説明

受け部材付き磁気吸着型ボード

【課題】 受け部材の取り付け作業が簡単で、しかも安定した取り付け強度も確保することのできる、生産性及び性能的に優れた、受け部材付き磁気吸着型ボードを提供する。
【解決手段】 磁気吸着可能な磁気吸着型ボード2と、受け部材3とからなり、その磁気吸着型ボード2には表面から背面を貫通する打ち抜き部4が形成されていて、そこに、受け部材3の附属品受け部8が、垂直状の抜け止め部9によって抜け出さないように挿入され、その状態で、磁気吸着型ボード2の背面を強磁性体物品Wに磁気吸着させることにより物品として完成すると共に、確実に取り付けられる受け部材付き磁気吸着型ボード1とした。なお、磁気吸着型ボード2は可撓性のものでも硬質のものでもよく、ホワイトボードに限らず、各種ボードに採用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒板やホワイトボード等のように筆記表示や表示物の掲示板として使用されるボードのうち、一般家庭等でも使用できる比較的小型の磁気吸着型のボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から筆記表示や表示物の掲示には、学校教育等で使用される黒板に代表されるように、大型で、白墨や黒板拭きが置ける粉受けを兼ねた受け部材を、その下方に設置した構成のものが公知となっている。
【0003】
一方、近年では、一般家庭でも使用できるような、水性やアルコール性のインクを使ったフェルトペンを使用し、その書き込み及び消去が可能な小型のホワイトボードや、小型の掲示用ボードが普及してきている。
そして、これらの小型のボードには、受け部材の無いタイプのものも見受けられるが、受け部材を有する構成のものも公知となっている。
【0004】
即ち、特許文献1には、ゴム磁石の表面に薄い板状の合成樹脂をはり、その上部につり金具を設け、下部にペン受け皿を設けたゴム磁石ホワイトボードが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、厚紙や合成樹脂発泡体の芯材に合成樹脂フィルムを張り合わせた筆記体を使用し、その中央下方端近傍に2個以上のあなを設け、そのあなに対して、平板状でなるペン置き用の支持片の両端を差し込んで取り付ける構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭62‐107995号公報
【特許文献2】実開昭63‐33992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術においては、ペン受け皿のゴム磁石に対する具体的な取り付け方法が開示されてはおらず、通常は、接着等で取り付けられていると解釈されるが、この場合には、接着剤のはみ出し、汚れ、及び、ペン受け皿の位置ずれが起こらないような配慮が必要なため、生産性上の不都合が起こり易い。
なお、ゴム磁石に対してペン受け皿を磁気吸着で取り付ける構成も想像することもできるが、この場合には、ペン受け皿を鋼板のような強磁性体製とする必要があり、防錆処理や端面に鋭利なバリ等が生じない処理が必要であると共に、ペン受け皿に接触した際に簡単に移動しないように充分な磁気吸着力を確保しなければならないという技術的な課題も生じてくる。
【0008】
また、特許文献2の技術においては、平板状のペン置き用の支持片を、その平板面が垂直となるような形態で筆記体に設けられたあなに差し込んで取り付けるため、その上部端面にマッチする形態のペンでないと載置しにくくて落下し易い不都合があり、また筆記体のあなに対して、ペン置き用の支持片の端面が差し込まれるため、ペン置き用支持片に負荷がかかると、その端面が食い込んで損傷し易いという強度上の不都合が予想されるものとなっている。
【0009】
そこで、本発明は、これらの従来技術における不都合を解消すべく、受け部材の取り付け作業が簡単で、しかも安定した取り付け強度も確保することのできる、生産性及び性能的に優れた受け部材付き磁気吸着型ボードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決させるために、本発明は、受け部材が最初から取り付けられたボードの構成としないで、ボードを強磁性体物品に取り付ける磁気吸着力の作用を利用することを鋭意検討した結果想到されたものであり、具体的には、強磁性体物品に対して背面が磁気吸着可能な磁気吸着型ボードと受け部材とからなり、その磁気吸着型ボードには表面から背面を貫通する打ち抜き部が形成され、受け部材には断面が水平乃至上向きの傾斜面或いは略L字状でなる附属品受け部とその後部に設けられる垂直状の抜け止め部とが形成されていて、その受け部材は、磁気吸着型ボードの打ち抜き部に対して、附属品受け部が抜け出さないように挿入して係止できると共に、その係止状態から、磁気吸着型ボードの背面を強磁性体物品に磁気吸着させた時、抜け止め部が、磁気吸着型ボードと強磁性体物品間に保持されることにより間接的に取付けられる構成とした。
【0011】
このような構成としたことにより、受け部材は、最初から磁気吸着型ボードに取り付けられていないので、製品としては分解された部材を梱包するだけなので生産性がよく、また、受け部材のボードへの取り付けも、直接的には磁気吸着型ボードの背面側から挿入する作業だけでよいので簡単に行うことができる。
なお、受け部材は、磁気吸着型ボードを強磁性体物品に磁気吸着させた時に、その抜け止め部が、その間に入り込み、この状態から、磁気吸着型ボードに形成された打ち抜き部から抜け出ることはないため、間接的ではあるが、確実に取り付けられることになる。
【0012】
また、磁気吸着型ボードは可撓性のマグネットシートで形成されており、受け部材を挿入した状態で強磁性体物品に磁気吸着した時、その受け部材に形成されている抜け止め部は、磁気吸着型ボードが柔軟に変形することにより強磁性体物品間に挟着状態に保持されるような構成とすることができる。
この構成によれば、受け部材に形成されている抜け止め部は隙間なく保持されるので、受け部材の取り付け状態が、より安定する利点がある。
【0013】
なお、磁気吸着型ボードの表面には、水性、およびまたは、アルコール性インクを使用したフェルトペンの書き込み及び消去が可能な筆記層を形成するようにして実施することができる。
【0014】
そして、受け部材に形成された附属品受け部には、切り欠き、およびまたは、突起部が形成されている形態にすることもでき、このようにすると、輪ゴム等の附属品も引っ掛けられるので、利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単な構成でありながら、受け部材の取り付け強度が安定した受け部材付きの磁気吸着型ボードに仕上げることができる。
従って、生産性がよいと共に生産コストを低い製品として仕上げることができる。
また、受け部材は、磁気吸着型ボードに直接固定されないため、磁気吸着型ボードは受け部材なしのシンプルな形態でも使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1における分解斜視図を示す。
【図2】本発明の実施例1における組立て手順説明用の断面図を表わしたものであり、(a)は受け部材の係止前、(b)は受け部材の係止操作状態、(c)は受け部材の係止後を示す。
【図3】本発明の実施例1の強磁性物品への取り付け状態を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は部分拡大縦断面図を示す。
【図4】本発明の実施例1における受け部材の変形例1を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は強磁性体物品への取り付け状態を仮想した断面図を示す。
【図5】本発明の実施例1における受け部材の変形例2を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は強磁性体物品への取り付け状態を仮想した断面図を示す。
【図6】本発明の実施例1における受け部材の変形例3を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は強磁性体物品への取り付け状態を仮想した断面図を示す。
【図7】本発明の実施例1における受け部材の変形例4を表わした斜視図を示す。
【図8】本発明の実施例1における受け部材の変形例を表わした斜視図であり、(a)は変形例5、(b)は変形例6、(c)は変形例7、(d)は変形例8を示す。
【図9】本発明の実施例1における受け部材の変形例9を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は組立て手順説明用の斜視図(c)は強磁性体物品取り付け状態の斜視図を示す。
【図10】本発明の実施例2の背面から見た斜視図を示す。
【図11】本発明の実施例2の強磁性物品への取り付け状態を表わしたものであり、(a)は斜視図、(b)は部分拡大縦断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、磁気吸着型ボードと、受け部材とからなる受け部材付き磁気吸着型ボードであるが、両部材を係止しただけでは物品として成り立たず、磁気吸着型ボードを強磁性体物品に磁気吸着にて取り付けた時に、物品として完成することを特徴としたものであり、以下、実施例に沿って詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例1における分解斜視図を示したのである。
即ち、受け部材付き磁気吸着型ボード1は、磁気吸着型ボード2と、受け部材3とで構成される。
そして、物品として完成させるには、磁気吸着させるための強磁性体物品Wが不可欠な部材となる。
【0019】
本実施例における磁気吸着型ボード2は、可撓性のマグネット複合ホワイトボード製となっており、水性やアルコール性のインクを使用したフェルトペンでの書き込みや、拭き取りが可能なものとなっている。
この磁気吸着型ボード2の厚さは1mm程度で、幅約300〜500mm程度、高さ200〜400mm程度の大きさで、下端寄りに、後述する受け部材3が挿入するための打ち抜き部4が貫通状態で形成されている。なお、この打ち抜き部4の大きさは、受け部材3が挿入し係止作業ができる最小限の大きさが好ましい形態となる。
【0020】
なお、マグネット複合ホワイトボードの構成は、概ね、可撓性マグネットシート5上に、ホワイトボード用フィルム6とを接着剤または粘着剤で積層貼着したものとなっており、そのホワイトボード用フィルム6の構成は、一例として、ホワイトボード用フィルムの基材6aと透明フィルム製でなる筆記層の基材6bとを接着剤または粘着剤で積層貼着し、さらに、筆記層の基材6bの表面に透明塗布層でなる筆記層6cを設けたものが挙げられる。
但し、ホワイトボード用フィルムは、上記の構成以外に、上記の筆記層の基材6bを構成しないタイプのものや、上記の筆記層6cは用いずに、上記の筆記層の基材6bに換えて透明フィルム状の筆記層を設けたタイプ等のものも用いることが可能である。
【0021】
可撓性マグネットシート5は、磁石材料粉末と粘結材として少量の有機高分子エラストマーとを混練したものを、圧延成形、押出成形、圧縮成形の何れかによってシート状に成形した後、多極着磁を施したものである。
なお、磁石材料粉末の充填量は、約60vol%のものが多く用いられている。
【0022】
そのうち、磁石材料粉末としては、ストロンチュウムフェライト、バリュウムフェライトなどのフェライト系磁石材料粉末、サマリウム・コバルト系、ネオジウム・鉄・硼素系、サマリウム・鉄・窒素系などの希土類磁石材料粉末が挙げられ、中でもストロンチュウムフェライト系磁石材料粉末が、耐久性、経済性から見て好適である。
【0023】
また、有機高分子エラストマーとしては、塩素化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、ニトリルゴム、アクリルゴムなどが挙げられ、中でも塩素化ポリエチレンが物質、耐久性、経済性から見て好適である。
従って、本実施例においては、ストロンチュウムフェライト系可撓性マグネットシートが好適であり、その厚さは、0.5mm〜0.9mm程度のものが使用される。
【0024】
なお、ホワイトボード用フィルム6におけるホワイトボード用フィルムの基材6aは、厚さが100μm〜200μm程度で、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などにチタンホワイトなどの白色顔料を含んだ白色のプラスチックフィルムが用いられる。
【0025】
また、筆記層の基材6bとしては、厚さが100μm〜200μm程度で、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などのものが用いられる。
【0026】
そして、筆記層6cとしては、紫外線架橋型のアクリル・シリコーン系などが用いられ、その厚みは1μm〜10μm程度となっている。
なお、筆記性、消去性、防眩性を良くするために、球状の微粒子(平均粒子径2μm〜10μm)を添加したものを用いても良い。
【0027】
また、受け部材3は、ABS樹脂等の合成樹脂製で、断面が略凹字型となっており、概ね、板厚1〜2mm程度、幅約200mm、奥行き約40mm、正面側の高さ約16mm、背面側の高さが約21mmとなっている。
但し、この部材の材料は、他の合成樹脂も含めて、適宜に選択して使用することができる。
そして、形態は、底部8aから正面の立上げ部8bで附属品受け部8が形成され、底部8aの後部には、抜け止め部9が垂直に立設して形成されるものとなっている。
【0028】
次に、以上の構成でなる、受け部材付き磁気吸着型ボード1を完成させる手順について、図2(a)〜(c)並び図3(a)(b)を使って説明する。
【0029】
先ず、図2(a)の受け部材3の係止前の状態に示すように、受け部材3の抜け止め部9が、想像線で示すように水平となるような状態として、その先端を、磁気吸着型ボード2の打ち抜き部4に差し込む。
次に、図2(b)の受け部材3の係止操作状態に示すように、受け部材3の抜け止め部9を、磁気吸着型ボード2の打ち抜き部4に対して、想像線で示すように回転するように差し込んでいくと、最終的に受け部材3の抜け止め部9は、磁気吸着型ボード2の背面に当接する状態となり、係止状態の受け部材付き磁気吸着型ボード1となる。
【0030】
そして、図2(c)の受け部材3の係止後の状態に示すように、磁気吸着型ボード2に受け部材3が係止された受け部材付き磁気吸着型ボード1の背面を、矢印で示すように強磁性体物品Wに近接させる。
【0031】
そうすると、図3(a)の強磁性物品への取り付け状態を表わす斜視図、図3(b)の部分拡大縦断面図に示されるように、受け部材付き磁気吸着型ボード1における磁気吸着型ボード2の背面は、強磁性体物品Wに磁気吸着にて、取り付けられる。
【0032】
この時、磁気吸着型ボード2の背面に位置していた受け部材3の立ち上がり部9は、図3(a)の破線状態、及び図3(b)に示すように、磁気吸着型ボード2が可撓性であるためその全面が磁気吸着型ボード2の背面で押しつけられることになり、磁気吸着型ボード2と強磁性体物品Wとの間に挟着状態で保持されることになる。
【0033】
なお、受け部材は、各種に変形して実施することが可能である。
【0034】
図4は、受け部材の変形例1を表わしたものであり、図4(a)は斜視図、図4(b)は強磁性体物品Wへの取り付け状態を仮想した断面図を示している。
この変形例1における、受け部材10は、抜け止め部12が、実施例1と同様な形態となっているが、附属品受け部11が、実施例1における受け部材3の底部8aに相当する部分のみとなっており、上向きに傾斜する状態(図面の傾斜角度Yは、略22度)に形成されている。
このような形態にしても附属品の載置は可能であり、附属品の使用頻度が多い場合に、好ましく採用することができる。
なお、附属品受け部の角度は、その性質上、水平乃至上向きの45度程度までの傾斜面が好ましい形態となる。
【0035】
図5は、受け部材の変形例2を表わしたものであり、図5(a)は斜視図、図5(b)は強磁性体物品Wへの取り付け状態を仮想した断面図を示している。
この変形例2の受け部材13の形態は、附属品受け部14は、実施例1と同様に、底部14aと立上げ部14bとで構成されるが、抜け止め部15が、実施例1における受け部材3の抜け止め部9の形成方向とは逆に下向きに垂直に形成され、且つ、附属品受け部14の立上げ部14bと同じ高さとなっている。
従って、断面の中心に対して点対称であり、附属品受け部14と、抜け止め部15とは区別することなく使用することができる。
【0036】
図6は、受け部材の変形例3を表わしたものであり、図6(a)は斜視図、図6(b)は強磁性体物品Wへの取り付け状態を仮想した断面図を示している。
この変形例3の受け部材16の形態は、附属品受け部17については、実施例1と同様に、底部17aと立上げ部17bとで構成されるが、抜け止め部18が、実施例1における受け部材3の抜け止め部9の態様とは異なっており、上向き片18aと連続する形で、下向き片18bも垂直に形成されている。
この形態は、図6(b)は強磁性体物品への取り付け状態を仮想した断面図に表わされるように、抜け止め部18の上向き片18aと下向き片18bとが可撓性の磁気吸着型ボード2と強磁性体物品Wの間で挟着保持されることになるため、受け部材の16の取り付け強度が向上するので、附属品の負荷重が大きいような用途に、好ましく使用することができる。
【0037】
また、図7の受け部材の変形例4を表わした斜視図に示すように、受け部材19の附属品受け部20の形態は、各種の附属品が置き易いように、形状を変更して実施することができる。
即ち、切り欠き部20aを複数、例えば2箇所設ければ、その間の残留片20bには、例えば輪ゴム等の附属品を引っ掛けることができ、逆に上方への突片20cを設けても同様に活用することができる。
また、穴部20dを形成すれば、テーパー状等の棒状の物品を差し込んで係止させることもできる。
【0038】
なお、これまで説明してきた受け部材は、幅寸法が比較的大きいものとなっているが、狭い幅であっても実施することが当然に可能であり、以下に附属品受け部を変形させた形態も含めて説明する。
【0039】
図8は、基本的には、これまで説明した実施例1、変形例1、変形例2、変形例3と同一の断面で幅寸法を小さく形成した変形例を表わしている。
即ち、図8(a)の受け部材21は実施例1の幅を約1/2とした変形例5を示し、図8(b)の受け部材22は変形例1の幅を約1/4とした変形例6を示し、図8(c)の受け部材23は変形例2の幅を大幅に小さくし附属品受け部の立上げ部23bも略三角形とした変形例7を示し、図8(d)の受け部材24は変形例3の幅を大幅に小さくした変形例8を示している。
【0040】
また、本発明の受け部材は、抜け止め部が形成されていれば機能するものであり、附属品受け部の形態は磁気吸着型ボードの挿入に支障がなければ自由な形態で実施することができる。
【0041】
図9はその一例を示した変形例9を表わしたものであり、図9(a)は斜視図、図9(b)は組立て手順説明用の斜視図、図9(c)は強磁性体物品取り付け状態の斜視図を示している。
即ち、本変形例の受け部材25は、略正方形の抜け止め部27と、丸棒を屈曲させた形態の底部26a及び立上げ部26bからなる附属品受け部26とで形成されている。
従って、その場合の磁気吸着型ボード2aの打ち抜き部4aは円形となっており、図9(b)に示すように、その打ち抜き部4aに対して、受け部材25の附属品受け部26の先端を矢印に示すように挿入すれば、図9(c)のように、強磁性体物品Wに取り付けることができる。
【0042】
このように、受け部材の附属品受け部の形状は自由に変形させることができ、その場合には、磁気吸着型ボードの打ち抜き部の形状をそれに沿った形状にすればよい。
【実施例2】
【0043】
図10及び図11(a)(b)は、本発明の実施例2を表わしたものである。
この実施例は、実施例1における磁気吸着型ボードが、可撓性のマグネット複合ホワイトボード製であったのに対して、硬質のコルクボード製とした構成が異なっている。
即ち、図10の磁気吸着型ボードの背面から見た斜視図、及び図11(a)の強磁性物品への取り付け状態を表わした斜視図、図11(b)の部分拡大縦断面図に示すように、受け部材付き磁気吸着型ボード31は、コルクボード製の磁気吸着型ボード32と、附属品の吊り下げをしやすい機能を多く取り入れた受け部材33とで構成されている。
【0044】
コルクボード製の磁気吸着型ボード32は、厚さ5〜10mm程度のMDF等の木質ボードからなる基材34と、厚さ5〜10mm程度のコルクシート35とを接着剤で貼着し、さらに、裏面の4箇所にネオジ磁石等の磁石36,36,...が、接着剤にて取り付けられている。
この時、磁石36の先端は、後述する受け部材33の抜け止め部39の厚さより若干大きくなるような寸法に設定されている。
また、下端部分には、実施例1同様に、後述する受け部材33を挿入して係止するための打ち抜き部37が形成されている。
【0045】
そして、受け部材33については、基本的には実施例1と同様な構成であるが、本物品に使用する附属品は、ホワイトボード用のようにフェルトペン等の筆記具より、キー等の吊り下げ用の用途が多いため、附属品受け部38の底部38aの前部に形成した立上げ部38bには引っ掛け部38c,38c,...を複数形成した構成となっている。
【0046】
以上のような構成でなる、実施例2の受け部材付き磁気吸着型ボード31を、強磁性体部品Wに、取り付ける手順は、概ね、実施例1と同様である。
但し、受け部材33に形成した引っ掛け部38c,38c,...を含めると立上げ部38bは、抜け止め部39より高くなるため、このような場合、受け部材33は、磁気吸着型ボード32の背面側からの方が挿入を行いやすい。
【0047】
そして、受け部材33を係止した磁気吸着型ボード32を強磁性体物品Wに磁気吸着させると、図11(a)強磁性物品への取り付け状態を表わした斜視図に示すように、受け部材付き磁気吸着型ボード31が完成すると共に取り付けられることになる。
この時、本実施例においては、図11(b)の部分拡大縦断面図に示されるように、受け部材33の抜け止め部39は、磁気吸着型ボード32と強磁性体物品W間に若干の隙間が生じる状態で保持されることになる。
なお、その隙間分だけ若干のガタツキは生じるが、取り付け強度上の支障はない。
【0048】
本発明は、各種に変形して実施することが可能である。
例えば、磁気吸着型ボードとしては、上述した実施例のような、フェルトペンを用いるホワイトボードや、コルクボードに限らず、白墨を使う黒板や各種掲示板等、磁気吸着するボードであれば、それらの用途に適した形態に変形して実施することが可能である。
その際、実施例1及び実施例2で示したように、磁気吸着型ボードは可撓性のものであっても、硬質のものであっても実施が可能である。
また、実施例1に示した受け部材の各種の変形例は、当然に実施例2に用いることも可能であり、それらを基礎として、更に変形し、実施することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、磁気吸着型ボードに対して、簡単な構成でありながら、受け部材を確実に取り付けることができ、しかも、受け部材の取り外しも簡単に行うことができるので、目的よって使い分けが可能なため利便性が高い。
また、磁気吸着するボードであれば、ホワイトボードに限らず、各種の掲示板等にも応用することができ、その磁気吸着型ボードも、可撓性のものから硬質のものまで活用することができる。
従って、一般家庭から業務用まで幅広い分野で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
W 強磁性体物品
Y 傾斜角度
1、31 受け部材付き磁気吸着型ボード
2、2a、32 磁気吸着型ボード
3、10、13、16、19、21、22、23、24、25、33 受け部材
4、4a、37 打ち抜き部
5 可撓性マグネットシート
6 ホワイトボード用フィルム
6a ホワイトボード用フィルムの基材
6b 筆記層の基材
6c 筆記層
8、11、14、17、20、26、38 附属品受け部
8a、14a、17a、26a、38a 底部
8b、14b、17b、23b、26b、38b 立上げ部
9、12、15、18、27、39 抜け止め部
18a 上向き片
18b 下向き片
20a 切り欠き部
20b 残留片
20c 突片
20d 穴部
34 基材34
35 コルクシート35
36 磁石36
38c 引っ掛け部38c

【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性体物品に対して背面が磁気吸着可能な磁気吸着型ボードと受け部材とからなり、
上記磁気吸着型ボードには表面から背面を貫通する打ち抜き部が形成され、
上記受け部材には断面が水平乃至上向きの傾斜面或いは略L字状でなる附属品受け部とその後部に設けられる垂直状の抜け止め部とが形成されていて、
上記受け部材は、上記磁気吸着型ボードの打ち抜き部に対して、上記附属品受け部が抜け出さないように挿入して係止できると共に、
その係止状態から、磁気吸着型ボードの背面を強磁性体物品に磁気吸着させた時、上記抜け止め部が、上記磁気吸着型ボードと強磁性体物品間に保持されることにより間接的に取付けられることを特徴とする受け部材付き磁気吸着型ボード
【請求項2】
磁気吸着型ボードは可撓性のマグネットシートで形成されており、受け部材を挿入した状態で強磁性体物品に磁気吸着した時、該受け部材に形成されている抜け止め部は、上記磁気吸着型ボードが柔軟に変形することにより上記強磁性体物品間に挟着状態に保持されることを特徴とする請求項1に記載の受け部材付き磁気吸着型ボード
【請求項3】
磁気吸着型ボードの表面には、水性、およびまたは、アルコール性インクを使用したフェルトペンの書き込み及び消去が可能な筆記層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の受け部材付き磁気吸着型ボード
【請求項4】
受け部材に形成された附属品受け部には、切り欠き、およびまたは、突起部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の受け部材付き磁気吸着型ボード

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−11524(P2011−11524A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159943(P2009−159943)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(000110893)ニチレイマグネット株式会社 (24)
【Fターム(参考)】