、取引制御部40は、レシートの排出が必要な場合には、レシート印刷部10にレシートを印刷させ、レシート排出口4から排出させる。
【0032】
調整制御部50は、取引制御部40から与えられた取引進捗情報に基づいて(即ち、取引の状況に応じて)、取引に関する取引画像情報が表示される取引画像情報表示エリア、及び取引画像情報以外の各種情報が表示される各種情報表示エリアの大きさを決定する。例えば、調整制御部50は、操作者が取引の内容を選択するまで取引制御部40が待機する場合には、操作者にとって取引画像情報の方が各種情報よりも重要であり、情報量が多くなるので、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくする。
【0033】
なお、調整制御部50は、各種情報表示エリアの大きさをゼロとすることもありうる。この場合、各種情報表示エリアは表示されない。また、本実施形態では、各種情報表示エリアには、広告情報の他、操作者による入力操作を案内する案内情報が表示される。
【0034】
調整制御部50は、各エリアの大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0035】
表示制御部60は、取引進捗情報に基づいて、取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。例えば、表示制御部60は、操作者が取引の内容を選択するまで取引制御部40が待機する場合には、取引制御部40が処理可能な取引の種類がそれぞれ描かれたボタンを含む取引画像情報を生成する。また、表示制御部60は、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報または案内情報を生成する。
【0036】
表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報または案内情報を表示する制御を行う。ディスプレイ3は、表示制御部60による制御により、取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示し、広告情報または案内情報を各種情報表示エリアに表示する。
【0037】
通信部70は、ネットワーク80を介してセンタ90に接続されており、取引制御部40から与えられた通信情報をネットワーク80経由でセンタ90に出力し、センタ90からネットワーク80経由で与えられた情報を取引制御部40に出力する。
【0038】
次に、調整制御部50及び表示制御部60による処理の手順を図3〜図5に示すフローチャートに沿って説明する。取引制御部40は、電源投入後に、取引の開始を待機する処理に移行し、調整制御部50及び表示制御部60は、図3に示す処理を開始する。取引制御部40は、調整制御部50及び表示制御部60による処理に並行して、操作者との間で取引を行ない、取引の状況を示す取引進捗情報を調整制御部50に出力する。また、調整制御部50は、タイマを有しており、電源投入時や、図3に示す処理の開始時にタイマをゼロにリセットし、タイマによる計時を開始する。タイマの値は、後述するいくつかの処理において使用される。
【0039】
図3に示すステップS10において、調整制御部50は、取引が開始されるまで待機している旨の取引進捗情報を取引制御部40から取得する。なお、取引制御部40は、取引が開始されるまで待機している場合には、その旨の取引進捗情報を調整制御部50に出力する。
【0040】
調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを決定する。ここでは、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくする。この段階では、取引が直ちに開始される可能性があるので、取引画像情報をより多く表示することが望ましいからである。例えば、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの60%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの40%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0041】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。取引画像情報には、取引を開始するための取引開始ボタンや、紙葉類取引装置1が紙葉類の取引を行う装置であることを告知する告知情報が含まれる。
【0042】
また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリアをディスプレイ3の下方に配置し、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアの上方に配置する。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。
【0043】
図6(a)に、このときの表示例を示す。取引画像情報表示エリアAには、取引画像情報として、取引開始ボタンa1及び告知情報(ここでは、「銀行ATM」の文字が描かれた大きなアイコン)が表示され、各種情報表示エリアBには、「住宅ローンお申し込み受付中!!」という文字情報からなる広告情報が表示される。
【0044】
ステップS20において、調整制御部50は、取引が開始された旨の取引進捗情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、ステップS30に進み、取得したと判定しない場合には、ステップS100に進む。なお、取引制御部40は、タッチパネル9から与えられた操作情報に基づいて、取引開始ボタンa1が押されたかを判定し、押されたと判定した場合には、取引を開始する。そして、取引制御部40は、取引が開始された旨の取引進捗情報を生成し、調整制御部50に出力する。
【0045】
ステップS30において、調整制御部50は、取引制御部40から与えられた取引進捗情報に基づいて、現在の取引の状況が、操作者が入力操作を行うまで取引制御部40が待機している状況であるかを判定し、このような状況であると判定した場合には、ステップS40に進み、判定しない場合には、ステップS50に進む。ここで、調整制御部50は、例えば、操作者が取引を選択するまで取引制御部40が待機している旨の取引進捗情報を取得した場合に、現在の取引の状況が、操作者が入力操作を行うまで取引制御部40が待機している状況であると判定する。
【0046】
ステップS40において、調整制御部50及び表示制御部60は、図4に示す入力操作待機処理を行う。入力操作待機処理は、概略的には、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくし、操作者による要求に応じて案内情報を各種情報表示エリアに表示する処理である。
【0047】
ステップS50において、調整制御部50は、取引制御部40から与えられた取引進捗情報に基づいて、現在の取引の状況が、操作者が媒体を投入するまで取引制御部40が待機している状況であるかを判定し、このような状況であると判定した場合には、ステップS60に進み、判定しない場合には、ステップS70に進む。ここで、調整制御部50は、例えば、操作者が紙葉類を投入するまで取引制御部40が待機している旨の取引進捗情報を取得した場合に、現在の取引の状況が、操作者が媒体を投入するまで取引制御部40が待機している状況であると判定する。
【0048】
ステップS60において、調整制御部50及び表示制御部60は、図5に示す媒体投入待機処理を行う。媒体投入待機処理は、概略的には、操作者に媒体の投入を促す処理である。
【0049】
ステップS70において、調整制御部50は、現在の取引の状況が、取引制御部40が操作者による入力操作が不要な処理を行っている状況であるかを判定し、このような状況であると判定した場合には、ステップS80に進み、判定しない場合には、ステップS90に進む。ここで、ここで、調整制御部50は、例えば、取引制御部40がセンタ90に問い合わせている旨の取引進捗情報を取得した場合に、現在の取引の状況が、取引制御部40が操作者による入力操作が不要な処理を行っている状況であると判定する。
【0050】
ステップS80において、調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを決定する。ここでは、調整制御部50は、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。この段階では、他の段階、例えば操作者が入力操作を行う段階よりも、取引画像情報の情報量が少なくてすむからである。例えば、調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの40%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの60%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0051】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。ここでは、取引画像情報には、取引制御部40が処理を終了するまでに掛かる時間を示す情報が含まれる。なお、当該情報は、取引進捗情報に含まれる。また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。
【0052】
次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。ディスプレイ3は、表示制御部60による制御により、取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示し、広告情報を各種情報表示エリアに表示する。
【0053】
図7に、このときの表示例を示す。取引画像情報表示エリアAには、取引制御部40が処理を終了するまでに掛かる時間を示す情報として、タイムゲージa10が表示される。このタイムゲージa10は、白以外の色で着色されたブロックa11及び白色のブロックa12とで構成され、処理が進むに連れて、ブロックa11がタイムゲージa10に占める割合が大きくなる。また、各種情報表示エリアBには、図6(a)よりも詳細な広告情報が表示される。図7の各種情報表示エリアBは、図6(a)のものよりも大きいので、このような広告表示が可能となる。
【0054】
ステップS90において、調整制御部50は、取引が終了した旨の取引進捗情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアと同じ大きさとし、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。一方、調整制御部50は、取得したと判定しない場合には、ステップS30に戻る。
【0055】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。取引画像情報には、取引が終了した旨の文字情報、例えば「お取引が終了しました。ご利用ありがとうございました」等の文字情報が含まれる。また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。
【0056】
次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。ディスプレイ3は、表示制御部60による制御により、取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示し、広告情報を各種情報表示エリアに表示する。その後、調整制御部50及び表示制御部60は、図3に示す処理を終了する。
【0057】
ステップS100において、調整制御部50は、タイマが示す時間が所定の取引開始待機基準時間(例えば10分)以上であるかを判定し、所定時間以上であると判定した場合には、ステップS110に進み、判定しない場合には、ステップS10に戻る。なお、調整制御部50は、ステップS110に進む場合には、タイマをゼロにリセットし、計時を再度行う。
【0058】
ステップS110において、調整制御部50は、各種情報表示エリアが取引画像情報表示エリアよりも大きくなるように、それぞれのエリアの大きさを決定する。この段階では、取引がすぐに開始される可能性が低いので、他の段階、例えばステップS10の段階よりも取引画像情報の情報量を少なくしても支障がないからである。例えば、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの30%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの70%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0059】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。取引画像情報には、上述した取引開始ボタンの他、上述した告知情報を簡略化したものが含まれる。また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。ここでの広告情報には、紙葉類取引装置1が使用されていないことを示す情報、例えば「空」の文字情報が含まれる。
【0060】
次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。ディスプレイ3は、表示制御部60による制御により、取引画像情報を取引画像情報表示エリアに表示し、広告情報を各種情報表示エリアに表示する。
【0061】
図6(b)に、このときの表示例を示す。取引画像情報表示エリアAには、取引開始ボタンa1及び「いらっしゃいませ」という文字情報(告知情報を簡略化したもの)が表示され、各種情報表示エリアBには、図6(a)よりも詳細な広告情報が表示される。図6(b)の各種情報表示エリアBは、図6(a)のものよりも大きいので、このような広告表示が可能となる。また、各種情報表示エリアBの上端部には、「空」の文字情報が表示される。「空」の文字が各種情報表示エリアBの上端部、即ちディスプレイ3の上端部に表示されるので、「空」の文字が目立つようになる。これにより、例えば、紙葉類取引装置が複数台設置され、他の装置に人が並んでいるが、紙葉類取引装置1だけが空いている場合、他の装置に並んでいる人は、紙葉類取引装置1が空いていることをいち早く認識し、紙葉類取引装置1を利用することができる。
【0062】
ステップS120において、調整制御部50は、取引が開始された旨の取引進捗情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、ステップS30に進み、取得したと判定しない場合には、ステップS130に進む。
【0063】
ステップS130において、調整制御部50は、タイマが示す時間が所定のスリープモード移行基準時間(例えば20分)以上であるかを判定し、スリープモード移行基準時間以上であると判定した場合には、ステップS140に進み、判定しない場合には、ステップS110に戻る。
【0064】
ステップS140において、調整制御部50及び表示制御部60はスリープモードに移行する。具体的には、調整制御部50は、スリープモードに移行する旨のスリープモード移行情報を表示制御部60に出力し、表示制御部60は、この情報に従って、ディスプレイ3を暗転させる。なお、調整制御部50は、スリープモード移行情報を取引制御部40にも出力する。これにより、取引制御部40は、調整制御部50等がスリープモードに移行したことを認識し、取引開始まで待機している旨の取引進捗情報の出力を停止する。
【0065】
ステップS150において、調整制御部50は、スリープモードからの復帰を要求する旨の復帰要求情報を取得するまで待機し、取得したらステップS160に進む。なお、取引制御部40は、タッチパネル9の操作があった旨の操作情報がタッチパネル9から与えられた場合に、復帰要求情報を調整制御部40に出力する。
【0066】
ステップS160において、調整制御部50は、復帰要求情報を表示制御部60に出力する。表示制御部60は、復帰要求情報に基づいて、ディスプレイ3の一部に取引画像情報表示エリアを設定し、この取引画像情報表示エリアを時間の経過に応じて徐々に大きくする制御を行う。さらに、表示制御部60は、取引画像情報表示エリアの大きさに応じた取引画像情報(ここでは、取引開始ボタン及び告知情報を簡略化したものを含むもの)を生成し、取引画像情報表示エリアに表示する制御を行う。
【0067】
図8(a)、(b)に表示例を示す。この例に示されるように、時間の経過に応じて、取引画像情報表示エリアAが大きくなる。
【0068】
表示制御部60は、取引画像情報表示エリアの大きさがディスプレイ3全体の60%になった時点で、各種情報表示エリアも表示する制御を行う。その後、調整制御部50は、タイマをゼロにリセットし、計時を再開する。次いで、調整制御部50は、ステップS10に戻る。
【0069】
図4は、図3に示す入力操作待機処理の手順を示すフローチャートである。ステップS200において、調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを決定する。ここでは、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアが各種情報表示エリアよりも大きくなるように、各エリアの大きさを決定する。この段階では、操作者が入力操作を行う必要があるので、より多くの取引画像情報を表示する必要があるからである。例えば、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの60%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの40%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0070】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。ここでは、取引画像情報には、取引の内容等が記載された選択ボタン、取引を取り消す取消ボタン、及び案内情報を要求するための操作ナビボタン等が含まれる。ここで、選択ボタンの種類は、取引の段階に応じて異なる。また、表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさに応じた広告情報を生成する。
【0071】
次いで、表示制御部60は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、取引画像情報表示エリアは、各種情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、取引画像情報表示エリアに取引画像情報を表示し、各種情報表示エリアに広告情報を表示する制御を行う。
【0072】
図9、図10A(a)に、このときの表示例を示す。図9は、取引が開始された直後に表示される例である。取引画像情報表示エリアAには、取引の種類が描かれた選択ボタンa2、取消ボタンa3、操作ナビボタンa4が表示される。図10A(a)は、図9において「残高照会」が描かれた選択ボタンa2が押され、その後にカード類の投入、暗証番号の入力等が行われた場合に表示される例である。この例では、取引の種類が描かれた選択ボタンa2、取消ボタンa3、操作ナビボタンa4の他に、操作者の口座の預金残高を表示する残高表示エリアa5が表示される。
【0073】
ステップS210において、調整制御部50は、操作ナビの表示を要求する旨の操作ナビ表示要求情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、ステップS220に進み、取得したと判定しない場合には、入力操作待機処理を終了する。なお、取引制御部40は、タッチパネル9から与えられた操作情報に基づいて、操作ナビボタンが押されたかを判定し、押されたと判定した場合には、操作ナビ表示要求情報を調整制御部50に出力する。
【0074】
ステップS220において、調整制御部50は、タイマをゼロにリセットし、計時を再開する。さらに、調整制御部50は、操作ナビ表示要求情報を表示制御部60に出力する。
【0075】
表示制御部60は、取引進捗情報、調整情報及び操作ナビ表示要求情報に基づいて、各種情報表示エリアの大きさ及び現在の処理の段階に応じた案内情報を生成する。この案内情報には、操作方法を説明する文字情報、実際の操作を例示する動画情報、手数料を表示させるための手数料表示ボタン、文字情報を拡大させるための虫眼鏡ボタン等が含まれる。次いで、表示制御部60は、各種情報表示エリアに案内情報を表示する制御を行う。
【0076】
図10A(b)に、このときの表示例を示す。図10A(b)は、図10A(a)の表示例に対して、操作者が操作ナビボタンa4を選択したときに表示される例である。
【0077】
取引画像情報表示エリアAには、取引の種類等が描かれた選択ボタンa2、取消ボタンa3、残高表示エリアa5が表示される。各種情報表示エリアBには、操作方法を説明する文字情報、実際の操作を例示する動画情報が表示される案内情報表示エリアb1、手数料表示ボタンb2、虫眼鏡ボタンb3が表示される。
【0078】
ステップS230において、調整制御部50は、タイマが示す時間が所定の入力操作待機基準時間(例えば1分)となるまでに、操作者による入力操作がなされた旨の入力操作確認情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、入力操作待機処理を終了し、取得したと判定しない場合には、ステップS240に進む。なお、取引制御部40は、操作者による入力操作(テンキー8やタッチパネル9を用いた入力操作)がなされるまで待機し、入力操作があった場合には、その入力操作に応じた処理を行う一方で、入力操作確認情報を調整制御部50に出力する。
【0079】
ステップS240において、調整制御部50は、各種情報表示エリアが取引画像情報表示エリアよりも大きくなるように各エリアの大きさを決定する。この段階では、操作者が入力操作に手間取っている可能性があるので、各種情報表示エリアを拡大し、より分かりやすい案内情報を表示することが望ましいからである。例えば、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの30%、各種情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの70%に決定する。調整制御部50は、各エリアの大きさに関する調整情報を生成し、表示制御部60に出力する。
【0080】
表示制御部60は、調整情報に基づいて、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行う。表示例を図10B(c)に示す。図10B(c)は、図10A(b)において、操作者が入力操作待機基準時間以上入力操作を行わなかったときに表示される例である。この例に示されるように、各種情報表示エリアBは、図10A(b)に示されるものよりも大きくなっている。
【0081】
ステップS250において、調整制御部50は、操作者により虫眼鏡ボタンが押された旨の拡大要求情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、ステップS260に進み、取得したと判定しない場合には、入力操作待機処理を終了する。なお、取引制御部40は、タッチパネル9からの操作情報に基づいて、虫眼鏡ボタンが押されたかを判定し、押されたと判定した場合には、拡大要求情報を調整制御部50に出力する。なお、調整制御部50及び表示制御部60は、ステップS250の処理によって入力操作待機処理を終了し、その後、操作者による入力操作がない状態で、再度入力操作待機処理を行う場合には、ステップS250から処理を開始する。
【0082】
ステップS260において、調整制御部50は、拡大要求情報を表示制御部60に出力し、表示制御部60は、拡大要求情報に基づいて、案内情報表示エリアおよび当該エリア内の情報を拡大する制御を行う。表示例を図10B(d)に示す。図10B(d)は、図10B(c)において虫眼鏡ボタンb3が押されたときに表示される例である。なお、調整制御部50及び表示制御部60は、ステップS260の処理の後に入力操作待機処理を終了し、その後、操作者による入力操作がない状態で、再度入力操作待機処理を行う場合には、ステップS260から処理を開始する。
【0083】
このように、本実施形態では、表示制御部60は、各種情報表示エリアを拡大したときに文字情報及び動画情報を拡大可能とする。これは、文字情報及び動画情報を拡大するためには、その分だけ各種情報表示エリアを広くする必要があるからである。
【0084】
なお、手数料表示ボタンが押された場合には、取引制御部40は、その旨の手数料表示要求情報を、調整制御部50を介して表示制御部60に出力する。表示制御部60は、手数料表示要求情報に基づいて、現在の取引に掛かる手数料をディスプレイ3に表示する。表示するエリアは、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアのいずれであってもよい。
【0085】
図5は、図3に示す媒体投入待機処理の手順を示すフローチャートである。ステップS270において、調整制御部50は、タイマをリセットし、計時を再開する。さらに、調整制御部50は、取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを決定する。ここでは、調整制御部50は、各種情報表示エリアの大きさをゼロとする。また、調整制御部50は、取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリア及び第2取引画像情報表示エリアに分割し、第1取引画像情報表示エリアが第2取引画像情報表示エリアよりも大きくなるように、各取引画像情報表示エリアの大きさを決定する。例えば、調整制御部50は、第1取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの60%、第2取引画像情報表示エリアの大きさをディスプレイ3の大きさの40%に決定する。そして、調整制御部50は、決定された大きさに関する調整情報と、取引進捗情報とを表示制御部60に出力する。
【0086】
表示制御部60は、調整情報及び取引進捗情報に基づいて、取引画像情報表示エリアの大きさ及び取引の状況に応じた取引画像情報を生成する。ここでは、取引画像情報は、第1取引画像情報表示エリアに表示される第1取引画像情報、第2取引画像情報表示エリアに表示される第2取引画像情報に区分される。第1取引画像情報には、媒体の投入を促す文字情報や、取引を停止する取消ボタン等が含まれる。第2取引画像情報には、タイムアウトまでの残り時間(取引中止までの残り時間)に関する情報、媒体の投入を促す矢印(媒体を投入する入出口を示す矢印)が含まれる。なお、タイムアウトまでの残り時間に関する情報は、取引進捗情報に含まれる。
【0087】
次いで、表示制御部60は、各取引画像情報表示エリアをディスプレイ3上に設定する。ここで、第2取引画像情報表示エリアは、第1取引画像情報表示エリアよりも下方に配置される。表示制御部60は、第1取引画像情報表示エリアに第1取引画像情報を表示し、第1取引画像情報表示エリアに第1取引画像情報を表示する制御を行う。
【0088】
図11Aに、このときの表示例を示す。図11Aは、操作者がカード類を投入するまで取引制御部40が待機する場合に表示される例である。取引画像情報表示エリアAは、第1取引画像情報表示エリアA1、第2取引画像情報表示エリアA2に区分される。第1取引画像情報表示エリアA1には、操作者にカード類の投入を促す文字情報と、取消ボタンa3が表示され、第2取引画像情報表示エリアA2には、タイムアウトまでの時間を表示するタイムゲージa22と、カード入出口5を示す矢印a13とが表示される。タイムゲージa22は、白以外の色で着色されたブロックa21及び白色のブロックa22とで構成され、タイムアウトまでの残り時間が少なくなるに連れて、ブロックa21がタイムゲージa20に占める割合が大きくなる。
【0089】
なお、紙葉類取引装置1は、媒体の投入が一定時間(例えば10秒)なかった場合に、第2取引画像情報表示エリアを表示するようにしても良い。また、第1取引画像情報表示エリアの代わりに各種情報表示エリアを表示するようにしても良い。
【0090】
ステップS280において、調整制御部50は、タイマが示す時間が所定の投入待機基準時間(例えば30秒。この時間は、取引制御部40が媒体の投入を待機する処理を開始してからタイムアウトするまでの時間よりも短い)となるまでに、操作者による媒体の投入がなされた旨の媒体投入確認情報を取得したかを判定し、取得したと判定した場合には、媒体投入待機処理を終了し、取得したと判定しない場合には、ステップS290に進む。なお、取引制御部40は、操作者による媒体の投入がなされるまで(即ち、媒体検出部20から検出信号が与えられるまで)待機し、媒体の投入があった場合には、その投入操作に応じた処理を行う一方で、媒体投入確認情報を調整制御部50に出力する。
【0091】
ステップS290において、調整制御部50は、第2取引画像情報表示エリアが1段階(たとえば図11Aの上方向に2〜3cm)大きくなるように、第2取引画像情報表示エリアの大きさを決定する。調整制御部50は、第2取引画像情報表示エリアの大きさに関する調整情報を生成し、表示制御部60に出力する。その後、調整制御部50は、タイマをゼロにリセットし、計時を再開する。
【0092】
表示制御部60は、調整情報に基づいて、第2取引画像情報表示エリアを1段階拡大する制御を行う。表示例を図11Bに示す。図11Bは、図11Aにおいて、操作者が媒体を投入待機基準時間以上投入しなかったときに表示される例である。この例に示されるように、第2取引画像情報表示エリアA2は、第1取引画像情報表示エリアA1よりも大きくなっている。また、これに応じて矢印a13が図11Aに示すものよりも大きくなっている。なお、調整制御部50及び表示制御部60は、ステップS290の処理によって媒体投入待機処理を終了し、その後、直ちに(ステップS40、S60、S80の処理を行わずに)、再度媒体投入待機処理を再度行う場合には、ステップS280から処理を開始する。これにより、操作者による媒体の投入がない場合には、時間の経過に応じて第2取引画像情報表示エリアが徐々に大きくなる。
【0093】
以上により、第1の実施形態では、紙葉類取引装置1は、取引画像情報表示エリア及び各種情報表示エリアの大きさを取引の状況に応じて調整するので、取引の各段階でこれらのエリアの大きさを変化させることができる。例えば、取引のある段階よりも他の段階の方が取引画像情報の情報量が少なくてすむ場合には、紙葉類取引装置1は、ある段階での取引画像情報表示エリアよりも他の段階での取引画像情報表示エリアを小さくし、その分だけ各種情報表示エリアを大きくすることができる。これにより、紙葉類取引装置1は、他の段階にて、より多くの各種情報を表示することができる。一方、紙葉類取引装置1は、ある段階にて、より多くの取引画像情報を表示することができる。したがって、紙葉類取引装置1は、これらのエリアに従来よりも多様な情報を表示することができる。
【0094】
また、紙葉類取引装置1は、操作者が入力操作を行うまで待機する場合に、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくする。すなわち、操作者が入力操作を行うまで待機する場合、操作者にとっては、取引画像情報表示エリアの方が各種情報表示エリアよりも重要になる。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくすることで、取引画像情報表示エリアにより多くの取引画像情報を表示する。これにより、操作者は、より正確に入力操作を行うことができる。
【0095】
また、紙葉類取引装置1は、操作者が入力操作を行うまで待機する場合に、入力操作を案内する案内情報を各種情報表示エリアに表示する。そして、紙葉類取引装置1は、操作者が入力操作を行うまで待機する入力操作待機時間が所定の入力操作待機基準時間以上となった場合に、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。
【0096】
すなわち、操作者が入力操作を行うまで待機する入力操作待機時間が所定の入力操作待機基準時間以上となった場合には、操作者が入力操作に手間取っていることが考えられる。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、各種情報表示エリアを拡大し、より多くの案内情報を表示する。これにより、操作者は、より正確に入力操作を行うことができる。
【0097】
また、紙葉類取引装置1は、操作者による入力操作が不要な処理を行っている場合に、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。このような場合、操作者は、取引に関して特段すべきことがないので、各種情報表示エリアに興味を向けることが予想される。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、各種情報表示エリアを拡大する。これにより、紙葉類取引装置1は、より多くの広告情報を表示することができるので、操作者は、より多くの広告情報を視認することができる。
【0098】
また、紙葉類取引装置1は、取引の開始まで待機する取引開始待機時間が所定の取引開始待機基準時間未満である場合には、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくし、取引開始待機時間が所定の取引開始待機基準時間以上となった場合には、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。
【0099】
すなわち、取引の開始まで待機する取引開始待機時間が所定の取引開始待機基準時間未満である場合には、取引がすぐにでも開始される可能性がある。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも大きくするので、操作者が取引を開始しやすくすることができる。一方、取引開始待機時間が所定の取引開始待機基準時間以上となった場合には、取引が当面の間開始されないことが予想される。そこで、紙葉類取引装置1は、このような場合に、各種情報表示エリアを取引画像情報表示エリアよりも大きくする。これにより、紙葉類取引装置1は、より多くの広告情報を各種情報表示エリアに表示することができるので、紙葉類取引装置1の近くにいる人等は、多くの広告情報を視認することができる。
【0100】
また、紙葉類取引装置1は、操作者が紙葉類を含む媒体の投入操作を行うまで待機する場合に、取引画像情報として、媒体の投入を促す情報を第2取引画像情報表示エリアに表示する。そして、紙葉類取引装置1は、操作者が紙葉類を含む媒体の投入操作を行うまで待機する時間が経過するほど、取引画像情報表示エリアを大きくする。これによって、紙葉類取引装置1は、操作者に対し、媒体の投入を強く促すことができる。また、紙葉類取引装置1は、第2取引画像情報表示エリアの拡大にともなって、矢印を拡大して表示するので、この点でも、操作者に対し、媒体の投入を強く促すことができる。
【0101】
また、ディスプレイ3は略長方形となっており、ディスプレイ3の長辺L1は、紙葉類取引装置1の高さ方向に伸びている。そして、紙葉類取引装置1は、取引画像情報表示エリアを各種情報表示エリアよりも下方に配置する。これにより、紙葉類取引装置1は、取引画像情報表示エリアを操作者以外の人から視認されることを防止することができるとともに、各エリアの上下方向(図1の上下方向。すなわち紙葉類取引装置1の高さ方向)の幅に余裕をもたせることができる。
【0102】
次に、他の表示例を説明する。
【0103】
図12(a)は、ステップS200の処理により表示される画像の例の一つであり、図9において「残高照会」が描かれた選択ボタンa2が押され、その後にカード類の投入、暗証番号の入力等が行われた場合に表示される例である。この例では、取引画像情報表示エリアAに、「内訳」または「印刷」の文字が記載された選択ボタンa2、取消ボタンa3の他に、いずれかの選択ボタンa2を押すことを操作者に促す文字情報が表示される。ここで、操作者が「印刷」の選択ボタンa2を押すと、レシート印刷部10は、取引制御部40により制御されて、残高が記載されたレシートを印刷し、レシート排出口4から排出する。
【0104】
一方、操作者が「内訳」の選択ボタンa2を押すと、紙葉類取引装置1は、ステップS200と同様の処理を行うことで、図12(b)に示す画像を表示する。図12(b)に示されるように、各種情報表示エリアBは表示されない。また、残高表示エリアa5がディスプレイ3の中心よりも下方に表示される。この例では、残高表示エリアa5がディスプレイ3の中心よりも下方に表示されるので、残高が操作者以外の人に視認されることが防止される。また、「内訳」の選択ボタンa2が押されない限り、残高が表示されないので、この点でも、残高が操作者以外の人に視認されることが防止される。
【0105】
図13は、ステップS200の処理により表示される画像の例の一つであり、操作者が振込先の銀行を指定する段階で表示される。この例では、各種情報表示エリアBは表示されない。各選択ボタンa2に、互いに異なる金融機関名が記載されており、各選択ボタンa2が、金融機関の種類(すなわち、銀行、信用金庫、その他)に区分され、かつ、あいうえお順にソートされている。なお、スクロールボタンa6も表示されている。操作者がスクロールボタンa6を押すと、ディスプレイ3に表示されていなかった各選択ボタンa2が表示されるようになる。この例では、各選択ボタンa2が、金融機関の種類で区分され、かつ、あいうえお順にソートされているので、操作者は、所望の金融機関を容易に選択することができる。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0107】
例えば、各種情報表示エリアに表示される各種情報は、紙葉類取引装置1の近隣の地図情報や、紙葉類取引装置1の近隣の公共交通機関が運行される状況(例えば時刻表)等であってもよい。また、取引が開始されるまで取引制御部40が待機する場合、取引画像情報表示エリアには、紙葉類取引装置1が処理可能な取引の種類が表示されても良い。
【符号の説明】
【0108】
1 紙葉類取引装置
2 筐体
3 ディスプレイ
4 レシート排出口
5 カード入出口
6 硬貨入出口
7 紙幣入出口
8 テンキー
9 タッチパネル
10 レシート印刷部
20 媒体検出部
30 入出口制御部
40 取引制御部
50 調整制御部
60 表示制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者との間で行われる取引の制御を行う取引制御部と、
操作者と前記取引制御部との間で行われる取引に関する取引画像情報を表示画面内の表示エリアである取引画像情報表示エリアに表示する制御と、前記表示画面のうち前記取引画像情報表示エリア以外の表示エリアである各種情報表示エリアに前記取引画像情報以外の各種情報を表示する制御とを行う表示制御部と、
前記取引画像情報表示エリア及び前記各種情報表示エリアの大きさを前記取引の状況に応じて調整する制御を行う調整制御部とを備え、
前記表示制御部は、操作者が媒体の投入操作を行うまで前記取引制御部が待機する場合、前記取引画像情報として、前記媒体の投入を促す情報を前記取引画像情報表示エリアに表示する制御を行ない、
前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを前記各種情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、取引装置。
【請求項2】
前記調整制御部は、前記各種情報表示エリアの大きさをゼロとする制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の取引装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、取引画像情報表示エリアを前記表示画面の全面に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の取引装置。
【請求項4】
前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリアと第2取引画像情報表示エリアに分割する制御を行うことを特徴とする、請求項2または3に記載の取引装置。
【請求項5】
前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリアと第2取引画像情報表示エリアに分割し、前記第1取引画像情報表示エリアを前記第2取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の取引装置。
【請求項6】
前記調整制御部は、操作者による媒体の投入が無い場合、前記第2取引画像情報表示エリアを前記第1取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載の取引装置。
【請求項7】
前記調整制御部は、操作者が前記媒体の投入操作を行うまで前記取引制御部が待機する時間が経過するほど、前記第2取引画像情報表示エリアを前記第1取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載の取引装置。
【請求項1】
操作者との間で行われる取引の制御を行う取引制御部と、
操作者と前記取引制御部との間で行われる取引に関する取引画像情報を表示画面内の表示エリアである取引画像情報表示エリアに表示する制御と、前記表示画面のうち前記取引画像情報表示エリア以外の表示エリアである各種情報表示エリアに前記取引画像情報以外の各種情報を表示する制御とを行う表示制御部と、
前記取引画像情報表示エリア及び前記各種情報表示エリアの大きさを前記取引の状況に応じて調整する制御を行う調整制御部とを備え、
前記表示制御部は、操作者が媒体の投入操作を行うまで前記取引制御部が待機する場合、前記取引画像情報として、前記媒体の投入を促す情報を前記取引画像情報表示エリアに表示する制御を行ない、
前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを前記各種情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、取引装置。
【請求項2】
前記調整制御部は、前記各種情報表示エリアの大きさをゼロとする制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の取引装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、取引画像情報表示エリアを前記表示画面の全面に表示する制御を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の取引装置。
【請求項4】
前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリアと第2取引画像情報表示エリアに分割する制御を行うことを特徴とする、請求項2または3に記載の取引装置。
【請求項5】
前記調整制御部は、前記取引画像情報表示エリアを第1取引画像情報表示エリアと第2取引画像情報表示エリアに分割し、前記第1取引画像情報表示エリアを前記第2取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の取引装置。
【請求項6】
前記調整制御部は、操作者による媒体の投入が無い場合、前記第2取引画像情報表示エリアを前記第1取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載の取引装置。
【請求項7】
前記調整制御部は、操作者が前記媒体の投入操作を行うまで前記取引制御部が待機する時間が経過するほど、前記第2取引画像情報表示エリアを前記第1取引画像情報表示エリアよりも大きくする制御を行うことを特徴とする、請求項5に記載の取引装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−84298(P2013−84298A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−280796(P2012−280796)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2010−254184(P2010−254184)の分割
【原出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2010−254184(P2010−254184)の分割
【原出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591051645)株式会社OKIソフトウェア (173)
【Fターム(参考)】
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